説明

LED点灯装置及びこれを備えた表示装置

【課題】高速に制御しつつ、LED素子の導通幅を広くできるLED点灯装置を提供する。
【解決手段】LED点灯装置10は、交流電源から供給された交流電圧を整流して第1端子T1及び第2端子T2間から整流電圧Vrを出力する整流素子B1と、前記第1端子に一端が接続された第1のLED素子11−1と、前記第1のLED素子の他端に一端が接続された第2のLED素子11−2と、前記第2のLED素子の他端と前記第2端子との間に接続され、前記第1のLED素子または前記第2のLED素子に流れる電流を制御する電流制御部13と、前記整流電圧が、前記第1のLED素子及び前記第2のLED素子が点灯するために必要な第1判定電圧未満の時に、前記第1のLED素子または前記第2のLED素子の両端を短絡する短絡制御部14と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LED点灯装置及びこれを備えた表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、図6に示すように、交流電源から供給された交流電圧を整流素子(ブリッジダイオード)B1で全波整流して、整流電圧を、直列接続された複数のLED(LED1〜LEDN)で構成されたLED素子110に加えることで、LED素子110を点灯させるLED点灯装置が知られている。
【0003】
このとき、電流制御部130が、LED素子110に流れる電流を一定電流に制御する。電流制御部130においては、抵抗R20とツェナーダイオードZD10とにより生成された基準電圧がN型MOSトランジスタQ10のゲートに供給され、N型MOSトランジスタQ10と抵抗R10が一定電流を流す。
【0004】
N個のLEDを点灯させるには、順方向電圧Vf×N以上の電圧が必要である。整流電圧は、例えば、0Vから140Vの間で周期的に変化するため、LED素子110が点灯する期間(つまり、LED素子110が導通する導通幅)は、整流電圧がVf×N以上になっている期間に限られる。図7に示すように、例えば、この導通幅は、交流電圧が供給されている期間の約50%である。
【0005】
LED素子110の輝度を向上させるためには、電流を増やす方法又は導通幅を広くする方法がある。電流を増やすと発熱量及び消費電力が増加するため、導通幅を広くすることが好ましい。
【0006】
導通幅を広くする技術として、直列接続された複数のLEDの一部を短絡可能なスイッチを設けておき、LEDに流れる電流が減少すると、スイッチをオンして整流電圧が加えられるLEDの数を減らし、電流が増加すると、スイッチをオフして整流電圧が加えられるLEDの数を増やすLED点灯装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第4588494号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述した特許文献1に記載のLED点灯装置では、整流電圧の変化に対して遅れて変化するLEDに流れる電流に基づいてスイッチを制御しているので、整流電圧がLEDの数を増減すべき電圧となったタイミングから遅れてLEDの数を制御することになる。
【0009】
そこで、本発明は、高速に制御しつつ、LED素子の導通幅を広くできるLED点灯装置及びこれを備えた表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様に係る実施例に従ったLED点灯装置は、
交流電源から供給された交流電圧を整流して第1端子及び第2端子間から整流電圧を出力する整流素子と、
前記第1端子に一端が接続された第1のLED素子と、
前記第1のLED素子の他端に一端が接続された第2のLED素子と、
前記第2のLED素子の他端と前記第2端子との間に接続され、前記第1のLED素子または前記第2のLED素子に流れる電流を制御する電流制御部と、
前記整流電圧が、前記第1のLED素子及び前記第2のLED素子が点灯するために必要な第1判定電圧未満の時に、前記第1のLED素子または前記第2のLED素子の両端を短絡する短絡制御部と、を備えることを特徴とする。
【0011】
上記LED点灯装置において、
前記短絡制御部は、
オン又はオフに切り替えられ、オン時に前記第2のLED素子の両端を短絡する短絡スイッチと、
前記第1端子に一端が接続され、前記整流電圧が前記第1判定電圧以上の時に導通する電圧検出素子と、
前記第1端子に一端が接続された第1抵抗と、
前記電圧検出素子の他端に制御端子が接続され、前記第1抵抗の他端に一端が接続され、前記第2端子に他端が接続され、前記電圧検出素子が導通した時にオンする第1のスイッチング素子と、を有し、
前記短絡スイッチは、前記第1抵抗の前記他端の電圧がハイレベルの時にオンに制御され、ローレベルの時にオフに制御されてもよい。
【0012】
上記LED点灯装置において、
前記短絡スイッチは、N型MOSトランジスタであり、
前記N型MOSトランジスタのドレインは前記第1のLED素子の他端と前記第2のLED素子の一端との接続点に接続され、前記N型MOSトランジスタのソースは前記第2のLED素子の他端と前記電流制御部との接続点に接続され、
前記短絡制御部は、前記N型MOSトランジスタのゲートとソースとの間の電圧を制限する電圧制限素子を有してもよい。
【0013】
上記LED点灯装置において、
前記短絡制御部は、前記第2のLED素子の他端と前記電流制御部との接続点から前記短絡制御部に電流が流れないように制限する電流制限素子を有してもよい。
【0014】
上記LED点灯装置において、
前記電流制御部は、
前記第2のLED素子に一端が接続された電流制御トランジスタと、
前記電流制御トランジスタの他端と前記第2端子との間に接続された第2抵抗と、
前記第1端子に一端が接続された第3抵抗と、
前記第3抵抗の他端に一端が接続され、前記第2端子に他端が接続され、生成した基準電圧を前記一端から前記電流制御トランジスタの制御端子に供給する基準電圧生成素子と、を有してもよい。
