説明

IL−1α自己抗体を用いた血管障害の診断、処置、および予防

IL-1α自己抗体の検出を含む、アテローム性動脈硬化症および関連血管疾患の危険度を有する個体を検出する方法、ならびに、IL-1α自己抗体を含む薬学的組成物を投与することによる、アテローム性動脈硬化症および関連血管疾患を予防または処置するための治療方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、血管障害の診断、処置、および予防に関する。より具体的には、本発明は、血管障害を診断、処置、および予防するためのIL-1α自己抗体の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
数十年間、アテローム性動脈硬化症は、少なくとも三つの疾患、心疾患(HD)、末梢動脈疾患(PAD)、および脳血管疾患(CD)においてその役割について調査されてきた。これらの疾患カテゴリーにおける病理学的過程は同様であり、および、アテローム性動脈硬化症は今や、血管床が影響を受けることに関係なく全身性疾患と考えられている。従って、アテローム性動脈硬化症の社会的負担は莫大である:2002年には、米国においておよそ71,100,000人が心疾患に罹患しており、3935億米ドルのコストで947,428人の死をもたらした。2005年には、脳卒中の影響を有して生存し、健康管理でおよそ56.8ドルかかる5,400,000人のアメリカ人がいる。アテローム性動脈硬化症の世界的負担は、増加すると予想される。
【0003】
アテローム性動脈硬化症は全身性疾患である。多くの患者において、それは潜行性であり、かつ、一つの血管床より多くに影響を及ぼす。アテローム性動脈硬化症の初期の検出、またはアテローム性動脈硬化症を発症しやすい患者の同定は、罹患率および死亡率を妨げるために重大である。そのため、アテローム性動脈硬化症を発症する危険度を有する患者を同定する方法、ならびに、既にアテローム性動脈硬化症関連障害に罹患している患者を処置する方法を同定する必要性が、当技術分野に存在する。
【発明の開示】
【0004】
発明の詳細な説明
本発明は、ヒトにおけるIL-1α自己抗体の高い力価が、虚血性心疾患の危険度、またはその冠動脈心疾患への進行を減少させるという観察に関する。本発明は、個体のIL-1α自己抗体力価を測定することによって、アテローム性動脈硬化症またはアテローム性動脈硬化症関連障害を発症する危険度を有する個体を検出する強力な手段を提供する。本発明はまた、血管疾患(例えば、冠動脈心疾患、末梢動脈疾患、および脳血管疾患)の危険度、進行、または症状を減少させるために、IL-1α自己抗体を用いる方法を提供する。
【0005】
IL-1αは、解析された患者の50%もにおいて、主としてより老年の男性において、高親和性、高力価の中和抗体応答を誘導するのに十分な量で放出される。Hansen et al., Eur. J. Clin. Invest. 24, 212-18, 1994.さらに、IL-1α自己抗体を発現させる個体の能力は、動脈壁での病理学的炎症過程の進行(アテローム性動脈硬化症)におけるIL-1αのいくつかの知られていない役割に対して保護的な効果をもたらす。
【0006】
IL-1αは、膜結合型分子としてIL-1αを産生する細胞のすぐ近くにおいてオートクライン物質として、または、厳密にはパラクライン物質として、主として細胞内レベルで生物作用を発揮すると信じられているため、血管障害の危険度とIL-1α自己抗体力価との間の相関関係は驚くべきことである。さらに、アテローム性動脈硬化症の進行におけるIL-1αの役割を説明するメカニズムは現今存在しない。従って、IL-1αを標的とする抗体が血管疾患の処置または予防において治療的価値があると考えられることは、予想外である。
【0007】
IL-1α自己抗体
本発明による「IL-1α自己抗体」は、B細胞(活性化および/または不死化B細胞を含む)、血液、血清、または血漿より単離された全長抗体;全長IL-1α自己抗体のIL-1α結合部位を含む機能的抗体断片(例えば、F(ab)'2断片、F(ab)’断片、Fab断片、二本鎖Fv断片、および一本鎖抗体);B細胞由来のcDNAを発現させる、または、イムノグロブリン分子をコードする合成ヌクレオチド配列を発現させることによって産生される組換えイムノグロブリン分子;モノクローナル自己抗体(下記で説明されるように産生される);および合成IL-1α自己抗体(下記で説明されるように産生される)を含む。IL-1α自己抗体は、典型的にはIgG分子であり、特に、IgG4分子である(Garrone et al., Mol. Immunol. 33, 649-58, 1996)が、IgM、IgE、IgA、またはIgD分子でもあり得る。IL-1α自己抗体はまた、もう一つの分子(受容体、リガンド、酵素、毒素、担体などのような)と共役する、上記で説明された分子の任意、および、一つのアイソタイプの自己抗体の可変部分をもう一つのアイソタイプの定常領域と組合せることによって作製された自己抗体を含む。
【0008】
