説明

LED光源、LED光源の製造方法、面光源装置、および映像表示装置

【課題】LED基板の接続信頼性を向上しつつ、簡便に製造することのできるLED光源、そのLED光源を備えた面光源装置および映像表示装置を提供する。
【解決手段】本発明の映像表示装置に搭載されるLEDバックライト2は、互いに同一である櫛歯状のLED基板21aおよび21bを備えており、各LED基板21aおよび21bには、複数のLED25が非直線的に配置されている。LED基板21aを回転させるとLED基板21bとなり、LED基板21aおよびLED基板21bによって隙間のない平面が形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光素子が発光ダイオード(LED)であるLED光源とその製造方法、そのLED光源を複数備えた面光源装置、およびその面光源装置をバックライト光源として備えた映像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
透過型の液晶表示素子を備えた映像表示装置は、テレビやPC(パーソナルコンピュータ)用モニタなどの用途に広く用いられている。透過型の液晶表示素子は、2枚のガラス板の間に液晶層が挟持され、ガラス板上にはマトリクス状に形成された多数の画素有する構造となっている。このような映像表示装置によって映像を表示するには、まず、外部から入力された映像信号に合わせて各画素に存在するトランジスタスイッチを駆動させる。これにより、この駆動によって液晶分子の配列方向が変化し、各画素の光線透過率が変化する。そして、この状態で液晶表示素子の背面側に配置されたバックライト光源から、液晶表示素子にバックライト光が照射されると、入力された映像信号に応じた映像の表示が可能になる。
【0003】
映像表示装置のバックライト光源としては、従来は、主にCCFL(冷陰極管)が用いられていた。しかし、近年、発光ダイオード(LED)を用いたバックライト光源が普及し始めている。
【0004】
LEDバックライトの光照射方式には、サイドエッジ方式および直下方式の2種類が存在する。サイドエッジ方式は、映像表示装置の画面の側面にLEDを配置して導光板に光を入射させる方式である。一方、直下方式は、画面直下に、マトリクス(2次元)状にLEDを配置して出射光を直接利用する方式である。直下方式は、サイドエッジ方式よりも、輝度を高めやすいため、大型の液晶表示素子を用いた映像表示装置においては、主に、直下方式のLEDバックライトが採用される。
【0005】
このような直下方式のLEDバックライトは、液晶パネルの背面に、光源である多数のLEDがマトリクス状に敷き詰めて構成される(マトリクス型LEDバックライト)。マトリクス型LEDバックライトにおいては、LEDが実装される配線基板(LED基板)として、画面サイズとほぼ同じ面積のプリント基板が必要となる。つまり、マトリクス型LEDバックライトにおけるLED基板(プリント基板)の形状は、画面サイズと略等しい矩形となる。しかし、このようなマトリクス型LEDバックライトを、大型の映像表示装置に適用しようとした場合、LED基板の面積も画面サイズに合わせて大きくする必要がある。例えば、画面サイズが42インチワイド型の液晶テレビにおいては0.49m、57インチワイド型の液晶テレビにおいては、0.88mもの面積のプリント基板が、各々必要になる。
【0006】
ここで、一般に、プリント基板の価格は面積に比例するため、マトリクス型LEDバックライトを大画面の液晶表示素子に適用すると、部材価格が非常に高価となってしまう。
【0007】
そこで、特許文献1および2では、LEDがマトリクス状(2次元)に配置されるマトリクス型LEDバックライトではなく、LEDが直線(アレイ)状に配置されるアレイ型LEDバックライトが提案されている。図16は、アレイ型LEDバックライトを示す平面図である。
【0008】
図16のアレイ型LEDバックライト200は、シャーシ223上に、複数のLED基板221が配置されている。図16では、42インチワイド型の画面(横930mm×縦523mm)の映像表示装置に適用されるアレイ型LEDバックライト200を例示している。ここで一般に、LED基板221には、製造時における縦横の最大外形寸法、即ち定尺が存在する。定尺は、LED基板221の材料や製造装置によって異なるが、例えば縦が510mm、横が340mmなどとなっている。このため、LED基板221の縦横のいずれかの寸法が定尺を超える場合は、そのLED基板221を幾つかに分割して作製される。図16の場合この定尺を超えるため、LED基板221を横方向に2分割し、横方向に2枚、縦方向に各10枚、合計20枚のLED基板221が配置されている。各LED基板221には、8個のLED225が、同一軸線上(直線状)に並んで配置されている。つまり、図16のアレイ型LEDバックライト200は、画面全体で、合計160個のLED225が使用されている。なお、図16では、隣接LED225間の間隔は60mmとし、全体としてLED225が六方格子状に配置されている。
【0009】
上述のように、マトリクス型LEDバックライトの場合、画面サイズ(画面の面積)とほぼ等しいLED基板が必要となる。これに対し、図16のようなアレイ型LEDバックライト200では、複数のLED基板221が、互いに間隔(隙間)を空けて配置される。このため、アレイ型LEDバックライト200では、20枚全てのLED基板の総面積は、画面サイズよりも小さくなる。図16では、シャーシ223の面積が画面サイズとほぼ等しいため、LED基板の総面積は、画面サイズよりも相当狭くなっていることがわかる。
【0010】
このように、アレイ型LEDバックライト200では、マトリクス型LEDバックライトよりも、LED基板221の面積が小さくなる。従って、アレイ型LEDバックライト200を、大画面の映像表示装置に適用すると、マトリクス型LEDバックライトを適用した場合よりも、安価に製造することができる。つまり、LED基板のコスト、ひいてはLEDバックライトのコストを削減することが可能となる。また、画面サイズに応じてLED基板21の数を増減すれば、LED基板21を種々の画面サイズに適用することが可能となる。
【特許文献1】特開平07−226537号公報(1995年8月22日公開)
【特許文献2】特開2006−53340号公報(2006年2月23日公開)
【特許文献3】特開2005−258403号公報(2005年9月22日公開)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、図16のアレイ型LEDバックライト200では、LED基板221に電気的な接続不良が発生しやすく、製造工程も煩雑になるという問題が生じる。
【0012】
具体的には、上述のようにアレイ型LEDバックライト200では、マトリクス型LEDバックライトよりも、LED基板221の面積は小さくなる。しかし、アレイ型LEDバックライト200は、1台のアレイ型LEDバックライト200を構成するLED基板221の枚数が増える。LED基板221に実装されたLED225を駆動するためには、LED基板221を外部に設けたドライバ基板に電気的に接続する必要がある。このため、LED基板221の枚数の増加に伴い、LED225の駆動に必要な接続部材の個数(接続箇所)も増加する。具体的には、横方向に2分割したLED基板221間の電気的な接続、および、そのLED基板221の一方と外部のドライバ基板との電気的な接続が必要となる。すなわち、2分割したLED基板221間を接続するために、10本のハーネス222a、一方のLED基板221と外部のドライバ基板との接続のために、10本のハーネス222b、合計20本ものハーネス222a・222bが必要となる。さらに、ハーネス222a・222bが接続されるコネクタ226を、各LED基板221に設置する必要もある。
【0013】
しかし、このようにハーネス222a・222bおよびコネクタ226などの接続部材が増加すると、接続不良による不具合が発生しやすくなるという問題が生じる。しかも、LED基板221の組立時の作業性が著しく悪化し、製造工程が非常に煩雑になるという問題も生じる。なお、上述のように、マトリクス型LEDバックライトは、LED基板の面積が大きくなり部材価格が非常に高価となるため、安価に製造することができない。
【0014】
