GPSアンテナを搭載した撮像装置
【課題】 撮像装置にGPSを搭載する場合、その受信感度を確保する為にGPSアンテナの受信面は天空を向ける必要がある。しかし、機器の使用時、非使用時(携行時)それぞれに最適な位置にアンテナを配置し、かつ、操作性を向上させることが困難であるという問題があった。
【解決手段】 機器の使用時にも非使用時にも、GPSアンテナが天空を向くように構成された開閉自在なGPSアンテナ内蔵型の蓋を持つ撮像装置を提供する。
【解決手段】 機器の使用時にも非使用時にも、GPSアンテナが天空を向くように構成された開閉自在なGPSアンテナ内蔵型の蓋を持つ撮像装置を提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は良好な受信感度を確保するGPSアンテナの撮像装置への配置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、撮像装置にGPS(Global Positioning System )アンテナを搭載して、受信した測位情報から得られる撮影者及び被写体の位置情報を記録媒体に記録する技術がある。
【0003】
上記撮像装置において、GPSアンテナはその受信性能を確保する為に天空に向けて配置する必要がある。
【0004】
一方,小型化の進む撮像装置においては,常に天空を向く位置にアンテナを配置することが困難であり、従来は撮像装置のショルダーベルトの肩当にGPSアンテナを配置したものや(特許文献1参照)、機器を持ち運びするためのハンドル部にGPSアンテナを配置した物が提案されている(特許文献2参照)。
【0005】
これらの提案はおもに機器の携行中、いわゆる機器の非使用時にGPS信号の受信を行うことを目的としているが、機器の使用中にもGPS信号の受信を良好に行うことを目的とした提案として、折りたたみ構造のある携帯型無線端末において、折りたたみの回転運動に連動してGPSアンテナが回転するという提案がある(特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−228527号公報
【特許文献2】特開平7−120270号公報
【特許文献3】特許第04007008号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら上述したような従来技術よりショルダーベルトをはずすと使用する事が出来ない。
【0008】
機器の使用時には通常、ショルダーベルトは肩から外されていて、GPSアンテナが天空を向いていないため、受信することが困難である。
【0009】
GPSアンテナを搭載するハンドル部は機器の大型化を招く。
【0010】
GPS信号を受信しているかどうかが分かりづらいため操作性が劣る。
【0011】
GPSアンテナを機器の内部で回転する構造が複雑でコストアップとなる。
という問題点があった。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するための手段として
(1)撮影の開始と停止を制御するトリガーボタンを持ち、そのトリガーボタンの上方を覆い開閉自在に構成された蓋を持った撮像装置において、その蓋の中にGPSアンテナを設けた事を特徴とする撮像装置。
(2)(1)に記載の撮像装置において、蓋を開いたときにはGPSアンテナの受信面の方向が撮像レンズの光軸方向に垂直で、かつ、天空を向いていることを特徴とする撮像装置。
(3)(1)又は(2)に記載の撮像装置において、蓋の開閉を検知する検知手段を設け、前記検知手段により蓋の開状態を検知した場合、GPSアンテナを起動することを特徴とする撮像装置。
(4)(1)乃至(3)のいずれかに記載の撮像装置において、蓋を閉じたときには、GPSアンテナの受信面の方向がショルダーベルトを取り付けて撮像装置を携行したときに天空を向く事を特徴とする撮像装置。
(5)(1)乃至(4)のいずれかに記載の撮像装置において、GPSアンテナの起動を行う手段をもつことを特徴とする撮像装置。
【発明の効果】
【0013】
以上説明したように本発明によれば、
