説明

LED照明制御システム

【課題】周りの環境や使用者の使用状況に応じた柔軟な調光制御が行えなかった。
【解決手段】LED26、無線送受信回路21、LED26の点灯・消灯・調光を制御するLED制御部20を有するLED照明管10と、LED照明管10に対してLED26の点灯・消灯・調光の指示を無線で送信する無線リモコン13と、LED照明管10との間で無線により送受信されるデータをインターネット12に中継するインターネット接続モデム14と、インターネット12を介してLED26の調光を制御する制御サーバ11と、インターネット12を介して制御サーバ11に接続される利用者用端末16とを備える。制御サーバ11は、利用者用端末16および制御サーバ11に入力された入力データ、インターネット17から取得する天候に関する情報、およびLED照明管10に対して無線リモコン13から送信されてきた指示情報に基づいてLED26の調光を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LED照明の調光を制御するLED照明制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、照度センサーにより照明負荷の被照射面の照度(以下、照度とする)を検出し、この照度が所定の照度で略一定となるように、照明負荷の光出力の値をフィードバック制御して照明負荷を点灯させる照明装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図6に、特許文献1で提案されている照明灯制御システムのブロック構成図を示す。
【0004】
この照明灯制御システムは、部屋の天井などにインバータ装置105を内蔵した照明灯101と、その近傍に検知装置102を設けている。
【0005】
検知装置102は、照度センサー103で照明灯101の照度を常時検出し、照度判定回路104によって照度センサー103の検出値と予め設定された目標照度範囲の基準値とを比較し、照度が目標照度範囲となるようにインバータ装置105を作動させ、照明灯101の調光を円滑に行わせる。
【0006】
そして、照明灯101の出力が所定出力を超えるようにインバータ装置105を制御してもなお照度センサー103が目標照度範囲内の照度を検出できないときには、警告信号発生回路106によって警報信号を出力し、信号発生装置107がLED等の発光や音声出力などにより使用者に注意を喚起する。
【0007】
以上のような動作により、照明灯101が常に目標照度で周囲を照らすように調光制御するとともに、長期間の使用等により照明灯101の照度が低下してきたことを通知して、照明灯101の交換を使用者に促すことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平5−242972号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、従来の照明灯制御システムでは、予め決められた目標照度範囲になるように調光制御するのみであり、周りの環境に応じた柔軟な調光制御は行えなかった。
【0010】
例えば、外光が入る窓の有る部屋に照明灯101が設けられている場合、同じ目標照度範囲になるように照明灯101の出力を制御しても、使用者は、太陽光が窓から入ってくるときには暗く感じ、曇っているときなどには明るく感じる。
【0011】
したがって、使用者が、照明灯101が設けられている部屋が明るすぎる、または暗すぎると感じないようにするためには、太陽光が窓から入ってくる場合には予め決められた目標照度範囲よりも明るい照度となるように照明灯101の出力を制御し、曇っているときには予め決められた目標照度範囲よりも暗い照度となるように照明灯101の出力を制御すればよいが、従来の照明灯制御システムでは、このような周りの環境に応じた調光制御はできなかった。
【0012】
また、上記した制御内容とは逆に、使用環境によっては、太陽光が窓から入ってくる場合に、太陽光によって明るさが補われるために、その分照明灯101の出力を低減させてもよい場合もある。すなわち、調光の制御方法は画一的に決められるものではなく、使用環境や使用者の感じ方などによって、調光の制御内容を異ならせる必要がある。従来の照明灯制御システムでは、使用環境や使用者の感じ方に応じた調光制御はできなかった。
【0013】
本発明は、上記従来の課題を考慮して、周りの環境や使用者の使用状況に応じて柔軟な調光制御が行えるLED照明制御システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上述した課題を解決するために、第1の本発明は、
LEDが配置されたLED基板と、無線送受信回路と、前記LEDの点灯、消灯および調光を制御するLED制御部とを有するLED照明管と、
