説明

LED電球

【課題】既存の位相制御方式の調光器を備えた照明設備において、LED電球の安定な調光を低コストで実現する。
【解決手段】LED電球100は、整流器3、チョッパー型DC−DC変換器4、LED直列回路5、マイクロコンピュータ6、チョッパー型DC−DC変換器4等の制御を行うマイクロコンピュータ6、減衰回路30を含んで構成される。マイクロコンピュータ6は、減衰回路30により減衰された交流電圧に基づいて、調光器2のオン期間(トライアックのオン期間)を検出し、検出されたオン期間に応じて、チョッパー型DC−DC変換器4のMOSトランジスタT1に印加されるスイッチング制御信号Csのデューティーを制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LED電球に関し、特に、調光制御可能なLED電球に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、白色LEDの普及に伴い、省電力化のために白色LEDは照明として使用されるようになっている。一般に、白色LEDの点灯電圧は約3Vと低く、白色LEDに流れる駆動電流を一定に制御することにより、その明るさが一定になるように制御されている。
【0003】
図5は、従来のLED電球の構成図である。このLED電球は、整流回路51、定電流回路52及びLED直列回路53により構成され、Eベースの口金を有する電球型本体の中に封入されている。整流回路51は、商用交流電源50からの交流電圧を直流電圧に変換して出力する。定電流回路52は、整流回路51により出力された直流電圧を各白色LEDに印加される点灯電圧が約3Vとなるように降圧すると共に、複数の白色LEDを直列に接続してなるLED直列回路53に一定の駆動電流を供給する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−190899号公報
【特許文献2】特開2011−44353号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
既存の位相制御方式の調光器を備えた照明設備において、白熱電球を上述のLED電球で置き換えることを考えた場合、LED電球の調光制御を行うことはできない。これは、LED電球は、定電流回路52を備えているため、調光器により商用交流電源50からの交流電圧を変化させても、LED直列回路53に流れる駆動電流は変化しないためである。また、調光器により商用交流電源50からの交流電圧を変化させた場合、定電流回路52に過度の負荷がかかり、定電流回路52が破壊するおそれもある。
【0006】
そこで、LED電球の中に赤外線受光器を内蔵し、調光器を用いることなく、LED電球の外部の赤外線リモコンを操作して定電流回路52の駆動電流を制御することにより、LED電球の調光制御を行うことも考えられる。しかしながら、このような赤外線通信方式では、LED電球のコストが高くなると共に、シャンデリアのように多くのLED電球を使う照明器具では、LED電球間の調光制御の同期がとれないという問題がある。
【0007】
そこで、本発明は、既存の位相制御方式の調光器を用いて、LED電球の安定な調光制御を低コストで実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のLED電球は、複数のLEDが直列接続されてなるLED直列回路と、位相制御方式の調光器により位相制御された交流電圧を直流電圧に変換して出力する整流器と、スイッチング制御信号に応じてスイッチングするスイッチング素子を含み、前記整流器から出力された直流電圧を降圧し、前記LED直列回路に駆動電流を出力するチョッパー型DC−DC変換器と、前記調光器により位相制御された交流電圧を減衰する減衰回路と、CPUと、ROMを含み、前記ROMに格納されたプログラムに従って、前記減衰回路により減衰された前記交流電圧と基準電圧とを比較し、その比較結果に基づいて前記調光器のオン期間を検出し、検出された前記オン期間に応じて、デューティーが制御された前記スイッチング制御信号を生成することにより、前記駆動電流の電流値を制御するマイクロコンピュータと、を備えることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、既存の位相制御方式の調光器を備えた照明設備において、白熱電球をLED電球で置き換えるだけで、調光器を用いて、LED電球の安定な調光を低コストで実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態におけるLED電球の構成図である。
【図2】位相制御方式の調光器からの交流電圧を示す図である。
【図3】本発明の実施形態におけるPWM回路の構成図である。
【図4】本発明の実施形態におけるPWM回路の波形図である。