開閉自在でGPSアンテナを内蔵した蓋を安価な構造で提供することで、機器の使用時にはアンテナを開き受信面を天空に向けることができるのでGPS信号の良好な受信が可能となり操作性が向上する。蓋が開いていてトリガーボタンが露出していることで撮影準備が完了し、GPSアンテナが起動していることが一目でわかるため操作性が向上する。撮像装置の携行時(非使用時)においても、蓋を閉じて撮像装置に装着したショルダーベルトで撮像装置を肩からぶら下げた状態でもGPSアンテナの受信面が天空を向き、この状態でGPSアンテナ起動手段を使用することでGPS電波の良好な受信が可能となり操作性が向上する。ハンドルなどの別な部位を使用せず撮像装置本体の一部にGPSアンテナが内蔵されているため機器の小型化に寄与する。GPSアンテナの受信のためにショルダーベルトなどを必要としないため機器の携行時のわずらわしさが無いという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明による撮像装置の外観斜視図
【図2】本発明による撮像装置を携行するときの図
【図3】本発明によるGPS蓋が閉じたときの部分断面図
【図4】本発明によるGPS蓋の回転途中の部分断面図
【図5】本発明によるGPS蓋が開いたときの部分断面図
【図6】本発明を説明したブロック図
【図7】本発明を説明したフローチャート図
【図8】本発明による撮像装置で撮影を行っているときの図
【発明を実施するための形態】
【0015】
[実施例]
図1から図8は本発明の実施例をもっともよく表した撮像装置本体の外観図と部分断面図、および、ブロック図とフローチャートである。
【0016】
図1より、1は撮像装置本体、3は液晶パネルなどの映像表示デバイスであり2の画像表示装置筐体内に固定されていて、撮像レンズ9を通して得た映像を映し出すことができる。また、6は画像表示装置筐体2と撮像装置本体1を回転自在に連結するヒンジ部であり、7はヒンジの回転軸である。画像表示装置筐体2は、回転軸7によって矢印A方向に回転可能であり、10は開閉自在なGPSアンテナ内蔵型の蓋であり、矢印FがGPSの受信方向である。そして11は、GPS蓋10を開いたときに現れる撮影の開始と停止を制御するトリガーボタンであり、40はGPSアンテナを起動するスイッチである。
【0017】
図8にユーザー50が撮像装置を把持して撮影を行うときの一般的な姿勢について示す。このときの撮像装置は図1の撮像装置を矢印D方向から見たときの図である。
【0018】
ユーザー50は映像表示デバイス3の画像を確認しながら撮影を行うが、このときの撮像レンズ9の光軸方向30は、ユーザー50の視線51の方向とほぼ一致する姿勢をとることが多い。なぜなら、ユーザー50はその肉眼で不図示の被写体の動きを確認しつつ、映像表示デバイスを見ながら撮影を行うので、被写体と表示が同じ視線上にある方が操作がし易いからである。そしてかつ、人の視線は地上に対して平行であることが自然であり、必然的に光軸方向30も地上に対して平行となる。そうしたとき、開かれたGPS蓋10の受信方向Fの方向は天空を向くように構成されているため、GPS電波の受信を良好に行うことができる。
【0019】
次に、ユーザーが撮像装置を携行するときの状態を図2に示す。
【0020】
図2の撮像装置は図1の画像表示装置筐体2を回転軸7によって矢印C方向に回転させて閉じ、かつ、GPS蓋10を閉じたときの形態となる。
【0021】
ここで31、32はショルダーベルト33を撮像装置本体1に取り付けるための通し穴であり、撮影者はショルダーベルト33を肩に掛けて撮像装置本体1を携行する時に使用する。
【0022】
このように、ユーザーがショルダーベルトを用いて撮像装置を携行するときには、撮像装置はその自重によりショルダーベルトから垂れ下がるような状態となるが、このとき、GPS蓋10のGPS受信面は矢印F方向を向いており、結果として天空を向くようになって、GPS電波の良好な受信が可能となる。ユーザーはこの状態でも適時GPS起動スイッチ40を操作することでGPS電波の受信を行うことができる。
【0023】
ここで、GPS蓋10部の断面図を図3から図5に示す。
【0024】
図3より、GPS蓋10は軸16を回転中心として矢印E方向に回転自在に構成されている。軸16は撮像装置本体1のカバーに固定されている。さらに、12はGPSアンテナであり、矢印Fが受信面の方向である。そして13はGPSアンテナを実装した配線基板、14は配線基板13をGPS蓋10に固定する固定部材である。
【0025】
また、GPS蓋10は板バネ18によって軸16の周囲で矢印D方向の力を受けている。ここで、板バネ18は締結ビス24によって撮像装置本体1のカバーにビス止めされている。これによって図3のようにGPS蓋10が閉じているときにはGPS蓋10に形成された34の部分が負勢されていて、GPS蓋10は閉じ方向に力が掛かり閉じた状態が保持され、図5のようにGPS蓋10が開いているときには36の部分が負勢されていて、GPS蓋10は開いた状態を保つ。