前記LED照明管に対して、前記LEDの点灯、消灯および調光の指示を無線で送信する無線リモコンと、
無線により前記LED照明管とデータの送受信を行い、前記無線により送受信されるデータをインターネットに中継するインターネット接続モデムと、
前記インターネットを介して前記インターネット接続モデムに接続され、少なくとも前記LEDの調光を制御する制御サーバと、
前記インターネットを介して、前記制御サーバに接続される利用者用端末とを備えたLED照明制御システムであって、
前記制御サーバは、前記利用者用端末および前記制御サーバ自身に入力された入力データ、前記インターネットから取得する少なくとも天候に関する情報、および前記LED照明管に対して前記無線リモコンから送信されてきた指示情報に基づいて前記LEDの調光を制御する、LED照明制御システムである。
【0015】
また、第2の本発明は、
前記制御サーバは、前記利用者用端末および前記制御サーバ自身に入力された入力データ、および前記インターネットから取得する前記少なくとも天候に関する情報を初期データとして用いて前記LEDの調光を制御し、前記LED照明管に対して前記無線リモコンから送信されてきた前記指示情報を前記LED照明管から前記インターネットを介して受信した場合には、前記指示情報を反映するように学習し、その学習結果にしたがって前記LEDの調光を制御する、第1の本発明のLED照明制御システムである。
【0016】
また、第3の本発明は、
前記LED照明管は、複数あり、
前記制御サーバは、前記LED照明管単位ごとに個別に調光を制御し、所定数以上の前記LED照明管単位に対して前記無線リモコンによる調光が指示された場合には、その指示内容に基づいて、前記調光が指示された以外の前記LED照明管単位の全部または所定割合以上の調光を制御する、第1または第2の本発明のLED照明制御システムである。
【0017】
また、第4の本発明は、
前記LED照明管単位ごとに個別に調光を制御するとは、一の前記LED照明管ごとに調光を制御すること、または一群の複数の前記LED照明管ごとに調光を制御することである、第3の本発明のLED照明制御システムである。
【0018】
また、第5の本発明は、
前記LED照明管は、充電池を有しており、
前記LED照明管へ供給されている電力が停止した場合には、前記LEDは、前記充電池から供給される電力によって発光する、第1〜第4のいずれかの本発明のLED照明制御システムである。
【0019】
また、第6の本発明は、
前記LED照明管は、カメラおよび防犯センサーの少なくともいずれかを有しており、
前記LED制御部は、前記カメラで撮影した映像データおよび前記防犯センサーで検知した検知データの少なくともいずれかを前記インターネットを介して前記制御サーバに通知する、第1〜第5のいずれかの本発明のLED照明制御システムである。
【0020】
また、第7の本発明は、
前記制御サーバは、前記LED照明管ごとに履歴を管理し、
前記利用者端末は、前記インターネットを介して前記制御サーバで管理されている前記履歴を参照できる、第1〜第6のいずれかの本発明のLED照明制御システムである。
【0021】
また、第8の本発明は、
前記LED照明管は、可視光通信モジュールを有しており、他の前記LED照明管との間で可視光通信を行う、第1〜第7のいずれかの本発明のLED照明制御システムである。
【発明の効果】
【0022】
本発明により、周りの環境や使用者の使用状況に応じて柔軟な調光制御が行えるLED照明制御システムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施の形態1のLED照明制御システムの構成図
【図2】本発明の実施の形態1のLED照明制御システムの各装置間の情報の流れを示す図
【図3】(a)〜(f)本発明の実施の形態1の利用者用端末の入力画面例および表示画面例を示す図
【図4】本発明の実施の形態1のLED照明制御システムの接続構成例を示す図
【図5】本発明の実施の形態1の他の構成のLED照明制御システムの構成図
【図6】従来の照明灯制御システムのブロック構成図
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0025】
(実施の形態1)
図1に、本発明の実施の形態1のLED照明制御システムの構成図を示す。
【0026】
本実施の形態1のLED照明管10は、蛍光管に代替可能な形状をしている。すなわちLED照明管10は、蛍光管と同様に両端に電極端子を有し、既存の蛍光灯器具に装着して使用できるものである。
【0027】
そして、宅内には、LED照明管10の他に、LED照明管10のLED26を調光するための調光用リモコン13、LED照明管10との間で無線通信を行うアクセスポイント15、アクセスポイント15をインターネット12に接続するためのブロードバンドルーター14が設置されている。
