説明

DFAと糖アルコールを含有する野菜飲料

【課題】
野菜飲料に対し、その野菜飲料としての観点から満足を損なうことなく、さらに緑色野菜を原料とした野菜飲料特有の「青臭さ」、「辛味」、「苦味・エグ味」、「酸味」に代表される異味をフレーバーを用いることなく改善することである。
【解決手段】
DFA及びキシリトールあるいはエリスリトールを含有する野菜飲料。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、野菜飲料に関する。
【背景技術】
【0002】
ダイフラクトースアンハイドライド(以下DFAという)は、フルクトース2分子が環状で結合した構造を有する。1930年代より天然成分として見出されており、カラメルやローストチコリなどの食品中にも微量に存在することが確認されている希少性の高い難消化性糖類である。工業的にも生産できるようになってきた。
【0003】
難消化の性質を示すDFAは、現在までに血糖値に影響を与えないことが確認されており、また、虫歯を誘発しないことが推察されている。さらに、ヒト、実験動物においてカルシウムをはじめとするミネラルの吸収を促進することも確認されている。
DFAは、結晶性や溶解性に優れ、高純度の製品の製造が可能となり、近年工業的に生産されるようになって食品への応用研究が進められている。
DFAの甘味度はショ糖の約半分で、酸性条件下における熱安定性が高く、吸湿性、保存安定性など優れた加工特性を持っている。特にメイラード反応が起こりにくいため、着色を嫌う食品への利用に適している。
ところで、野菜ジュースは、各種ビタミン、ミネラルを豊富に含むため、消費者の野菜不足への意識や健康志向に伴い、その需要が高まり、各種野菜含有飲料として多く飲用されている。特に青汁に代表される緑色野菜を含有した飲料は、年々その消費が拡大している(非特許文献1)。その一方で、これらの各種野菜含有飲料、特に栄養価、機能性の高い緑色野菜を含有した飲料は特有の青臭さ、にがみや渋味を有したものがあり、その風味に対して抵抗感を抱く消費者も多く、飲用上での妨げとなっている。例えば、緑色野菜を含有する飲料にはフラボノイドのようなポリフェノール類やカリウムを主とした塩類に由来する「エグ味」やグルコシノレート類に由来する「苦味」、イソチオシアネート類に由来する「辛味」に代表される異味、他にも緑色野菜特有の「青臭さ」、「酸味」を有するという問題が、より一層飲用の妨げとなっている。このため、苦味や渋味を有した飲料に果汁飲料や牛乳、豆乳などを混合し、飲用時にこれら青臭さ、苦味や渋味を有した飲料特有の風味を緩和させようとすることなども行われているが、緑色野菜飲料の飲用という観点では満足のゆくものではなかった。また、「青臭さ」をマスキングする意味で天然、または合成のフレーバーを使用したり、フレーバーの強い果物の果汁を使用したりする方法もあるが、特に健康志向の高い消費者にとってフレーバーに対する抵抗感が強く、果汁で「青臭さ」をマスキングするには、配合量を多くする必要があるため、野菜飲料を十分量飲用するという観点からはあまり好ましくない。
異味の原因となるポリフェノール類、グルコシノレート類などは抗酸化作用や抗ガン作用、解毒作用、ピロリ菌撃退作用などが数々の研究より示唆されており、健康増進に有用な物質であるため、これらの物質を除去して異味を感じさせないようにすることは健康増進を目的とする野菜飲料の飲用という観点では不適切である。従って、これらの機能性成分を保持しつつ、風味を改善する手段が希求されている。
従来、野菜飲料について、その特有の風味を改善する方法が研究されており、エリスリトールを添加する方法(特許文献1)やトレハロースを添加する方法(特許文献2)などにより調味をする方法が知られている。しかしながら、添加物を使用した調味方法は青汁に代表される緑色野菜飲料の呈味改善においては、添加物由来の味が発現し、緑色野菜の味が不自然なものとなってしまう問題がある。また、緑色野菜類特有の風味(青臭み、苦味、エグ味)が強いものについては、効果を得るために添加量を多くしなければならず、必然的に野菜搾汁液に対する添加物の割合が多くなり、野菜飲料の飲用という観点では満足のゆくものではなくなってしまうという問題もある。