そこで、本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、LED基板の接続信頼性を向上しつつ、簡便かつ安価に製造することのできるLED光源、面光源装置、および映像表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明のLED光源は、上記の課題を解決するために、配線基板上に3つ以上の発光ダイオードを備え、配線基板から発光ダイオードに電流が供給されるLED光源であって、
上記発光ダイオードは、配線基板上に、非直線的に配置されており、
上記配線基板の外形は、非矩形状であり、かつ、配線基板を回転移動または平行移動させたときに、移動前後の配線基板が隙間のない平面を形成することができる形状であることを特徴としている。
【0016】
本発明のLED光源は、例えば、LEDバックライトなどの面光源装置に搭載される。
【0017】
従来のマトリクス型LEDバックライトは、矩形状の配線基板に複数のLEDがマトリクス状に配置されてなるLED光源を、1または少数用いて構成される。このため、必要な配線基板の枚数は少なくて済む。しかし、画面サイズと同面積の配線基板が必要となるため、配線基板の面積が大きく(広く)なる。このため、LED光源の製造コストが高くなる。
【0018】
一方、従来のアレイ型LEDバックライトは、矩形状の配線基板に複数のLEDが直線状に配置されてなるLED光源を、多数用いて構成される。アレイ型の場合、全配線基板の面積は、マトリクス型よりも小さく(狭く)なるものの、マトリクス型よりも、はるかに多くの配線基板が必要となる。その結果、各配線基板に、外部接続(複数のLED光源間の接続(各配線基板間の接続)、または、LED光源と外部回路との接続(配線基板と外部回路との接続))のための接続箇所が、非常に多くなる。このため、接続不良が発生しやすくなるとともに、製造工程も煩雑になる。
【0019】
これに対し、本発明のLED光源は、外形が非矩形状の配線基板上に、LEDが非直線的に配置されている。すなわち、本発明のLED光源は、矩形状の配線基板が用いられるマトリクス型LEDバックライトに適用されるLED光源でも、配線基板上に直線的にLEDが配置される、アレイ型LEDバックライトに適用されるLED光源でもない。
【0020】
つまり、従来のマトリクス型LEDバックライトのLED光源とは異なり、本発明のLED光源では配線基板が非矩形状であるため、LEDバックライトに適用しても、配線基板の面積が大きくならない。しかも、従来のアレイ型LEDバックライトのLED光源とは異なり、本発明のLED光源では配線基板上には非直線的にLEDが配置されるため、外部接続(複数のLED光源間、または、LED光源と外部回路)のための接続箇所を削減することができる。従って、接続不良による不具合の発生を低減することができ、接続作業を簡略化することができる。
【0021】
さらに、上記の構成によれば、配線基板を移動させると、回転移動または平行移動させたときに、移動前後の配線基板が隙間のない平面が形成される。言い換えれば、移動前後の配線基板が互いに密接して平面が形成される。例えば、LED光源を構成する基板を2枚考えるたとき、この2枚の配線基板は、2次元平面状に隙間なく敷き詰めることが可能となる。このため、LED光源の製造時に、1枚の基板シート(平板)から複数の配線基板を形成しても、基板シートのロスが少なくなる。従って、安価にLED光源を製造することができる。
【0022】
このように、上記の構成によれば、接続信頼性を向上しつつ、簡便かつ安価に製造することのできるLED光源を構成することができる。
【0023】
本発明のLED光源では、上記配線基板の外形が、櫛歯状であってもよい。
【0024】
上記の構成によれば、配線基板の外形が櫛歯型であるため、配線基板を回転移動させて重ね合わせれば、隙間のない平面が形成される。従って、安価にLED光源を製造することができる。
【0025】
本発明のLED光源では、上記配線基板の外形が、ジグザグ形状であってもよい。
【0026】
上記の構成によれば、配線基板の外形がジグザグ形状であるため、配線基板を平行移動させれば、隙間のない平面が形成される。従って、安価にLED光源を製造することができる。
【0027】
本発明のLED光源では、上記隙間のない平面が矩形であることが好ましい。これにより、1枚の基板シート(平板)から複数の配線基板を形成しても、基板シートのロスが特に少なくなる。従って、より安価にLED光源を製造することができる。
【0028】
本発明のLED光源では、上記配線基板が、ガラスエポキシ基板からなり、上記配線基板の厚さが、0.8mm以下であることが好ましい。
【0029】
上記の構成によれば、配線基板が、厚さ0.8mm以下のガラスエポキシ基板から構成される。これにより、LEDが発する熱を、配線基板の裏面に容易に伝えることができる。従って、放熱性の高いLED光源を構成することができる。
【0030】
本発明のLED光源では、上記LEDは、六方格子状に配置されていることが好ましい。上記の構成によれば、配線基板上にLEDが六方格子状に配置されているため、均一な光照射が可能となる。
【0031】
本発明のLED光源の製造方法は、上記の課題を解決するために、前記いずれかのLED光源の製造方法であって、
1枚の基板シートを分割してLED光源を構成する配線基板を複数形成する分割工程を含み、
上記分割工程は、基板シートに、複数の配線基板を隙間のない平面を形成するように割り当て、各配線基板にLEDを実装後、個片の配線基板に分割することを特徴としている。
【0032】
上記の方法によれば、分割工程によって、1枚の基板シートを分割して、あるLED光源の配線基板が形成される。すなわち、分割工程では、基板シート上に複数の配線基板を隙間のない平面を形成するように割り当てる。これにより、1枚の基板シートから複数の配線基板を形成する際の、基板シートのロスを少なくすることができる。さらに、分割工程では、基板シートに割り当てた各配線基板にLEDを実装した後に、個片の配線基板に分割する。これにより、個々の配線基板ごとにLEDの実装を行う必要がなく、LEDを一括して実装することができる。このため、実装加工費用を低減することができる。従って、接続信頼性の高いLED光源を、簡便かつ安価に製造することができる。
【0033】
本発明のLED光源の製造方法では、分割工程は、さらに、基板シートを個片の配線基板に分割するためのミシン目を形成する工程を含むことが好ましい。
【0034】
上記の方法によれば、基板シートを個片の配線基板に分割する前に、基板シートに分割用のミシン目が形成される。これにより、複雑な形状の配線基板であっても、確実に形成することができる。
【0035】
本発明の面光源装置は、前記いずれかのLED光源を複数備えることを特徴としている。
【0036】
上記の構成によれば、大面積の面光源装置であっても、接続信頼性が高く、簡便かつ安価に製造することのできる面光源装置を実現することができる。なお、面発光装置には、同一のLED光源が搭載されることが好ましい。これにより、より簡便かつ安価に製造することのできる面光源装置を実現することができる。
【0037】
本発明の映像表示装置は、上記の課題を解決するために、前記いずれかの面光源装置を、映像を表示する液晶表示素子のバックライトとして備えることを特徴としている。
【0038】
上記の構成によれば、本発明の面光源装置をバックライトとして備えているため、大画面の映像表示装置であっても、接続信頼性が高く、簡便かつ安価に製造することのできる映像表示装置を実現することができる。
【0039】
本発明の映像表示装置では、面光源装置および液晶表示素子に対して、エリアアクティブ輝度制御を行う輝度制御部を備えることが好ましい。
【0040】
上記の構成によれば、エリアアクティブ輝度制御を行う輝度制御部を備えるため、コントラストの向上および低消費電力化が可能となる。
【発明の効果】
【0041】
本発明のLED光源、面光源装置、および映像表示装置は、発光ダイオードが非直線的に配置され、外形が非矩形状であり、かつ、配線基板を回転移動または平行移動させたときに、移動前後の配線基板が隙間のない平面を形成することができる形状の配線基板を備えている。それゆえ、接続信頼性を向上しつつ、簡便かつ安価に製造することのできるLED光源を構成することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0042】