【0015】
上記LED点灯装置において、
前記整流素子には、前記交流電源からの交流電圧が、オン又はオフに切り替えられ且つオフ時に抵抗成分を有するスイッチ部を介して、供給され、
さらに、
第4抵抗及び第5抵抗を有し、供給された前記整流電圧に基づいて前記第1端子及び第2端子間の抵抗を切り替える抵抗切り替え部を備え、
前記抵抗切り替え部は、前記整流電圧が第2判定電圧未満の時、前記第1端子及び第2端子間に前記第4抵抗を接続し、これにより前記第4抵抗を前記整流素子を介して前記スイッチ部に電気的に接続し、前記整流電圧が前記第2判定電圧以上の時、前記第1端子及び第2端子間に、前記第4抵抗に代えて、前記第4抵抗より高抵抗な前記第5抵抗を接続し、これにより前記第5抵抗を前記整流素子を介して前記スイッチ部に電気的に接続し、
前記第2判定電圧は、前記第1判定電圧以下であってもよい。
【0016】
上記LED点灯装置において、
前記スイッチ部がオフ時に、前記整流電圧は、前記スイッチ部の前記抵抗成分と前記第4抵抗とによって前記第2判定電圧未満に降圧されてもよい。
【0017】
上記LED点灯装置において、
前記第4抵抗は、前記スイッチ部の前記抵抗成分より低抵抗であってもよい。
【0018】
上記LED点灯装置において、
前記抵抗切り替え部は、
前記電圧検出素子の他端に制御端子が接続され、前記第5抵抗と前記第2端子との間に一端及び他端が接続され、前記電圧検出素子が導通した時にオンする第2のスイッチング素子と、
前記第2のスイッチング素子の前記一端に制御端子が接続され、前記第4抵抗と前記第2端子との間に一端及び他端が接続され、前記第2のスイッチング素子がオンした時にオフする第3のスイッチング素子と、を有してもよい。
【0019】
上記LED点灯装置において、
前記第1のLED素子と前記第2のLED素子は、それぞれ、直列接続された複数のLEDで構成されていてもよい。
【0020】
本発明の一態様に係る実施例に従ったLED点灯装置は、
交流電源から供給された交流電圧を整流して第1端子及び第2端子間から整流電圧を出力する整流素子と、
前記第1端子と前記第2端子との間に直列接続された第1から第n(nは3以上の整数)のLED素子と、
前記第nのLED素子の他端と前記第2端子との間に接続され、前記第1から第nのLED素子の少なくとも何れかに流れる電流を制御する電流制御部と、
第1から第(n−1)の短絡制御部と、を備え、
前記第1の短絡制御部は、前記整流電圧が、前記第1から第nのLED素子が点灯するために必要な電圧未満の時に、前記第nのLED素子の両端を短絡し、
前記第k(kは2からn−1の整数)の短絡制御部は、前記整流電圧が、前記第1から第(n−k+1)のLED素子が点灯するために必要な電圧未満の時に、前記第(n−k+1)から第nのLED素子を短絡することを特徴とする。
【0021】
本発明の一態様に係る実施例に従った表示装置は、
交流電源からの交流電圧が供給され、オン又はオフに切り替えられ且つオフ時に抵抗成分を有するスイッチ部と、
前記スイッチ部を介して供給された交流電圧を整流して第1端子及び第2端子間から整流電圧を出力する整流素子と、
前記第1端子に一端が接続された第1のLED素子と、
前記第1のLED素子の他端に一端が接続された第2のLED素子と、
前記第2のLED素子の他端と前記第2端子との間に接続され、前記第1のLED素子または前記第2のLED素子に流れる電流を制御する電流制御部と、
前記整流電圧が、前記第1のLED素子及び前記第2のLED素子が点灯するために必要な第1判定電圧未満の時に、前記第1のLED素子または前記第2のLED素子の両端を短絡する短絡制御部と、
第4抵抗及び第5抵抗を有し、供給された前記整流電圧に基づいて前記第1端子及び第2端子間の抵抗を切り替える抵抗切り替え部と、を備え、
前記抵抗切り替え部は、前記整流電圧が第2判定電圧未満の時、前記第1端子及び第2端子間に前記第4抵抗を接続し、これにより前記第4抵抗を前記整流素子を介して前記スイッチ部に電気的に接続し、前記整流電圧が前記第2判定電圧以上の時、前記第1端子及び第2端子間に、前記第4抵抗に代えて、前記第4抵抗より高抵抗な前記第5抵抗を接続し、これにより前記第5抵抗を前記整流素子を介して前記スイッチ部に電気的に接続し、
前記第2判定電圧は、前記第1判定電圧以下である
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明の一態様に係るLED点灯装置によれば、短絡制御部が、整流電圧が第1判定電圧未満の時に、直列接続された第1のLED素子及び第2のLED素子のうちの一方を短絡するようにしている。これにより、整流電圧が第1判定電圧未満の時にはLED素子の数を減らして点灯させることができ、整流電圧が第1判定電圧以上の時にはLED素子の数を増やして点灯させることができる。従って、整流電圧がLED素子の数を増減すべき第1判定電圧となったタイミングで、高速にLED素子の数を制御することができ、これによりLED素子の導通幅を広くできる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施例1に係るLED点灯装置の回路図である。
【図2】本発明の実施例1に係るLED点灯装置の波形図である。
【図3】本発明の実施例2に係るLED点灯装置の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施例3に係るLED点灯装置を備える表示装置の回路図である。
【図5】本発明の実施例3に係るLED点灯装置の電流及び電圧を示す波形図である。
【図6】従来のLED点灯装置の回路図である。
【図7】従来のLED点灯装置の波形図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明に係る各実施例について図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0025】
