説明

LED点灯装置及びLED照明器具

【課題】平滑コンデンサのエネルギを有効利用し、またLEDモジュールの再接続の際のサージ電流を防止する。
【解決手段】疑似豆球点灯回路32は、制御を受けることでオンとなるMOS−FET35とLED34との直列接続からなり、DC−DCコンバータ8の平滑コンデンサ12の出力端に並列接続される。印加制御回路27は、DC−DCコンバータ8の平滑コンデンサ12によるLEDモジュール2への印加を、MOS−FET30のオフにより遮断する。制御回路14は、遮断契機信号(調光制御回路20からの消灯信号またはLEDモジュール有無判別回路13からの非接続検出信号)を入力すると、印加制御回路27のMOS−FET30をオフにし、その後、さらに、疑似豆球点灯回路32のMOS−FET35をオンにするオン制御と、DC−DCコンバータ8の動作を停止させる停止制御とを実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数個のLEDが直列接続されたLEDモジュールを点灯するLED点灯装置及びこれを用いたLED照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
LEDモジュールを点灯しているときにLEDモジュールが接続手段から外された場合、放電手段を用いて平滑コンデンサを放電する技術が開示されている(例えば、特許文献1)。この特許文献1によれば、LEDモジュールが接続手段から外された場合、直流−直流変換手段の出力電圧を低減することができるので、LEDモジュールが接続手段に再接続されたときに、LEDにサージ電流(過電流)が流れること防止できるとする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−55824号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、LEDにサージ電流が流れること防止するため、平滑コンデンサのエネルギを抵抗成分にて放電しているため、平滑コンデンサのエネルギを有効に活用できていないとう課題がある。
【0005】
本発明の目的は、平滑コンデンサのエネルギを有効利用し、またLEDモジュールの再接続の際のサージ電流を防止することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明のLED点灯装置は、
LED素子を有するLEDモジュールが着脱可能に接続され、前記LEDモジュールを点灯させるLED点灯装置において、
直流電圧を入力し、入力した前記直流電圧の大きさを変換する直流電圧変換部であって、大きさ変換後の前記直流電圧を平滑し、平滑された前記直流電圧を前記LEDモジュールに印加する平滑コンデンサを有し、制御を受けて動作する直流電圧変換部と、
LED素子と制御を受けることでオンとなるスイッチング素子とを備え、前記スイッチング素子と前記LED素子との直列接続からなる補助点灯部であって、前記直流電圧変換部の前記平滑コンデンサの出力端に前記平滑コンデンサと並列に接続される補助点灯部と、
前記直流電圧変換部の前記平滑コンデンサによる前記LEDモジュールへの印加を、制御を受けることで遮断する印加遮断部と、
予め設定された遮断契機信号を入力すると、前記印加遮断部に前記直流電圧変換部の前記平滑コンデンサによる前記LEDモジュールへの印加を遮断させる遮断制御を実行し、前記遮断制御の実行後に、前記補助点灯回路の前記スイッチング素子をオンにするオン制御と、前記直流電圧変換部の動作を停止させる停止制御とを実行する制御部と
を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、平滑コンデンサのエネルギを有効利用し、またLEDモジュールの再接続の際のサージ電流を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】実施の形態1のLED点灯装置1の回路図。
