EA材及びその取付構造
【課題】トリム等への取り付けが容易でしかも低コストのEA材と、その取付構造とを提供する。
【解決手段】硬質ウレタン等よりなるEA材本体2に3枚の取付プレート3が一体に設けられている。取付プレート3はEA材本体2の後面2b近傍に配置され、該後面2bと略平行方向に延設されている。EA材1をトリム5に取り付けるには、トリム5から突設された円柱状の突起6が該開口4に内挿されるようにしてEA材本体2の後面2bをトリム5に重ね合わせる。次いで、突起6の先端に溶着治具(図示略)を押し当て、突起6の先端を略円盤状に拡径させてフランジ状押え部6aを形成する。
【解決手段】硬質ウレタン等よりなるEA材本体2に3枚の取付プレート3が一体に設けられている。取付プレート3はEA材本体2の後面2b近傍に配置され、該後面2bと略平行方向に延設されている。EA材1をトリム5に取り付けるには、トリム5から突設された円柱状の突起6が該開口4に内挿されるようにしてEA材本体2の後面2bをトリム5に重ね合わせる。次いで、突起6の先端に溶着治具(図示略)を押し当て、突起6の先端を略円盤状に拡径させてフランジ状押え部6aを形成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、EA材(衝撃エネルギー吸収材)及びその取付構造に係り、特に自動車のトリムに適用するのに好適なEA材及びその取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車のドアトリムには、側面衝突(側突)時の衝撃エネルギー吸収(Energy Absorption:EA)のために、硬質ウレタンよりなるEA材を取り付けている。このドアトリムに対し、硬質ウレタン製EA材を取り付ける方法として、特開2001−322507号には、第9,10図に示す構造が記載されている。第9図は同号公報の図7に記載されたEA材の取付構造を示す断面図、第10図(a)はこの構造に用いられているキャップ50の斜視図、第10図(b)はこのキャップ50の断面斜視図である。
【0003】
このキャップ50は筒部51及び張出部52を一体に備えている。この筒部51の先端からは内向きに爪部53が設けられている。トリム61から突設されたロッド56の外周面に凹部57が周設されており、爪部53が該凹部57に係合している。
【0004】
なお、筒部51には先端から筒部51の軸心線と平行方向にスリット54が延設されており、筒部51はその拡径方向に弾性的に変形可能となっている。
【0005】
EA材63をトリム61に取り付けるには、EA材63の取付孔64にロッド56が挿入されるようにEA材63をトリム61の面に沿わせ、次いでキャップ50をロッド56に嵌合させて押し込み、爪部53を凹部57に係合させる。これにより、張出部52はEA材63の取付孔64の周縁部を押さえつける。
【0006】
なお、この筒部51は先細形のテーパ形状となっており、取付孔64に挿入し易いものとなっている。キャップ50をロッド56に装着した状態にあっては、筒部51の外周面が取付孔64の内周面に密着している。
【0007】
別の従来例として、第11図に記載のEA材取付方法が知られている。
【0008】
この従来例では、硬質ウレタン等よりなるEA材本体72に1枚の取付プレート73が一体に設けられている。この取付プレート73は、EA材71の発泡成形時に金型に取り付けておくことにより、硬質ウレタン等と一体化される。
【0009】
この取付プレート73は板状であり、3方向に延出する腕部73a,73b,73cを有する。各腕部73a,73b,73cの先端側に開口74が設けられている。この取付プレート73は、各腕部73a,73b,73cの先端側がEA材本体72から突出し、その他の部分がEA材本体72中に埋設されている。第11図(c)の通り、トリム75から突設された円柱状の突起76が該開口74に内挿されるようにしてEA材71をトリム75に重ね合わせる。この突起76は、ポリエチレン、ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂よりなる。次いで、突起76の先端に溶着治具(図示略)を押し当て、突起76の先端を略円盤状に拡径させてフランジ状押え部76aを形成する。これにより、EA材71がトリム75に固定される。
【特許文献1】特開2001−322507号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
第9,10図のEA材の取付構造にあっては、キャップ50とEA材63とが別体となっているため、EA材をトリム61に取り付けるに際しては、EA材をトリム61に当てがう作業と、その後ロッド56に別体のキャップ50を嵌着させる作業とが必要となり、作業に手間がかかる。
【0011】
第11図のEA材取付構造にあっては、取付プレート73はEA材本体72の大きさ、形状に応じた形状、大きさとされる必要があるから、形状、大きさの異なるEA材本体毎に取付プレートを製作せざるを得ない。このため、取付プレートのコストが嵩み、EA材のコストも高くなる。
【0012】
本発明は、EA材のトリム等の部材への取り付け作業性が改善されると共に、低コストのEA材と、このEA材の取付構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明(請求項1)のEA材は、部材に取り付けられるEA材であって、合成樹脂発泡体よりなるEA材本体と、該EA材本体の側方へ突出する取付プレートとを有し、該取付プレートが該部材に固定されるEA材において、複数個の小片状の取付プレートを、各取付プレートの基端側をEA材本体内に埋設し、取付プレートの先端側をEA材本体の側方へ突出させて設置したことを特徴とする。
【0014】
請求項2のEA材は、請求項1において、該取付プレートは該EA材本体から少なくとも2方向に突出するように2個以上設けられていることを特徴とする。
【0015】
請求項3のEA材は、請求項1又は2において、EA材本体は発泡ウレタンよりなり、前記取付プレートは、ウレタン、ナイロン等の樹脂、プレスフェルト又は鉄よりなることを特徴とする。