IL-1α自己抗体は、好ましくは高親和性でIL-1αに結合する。高親和性IL-1α自己抗体は、典型的には、1014M-1〜5×10-7M-1の間(例えば、5×107、 10-13、5×108、10-12、5×108、109、5×109、1010、5×1010、1011、5×1011、1012、5×1012、1013、または5×1013M-1)のIL-1α結合についての平衡親和定数(Ka、またはKDの逆数)を有する。IL-1αへのIL-1α自己抗体の特異的結合は、例えば、リアルタイム二分子相互作用解析(Bimolecular Interaction Analysis(BIA))(Sjolander & Urbaniczky, Anal. Chem. 63, 2338-45, 1991、およびSzabo et al., Curr. Opin. Struct. Biol. 5, 699-705, 1995)のような技術を含む、任意の適切な方法を用いて測定され得る。Kaは、当技術分野において公知であるように、特異的結合データのスキャッチャード(Scatchard)プロットより計算され得る。米国特許第5,959,085号もまた参照されたい。
【0009】
本発明のIL-1α自己抗体は、好ましくはインビトロおよびインビボでIL-1α生物活性(例えば、IL-1α誘導IL-2分泌)を中和する。より好ましくは、IL-1α自己抗体は、IL-1αのその受容体への結合を減少させる、または除去する。中和活性および受容体結合活性は、Satoh et al., Immunopharmacology 27, 107-18, 1994において記述されているようにアッセイされ得る。
【0010】
下記で説明される方法および組成物は、ヒトIL-1α自己抗体、ならびに、他の霊長類(例えば、ゴリラ、チンパンジー、ヒヒ、リスザル)、コンパニオンアニマル(例えば、ネコ、ウサギ、イヌ、ウマ)、家畜(例えば、ウシ、ヒツジ、ブタ、ヤギ、ウマ)、および実験動物(例えば、ネコ、イヌ、モルモット、ウサギ、ヒツジ、ヤギ、ブタ、チンパンジー、およびヒヒ)を含むが、それらに限定されない他の哺乳動物のIL-1α自己抗体を包含する。
【0011】
IL-1α自己抗体を取得する方法
IL-1α自己抗体は、様々な方法によって取得され得る。いくつかの態様において、ポリクローナルIL-1α自己抗体の調製物が、単一の個体由来、または、2もしくはそれ以上の個体よりプールされた試料由来いずれかの、B細胞、血液、血漿、または血清より取得される。B細胞の供給源は、末梢血、扁桃、アデノイド、および脾臓を含む。米国特許第5,959,085号を参照されたい。個体は、健常であり得、または、自己免疫疾患、特に、IL-1α自己抗体が過剰産生される自己免疫疾患を有し得る。これらの疾患は、例えば、シュニッツラー症候群(Saurat et al., J. Allergy Clin. Immunol. 88, 244-56, 1991)、自己免疫水疱形成障害(例えば、天疱瘡/類天疱瘡)(Garrone et al., 1996)、および慢性炎症性関節炎(Garrone et al., 1996)を含む。循環するIL-1α自己抗体の存在について陽性である血液ドナーは、ELISA、放射性免疫沈降、ウエスタンブロットなどのような公知の方法を用いて同定され得る。例えば、Satoh et al., 1994;Saurat et al., 1991;Svenson et al., J. Clin. Invest. 92, 2533-39, 1993;Bendtzen et al., Mol. Biotechnol. 14, 251-61, 2000;Svenson et al., Scand. J. Immunol. 29, 489-92, 1989;Svenson et al., Scand. J. Immunol. 32, 695-701, 1990;Svenson et al., J. Clin. Invest. 92, 2533-39, 1993;およびSvenson et al., Cytokine 4, 125-33, 1992を参照されたい。いくつかの態様において、血漿は、プラスマフェレーシスまたはアフェレーシスを用いて取得される。
【0012】
いくつかの態様において、ドナー血清は、IL-1α酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)を用いてスクリーニングされる。血清における非常に低い遊離のIL-1αが、IL-1αに対する中和自己抗体の存在と相関すると考えられるため、試験は、適切な中和抗体を提供する高い可能性を有するドナー血清について、その非常に速いスクリーニングおよび候補の絞り込みを可能にする。このアプローチは、初期のスクリーニング過程を単純にし得、および、開発時間を減少させ得る。IL-1αアッセイキットは、例えば、Abazyme LLC;Alpco Diagnostics;Antigenix America Inc.;Autogen Bioclear UK Ltd;Bender MedSystems;Biosource International;BioVision;Cayman Chemical;Cell Sciences;CHEMICON;CytoLab Ltd.、 Endogen;GE Healthcare(以前はAmersham Biosciences);Leinco Technologies, Inc.;PeproTech;およびR&D Systemsより入手可能である。
【0013】
