説明

LEDランプ

【課題】蛍光ランプを本来の光源とする既存の照明装置で、広く利用することが可能なLEDランプを提供する。
【解決手段】LEDランプ10は、照明装置100に装着されると、本来蛍光ランプのフィラメントに接続される端子101aと、端子101bとを短絡する短絡部材22bを備える。また、ケーブル30の一端が、口金31を介して、本来点灯管が接続されるソケット102に接続されると、駆動ユニット23が電源系統200と接続可能となる。これにより、LEDランプ10は、既存の照明装置100で利用可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LEDランプに関し、更に詳しくは、蛍光ランプを本来の光源とする照明装置に、前記蛍光ランプに代わって用いられるLEDランプに関する。
【背景技術】
【0002】
LED(Light Emission Diode)ランプは、蛍光ランプに比べて、寿命が長く、消費電力も小さい。このような理由から、蛍光ランプに代わる光源として注目されている。
【0003】
LEDランプを駆動するためには、直流電源が必要となる。このため、蛍光ランプを本来の光源とする既存の照明装置では、LEDランプを直ちに使用することができない。そこで、蛍光ランプを光源とする照明装置で、手軽に使用することが可能なLEDランプが、種々提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
特許文献1に開示されたLEDランプは、本来蛍光ランプの口金が接続されるソケットによって、両端が支持された状態で照明装置に取り付けられ、使用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−303614号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に係るLEDランプは、照明装置に設けられたコネクタを介して、商用電源に接続される。しかしながら、既存の照明装置には、商用電源に接続されるコネクタ等を有するものが少ない。したがって、特許文献1に係るLEDランプは、既存の照明装置に対する汎用性が、必ずしも高いとはいえない。
【0007】
本発明は、上述の事情の下になされたもので、既存の照明装置で広く利用可能なLEDランプを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明のLEDランプは、
蛍光ランプを光源とする照明装置に、前記蛍光ランプに代わって用いられるLEDランプであって、
LED光源と、
前記LED光源を駆動するための駆動手段と、
前記駆動手段と、交流電源とを接続する線路と、
前記蛍光ランプのフィラメントの一側に接続される前記照明装置の第1端子と、前記フィラメントの他側に接続される前記照明装置の第2端子とを短絡する短絡手段と、
を備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、線路の一端を、例えば照明装置に設けられた、点灯管が取り付けられるソケット等に接続することで、LEDランプの電源を確保することができる。このため、本発明のLEDランプは、蛍光ランプを本来の光源とする既存の照明装置で広く利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本実施形態に係るLEDランプの構成図である。
【図2】LEDランプの外観図である。
【図3】キャップのZX断面を、ケーシングとともに示す図である。
【図4】LEDランプが装着された照明装置を示す図である。
【図5】照明装置の回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。図1は、本実施形態に係るLEDランプ10の構成図である。図1に示されるように、LEDランプ10は、LEDランプ本体20と、LEDランプ本体20を商用の電源系統に接続するための口金31と、LEDランプ本体20及び口金31とを電気的に接続するケーブル30とを有している。
【0012】
図2は、LEDランプ10の外観図である。この図2及び図1を参照するとわかるように、LEDランプ本体20は、円筒状のケーシング21と、ケーシング21の内部に配置されたLEDユニット24と、LEDユニット24を駆動する駆動ユニット23と、ケーシング21の端部に嵌め込まれた2つのキャップ22A,22Bとを有している。
【0013】
LEDユニット24は、複数のLED(Light Emission Diode)を含んで構成されている。複数のLEDそれぞれは、例えば並列に接続された状態で、回路基板に実装されている。
【0014】
駆動ユニット23は、電力系統によって印加される電圧を所望の電圧に変圧する変圧回路、交流電流を直流電流に整流する整流器回路、及びこの整流回路に接続される平滑コイルやコンデンサなどを含んで構成されている。この駆動ユニット23は、LEDユニット24の直流電源として機能する。
【0015】
ケーシング21は、長手方向をX軸方向とする円筒状の部材である。このケーシング21は、LEDユニット24からの光に対して透過性を有する、例えばプラスチックやガラスなどを素材とする。上述したLEDユニット24及び駆動ユニット23は、ケーシング21の内部に収容されている。
【0016】
図3は、キャップ22AのZX断面を、ケーシング21とともに示す図である。図3に示されるように、キャップ22Aは、ケーシング21に嵌め込まれるキャップ本体22aと、一部がキャップ本体22aから突出した短絡部材22bとから構成されている。
【0017】
短絡部材22bは、キャップ本体22aから、−X方向へ突出する一対の突出部を有するU字状の部材である。この短絡部材22bは、例えば銅などの導体からなる。
【0018】
キャップ本体22aは、例えば樹脂を射出成形することにより形成された円筒状の部材である。このキャップ本体22aは、直径の大きさが、ケーシング21の内径とほぼ同じ大きさになるように整形されている。そして、ケーシング21に、−X側から挿入され、ケーシング21の内面に固定されている。
【0019】
キャップ22Bも、キャップ22Aと同様に構成されている。そして、ケーシング21に、+X側から挿入され、ケーシング21の内面に固定されている。
【0020】
図1に戻り、ケーブル30は、2本の芯線を有するケーブルである。このケーブル30の一側は、駆動ユニット23に電気的に接続されている。そして、ケーブル30の他側は、図2に示されるように、ケーシング21に形成された開口から引き出されている。
【0021】