以下、本発明について、図1〜図11に基づいて説明する。本発明の映像表示装置は、バックライト光源として、LED基板上に複数のLEDが配置されたLED光源を複数備えた面発光装置を搭載している。以下では、本発明の一例として、画面サイズが横930mm×縦523mm(42インチワイド型に相当)である映像表示装置について説明する。なお、この画面サイズは、これに限定されるものではない。また、以下の説明では、画面サイズに合わせて、横方向および縦方向を適宜使用する。
【0043】
〔実施の形態1〕
まず、本実施形態の映像表示装置の構成および基本的な動作について、図2に基づいて説明する。図2は、本実施形態の映像表示装置1の概略構成を示すブロック図である。図2のように、映像表示装置1は、LEDバックライト2、映像回路11、液晶パネル12、電源回路13、および映像信号入力端子14を備えている。
【0044】
LEDバックライト2は、液晶パネル12の背面側から、液晶パネル12にバックライト光を照射する。LEDバックライト2の具体的な構成については、後述する。LEDバックライト2は、非常に高速な応答速度を提供でき、これによって表示すべき画像の変化にあわせてほぼ即座(数マイクロ〜数百マイクロ秒以下)にバックライト輝度を適切に変化させることが可能となる。
【0045】
映像回路11は、外部から入力された映像信号を処理する回路である。本実施形態では、映像回路11は、映像信号処理部15とエリアアクティブ輝度制御部16とから構成される。映像信号処理部15は、外部から入力された映像信号を液晶パネル12に表示するための信号変換処理を行う。一方、エリアアクティブ輝度制御部16は、LEDバックライト2の発光面および液晶パネル12の表示領域を、それぞれ複数の制御エリアに分割して、エリアアクティブ輝度制御を行う。エリアアクティブ輝度制御部16については後述する。
【0046】
液晶パネル12は、映像回路11により処理された映像を表示するための透過型の液晶表示素子である。液晶パネル12は、2枚のガラス板の間に液晶層が挟持され、ガラス板上にはマトリクス状に形成された多数の画素有する構造を有している。本実施形態では、横1920×縦1080=約207万の画素が存在する。
【0047】
電源回路13は、外部の交流電源に接続されており、交流電源の電圧を所定の直流電圧に変換して、LEDバックライト2、映像回路11、および液晶パネル12の各々に電源を供給する。映像信号入力端子14は、アンテナを介して外部から映像信号が入力され、その映像信号を映像回路11に出力する。
【0048】
このような映像表示装置1では、外部から映像信号入力端子14に入力された映像信号が、映像回路11内の映像信号処理部15によって液晶パネル12に表示するのに適した信号形式に変換される。そして、変換された映像信号が、液晶パネル12に送られる。これにより、液晶パネル12では、映像信号に応じて、各画素に存在するトランジスタスイッチが駆動する。その結果、液晶分子の配列方向が変化し、各画素の光線透過率が変化する。そして、この状態で液晶表示素子の背面側に配置されたLEDバックライト2から、液晶パネル12にバックライト光が照射されることにより、入力された映像信号に応じた映像の表示が可能になる。本実施形態の映像表示装置1においては、『横1920×縦1080×RGB×8』ビットの情報からなる1フレームの静止画像を、毎秒60フレームの速度で更新して、液晶パネル12に動画表示を行っている。
【0049】
ここで、映像表示装置1の特徴部分であるLEDバックライト2について、図1および図3に基づいて詳細に説明する。図1は、LEDバックライト2の平面図である。
【0050】
LEDバックライト2は、発光素子として複数のLED光源を備えた面光源装置である。具体的には、LEDバックライト2は、金属製のシャーシ23上に、複数のLED25が非直線状に配置されたLED基板21を複数備えた構成となっている。本実施形態では、1台のLEDバックライト2が、互いに同一である各4枚のLED基板21aおよび21b、合計8枚のLED基板21aおよび21bから構成される。なお、複数のLED25を備えたLED基板21aおよび21b各々が、LED光源に対応する。図1では、説明の便宜上、LED基板21を、配置方向(配置形状)が異なるLED基板21aおよびLED基板21bとして区別している。以下、LED基板21aおよび21bを区別しないときには、単にLED基板21として説明する場合がある。
【0051】
本実施形態では、LED基板21は、櫛歯型の外形形状(櫛歯形状)を有している。本実施形態では、LED基板21は、互いに平行な5本の櫛歯が縦方向に並んでおり、LED基板21の各櫛歯の突出部24aには横方向(櫛歯の長さ方向)に同軸上に、4つのLED25が等間隔で実装されている。つまり、各LED基板21には、20個(横4個×縦5個)のLED25が等間隔に実装されている。従って、LEDバックライト2は、合計160個(8×20)のLED25を備えることになる。
【0052】
LED25の配置形状は、特に限定されるものではないが、本実施形態のように、LED25は、60mm間隔で六方格子状に配置されていることが好ましい。すなわち、あるLED25を中心として形成される仮想的な正六角形の頂点に、LED25が配置されるようになっている。なお、各LED基板21に着目してもLEDバックライト2全体に着目しても、LED25は六方格子状に配置されている。これにより、LEDバックライト2は、液晶パネル12に対し、均一なバックライト光を照射することができる。
【0053】
なお、LED25を六方格子状に配置した場合、あるLED25に対し、最も距離が近いLED25の個数は6個である。一方、正方格子状の配置では、あるLEDに対する最近接のLEDの個数は上下左右の4個のみである。この場合、LEDを全て同一の光度で点灯させても、隣り合うLED同士の距離が近い上下左右方向は明るく、比較的離れている45度方向は暗くなり、LEDバックライト全体として縦横の格子状の輝度ムラが知覚されやすい。これに対し、六方格子状では最近接LEDの個数が多く、隣り合うLED同士の間隔の差が小さいため、正方格子状配置の場合と比較して輝度ムラが目立ちにくいという効果を奏する。
【0054】
各LED基板21aおよび21bに実装されたLED25は、各LED基板21aおよび21bに形成された配線パターン(図示せず)により、互いに直列に接続されている。
【0055】
各LED基板21の両端部には、外部接続用のコネクタ26が搭載されている。各LED基板21は、各コネクタ26の近傍に配置されたネジ29により、シャーシ23に固定されている。LEDバックライト2は、図示しないドライバ基板(駆動回路基板)上に搭載されLEDドライバを備えており、直列接続されたLED25に電流を供給し、定電流またはPWM(パルス幅変調)により、LED25を駆動する。互いに縦方向に隣り合うLED基板21aとLED基板21bとは、互いに近接するコネクタ26・26に接続されたハーネス22aにより、互いに電気的に接続される。つまり、ハーネス22aは、隣接するLED基板21aおよびLED基板21bの接続用の接続部材である。また、各LED基板21aにおけるハーネス22aが接続されないコネクタ26とドライバ基板とが、ハーネス22bにより互いに電気的に接続されている。つまり、ハーネス22bは、外部接続用の接続部材である。これにより、縦方向に並んだLED基板21aおよび21bからなる4つのユニットが、それぞれ独立して駆動される。
【0056】
ここで、LEDバックライト2の特徴は、LED基板21の形状にある。すなわち、1つのLED基板21に着目すると、その外形は、非矩形状であり、かつ、LED基板21を移動させたときに、移動前後のLED基板21が隙間のない平面を形成できる形状となっている。例えば、本実施形態では、LED基板21は、櫛歯型の外形形状(櫛歯形状)を有している。具体的には、各LED基板21は、互いに平行な5本の突出部(櫛歯部)24aを有しており、各突出部24aは互いに櫛根部を共有している。また、各突出部24aは、横方向に伸びており、縦方向に互いに離間して設けられている。このように、LED基板21は、櫛歯状であり、非矩形状となっている。
【0057】