【0016】
請求項4のEA材は、請求項1ないし3のいずれか1項において、各取付プレートが同一形状であることを特徴とする。
【0017】
請求項5のEA材は、請求項1ないし4のいずれか1項において、該取付プレートのうちEA材本体から突出する先端側部分は、EA材本体の部材への対峙面と面一であるか、又はそれよりも該部材から離隔しており、該取付プレートのうちEA材本体に埋設される基端側部分の少なくとも一部は、該先端側部分よりも該対峙面から離隔していることを特徴とする。
【0018】
請求項6のEA材は、請求項1ないし4のいずれか1項において、該取付プレートは、該EA材本体中に埋設された前記基端側部分と、該基端側部分に連なっており、EA材本体の部材対峙面から突出する立上り部と、該立上り部に連なっており、EA材本体の側方へ張り出す前記先端側部分とを有することを特徴とする。
【0019】
本発明(請求項7)のEA材の取付構造は、部材にEA材を取り付けた構造において、該EA材が請求項1ないし6のいずれか1項に記載のEA材であり、該部材から突出した取付部材に該取付プレートが固定されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明のEA材及びEA材取付構造にあっては、EA材から側方に突出した取付プレートがトリム等の部材から突出した取付部材に固定され、これによりEA材がトリム等の部材に取り付けられる。
【0021】
このEA材にあっては、取付プレートが小片状のものであり、EA材本体の形状、大きさが異なっても、共通の取付プレートを用いることができる。このため、取付プレートの原価を低くし、EA材のコストダウンを図ることができる。特に、本発明では、各取付プレートを同一形状とすることにより、コストダウンの効果が大きいものとなる。
【0022】
この取付プレートを、EA材本体から少なくとも2方向へ突出するように設けることによりEA材の部材への取り付けが安定する。
【0023】
EA材本体の材質としては、発泡ウレタンが好適である。この場合、取付プレートは、発泡ウレタンとの親和性(結合性、付着性)が良好なウレタン樹脂、ナイロン、プレスフェルト又は鉄よりなることが好ましい。
【0024】
本発明では、取付プレートのうちEA材本体から突出する先端側部分は、EA材本体の部材への対峙面と面一であるか、又はそれよりも該部材から離隔しており、該取付プレートのうちEA材本体に埋設される基端側部分の少なくとも一部は、該先端側部分よりも該対峙面から離隔している構成としてもよい。この場合には、EA材本体を部材に当接させるようにしてEA材を取り付けることができる。
【0025】
本発明では、取付プレートは、該EA材本体中に埋設された前記基端側部分と、該基端側部分に連なっており、EA材本体の部材対峙面から突出する立上り部と、該立上り部に連なっており、EA材本体の側方へ張り出す前記先端側部分とを有する構成としてもよい。この場合には、EA材本体と部材との間に若干の間隙をもたせるようにしてEA材を部材に取り付けることができる。このようにEA材本体と部材との間に間隙をもたせた場合には、部材表面に若干の不陸があってもEA材を支障なく取り付けることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、図面を参照して本発明の具体的な形態について説明する。
【0027】
第1図(a)は本発明の第1の実施の形態に係るEA材1の斜視図であり、前記第11図(a)と同様方向からのEA材を示している。第1図(b)は第1図(a)のB−B線断面図、第1図(c)は各取付プレート3の斜視図、第1図(d)はこのEA材1の取付構造を示す断面図である。
【0028】
この実施の形態では、硬質ウレタン等よりなるEA材本体2に3枚の取付プレート3が一体に設けられている。この取付プレート3は、EA材本体2の発泡成形時に金型に取り付けておくことにより、硬質ウレタン等と一体化される。なお、EA材本体2が硬質ウレタン製である場合、取付プレート3は、硬質ウレタンとの親和性が高いウレタン樹脂、ナイロン、フェルトプレス、鉄などよりなることが好ましい。
【0029】
EA材本体2は、前面2a及び後面2bと4側面を有した略々方形の盤状であり、その3側面から取付プレート3が突設されている。取付プレート3は小片の平板状部材であり、基端側がEA材本体2内に埋設され、先端側がEA材本体2の側面から突出している。各取付プレート3の先端側には開口4が板厚み方向に貫設されている。なお、EA材本体2は方形である必要はなく、三角形、五角形以上の多角形、円形、楕円形など各種形状をとりうる。なお、取付プレート3の数は4以上であってもよい。この実施の形態では、3枚の取付プレート3のうち2枚のものが互いに反対方向に突出し、残りの1枚がこれらと略直交方向に突出しているが、この突出方向はこれに限定されるものではない。
【0030】
この実施の形態では、取付プレート3はEA材本体2の後面2b近傍に配置され、該後面2bと略平行方向に延設されている。取付プレート3からEA材本体2の後面2bまでの距離(即ちEA材本体2との被り代)は1〜10mm程度が好適である。
【0031】
このEA材1をトリム5に取り付けるには、第1図(d)のように、トリム5から突設された円柱状の突起6が該開口4に内挿されるようにしてEA材本体2の後面2bをトリム5に重ね合わせる。この突起6は、ポリエチレン、ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂よりなる。次いで、突起6の先端に溶着治具(図示略)を押し当て、突起6の先端を略円盤状に拡径させてフランジ状押え部6aを形成する。これにより、EA材1がトリム5に固定される。
【0032】
この実施の形態にあっては、同一形状の3枚の小片の取付プレート3を用いており、第11図の如き1枚物の取付プレートを採用していない。従って、EA材本体2の形状、大きさが種々異なっても共通の取付プレート3を用いることができ、取付プレートのコスト低減によりEA材1のコスト低減を図ることができる。
【0033】