IL-1α自己抗体は、限外濾過、透析、非特異的タンパク質支持体上への固定化後の洗浄、または特異的タンパク質支持体上へのアフィニティークロマトグラフィーのような、当技術分野において周知である方法を用いて、個体、または、プールされた血液、血漿もしくは血清より精製され得る。US 2005/0147603を参照されたい。ヒトIL-1α自己抗体は、ヒトIgGの商業的調製物(例えば、SANDOGLOBULIN(登録商標)(Sandoz, Copenhagen, Denmark)、GAMMAGARD(登録商標)(Baxter, Allerod, Denmark)、またはNORDIMMUN(登録商標)(Novo Nordisk, Bagsvaerd, Denmark))より精製され得る。Ross et al., J. Interferon Res. 14, 159-60, 1994;Svenson et al., J. Clin. Invest. 92, 2533-39, 1993を参照されたい。IL-1α自己抗体のアフィニティー精製は、例えば、Satoh et al., 1994に記述されている。
【0014】
いくつかの態様において、例えば100例のドナーより収集された血漿または血清のプールが、プロテインGアフィニティークロマトグラフィーを用いてIgGへの放射性標識IL-1αの結合について試験され得る。適当な放射性標識は、125Iである。放射性標識トレーサーは、プールにおけるIgGへの結合について観察され、および、これらのプールに添加された天然のIL-1αの回収は、IL-1αELISAを用いて評価され得る。陽性のプールに寄与するドナーの血漿または血清は、個々に再評価され得、血漿の10%においてIgGへのIL-1αの飽和可能な結合(IgGへの放射性標識IL-1αの飽和結合によって判断される)が測定され得る。例えば、IL-1α自己抗体について高度に陽性であるドナー血漿の希釈物が、200μlの最終体積において125I標識IL-1α(3,500cpm)とインキュベーションされ得る。IgG結合トレーサーは、プロテインGアフィニティークロマトグラフィーによって評価され得る。IgG結合および遊離の125I標識IL-1αは、二次抗体沈降によって分離され得る。平均解離または親和定数、および最大IL-1αIgG結合容量は、スキャッチャードプロットを用いて計算され得る。
【0015】
高度に陽性の血清を有するドナー、すなわち、0.1nM〜35nMの間の血漿抗体濃度でピコモーラーの親和力を有するIL-1α自己抗体を抱くドナーが、末梢血よりIL-1α自己抗体産生Bリンパ球を採取するために使用され得る。しかしながら、有用なIL-1α自己抗体は、抗体療法の標的および望ましい薬物動態に依存して、治療法に有用と考えられてもよいフェムトモーラー〜ナノモーラーの親和力の、親和力の範囲を示してもよい。IL-1α自己抗体の血漿濃度は、有意の範囲でもよく、ならびに、クローニングもしくは濃縮の感度および効率に依存して、0.1ピコモーラー〜0.1ナノモーラーの範囲であってもよく、または逆に、プラズマB細胞悪性腫瘍の例のように、35nM〜3500nmの範囲の高濃度であってもよい。IL-1α自己抗体を産生する末梢血リンパ球は、培養において増殖するように刺激され得、およびそのために、例えば、ウイルス(例えば、エプスタイン・バーウイルス、EBV)、化学剤、または核酸(癌遺伝子のような)を用いる、当技術分野において周知である方法論を用いて不死化され得る。不死化細胞はその後、大量のヒトIL-1α自己抗体の信頼できる供給源を提供するために、公知の方法を用いてクローン化され得る。
【0016】
いくつかの態様において、適切なドナーの血液試料由来のBリンパ球は、照射された単核細胞、および、メモリーB細胞のポリクローナルな活性化物質として作用し、EBV感染の感受性を増加させるtoll様受容体アゴニスト(CpGオリゴヌクレオチドのような)の存在下での、EBVとのバルク培養において不死化される。不死化Bリンパ球はその後、磁気および蛍光活性化細胞ソーティングの組合せによって、IgG陽性メモリーBリンパ球について選択される。10のIgG陽性メモリーB細胞を含む培養物由来の上清が、12〜14日後に、特異的なIL-1α自己抗体の存在について解析され得る。陽性の培養物が再びプレーティングされ、および、IL-1α自己抗体の適切な産生を有する個々の不死化Bリンパ球クローンを単離するために、限界希釈が使用される。例えば、WO 91/09115および米国特許第5,959,085号を参照されたい。
【0017】
他の態様において、単離されたリンパ球は、当技術分野において周知であるように、ハイブリドーマを産生するために使用される。(例えば、Methods in Enzymology, Vol. 121, Sections I and II, 1986;Garrone et al., 1996を参照されたい。)IL-1α自己抗体を産生するハイブリドーマは、自己抗体の恒常的な供給源を提供するために、当技術分野において公知であるようにインビトロで増殖させられ得る。または、ハイブリドーマ細胞はマウス腹腔内に注射され得、その後腫瘍を産生するであろう。これらの腫瘍は、所望のモノクローナル自己抗体を含む腹水の産生と同時に起こる。モノクローナル自己抗体は、限外濾過、超遠心、透析、およびイムノアフィニティークロマトグラフィーのような通常の方法によって、腹水より回収され得る。