さらに、LED基板21aとLED基板21bとは互いに同一であり、LED基板21aを180°回転させると、LED基板21bとなる。また、ここでは、突出部24aの幅(X)と、突出部24aの離間距離に相当する陥没部24bの幅(Y)とは互いにほぼ等しくなっている。このため、LED基板21aを、隣りのLED基板21bの方へ平行移動させると、LED基板21aの櫛歯の突出部24aが、LED基板21bの櫛歯の陥没部24bに、隙間なく対応する。これにより、移動前後のLED基板21aおよびLED基板21bによって、隙間のない平面(ここでは矩形)が形成される。なお、後述のように、これらの幅(XおよびY)は、各LED基板21aおよび21bの分割用ミシン目の分だけわずかに幅が異なっている。このため、厳密にいえば、隙間のない平面には、LED基板21aおよびLED基板21bとの間にわずかな隙間が形成されるが、実質的に隙間が形成されていない(密接している)とみなすことができる。つまり、「隙間」には、LED基板21の製造時の分割用ミシン目により形成される隙間は含まれない。
【0058】
このように、LEDバックライト2では、外形が非矩形状のLED基板21上に、LED25が非直線的に配置されている。従って、LEDバックライト2は、矩形状のLED基板が用いられるマトリクス型LEDバックライトとも、LED基板上に直線的にLEDが配置される、アレイ型LEDバックライトとも異なる。
【0059】
すなわち、LEDバックライト2ではLED基板21が非矩形状であるため、マトリクス型LEDバックライトのように、LED基板21の面積が大きくならない。しかも、各LED基板21には、アレイ型LEDバックライトのように、LED25は直線的に配置されない。このため、LED基板21a−LED基板21b間、または、LED基板21と外部のドライバ基板との電気的な接続箇所を削減することができる。つまり、ハーネス22aおよびハーネス22bの数を、大幅に削減することができる。具体的には、本実施形態では、ハーネス22aおよびハーネス22bが各々4本である。これに対し、前述の図16(アレイ型LEDバックライト)では、ハーネス22aに対応するハーネス222a、および、ハーネス22bに対応するハーネス222bが、いずれも各10本である。
【0060】
さらに、本実施形態では、ハーネス22aおよびハーネス22bが接続されるコネクタ26の設置数も大幅に削減することができる。具体的には、本実施形態では、LEDバックライト2は8枚のLED基板21から構成されており、各LED基板21上設けられたコネクタ26の合計は16個である。これに対し、図16ではLEDバックライト200が20枚LED基板221から構成されており、各LED基板21上設けられたコネクタ226の合計は40個である。
【0061】
このようにハーネス22a・22bおよびコネクタ26の個数を減らすことにより、接続不良による不具合の発生を低減することができ、接続作業を簡略化することができる。
【0062】
しかも、各LED基板21を移動させると、移動前後のLED基板21によって、互いに隙間のない平面が形成される。このため、後述のように1つの矩形状の基板シートから、複数のLED基板21を効率よく製造することができる。図1の場合、LED基板21aとLED基板21bとを組み合わせれば、矩形状となるため、基板シートのロスが、特に少ない。従って、安価にLED光源を製造することができる。
【0063】
なお、図1のLEDバックライト2は、LED25が発する熱を外部に放出するための放熱構造を有している。図3は、この放熱構造を説明する図であり、図1のLEDバックライト2の破線部Zの縦断面を示している。図3のように、LEDバックライト2は、シャーシ23とLED基板21との間に、放熱シート27が挟持されている。また、LED基板21をシャーシ23に固定するネジ29は、LED基板21、放熱シート27およびシャーシ23を貫通している。
【0064】
放熱シート27は、LED25が発する熱を放散するものであり、例えば、シリコーンゴムシートやシリコーンゲルシート(一例として富士高分子工業株式会社のサーコン(登録商標))などが適している。LEDバックライト2の動作時にLED25が発する熱は、LED基板21の表面に形成されたランド21cから、貫通スルーホール28を経由して、裏面のランド21d、放熱シート27、シャーシ23の順に伝わり、シャーシ23から空気中に放散される。
【0065】
本実施形態では、LED基板21aは、ガラスエポキシ基板としている。ガラスエポキシ基板(FR−4)は、金属などに比べ熱伝導率が低く熱を伝えにくい材料である。しかし、同じ熱伝導率でも熱が伝わる断面の形状によって熱抵抗の値は変化する。特に、平板形状の場合、水平方向よりも垂直方向の熱抵抗値が大幅に低くなる。このため、LED25が発する熱は、LED基板21aの厚さ方向に伝わり、効率よくシャーシ23に逃すことができる。
【0066】
LED基板21aの厚さは、特に限定されるものではないが、本実施形態では、標準的なガラスエポキシ基板(FR−4(1.6mm))の半分以下(0.8mm以下)であることが好ましい。本実施形態では、LED基板21を、厚さ0.6mmのガラスエポキシ基板を用いているが、この厚さでも充分な放熱効果が得られている。このように、LED基板21として、安価なガラスエポキシ基板を用いながら、十分な放熱効果を得ることができる。しかも、本実施形態では、LED基板21とシャーシ23との間に放熱シート27を設けているため、放熱効果をさらに高めることができる。
【0067】
なお、LED基板21をガラスエポキシ基板から構成した場合の厚さの上限は、0.8mmとすることが好ましいが、下限は薄ければ薄いほど好ましい。厚さの上限を0.8mmとした理由は、以下の通りである。すなわち、本実施形態のLEDバックライト2では、LED25が発する熱を、LED25が実装されたLED基板21aおよび放熱シート27を経由してシャーシ23に逃がしている。このような放熱系において、LED25(LEDチップ)の温度は、下記(1)式のように表すことができる。
【0068】
jc−Tair=(Rjc‐B+R+RB‐air)・PLED ・・・・・・(1)
ただし、
jc:LED25(LEDチップ)温度[℃]
air:周囲空気温度[℃]
jc‐B:LED25(LEDチップ)−LED基板21間の熱抵抗[K/W]
:LED基板21の熱抵抗[K/W]、
B‐air:LED基板21−(シャーシ23経由)−周囲空気の熱抵抗[K/W]
LED:LED25への投入電力(=単位時間当たりの発生熱量)[W]
である。
【0069】
本実施形態では、Rjc‐Bが10K/W、RB‐airが50K/W程度であることが実験により確認されている。また、LEDバックライト2は、映像表示装置1の内部で密閉されているため、Tairは60℃程度まで上昇する可能性がある。従って、LED25への投入電力PLED=1.0[W]の場合において、Tjcが絶対最大定格である130℃を上回らないようにするためには、下記(2)式
≦(130−60)/1.0−(10+50)=10[K/W] ・・・(2)
を満たす必要がある。
【0070】
一方、本実施形態と類似する構成において、厚さL=1.6[mm]のときのガラスエポキシ基板(FR−4)の熱抵抗値を実測したところ、R=13.1[K/W]となった。この場合、上記の(2)式を満足しないため、Tjcが絶対最大定格を上回ってしまう恐れがある。
【0071】
ここで、LED基板21内の伝熱経路は、ランド21c・21dおよびスルーホール28を経由して伝わる経路と、LED基板21自体を伝わる経路とが考えられる。このいずれの経路による熱抵抗も、LED基板21の厚さLにほぼ比例すると考えらる。従って、これらの合成抵抗であるLED基板21の熱抵抗Rが、LED基板21の厚さLに比例すると考えると、上記(2)式を満足し、LED25のチップ温度を定格内に収めるためには、LED基板21の厚さLは、1.2mm以下であればよい。実際には、さらに他の部品からの熱の周り込みなどを考慮してマージンを確保することが好ましいため、LED基板21の厚さLの上限値は、0.8mmであることが好ましい。
【0072】
なお、LED基板21としては、アルミなどの金属ベース基板を適用することができる。金属ベース基板は、通常、高出力のLED25の実装に適した高放熱基板として、利用される。ただし、ガラスエポキシ基板に比べると高価である。
【0073】
ただし、ガラスエポキシ基板は、厚さ1.6mmのものが標準的で価格が最も安価となっており、厚さを薄くするほど単位面積あたりの価格(平米単価)が上昇する傾向にある。これに対し、アルミなどの金属ベース基板は、ガラスエポキシ基板よりも放熱性が格段に優れているものの、平米単価は5〜10倍にもなる。
【0074】