図示はしないが、この取付プレート3の基端側(EA材本体2中に埋設される部分)にも、後述の第5図〜第8図の取付プレートの如く、開口を設けておいてもよい。このように基端側に開口を設けておくと、アンカー効果により、取付プレート3とEA材本体2との連結が強固になる。
【0034】
なお、このEA材1のトリム5への取り付けに際しては、第9,10図のキャップ50の如きEA材とは別体の物品が不要であり、取付作業も容易である。
【0035】
第2図〜第8図を参照してその他の実施の形態について説明する。
【0036】
第2図(a)は第2,第3の実施の形態に係るEA材1A,1Bに用いられる取付プレートの斜視図、第2図(b)は第2図(a)のB−B線断面図、第2図(c)は第2の実施の形態に係るEA材1Aの断面図、第2図(d)は第3の実施の形態に係るEA材1Bの断面図である。
【0037】
この取付プレート10は、平板状の取付プレート本体11と、該取付プレート本体11に対し1対の脚片13を介して連なるアンカー片12とを有する。取付プレート本体11の先端側に開口14が設けられている。脚片13は、取付プレート本体11の基端側の両側片から起立している。アンカー片12は小型の平板状であり、取付プレート本体11と略平行に配置されている。なお、この取付プレート10は、前記EA材1の取付プレート3と同様に、EA材本体2の3側面から3方向に突出するように脚片13及びアンカー片12がEA材本体2に埋設されている。
【0038】
第2図(c)のEA材1Aにあっては、脚片13及びアンカー片12の全体がEA材本体2に埋設されている。取付プレート本体11は、そのトリム対峙側の面がEA材本体2の後面2bと面一となっている。取付プレート本体11の基端側はそのトリム対峙側の板面がEA材本体2の後面2bと面一となっており、その他の面はEA材本体2に接している。
【0039】
図示は省略するが、このEA材1Aは、前記第1図(d)のようにEA材本体2の後面2bがトリム5に重ね合わされ、突起6を介してトリム5に取り付けられる。突起6は開口14に挿通される。
【0040】
第2図(d)のEA材1Bにあっては、脚片13の先端が後面2bから突出し、取付プレート本体11が後面2bからトリム側へ離隔している。取付プレート本体11は該後面2bと平行に配置されている。
【0041】
図示は省略するが、このEA材1Bも前記第1図(d)のように突起6によってトリムに取り付けられる。第2図(d)のEA材1Bの場合、取付プレート本体11が後面2bからトリム側に離隔しており、トリムとEA材本体2との間に若干の間隙が形成される。このため、トリムに不陸があってもこれを吸収することができる。
【0042】
第3図(a)は第4及び第5の実施の形態に係るEA材1C,1Dに用いられる取付プレート20の斜視図、第3図(b),(c)は第4、第5の実施の形態に係るEA材1C,1Dの断面図である。
【0043】
この取付プレート20は、平板状の取付プレート本体21と、該取付プレート本体21の基端側から延出するアンカー片22とを有している。この実施の形態では、アンカー片22は取付プレート本体21と斜交している。
【0044】
なお、この交叉角度は130〜160°程度が好適である。この実施の形態では、アンカー片22が3条に枝分かれして3個の枝片22aが設けられているが、2個又は4個以上の枝片が設けられてもよく、枝分かれしなくてもよい。アンカー片22に開口が設けられてもよい。取付プレート本体21の先端側には開口23が設けられている。EA材1C,1Dは、3個の取付プレート本体21を側方の3方向に突出するように備えている。
【0045】
第3図(b)のEA材1Cにあっては、取付プレート本体21がEA材本体2の側面から突出し、アンカー片22がEA材本体2内に埋設されている。取付プレート本体21は、基端側がEA材本体2内に埋設されてもよく、取付プレート本体21の全体がEA材本体2から突出してもよい。アンカー片22の一部がEA材本体2の側面から突出してもよい。第3図(b)の通り、取付プレート本体21はEA材本体2の後面2bよりもトリムから離隔するように配置されている。
【0046】
第3図(c)のEA材1Dにあっては、取付プレート本体21がEA材本体2の後面2bよりもトリム側に配置されている。第3図(c)では、アンカー片22はEA材本体2の後面2bからトリム側へ突出しているが、EA材本体2の側面と後面2bとの交叉凸角部付近やEA材本体2の側面からアンカー片22が突出してもよい。
【0047】
図示は省略するが、これらのEA材1C,1Dも第1図(d)の如く、トリム5に対し突起6を介して取り付けられる。EA材1CはEA材本体2の後面2bがトリム5に重なる。EA材1Dの場合、該後面2bとトリムとの間に若干の間隙が形成されるので、トリムの不陸を吸収することができる。
【0048】
第3図の取付プレート20では、アンカー片22が全体として取付プレート本体21に対し同一角度にて斜交しているが、第4図の取付プレート30のようにアンカー片が屈曲していてもよい。
【0049】
この取付プレート30は、先端側に開口33を有した取付プレート本体31と、該取付プレート本体31の基端側に連なるアンカー片32とを有する。このアンカー片32は、取付プレート本体31の基端側に連なり且つ該本体31に斜交する第1片32aと、該第1片32aに連なり、該本体31と略平行方向に延在する第2片32bと、該第2片32bに連なり且つ該第2片32bに斜交する第3片32cとを備えてなる、開脚コ字形状のものである。このようにアンカー片32を屈曲した異形形状とすることにより、アンカー片32のアンカー効果が増大する。この実施の形態では、アンカー片32は取付プレート本体31に対し2条連設されているが、1条だけ連設されてもよく、3条以上連設されてもよい。また、アンカー片32に開口を設けてもよい。
【0050】
第5図(a)は第6の実施の形態に係るEA材1Eに用いられる取付プレート40の斜視図、第5図(b)は第6の実施の形態に係るEA材1Eの斜視図、第5図(c)は第5図(b)のC−C線断面図である。
【0051】
