説明

N−カルバモイルアミノ化合物の製造方法

【課題】合成中間体として有用なN−カルバモイルアミノ化合物の製造方法等を提供すること。
【解決手段】式(1)


(式中、Rは直鎖状又は環状のアルキル基を表わす。該アルキル基は置換基を有していてもよく、該アルキル基の炭素数は1〜6である。)
で表わされるイソ尿素化合物に、当該イソ尿素化合物を対応するN−カルバモイルアミノ化合物に変換する能力を有する酵素(以下、本酵素と記すこともある。)又は該酵素の産生能を有する微生物(以下、本微生物と記すこともある。)の培養物若しくはその処理物を作用させる反応工程を含むことを特徴とする、式(2)


で表わされるN−カルバモイルアミノ化合物の製造方法等。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、N−カルバモイルアミノ化合物の製造方法等に関する。
【背景技術】
【0002】
5−(アミノメチル)−2−クロロチアゾールは、医薬品、農薬品等の合成中間体であることが知られている(例えば、特許文献1参照)。
当該化合物の製造方法としては、イソチオシアン酸アリル誘導体に塩素化剤を反応させた後、液体アンモニア又はヘキサメチレンテトラミンを反応させる方法が特許文献1に記載されている。
N−カルバモイルアミノ化合物は、5−(アミノメチル)−2−クロロチアゾールの前駆体となりうる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平4−234864号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、合成中間体として有用なN−カルバモイルアミノ化合物の製造方法等を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、このような状況下鋭意検討を行った結果、本発明に至った。
即ち、本発明は、
1.式(1)

(式中、Rは直鎖状又は環状のアルキル基を表わす。該アルキル基は置換基を有していてもよく、該アルキル基の炭素数は1〜6である。)
で表わされるイソ尿素化合物に、当該イソ尿素化合物を対応するN−カルバモイルアミノ化合物に変換する能力を有する酵素(以下、本酵素と記すこともある。)又は該酵素の産生能を有する微生物(以下、本微生物と記すこともある。)の培養物若しくはその処理物を作用させる反応工程を含むことを特徴とする、式(2)

で表わされるN−カルバモイルアミノ化合物の製造方法(以下、本発明製造方法と記すこともある。);
2.前記反応工程が、前記イソ尿素化合物に、シュードモナス(Pseudomonas)属及びステノトロフォモナス(Stenotrophomonas)属からなる群より選ばれる1以上の微生物若しくはその処理物を作用させる反応工程であることを特徴とする前項1記載の製造方法;
3.前記微生物が、下記の微生物群Aから選ばれる少なくとも1つ以上の微生物であることを特徴とする前項1記載の製造方法;
<微生物群A>
アクチノプラネス・ウタヘンシス(Actinoplanes utahensis)、アエロモナス・リクエファシエンス(Aeromonas liquefaciens)、アルスロバクター・エスピー(Arthrobacter sp.)、アウレオバシジウム・プルランス(Aureobasidium pullulans)、バシラス・ブレビス(Bacillus brevis)、バシラス・モリタイ(Bacillus moritai)、クリプトコッカス・フミコルス(Cryptococcus humicolus)、クルイベロマイセス・マルシアヌス(Kluyveromyces marxianus)、マイコバクテリウム・ディエルンホフェリ(Mycobacterium diernhoferi)、ピキア・アノマラ(Pichia anomala)、ピキア・アノマラ(Pichia anomala)、シュードモナス・プチダ(Pseudomonas putida)、シュードモナス・ストラミネア(Pseudomonas straminea)、シュードノカルディア・オートトロフィカ(Pseudonocardia autotrophica)、ロドコッカス・エスピー(Rhodococcus sp.)、ステノトロホモナス・ニトリティレデュセンス(Stenotrophomonas nitritireducens)、ステノトロフォモナス・リゾフィラ(Stenotrophomonas rhizophila)、ステノトロフォモナス・エスピー(Stenotrophomonas sp.)、ストレプトマイセス・カルノサス(Streptomyces carnosus)、トリコスポロン・アクアタイル(Trichosporon aquatile)
4.前記微生物が、下記の微生物群Bから選ばれる少なくとも1つ以上の微生物であることを特徴とする前項1記載の製造方法;
<微生物群B>
アクチノプラネス・ウタヘンシス(Actinoplanes utahensis) IFO 13244t、アエロモナス・リクエファシエンス(Aeromonas liquefaciens) IFO 12978、アルスロバクター・エスピー(Arthrobacter sp.) ATCC 27778、アウレオバシジウム・プルランス(Aureobasidium pullulans) IFO6353、バシラス・ブレビス(Bacillus brevis) IFO 3331、バシラス・モリタイ(Bacillus moritai) ATCC 21282、クリプトコッカス・フミコルス(Cryptococcus humicolus) IFO 1527、クルイベロマイセス・マルシアヌス(Kluyveromyces marxianus) IFO 0541、マイコバクテリウム・ディエルンホフェリ(Mycobacterium diernhoferi) IFO 3707、ピキア・アノマラ(Pichia anomala) IFO 0963、ピキア・アノマラ(Pichia anomala) IFO 1181、シュードモナス・プチダ(Pseudomonas putida) IAM 1002、シュードモナス・プチダ(Pseudomonas putida) IFO 14671、シュードモナス・プチダ(Pseudomonas putida) IFO 14796、シュードモナス・プチダ(Pseudomonas putida) JCM 6156、シュードモナス・プチダ(Pseudomonas putida) JCM 6157、シュードモナス・ストラミネア(Pseudomonas straminea) JCM 2783t、シュードノカルディア・オートトロフィカ(Pseudonocardia autotrophica)IFO 12743T、ロドコッカス・エスピー(Rhodococcus sp.) ATCC 19148、ステノトロホモナス・ニトリティレデュセンス(Stenotrophomonas nitritireducens) JCM13311、ステノトロフォモナス・リゾフィラ(Stenotrophomonas rhizophila)JCM13333、ステノトロフォモナス・エスピー(Stenotrophomonas sp.) SC-1(FERM-BP 10785)、ストレプトマイセス・カルノサス(Streptomyces carnosus) IFO 13025t、トリコスポロン・アクアタイル(Trichosporon aquatile) ATCC 22310
5.式(1)