上述のように、従来のマトリクス型LEDバックライトにおいては、画面サイズとほぼ同じ面積のLED基板(配線基板)が必要であり、アレイ型LEDバックライトと比較して、元々基板価格が高価となる傾向にある。このため、アレイ型LEDバックライトでは高価な金属ベース基板を採用することが可能である。しかし、マトリクス型LEDバックライトでは、基板価格を少しでも低減するために、熱伝導率の低いガラスエポキシ基板に変更するだけでなく、さらにその中でも平米単価が最も安価な、厚さ1.6mmのLED基板(配線基板)を使用せざるを得ない。この場合、LED基板の放熱性が悪くなるため、LEDの光出力を上げることができず、十分な輝度を得ることができなくなってしまう。
【0075】
これに対し、本実施形態のLEDバックライト2では後述のように必要なLED基板の面積を、マトリクス型LEDバックライトの0.19〜0.5倍に抑え、基板価格を低減することができる。このため、基板面積を低減した分、平米単価が高い薄型のガラスエポキシ基板を採用することが可能となる。つまり、本実施形態では、厚さ0.8mm以下のガラスエポキシ基板を、LED基板21として適用し、放熱性を確保することができる。
【0076】
なお、放熱性を確保する上では、可能な限り薄いLED基板21を用いたほうが有利である。しかし、LED基板21を極端に薄くすると、LED基板21の平米単価がさらに上昇してしまい、本実施形態のLEDバックライト2の構成にすることによるコストダウン効果を上回る恐れがある。このため、コストダウン効果を確実に上回らないようにするため、本実施形態では、LED基板21の厚さを0.6mmとしている。
【0077】
ここで、上述のように、本実施形態の映像表示装置1は、エリアアクティブ輝度制御部16を備えており、LEDバックライト2の発光面および液晶パネル12の表示領域に対して、エリアアクティブ輝度制御が可能となっている。エリアアクティブ輝度制御部16は、LEDバックライト2の発光面および液晶パネル12の表示領域を、それぞれ縦横幾つかの制御エリアに分割して制御する。これにより、コントラストの向上および消費電力の低減を図ることができる。ここで、エリアアクティブ輝度制御の手順について、図4〜図6を用いて以下で説明する。図4は、エリアアクティブ輝度制御における制御エリアの一例を示す図である。図5は、エリアアクティブ輝度制御の有無によるバックライト輝度の変化を比較するグラフであり、図5の(a)はエリアアクティブ輝度制御を行わない場合、図5の(b)はエリアアクティブ輝度制御を行う場合を示している。
【0078】
図4のように、LEDバックライト2および液晶パネル12を、縦2画素×横8画素の16画素からなる制御エリアに分割して輝度制御するとする。この場合、映像信号が入力されたとき、一つの制御エリア内において最大輝度を示す画素を検出する。そして、その画素が最大輝度を示す範囲で、制御エリア内の一部の画素の輝度レベルを増加させる一方、画素の輝度レベルを増加させた分、その制御エリアに相当するLEDバックライトの輝度レベルを下げる。これにより、出力される画像の輝度は、原画像信号と同じになる。このような制御を、映像信号のフレームごとにリアルタイムで行い、LEDバックライトの輝度を、映像信号に合わせて適宜変化させる。
【0079】
より詳細には、図5の(a)のようにエリアアクティブ輝度制御を行わない場合、LEDバックライトは、常時100%の最大輝度(LBLmax)で点灯している。つまり、LEDバックライトは、一律に全点灯して画面表示されている。
【0080】
これに対し、図5の(b)のようにエリアアクティブ輝度制御を行う場合、上段の各画素の開口率のグラフにおいて、100%(最大輝度)を超えない範囲で、制御エリア内の一部の開口率を増加させて、液晶パネルにおいて輝度レベルを増加させる。ここでは、グラフ中の斜線で示した部分が、画素の輝度レベルの増加分である。次に、中段のLEDバックライトの輝度分布のグラフのように、この画素の輝度レベルを増加させた領域では、その分、LEDバックライトの輝度レベルを下げる。これにより、同グラフのように、LEDバックライトの輝度は、最大輝度(LBLmax)から最小輝度(LBL)までの分布となる。このような各画素の開口率およびLEDバックライトの輝度分布の各グラフを掛け合わせると、下段の実際の液晶パネルの輝度分布のグラフが得られる。このグラフのように、液晶パネルの輝度分布(つまり出力画像の輝度)は、エリアアクティブ輝度制御をしない場合と同一である。つまり、エリアアクティブ輝度制御を行えば、出力画像の輝度を変化させことなく、LEDバックライトの輝度を落とすことができる。このため、エリアアクティブ制御を行えば、映像表示装置1の消費電力を大幅に低減することができる。
【0081】
しかも、エリアアクティブ輝度制御を行わない場合、LEDバックライトが常時全点灯しているため、画面内に明るい領域と暗い領域とが混在する映像を表示するときに、漏れ光によるコントラストの低下が発生していた。これに対し、エリアアクティブ輝度制御を行う場合、明るい画面領域はバックライトの輝度レベルをより高く、暗い画面領域ではバックライトの輝度レベルをより低くするように制御できるため、映像のコントラストを向上させることができる。
【0082】
なお、このようなエリアアクティブ輝度制御は、従来のCCFLを用いたバックライトでも行うことが可能であった。しかし、光源であるCCFLが細長い形状であるため、制御エリアを細かく分割することができず、その効果が限定されていた。これに対し、LEDは点光源であるため、制御エリアを比較的細かく分割することができる。しかも、LEDは、CCFLと比較して細かな輝度制御が容易であるという利点も有する。従って、映像表示装置1にLEDバックライト2を採用することにより、エリアアクティブ輝度制御による消費電力の低減およびコントラストの向上という効果をより高めることが可能となる。また、実際のエリアアクティブ輝度制御では、隣り合う制御エリアの境界付近において、上記説明の内容よりもさらに複雑な輝度制御が必要となる。エリアアクティブ輝度制御の詳細な制御手順については、例えば特許文献3に開示されている。
【0083】
エリアアクティブ輝度制御においては、LEDバックライト2および液晶パネル12の制御エリア数が多い程、消費電力低減およびコントラストの向上効果を高めることができる。しかしその一方で、制御エリアの数を多くしすぎると制御時の演算が複雑になり、駆動回路の規模が大きくなるというトレードオフが存在する。従って、コスト削減のためには、制御エリア数は増やさずに(即ち制御エリアの面積を小さくしすぎずに)、可能な限りエリアアクティブ輝度制御の効果を高めることが求められる。
【0084】
1つの制御エリア内に存在する画素の輝度が大きく変動し、最小値と最大値との差が広がると、その分バックライトの輝度を変化させる余地が少なくなる。従って、効果的なエリアアクティブ輝度制御を行うためには、制御エリア内の各画素の輝度のばらつきはできるだけ小さい方が望ましい。
【0085】
このようなエリアアクティブ輝度制御を行う場合、制御エリアの形状は特に限定されるものではないが、制御エリアは、正方形に近いことが好ましい。これにより、エリアアクティブ輝度制御による効果を、より高めることができる。
【0086】
ここで、制御エリアの面積が同一で、形状が正方形の場合と細長い長方形の場合とを比較して考える。図6および図7は、同一面積の画素の制御エリアを示す図である。図6は、横4画素×縦4画素=16画素の正方形の制御エリアを示しており、図7は、横16画素×縦1画素=16画素の長方形の制御エリアを示している。これらの制御エリアを比較すると、画素ピッチをPとして制御エリア内の任意の2画素間の距離の平均値を計算した場合、図6では2.14P、図7では5.67Pとなる。通常の映像信号においては、2画素間の距離が近い程、それらの画素の輝度の相関が大きいと考えられる。このため、図7の長方形の場合よりも、図6の正方形の場合の方が、制御エリア内の輝度の相関が高く、輝度のばらつきが少なくなる。従って、同一面積の制御エリアを考えた場合、制御エリアの形状は、縦横どちらかに細長い長方形(アレイ形状)よりも、正方形に近い形状の方が好ましいことになる。
【0087】
図16のようなアレイ型LEDバックライト200の場合、LED基板221は、図7のような細長い長方形となる。すなわち、各LED基板221には、LED基板221の形状に応じて、LED225が直線状に配置され、同一ドライバ基板に接続される。つまり、LED225の列は、一列(同軸上)に配置されることになるため、エリアアクティブ輝度制御時の制御エリアが、細長い長方形となる。従って、制御エリアが正方形に近い形状の場合と比較して、エリアアクティブ輝度制御の効果が低減してしまうことになる。