図1は、本発明の実施例1に係るLED点灯装置10の回路図である。LED点灯装置10は、整流素子B1と、第1のLED素子11−1と、第2のLED素子11−2と、電流制御部13と、短絡制御部14と、を備える。
【0026】
整流素子B1は、4つのダイオードで構成されたブリッジダイオードであり、交流電源から供給された交流電圧を全波整流して第1端子T1及び第2端子T2間から整流電圧Vrを出力する。
【0027】
第1のLED素子11−1は、第1端子T1にアノード(一端)が接続されている。第2のLED素子11−2は、第1のLED素子11−1のカソード(他端)にアノード(一端)が接続されている。本実施例では、第1のLED素子11−1は、直列接続された15個のLED(LED1〜LED15)で構成され、第2のLED素子11−2は、直列接続された19個のLED(LED16〜LED34)で構成されている。
【0028】
電流制御部13は、第2のLED素子11−2のカソード(他端)と第2端子T2との間に接続され、第1のLED素子11−1または第2のLED素子11−2に流れる電流を制御する。
【0029】
短絡制御部14は、整流電圧Vrが、第1のLED素子11−1及び第2のLED素子11−2が点灯するために必要な第1判定電圧未満の時に、第2のLED素子11−2の両端を短絡する。本実施例では、各LED(LED1〜LED34)の順方向電圧をVfとすると、第1判定電圧は34×Vfである。短絡制御部14は、第2のLED素子11−2に代えて、第1のLED素子11−1の両端を短絡するようにしてもよい。
【0030】
本実施例では、電流制御部13及び短絡制御部14は、次のように構成されている。
【0031】
電流制御部13は、N型MOSトランジスタ(電流制御トランジスタ)Q1と、抵抗(第2抵抗)R1と、抵抗(第3抵抗)R2と、ツェナーダイオード(基準電圧生成素子)ZD1と、を有する。
【0032】
N型MOSトランジスタQ1は、第2のLED素子11−2のカソードにドレイン(一端)が接続されている。抵抗R1は、N型MOSトランジスタQ1のソース(他端)と第2端子T2との間に接続されている。
【0033】
抵抗R2は、第1端子T1に一端が接続されている。ツェナーダイオードZD1は、抵抗R2の他端にカソード(一端)が接続され、第2端子T2にアノード(他端)が接続され、生成した基準電圧をカソードからN型MOSトランジスタQ1のゲートに供給する。従って、N型MOSトランジスタQ1のゲートの電圧がほぼ一定となるように制御されるので、第1のLED素子11−1に流れる電流は、ほぼ一定に制御される。
【0034】
短絡制御部14は、N型MOSトランジスタ(短絡スイッチ)Q2と、ツェナーダイオード(電圧検出素子)ZD2と、抵抗(第1抵抗)R3と、抵抗R4と、NPN型トランジスタ(第1のスイッチング素子)Q3と、ツェナーダイオード(電圧制限素子)ZD3と、ダイオード(電流制限素子)D1と、を有する。
【0035】
N型MOSトランジスタQ2のドレインは、第1のLED素子11−1のカソードと第2のLED素子11−2のアノードとの接続点に接続されている。N型MOSトランジスタQ2のソースは、第2のLED素子11−2のカソードと、電流制御部13のN型MOSトランジスタQ1のドレインとの接続点に、ダイオードD1を介して接続されている。これにより、N型MOSトランジスタQ2は、オン又はオフに切り替えられ、オン時に第2のLED素子11−2の両端を短絡する。
【0036】
ツェナーダイオードZD2は、第1端子T1にカソード(一端)が接続され、抵抗R4の一端にアノード(他端)が接続されている。ツェナーダイオードZD2のツェナー電圧は、第1判定電圧以下に設定されている。従って、ツェナーダイオードZD2は、整流電圧Vrが第1判定電圧以上の時には導通している。例えば、このツェナー電圧を第1判定電圧と等しく設定することで、最大の導通幅を得ることができる。後述するように、本実施例では、ツェナーダイオードZD2のツェナー電圧は、第1判定電圧未満に設定されている。
【0037】
抵抗R3は、第1端子T1に一端が接続されている。NPN型トランジスタQ3は、ツェナーダイオードZD2のアノード(他端)に、抵抗R4を介してベース(制御端子)が接続され、抵抗R3の他端にコレクタ(一端)が接続され、第2端子T2に抵抗R1を介してエミッタ(他端)が接続されている。これにより、NPN型トランジスタQ3は、ツェナーダイオードZD2が導通した時、即ち整流電圧VrがツェナーダイオードZD2のツェナー電圧以上の時にオンする。NPN型トランジスタQ3のエミッタは、抵抗R1を介さずに、直接、第2端子T2に接続されてもよい。
【0038】
NPN型トランジスタQ3のコレクタと抵抗R3との接続点に、N型MOSトランジスタQ2のゲートが接続されている。これにより、N型MOSトランジスタQ2は、抵抗R3の他端の電圧がハイレベルの時にオンに制御され、ローレベルの時にオフに制御される。
【0039】
ツェナーダイオードZD3は、N型MOSトランジスタQ2のゲートにカソードが接続され、ソースにアノードが接続されている。これにより、ツェナーダイオードZD3は、N型MOSトランジスタQ2のゲートとソースとの間の電圧を、ツェナーダイオードZD3のツェナー電圧に制限する。
【0040】
ダイオードD1は、N型MOSトランジスタQ2のソースにアノードが接続され、第2のLED素子11−2のカソードにカソードが接続されている。これにより、ダイオードD1は、第2のLED素子11−2のカソードと電流制御部13との接続点から短絡制御部14に電流が流れないように制限する。
【0041】
次に、図2の波形図を参照して、LED点灯装置10の動作を説明する。図2は、本発明の実施例1に係るLED点灯装置の波形図である。
【0042】