【0028】
また、宅外において、インターネット12には、LED照明管10のLED26の調光を制御するための制御サーバ11、VPNセッションサーバ27、およびLED照明管10の利用者の端末16が接続される。
【0029】
なお、利用者用端末16は、パソコン、PDA、携帯電話などであり、宅内に設置してインターネット12に接続してもよいし、図1に示すように宅外からインターネット12に接続するようにしてもよい。
【0030】
本実施の形態1のLED照明管10は、その内部に、制御部20、無線送受信部21、ログ保存部22、充電池23、環境センサー24、監視センサー25、およびLED26が配置されたLED基板が設けられている。
【0031】
無線送受信部21は、無線送受信回路を含み、調光用リモコン13およびアクセスポイント15との間でZigBee(登録商標)による無線通信を行う。
【0032】
ログ保存部22は、EEPROMであり、LED照明管10の24時間分のログを保存している。制御部20が、ログとして、LED照明管10の所定時間毎の、消費電流、消費電力、LED26の調光状態、環境センサー24の検知情報、監視センサー25の感知情報などをログ保存部22に記録する。
【0033】
充電池23は、リチウムポリマー等の内蔵バッテリーであり、夜間電力等により蓄電される。そして、LED照明管10への商用電源からの通電が停止したような場合に、充電池23からの電力がLED26に供給されて非常時の点灯に利用される。充電池23による非常時の点灯は、例えば通常時の50%に減光して点灯させる。
【0034】
環境センサー24は、LED照明管10近傍の、温度、湿度、照度などを検知するセンサーである。これらのセンサーは、当初一部のセンサーのみが設けられていて、順次他のセンサーが追加設置されてもよい。
【0035】
監視センサー25は、人感センサー、振動センサー、カメラなどであり、人体の検知や異常な状況を監視するセンサーである。これらのセンサーは、当初設置されていなくてもよく、その後に順次センサーが追加設置されてもよい。また、監視センサー25として、赤外線センサー、煙センサーなどを設置してもよい。なお、監視センサー25が、本発明の防犯センサーの一例にあたる。
【0036】
制御部20は、無線送受信部21で受信した調光用リモコン13からの調光指示情報にしたがってLED26の調光を制御し、また無線送受信部21およびインターネット12を介して、制御サーバ11との間で各種情報の送受信を行う。
【0037】
制御部20は、制御サーバ11から受信する調光制御情報にしたがってLED26の調光を制御するとともに、ログ保存部22に保存している情報、環境センサー24および監視センサー25から取得した検知情報を制御サーバ11へ送信する。
【0038】
なお、制御部20が、本発明のLED制御部の一例にあたる。
【0039】
調光用リモコン13は、LED照明管10に対して、LED26の点灯、消灯および調光を指示する情報をZigBeeプロトコルにより無線で送信し、LED26をローカルに制御する。なお、調光用リモコン13が、本発明の無線リモコンの一例にあたる。
【0040】
アクセスポイント15は、ZigBeeプロトコルによりLED照明管10の無線送受信部21との間で無線通信を行い、ブロードバンドルーター14を介することにより、LED照明管10の制御部20からインターネット12へのアクセスを可能としている。
【0041】
なお、ブロードバンドルーター14とアクセスポイント15を合わせた構成が、本発明のインターネット接続モデムの一例にあたる。
【0042】
図1では、1つのLED照明管10しか記載していないが、アクセスポイント15には、複数のLED照明管10がZigBeeプロトコルによって接続される。ブロードバンドルーター14は、VPN機能およびルータ機能を備えており、インターネット12を介して接続される制御サーバ11から、宅内に設置されている複数のLED照明管10のそれぞれと、個別に通信が可能となっている。
【0043】
制御サーバ11は、アプリケーションサーバ28およびデータベース29を備えている。
【0044】
VPNセッションサーバ27は、ZigBeeアクセスポイントをVPN化し、制御サーバによる、インターネット12を介して接続される複数のLED照明管10の、個別の制御を可能にしている。
【0045】
アプリケーションサーバ28には、LED照明管10の調光を制御するための照明管理ソフトウェアを備えており、インターネット12を介してLED照明管10の調光を制御する。照明管理ソフトウェアは、利用者によって利用者用端末16から入力された情報、制御サーバ11自身から入力したLED照明管10に関する情報、LED照明管10から取得しデータベース29に蓄積している情報、および気象庁HP17などから取得するインターネット12から得られる情報に基づいて、LED照明管10ごとに調光を制御する。