【図5】従来例のLED電球の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、本発明の実施形態におけるLED電球100の構成図である。図示のよう
に、LED電球100は、整流器3、チョッパー型DC−DC変換器4、LED直列
回路5、マイクロコンピュータ6、位相制御方式の調光器2からの交流電圧をマイクロコンピュータ6が検出可能なレベルに減衰させてマイクロコンピュータ6に供給する減衰回路30、チョッパー型DC−DC変換器4等の制御を行うマイクロコンピュータ6を含んで構成され、これらはEベースの口金を有する電球型本体の中に封入されている。
【0012】
マイクロコンピュータ6は、減衰回路30により減衰された交流電圧に基づいて、調光器2のオン期間(トライアックのオン期間)を検出し、検出されたオン期間に応じて、チョッパー型DC−DC変換器4のMOSトランジスタT1に印加されるスイッチング制御信号Csのデューティー(スイッチング制御信号Csの1周期におけるHレベルとLレベルの期間の比率)を制御する。これにより、チョッパー型DC−DC変換器4からLED直列回路5に供給される駆動電流Iが調光器2のオン期間に応じて制御されるようになり、LED直列回路5のLEDの調光制御を可能にしたものである。
【0013】
以下、LED電球100の構成を詳しく説明する。調光器2は、LED電球100の外部の既存設備として提供されるものであり、例えば特許文献2で公知のように、商用交流電源1(例えば、AC100V)からの交流電圧の位相制御を行う双方向性3端子サイリスタ(以下、トライアックという)を含んで構成されている。そして、このトライアックのオン、オフによって、商用交流電源1からのLED電球100への電力供給が制御される。
【0014】
つまり、トライアックがオンの期間は商用交流電源1からの電力供給が行われ、トライアックがオフの期間は商用交流電源1からの電力供給が遮断される。トライアックがオフからオンになるまでの遅延時間は、可変抵抗及びコンデンサによる時定数回路によって制御される。トライアックのオフ期間にこの時定数回路を充電し、コンデンサの端子電圧が所定値に到達することで、トライアックを導通させるのである。ユーザーは、可変抵抗を構成するボリュームのつまみを操作することで可変抵抗の抵抗値を変化させて、LED電球100への電力供給を制御可能である。
【0015】
調光器2により位相制御された交流電圧は、調光器2の出力端子AC1,AC2を介して、整流器3に入力される。整流器3は、ダイオードブリッジ回路を含んで構成され、調光器2により位相制御された交流電圧を全波整流することにより、直流電圧に変換して出力する回路である。平滑コンデンサC1は、整流器3からの直流電圧が出力される出力線7と接地線8との間に接続され、当該直流電圧を平滑化する。
【0016】
チョッパー型DC−DC変換器4は、マイクロコンピュータ6からのスイッチング制御信号Csに応じてスイッチングするMOSトランジスタT1を含み、平滑コンデンサC1により平滑化された直流電圧を降圧し、LED直列回路5に駆動電流Iを出力する。
【0017】
チョッパー型DC−DC変換器4は、詳しくは、MOSトランジスタT1、チョークコイルL、ダイオードD1、出力コンデンサC2により構成されている。MOSトランジスタT1のソースは、整流器3の出力線7に接続されている。チョークコイルLの一端は、MOSトランジスタT1のドレインに接続され、チョークコイルLの一端の他端はチョッパー型DC−DC変換器4の出力線9に接続されている。ダイオードD1のカソードは、MOSトランジスタT1のドレインに接続され、ダイオードD1のアノードは接地線8に接続されている。出力コンデンサC2は、チョークコイルLの他端と接地線8の間に接続されている。
【0018】
MOSトランジスタT1がNチャネル型の場合、スイッチング制御信号CsがHレベルの時、MOSトランジスタT1はオン状態であり、スイッチング制御信号CsがLレベルの時、MOSトランジスタT1はオフ状態である。MOSトランジスタT1がオンすると、MOSトランジスタT1に流れる電流により、チョークコイルLにエネルギーが蓄えられる。MOSトランジスタT1がオフすると、チョークコイルLは電流を保とうとして起電力を発生させ、ダイオードD1を通して駆動電流Iが出力線9に出力される。すなわち、スイッチング制御信号Csのデューティーの設定により、整流器3から出力された直流電圧を降圧すると共に、LED直列回路5に出力される駆動電流Iの電流値を制御することができる。
【0019】