この取付プレート40は、取付プレート本体41と、該取付プレート本体41から立設された起立片42と、該起立片42の上端から取付プレート本体41と反対方向に延出したアンカー片43とを有した、側面視形状がクランク形状のものであり、取付プレート本体41とアンカー片43にそれぞれ開口44,45が設けられている。
【0052】
EA材1Eにあっては、取付プレート本体41のトリム側の面がEA材本体2の後面2bと面一となり、起立片42の外側面(取付プレート本体41側の面)がEA材本体2の側面と面一となり、アンカー片43がEA材本体2内に埋設されるようにして取付プレート40とEA材本体2とが一体化されている。
【0053】
このEA材1Eも前記第1図(d)の如く突起6によってトリムに取り付けられる。
【0054】
なお、この実施の形態では取付プレート本体41とアンカー片43とが同一形状であるので、取付プレート40をEA材1Eの成形用金型に組み付けるときに、向きに順逆が無く、EA材1Eの成形作業効率が高いものとなる。
【0055】
第5図(b)のEA材1Eにあっては起立片42の外側面が、EA材本体2の側面と面一となっており、外面に露出した構成となっているが、第6図のEA材1Fの通り、この起立片42がEA材本体2内に埋設されてもよい。第6図(a)は第7の実施の形態に係るEA材1Fの斜視図、第6図(b)は第6図(a)のB−B線断面図である。
【0056】
第5図の取付プレート40は、取付プレート本体41及びアンカー片43が方形板状であるが、この形状に制限はなく、例えば第7図(a)の取付プレート40Aのように半円形の取付プレート本体41A及び半円形のアンカー片43Aとしてもよい。
【0057】
また、本発明では、第7図(b)の取付プレート40Bのように起立片42に開口46を設けてもよい。この開口46を設けることにより、取付プレートのEA材本体への取付強度が向上する。
【0058】
第8図(a)は第7図(a)の取付プレート40Aを用いた第8の実施の形態に係るEA材1Gの斜視図、第8図(b)は第8図(a)のB−B線断面図である。
【0059】
このEA材1Gにあっては、起立片42がEA材本体2の後面2bから突出し、取付プレート本体41Aが該後面2bよりもトリム側に配置されている。
【0060】
このEA材1Gはトリムに対し第1図(d)のように取り付けられる。この場合、EA材本体2とトリムとの間に若干の間隙が形成され、トリムの不陸を吸収することができる。
【0061】
上記実施の形態はいずれも本発明の一例であり、本発明は図示以外の形態をもとりうる。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】第1図(a)は本発明の第1の実施の形態に係るEA材1の斜視図であり、第1図(b)は第1図(a)のB−B線断面図、第1図(c)は各取付プレート3の斜視図、第1図(d)はこのEA材1の取付構造を示す断面図である。
【図2】第2図(a)は第2,第3の実施の形態に係るEA材1A,1Bに用いられる取付プレートの斜視図、第2図(b)は第2図(a)のB−B線断面図、第2図(c)はEA材1Aの断面図、第2図(d)はEA材1Bの断面図である。
【図3】第3図(a)は第4及び第5の実施の形態に係るEA材1C,1Dに用いられる取付プレート20の斜視図、第3図(b),(c)はこのEA材1C,1Dの断面図である。
【図4】別の実施の形態に係るEA材に用いられる取付プレートの斜視図である。
【図5】第5図(a)は第6の実施の形態に係るEA材に用いられる取付プレートの斜視図、第5図(b)は第6の実施の形態に係るEA材1Eの斜視図、第5図(c)は第5図(b)のC−C線断面図である。
【図6】第6図(a)は第7の実施の形態に係るEA材1Fの斜視図、第6図(b)は第6図(a)のB−B線断面図である。
【図7】別の実施の形態に係るEA材に用いられる取付プレートの斜視図である。
【図8】第8図(a)は第8の実施の形態に係るEA材1Gの斜視図、第8図(b)は第8図(a)のB−B線断面図である。
【図9】従来例を示す断面図である。
【図10】従来例に用いられているキャップの説明図である。
【図11】別の従来例の説明図である。
【符号の説明】
【0063】
1,1A〜1G EA材
2 EA材本体
3,10,20,30,40,40A,40B 取付プレート
5 トリム
6 突起
6a フランジ状押え部
【技術分野】
【0001】
本発明は、EA材(衝撃エネルギー吸収材)及びその取付構造に係り、特に自動車のトリムに適用するのに好適なEA材及びその取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車のドアトリムには、側面衝突(側突)時の衝撃エネルギー吸収(Energy Absorption:EA)のために、硬質ウレタンよりなるEA材を取り付けている。このドアトリムに対し、硬質ウレタン製EA材を取り付ける方法として、特開2001−322507号には、第9,10図に示す構造が記載されている。第9図は同号公報の図7に記載されたEA材の取付構造を示す断面図、第10図(a)はこの構造に用いられているキャップ50の斜視図、第10図(b)はこのキャップ50の断面斜視図である。
【0003】
このキャップ50は筒部51及び張出部52を一体に備えている。この筒部51の先端からは内向きに爪部53が設けられている。トリム61から突設されたロッド56の外周面に凹部57が周設されており、爪部53が該凹部57に係合している。
【0004】
なお、筒部51には先端から筒部51の軸心線と平行方向にスリット54が延設されており、筒部51はその拡径方向に弾性的に変形可能となっている。
【0005】
EA材63をトリム61に取り付けるには、EA材63の取付孔64にロッド56が挿入されるようにEA材63をトリム61の面に沿わせ、次いでキャップ50をロッド56に嵌合させて押し込み、爪部53を凹部57に係合させる。これにより、張出部52はEA材63の取付孔64の周縁部を押さえつける。
【0006】
なお、この筒部51は先細形のテーパ形状となっており、取付孔64に挿入し易いものとなっている。キャップ50をロッド56に装着した状態にあっては、筒部51の外周面が取付孔64の内周面に密着している。