【0026】
ここでGPS蓋10を開くときには、その引っ掛け爪17に指をかけながら回転させる。このときGPS蓋10に形成された35の部分は34,36の部分に比べて軸16の中心からの距離が離れているため、板バネ18のたわみ量が図3の閉じ状態から図4の状態に回転するまでの間で徐々に大きくなり、よって、軸16の周りに与える力が大きくなる。逆に図4の状態から図5の状態に回転するまでの間で板バネ18のたわみ量は徐々に小さくなるので、軸16の周りに与える力は小さくなっていく。これは、GPS蓋10の回転するときのトルク値の変化として考えることができ、GPS蓋10は図3の状態から図4の状態になるまではその回転トルクが徐々に大きくなり、図4の状態を通り過ぎると今度は逆にその回転トルクは小さくなっていく。これによって、GPS蓋10がメリハリのある動きが可能となる。
【0027】
次にGPS蓋10を開けたときに内部に構成されている操作系について説明する。
【0028】
図3より、19と21は電気接点を持ったプッシュスイッチであり、特に21はその先端部22が撮像装置本体1の外装から外部に露出している。これらのプッシュスイッチはプリント配線基板20に実装されており、プッシュスイッチ19はトリガーボタン11の押下によって電気信号を発生し、プッシュスイッチ21はGPS蓋10の開閉動作に対応して先端部22が動作することで電気信号を発生する。特にプッシュスイッチ21は図3のときには先端部22がGPS蓋10に形成された部位23によって押下され、図5のときには部位23が離れているので先端部22は開放された状態となる。このようにプッシュスイッチ21はGPS蓋が開いているか閉じているかを検出する検出スイッチと言うことになる。ここで発生した信号は不図示の電気接続線によって撮像装置本体1の電気システムに電送される。
【0029】
以上の撮像装置本体1内部の信号の流れを図6のブロック図で説明する。
【0030】
レンズ部101を通った入射光が撮像部(102)に到達すると、入射した光は電気信号に変換され信号処理部(103)に送られ、システムコントローラー(106)に送信される。そして、システムコントローラー(106)は信号処理部(103)から得られた情報をもとにレンズ制御部(104)に指示を出し焦点距離を算出し、レンズ部(101)の制御を行う。こうして得られた映像信号をもとにシステムコントローラー(106)は表示信号処理部(109)に画像表示のための信号を送り表示装置(110)にその情報を送信する。
【0031】
また、GPS蓋(105)が開いているかどうかをGPS蓋開閉検出スイッチ(107)で検出し、その信号をシステムコントローラー(106)に送信する。これによってシステムコントローラー(106)はGPS蓋(105)が開いていると判断したら、GPS蓋(105)に内蔵されているGPSアンテナ(112)を起動しGPS信号の受信を始める。また、GPS蓋(105)が閉じているときにも、GPS起動スイッチ(113)を操作することでGPS信号の受信を始める。ここで得られたGPS信号はシステムコントローラー(106)を経由してGPS信号処理部(108)に送られその処理結果はGPS信号処理結果保持部(111)に保存される。
【0032】
以上の流れを次に図7に示すフローチャートで説明する。
【0033】
GPS信号処理ルーチン(S10)より、まずGPS蓋が開いているかどうかを検出する(S11)。GPS蓋が開いている場合にはGPSアンテナを起動させ(S12)、GPS信号の処理を行い(S13)、GPS信号処理結果を保持する(S14)。また、GPS蓋が閉じていても、GPS起動スイッチがONされたかどうかを確認し(S15)、ONされていればGPSアンテナを起動するシーケンスへと移行する。
【0034】
以上説明したように本発明によれば、開閉自在でGPSアンテナを内蔵した蓋を安価な構造で提供することで、機器の使用時にはアンテナを開き受信面を天空に向けることができるのでGPS信号の良好な受信が可能となり操作性が向上し、かつ、蓋が開いていてトリガーボタンが露出していることで撮影準備が完了し、GPSアンテナが起動していることが一目でわかるため操作性が向上し、かつ、撮像装置の携行時(非使用時)においても、蓋を閉じて撮像装置に装着したショルダーベルトで撮像装置を肩からぶら下げた状態でもGPSアンテナの受信面が天空を向き、この状態でGPSアンテナ起動手段を使用することでGPS電波の良好な受信が可能となり操作性が向上し、かつ、ハンドルなどの別な部位を使用せず撮像装置本体の一部にGPSアンテナが内蔵されているため機器の小型化に寄与し、かつ、GPSアンテナの受信のためにショルダーベルトなどを必要としないため機器の携行時のわずらわしさが無いという効果がある。