図2の時刻t1からt3において、前述の様に、整流電圧VrがツェナーダイオードZD2のツェナー電圧未満であるため、ツェナーダイオードZD2は導通せず、NPN型トランジスタQ3はオフしている。これにより、N型MOSトランジスタQ2のゲート電圧は、端子T1の電圧とほぼ等しく(即ち、高く)なっていて、N型MOSトランジスタQ2はオンしている。従って、N型MOSトランジスタQ2は、ダイオードD1を介して第2のLED素子11−2の両端を短絡している。
【0043】
第1端子T1及び第2端子T2間の電流経路には、第1のLED素子11−1を構成している15個のLED(LED1〜LED15)のみが接続されるので、時刻t2において整流電圧Vrが順方向電圧Vf×15を超えると、第1のLED素子11−1に電流が流れて、第1のLED素子11−1は点灯する。
【0044】
時刻t3において整流電圧VrがツェナーダイオードZD2のツェナー電圧以上になると、ツェナーダイオードZD2は導通して、NPN型トランジスタQ3はオンする。これにより、N型MOSトランジスタQ2のゲート電圧は低くなり、N型MOSトランジスタQ2がオフする。即ち、N型MOSトランジスタQ2は、第2のLED素子11−2の両端を短絡しないようになる。
【0045】
従って、第1端子T1及び第2端子T2間の電流経路には、第1のLED素子11−1及び第2のLED素子11−2を構成している34個のLED(LED1〜LED34)が接続される。図示した例では、この時刻t3においては、整流電圧Vrは第1判定電圧(順方向電圧Vf×34)未満であるので、第1のLED素子11−1及び第2のLED素子11−2に電流が流れなくなり、一旦消灯している。しかし、時刻t4において整流電圧Vrが第1判定電圧以上になると、第1のLED素子11−1及び第2のLED素子11−2に電流が流れて点灯する。前述のように、ツェナーダイオードZD2のツェナー電圧を第1判定電圧と等しくすることで、時刻t3からt4の消灯期間を無くすことができる。
【0046】
時刻t4からt8においても、以上の説明と同様に動作する。即ち、時刻t2からt3及びt6からt7の期間では、第1のLED素子11−1が点灯して、時刻t4からt5の期間では、第1のLED素子11−1及び第2のLED素子11−2が点灯する。
【0047】
従って、図示するように、交流電圧の1/2周期において、時刻t2からt3及びt6からt7の期間だけ、短絡制御部14を備えない場合よりも導通幅を広くできる。
【0048】
なお、N型MOSトランジスタQ2がオフしている期間では、N型MOSトランジスタQ2のゲート電圧がN型MOSトランジスタQ1のドレイン電圧より低くなっている。この場合でも、ダイオードD1の存在によって、第2のLED素子11−2のカソードとN型MOSトランジスタQ1のドレインとの接続点からツェナーダイオードZD2を介してNPN型トランジスタQ3に電流が流れないように制限しているので、誤動作や故障を起こす恐れが無い。
【0049】
以上で説明したように、本実施例に係るLED点灯装置10によれば、短絡制御部14が、整流電圧Vrが第1判定電圧未満の時に、直列接続された第1のLED素子11−1及び第2のLED素子11−2のうちの、第2のLED素子11−2を短絡するようにしている。これにより、整流電圧Vrが第1判定電圧未満の時にはLED素子の数を減らして点灯させることができ、整流電圧Vrが第1判定電圧以上の時にはLED素子の数を増やして点灯させることができる。従って、整流電圧VrがLED素子の数を増減すべき第1判定電圧となったタイミングで、高速にLED素子の数を制御することができ、これによりLED素子の導通幅を広くできる。よって、第1及び第2のLED素子11−1,11−2に流す電流を増加させることなく、輝度を向上できる。さらに、フリッカ(ちらつき)を軽減することもできる。
【0050】
また、短絡制御部14を備えない従来のLED点灯装置と同輝度にする場合、第1及び第2のLED素子11−1,11−2に流す電流を削減できるので、電力の損失を削減すると共に、発熱量を減らして温度上昇を抑制できる。
また、LED点灯装置10は、高耐圧且つ高電力な部品を用いずに実現できる。
【0051】
(実施例1の変形例)
電流制御部13は、抵抗R1のみで構成してもよい。この場合、図1の電流制御部13からN型MOSトランジスタQ1と抵抗R2とツェナーダイオードZD1とを取り除くと共に、短絡制御部14からダイオードD1を取り除く。その上で、NPN型トランジスタQ3のエミッタと、ツェナーダイオードZD3のアノードと、N型MOSトランジスタQ2のソースと、第2のLED素子11−2のカソードとを、抵抗R1に接続する。このような構成によっても、導通幅を広くできる。
【実施例2】
【0052】
本実施例では、3個以上のLED素子および2個以上の短絡制御部を備え、整流電圧Vrに応じて多段階にLED素子の数を増減させる。
【0053】
図3は、本発明の実施例2に係るLED点灯装置10aの構成を示すブロック図である。LED点灯装置10aは、整流素子B1と、整流素子B1の第1端子T1と第2端子T2との間に直列接続された第1から第n(nは3以上の整数)のLED素子11−1〜11−nと、第nのLED素子の他端と第2端子との間に接続され、第1から第nのLED素子の少なくとも何れかに流れる電流を制御する電流制御部13と、第1から第(n−1)の短絡制御部14−1〜14−(n−1)と、を備える。
【0054】
図3においては、第1のLED素子11−1,第2のLED素子11−2および第nのLED素子11−nのみを図示して、他のLED素子は図示を省略している。また、第1の短絡制御部14−1および第(n−1)の短絡制御部14−(n−1)のみを図示して、他の短絡制御部は図示を省略している。
【0055】
各短絡制御部14−1〜14−(n−1)は、図1の短絡制御部14と同様の回路構成を有している。整流素子B1と電流制御部13は、図1のものと同一である。
【0056】
第1の短絡制御部14−1は、整流電圧Vrが、第1から第nのLED素子11−1〜11−nが点灯するために必要な電圧未満の時に、第nのLED素子11−nの両端を短絡する。
【0057】