【図2】実施の形態1における実施例1のLED点灯装置1の動作を説明するタイミング図。
【図3】実施の形態1における実施例2のLED点灯装置1の動作を説明するタイミング図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1のLED照明装置を示すものである。
LED照明装置100は、
(1)LED点灯装置1と、
(2)LED点灯装置1にコネクタ付き電線を介して電気的に接続され、複数の主LED36が実装されるLEDモジュール2と、
(3)コネクタ付き電線が着脱自在に取り付けられる出力コネクタ3とから構成される。
【0010】
LED点灯装置1は、
(1)交流電圧が入力され、入力された交流電圧を全波整流する整流回路6と、
(2)整流回路6が全波整流した脈流電圧を平滑する平滑コンデンサ7と、
(3)平滑コンデンサ7が平滑した平滑電圧を異なる電圧の直流電圧に変換するDC−DCコンバータ8(直流電圧変換部)と、
(4)LED点灯装置1にLEDモジュール2が接続されているか否かを検出するLEDモジュール有無判別回路13(接続検出部)と、
(5)LEDモジュール有無判別回路13が検出した状態に基づいて、各回路の動作を制御する制御回路14(制御部)と、
(6)制御回路14に制御電源を供給する制御電源回路15と、
(7)外部からのPWM信号からなる調光信号を入力して、制御回路14に調光制御信号を出力する調光制御回路20と、
(8)制御回路14の遮断信号に基づいて、DC−DCコンバータ8からLEDモジュール2に供給される電圧を遮断する印加制御回路27(印加遮断部)と、
(9)制御回路14の擬似豆球点灯信号に基づいて動作する擬似豆球点灯回路32(補助点灯部)と
から構成される。
【0011】
DC−DCコンバータ8は、MOS−FET9からなるスイッチング素子とダイオード10の直列回路が平滑コンデンサ7と並列に接続され、ダイオード10に並列に接続されたチョークコイル11と平滑コンデンサ12の直列回路から構成される。
【0012】
DC−DCコンバータ8は、いわゆる非絶縁の降圧型コンバータと称される回路であり、入力される平滑コンデンサ7の平滑電圧を低い直流電圧に変換する。DC−DCコンバータ8は、MOS−FET9のオン期間に入力から出力へ電流が流れるとともに、チョークコイル11にエネルギが蓄えられる。MOS−FET9のオフ期間に、チョークコイル11に蓄えられたエネルギにて、ダイオード10を介して、平滑コンデンサ12に電流を流す。このとき、LEDモジュール有無判別回路13からの検出電圧が制御回路14に入力され、制御回路14はこの検出電圧に基づいて、主LED36に流れる電流が一定電流になるようにDC−DCコンバータ8のMOS−FET9をオン/オフする。
【0013】
調光制御回路20は、フォトカプラ23の1次側と抵抗21の直列回路が調光器5と並列に接続されている。また、制御電源回路15と並列に接続されている、「フォトカプラ23の2次側と抵抗24からなる直列回路」と、「トランジスタ26と抵抗25からなる直列回路」とから構成されている。なお、フォトカプラ23の2次側と抵抗24との接続点にトランジスタ26のベースが接続されている。トランジスタ26と抵抗25との接続点が、制御回路14と接続されている。
【0014】
また、調光制御回路20内は、抵抗21にてフォトカプラ23の1次側に流す電流を制限している。フォトカプラ23は、調光器5とLED点灯装置1を絶縁するために設けている。フォトカプラ23の2次側には、1次側波形が反転した相似波形が出力される。トランジスタ26によって、フォトカプラ23の1次側波形と相似な波形を、制御回路14に入力する。すなわち、調光器5から入力された信号を、フォトカプラ23にて絶縁処理し、制御回路14に出力する。
【0015】