【0088】
これに対し、本実施形態では、LED基板21には、LED25が非直線状に配置されている。このため、各LED基板21の制御エリアは、正方形に近づけることが容易である。具体的には、本実施形態では、制御エリアは、図4のような長方形としており、アレイ型LEDバックライトと比較すると、図6の正方形に近い形状となっている。従って、エリアアクティブ輝度制御の効果を高めることができる。
【0089】
なお、従来のマトリクス型LEDバックライトにおいてエリアアクティブ輝度制御を行う場合、本実施形態のLEDバックライト2と同様に、制御エリアの形状を、正方形に近い形状とすることは可能である。しかし、マトリクス型LEDバックライトの場合、画面サイズと同面積のLED基板が必要となってしまう。
【0090】
そこで、マトリクス型LEDバックライトのLEDおよびLED基板を削減して、アレイ型LEDバックライトに近づけるとする。例えば、横m個×縦n個(mおよびnはいずれも2以上の整数)のLEDが配置されたマトリクス型LEDバックライトのLEDを減少させて、横1個×縦n個(または横m個×縦1個)のLEDが配置されたアレイ型バックライト装置に近づけるとする。このように、マトリクス型をアレイ型に近づけていくと、LED基板の面積を低減することが可能となる。しかし、アレイ型の場合、マトリクス型よりもLED基板の必要枚数が、かなり増える。このため、LED基板同士の接続箇所が、マトリクス型の場合よりも、増加することになる。
【0091】
このように、マトリクス型では、LED基板同士の接続箇所は少ないものの、LED基板の面積が広くなってしまう。一方、アレイ型では、LED基板の面積がマトリクス型よりも狭いものの、LED基板同士の接続箇所が多くなってしまう。つまり、マトリクス型およびアレイ型のいずれのLEDバックライトにも、技術的課題が存在する。
【0092】
これに対し、本実施形態のLEDバックライト2では、上述のように、非矩形状のLED基板21a・21bに、非直線的にLED25が配置されている。これにより、LED基板の面積を低減しつつ、LED基板21a・21同士の接続箇所も削減することができる。つまり、マトリクス型およびアレイ型の技術的課題を一挙に解決することが可能となる。さらに、エリアアクティブ輝度制御時の制御エリアの形状を、正方形に近い形状に保つことによって、エリアアクティブ輝度制御の効果を高めることも可能である。従って、LEDバックライト2は、単にマトリクス型とアレイ型の中間的な構成ではなく、従来にはない新たな技術思想に基づく構造である。
【0093】
なお、本実施形態では、エリアアクティブ輝度制御部16を設けているが、エリアアクティブ輝度制御部16を設けない構成とすることもできる。ただし、コントラスト向上および消費電力低減の効果が得られるため、エリアアクティブ輝度制御部16を設けることが好ましい。
【0094】
次に、LEDバックライト2の製造方法について説明する。図8は、LEDバックライト2の製造工程を示すフローチャートである。図9は、LED基板21を形成するための基板シートを示す平面図である。以下のように、1枚の基板シートを分割して、複数のLED基板21が形成される。
【0095】
まず、ステップ1(S1)では、基板シート30上に、回路パターンおよびレジストを形成する。具体的には、まず、図9のように、矩形状の基板シート30上に、LED基板21aおよびLED基板21bを割り当てる。つまり、1枚の基板シート30の上に、同一形状のLED基板21aおよび21bを多数個取り(多面取り)する。図9では、1枚の基板シート30から4枚のLED基板21が割り当てられる。LED基板21の割当ては、複数のLED基板21によって隙間のない平面が形成されるように行う。ここでは、LED基板21aおよびLED基板21bは互いに同一の櫛歯型形状であり、LED基板21aを180度回転させたものが、LED基板21bである。このため、図9のように、LED基板21aとLED基板21bとを組み合わせると、隙間のない平面が形成される。
【0096】
このようにLED基板21を割り当てた基板シート30に対し、回路パターン形成(LED25が実装されるランドやLED25同士を接続する配線などの形成)およびレジスト形成を行う。パターン形成は、通常のプリント配線板の製造と同一の手順で、エッチング法などにより行うことができる。なお、LEDが実装されるランドは、直近に設けられた貫通スルーホール28(図3参照)を介して、LED基板21の裏面に形成されたランド21dのパターンに電気的に接続されている。
【0097】
なお、基板シート30は、ガラスエポキシ基板(FR−4)上に銅箔が貼り付けられた銅張積層板である。図9の基板シーと30の大きさは、縦330mm、横500mm、板厚は0.6mmである。
【0098】
次に、ステップ2(S2)では、パターン形成後、LED基板21a−LED基板21間の隙間を切削し、基板シート30を個片のLED基板21aおよび21bに分割するためのミシン目31を形成する。そして、ミシン目31を形成した基板シート30に対し、リフローソルダリングにより、割り当てたLED基板21上に、LED25およびコネクタ26を実装する(実装工程)。例えば、クリーム半田を塗布したランドに合わせてLED25およびコネクタ26等の部品をマウントし、リフロー炉内で加熱してクリーム半田を融解させる。これにより、各部品の電極とLED基板21のランドとが互いに電気的に接続される。このように、ミシン目31を切断せず、LED25等の部品を実装するため、一括して各部品を実装することができる。
【0099】
次に、ステップ3(S3)では、実装工程後の基板シート30を、ミシン目31に沿って切断する。この切断は、トムソン刃型などの治具を用いてミシン目31の繋がっている箇所を切断する。これにより、基板シート30から、個片のLED基板21が分割される(分割工程)。
【0100】
次に、ステップ4(S4)において、図3のように、各LED基板21の裏面に、放熱シート27を貼付けた後、ステップ5(S5)において、LED基板21をネジ29によりシャーシ23に固定する。そして、最後に、各LED基板21のコネクタ26の接続を行う。これにより、LEDバックライト2の製造が完了する。
【0101】
このように、この方法では、基板シート30上に複数のLED基板21が割り当てられ、各LED基板21にLED25が実装された後に、個片のLED基板21a・21bに分割される。これにより、個々のLED基板21ごとにLED25の実装を行う必要がなく、LED25を一括して実装することができる。このため、実装加工費用を低減することができる。従って、接続信頼性の高いLED光源およびLEDバックライト2を、簡便かつ安価に製造することができる。さらに、基板シート30を個片のLED基板21に分割する前に、基板シート30に分割用のミシン目31が形成される。これにより、櫛歯型のような複雑な形状のLED基板21であっても、確実に形成することができる。
【0102】
また、この方法では、LED基板21aとLED基板21bとを組み合わせると、隙間のない平面が形成される。そのため、大判の基板シートからLED基板を多面取りして製造する場合に、1枚の基板シートから取り出せるLED基板の数を多くすることができる。上述の例では、1枚の基板シート30に対し、LED基板21を4枚配置できる。従って、LED基板の価格を低減することができる。
【0103】
前述のように、本実施形態では、1台のLEDバックライトに必要なLED基板の枚数は8枚であるので、2枚分の基板シート30で1台分のLEDバックライト2を賄うことができる。これに対し、従来のマトリクス型LEDバックライトの場合、LED基板が単なる長方形となる。つまり、画面サイズとほぼ同じ面積のLED基板が必要となるため、1枚の基板シートに配置できるLED基板の個数は2個、1台のLEDバックライト(LED基板8枚)あたりに必要な基板シートの枚数は4枚となる。また、基板価格を低減するために、アレイ型LEDバックライトとした場合、LED基板は長方形(アレイ形状)となるため、1枚の基板シートに配置できるLED基板の個数は30個、1台のLEDバックライト(LED基板20枚)あたり必要な基板シート枚数は0.67枚分と試算される。