【0018】
RNAが、不死化B細胞クローンまたはハイブリドーマクローンより取得され得、IL-1α自己抗体をコードするcDNAを得るために増幅反応(例えば、PCR)の鋳型として使用され得る。米国特許第5,959,085号を参照されたい。全長IL-α自己抗体またはその機能的断片をコードするcDNAが、当技術分野において周知である組換えDNA方法論を用いて原核生物または真核生物宿主細胞においてIL-1α自己抗体を発現するために発現ベクターに含まれ得、使用され得る。例えば、Garrone et al., 1996を参照されたい。宿主細胞はその後、IL-1α自己抗体を増やすために使用され得る。または、任意の特定のIL-1α自己抗体が単離され得、そのアミノ酸配列が公知の方法により決定され得る。アミノ酸配列をコードする核酸分子が合成され得、クローン化IL-1α自己抗体を産生するために発現ベクターにおいて使用され得る。望ましい場合、IL-1α自己抗体の元の重鎖定常領域は、異なるアイソタイプ(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA、IgD、IgM、またはIgE)の定常領域により置換され得る。米国特許第5,959,085号を参照されたい。
【0019】
IL-1α自己抗体は、当技術分野において公知である技術を用いて化学的に合成され得る。例えば、Merrifield, J. Am. Chem. Soc. 85, 2149-54, 1963;Roberge et al., Science 269, 202-04, 1995を参照されたい。タンパク質合成は、手動の技術を用いて、または自動制御によって行われ得る。自動合成は、例えば、Applied Biosystems 431A Peptide Synthesizer(Perkin Elmer)を用いて達成され得る。任意で、IL-1α自己抗体の断片が別々に合成され得、全長分子を生じる化学的方法を用いて結合され得る。
【0020】
IL-1α自己抗体は、HuCAL(登録商標)(Knappik et al., J. Mol. Biol. 296, 57-86, 2000)、ScFvファージディスプレイライブラリー(例えば、Pharmacia Recombinant Phage Antibody System、カタログno. 27-9400-01;およびStratagene SURZAP(商標)ファージディスプレイキット、カタログno. 240612)などのような抗体ライブラリーをスクリーニングすることによって取得され得る。WO 92/18619;WO 92/20791;WO 93/01288;WO 92/01047;WO 92/09690;Fuchs et al., Bio/Technology 9, 1370-72, 1991;Hay et al. (1992) Hum Antibod Hybridomas 3:81-85;Huse et al. (1989) Science 246:1275-1281;McCafferty et al., Nature (1990) 348:552-554;Griffiths et al. (1993) EMBO J. 12:725-734;Hawkins et al. (1992) J Mol Biol 226:889-896;Clackson et al. (1991) Nature 352:624-628;Gram et al. (1992) PNAS 89:357&3580;Garrad et al. (1991) Bio/Technology 9:1373-1377;Hoogenboom et al. (1991) Nuc Acid Res 19:4133-4137;およびBarbas et al. (1991) PNAS 88:7978-7982を参照されたい。
【0021】
望ましい場合、IL-1αに対する結合親和性を増強するために、IL-1α自己抗体に改変がなされ得る。例えば、米国特許第6,914,128号を参照されたい。
【0022】
スクリーニング方法
本発明によると、低い力価のIL-1α自己抗体、または低親和性ヒト抗IL-1α自己抗体の存在が、個体がアテローム性動脈硬化症関連障害に進行するであろう見込み、または個体のアテローム性動脈硬化症関連障害の重大度が増加するであろう見込みを示す。イムノアッセイ(例えば、ラジオイムノアッセイ、ELISA、またはウエスタンブロット)における陽性応答が、約1:100以下の個体の血清の希釈(例えば1:1、1:10、1:50、または1:100の希釈)で検出される場合、個体は「低い力価」のIL-1α自己抗体を有する。イムノアッセイにおける陽性応答が、約1:100を超える希釈(例えば1:1000、1:10,000、1:100,000など)でなお検出され得る場合、個体は「高い力価」のIL-1α自己抗体を有する。低親和性IL-1α自己抗体は、典型的には、10M-1〜107M-1の間(例えば、10、5×102、103、5×103、104、5×104、105、5×105、106、5×106、および107M-1)のIL-1α結合についてのKaを有する。
【0023】