印加制御回路27は、抵抗28と抵抗29とMOS−FET31の直列回路が、DC−DCコンバータ8の平滑コンデンサ12に並列に接続され、抵抗28と抵抗29の接続点にMOS−FET30のゲートが接続される。MOS−FET30のソースは、抵抗28の他端と接続されている。また、MOS−FET30のドレインは、出力コネクタと接続されている。
【0016】
また、印加制御回路27内は、制御回路14によりMOS−FET31のゲートに電圧を印加する場合、抵抗28と抵抗29とMOS−FET31からなる直列回路が形成されて、MOS−FET30のゲート電圧が、ソース電圧より小さくなるため、MOS−FET30がオンする。一方、制御回路14によりMOS−FET31のゲートに電圧を印加しない場合、抵抗28と抵抗29とMOS−FET31からなる直列回路が開回路となり、MOS−FET30のゲート電圧とソース電圧が同電位となるため、MOS−FET30がオフする。すなわち、印加制御回路27は、制御回路14から出力される印加制御電圧によって、MOS−FETからなるスイッチング素子30をオンまたはオフする。
【0017】
擬似豆球点灯回路32は、抵抗33と副LED34とMOS−FET35(スイッチング素子)の直列回路から構成される。擬似豆球点灯回路32内は、制御回路14により、MOS−FET35のゲートに電圧(後述の擬似豆球点灯制御電圧)が印加される場合、抵抗33によって、制限された電流が副LED34に流れる。一方、制御回路14により、MOS−FET35のゲートに電圧が印加されない場合、MOS−FET35がオフし、副LED34には電流が流れない。なお、制御回路14は、調光制御回路20から消灯信号が入力された場合と、LEDモジュール有無判別回路13から検出電圧が入力されない場合、すなわち、LEDモジュールが非接続の場合に、擬似豆球点灯回路32内のMOS−FET35をオンするように擬似豆球点灯制御電圧を出力する。すなわち、擬似豆球点灯回路32は、制御回路14から出力される擬似豆球点灯制御電圧によって、MOS−FET35をオンまたはオフすることにより、副LED34を点灯、若しくは不点灯にする。
【0018】
制御電源回路15は、抵抗16とツェナーダイオード19の直列回路が、平滑コンデンサ7と並列に接続されている。そして、ツェナーダイオード19と並列に平滑用のコンデンサ18が接続されている。また、制御電源回路15には、制御回路14、調光制御回路20のフォトカプラ23の2次側以降の回路が並列に接続されている。また、制御電源回路15は、平滑コンデンサ7の電圧を抵抗16にてドロップし、ツェナーダイオード19で定電圧にし、コンデンサ18にて電位を安定させて制御電圧を生成している。すなわち、制御電源回路15は、制御回路14と調光制御回路20に用いる電源である。
【0019】
(消灯信号または非接続検出ありの場合)
制御回路14は、調光制御回路20から消灯信号が入力された場合、または、LEDモジュール有無判別回路13から検出電圧(検出結果信号)が入力されない場合(即ちゼロ信号(検出信号)が入力される場合)、すなわち、LEDモジュール2が非接続の場合は、印加制御回路27のMOS−FET31のゲートへの電圧印加を停止(遮断制御)する。その後、DC−DCコンバータ8の動作を停止(停止制御)させるとともに、制御回路14により、擬似豆球点灯回路32のMOS−FET35のゲートに電圧を印加(オン制御)する。なお、予め設定した一定時間(擬似豆球点灯回路32の副LED34が、平滑コンデンサ12のエネルギで点灯から消灯する時間)状態を保持する。
【0020】
(消灯信号の入力がない場合)
一方、調光制御回路20から消灯信号が入力さていない場合、または、LEDモジュール有無判別回路13から検出電圧が入力されている場合、すなわち、LEDモジュールが接続している場合は、印加制御回路27のMOS−FET31のゲートに電圧を印加する。その後、DC−DCコンバータ8を動作させるとともに、擬似豆球点灯回路32のMOS−FET35のゲートに電圧を印加しない。
【0021】
実施例1.