【0046】
データベース29には、利用者に関する顧客情報、LED照明管10からインターネット12を介して取得したLED照明管10ごとの履歴情報などが蓄積されている。
【0047】
利用者用端末16は、インターネット12を介して制御サーバ11にアクセス可能であり、データベース29に蓄積されているLED照明管10の履歴情報などを参照できるとともに、制御サーバ11に対してLED照明管10に対する調光指示を送信することもできる。
【0048】
次に、図1〜図3を用いて、本実施の形態1のLED照明制御システムの動作について説明する。
【0049】
図2は、本実施の形態1のLED照明制御システムの各装置間の情報の流れを示している。図3(a)〜(f)は、それぞれ、利用者用端末16における入力画面例および表示画面例を示している。
【0050】
まず、LED照明管10を使用する利用者が、利用者用端末16から、LED照明管10の設置場所に関する情報を入力する。LED照明管10の設置場所に関する情報とは、設置されている場所の住所、建物の高さ、何階に設置されているか、部屋の広さ、窓の有無、窓から設置されている位置までの距離、などの情報である。利用者は、アプリケーションサーバ28によってインターネット12上に提供されているページに利用者用端末16からログインし、これらの利用者情報36を入力する。例えば、図3(a)は利用者のログイン画面を示している。利用者がログイン情報を入力すると図3(b)のような画面が表示され、この画面で「基本情報」を選択すると、図3(c)のような画面が表示され、利用者情報36を入力できるようになる。
【0051】
また、制御サーバ11自身からも、LED照明管10に関する情報を入力する。例えば、利用者用端末16から利用者が入力した住所の情報から、LED照明管10が設置されている場所の経度および緯度情報を求めて入力する。経度および緯度情報と、日付時間情報、LED照明管10が設置されている階数、窓の位置などの情報から、時間毎の日射角度を求めることができる。経度および緯度情報は、インターネット上の情報を利用することにより、住所から容易に求めることができる。
【0052】
制御サーバ11は、LED照明管10毎に、個別に各種設定情報30を設定する。各種設定情報30とは、例えば日付や時間情報などである。
【0053】
また、制御サーバ11は、利用者用端末16および制御サーバ11自身に入力された情報と、気象庁HP17から得られる天候に関する情報に基づいて、LED照明管10毎に調光制御情報31を作成し、LED照明管10に送信してLED26の調光を制御する。気象庁HP17から得られる天候に関する情報とは、LED照明管10が設置されている場所における情報であり、例えば、その場所の天気情報、降水量、気温、湿度、風向き、風速などの情報である。
【0054】
これらの天候に関する情報は、例えば、気象庁HP17から取得できるHTML文書の中から、対象とするLED照明管10が設置されている地域における天候に関する情報データを抽出するプログラムを作成して、アプリケーションサーバ28が有する照明管理ソフトウェアに組み込んでおき、自動的に取得できるようにしてもよい。このようにすることにより、人間が介在することなく、制御サーバ11によって全自動でLED照明管10の調光を制御することができる。
【0055】
また、制御サーバ11によって自動的にこれらの天候に関する情報を取得するのではなく、制御サーバ11の管理者が、気象庁HP17を見て、対象とするLED照明管10が設置されている地域における天候に関する情報を確認し、その確認した情報を制御サーバ11に入力するようにしてもよい。
【0056】
また、制御サーバ11は、LED照明管10に対して、定期的に状態確認32を行う。例えば、30分おきに、LED照明管10の環境センサー24で検知された情報を取得する。
【0057】
LED照明管10の制御部20は、制御サーバ11から受信した調光制御情報31にしたがってLED26の調光を制御するが、そのLED照明管10が設置されている場所の使用者が、LED26が明るすぎるまたは暗すぎると感じた場合には、その使用者は調光用リモコン13を利用してそのLED16の明るさをローカルに調整する。
【0058】
制御部20は、無線送受信部21を介して、調光用リモコン13からの調光指示情報33を受信した場合には、その内容にしたがってLED26の発光を調光するとともに、その調光された状態を示す調光状態情報34を制御サーバ11に送信する。
【0059】