【0104】
ここで、LED基板の価格が面積に比例するものとすると、本実施形態の櫛歯形状のLED基板の部材価格は、アレイ形状のLED基板の場合(アレイ型LEDバックライト装置の場合)の約3倍、長方形のLED基板を用いた場合(マトリクス型LEDバックライト装置)の約0.5倍になる。櫛歯形状のLED基板を採用することで、アレイ形状のLED基板にはおよばないものの、長方形状のLED基板を用いた場合よりも安価になる。ただし、本実施形態では、アレイ型LEDバックライトよりも、接続箇所(ハーネス22a・22bの数およびコネクタ26の数)を、大幅に削減することができる。従って、アレイ型LEDバックライトの場合よりも、簡便かつ安価に製造することができる。
【0105】
〔実施の形態2〕
次に、図10および図11に基づいて、別の実施形態について説明する。なお、第1の実施形態と同一の概念については同一の記号を付し、説明を省略する。図10は、実施の形態2のLEDバックライト4の全体構成を示す平面図である。
【0106】
図10のように、本実施形態では、LED基板41の形状が、実施の形態1とは異なる。すなわち、本実施形態では、実施の形態1の櫛歯型LED基板21の代わりに、楔型(ジグザグ型形状)のLED基板41を適用している。それ以外は、基本的には実施の形態1のLEDバックライト2と同様である。すなわち、LEDバックライト4は、LED基板41、ハーネス42aおよび42b、シャーシ44、および図示しない放熱シートおよびドライバ基板などによって構成される。
【0107】
LEDバックライト4は、互いに同一の10枚の楔型のLED基板41から構成されており、各LED基板41は、縦方向に5枚×横方向に2枚配置されている。各LED基板41上には複数のLED45が等間隔で実装され、LED基板41上の配線パターンにより直列に接続されている。LED基板41の両端には、2個のコネクタ46が搭載されている。横方向に隣り合うLED基板41同士はハーネス42aにより電気的に接続され、横方向に並んだ一方のLED基板41とドライバ基板とは、ハーネス42bにより電気的に接続される。ハーネス42aおよび42bは、各々コネクタ46に接続される。ドライバ基板上にはLEDドライバが搭載されており、直列接続されたLED基板41上のLED45に電流を流し、定電流もしくはPWM(パルス幅変調)により駆動することができる。
【0108】
本実施形態では、LED基板41は、図10に示すようにジグザグ型の外形形状を有している。すなわち、LED基板41が、鋸歯形状、または、所定角度を有して、交互に折れ曲がって伸長した形状ともいえる。しかも、各LED基板41は、互いに噛み合うように、対向配置されている。また、LED基板41の各山部および谷部には、LED45が実装されており、各LED基板41には、16個のLED45が実装される。LED45は、実施の形態1と同様、60mm間隔で六方格子状に配置され、全体で160個のLED45が存在する。
【0109】
このように、各LED基板41は、ジグザグ形状であって、非矩形状である。しかも、複数のLED基板41を平行移動して、外形同士を組み合わせると、隙間のない平面が形成され、2次元平面状に隙間なく敷き詰めることができる。
【0110】
これにより、隣り合うLED基板41同士の接続するハーネス42a、および、LED基板41と外部のドライバ基板とを接続するハーネス42b合計は10個となる。これは、図16のアレイ型LEDバックライト200の場合の20個より大幅に削減されている。また、コネクタ46の数も削減されている。このように、本実施形態でも、実施の形態1と同様に、ハーネス42a・42bおよびコネクタ46の個数を減らすことで、配線接続作業を簡略化でき、接続不良による不具合の発生を低減することができる。
【0111】
また、大判の基板シートからLED基板を多面取りして製造する場合に、1枚の基板シートから取り出せるLED基板の数を多くすることができ、LED基板の価格を低減することができる。
【0112】
さらに、本実施形態においても、LED基板41は、アレイ形状の基板よりも比較的正方形に近い形状であるので、エリアアクティブ輝度制御時の制御エリア形状を正方形に近づけることが可能である。従って、より効果的なエリアアクティブ輝度制御を行い、映像表示装置の消費電力を低減し、コントラストを向上させることができる。
【0113】
本実施形態のLEDバックライト4は、実施の形態1と同様に製造することができる。実施の形態1と異なる点は、LED基板41の形状のみであり、その他の方法は同様である。図11は、図10のLEDバックライト4の製造工程における個片分割前の基板シートの形状を示す平面図である。
【0114】
図11のように、LEDバックライト4の製造においては、同一のジグザグ型形状のLED基板41が、1枚の基板シート50の上に多数配置されて製造される。互いに隣接するLED基板41同士の外形はミシン目51で区切られている。その他の製造および組立の手順については、実施の形態1と同様であるので省略する。
【0115】
本実施形態においては、図11のように、実施の形態1(図9)と同じ大きさの基板シート50(500mm×330mm)1枚に対し、LED基板41を13個配置できる。従って、1台のLEDバックライト(LED基板10枚)に必要な基板シートの枚数は0.77枚となる。
【0116】
LED基板41の価格が面積に比例するものとすると、ジグザグ形状のLED基板41の部材価格は、アレイ形状のLED基板の場合(アレイ型LEDバックライト装置)の約1.2倍、櫛歯形状のLED基板21の場合の約0.38倍、長方形のLED基板の場合(マトリクス型LEDバックライト装置)の約0.19倍になる。従って、ジグザグ形状のLED基板41を採用することで、アレイ形状のLED基板にはおよばないものの、長方形状のLED基板や第1の実施形態の櫛歯型形状のLED基板21よりもさらに部材価格を安価にすることができる。ただし、本実施形態でも、アレイ型LEDバックライトよりも、接続箇所(ハーネス42a・42bの数およびコネクタ46の数)を、大幅に削減することができる。従って、アレイ型LEDバックライトの場合よりも、簡便かつ安価に製造することができる。
【0117】
なお、実施の形態1では櫛歯状のLED基板21、実施の形態2ではジグザグ形状のLED基板41としたが、それ以外にも、例えば、図12〜図15のような形状とすることもできる。図12〜図15は、LED基板の他の形状を示す平面図である。各図のように、図12のようなV字形状のLED基板61、図13のようなN字(Z字)形状のLED基板71、図14のような波型形状のLED基板81、図15のような渦巻き型(巴型)形状のLED基板91とすることもできる。なお、図12および図13のLED基板61・71は、図10(実施の形態2)のジグザグ形状のLED基板41の一部を切り出したものであるともいえる。また、図14のLED基板81は、図10のジグザグ形状のLED基板41を曲線で構成したものであるともいえる。また、図15のLED基板91は、図1(実施の形態1)の櫛型のLED基板21を変形したものであるともいえる。これらのLED基板61,71,81,91には、ぞれぞれ、実施の形態1および2と同様に、LED65,75,85,95が、非直線的に配置されている。また、各々のLED基板61,71,81,91を組合わせると、隙間のない平面が形成される。そのため、実施の形態1および2と同様に、1枚の基板シート60,70,80,90から、それぞれ、複数のLED基板61,71,81,91を多面取りして製造することができる。従って、LED基板の価格を低減することができる。
【0118】
なお、本発明を以下のように表現することもできる。
【0119】
本発明のLED光源は、所定の間隔で配置された複数のLEDと、前記複数のLEDに電流を供給する配線基板と、前記配線基板と外部回路とを電気的に接続するための接続部材とを備えたLED光源であって、前記配線基板の外形形状は非直線形状かつ非矩形形状であり、かつ2次元平面状に隙間なく敷き詰めることが可能な形状である構成であってもよい。これによれば、LED光源の構成要素である配線基板の外形形状が非直線形状かつ非矩形形状であり、かつ2次元平面状に隙間なく敷き詰めることが可能な形状であるため、基板面積を低減し、部材価格を削減できるとともに、エリアアクティブ輝度制御時の制御エリア形状を正方形に近い形にすることが容易であるため、エリアアクティブ輝度制御の効果を高めることができる。