本実施例1は、実施の形態1のLED点灯装置1の回路構成において、調光器5によって、LEDモジュール2を点灯または消灯させる場合の動作を説明するものである。
【0022】
本実施例1におけるLED点灯装置1の回路動作タイミングを説明する。
図2は、実施例1のLED点灯装置1の動作タイミングを示すタイムチャート図である。
図2(a)は、商用電源4の通電状態、
図2(b)は、LED点灯装置1とLEDモジュール2の接続状態、
図2(c)は、調光器5から入力される消灯信号の有無、
図2(d)は、印加制御回路27のMOS−FET30のON/OFF状態、
図2(e)は、DC−DCコンバータ8の動作状態、
図2(f)は、擬似豆球点灯回路32のMOS−FET35のON/OFF状態、
図2(g)は、DC−DCコンバータ8の平滑コンデンサ電圧、
をそれぞれ示す。
【0023】
正常にLEDモジュール2に電流が流れているとき、図2(g)に示すようにDC−DCコンバータ8の平滑コンデンサ12の電圧はLEDモジュール2の電圧に等しい。
【0024】
時間T11は、調光器5から消灯信号が入力されたタイミングである。このタイミングでは、LED点灯装置1は、主LED36を点灯させており、時間T11〜時間T12は、調光制御回路20が制御回路14に消灯制御信号(遮断契機信号)を出力する処理を行っている。
【0025】
時間T12のタイミングで、調光制御回路20から消灯制御信号が入力されると、制御回路14は、印加制御回路27のMOS−FET31のゲートに電圧を印加しない(ゲートへの電圧印加を止める)。これにより、MOS−FET31がオフして、抵抗28と抵抗29の接続点にあるMOS−FET30のゲート電圧は、ソース電圧と同電位となり、印加制御回路27のMOS−FET30がオフ(図2(d)の時間T12)する。このため、LEDモジュール2がDC−DCコンバータ8から外された状態となり、DC−DCコンバータ8は、定電流を出力しようとするため、平滑コンデンサ12の電圧が上昇(図2(g)の時間T12〜時間T13)する。
【0026】
時間T12から所定時間経過した時間T13のタイミングにおいて、制御回路14によってDC−DCコンバータ8の動作を停止するとともに、擬似豆球点灯回路32のMOS−FET35のゲートに電圧を印加する。これより、抵抗33を介し、副LED34に平滑コンデンサ12の電圧によって電流が流れ、副LED34が点灯する。なお、予め設定した一定時間(擬似豆球回路の副LED34が、平滑コンデンサ12のエネルギで点灯から消灯する時間)状態を保持させるため、DC−DCコンバータ8の平滑コンデンサ12のエネルギを有効に利用し放電することができ、LEDモジュール2が再接続された場合、LEDモジュール2内の主LED36にサージ電流が流れることがない。
【0027】
時間T14は、調光器5から消灯信号に変わり、点灯信号が出力されたタイミングである。このタイミングでは、LED点灯装置1(制御回路14)は、主LED36を消灯させており、時間T14〜時間T15は、調光制御回路20が制御回路14に点灯制御信号を出力する処理を行っている。
【0028】
時間T15のタイミングで、調光制御回路20から点灯制御信号が入力されると、制御回路14は、印加制御回路27のMOS−FET31のゲートに電圧を印加する。これにより、MOS−FET31がオンして、抵抗28と抵抗29の接続点にあるMOS−FET30のゲート電圧は、ソース電圧より小さくなり、印加制御回路27のMOS−FET30がオン(図2(d)の時間T15)する。このため、LEDモジュール2がDC−DCコンバータ8と電気的に接続される。
【0029】
時間T16のタイミングでは、制御回路14により、擬似豆球点灯回路32のMOS−FET35のゲートへの電圧印加を止める。つまり、MOS−FET35をオフにするので、副LED34に電流が流れなくなる。したがって、副LED34は消灯する。
【0030】
時間T17は、制御回路14によってDC−DCコンバータ8の動作を再開するタイミングである。
【0031】
このように、LEDモジュール2内の主LED36が点灯している時に、消灯信号が入力された場合、印加制御回路27にて、LEDモジュール2とDC−DCコンバータ8を電気的に非接続にして、DC−DCコンバータ8の発振を停止させ、平滑コンデンサ12のエネルギを、LEDモジュール2内の主LED36とは別の副LED34を一定時間点灯させることに使用し放電させる。このため、平滑コンデンサ12のエネルギを有効に利用することができる。例えば、部屋からドアを開けて退室するまでの明かりや、睡眠時に寝床につく間の明かりとしての用途がある。
【0032】
実施例2.