第(n−1)の短絡制御部14−(n−1)は、整流電圧Vrが、第1から第2のLED素子11−1,11−2が点灯するために必要な電圧未満の時に、第2から第nのLED素子11−2〜11−nを短絡する。
【0058】
即ち、第k(kは2からn−1の整数)の短絡制御部は、整流電圧Vrが、第1から第(n−k+1)のLED素子が点灯するために必要な電圧未満の時に、第(n−k+1)から第nのLED素子を短絡する。
【0059】
このような構成により、整流電圧Vrが0Vから最大値まで増加するのに応じて、第1端子T1及び第2端子T2間の電流経路に接続されるLED素子の数は、1つずつ増加していく。また、整流電圧Vrが最大値から0Vまで低下するのに応じて、第1端子T1及び第2端子T2間の電流経路に接続されるLED素子の数は、1つずつ減少していく。これにより、導通幅を実施例1よりも広くできる。
【実施例3】
【0060】
実施例3は、抵抗切り替え部を備えるようにした点が実施例1と異なる。
【0061】
図4は、本発明の実施例3に係るLED点灯装置10bを備える表示装置の回路図である。表示装置は、LED点灯装置10bと、信号機制御盤(制御部)20と、を備える。本実施例では、表示装置は、歩行者用信号機を構成しているものとする。
【0062】
信号機制御盤20は、電源Eに直列接続された半導体リレー(スイッチ部)SSR(Solid State Relay)を有する。半導体リレーSSRは、オン又はオフに切り替えられ且つオフ時に抵抗成分Rssrを有する。即ち、半導体リレーSSRは、等価回路で表すと、スイッチSW1と抵抗成分Rssrとが入出力端子間に並列接続されている。抵抗成分Rssrは、例えば数十kΩであり、半導体リレーSSRの形式によって異なる。
【0063】
LED点灯装置10bには、交流電源Eからの交流電圧が、半導体リレーSSRを介して、供給される。つまり、半導体リレーSSRがオン時には、スイッチSW1が閉じ、交流電源Eからの交流電圧がスイッチSW1を介してそのままLED点灯装置10bに供給される。半導体リレーSSRがオフ時には、スイッチSW1が開き、交流電源Eからの交流電圧が抵抗成分Rssrを介してLED点灯装置10bに供給される。
【0064】
LED点灯装置10bは、図1のLED点灯装置10の構成に加え、抵抗切り替え部16をさらに備える。抵抗切り替え部16以外の回路構成は、図1のLED点灯装置10と同一であるため、同一の要素に同一の符号を付して説明を省略する。
【0065】
抵抗切り替え部16は、抵抗(第4抵抗)R5及び抵抗(第5抵抗)R6を有し、供給された整流電圧Vrに基づいて第1端子T1及び第2端子T2間の抵抗を切り替える。抵抗R5は、一端が第1端子T1に接続され、半導体リレーSSRの抵抗成分Rssrより低抵抗である。抵抗R6は、一端が第1端子T1に接続され、抵抗R5より高抵抗である。例えば、抵抗R6の抵抗値は、抵抗R5の抵抗値の十倍以上である。本実施例では、抵抗R5は約5kΩであり、抵抗R6は約200kΩである。
【0066】
具体的には、抵抗切り替え部16は、整流電圧Vrが第2判定電圧未満の時、整流素子B1の第1端子T1及び第2端子T2間に抵抗R5を電気的に接続し、これにより抵抗R5を、整流素子B1を介して半導体リレーSSRに電気的に接続する。よって、半導体リレーSSRがオフ時に、整流電圧Vrは、半導体リレーSSRの抵抗成分Rssrと抵抗R5とによって降圧される。半導体リレーSSRがオフ時に、整流電圧Vrが第2判定電圧未満になるように、抵抗R5の値が設定されている。従って、半導体リレーSSRがオフ時には、定常的に、抵抗R5が半導体リレーSSRに電気的に接続されるようになっている。上記第2判定電圧は、実施例1で説明した第1判定電圧以下である。
【0067】
また、抵抗切り替え部16は、整流電圧Vrが第2判定電圧以上の時、整流素子B1の第1端子T1及び第2端子T2間に、抵抗R5に代えて、抵抗R6を電気的に接続し、これにより抵抗R6を、整流素子B1を介して半導体リレーSSRに電気的に接続する。
【0068】
本実施例では、抵抗切り替え部16は、NPNトランジスタ(第2のスイッチング素子)Q4と、NPNトランジスタ(第3のスイッチング素子)Q5と、抵抗R7と、をさらに有する。
【0069】
NPNトランジスタQ4は、短絡制御部14に含まれるツェナーダイオードZD2のアノード(他端)に、電流制限用の抵抗R7を介してベース(制御端子)が接続され、抵抗R6の他端にコレクタ(一端)が接続され、第2端子T2にエミッタ(他端)が接続されている。これにより、NPNトランジスタQ4は、ツェナーダイオードZD2が導通した時に、抵抗R7を介してベースに電流が流れてオンする。即ち、本実施例において、第2判定電圧は、ツェナーダイオードZD2のツェナー電圧と等しい。
【0070】
NPNトランジスタQ5は、NPNトランジスタQ4のコレクタにベース(制御端子)が接続され、抵抗R5の他端にコレクタ(一端)が接続され、第2端子T2にエミッタ(他端)が接続されている。NPNトランジスタQ5は、NPNトランジスタQ4がオンした時にオフする。
【0071】
次に、本実施例のLED点灯装置10bの動作を説明する。なお、本実施例では、ツェナーダイオードZD2のツェナー電圧を、実施例1より低く設定しているものとして説明する。
【0072】
(1)半導体リレーSSRがオフ時
半導体リレーSSRがオフ時、LED点灯装置10bは、抵抗R5に電流を流すように動作する。この時、交流電圧は抵抗成分Rssrを介して供給されるため、整流素子B1の第1端子T1及び第2端子T2間のインピーダンスに応じて、整流電圧Vrは交流電圧より低い電圧となる。
【0073】