個体由来の試験生物試料(例えば、血液、血漿、血清を含む)が、IL-1α自己抗体の試験力価を測定するためにアッセイされ得る。個体は、健常、もしくは外見上健常であり得、または、アテローム性動脈硬化症関連障害を有することが知られ得る。アテローム性動脈硬化症関連障害は、例えば、脳血管疾患、末梢血管疾患、虚血性心疾患、または冠動脈疾患であり得る。
【0024】
当技術分野において公知である任意の方法が、個体の試験生物試料におけるIL-1α自己抗体を検出するために使用され得る。これらの方法は、放射性標識IL-1αへの結合、ELISA、IL-1αのその受容体への競合的結合、FITC標識IL-1αを使用するフローサイトメトリー、ウエスタンブロットなどを含むが、それらに限定されない。例えば、Bendtzen et al., Mol. Biotechnol. 14, 251-61, 2000;Ross et al., Blood 90, 2376-80, 1997;Hansen et al., Immunol. Lett. 30, 133, 1991;Svenson et al., Scand. J. Immunol. 29, 489-92, 1989;Svenson et al., Scand. J. Immunol. 32, 695-701, 1990;Svenson et al., Cytokine 4, 125-33, 1992;Saurat et al., J. Allergy Clin. Immunol. 88, 244-56, 1991を参照されたい。Bendtzen et al., Mol. Biotechnol. 14, 251-61, 2000に記述されているようなラジオイムノアッセイが好ましい。試験生物試料におけるIL-1αに対する自己抗体の力価は、当技術分野において公知である標準的方法を用いて計算され得る。アッセイは、定性的または定量的いずれかで実施され得る。または、IL-1α自己抗体を発現するBリンパ球の同定のためのFITC標識IL-1αを用いると、IL-1α特異的Bリンパ球頻度は、血清IL-1αレベルと相関し得、従って、アテローム性動脈硬化症または関連障害を発症する危険度の指標であり得る。
【0025】
薬学的組成物および治療方法
本発明の薬学的組成物は、上記で定義されるような高親和性IL-1α自己抗体を含む。IL-1α自己抗体は、単一の供給源(例えば、単一の個体、不死化B細胞クローンのクローン、または、単一のハイブリドーマ)、または、モノクローナルIL-1α自己抗体の二つもしくはそれ以上の調製物、または、モノクローナルおよびポリクローナルIL-1α自己抗体の混合物を含む、二つもしくはそれ以上のそのような供給源由来であり得る。薬学的組成物は、非発熱性である。
【0026】
薬学的に許容される賦形剤
「薬学的に許容される賦形剤」は、任意およびすべての溶媒、分散媒質、コーティング、抗細菌および抗真菌剤、等張および吸収遅延剤、ならびに生理学的に適合性である同様のものを含む。薬学的に許容される賦形剤の例は、水、生理食塩水、リン酸緩衝生理食塩水、デキストロース、グリセロール、エタノールなどの一つまたは複数、ならびにそれらの組合せを含む。場合によって、糖、マンニトールのようなポリアルコール、ソルビトール、または塩化ナトリウムのような一つまたは複数の等張剤が含まれる。薬学的に許容される賦形剤は、IL-1α自己抗体の保存寿命または有効性を増強する、湿潤もしくは乳化剤、保存料、または緩衝液のような少量の補助物質をさらに含んでもよい。
【0027】
本発明の薬学的組成物は、様々な形態にあってもよい。これらは、例えば、液体溶液(例えば、注射可能および点滴可能な溶液)、分散液または懸濁液、錠剤、丸剤、粉末、リポソームおよび坐薬のような、液体、半固体、および固体剤形を含む。好ましい形態は、意図される投与および治療用途の様式に依存する。
【0028】
例えば、IL-1α自己抗体は、高度に純粋な結晶形態へと凍結乾燥され得る。最終製品は、再構成および非経口点滴に適当な滅菌、凍結乾燥粉末として供給され得る。凍結乾燥粉末は、例えば1〜1000mgの間のIL-1α自己抗体を各々含む滅菌バイアルに含まれ得る。各バイアルは、以下の一つまたは複数のような、追加的な非医学的成分を含み得る;スクロース、ポリソルベート80、リン酸二水素ナトリウム、一水和物、ポリエチレングリコール、ならびにリン酸水素二ナトリウムおよび二水和物。
【0029】
いくつかの態様において、バイアルにおけるIL-1α自己抗体は、使用する直前に、例えば、1〜30mLのSterile Water for Injection, USPで再構成され得、結果的に約7.2のpHとなる。保存料が含まれ得る。製品が保存料を含まない場合には、製品は、典型的には再構成後直ちに使用され、再び入れられないし、または保存されない。再構成製品の総用量は、0.9% Sodium Chloride Injection, USPで50〜500mLにさらに希釈され得る。点滴濃度は、0.04mg/mL〜40mg/mLの間の範囲であり得る。点滴は、例えば、再構成後約1〜4時間以内に開始し得る。好ましくは、点滴溶液は、直列の、滅菌、非発熱性、低タンパク質結合フィルター(1.2μmまたはそれ以下の孔サイズ)を有する点滴セットを用いて、約2時間の間に渡って投与される。
【0030】