【符号の説明】
【0035】
1、撮像装置本体
2、画像表示装置筐体
3、映像表示デバイス
4、突出部
6、ヒンジ部
7、ヒンジの回転中心
9、撮像レンズ
10、GPS蓋
11、トリガーボタン
12、GPSアンテナ
13、配線基板
14、配線基板を保持する部材
16、回転軸
17、引っ掛け爪
18、板バネ
19、21、プッシュスイッチ
22、スイッチ先端部
23、部位
24、ビス
30、光軸
31、32、ショルダーベルト通し穴
33、ショルダーベルト
40、GPS起動スイッチ
50、ユーザー
【技術分野】
【0001】
本発明は良好な受信感度を確保するGPSアンテナの撮像装置への配置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、撮像装置にGPS(Global Positioning System )アンテナを搭載して、受信した測位情報から得られる撮影者及び被写体の位置情報を記録媒体に記録する技術がある。
【0003】
上記撮像装置において、GPSアンテナはその受信性能を確保する為に天空に向けて配置する必要がある。
【0004】
一方,小型化の進む撮像装置においては,常に天空を向く位置にアンテナを配置することが困難であり、従来は撮像装置のショルダーベルトの肩当にGPSアンテナを配置したものや(特許文献1参照)、機器を持ち運びするためのハンドル部にGPSアンテナを配置した物が提案されている(特許文献2参照)。
【0005】
これらの提案はおもに機器の携行中、いわゆる機器の非使用時にGPS信号の受信を行うことを目的としているが、機器の使用中にもGPS信号の受信を良好に行うことを目的とした提案として、折りたたみ構造のある携帯型無線端末において、折りたたみの回転運動に連動してGPSアンテナが回転するという提案がある(特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−228527号公報
【特許文献2】特開平7−120270号公報
【特許文献3】特許第04007008号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら上述したような従来技術よりショルダーベルトをはずすと使用する事が出来ない。
【0008】
機器の使用時には通常、ショルダーベルトは肩から外されていて、GPSアンテナが天空を向いていないため、受信することが困難である。
【0009】
GPSアンテナを搭載するハンドル部は機器の大型化を招く。
【0010】
GPS信号を受信しているかどうかが分かりづらいため操作性が劣る。
【0011】
GPSアンテナを機器の内部で回転する構造が複雑でコストアップとなる。
という問題点があった。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するための手段として
(1)撮影の開始と停止を制御するトリガーボタンを持ち、そのトリガーボタンの上方を覆い開閉自在に構成された蓋を持った撮像装置において、その蓋の中にGPSアンテナを設けた事を特徴とする撮像装置。
(2)(1)に記載の撮像装置において、蓋を開いたときにはGPSアンテナの受信面の方向が撮像レンズの光軸方向に垂直で、かつ、天空を向いていることを特徴とする撮像装置。
(3)(1)又は(2)に記載の撮像装置において、蓋の開閉を検知する検知手段を設け、前記検知手段により蓋の開状態を検知した場合、GPSアンテナを起動することを特徴とする撮像装置。
(4)(1)乃至(3)のいずれかに記載の撮像装置において、蓋を閉じたときには、GPSアンテナの受信面の方向がショルダーベルトを取り付けて撮像装置を携行したときに天空を向く事を特徴とする撮像装置。
(5)(1)乃至(4)のいずれかに記載の撮像装置において、GPSアンテナの起動を行う手段をもつことを特徴とする撮像装置。
【発明の効果】
【0013】
以上説明したように本発明によれば、