本実施例2は、実施の形態1のLED点灯装置1の回路構成において、LEDモジュール2がLED点灯装置1から着脱される場合の動作を説明するものである。
【0033】
本実施例におけるLED点灯装置1の回路動作タイミングを説明する。
図3は、図2と同様に、本実施例2のLED点灯装置1の動作タイミングを示すタイムチャート図である。
図3(a)は、商用電源4の通電状態、
図3(b)は、LED点灯装置1とLEDモジュール2の接続状態、
図3(c)は、調光器5から入力される消灯信号の有無、
図3(d)は、印加制御回路27のMOS−FET30のON/OFF状態、
図3(e)は、DC−DCコンバータ8の動作状態、
図3(f)は、擬似豆球点灯回路32のMOS−FET35のON/OFF状態、
図3(g)は、DC−DCコンバータ8の平滑コンデンサ電圧、をそれぞれ示す。
【0034】
時間T21のタイミングでLEDモジュール2がDC−DCコンバータ8から取り外された場合、LEDモジュール有無判別回路13は、LEDモジュール2が外されたことを検出するとともに、検出した検出信号(ゼロ信号(遮断契機信号))を制御回路14に出力する。検出信号を入力すると、制御回路14は、印加制御回路27のMOS−FET31のゲート電圧の印加を止める。これにより、MOS−FET31がオフして、抵抗28と抵抗29の接続点にあるMOS−FET30のゲート電圧は、ソース電圧と同電位となり、印加制御回路27のMOS−FET30がオフ(図3(d)の時間T21)する。そのため、DC−DCコンバータ8は、定電流を出力しようと動作するため、平滑コンデンサ12の電圧が上昇(図3(g)の時間T21〜時間T22)する。
【0035】
時間T21から所定時間経過した時間T22のタイミングにおいて、制御回路14によってDC−DCコンバータ8の動作を停止するとともに、擬似豆球点灯回路32のMOS−FET35のゲートに電圧を印加する。これより、抵抗33を介し、副LED34に電流が流れ、副LED34が点灯する。なお、予め設定した一定時間(擬似豆球回路の副LED34が、平滑コンデンサ12のエネルギで点灯から消灯する時間)状態を保持させるため、DC−DCコンバータ8の平滑コンデンサ12のエネルギを有効に利用し放電することができ、LEDモジュール2内の主LED36にサージ電流が流れることはない。
【0036】
時間T23は、LEDモジュール2が出力コネクタ3に再接続されたタイミングである。LEDモジュール有無判別回路13は、LEDモジュール2が装着されたことを検出するとともに、検出信号を制御回路14に出力する。この検出信号が入力されると、制御回路14は、印加制御回路27のMOS−FET31のゲート電圧を印加する。これにより、MOS−FET31がオンして、抵抗28と抵抗29の接続点にあるMOS−FET30のゲート電圧は、ソース電圧より小さくなり、印加制御回路27のMOS−FET30が印加(図3(d)の時間T23)する。このため、LEDモジュール2がDC−DCコンバータ8と電気的に接続される。併せて、制御回路14により、時間T24で、擬似豆球点灯回路32のMOS−FET35のゲートへの電圧印加を止める。これより、副LED34に電流が流れなくなる。
【0037】
なお、DC−DCコンバータ8及び印加制御回路27が完全に停止している状態では、LEDモジュール2を装着しても、LEDモジュール2に電流が流れず、LEDモジュール有無判別回路13にも電流が流れない。そのため、DC−DCコンバータ8および印加制御回路27が間欠動作する、あるいは、DC−DCコンバータ8および印加制御回路27をバイパスしてLEDモジュール2に電流を供給するバイパス回路(図示しない)を設けて、LEDモジュール2がLED点灯装置1に接続されたときに、LEDモジュール2(主LED36)を介して、LEDモジュール有無判別回路13に電流が流れるようにしている。
【0038】
時間T25のタイミングにて、制御回路14によってDC−DCコンバータ8の動作を再開する。
【0039】
このように、LEDモジュール2内の主LED36が点灯している時に、LEDモジュール2が出力コネクタ3から外された場合、印加制御回路27にて、LEDモジュール2とDC−DCコンバータ8を非接続にして、DC−DCコンバータ8の発振を停止させ、平滑コンデンサ12のエネルギを、LEDモジュール2内の主LED36とは別の副LED34を一定時間点灯させることに使用し放電させる。このため、LEDモジュール2が再度接続した場合、LEDモジュール2内の主LED36にサージ電流が流れることはないため、サージ電流によるLEDモジュール2内の主LED36の故障を防止できる。