他の態様において、IL-1α自己抗体は、例えば、注射可能な溶液として、非経口投与に適当な薬学的組成物に製剤化される。IL-1α自己抗体は、例えば、フリント(flint)もしくはアンバー(amber)バイアル、アンプル、または予め充填されたシリンジ中において、液体または凍結乾燥剤形であり得る。適当な緩衝液は、L-ヒスチジン、コハク酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、およびリン酸カリウムを含む。塩化ナトリウムは、0〜300mM(例えば、液体剤形については150mM)の濃度で溶液の毒性を改変するために使用され得る。凍結防止剤が、凍結乾燥剤形のために含まれ得る(例えば、0〜10%スクロース、トレハロース、またはラクトース)。マンニトールのような増量剤もまた、凍結乾燥剤形のために含まれ得る。L-メチオニンのような安定剤が、液体および凍結乾燥剤形双方において使用され得る。界面活性剤、例えば、ポリソルベート20およびBRIJ界面活性剤が含まれ得る。
【0031】
本発明の薬学的組成物は、虚血性心疾患、冠動脈疾患、末梢動脈疾患、および脳血管疾患を含むアテローム性動脈硬化症関連障害を処置するために使用され得る。個体は、好ましくは同一の種の自己抗体を含む薬学的調製物で処置される(すなわち、ヒトはヒトIL-1α自己抗体で処置される)。本発明による薬学的組成物の治療的有効量は、これらの障害の一つまたは複数の症状を有する個体に投与され得、または、これらの障害の一つまたは複数を発症する危険度を有する個体に予防的に投与され得る。「治療的有効量」は、個体の血清における遊離のIL-1αの量を減少させる量、または、個体のIL-1α自己抗体力価を少なくとも2倍上昇させる量である。好ましくは、アテローム性動脈硬化症関連障害の個体の症状が緩和される(例えば、臀部、腿、またはふくらはぎにおける痙攣;アンギナ)。
【0032】
多くの治療用途について、好ましい投与の経路/様式は、皮下注射、静脈注射、または点滴であるが、本発明の薬学的組成物は、当技術分野において公知である様々な方法によって投与され得る。当業者によって認識されるように、投与の経路および/または様式は、望ましい結果に依存して変化すると考えられる。いくつかの態様において、IL-1α自己抗体は、インプラント、経皮貼付剤、およびマイクロカプセル化送達系を含む制御放出製剤のような、急速放出から自己抗体を保護すると考えられる担体とともに調製され得る。エチレンビニルアセテート、ポリ酸無水物(polyanhydride)、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルソエステル、およびポリ乳酸のような、生分解性、生体適合性のポリマーが使用され得る。そのような製剤の調製のための多くの方法が特許取得され、または、一般的に当業者に公知である。例えば、Sustained and Controlled Release Drug Delivery Systems, J. R. Robinson, ed., Marcel Dekker, Inc., New York, 1978を参照されたい。
【0033】
本発明の薬学的調製物の用量および投与スケジュール双方は、個体のアテローム性動脈硬化症関連障害を発症する危険度、個体の疾患の症状および重大度、ならびに、個体の種に依存して変化すると考えられる。IL-1α自己抗体の典型的な用量は、0.001μg〜400mg/kgの範囲(例えば、0.001μg、0.01μg、0.1μg、0.5μg、1.0μg、10μg、100μg、1mg、2mg、5mg、10mg、15mg、20mg、25mg、50mg、75mg、100mg、150mg、200mg、250mg、300mg、350mg、または400mg)である。用量は、例えば、4日間毎日、毎週1回、毎月2回、毎月、12週に1回、24週に1回、または90日に1回投与され得る。
【0034】
本開示において引用されるすべての特許、特許出願、および参照文献は、明白に参照により本明細書に組み入れられる。上記の開示は、全般的に本発明を説明する。例示の目的のみのために提供され、本発明の範囲を限定するよう意図されない以下の具体例を参照することによって、より完全な理解が得られ得る。
【0035】
実施例1
虚血性心疾患のIL-1α自己抗体力価との相関関係
Copenhagen Male Study(CMS;Gyntelberg, Dan Med Bull 1973;20:1-4)に登録された男性由来の血清試料を、IL-1α自己抗体力価について検査した。男性は年齢が53〜75才の範囲(平均=63)であった。結果を表1に示す。
【0036】
【表1】

【0037】
表1に示されるように、これらの患者の10年追跡調査で、高いIL-1α自己抗体力価を有する個体における虚血性心疾患の発病率は減少していた。
【0038】
実施例2
虚血性心疾患の患者におけるIL-1αに対する自己抗体
20人の患者由来の血清を、冠動脈バイパス手術の3日以内に調査し、虚血性心疾患の徴候の無い20人の年齢が適合した男性と比較した。結果を表2に示す。
【0039】
【表2】

P<0.0001(フィッシャーの正確検定、両側)
【0040】
実施例3
単核細胞の単離および刺激