【0004】
一方、DFAを低カロリーの甘味料として着目し利用する試みがなされている。この場合は、DFAの持つ特有の味質、苦味が強い、後味に刺激味が残存、キシリトールやマンニトールよりも苦味、後味が強いなどを改善する必要があるとされ、味質改良のためにDFAに対しメントールを加えたものや(例えば特許文献3)、ガラクトマンナン分解物との組み合わせによる方法(例えば特許文献4)が記載されている。これらは、いずれもDFAそのものに対しての味質改善に関する発明であり、上記野菜飲料に加えた場合の野菜特有の「青臭さ」、「辛味」、「苦味・エグ味」、「酸味」に代表される異味の改善に関しての課題を解決するものではない。
【0005】
【非特許文献1】ビバリッジ ジャパン, 244, 34, 2002
【特許文献1】特許3249747号
【特許文献2】特許3270013号
【特許文献3】特開平03−67560号公報
【特許文献4】特開2001−292722号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、野菜飲料に対し、その野菜飲料としての観点から満足感を損なうことなく、さらに緑色野菜を原料とする野菜飲料特有の「青臭さ」、「辛味」、「苦味・エグ味」、「酸味」に代表される異味改善に関しての課題を改善することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、上述した問題点を解決するために鋭意研究を行った結果、野菜飲料に対しDFAと糖アルコールを併用することで、野菜飲料の観点から、その満足感を損なうことなく、さらにフレーバーを使用することなく、緑色野菜を原料とする野菜飲料特有の「青臭さ」、「辛味」、「苦味・エグ味」、「酸味」に代表される異味を改善することを見出し、本発明を完成させた。
【0008】
本発明の主な構成は次のとおりである。
(1) 緑色野菜を原料として含む野菜飲料において、DFA(ダイフラクトースアンハイドライド)と糖アルコールを含有することを特徴とする野菜飲料。
(2) さらに豆乳を含有することを特徴とする(1)記載の野菜飲料。
(3) DFA(ダイフルクトースアンハイドライド)がDFAIIIであることを特徴とする(1)又は(2)記載の野菜飲料。
(4) 糖度が2.0〜9.0の野菜搾汁液100重量部に対しDFA(ダイフラクトースアンハイドライド)2.0〜4.5重量部であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の野菜飲料。
(5) DFA(ダイフラクトースアンハイドライド)1.0重量部に対し糖アルコールが0.5〜3.0重量部であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の野菜飲料。
(6) 糖アルコールがキシリトール又はエリスリトールであることを特徴とする(1)〜(5)記載の野菜飲料。
(7) 緑色野菜がアブラナ科植物であることを特徴とする(1)〜(6)記載の野菜飲料。
【発明の効果】
【0009】
DFAと糖アルコールを併用し野菜飲料に添加することにより、野菜飲料の観点から、その満足感を損なうことなく、さらに緑色野菜を原料とした野菜飲料特有の「青臭さ」、「辛味」、「苦味・エグ味」、「酸味」に代表される異味を、フレーバーを用いることなく改善することができた。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明で使用する野菜飲料は、野菜を粉砕または搾汁したものである。特に本発明で対象となる「青臭さ」、「辛味」、「苦味・エグ味」、「酸味」に代表される異味を有する野菜としては、アブラナ科野菜が例示される。具体的には、アブラナ科ケシ目に属するもので、カブ、カラシ、カリフラワー、キャベツ、クレソン、ケール、小松菜、大根、プチベール、ブロッコリー、芽キャベツ、ルッコラ、ワサビなどが挙げられ、特に苦味の原因となるグルコシノレートの含有率が非常に高い植物である。異味の原因となるグルコシノレートとは、カラシ油配糖体ともいい、R−N=C=Sで表わされるイソチオシアネートの前駆体であり、プロゴイトリン、グルコブラッシン、グルコナスタチン、シニグリン、グルコイベリン、グルコラファニン、ネオグルコブラッシン、グルコトロペオリン、グルコナピン、グルコブラシカナピン、シナルビン、グルコアリシンなどがある。これら例示される野菜あるいはグルコシノレートを1種または2種以上の組み合わせた配合でも、本発明の効果は変わらない。