開閉自在でGPSアンテナを内蔵した蓋を安価な構造で提供することで、機器の使用時にはアンテナを開き受信面を天空に向けることができるのでGPS信号の良好な受信が可能となり操作性が向上する。蓋が開いていてトリガーボタンが露出していることで撮影準備が完了し、GPSアンテナが起動していることが一目でわかるため操作性が向上する。撮像装置の携行時(非使用時)においても、蓋を閉じて撮像装置に装着したショルダーベルトで撮像装置を肩からぶら下げた状態でもGPSアンテナの受信面が天空を向き、この状態でGPSアンテナ起動手段を使用することでGPS電波の良好な受信が可能となり操作性が向上する。ハンドルなどの別な部位を使用せず撮像装置本体の一部にGPSアンテナが内蔵されているため機器の小型化に寄与する。GPSアンテナの受信のためにショルダーベルトなどを必要としないため機器の携行時のわずらわしさが無いという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明による撮像装置の外観斜視図
【図2】本発明による撮像装置を携行するときの図
【図3】本発明によるGPS蓋が閉じたときの部分断面図
【図4】本発明によるGPS蓋の回転途中の部分断面図
【図5】本発明によるGPS蓋が開いたときの部分断面図
【図6】本発明を説明したブロック図
【図7】本発明を説明したフローチャート図
【図8】本発明による撮像装置で撮影を行っているときの図
【発明を実施するための形態】
【0015】
[実施例]
図1から図8は本発明の実施例をもっともよく表した撮像装置本体の外観図と部分断面図、および、ブロック図とフローチャートである。
【0016】
図1より、1は撮像装置本体、3は液晶パネルなどの映像表示デバイスであり2の画像表示装置筐体内に固定されていて、撮像レンズ9を通して得た映像を映し出すことができる。また、6は画像表示装置筐体2と撮像装置本体1を回転自在に連結するヒンジ部であり、7はヒンジの回転軸である。画像表示装置筐体2は、回転軸7によって矢印A方向に回転可能であり、10は開閉自在なGPSアンテナ内蔵型の蓋であり、矢印FがGPSの受信方向である。そして11は、GPS蓋10を開いたときに現れる撮影の開始と停止を制御するトリガーボタンであり、40はGPSアンテナを起動するスイッチである。
【0017】
図8にユーザー50が撮像装置を把持して撮影を行うときの一般的な姿勢について示す。このときの撮像装置は図1の撮像装置を矢印D方向から見たときの図である。
【0018】
ユーザー50は映像表示デバイス3の画像を確認しながら撮影を行うが、このときの撮像レンズ9の光軸方向30は、ユーザー50の視線51の方向とほぼ一致する姿勢をとることが多い。なぜなら、ユーザー50はその肉眼で不図示の被写体の動きを確認しつつ、映像表示デバイスを見ながら撮影を行うので、被写体と表示が同じ視線上にある方が操作がし易いからである。そしてかつ、人の視線は地上に対して平行であることが自然であり、必然的に光軸方向30も地上に対して平行となる。そうしたとき、開かれたGPS蓋10の受信方向Fの方向は天空を向くように構成されているため、GPS電波の受信を良好に行うことができる。
【0019】
次に、ユーザーが撮像装置を携行するときの状態を図2に示す。
【0020】
図2の撮像装置は図1の画像表示装置筐体2を回転軸7によって矢印C方向に回転させて閉じ、かつ、GPS蓋10を閉じたときの形態となる。
【0021】
ここで31、32はショルダーベルト33を撮像装置本体1に取り付けるための通し穴であり、撮影者はショルダーベルト33を肩に掛けて撮像装置本体1を携行する時に使用する。
【0022】
このように、ユーザーがショルダーベルトを用いて撮像装置を携行するときには、撮像装置はその自重によりショルダーベルトから垂れ下がるような状態となるが、このとき、GPS蓋10のGPS受信面は矢印F方向を向いており、結果として天空を向くようになって、GPS電波の良好な受信が可能となる。ユーザーはこの状態でも適時GPS起動スイッチ40を操作することでGPS電波の受信を行うことができる。
【0023】
ここで、GPS蓋10部の断面図を図3から図5に示す。
【0024】
図3より、GPS蓋10は軸16を回転中心として矢印E方向に回転自在に構成されている。軸16は撮像装置本体1のカバーに固定されている。さらに、12はGPSアンテナであり、矢印Fが受信面の方向である。そして13はGPSアンテナを実装した配線基板、14は配線基板13をGPS蓋10に固定する固定部材である。
【0025】