制御サーバ11は、定期的状態確認32によってLED照明管10から状態情報を取得した場合、および調光状態情報34を取得した場合には、それらの情報を履歴情報としてデータベース29に記録する。
【0060】
その後、制御サーバ11は、利用者用端末16および制御サーバ11自身に入力された情報と、気象庁HP17から得られる天候に関する情報とともに、データベース29に記録した履歴情報にも基づいてLED照明管10毎の調光制御情報31を作成し、LED照明管10に送信してLED26の調光を制御する。つまり、利用者によってローカルの調光制御が行われたという状況を学習して、その結果を反映した制御が行われることになる。
【0061】
このように制御することにより、LED照明管10が設置されている場所の使用者の要望に沿って調光を制御することができる。例えば、その場所に居る使用者が、最初に設定された調光制御内容では暗すぎると感じた場合には、調光用リモコン13でLED16が明るくなるように調整され、その調整内容が履歴情報としてデータベース29に記録される。そして、その後は、データベース29に記録されたその履歴情報にも基づいて調光が制御されるので、最初に設定された調光制御内容よりも明るくなるように制御されることになる。すなわち、その場所に居る使用者の要望に沿った調光制御がされることになる。
【0062】
また、利用者用端末16からも、LED26の調光制御をローカルに行うことができる。アプリケーションサーバ28によってインターネット12上に提供されているページに利用者用端末16からログインし、図3(b)に示す画面で「調光設定」を選択すると、図3(f)のような画面が表示される。利用者が、この画面で調光設定を行うと、その設定に応じた調光指示情報37が制御サーバ11に送信される。
【0063】
制御サーバ11は、利用者用端末16から調光指示情報37を受信すると、その指示内容に応じた調光制御情報31を作成し、指示されたLED照明管10に送信する。LED照明管10の制御部20は、その調光制御情報31にしたがってLED26の発光を調光することにより、利用者が利用者用端末16に設定したローカルの設定にしたがった調光制御が実現される。
【0064】
また、制御サーバ11は、利用者用端末16から調光指示情報37を受信したときには、その指示内容にしたがった調光制御情報31の内容を履歴情報としてデータベース29に記録する。
【0065】
したがって、その後、利用者用端末16から入力された調光指示情報37の内容も反映して調光の制御が行われるようになる。つまり、利用者からローカルの調光制御が行われたという状況を学習して、その結果を反映した制御が行われる。
【0066】
また、利用者は、利用者用端末16から、データベース29に蓄積されている履歴情報や管理情報を参照することもできる。アプリケーションサーバ28によってインターネット12上に提供されているページに利用者用端末16からログインし、図3(b)に示す画面で「エコモニター」を選択すると、図3(d)のような画面が表示される。さらに図3(d)において、所望のグラフを選択すると、図3(e)のように選択したグラフが拡大表示される。
【0067】
これにより、利用者は、離れた場所から複数のLED照明管10についての個別の消費電力や、その時間的な推移などを把握することができる。これにより、利用者は、LED照明管10のメンテナンス管理や寿命管理を行うことができる。
【0068】
また、LED照明管10の制御部20は、監視センサー25が人体や異常を検知した場合には、即座にその監視センサー情報35を制御サーバ11に通知する。
【0069】
制御サーバ11は、監視センサー情報35が、例えば人の入室を示す情報の場合には、それまでよりもLED26を明るくさせる調光制御情報31を作成して、LED照明管10に送信し、LED26が明るくなるよう制御させる。
【0070】
また、制御サーバ11受信した監視センサー情報35が、振動センサーによって地震を検知したような場合や、煙センサーによって火災を検知したような場合、また人感センサ0やカメラによって不審者の侵入を検知した場合には、インターネット12を介して利用者に通知するようにしたり、警報装置を作動させるようにしてもよい。
【0071】
本実施の形態1のLED照明制御システムは、このような動作とすることにより、防犯セキュリティ監視システムとしても利用できる。
【0072】
また、制御サーバ11が、複数のLED照明管10の調光を制御する場合において、あるLED照明管10の調光制御内容を他のLED照明管10に反映させるような制御をしてもよい。
【0073】
図4は、本実施の形態1のLED照明制御システムの接続構成例を示している。制御サーバ11はインターネット12を介して、複数のLED照明管10を個別に制御できるので、図4のように離れた複数の場所に設置されたLED照明管10を1台の制御サーバ11で制御することができる。