交流電圧の増加に応じて整流電圧Vrが0Vから増加した直後、整流電圧Vrは第2判定電圧未満であるため、ツェナーダイオードZD2は導通しない。従って、NPNトランジスタQ4はオフする。一方、整流電圧Vrによって、抵抗R6を介してNPNトランジスタQ5のベースに電流が流れるので、NPNトランジスタQ5がオンする。これにより、オフ状態にある半導体リレーSSRの抵抗成分Rssrと、整流素子B1と、抵抗R5と、NPNトランジスタQ5と、に電流が流れる。従って、交流電源Eからの交流電圧は、半導体リレーSSRの抵抗成分Rssrと抵抗R5とによって分圧される。得られた整流電圧Vrは、前述のように、第2判定電圧未満に降圧されている。よって、交流電圧が最大となっても第1及び第2のLED素子11−1,11−2に電流が流れることは無いため、第1及び第2のLED素子11−1,11−2は点灯しない。
【0074】
(2)半導体リレーSSRがオン時
図5は、本発明の実施例3に係るLED点灯装置10bの電流及び電圧を示す波形図である。図5は、半導体リレーSSRがオン時の各波形を、交流電圧の1/2周期に対応する期間だけ示している。図5(a)は、整流電圧Vrと、第1のLED素子11−1の電流とを示す。図5(b)は、LED点灯装置10bの抵抗R5の電流を示す。
【0075】
半導体リレーSSRがオン時、交流電圧は閉状態のスイッチSW1を介して直接的に供給されるため、整流電圧Vrは交流電圧とほぼ等しい電圧となる。時刻t1からt3まで、交流電圧の増加に応じて整流電圧Vrが0Vから増加していくが、整流電圧Vrは第2判定電圧未満であるため、ツェナーダイオードZD2は導通しない。一方、整流電圧Vrによって、抵抗R6を介してNPNトランジスタQ5のベースに電流が流れるので、NPNトランジスタQ5がオンして、抵抗R5に電流が流れる。図5(b)に示すように、整流電圧Vrの増加に合わせて抵抗R5の電流は増加する。
【0076】
また、この時刻t1からt3までにおいて、実施例1で述べたように、第1端子T1及び第2端子T2間の電流経路には、第1のLED素子11−1が接続される。従って、時刻t2において、整流電圧Vrが、第1のLED素子11−1が点灯するために必要な電圧以上になると、図5(a)に示すように、第1のLED素子11−1に電流が流れる。これにより、第1のLED素子11−1が点灯する。
【0077】
時刻t3において、整流電圧Vrが第2判定電圧に達すると、ツェナーダイオードZD2は導通する。これにより、ツェナーダイオードZD2及び抵抗R7を介してNPNトランジスタQ4のベースに電流が流れるので、NPNトランジスタQ4がオンして、抵抗R6に流れる電流が増加する。すると、NPNトランジスタQ5のベース電圧が低下して、NPNトランジスタQ5はオフする。従って、図5(b)に示すように、抵抗R5に電流が流れないようになる。前述のように、抵抗R6は抵抗R5の数十倍の抵抗値を有するので、抵抗R6に流れる電流は、抵抗R5に流れる電流に比して十分に小さい。
【0078】
また、この時刻t3において、実施例1で述べたように、第1端子T1及び第2端子T2間の電流経路には、第1及び第2のLED素子11−1,11−2が接続される。時刻t4までは、整流電圧Vrが第1判定電圧未満であるため、第1及び第2のLED素子11−1,11−2に電流が流れなくなる。これにより、第1及び第2のLED素子11−1,11−2は、一旦消灯する。
【0079】
時刻t4において、整流電圧Vrが第1判定電圧以上になると、図5(a)に示すように、第1及び第2のLED素子11−1,11−2に電流が流れる。これにより、第1及び第2のLED素子11−1,11−2が点灯する。
【0080】
時刻t5において、整流電圧Vrが第1判定電圧未満になると、第1及び第2のLED素子11−1,11−2に電流が流れないようになる。
【0081】
時刻t6から時刻t8において、整流電圧Vrが第2判定電圧未満になると、ツェナーダイオードZD2は導通しないようになる。従って、時刻t1からt3と同様に、抵抗R5に電流が流れる。
【0082】
また、この時刻t6からt8までにおいて、第1端子T1及び第2端子T2間の電流経路には、第1のLED素子11−1が接続される。従って、時刻t6からt7まで、図5(a)に示すように、第1のLED素子11−1に電流が流れる。
【0083】
このように、時刻t1からt3及び時刻t6からt8の各期間T1において、抵抗R5に電流が流れ、時刻t3からt6において、抵抗R5に電流が流れず、抵抗R6に電流が流れる。
【0084】
前述のように、整流電圧Vrが第2判定電圧より低い期間で、抵抗R5に電流が流れる。従って、第2判定電圧を低くすることで、抵抗R5に電流が流れる期間を短縮できる。これにより、抵抗R5に流れる電流の最大値及び総量、並びに、抵抗R5に印加される電圧の最大値を低減できるので、抵抗R5での電力の損失も削減できる。
【0085】
以上で説明したように、本実施例に係るLED点灯装置10bによれば、抵抗切り替え部16が、整流電圧Vrが第2判定電圧未満の時、抵抗R5を、整流素子B1を介して半導体リレーSSRに電気的に接続するようにしている。また、抵抗切り替え部16が、整流電圧Vrが第2判定電圧以上の時、抵抗R5より高抵抗である抵抗R6を、整流素子B1を介して半導体リレーSSRに電気的に接続するようにしている。また、上記第2判定電圧は、第1判定電圧以下になるようにしている。これにより、半導体リレーSSRがオフ時には、整流電圧Vrは、半導体リレーSSRの抵抗成分Rssrと抵抗R5とによって降圧されるので、半導体リレーSSRの抵抗成分Rssrが存在しても、第1及び第2のLED素子11−1,11−2を点灯しないようにできる。
【0086】
また、半導体リレーSSRがオン時には、整流電圧Vrが第2判定電圧以上になると、電流は抵抗R5に流れず高抵抗な抵抗R6に流れる。従って、第1及び第2のLED素子11−1,11−2の点灯に寄与しない電流が低抵抗な抵抗R5に流れる期間を短縮して、電力損失及び発熱量を低減できる。発熱量を低減できることで、歩行者用信号機の低い放熱性にも拘らず、LED点灯装置10bの耐久性及び信頼性を向上できる。
【0087】
このように、本実施例に係るLED点灯装置10bでは、抵抗R5の電力損失及び発熱量を低減できるので、抵抗R5として、小型、低耐圧且つ小電力な抵抗器を用いることもできる。従って、低コスト化できる。