また、GPS蓋10は板バネ18によって軸16の周囲で矢印D方向の力を受けている。ここで、板バネ18は締結ビス24によって撮像装置本体1のカバーにビス止めされている。これによって図3のようにGPS蓋10が閉じているときにはGPS蓋10に形成された34の部分が負勢されていて、GPS蓋10は閉じ方向に力が掛かり閉じた状態が保持され、図5のようにGPS蓋10が開いているときには36の部分が負勢されていて、GPS蓋10は開いた状態を保つ。
【0026】
ここでGPS蓋10を開くときには、その引っ掛け爪17に指をかけながら回転させる。このときGPS蓋10に形成された35の部分は34,36の部分に比べて軸16の中心からの距離が離れているため、板バネ18のたわみ量が図3の閉じ状態から図4の状態に回転するまでの間で徐々に大きくなり、よって、軸16の周りに与える力が大きくなる。逆に図4の状態から図5の状態に回転するまでの間で板バネ18のたわみ量は徐々に小さくなるので、軸16の周りに与える力は小さくなっていく。これは、GPS蓋10の回転するときのトルク値の変化として考えることができ、GPS蓋10は図3の状態から図4の状態になるまではその回転トルクが徐々に大きくなり、図4の状態を通り過ぎると今度は逆にその回転トルクは小さくなっていく。これによって、GPS蓋10がメリハリのある動きが可能となる。
【0027】
次にGPS蓋10を開けたときに内部に構成されている操作系について説明する。
【0028】
図3より、19と21は電気接点を持ったプッシュスイッチであり、特に21はその先端部22が撮像装置本体1の外装から外部に露出している。これらのプッシュスイッチはプリント配線基板20に実装されており、プッシュスイッチ19はトリガーボタン11の押下によって電気信号を発生し、プッシュスイッチ21はGPS蓋10の開閉動作に対応して先端部22が動作することで電気信号を発生する。特にプッシュスイッチ21は図3のときには先端部22がGPS蓋10に形成された部位23によって押下され、図5のときには部位23が離れているので先端部22は開放された状態となる。このようにプッシュスイッチ21はGPS蓋が開いているか閉じているかを検出する検出スイッチと言うことになる。ここで発生した信号は不図示の電気接続線によって撮像装置本体1の電気システムに電送される。
【0029】
以上の撮像装置本体1内部の信号の流れを図6のブロック図で説明する。
【0030】
レンズ部101を通った入射光が撮像部(102)に到達すると、入射した光は電気信号に変換され信号処理部(103)に送られ、システムコントローラー(106)に送信される。そして、システムコントローラー(106)は信号処理部(103)から得られた情報をもとにレンズ制御部(104)に指示を出し焦点距離を算出し、レンズ部(101)の制御を行う。こうして得られた映像信号をもとにシステムコントローラー(106)は表示信号処理部(109)に画像表示のための信号を送り表示装置(110)にその情報を送信する。
【0031】
また、GPS蓋(105)が開いているかどうかをGPS蓋開閉検出スイッチ(107)で検出し、その信号をシステムコントローラー(106)に送信する。これによってシステムコントローラー(106)はGPS蓋(105)が開いていると判断したら、GPS蓋(105)に内蔵されているGPSアンテナ(112)を起動しGPS信号の受信を始める。また、GPS蓋(105)が閉じているときにも、GPS起動スイッチ(113)を操作することでGPS信号の受信を始める。ここで得られたGPS信号はシステムコントローラー(106)を経由してGPS信号処理部(108)に送られその処理結果はGPS信号処理結果保持部(111)に保存される。
【0032】
以上の流れを次に図7に示すフローチャートで説明する。
【0033】
GPS信号処理ルーチン(S10)より、まずGPS蓋が開いているかどうかを検出する(S11)。GPS蓋が開いている場合にはGPSアンテナを起動させ(S12)、GPS信号の処理を行い(S13)、GPS信号処理結果を保持する(S14)。また、GPS蓋が閉じていても、GPS起動スイッチがONされたかどうかを確認し(S15)、ONされていればGPSアンテナを起動するシーケンスへと移行する。
【0034】