LED直列回路5は、複数のLED(例えば、10個のLED)を直列接続してなる第1、第2及び第3の直列LED群5A,5B,5Cを含んで構成される。第1、第2及び第3の直列LED群5A,5B,5Cは互いに並列に接続されている。これらの第1、第2及び第3の直列LED群5A,5B,5Cは、チョッパー型DC−DC変換器4の出力線9と、接地線8の間に接続されている。第1、第2及び第3の直列LED群5A,5B,5CにおけるLEDの個数はそれぞれ同じであり、第1、第2及び第3の直列LED群5A,5B,5Cには、駆動電流Iの1/3ずつが流れるようになっている。なお、第1、第2及び第3の直列LED群5A,5B,5Cの群数、各群のLED個数は、照明として必要とされる明るさに応じて、増減することができる。
【0020】
次に、マイクロコンピュータ6の構成を説明する。マイクロコンピュータ6は、CPU10、プログラムが格納されたROM11、バス12、コンパレータ13、PWM回路(Pulse Width Modulation Circuit)14を含んで構成されている。CPU10は、ROM11に格納されたプログラムを実行することにより、検出、制御の動作を行う。
【0021】
まず、調光器2により位相制御された交流電圧に基づいて、調光器2のオン期間(トライアックのオン期間)を検出するための構成を説明する。調光器2により位相制御された交流電圧の振幅は例えば100Vあるため、このままでは、例えば3V〜5Vという電圧で動作するマイクロコンピュータ6で調光器2のオン期間を検出することはできない。そこで、減衰回路30により、交流電圧の振幅レベルをマイクロコンピュータ6の入力電圧規格に適合するように減衰させる。減衰回路30は、調光器2の一方の出力端子AC1と接地の間に、抵抗R1,R2を直列接続してなる抵抗分圧回路により構成することができる。この場合、抵抗R1,R2の接続点から減衰された交流電圧が得られる。
【0022】
図2(a)に、調光器2により位相制御された交流電圧の波形を示す。また、図2(b)に、減衰回路30により減衰された交流電圧の波形を示す。図2においては、調光器2のオン期間(トライアックのオン期間)は、一例として、交流電圧の周期の半分の期間としている。そして、コンパレータ13は、減衰回路30により減衰された交流電圧と、基準電圧Vrefとを比較することにより、減衰回路30により減衰された交流電圧を図2(c)のようなデジタル信号に変換して出力する。この場合、基準電圧Vrefは接地電位(0V)付近に設定される。
【0023】
即ち、コンパレータ13の出力は調光器2のオン期間TON(交流電圧の一周期におけるトライアックのオン期間)にはHレベルになり、オフ時間にはLレベルになる。コンパレータ13の出力はバス12を介して、不図示のレジスタ又はCPU10に転送される。CPU10は、コンパレータ13の出力に基づいて、調光器2のオン期間TONを検出する。
【0024】
次に、マイクロコンピュータ6により検出された調光器2のオン期間TONに応じて、チョッパー型DC−DC変換器4のMOSトランジスタT1に印加されるスイッチング制御信号Csのデューティーを制御するための構成を説明する。
【0025】
マイクロコンピュータ6はPWM回路14を内蔵している。PWM回路14は、検出された調光器2のオン期間TONに応じて、デューティーが変化するスイッチング制御信号Csを発生する回路である。この場合、調光器2のオン期間が長いほど、MOSトランジスタT1のオン期間が長くなるように、スイッチング制御信号Csのデューティーを制御する。MOSトランジスタT1のオン期間が長ければ、その分、チョークコイルLにより大きなエネルギーが蓄えられる。
【0026】
これにより、調光器2のオン期間が長いほど、LED直列回路5に大きい駆動電流Iを流し、LEDの発光輝度を高くすることができる。逆に、調光器2のオン期間が短いほど、LED直列回路5に小さい駆動電流Iを流し、LEDの発光輝度を低くすることができる。
【0027】
PWM回路14は、マイクロコンピュータ6が本来備えている出力ポート(出力回路)により簡単に構成することができるが、図3のような回路で構成することもできる。
【0028】
この場合、PWM回路14は、レジスタ20、D/A変換器(デジタル・アナログ変換器)21、三角波発生器22、コンパレータ23で構成することができる。レジスタ20には、バス12を介して、検出された調光器2のオン期間TONに対応したデジタル信号がセットされる。D/A変換器21は当該デジタル信号を直流レベルのアナログ電圧Vcに変換する。コンパレータ23は、三角波発生器22により発生された三角波電圧と、アナログ電圧Vcとを比較する。スイッチング制御信号Csは、三角波電圧>アナログ信号Vcの時は、Hレベルになり、三角波電圧<アナログ信号Vcの時は、Lレベルになる。
【0029】
これにより、図4に示すように、アナログ信号Vcのレベルに応じて、デューティーが変化するスイッチング制御信号Csを発生することができる。そして、前述のように、スイッチング制御信号Csのデューティーの設定により、LED直列回路5に出力される駆動電流Iの電流値を制御することができる。
【0030】