本実施例は、単核細胞を単離し、および刺激するための一つの適当な方法を説明する。健常な血液ドナー由来の単核細胞(MNC)を、IL-1α自己抗体について陰性のドナーを用いて取得する。MNCを、LYMPHOPREP(商標)(Nycomed)上の遠心分離によりバフィーコートから精製する。細胞を、2mM L-グルタミン(Sigma, St. Louis, USA)、25μg/mlゲンタマイシン(GIBCO(登録商標) BRL, Life Technologies, Paisley, Scotland)、および5%正常ヒトAB血清を含むRPMI1640で洗浄する。天然のIL-1α(nIL-1α)は、37℃、5%CO2加湿空気中、100μg/ml 大腸菌(E.coli)LPS(Difco Laboratories, Detroit, USA)の存在下で、MNCを刺激することによって生じる。12時間後、上清を採取して、使用まで−20℃で保存する。
【0041】
プロテインGアフィニティークロマトグラフィー
100μl血漿試料のアフィニティークロマトグラフィーを、2000μlのProtein G Sepharose 4 Fast Flow(Amersham Biosciences)を含むカラムを用いて4℃で実施する。0.1%(v/v)Triton X-100および0.1%(w/v)ゼラチン(Sigma)を追加したリン酸緩衝生理食塩水pH 7.4(PBS)をランニング緩衝液として使用する。結合した材料を、0.1Mグリシン/HCl, pH2.4で溶出する。
【0042】
特異性解析
抗体特異性解析を、放射性標識rIL-1αとともに天然および組換えIL-1αの異なる調製物を用いて実施する。抗IL-1αについて陽性である血漿試料を、非標識IL-1αおよびトレーサーIL-1α(15pg/200μl 125I標識IL-1α)双方を含む、15ng/200μl IL-1αの総計の約60%に結合するように希釈する。血漿、トレーサー、および競合相手の混合物を1時間37℃でプレインキュベーションし、その後、プロテインGのアフィニティークロマトグラフィーに供する。IgG結合および遊離のトレーサーに対応する画分をガンマカウンター(1470 WIZARD(商標)ガンマカウンター, Wallac, Finland)でカウントする。加えて、遊離のIL-1αをELISAによって測定する。
【0043】
RIAおよびELISAによる血漿試料のスクリーニング
適切なプロトコルおよび血液成分の品質管理に従って、血漿試料を個々の血液ドナーから収集する。試料を、最初に抗IL-1αについてミニプールスクリーニングする。90例の血漿試料のミニプールを、0.1%(v/v)Triton X-100(Sigma)、0.1%(w/v)ゼラチン(Sigma)、および2mM EDTA(Bie & Berntsen, Rodovre, Denmark)を追加したPBS(PBS+)中で25%(v/v)に調整し、3,500 cpmの125I標識IL-1αを添加する; 200μlの最終体積とする。20時間、4℃でのインキュベーションの後、IgG結合トレーサーおよび遊離のトレーサーに相当する画分をプロテインGによって分離し、カウントする。加えて、抗IL-1α結合活性を天然のIL-1αに関して対処する。これは、IL-1αELISAにおいて25%血漿プール存在下での1ng/mlの天然IL-1αの回収を測定することによって行われ得る。
【0044】
IL-1αELISA
このサンドイッチELISAは、特異的ポリクローナルウサギ抗ヒトIL-1α抗体に基づく。それは天然のヒトIL-1α抗体からの干渉について完全に確認されている。Hansen et al., Scand. J. Immunol. 1991. 33:777-781.;Hansen et al., Cytokine 1993. 5:72-80を参照されたい。
【0045】
IMMUNO(登録商標)MAXISORP(登録商標)プレート(Nunc, Roskilde, Denmark)を、プロテインAアフィニティー精製ウサギ抗ヒトIL-1αIgGでコーティングする。非付着部位を、4%(w/v)スキムミルク粉末、1%(w/v)ヒト血清アルブミン(HSA)(SSI, Copenhagen, Denmark)、および0.005%(v/v)TWEEN(登録商標)20(Merck)を含むPBSでブロッキングする。以下の各段階の後、ウェルをPBS/0.005% TWEEN(登録商標)20で洗浄する:1)100μlの被分析物を18時間4℃でインキュベーションする段階;2)PBS/0.005%(v/v)、TWEEN(登録商標)20/0.5%(w/v)HSA中の100μlのビオチン化ウサギ抗ヒトIL-1A IgG(2μg/ml)を2時間20℃でインキュベーションする段階;3)PBS/O.005%(v/v)Tween 20/0.5%(w/v)HSA中の100μlのストレプトアビジン‐ペルオキシダーゼ(0.1μg/ml;Kirkegaard & Perry Laboratories, Gaithersburg, USA)を45分間20℃でインキュベーションする段階。酵素活性を、1,2-フェニレンジアミンジハイドロクロライド(DakoCytomation)を用いて定量する。ELISAの実用的な範囲は、150pg/ml〜5,000pg/mlである。アッセイ間およびアッセイ内変動係数は、15%以下に維持される。
【0046】
HS IL-1α ELISA