【0007】
別の従来例として、第11図に記載のEA材取付方法が知られている。
【0008】
この従来例では、硬質ウレタン等よりなるEA材本体72に1枚の取付プレート73が一体に設けられている。この取付プレート73は、EA材71の発泡成形時に金型に取り付けておくことにより、硬質ウレタン等と一体化される。
【0009】
この取付プレート73は板状であり、3方向に延出する腕部73a,73b,73cを有する。各腕部73a,73b,73cの先端側に開口74が設けられている。この取付プレート73は、各腕部73a,73b,73cの先端側がEA材本体72から突出し、その他の部分がEA材本体72中に埋設されている。第11図(c)の通り、トリム75から突設された円柱状の突起76が該開口74に内挿されるようにしてEA材71をトリム75に重ね合わせる。この突起76は、ポリエチレン、ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂よりなる。次いで、突起76の先端に溶着治具(図示略)を押し当て、突起76の先端を略円盤状に拡径させてフランジ状押え部76aを形成する。これにより、EA材71がトリム75に固定される。
【特許文献1】特開2001−322507号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
第9,10図のEA材の取付構造にあっては、キャップ50とEA材63とが別体となっているため、EA材をトリム61に取り付けるに際しては、EA材をトリム61に当てがう作業と、その後ロッド56に別体のキャップ50を嵌着させる作業とが必要となり、作業に手間がかかる。
【0011】
第11図のEA材取付構造にあっては、取付プレート73はEA材本体72の大きさ、形状に応じた形状、大きさとされる必要があるから、形状、大きさの異なるEA材本体毎に取付プレートを製作せざるを得ない。このため、取付プレートのコストが嵩み、EA材のコストも高くなる。
【0012】
本発明は、EA材のトリム等の部材への取り付け作業性が改善されると共に、低コストのEA材と、このEA材の取付構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明(請求項1)のEA材は、部材に取り付けられるEA材であって、合成樹脂発泡体よりなるEA材本体と、該EA材本体の側方へ突出する取付プレートとを有し、該取付プレートが該部材に固定されるEA材において、複数個の小片状の取付プレートを、各取付プレートの基端側をEA材本体内に埋設し、取付プレートの先端側をEA材本体の側方へ突出させて設置したことを特徴とする。
【0014】
請求項2のEA材は、請求項1において、該取付プレートは該EA材本体から少なくとも2方向に突出するように2個以上設けられていることを特徴とする。
【0015】
請求項3のEA材は、請求項1又は2において、EA材本体は発泡ウレタンよりなり、前記取付プレートは、ウレタン、ナイロン等の樹脂、プレスフェルト又は鉄よりなることを特徴とする。
【0016】
請求項4のEA材は、請求項1ないし3のいずれか1項において、各取付プレートが同一形状であることを特徴とする。
【0017】
請求項5のEA材は、請求項1ないし4のいずれか1項において、該取付プレートのうちEA材本体から突出する先端側部分は、EA材本体の部材への対峙面と面一であるか、又はそれよりも該部材から離隔しており、該取付プレートのうちEA材本体に埋設される基端側部分の少なくとも一部は、該先端側部分よりも該対峙面から離隔していることを特徴とする。
【0018】
請求項6のEA材は、請求項1ないし4のいずれか1項において、該取付プレートは、該EA材本体中に埋設された前記基端側部分と、該基端側部分に連なっており、EA材本体の部材対峙面から突出する立上り部と、該立上り部に連なっており、EA材本体の側方へ張り出す前記先端側部分とを有することを特徴とする。
【0019】
本発明(請求項7)のEA材の取付構造は、部材にEA材を取り付けた構造において、該EA材が請求項1ないし6のいずれか1項に記載のEA材であり、該部材から突出した取付部材に該取付プレートが固定されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明のEA材及びEA材取付構造にあっては、EA材から側方に突出した取付プレートがトリム等の部材から突出した取付部材に固定され、これによりEA材がトリム等の部材に取り付けられる。
【0021】
このEA材にあっては、取付プレートが小片状のものであり、EA材本体の形状、大きさが異なっても、共通の取付プレートを用いることができる。このため、取付プレートの原価を低くし、EA材のコストダウンを図ることができる。特に、本発明では、各取付プレートを同一形状とすることにより、コストダウンの効果が大きいものとなる。
【0022】
この取付プレートを、EA材本体から少なくとも2方向へ突出するように設けることによりEA材の部材への取り付けが安定する。
【0023】
EA材本体の材質としては、発泡ウレタンが好適である。この場合、取付プレートは、発泡ウレタンとの親和性(結合性、付着性)が良好なウレタン樹脂、ナイロン、プレスフェルト又は鉄よりなることが好ましい。
【0024】
本発明では、取付プレートのうちEA材本体から突出する先端側部分は、EA材本体の部材への対峙面と面一であるか、又はそれよりも該部材から離隔しており、該取付プレートのうちEA材本体に埋設される基端側部分の少なくとも一部は、該先端側部分よりも該対峙面から離隔している構成としてもよい。この場合には、EA材本体を部材に当接させるようにしてEA材を取り付けることができる。
【0025】
本発明では、取付プレートは、該EA材本体中に埋設された前記基端側部分と、該基端側部分に連なっており、EA材本体の部材対峙面から突出する立上り部と、該立上り部に連なっており、EA材本体の側方へ張り出す前記先端側部分とを有する構成としてもよい。この場合には、EA材本体と部材との間に若干の間隙をもたせるようにしてEA材を部材に取り付けることができる。このようにEA材本体と部材との間に間隙をもたせた場合には、部材表面に若干の不陸があってもEA材を支障なく取り付けることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、図面を参照して本発明の具体的な形態について説明する。