このように、検出された調光器2のオン期間TONに応じて、駆動電流Iの電流値を制御することができるが、その駆動電流Iの電流値を一定に維持することがLED直列回路5の各LEDの発光輝度を一定に維持する上で必要である。そこで、駆動電流Iを検出して、その電流値を一定に保つように、スイッチング制御信号Csのデューティーを制御することが好ましい。そのための構成としては、駆動電流Iの電流経路、例えば、接地線8に電流検出抵抗R3が挿入される。また、マイクロコンピュータ6内には、電流検出抵抗R3の両端の電圧をデジタル信号に変換して出力するA/D変換器15が設けられる。
【0031】
A/D変換器16からのデジタル信号はバス12を介して、不図示のレジスタ又はCPU10に送られる。そして、マイクロコンピュータ6のCPU10は、調光器2のオン期間TONに応じて駆動電流Iを制御した後に、A/D変換器15から出力された前記デジタル信号に基づいて、駆動電流Iの電流値を検出し、その検出結果に応じて、駆動電流Iの電流値を一定に維持するように、スイッチング制御信号Csのデューティーを制御する。
【0032】
また、LED直列回路5の各LEDは、点灯電圧は約3Vに維持されることが必要である。しかし、LEDは少しの電圧変化で明るさが大きく変わるので、定電流で駆動するのが好ましい。そこで、チョッパー型DC−DC変換器4の出力電流電圧を検出し、その検出結果に応じて、前記出力電流電圧を一定に維持するように、スイッチング制御信号Csのデューティーを制御することが好ましい。
【0033】
そのための構成として、マイクロコンピュータ6内に、チョッパー型DC−DC変換器4の出力線9に出力される出力電流電圧を、R3によりを電圧に変換し読み取るため、デジタル信号に変換して出力するA/D変換器16が設けられる。A/D変換器16からのデジタル信号はバス12を介して、不図示のレジスタ又はCPU10に送られる。
【0034】
そして、マイクロコンピュータ6のCPU10は、A/D変換器1615から出力された前記デジタル信号に基づいて、チョッパー型DC−DC変換器4の出力電流電圧を検出し、その検出結果に応じて、前記出力電流電圧を一定に維持するように、スイッチング制御信号Csのデューティーを制御する。
【0035】
また、回路の故障などでチョッパー型DC−DC変換器4の出力電圧が、必要以上に上がりすぎないように、出力線9の電圧をマイクロコンピュータ6のCPU10は、A/D変換器15から出力された前記デジタル信号に基づいて、チョッパー型DC−DC変換器4の出力電圧を監視し、制御する必要が有る。その制御方法は前記の電流制御と同じく、スイッチング制御信号Csのデューティーを制御する。この出力電圧と駆動電流Iの2つの制御は、電流制御が優先される。
【0036】
また、前述のように、第1、第2及び第3の直列LED群5A,5B,5Cを含んで構成され、それぞれ駆動電流Iの1/3が流れるようになっている。しかしながら、
例えば、第1の直列LED群5Aの1つのLEDが製品寿命により破壊され、第1の直列LED群5Aに駆動電流Iの1/3が流れない場合、残りの第2及び第3の直列LED群5B,5Cに、全体の駆動電流Iの1/2が流れることになる。つまり、第2及び第3の直列LED群5B,5Cには、当初の3/2倍の駆動電流が流れることになる。これにより、第2及び第3の直列LED群5B,5を構成するLEDも破壊するおそれがある。
【0037】
そこで、第1、第2及び第3の直列LED群5A,5B,5CのLEDの破壊を検出し、スイッチング制御信号CsをLレベルに固定することで、チョッパー型DC−DC変換器4のMOSトランジスタT1をオフに設定し、駆動電流Iが流れないようにすることが好ましい。そのための構成としては、第1、第2及び第3の直列LED群5A,5B,5Cに、それぞれ直列に接続された第1、第2及び第3の破壊検出抵抗R4,R5,R6を設ける。つまり、第1、第2及び第3の破壊検出抵抗R4,R5,R6は、それぞれ第1、第2及び第3の直列LED群5A,5B,5Cと接地線8の間に接続される。また、マイクロコンピュータ6内に、第1、第2及び第3の直列LED群5A,5B,5Cと、第1、第2及び第3の破壊検出抵抗R4,R5,R6との各接続ノードの電位をデジタル信号に変換するA/D変換器17,18,19が設けられる。
【0038】
A/D変換器16,17,18からのデジタル信号はバス12を介して、不図示のレジスタ又はCPU10に送られる。CPU10は、A/D変換器17,18,19のデジタル信号が所定値により小さいか否かにより、第1、第2及び第3の直列LED群5A,5B,5Cが破壊したかどうか検知する。そして、第1、第2及び第3の直列LED群5A,5B,5Cのいずれかが破壊したことを検知した場合に、スイッチング制御信号CsをLレベルに固定することにより、チョッパー型DC−DC変換器4のMOSトランジスタT1をオフに設定する。
【0039】