血漿IL-1αレベルを、IL-1A Quantikine High Sensitivity ELISA(R&D Systems, Minneapolis, MN)を用いて定量化する。製造業者の確認および指示書によると、このELISAは、sIL-1αRおよびIL-1α自己抗体双方に結合したIL-1αを検出する。
【0047】
二次抗体沈降およびスキャッチャードプロット
選択された抗体陽性血漿試料におけるIL1α自己抗体の結合特性を、以前に記述されたように評価する(Hansen et al., Eur. J. Immunol.1995. 25:348-354)。適切に希釈した血漿試料を、100μlの最終体積のPBS+中で、50,000cpm〜700cpmの範囲の125I標識IL-1αと混合する。4℃で20時間のインキュベーションの後、95%より多いIgGを沈降させるために200μlのウサギ抗ヒトIgG(A424;DakoCytomation)を添加する。1時間、4℃でのインキュベーションの後、3倍体積のPBSを添加する。試料を直ちに20分間遠心分離(4℃で3000 ×g)し、その後ペレット(IgG結合)中および上清(遊離)中のIL-1αの量をカウントする。IL-1α結合についてのIL-1α自己抗体の親和性を、スキャッチャードプロットを用いて計算する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の段階を含む、個体のアテローム性動脈硬化症関連障害を発症する相対危険度を測定するために個体をスクリーニングする方法:
個体の生物試料におけるIL-1α自己抗体の力価を測定する段階;および
試験力価が1:100より低い場合に、アテローム性動脈硬化症関連障害を発症する高い危険度を有するとして個体を同定する段階;または
試験力価が1:100より高い場合に、アテローム性動脈硬化症関連障害を発症する低い危険度を有するとして個体を同定する段階。
【請求項2】
個体がヒトである、請求項1記載の方法。
【請求項3】
個体がヒト男性である、請求項1記載の方法。
【請求項4】
生物試料が、血液または血清を含む、請求項1記載の方法。
【請求項5】
アテローム性動脈硬化症関連障害が、虚血性心疾患である、請求項1記載の方法。
【請求項6】
アテローム性動脈硬化症関連障害が、冠動脈疾患である、請求項1記載の方法。
【請求項7】
アテローム性動脈硬化症関連障害が、脳血管疾患である、請求項1記載の方法。
【請求項8】
アテローム性動脈硬化症関連障害が、末梢動脈疾患である、請求項1記載の方法。
【請求項9】
以下の段階を含む、アテローム性動脈硬化症関連障害を処置する方法:
以下を含む薬学的組成物の治療的有効量を、必要とする個体に投与する段階:
107〜1014M-1の間のIL-1αに対するKaを有するIL-1α自己抗体;および
薬学的に許容される賦形剤。
【請求項10】
個体がヒトであり、および、IL-1α自己抗体がヒト自己抗体である、請求項9記載の方法。
【請求項11】
ヒトが男性である、請求項10記載の方法。
【請求項12】
IL-1α自己抗体が、モノクローナル抗体、F(ab)'2断片、F(ab)'断片、Fab断片、二本鎖Fv断片、または一本鎖抗体である、請求項9記載の方法。
【請求項13】
アテローム性動脈硬化症関連障害が、虚血性心疾患である、請求項9記載の方法。
【請求項14】
アテローム性動脈硬化症関連障害が、冠動脈疾患である、請求項9記載の方法。
【請求項15】
アテローム性動脈硬化症関連障害が、脳血管疾患である、請求項9記載の方法。
【請求項16】
アテローム性動脈硬化症関連障害が、末梢動脈疾患である、請求項9記載の方法。
【請求項17】
アテローム性動脈硬化症関連障害を処置するための薬物の製造における、107〜1014M-1の間のIL-1αに対するKaを有するIL-1α自己抗体の使用。
【請求項18】
個体がヒトであり、および、IL-1α自己抗体がヒト自己抗体である、請求項17記載の使用。
【請求項19】
ヒトが男性である、請求項18記載の使用。
【請求項20】
IL-1α自己抗体が、モノクローナル抗体、F(ab)'2断片、F(ab)'断片、Fab断片、二本鎖Fv断片、または一本鎖抗体である、請求項17記載の使用。
【請求項21】
アテローム性動脈硬化症関連障害が、虚血性心疾患である、請求項17記載の使用。
【請求項22】
アテローム性動脈硬化症関連障害が、冠動脈疾患である、請求項17記載の使用。
【請求項23】
アテローム性動脈硬化症関連障害が、脳血管疾患である、請求項17記載の使用。
【請求項24】
アテローム性動脈硬化症関連障害が、末梢動脈疾患である、請求項17記載の使用。

【公表番号】特表2009−503529(P2009−503529A)
【公表日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−524607(P2008−524607)
【出願日】平成18年7月26日(2006.7.26)
【国際出願番号】PCT/IB2006/002038
【国際公開番号】WO2007/015128
【国際公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【出願人】(508031944)エクスバイオテク インコーポレーティッド (2)
【Fターム(参考)】