【0120】
本発明のLED光源は、前記配線基板の外形形状が櫛歯型である構成であってもよい。これによれば、配線基板の外形形状が櫛歯型であるため、2枚の配線基板を180度回転させて重ね合わせて配置することで製造時の面積を小さくすることができ、部材価格を低減することができる。
【0121】
本発明のLED光源は、前記配線基板の外形形状はジグザグ型(楔型)であってもよい。これによれば、配線基板の外形形状がジグザグ型であるため、間隔を詰めて、複数の配線基板を配置することで製造時の面積を小さくすることができ、部材価格を低減することができる。
【0122】
本発明のLED光源は、前記配線基板は、矩形形状の配線基板シート上に多数個取りされた状態で製造され、前記LEDが実装された後に個片分割される構成であってもよい。これによれば、配線基板が矩形形状の配線基板シート上に多数個取りされた状態で製造され、前記LEDが実装された後に個片分割されるため、個々の配線基板ごとにLEDの実装を行う必要がなくなる。即ち、LEDを一括で実装することで実装加工費用を低減することができる。
【0123】
本発明のLED光源は、前記配線基板の外形形状は、前記配線基板シート上に予め設けられたミシン目を分割することで形成される構成であってもよい。これによれば、配線基板の外形形状を配線基板シート上に予め設けられたミシン目を分割することで形成されため、櫛歯型やジグザグ型など比較的複雑な形状の外形も容易に形成することができる。また、ミシン目を分割する前の繋がった状態でLEDなどの実装を行うことができるため、実装時の作業性を向上させることができる。
【0124】
本発明のLED光源は、前記配線基板はガラスエポキシ基板であり、基板の板厚が0.8mm以下である構成であってもよい。これによれば、配線基板がガラスエポキシ基板であり基板の板厚が0.8mm以下であるため、LEDが発する熱を、配線基板の裏面の放熱部材に容易に伝えることができる。即ち、安価な構成で放熱性の高いLED光源を構成することができる。
【0125】
本発明の面光源装置は、前記のいずれかのLED光源を複数搭載した構成であってもよい。これによれば、上記のいずれかのLED光源を複数搭載して面光源装置を構成するため、大面積の面光源装置を安価に実現することができる。
【0126】
本発明の映像表示装置は、前記面光源装置を液晶表示素子のバックライトとして使用し、液晶表示素子に映像を表示する構成であってもよい。これによれば、上記の面光源装置を液晶表示素子のバックライトとして使用して映像を表示するため、エリアアクティブ輝度制御によるコントラストの向上および低消費電力化と、部材価格低減によるローコスト化とを両立させることが可能となる。
【0127】
本発明の映像表示装置は、前記液晶表示素子の表示領域と前記面光源装置の発光面とをそれぞれ複数のエリアに分割して、エリアアクティブ輝度制御を行う構成であってもよい。これによれば、液晶表示素子の表示領域と面光源装置の発光面とをそれぞれ複数のエリアに分割してエリアアクティブ輝度制御を行うため、映像表示装置のコントラストを向上させ、消費電力を低減することができる。
【0128】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0129】
以上のように、本発明のLED光源は、接続信頼性を向上しつつ、簡便かつ安価に製造することのできるため、液晶テレビやPC(パーソナルコンピュータ)用の液晶モニタなどの用途に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0130】
【図1】本発明のLEDバックライトの全体構成を示す平面図である。
【図2】本発明の映像表示装置の概略構成を示すブロック図である。
【図3】図1のLEDバックライトにおける放熱構造を示す断面図である。
【図4】図2の映像表示装置において、エリアアクティブ輝度制御部の制御単位となる制御エリアを示す図である。
【図5】図2の映像表示装置において、エリアアクティブ輝度制御部による輝度制御の有無による映像信号およびバックライト輝度を比較した概念図である。
【図6】図4の制御エリアとは異なる形状の制御エリアを示す平面図である。
【図7】従来のアレイ型LEDバックライトを用いた映像表示装置における制御エリアを示す平面図である。
【図8】図1のLEDバックライトの製造工程を示すフローチャートである。
【図9】図8の製造工程における個片分割前の基板シートの形状を示す平面図である。
【図10】本発明における別のLEDバックライトの全体構成を示す平面図である。
【図11】図10のLEDバックライトの製造工程における個片分割前の基板シートの形状を示す平面図である。
【図12】本発明におけるLED基板の別の形態を示す平面図である。
【図13】本発明におけるLED基板の別の形態を示す平面図である。
【図14】本発明におけるLED基板の別の形態を示す平面図である。
【図15】本発明におけるLED基板の別の形態を示す平面図である。
【図16】従来のアレイ型LEDバックライトを示す平面図である。
【符号の説明】
【0131】
1 映像表示装置
2,4 LEDバックライト(面光源装置)
11 映像回路
12 液晶パネル(液晶表示素子)
16 エリアアクティブ輝度制御部(輝度制御部)
21a,21b LED基板(配線基板)
22a,22b ハーネス
25 LED
26 コネクタ(接続部)
41 LED基板(配線基板)
42 ハーネス
45 LED(LED光源)
46 コネクタ(接続部)
60,70,80,90 基板シート
61,71,81,91 LED基板
65,75,85,95 LED

【特許請求の範囲】
【請求項1】
配線基板上に3つ以上の発光ダイオードを備え、配線基板から発光ダイオードに電流が供給されるLED光源であって、
上記発光ダイオードは、配線基板上に、非直線的に配置されており、
上記配線基板の外形は、非矩形状であり、かつ、配線基板を回転移動または平行移動させたときに、移動前後の配線基板が隙間のない平面を形成することができる形状であることを特徴とするLED光源。
【請求項2】
上記配線基板の外形が、櫛歯状であることを特徴とする請求項1に記載のLED光源。
【請求項3】
上記配線基板の外形が、ジグザグ形状であることを特徴とする請求項1に記載のLED光源。
【請求項4】
上記隙間のない平面が、矩形であることを特徴とする請求項1または2に記載のLED光源。
【請求項5】
上記配線基板が、ガラスエポキシ基板からなり、
上記配線基板の厚さが、0.8mm以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のLED光源。
【請求項6】
上記発光ダイオードは、六方格子状に配置されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のLED光源。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載のLED光源の製造方法であって、
1枚の基板シートを分割してLED光源を構成する配線基板を複数形成する分割工程を含み、
上記分割工程は、基板シートに、複数の配線基板を隙間のない平面を形成するように割り当て、各配線基板にLEDを実装後、個片の配線基板に分割することを特徴とするLED光源の製造方法。
【請求項8】
分割工程は、さらに、基板シートを個片の配線基板に分割するためのミシン目を形成する工程を含むことを特徴とする請求項7に記載のLED光源の製造方法。
【請求項9】
請求項1〜6のいずれか1項に記載のLED光源を複数備えることを特徴とする面光源装置。
【請求項10】
請求項9に記載の面光源装置を、映像を表示する液晶表示素子に照射するバックライトとして備えることを特徴とする映像表示装置。
【請求項11】
面光源装置および液晶表示素子に対して、エリアアクティブ輝度制御を行う輝度制御部を備えることを特徴とする請求項10に記載の映像表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2009−44099(P2009−44099A)
【公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−210342(P2007−210342)
【出願日】平成19年8月10日(2007.8.10)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】