【0088】
さらに、抵抗R5に電流が流れる期間を短縮できることで、抵抗R5を低抵抗にしても、電力損失及び発熱量を低減できる。これにより、抵抗成分Rssrが低い半導体リレーSSRを用いても、半導体リレーSSRがオフ時に、整流電圧Vrを十分に降圧させて、第1及び第2のLED素子11−1,11−2を点灯しないようにできる。従って、様々な形式(メーカー)の半導体リレーSSRを用いることができる。
【0089】
また、抵抗R5に電流が流れる期間は、整流電圧Vrによって決定される。従って、その期間は、直列接続されたLEDの数、及び、第1及び第2のLED素子11−1,11−2の電流値等には影響されない。
さらにまた、実施例1と同様の効果も得られる。
【0090】
(実施例3の変形例)
上記実施例3では、抵抗R7をツェナーダイオードZD2のアノードに接続する一例について説明したが、例えば、第1端子T1と抵抗R2との間に追加のツェナーダイオードを設けて、この追加のツェナーダイオードのアノードに抵抗R7を接続してもよい。このようにすると、第2判定電圧は追加のツェナーダイオードのツェナー電圧と等しくなるので、第2判定電圧を、第2のLED素子11−2を短絡させる電圧(ツェナーダイオードZD2のツェナー電圧)とは無関係に設定できる。
【0091】
従って、第2のLED素子11−2を短絡させる電圧を第1判定電圧と等しくした上で、第2判定電圧を図5の例より低くすれば、図5の時刻t3からt4及びt5からt6にも第1のLED素子11−1を点灯させると共に、抵抗R5に電流が流れる期間をさらに短縮できる。このようにすると、抵抗R5に電流が流れる期間は、第1及び第2のLED素子11−1,11−2の導通幅に影響されない。
【0092】
以上、本発明の実施例を詳述してきたが、具体的な構成は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々に変形して実施することができる。
【0093】
例えば、上記実施例3では、スイッチ部は半導体リレーSSRである一例について説明したが、これに限られない。つまり、スイッチ部は、オフ時に交流電圧を遮断できない特性を有する素子であれば良い。例えば、スイッチ部は、交流電源Eからの交流電圧が供給され、オン又はオフに切り替えられ且つオフ時に抵抗成分を有する調光器(ディマー)でも良い。例えば、調光器は、オン時には第1及び第2のLED素子11−1,11−2の明るさを調光できる。また、調光器は、オフ時には抵抗成分を有するが、上記実施例3のLED点灯装置10bによれば、第1及び第2のLED素子11−1,11−2を消灯できる。
【0094】
また、表示装置が歩行者用信号機を構成している一例を説明したが、これに限られない。表示装置は、自動車用信号機を構成しても良く、また、第1及び第2のLED素子11−1,11−2の点灯及び消灯によって何らかの情報を表示するような装置でも良い。
さらに、第1及び第2のLED素子11−1,11−2は、1つ又は複数のLEDで構成されていても良い。
また、短絡スイッチをP型MOSトランジスタで構成してもよい。
【符号の説明】
【0095】
10,10a,10b LED点灯装置
B1 整流素子
11−1 第1のLED素子
11−2 第2のLED素子
11−n 第nのLED素子
13 電流制御部
14 短絡制御部
14−1 第1の短絡制御部
14−(n−1) 第(n−1)の短絡制御部
16 抵抗切り替え部
Q1 N型MOSトランジスタ(電流制御トランジスタ)
Q2 N型MOSトランジスタ(短絡スイッチ)
Q3 NPN型トランジスタ(第1のスイッチング素子)
Q4 NPN型トランジスタ(第2のスイッチング素子)
Q5 NPN型トランジスタ(第3のスイッチング素子)
ZD1 ツェナーダイオード(基準電圧生成素子)
ZD2 ツェナーダイオード(電圧検出素子)
ZD3 ツェナーダイオード(電圧制限素子)
D1 ダイオード(電流制限素子)
R1 抵抗(第2抵抗)
R2 抵抗(第3抵抗)
R3 抵抗(第1抵抗)
R4 抵抗
R5 抵抗(第4抵抗)
R6 抵抗(第5抵抗)
R7 抵抗
20 信号機制御盤(制御部)
SSR 半導体リレー(スイッチ部)
Rssr 抵抗成分
SW1 スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
交流電源から供給された交流電圧を整流して第1端子及び第2端子間から整流電圧を出力する整流素子と、
前記第1端子に一端が接続された第1のLED素子と、
前記第1のLED素子の他端に一端が接続された第2のLED素子と、
前記第2のLED素子の他端と前記第2端子との間に接続され、前記第1のLED素子または前記第2のLED素子に流れる電流を制御する電流制御部と、
前記整流電圧が、前記第1のLED素子及び前記第2のLED素子が点灯するために必要な第1判定電圧未満の時に、前記第1のLED素子または前記第2のLED素子の両端を短絡する短絡制御部と、を備える
ことを特徴とするLED点灯装置。
【請求項2】
前記短絡制御部は、
オン又はオフに切り替えられ、オン時に前記第2のLED素子の両端を短絡する短絡スイッチと、
前記第1端子に一端が接続され、前記整流電圧が前記第1判定電圧以上の時に導通する電圧検出素子と、
前記第1端子に一端が接続された第1抵抗と、
前記電圧検出素子の他端に制御端子が接続され、前記第1抵抗の他端に一端が接続され、前記第2端子に他端が接続され、前記電圧検出素子が導通した時にオンする第1のスイッチング素子と、を有し、
前記短絡スイッチは、前記第1抵抗の前記他端の電圧がハイレベルの時にオンに制御され、ローレベルの時にオフに制御される
ことを特徴とする請求項1に記載のLED点灯装置。
【請求項3】
前記短絡スイッチは、N型MOSトランジスタであり、
前記N型MOSトランジスタのドレインは前記第1のLED素子の他端と前記第2のLED素子の一端との接続点に接続され、前記N型MOSトランジスタのソースは前記第2のLED素子の他端と前記電流制御部との接続点に接続され、