【0027】
第1図(a)は本発明の第1の実施の形態に係るEA材1の斜視図であり、前記第11図(a)と同様方向からのEA材を示している。第1図(b)は第1図(a)のB−B線断面図、第1図(c)は各取付プレート3の斜視図、第1図(d)はこのEA材1の取付構造を示す断面図である。
【0028】
この実施の形態では、硬質ウレタン等よりなるEA材本体2に3枚の取付プレート3が一体に設けられている。この取付プレート3は、EA材本体2の発泡成形時に金型に取り付けておくことにより、硬質ウレタン等と一体化される。なお、EA材本体2が硬質ウレタン製である場合、取付プレート3は、硬質ウレタンとの親和性が高いウレタン樹脂、ナイロン、フェルトプレス、鉄などよりなることが好ましい。
【0029】
EA材本体2は、前面2a及び後面2bと4側面を有した略々方形の盤状であり、その3側面から取付プレート3が突設されている。取付プレート3は小片の平板状部材であり、基端側がEA材本体2内に埋設され、先端側がEA材本体2の側面から突出している。各取付プレート3の先端側には開口4が板厚み方向に貫設されている。なお、EA材本体2は方形である必要はなく、三角形、五角形以上の多角形、円形、楕円形など各種形状をとりうる。なお、取付プレート3の数は4以上であってもよい。この実施の形態では、3枚の取付プレート3のうち2枚のものが互いに反対方向に突出し、残りの1枚がこれらと略直交方向に突出しているが、この突出方向はこれに限定されるものではない。
【0030】
この実施の形態では、取付プレート3はEA材本体2の後面2b近傍に配置され、該後面2bと略平行方向に延設されている。取付プレート3からEA材本体2の後面2bまでの距離(即ちEA材本体2との被り代)は1〜10mm程度が好適である。
【0031】
このEA材1をトリム5に取り付けるには、第1図(d)のように、トリム5から突設された円柱状の突起6が該開口4に内挿されるようにしてEA材本体2の後面2bをトリム5に重ね合わせる。この突起6は、ポリエチレン、ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂よりなる。次いで、突起6の先端に溶着治具(図示略)を押し当て、突起6の先端を略円盤状に拡径させてフランジ状押え部6aを形成する。これにより、EA材1がトリム5に固定される。
【0032】
この実施の形態にあっては、同一形状の3枚の小片の取付プレート3を用いており、第11図の如き1枚物の取付プレートを採用していない。従って、EA材本体2の形状、大きさが種々異なっても共通の取付プレート3を用いることができ、取付プレートのコスト低減によりEA材1のコスト低減を図ることができる。
【0033】
図示はしないが、この取付プレート3の基端側(EA材本体2中に埋設される部分)にも、後述の第5図〜第8図の取付プレートの如く、開口を設けておいてもよい。このように基端側に開口を設けておくと、アンカー効果により、取付プレート3とEA材本体2との連結が強固になる。
【0034】
なお、このEA材1のトリム5への取り付けに際しては、第9,10図のキャップ50の如きEA材とは別体の物品が不要であり、取付作業も容易である。
【0035】
第2図〜第8図を参照してその他の実施の形態について説明する。
【0036】
第2図(a)は第2,第3の実施の形態に係るEA材1A,1Bに用いられる取付プレートの斜視図、第2図(b)は第2図(a)のB−B線断面図、第2図(c)は第2の実施の形態に係るEA材1Aの断面図、第2図(d)は第3の実施の形態に係るEA材1Bの断面図である。
【0037】
この取付プレート10は、平板状の取付プレート本体11と、該取付プレート本体11に対し1対の脚片13を介して連なるアンカー片12とを有する。取付プレート本体11の先端側に開口14が設けられている。脚片13は、取付プレート本体11の基端側の両側片から起立している。アンカー片12は小型の平板状であり、取付プレート本体11と略平行に配置されている。なお、この取付プレート10は、前記EA材1の取付プレート3と同様に、EA材本体2の3側面から3方向に突出するように脚片13及びアンカー片12がEA材本体2に埋設されている。
【0038】
第2図(c)のEA材1Aにあっては、脚片13及びアンカー片12の全体がEA材本体2に埋設されている。取付プレート本体11は、そのトリム対峙側の面がEA材本体2の後面2bと面一となっている。取付プレート本体11の基端側はそのトリム対峙側の板面がEA材本体2の後面2bと面一となっており、その他の面はEA材本体2に接している。
【0039】
図示は省略するが、このEA材1Aは、前記第1図(d)のようにEA材本体2の後面2bがトリム5に重ね合わされ、突起6を介してトリム5に取り付けられる。突起6は開口14に挿通される。
【0040】
第2図(d)のEA材1Bにあっては、脚片13の先端が後面2bから突出し、取付プレート本体11が後面2bからトリム側へ離隔している。取付プレート本体11は該後面2bと平行に配置されている。
【0041】
図示は省略するが、このEA材1Bも前記第1図(d)のように突起6によってトリムに取り付けられる。第2図(d)のEA材1Bの場合、取付プレート本体11が後面2bからトリム側に離隔しており、トリムとEA材本体2との間に若干の間隙が形成される。このため、トリムに不陸があってもこれを吸収することができる。
【0042】
第3図(a)は第4及び第5の実施の形態に係るEA材1C,1Dに用いられる取付プレート20の斜視図、第3図(b),(c)は第4、第5の実施の形態に係るEA材1C,1Dの断面図である。
【0043】
この取付プレート20は、平板状の取付プレート本体21と、該取付プレート本体21の基端側から延出するアンカー片22とを有している。この実施の形態では、アンカー片22は取付プレート本体21と斜交している。