【0011】
DFA(ダイフラクトースアンハイドライド)は、フルクトース2分子が環状で結合した構造を有する。1930年代より天然成分として見出されおり、カラメルやローストチコリなどの食品中にも微量に存在することが確認されている希少性の高い難消化性糖類である。工業的にも生産が可能となっている。二分子のフルクトースの結合様式の差異により、誘導体が5種類存在し、それぞれ、DFAI、DFAII、DFAIII、DFAIV、DFAV と称される。本発明では、主に、工業的生産の効率、精製してからの安定性などが優れているDFAIII(di−D−fructo−furanose1,2’:2,3’ dianhydride)を使用する。
【0012】
糖アルコールは、糖類の分子に水素を添加することにより、アルコール基(-OH)をもつ糖質が得られるものをいう。難消化性で低カロリー甘味料として使用され、さらには食品の日持ちを良くしたり、水分を保ち着色を抑えたり等の食品の品質改良剤、病者用食品、化粧品、医薬品等のように幅広く利用されている。本発明で使用する糖アルコールは、緩下作用が低く、さっぱりした甘味を有し、耐熱性に優れた5炭糖あるいは4炭糖のキシリトール、エリスリトールが良い。
キシリトールは、自然界に存在する天然の5炭糖の糖アルコールを指す。多くの果実や野菜の中に含まれ、また人体でも作られる。工業的には樺の木やその他の樫木のキシラン・ヘミセルロースを原料として作られる。キシリトールは全ての糖アルコールの中でも最も甘く、砂糖と同等の甘味度を有するものである。
エリスリトールは、糖アルコールの一種で、ブドウ糖を原料として酵母を用いて発酵により生産される「ぶどう糖発酵甘味料」を指す。白ブドウ果実やキノコの他、ワイン、清酒、醤油、味噌などの発酵食品にも含まれている天然の糖質である。
【0013】
DFAと糖アルコールを併用することによって、DFAのみ、あるいはキシリトールのみ又はエリスリトールのみの配合よりも、緑色野菜を原料とした野菜飲料特有の「青臭さ」、「辛味」、「苦味・エグ味」、「酸味」の異味をフレーバーを使用せずに改善することが実験の結果確認できた。その配合比は、糖度が2.0〜9.0の野菜搾汁液100重量部に対してDFA2.0〜4.5重量部が好ましく、糖アルコールはDFA 1重量部に対して0.5〜3.0重量部が良い。
【実施例1】
【0014】
以下に実施例を挙げて、具体的に説明するが、本発明がこれに限定されるものではない。表1に示す処方で、緑色野菜のケールを用いた野菜飲料を作製し、青臭さ、辛味、苦味、エグ味、甘味、酸味と総合評価を行った。
DFAとしてDFAIII(商品名「ツイントース(登録商標)」株式会社ファンケル販売)、キシリトール(商品名「キシリトールC」ダニスコジャパン株式会社販売)、エリスリトール(商品名「エリスリトール」日研化学株式会社販売)、フルクトース(商品名「結晶果糖」株式会社林原商事販売)、マルトース(商品名「サンマルト(登録商標)」株式会社林原商事販売)を用いた。
添加指標として、甘みを一定にする配合(試験方法1、2)を用いた。
野菜飲料は、緑色野菜飲料の代表として、ケール搾汁液(商品名「ファンケル青汁」株式会社ファンケル販売)を使用した。
評価点数については、−3、−2、−1、0、+1、+2、+3の7段階評価で、各評価基準は以下のとおりである。
<評価基準>
−3:評価項目について非常に悪い点がある(許容範囲外)
−2:評価項目について悪い点がある(許容範囲外)
−1:評価項目についてやや悪い点がある(許容範囲外)
0:評価項目について特に良い点も悪い点も認められない(許容範囲)
+1:評価項目についてやや良い点がある(許容範囲)
+2:評価項目について良い点がある
+3:評価項目について非常に良い点がある

【0015】