前記短絡制御部は、前記N型MOSトランジスタのゲートとソースとの間の電圧を制限する電圧制限素子を有する
ことを特徴とする請求項2に記載のLED点灯装置。
【請求項4】
前記短絡制御部は、前記第2のLED素子の他端と前記電流制御部との接続点から前記短絡制御部に電流が流れないように制限する電流制限素子を有する
ことを特徴とする請求項3に記載のLED点灯装置。
【請求項5】
前記電流制御部は、
前記第2のLED素子に一端が接続された電流制御トランジスタと、
前記電流制御トランジスタの他端と前記第2端子との間に接続された第2抵抗と、
前記第1端子に一端が接続された第3抵抗と、
前記第3抵抗の他端に一端が接続され、前記第2端子に他端が接続され、生成した基準電圧を前記一端から前記電流制御トランジスタの制御端子に供給する基準電圧生成素子と、を有する
ことを特徴とする請求項1から請求項4の何れかに記載のLED点灯装置。
【請求項6】
前記整流素子には、前記交流電源からの交流電圧が、オン又はオフに切り替えられ且つオフ時に抵抗成分を有するスイッチ部を介して、供給され、
さらに、
第4抵抗及び第5抵抗を有し、供給された前記整流電圧に基づいて前記第1端子及び第2端子間の抵抗を切り替える抵抗切り替え部を備え、
前記抵抗切り替え部は、前記整流電圧が第2判定電圧未満の時、前記第1端子及び第2端子間に前記第4抵抗を接続し、これにより前記第4抵抗を前記整流素子を介して前記スイッチ部に電気的に接続し、前記整流電圧が前記第2判定電圧以上の時、前記第1端子及び第2端子間に、前記第4抵抗に代えて、前記第4抵抗より高抵抗な前記第5抵抗を接続し、これにより前記第5抵抗を前記整流素子を介して前記スイッチ部に電気的に接続し、
前記第2判定電圧は、前記第1判定電圧以下である
ことを特徴とする請求項2から請求項5の何れかに記載のLED点灯装置。
【請求項7】
前記スイッチ部がオフ時に、前記整流電圧は、前記スイッチ部の前記抵抗成分と前記第4抵抗とによって前記第2判定電圧未満に降圧される
ことを特徴とする請求項6に記載のLED点灯装置。
【請求項8】
前記第4抵抗は、前記スイッチ部の前記抵抗成分より低抵抗である
ことを特徴とする請求項6又は請求項7に記載のLED点灯装置。
【請求項9】
前記抵抗切り替え部は、
前記電圧検出素子の他端に制御端子が接続され、前記第5抵抗と前記第2端子との間に一端及び他端が接続され、前記電圧検出素子が導通した時にオンする第2のスイッチング素子と、
前記第2のスイッチング素子の前記一端に制御端子が接続され、前記第4抵抗と前記第2端子との間に一端及び他端が接続され、前記第2のスイッチング素子がオンした時にオフする第3のスイッチング素子と、を有する
ことを特徴とする請求項6から請求項8の何れかに記載のLED点灯装置。
【請求項10】
前記第1のLED素子と前記第2のLED素子は、それぞれ、直列接続された複数のLEDで構成されている
ことを特徴とする請求項1から請求項9の何れかに記載のLED点灯装置。
【請求項11】
交流電源から供給された交流電圧を整流して第1端子及び第2端子間から整流電圧を出力する整流素子と、
前記第1端子と前記第2端子との間に直列接続された第1から第n(nは3以上の整数)のLED素子と、
前記第nのLED素子の他端と前記第2端子との間に接続され、前記第1から第nのLED素子の少なくとも何れかに流れる電流を制御する電流制御部と、
第1から第(n−1)の短絡制御部と、を備え、
前記第1の短絡制御部は、前記整流電圧が、前記第1から第nのLED素子が点灯するために必要な電圧未満の時に、前記第nのLED素子の両端を短絡し、
前記第k(kは2からn−1の整数)の短絡制御部は、前記整流電圧が、前記第1から第(n−k+1)のLED素子が点灯するために必要な電圧未満の時に、前記第(n−k+1)から第nのLED素子を短絡する
ことを特徴とするLED点灯装置。
【請求項12】
交流電源からの交流電圧が供給され、オン又はオフに切り替えられ且つオフ時に抵抗成分を有するスイッチ部と、
前記スイッチ部を介して供給された交流電圧を整流して第1端子及び第2端子間から整流電圧を出力する整流素子と、
前記第1端子に一端が接続された第1のLED素子と、
前記第1のLED素子の他端に一端が接続された第2のLED素子と、
前記第2のLED素子の他端と前記第2端子との間に接続され、前記第1のLED素子または前記第2のLED素子に流れる電流を制御する電流制御部と、
前記整流電圧が、前記第1のLED素子及び前記第2のLED素子が点灯するために必要な第1判定電圧未満の時に、前記第1のLED素子または前記第2のLED素子の両端を短絡する短絡制御部と、
第4抵抗及び第5抵抗を有し、供給された前記整流電圧に基づいて前記第1端子及び第2端子間の抵抗を切り替える抵抗切り替え部と、を備え、
前記抵抗切り替え部は、前記整流電圧が第2判定電圧未満の時、前記第1端子及び第2端子間に前記第4抵抗を接続し、これにより前記第4抵抗を前記整流素子を介して前記スイッチ部に電気的に接続し、前記整流電圧が前記第2判定電圧以上の時、前記第1端子及び第2端子間に、前記第4抵抗に代えて、前記第4抵抗より高抵抗な前記第5抵抗を接続し、これにより前記第5抵抗を前記整流素子を介して前記スイッチ部に電気的に接続し、
前記第2判定電圧は、前記第1判定電圧以下である
ことを特徴とする表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−30343(P2013−30343A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−165240(P2011−165240)
【出願日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【出願人】(000002037)新電元工業株式会社 (776)
【出願人】(391016886)日本フネン株式会社 (30)
【Fターム(参考)】