【0044】
なお、この交叉角度は130〜160°程度が好適である。この実施の形態では、アンカー片22が3条に枝分かれして3個の枝片22aが設けられているが、2個又は4個以上の枝片が設けられてもよく、枝分かれしなくてもよい。アンカー片22に開口が設けられてもよい。取付プレート本体21の先端側には開口23が設けられている。EA材1C,1Dは、3個の取付プレート本体21を側方の3方向に突出するように備えている。
【0045】
第3図(b)のEA材1Cにあっては、取付プレート本体21がEA材本体2の側面から突出し、アンカー片22がEA材本体2内に埋設されている。取付プレート本体21は、基端側がEA材本体2内に埋設されてもよく、取付プレート本体21の全体がEA材本体2から突出してもよい。アンカー片22の一部がEA材本体2の側面から突出してもよい。第3図(b)の通り、取付プレート本体21はEA材本体2の後面2bよりもトリムから離隔するように配置されている。
【0046】
第3図(c)のEA材1Dにあっては、取付プレート本体21がEA材本体2の後面2bよりもトリム側に配置されている。第3図(c)では、アンカー片22はEA材本体2の後面2bからトリム側へ突出しているが、EA材本体2の側面と後面2bとの交叉凸角部付近やEA材本体2の側面からアンカー片22が突出してもよい。
【0047】
図示は省略するが、これらのEA材1C,1Dも第1図(d)の如く、トリム5に対し突起6を介して取り付けられる。EA材1CはEA材本体2の後面2bがトリム5に重なる。EA材1Dの場合、該後面2bとトリムとの間に若干の間隙が形成されるので、トリムの不陸を吸収することができる。
【0048】
第3図の取付プレート20では、アンカー片22が全体として取付プレート本体21に対し同一角度にて斜交しているが、第4図の取付プレート30のようにアンカー片が屈曲していてもよい。
【0049】
この取付プレート30は、先端側に開口33を有した取付プレート本体31と、該取付プレート本体31の基端側に連なるアンカー片32とを有する。このアンカー片32は、取付プレート本体31の基端側に連なり且つ該本体31に斜交する第1片32aと、該第1片32aに連なり、該本体31と略平行方向に延在する第2片32bと、該第2片32bに連なり且つ該第2片32bに斜交する第3片32cとを備えてなる、開脚コ字形状のものである。このようにアンカー片32を屈曲した異形形状とすることにより、アンカー片32のアンカー効果が増大する。この実施の形態では、アンカー片32は取付プレート本体31に対し2条連設されているが、1条だけ連設されてもよく、3条以上連設されてもよい。また、アンカー片32に開口を設けてもよい。
【0050】
第5図(a)は第6の実施の形態に係るEA材1Eに用いられる取付プレート40の斜視図、第5図(b)は第6の実施の形態に係るEA材1Eの斜視図、第5図(c)は第5図(b)のC−C線断面図である。
【0051】
この取付プレート40は、取付プレート本体41と、該取付プレート本体41から立設された起立片42と、該起立片42の上端から取付プレート本体41と反対方向に延出したアンカー片43とを有した、側面視形状がクランク形状のものであり、取付プレート本体41とアンカー片43にそれぞれ開口44,45が設けられている。
【0052】
EA材1Eにあっては、取付プレート本体41のトリム側の面がEA材本体2の後面2bと面一となり、起立片42の外側面(取付プレート本体41側の面)がEA材本体2の側面と面一となり、アンカー片43がEA材本体2内に埋設されるようにして取付プレート40とEA材本体2とが一体化されている。
【0053】
このEA材1Eも前記第1図(d)の如く突起6によってトリムに取り付けられる。
【0054】
なお、この実施の形態では取付プレート本体41とアンカー片43とが同一形状であるので、取付プレート40をEA材1Eの成形用金型に組み付けるときに、向きに順逆が無く、EA材1Eの成形作業効率が高いものとなる。
【0055】
第5図(b)のEA材1Eにあっては起立片42の外側面が、EA材本体2の側面と面一となっており、外面に露出した構成となっているが、第6図のEA材1Fの通り、この起立片42がEA材本体2内に埋設されてもよい。第6図(a)は第7の実施の形態に係るEA材1Fの斜視図、第6図(b)は第6図(a)のB−B線断面図である。
【0056】
第5図の取付プレート40は、取付プレート本体41及びアンカー片43が方形板状であるが、この形状に制限はなく、例えば第7図(a)の取付プレート40Aのように半円形の取付プレート本体41A及び半円形のアンカー片43Aとしてもよい。
【0057】
また、本発明では、第7図(b)の取付プレート40Bのように起立片42に開口46を設けてもよい。この開口46を設けることにより、取付プレートのEA材本体への取付強度が向上する。
【0058】
第8図(a)は第7図(a)の取付プレート40Aを用いた第8の実施の形態に係るEA材1Gの斜視図、第8図(b)は第8図(a)のB−B線断面図である。
【0059】
このEA材1Gにあっては、起立片42がEA材本体2の後面2bから突出し、取付プレート本体41Aが該後面2bよりもトリム側に配置されている。
【0060】
このEA材1Gはトリムに対し第1図(d)のように取り付けられる。この場合、EA材本体2とトリムとの間に若干の間隙が形成され、トリムの不陸を吸収することができる。
【0061】
上記実施の形態はいずれも本発明の一例であり、本発明は図示以外の形態をもとりうる。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】第1図(a)は本発明の第1の実施の形態に係るEA材1の斜視図であり、第1図(b)は第1図(a)のB−B線断面図、第1図(c)は各取付プレート3の斜視図、第1図(d)はこのEA材1の取付構造を示す断面図である。
【図2】第2図(a)は第2,第3の実施の形態に係るEA材1A,1Bに用いられる取付プレートの斜視図、第2図(b)は第2図(a)のB−B線断面図、第2図(c)はEA材1Aの断面図、第2図(d)はEA材1Bの断面図である。