例えば、第1の直列LED群5Aの1つのLEDが破壊され、電流が流れなくなった場合、抵抗R4にも電流が流れなくなるため、第1直列LED群5Aと第1の破壊検出抵抗R4との接続ノードの電位は接地電位の近くに低下する。
【0040】
すると、CPU10は、A/D変換器17のデジタル信号が所定値により低下したことに基づいて、第1直列LED群5Aが破壊したことを検知し、チョッパー型DC−DC変換器4のMOSトランジスタT1をオフに設定する。これにより、チョッパー型DC−DC変換器4は動作を停止するので、駆動電流Iは流れなくなり、残りの第2及び第3の直列LED群5B,5Cの破壊を防止することができる。そして、ユーザーは、破壊した第1の直列LED群5AのLEDを交換すれば、LED電球100は正常に機能するようになる。
【符号の説明】
【0041】
1 商用交流電源 2 調光器 3 整流器
4 チョッパー型DC−DC変換器4 5 LED直列回路5
6 マイクロコンピュータ 7 出力線 8 接地線
9 出力線 10 CPU 11 ROM
12 バス 13 コンパレータ 14 PWM回路
15,16,17,18,19 A/D変換器
20 レジスタ 21 D/A変換器 22 三角波発生器
23 コンパレータ 30 減衰回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のLEDが直列接続されてなるLED直列回路と、
位相制御方式の調光器により位相制御された交流電圧を直流電圧に変換して出力する整流器と、
スイッチング制御信号に応じてスイッチングするスイッチング素子を含み、前記整流器から出力された直流電圧を降圧し、前記LED直列回路に駆動電流を出力するチョッパー型DC−DC変換器と、
前記調光器により位相制御された交流電圧を減衰する減衰回路と、
CPUと、ROMを含み、前記ROMに格納されたプログラムに従って、前記減衰回路により減衰された前記交流電圧と基準電圧とを比較し、その比較結果に基づいて前記調光器のオン期間を検出し、検出された前記オン期間に応じて、デューティーが制御された前記スイッチング制御信号を生成することにより、前記駆動電流の電流値を制御するマイクロコンピュータと、を備えることを特徴とするLED電球。
【請求項2】
前記マイクロコンピュータは、前記調光器のオン期間が長いほど、前記スイッチング素子のオン期間が長くなるように前記スイッチング制御信号のデューティーを制御することを特徴とする請求項1に記載のLED電球。
【請求項3】
前記減衰回路は、位相制御された交流電圧が出力される前記調光器の出力端子と接地の間に直列に接続された第1及び第2の抵抗とを備え、前記第1抵抗と前記第2の抵抗との接続ノードから前記減衰された交流電圧を得ることを特徴とする請求項1又は2に記載のLED電球。
【請求項4】
前記駆動電流の電流経路に挿入された電流検出抵抗を備え、
前記電流検出抵抗の両端の電圧をデジタル信号に変換して出力するA/D変換器と、
前記マイクロコンピュータは、前記駆動電流を前記オン期間に応じて制御した後に、
前記A/D変換器から出力された前記デジタル信号に基づいて、前記駆動電流の電流値を検出し、その検出結果に応じて、前記駆動電流の電流値を一定に保つように、前記スイッチング制御信号のデューティーを制御することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のLED電球。
【請求項5】
前記LED直列回路は、複数のLEDを直列接続してなる第1の直列LED群と、
前記第1の直列LED群と直列接続された第1の破壊検出抵抗と、複数のLEDを直列接続してなる第2の直列LED群と、前記第1の直列LED群と直列接続された第2の破壊検出抵抗と、を含み、
前記マイクロコンピュータは、前記第1の直列接続LED群と前記第1の破壊検出抵抗との第1の接続ノードの電位と、前記第2の直列LED群と前記第2の破壊検出抵抗との第2の接続ノードの電位の電位を検出し、第1の接続ノードの電位と第2の接続ノードの電位のいずれかが所定の電位より低下した時に、前記スイッチング素子をオフに設定することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のLED電球。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−243498(P2012−243498A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−111134(P2011−111134)
【出願日】平成23年5月18日(2011.5.18)
【出願人】(300057230)セミコンダクター・コンポーネンツ・インダストリーズ・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー (119)
【Fターム(参考)】