口金31は、例えば蛍光ランプを点灯させるために用いられる点灯管の口金と同等の形状を有している。この口金31は、ケーシング21から引き出されたケーブル30の端部に取り付けられている。
【0022】
図4は、LEDランプ10が装着された照明装置100を示す図である。また、図5は、照明装置100の回路図である。照明装置100は、蛍光ランプを本来の光源とする既存の照明装置である。図4及び図5を参照するとわかるように、照明装置100は、天井Cに固定されたベース100a、LEDランプ10の両端を支持する支持部100b、安定器110、蛍光ランプの口金が嵌め込まれるソケット101、点灯管の口金が嵌め込まれるソケット102を有している。
【0023】
LEDランプ10は、キャップ22A,22Bが、照明装置100のソケット101にそれぞれ嵌め込まれ、口金31が、照明装置100のソケット102に取り付けられることで、照明装置100に装着される。
【0024】
図5に示されるように、LEDランプ10が照明装置100に取り付けられることで、照明装置100の、本来蛍光ランプのフィラメントに接続される端子101aと、端子101bとが、キャップ22A,22Bを構成する短絡部材22bによって短絡される。そして、ケーブル30の一端が、本来点灯管が接続されるソケット102に、口金31を介して、電気的に接続される。
【0025】
この状態でスイッチSWが投入されると、照明装置100が電源系統200に接続され、駆動ユニット23が電源系統200と電気的に接続される。駆動ユニット23と電源系統200とが接続されると、LEDユニット24に、直流電流が供給される。これにより、LEDユニット24を構成するLEDが発光する。
【0026】
以上説明したように、本実施形態に係るLEDランプ10が、照明装置100に装着されると、本来蛍光ランプのフィラメントに接続される端子101aと、端子101bとが短絡部材22bによって短絡される。そして、ケーブル30の一端が、口金31を介して、本来点灯管が接続されるソケット102に接続されると、駆動ユニット23が電源系統200と接続可能となる。これにより、LEDランプ10は、既存の照明装置100で利用可能となる。
【0027】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態等によって限定されるものではない。
【0028】
例えば、上記実施形態では、LEDランプ10のケーシング21が円筒状である場合について説明した。これに限らずケーシング21は、環状であってもよい。この場合、LEDランプ10を、環状の蛍光ランプを本来の光源とする照明装置で利用することが可能となる。
【0029】
また、上記実施形態では、LEDランプ10を構成する口金31を、照明装置100の、本来点灯管が取り付けられるソケット102に取り付けた。これに限らず、口金31を、照明装置100の、本来常夜灯が取り付けられるソケットに取り付けてもよい。この場合にも、常夜灯を点灯するための回路が、電源系統200に接続されることで、LEDランプ10が発光する。
【0030】
また、上記実施形態では、LEDランプ10を構成する口金31を、照明装置100の、本来点灯管が取り付けられるソケット102に取り付けた。これに限らず、ケーシング21から引き出されたケーブル30の一端を、電源系統200に直接接続して、LEDランプ10を点灯させることとしてもよい。
【0031】
本発明は、本発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施形態及び変形が可能とされるものである。上述した実施形態は、本発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
【0032】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0033】
(付記1)蛍光ランプを光源とする照明装置に、前記蛍光ランプに代わって用いられるLEDランプであって、LED光源と、前記LED光源を駆動するための駆動手段と、前記駆動手段と、交流電源とを接続する線路と、前記蛍光ランプのフィラメントの一側に接続される前記照明装置の第1端子と、前記フィラメントの他側に接続される前記照明装置の第2端子とを短絡する短絡手段と、を備えるLEDランプ。
【0034】
(付記2)前記線路の一側は、前記照明装置に設けられた、点灯管を取り付けるためのソケットに接続可能な接続部となっている付記1に記載のLEDランプ。
【0035】
(付記3)前記線路の一側は、前記照明装置に設けられた、常夜灯を取り付けるためのソケットに接続可能な接続部となっている付記1に記載のLEDランプ。
【0036】
(付記4)前記LED光源及び前記駆動手段を収容する管を備える付記1乃至3のいずれか一に記載のLEDランプ。
【0037】
(付記5)前記管は直管である付記4に記載のLEDランプ。
【符号の説明】
【0038】
10 LEDランプ
20 LEDランプ本体
21 ケーシング
22A,22B キャップ
22a キャップ本体
22b 短絡部材
23 駆動ユニット
24 LEDユニット
30 ケーブル
31 口金
100 照明装置
100a ベース
100b 支持部
101 ソケット
101a 端子
101b 端子
102 ソケット
110 安定器
200 電源系統
C 天井
SW スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
蛍光ランプを光源とする照明装置に、前記蛍光ランプに代わって用いられるLEDランプであって、
LED光源と、
前記LED光源を駆動するための駆動手段と、
前記駆動手段と、交流電源とを接続する線路と、
前記蛍光ランプのフィラメントの一側に接続される前記照明装置の第1端子と、前記フィラメントの他側に接続される前記照明装置の第2端子とを短絡する短絡手段と、
を備えるLEDランプ。
【請求項2】
前記線路の一側は、前記照明装置に設けられた、点灯管を取り付けるためのソケットに接続可能な接続部となっている請求項1に記載のLEDランプ。
【請求項3】
前記線路の一側は、前記照明装置に設けられた、常夜灯を取り付けるためのソケットに接続可能な接続部となっている請求項1に記載のLEDランプ。
【請求項4】
前記LED光源及び前記駆動手段を収容する管を備える請求項1乃至3のいずれか一項に記載のLEDランプ。
【請求項5】
前記管は直管である請求項4に記載のLEDランプ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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