【0074】
例えば、図4に示す、A工場、B工場、C工場が比較的近い場所にある場合に、A工場とB工場の窓の近くに設置されているLED照明管10の所定割合(例えば、50%)以上において所定の短い時間内にローカルで明るくなるよう調光された場合、天候によって外が急に暗くなったと判断して、A工場およびB工場の窓の近くに設置されている他のLED照明管10も明るくなるように制御する調光制御情報31を作成、送信して調光させるように制御してもよい。また、C工場も近くの場所にあるので、C工場の窓の近くに設置されているLED照明管10に対しても明るくなるように制御する調光制御情報31を作成、送信して明るく調光させるように制御してもよい。
【0075】
次に、図5に、本実施の形態1の他の構成のLED照明制御システムの構成図を示す。図1と同じ構成部分には、同じ符号を用いている。
【0076】
ここでは、図1の構成と異なる部分について説明する。
【0077】
図1に示すLED照明管10が、その内部に監視センサー25を備えていたのに対し、図5に示すLED照明制御システムでは、監視センサー43をLED照明管18の外部の別の場所に設置している点が異なる。
【0078】
また、図5に示すLED照明管18は、内部に可視光通信部41および受光部42を備えている点が、図1に示したLED照明管10と異なる。なお、可視光通信部41が、本発明の可視光通信モジュールの一例にあたる。
【0079】
なお、図5に示すLED照明管19は、LED照明管18と同じ構成のものである。
【0080】
監視センサー43は、監視センサー25と同様に、人体の検知や異常な状況を監視するセンサーである。
【0081】
監視センサー43は、ZigBeeプロトコルによる無線送信機能を備えており、LED照明管18の無線送受信部21との間で無線通信を行う。
【0082】
監視センサー43は、人体の検知や異常な状況を検知すると、その情報をLED照明管18の無線送受信部21に送信する。LED照明管18の制御部40は、無線送受信部21を介して監視センサー43からの検知情報を受信すると、その情報に対応する図2に示した監視センサー情報35を制御サーバ11に送信する。以降の動作は、図1のLED照明制御システムにおいて監視センサー25が人体の検知や異常な状況を検知した場合と同様である。
【0083】
可視光通信部41は、制御部40から渡されたデータを、LED26を点滅制御させることによって可視光通信により送信する。また、可視光通信部41は、受光部42で受光した他のLED照明管19からの可視光の点滅情報から取得した可視光通信による受信データを制御部40に渡す。
【0084】
このようにして、LED照明管18およびLED照明管19の制御部40同士の間で、可視光通信によるデータの送受信が行われる。
【0085】
なお、本実施の形態1の制御サーバ11は、1本ずつのLED照明管10を個別に制御するようにしてもよいし、複数本のLED照明管10を一単位として、その単位ごとに個別に制御するようにしてもよい。複数本のLED照明管10の一単位として、例えば、窓に近い位置に設置されている複数本の組としたり、狭い部屋の場合にはその部屋に含まれる全てのLED照明管10を一つの単位としてもよい。
【0086】
また、人は、点灯直後は暗さを感じ易いのに対して点灯して所定時間した後に少し暗くなっても暗くなったことを感じ難いという傾向があるので、アプリケーションサーバ28の照明管理ソフトウェアによる調光制御として、点灯時は少し明るめに設定しておき、その後、所定期間後に少し暗くなるように徐々に減光していくような制御としてもよい。このように制御することにより、使用者にとって不快感なく、節電することができる。
【0087】
また、本実施の形態では、各機器間の無線通信にZigBeeプロトコルを用いることとしたが、他の無線方式を利用するものであってもよい。例えば、ブルートゥース(登録商標)、Wi−fi(登録商標)、Wi−max(登録商標)、GSM、RFなど、どのような無線方式であってもよい。
【0088】
以上に説明したように、本発明のLED照明制御システムを用いると、複数のLED照明管10を、個別に、それぞれの設置場所の環境や使用者の要望に応じて制御することができる。
【0089】
本発明のLED照明制御システムは、複数の場所にある工場や事務所などのLED照明の制御および管理を、集中して行うことを実現できる。したがって、制御サーバ11によって、複数の会社の工場や事務所などのLED照明の制御および管理を個別に行うことも実現できる。
【産業上の利用可能性】
【0090】
本発明に係るLED照明制御システムは、周りの環境や使用者の使用状況に応じて柔軟な調光制御が行える効果を有し、LED照明の調光を制御するLED照明制御システム等として有用である。