【0040】
以上の実施の形態1のLED点灯装置1は、LEDモジュール2内のLED36が点灯している時に消灯信号が入力された場合、DC−DCコンバータ8の平滑コンデンサ12のエネルギを、「LEDモジュール2内のLED36とは異なるLED34を一定時間点灯させるため」に用いる。すなわち、平滑コンデンサ12のエネルギを有効に利用(例えば就寝前の一定期間の明かり)することができる。併せて、LEDモジュール2内のLED36が点灯している時に、LEDモジュール2を出力コネクタから外した場合に、DC−DCコンバータ8の平滑コンデンサ12のエネルギを、LEDモジュール2内のLED36とは異なるLED34を、一定時間点灯させるために使用し放電する。これによって、LEDモジュール2が再度接続された場合、LEDモジュール2内のLED36にサージ電流が流れることを防止できる。
【符号の説明】
【0041】
1 LED点灯装置、2 LEDモジュール、3 出力コネクタ、4 商用電源、5 調光器、6 整流回路、7 平滑コンデンサ、8 DC−DCコンバータ、9 MOS−FET、10 ダイオード、11 チョークコイル、12 平滑コンデンサ、13 LEDモジュール有無判別回路、14 制御回路、15 制御電源回路、16 抵抗、18 コンデンサ、19 ツェナーダイオード、20 調光制御回路、21 抵抗、23 フォトカプラ、24 抵抗、25 抵抗、26 トランジスタ、27 印加制御回路、28 抵抗、29 抵抗、30 MOS−FET、31 MOS−FET、32 擬似豆球点灯回路、33 抵抗、34 副LED、35 MOS−FET、36 主LED、100 LED照明装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
LED素子を有するLEDモジュールが着脱可能に接続され、前記LEDモジュールを点灯させるLED点灯装置において、
直流電圧を入力し、入力した前記直流電圧の大きさを変換する直流電圧変換部であって、大きさ変換後の前記直流電圧を平滑し、平滑された前記直流電圧を前記LEDモジュールに印加する平滑コンデンサを有し、制御を受けて動作する直流電圧変換部と、
LED素子と制御を受けることでオンとなるスイッチング素子とを備え、前記スイッチング素子と前記LED素子との直列接続からなる補助点灯部であって、前記直流電圧変換部の前記平滑コンデンサの出力端に前記平滑コンデンサと並列に接続される補助点灯部と、
前記直流電圧変換部の前記平滑コンデンサによる前記LEDモジュールへの印加を、制御を受けることで遮断する印加遮断部と、
予め設定された遮断契機信号を入力すると、前記印加遮断部に前記直流電圧変換部の前記平滑コンデンサによる前記LEDモジュールへの印加を遮断させる遮断制御を実行し、前記遮断制御の実行後に、前記補助点灯回路の前記スイッチング素子をオンにするオン制御と、前記直流電圧変換部の動作を停止させる停止制御とを実行する制御部と
を備えたことを特徴とするLED点灯装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記遮断契機信号として、前記LEDモジュールの消灯を指示する消灯制御信号を入力することを特徴とする請求項1記載のLED点灯装置。
【請求項3】
前記LED点灯装置は、
前記直流電圧変換部が動作中の場合に、前記LEDモジュールが接続されているかどうかを検出し、検出した結果を検出結果信号として出力する接続検出部を備え、
前記制御部は、
前記遮断契機信号として、前記LEDモジュールが接続されていないことを示す前記検出結果信号を入力することを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載のLED点灯装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載のLED点灯装置を備えたLED照明器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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