試験方法1:甘味度を砂糖の0.5%相当に揃えた試験、評価員10名
甘味度が砂糖換算で0.5%となる分量に配合比を調整した例を表1に示す。DFAIIIの甘味度は砂糖の甘味度を100%とした場合、50%であり、キシリトールは砂糖と同程度で100%、エリスリトールは砂糖の75%、フルクトースは砂糖の120%、マルトースは砂糖の33%である。
尚、「DFA」は、DFAIIIの略称として表示(以下同様)した。
【0016】
野菜飲料特有の「青臭さ」、「辛味」、「苦味・エグ味」、「酸味」と、野菜飲料としての「甘み」に着目し、それら5項目の平均評価点を合計して飲料として総合点を算出した。
専門官能評価員により、上記評価基準にて評価し、その総合点に基づく下記判定を総合評価として示した。
評価結果の総合点に基づく判定は次のとおり。
++++ 野菜飲料として極めて良い 総合点が9.0以上
+++ 野菜飲料として非常に良い 総合点が6.0以上9.0未満
++ 野菜飲料として良い 総合点が3.0以上6.0未満
+ 野菜飲料としてやや良い 総合点が1.0以上3.0未満
+− 野菜飲料として良くも悪くもない 総合点が-1.0以上1.0未満
− 野菜飲料としてやや悪い 総合点が-3.0以上-1.0未満
−− 野菜飲料として悪い 総合点が-6.0以上-3.0未満
−−− 野菜飲料として非常に悪い 総合点が-6.0未満
【0017】
【表1】

【0018】
本試験方法では、次のことがいえる。
甘さを砂糖の甘味度の0.5%にそろえた場合、エリスリトールを添加する方法(特許文献1)にあるように、エリスリトール添加品の評価は良いが、DFAとエリスリトールを併用したものの評価は更に高く、エリスリトール単体の場合よりも味の改善効果が高いことが判明した。
更にDFAは、エリスリトールとの併用だけでなく、キシリトールとの併用により、味の改善効果が一層高まることが判明した。
更に、キシリトールあるいはエリスリトールは、DFA以外の一般的な糖と併用するよりも、DFAと併用することで味の改善の効果が高まることも判明した。
【0019】
試験方法2:甘味度を砂糖の2%相当に揃えた試験、評価員6〜8名
甘味度が砂糖換算で2%となる分量に配合比を調整した例を表2に示す。DFAの甘味度は砂糖の半分であり、キシリトールの甘味度は砂糖と同程度、エリスリトールの甘味度は砂糖の75%、フルクトースは砂糖の120%、マルトースは砂糖の33%である。
【0020】
【表2】

【0021】
本試験方法では、次のことがいえる。
甘さを砂糖の甘味度の2.0%にそろえた場合、エリスリトールを添加する方法(特許文献1)にあるように、エリスリトール添加品の評価は良いが、DFA単体またはDFAとキシリトールを併用することで評価は更に高く、エリスリトール添加の場合よりも味の改善効果が高いことが判明した。
またDFAは、単独で使用することでも味の改善効果は見られるが、キシリトールとの併用により、味の改善効果が高まることが判明した。特に緑色野菜を原料として飲料特有の青臭さ改善への寄与が大きい。
更に、キシリトールあるいはエリスリトールは、DFA以外の一般的な糖と併用するよりも、DFAと併用することで味の改善の効果が高まることも判明した。
尚、DFA単独の評価点が高いが、DFAは高価な原料であることから、甘味度2.0%にした場合、配合品は非常に原価の高いものとなってしまう為、現実的には実用化が困難である。
【0022】
試験方法1と試験方法2から次のことがいえる。
DFAとキシリトール、あるいはDFAとエリスリトールを併用した場合に、味の改善効果に対して非常に良好な結果が得られ、緑色野菜を原料とした野菜飲料特有の飲みにくさを改善した。
また、DFA単独であっても野菜飲料として問題はなく、何も添加していないものよりも飲みにくさの改善に寄与していることが判明した。
【実施例2】
【0023】
表3に示す処方で、緑色野菜のケールを用いた野菜入り豆乳飲料を作製した。この野菜入り豆乳飲料に対して甘味度が砂糖の1.5%相当になるよう糖類を添加し、青臭さ、油酸化臭、後口、コク、味のバランスと総合評価を行った。DFAの甘味度は砂糖の甘味度を100%とした場合、50%であり、キシリトールは砂糖と同程度で100%である。