以上説明したように本発明によれば、開閉自在でGPSアンテナを内蔵した蓋を安価な構造で提供することで、機器の使用時にはアンテナを開き受信面を天空に向けることができるのでGPS信号の良好な受信が可能となり操作性が向上し、かつ、蓋が開いていてトリガーボタンが露出していることで撮影準備が完了し、GPSアンテナが起動していることが一目でわかるため操作性が向上し、かつ、撮像装置の携行時(非使用時)においても、蓋を閉じて撮像装置に装着したショルダーベルトで撮像装置を肩からぶら下げた状態でもGPSアンテナの受信面が天空を向き、この状態でGPSアンテナ起動手段を使用することでGPS電波の良好な受信が可能となり操作性が向上し、かつ、ハンドルなどの別な部位を使用せず撮像装置本体の一部にGPSアンテナが内蔵されているため機器の小型化に寄与し、かつ、GPSアンテナの受信のためにショルダーベルトなどを必要としないため機器の携行時のわずらわしさが無いという効果がある。
【符号の説明】
【0035】
1、撮像装置本体
2、画像表示装置筐体
3、映像表示デバイス
4、突出部
6、ヒンジ部
7、ヒンジの回転中心
9、撮像レンズ
10、GPS蓋
11、トリガーボタン
12、GPSアンテナ
13、配線基板
14、配線基板を保持する部材
16、回転軸
17、引っ掛け爪
18、板バネ
19、21、プッシュスイッチ
22、スイッチ先端部
23、部位
24、ビス
30、光軸
31、32、ショルダーベルト通し穴
33、ショルダーベルト
40、GPS起動スイッチ
50、ユーザー
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影の開始と停止を制御するトリガーボタンを持ち、そのトリガーボタンの上方を覆い開閉自在に構成された蓋を持った撮像装置において、その蓋の中にGPSアンテナを設けた事を特徴とする撮像装置。
【請求項2】
蓋を開いたときにはGPSアンテナの受信面の方向が撮像レンズの光軸方向に垂直で、かつ、天空を向いていることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
蓋の開閉を検知する検知手段を設け、前記検知手段により蓋の開状態を検知した場合、GPSアンテナを起動することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
蓋を閉じたときには、GPSアンテナの受信面の方向がショルダーベルトを取り付けて撮像装置を携行したときに天空を向く事を特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項5】
GPSアンテナの起動を行う手段をもつことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項1】
撮影の開始と停止を制御するトリガーボタンを持ち、そのトリガーボタンの上方を覆い開閉自在に構成された蓋を持った撮像装置において、その蓋の中にGPSアンテナを設けた事を特徴とする撮像装置。
【請求項2】
蓋を開いたときにはGPSアンテナの受信面の方向が撮像レンズの光軸方向に垂直で、かつ、天空を向いていることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
蓋の開閉を検知する検知手段を設け、前記検知手段により蓋の開状態を検知した場合、GPSアンテナを起動することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
蓋を閉じたときには、GPSアンテナの受信面の方向がショルダーベルトを取り付けて撮像装置を携行したときに天空を向く事を特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項5】
GPSアンテナの起動を行う手段をもつことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の撮像装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【公開番号】特開2012−114873(P2012−114873A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−264504(P2010−264504)
【出願日】平成22年11月29日(2010.11.29)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月29日(2010.11.29)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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