【図3】第3図(a)は第4及び第5の実施の形態に係るEA材1C,1Dに用いられる取付プレート20の斜視図、第3図(b),(c)はこのEA材1C,1Dの断面図である。
【図4】別の実施の形態に係るEA材に用いられる取付プレートの斜視図である。
【図5】第5図(a)は第6の実施の形態に係るEA材に用いられる取付プレートの斜視図、第5図(b)は第6の実施の形態に係るEA材1Eの斜視図、第5図(c)は第5図(b)のC−C線断面図である。
【図6】第6図(a)は第7の実施の形態に係るEA材1Fの斜視図、第6図(b)は第6図(a)のB−B線断面図である。
【図7】別の実施の形態に係るEA材に用いられる取付プレートの斜視図である。
【図8】第8図(a)は第8の実施の形態に係るEA材1Gの斜視図、第8図(b)は第8図(a)のB−B線断面図である。
【図9】従来例を示す断面図である。
【図10】従来例に用いられているキャップの説明図である。
【図11】別の従来例の説明図である。
【符号の説明】
【0063】
1,1A〜1G EA材
2 EA材本体
3,10,20,30,40,40A,40B 取付プレート
5 トリム
6 突起
6a フランジ状押え部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
部材に取り付けられるEA材であって、合成樹脂発泡体よりなるEA材本体と、該EA材本体の側方へ突出する取付プレートとを有し、該取付プレートが該部材に固定されるEA材において、
複数個の小片状の取付プレートを、各取付プレートの基端側をEA材本体内に埋設し、取付プレートの先端側をEA材本体の側方へ突出させて設置したことを特徴とするEA材。
【請求項2】
請求項1において、該取付プレートは該EA材本体から少なくとも2方向に突出するように2個以上設けられていることを特徴とするEA材。
【請求項3】
請求項1又は2において、EA材本体は発泡ウレタンよりなり、前記取付プレートは、樹脂、プレスフェルト又は鉄よりなることを特徴とするEA材。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか1項において、各取付プレートが同一形状であることを特徴とするEA材。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか1項において、該取付プレートのうちEA材本体から突出する先端側部分は、EA材本体の部材への対峙面と面一であるか、又はそれよりも該部材から離隔しており、
該取付プレートのうちEA材本体に埋設される基端側部分の少なくとも一部は、該先端側部分よりも該対峙面から離隔していることを特徴とするEA材。
【請求項6】
請求項1ないし4のいずれか1項において、該取付プレートは、
該EA材本体中に埋設された前記基端側部分と、
該基端側部分に連なっており、EA材本体の部材対峙面から突出する立上り部と、
該立上り部に連なっており、EA材本体の側方へ張り出す前記先端側部分と
を有することを特徴とするEA材。
【請求項7】
部材にEA材を取り付けた構造において、該EA材が請求項1ないし6のいずれか1項に記載のEA材であり、該部材から突出した取付部材に該取付プレートが固定されていることを特徴とするEA材の取付構造。
【請求項1】
部材に取り付けられるEA材であって、合成樹脂発泡体よりなるEA材本体と、該EA材本体の側方へ突出する取付プレートとを有し、該取付プレートが該部材に固定されるEA材において、
複数個の小片状の取付プレートを、各取付プレートの基端側をEA材本体内に埋設し、取付プレートの先端側をEA材本体の側方へ突出させて設置したことを特徴とするEA材。
【請求項2】
請求項1において、該取付プレートは該EA材本体から少なくとも2方向に突出するように2個以上設けられていることを特徴とするEA材。
【請求項3】
請求項1又は2において、EA材本体は発泡ウレタンよりなり、前記取付プレートは、樹脂、プレスフェルト又は鉄よりなることを特徴とするEA材。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか1項において、各取付プレートが同一形状であることを特徴とするEA材。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか1項において、該取付プレートのうちEA材本体から突出する先端側部分は、EA材本体の部材への対峙面と面一であるか、又はそれよりも該部材から離隔しており、
該取付プレートのうちEA材本体に埋設される基端側部分の少なくとも一部は、該先端側部分よりも該対峙面から離隔していることを特徴とするEA材。
【請求項6】
請求項1ないし4のいずれか1項において、該取付プレートは、
該EA材本体中に埋設された前記基端側部分と、
該基端側部分に連なっており、EA材本体の部材対峙面から突出する立上り部と、
該立上り部に連なっており、EA材本体の側方へ張り出す前記先端側部分と
を有することを特徴とするEA材。
【請求項7】
部材にEA材を取り付けた構造において、該EA材が請求項1ないし6のいずれか1項に記載のEA材であり、該部材から突出した取付部材に該取付プレートが固定されていることを特徴とするEA材の取付構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2006−22898(P2006−22898A)
【公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−202133(P2004−202133)
【出願日】平成16年7月8日(2004.7.8)
【出願人】(000005278)株式会社ブリヂストン (11,469)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年7月8日(2004.7.8)
【出願人】(000005278)株式会社ブリヂストン (11,469)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]