DFAとしてDFAIII(商品名「ツイントース(登録商標)」株式会社ファンケル販売)、キシリトール(商品名「キシリトールC」ダニスコジャパン株式会社販売)を用いた。
添加指標として、甘みを一定にする配合(試験方法1)を用いた。
野菜飲料は、緑色野菜飲料の代表として、ケール搾汁液(商品名「ファンケル青汁」株式会社ファンケル販売)を使用した。豆乳は一般的な無調整豆乳をベースに使用した。
【0024】
【表3】

【0025】
評価点数については、−3、−2、−1、0、+1、+2、+3の7段階評価で、各評価基準は以下のとおりである。
<評価基準>
−3:評価項目について非常に悪い点がある(許容範囲外)
−2:評価項目について悪い点がある(許容範囲外)
−1:評価項目についてやや悪い点がある(許容範囲外)
0:評価項目について特に良い点も悪い点も認められない(許容範囲)
+1:評価項目についてやや良い点がある(許容範囲)
+2:評価項目について良い点がある
+3:評価項目について非常に良い点がある

【0026】
試験方法1:甘味度を砂糖の1.5%相当に揃えた試験、評価員7名
野菜飲料特有の「青臭さ」と、豆乳飲料特有の「油酸化臭」、「後口」、「コク」、更には野菜入り飲料としての「味のバランス」に着目し、それらの評価点の合計点を飲料として総合点として次のように評価した。
専門官能評価員により、上記評価基準にて評価し、その合計値に基づく下記判定を総合評価として示した。
評価結果の平均値に基づく判定は次のとおり。
++++ 野菜飲料として極めて良い 総合点が9.0以上
+++ 野菜飲料として非常に良い 総合点が6.0以上9.0未満
++ 野菜飲料として良い 総合点が3.0以上6.0未満
+ 野菜飲料としてやや良い 総合点が1.0以上3.0未満
+− 野菜飲料として良くも悪くもない 総合点が-1.0以上1.0未満
− 野菜飲料としてやや悪い 総合点が-3.0以上-1.0未満
−− 野菜飲料として悪い 総合点が-6.0以上-3.0未満
−−− 野菜飲料として非常に悪い 総合点が-6.0未満
【0027】
【表4】

【0028】
本試験方法では、次のことがいえる。
甘さを砂糖の甘味度の1.5%にそろえた場合、DFAは、「コク」が出て「後口」はすっきりとキレが良くなり、野菜入り豆乳飲料として評価が高くなることが判明した。更にキシリトールとの併用により、味の改善効果が一層高まることが判明した。
【0029】
本発明によれば、従来技術では達成されなかった緑色野菜を原料とした野菜飲料の「青臭さ」、「辛味」、「苦味・エグ味」、「酸味」に代表される野菜飲料特有の味を有効に改善させ、嗜好性が著しく向上し、なお且つ野菜汁の飲用という観点で満足のゆくものが得られる。従って本発明の野菜飲料は嗜好性の高く、健康上も有用性が高い野菜飲料として商品価値の高いものであり、日本人の健康維持に寄与する目的で好適である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
緑色野菜を原料として含む野菜飲料において、DFA(ダイフラクトースアンハイドライド)と糖アルコールを含有することを特徴とする野菜飲料。
【請求項2】
さらに豆乳を含有することを特徴とする請求項1記載の野菜飲料。
【請求項3】
DFA(ダイフラクトースアンハイドライド)がDFAIIIであることを特徴とする請求項1又は2記載の野菜飲料。
【請求項4】
糖度が2.0〜9.0の野菜搾汁液100重量部に対しDFA(ダイフラクトースアンハイドライド)2.0〜4.5重量部であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の野菜飲料。
【請求項5】
DFA(ダイフラクトースアンハイドライド)1.0重量部に対し糖アルコールが0.5〜3.0重量部であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の野菜飲料。
【請求項6】
糖アルコールがキシリトール及び/又はエリスリトールであることを特徴とする請求項1〜5記載の野菜飲料。
【請求項7】
緑色野菜がアブラナ科植物であることを特徴とする請求項1〜6記載の野菜飲料。