【符号の説明】
【0091】
10、18、19 LED照明管
11 制御サーバ
12 インターネット
13 調光用リモコン
14 ブロードバンドルーター
15 アクセスポイント
16 利用者用端末
17 気象庁HP
20 制御部
21 無線送受信部
22 ログ保存部
23 充電池
24 環境センサー
25 監視センサー
26 LED
27 VPNセッションサーバ
28 アプリケーションサーバ
29 データベース
30 各種設定情報
31 調光制御情報
32 定期的状態確認
33 調光指示情報
34 調光状態情報
35 監視センサー情報
36 利用者情報
37 調光指示情報
38 履歴・管理情報
40 制御部
41 可視光通信部
43 監視センサー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
LEDが配置されたLED基板と、無線送受信回路と、前記LEDの点灯、消灯および調光を制御するLED制御部とを有するLED照明管と、
前記LED照明管に対して、前記LEDの点灯、消灯および調光の指示を無線で送信する無線リモコンと、
無線により前記LED照明管とデータの送受信を行い、前記無線により送受信されるデータをインターネットに中継するインターネット接続モデムと、
前記インターネットを介して前記インターネット接続モデムに接続され、少なくとも前記LEDの調光を制御する制御サーバと、
前記インターネットを介して、前記制御サーバに接続される利用者用端末とを備えたLED照明制御システムであって、
前記制御サーバは、前記利用者用端末および前記制御サーバ自身に入力された入力データ、前記インターネットから取得する少なくとも天候に関する情報、および前記LED照明管に対して前記無線リモコンから送信されてきた指示情報に基づいて前記LEDの調光を制御する、LED照明制御システム。
【請求項2】
前記制御サーバは、前記利用者用端末および前記制御サーバ自身に入力された入力データ、および前記インターネットから取得する前記少なくとも天候に関する情報を初期データとして用いて前記LEDの調光を制御し、前記LED照明管に対して前記無線リモコンから送信されてきた前記指示情報を前記LED照明管から前記インターネットを介して受信した場合には、前記指示情報を反映するように学習し、その学習結果にしたがって前記LEDの調光を制御する、請求項1に記載のLED照明制御システム。
【請求項3】
前記LED照明管は、複数あり、
前記制御サーバは、前記LED照明管単位ごとに個別に調光を制御し、所定数以上の前記LED照明管単位に対して前記無線リモコンによる調光が指示された場合には、その指示内容に基づいて、前記調光が指示された以外の前記LED照明管単位の全部または所定割合以上の調光を制御する、請求項1または2に記載のLED照明制御システム。
【請求項4】
前記LED照明管単位ごとに個別に調光を制御するとは、一の前記LED照明管ごとに調光を制御すること、または一群の複数の前記LED照明管ごとに調光を制御することである、請求項3に記載のLED照明制御システム。
【請求項5】
前記LED照明管は、充電池を有しており、
前記LED照明管へ供給されている電力が停止した場合には、前記LEDは、前記充電池から供給される電力によって発光する、請求項1〜4のいずれかに記載のLED照明制御システム。
【請求項6】
前記LED照明管は、カメラおよび防犯センサーの少なくともいずれかを有しており、
前記LED制御部は、前記カメラで撮影した映像データおよび前記防犯センサーで検知した検知データの少なくともいずれかを前記インターネットを介して前記制御サーバに通知する、請求項1〜5のいずれかに記載のLED照明制御システム。
【請求項7】
前記制御サーバは、前記LED照明管ごとに履歴を管理し、
前記利用者端末は、前記インターネットを介して前記制御サーバで管理されている前記履歴を参照できる、請求項1〜6のいずれかに記載のLED照明制御システム。
【請求項8】
前記LED照明管は、可視光通信モジュールを有しており、他の前記LED照明管との間で可視光通信を行う、請求項1〜7のいずれかに記載のLED照明制御システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−238572(P2010−238572A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−86124(P2009−86124)
【出願日】平成21年3月31日(2009.3.31)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(301049571)八洲電業株式会社 (12)
【Fターム(参考)】