(式中、Rは直鎖状又は環状のアルキル基を表わす。該アルキル基は置換基を有していてもよく、該アルキル基の炭素数は1〜6である。)
で表わされるイソ尿素化合物を、式(2)

で表わされるN−カルバモイルアミノ化合物に変換するための触媒としての、当該イソ尿素化合物を対応するN−カルバモイルアミノ化合物に変換する能力を有する酵素又は該酵素の産生能を有する微生物の培養物若しくはその処理物の使用(以下、本発明使用と記すこともある。);
等を提供するものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明により、新たなN−カルバモイルアミノ化合物の製造方法等を提供することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本明細書に記載される発明は記載されている特定の方法論、プロトコ−ル、及び、試薬に限定されず、可変であると考えられる。また、本明細書で用いる用語は単に特定の実施形態を記載するためのものであり、本発明の範囲を何ら限定するものではないと考えられる。
特に断りの無い限り、本明細書で用いる全ての技術用語、及び、化学用語は、本発明が属する技術分野の熟練者に共通に理解されているものと同じ意味を持つ。本発明を実施又は試験する上で、本明細書に記載されているものと同様又は同等の方法、及び、材料のいずれを用いてもよいが、以下、好ましい方法、装置、及び、材料を記載する。
【0008】
以下、更に詳細に本発明を説明する。
本発明製造方法は、式(2)

で表わされるN−カルバモイルアミノ化合物(以下、化合物(2)と記すこともある。)の製造方法であり、式(1)

(式中、Rは直鎖状又は環状のアルキル基を表わす。該アルキル基は置換基を有していてもよく、該アルキル基の炭素数は1〜6である。)
で表わされるイソ尿素化合物(以下、化合物(1)と記すこともある。)に、当該イソ尿素化合物を対応するN−カルバモイルアミノ化合物に変換する能力を有する酵素又は該酵素の産生能を有する微生物の培養物若しくはその処理物を作用させる反応工程を含む。
【0009】
ここで、化合物(1)における「直鎖状又は環状のアルキル基」としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基等の直鎖状のアルキル基、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の環状アルキル基等を挙げることができる。該アルキル基は置換基を有していてもよく、該置換基としては、例えば、炭素数1〜4程度の直鎖状アルキル基、ハロゲン原子、炭素数1〜4程度の直鎖状アルコキシ基等が挙げられ、置換基を有する(直鎖状又は環状の)アルキル基としては、例えば、イソプロピル基、t−ブチル基等の分枝状アルキル基、例えば、フルオロメチル基、クロロメチル基、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基等のハロゲン化アルキル基、例えば、メトキシメチル基等のアルコキシアルキル基等が挙げられる。
好ましいRとしては、例えば、メチル基、エチル基等が挙げられる。
【0010】
本発明製造方法において用いられる触媒としての酵素又は該酵素の産生能を有する微生物の培養物若しくはその処理物は、化合物(1)を化合物(2)に変換する能力を有する。このような能力を有する微生物(即ち、本微生物)としては、シュードモナス(Pseudomonas)属及びステノトロフォモナス(Stenotrophomonas)属からなる群より選ばれる1以上の微生物を挙げることができる。
また、このような能力を有する微生物(即ち、本微生物)としては、下記の微生物群Aから選ばれる少なくとも1つ以上の微生物を挙げることができる。
<微生物群A>
アクチノプラネス・ウタヘンシス(Actinoplanes utahensis)、アエロモナス・リクエファシエンス(Aeromonas liquefaciens)、アルスロバクター・エスピー(Arthrobacter sp.)、アウレオバシジウム・プルランス(Aureobasidium pullulans)、バシラス・ブレビス(Bacillus brevis)、バシラス・モリタイ(Bacillus moritai)、クリプトコッカス・フミコルス(Cryptococcus humicolus)、クルイベロマイセス・マルシアヌス(Kluyveromyces marxianus)、マイコバクテリウム・ディエルンホフェリ(Mycobacterium diernhoferi)、ピキア・アノマラ(Pichia anomala)、ピキア・アノマラ(Pichia anomala)、シュードモナス・プチダ(Pseudomonas putida)、シュードモナス・ストラミネア(Pseudomonas straminea)、シュードノカルディア・オートトロフィカ(Pseudonocardia autotrophica)、ロドコッカス・エスピー(Rhodococcus sp.)、ステノトロホモナス・ニトリティレデュセンス(Stenotrophomonas nitritireducens)、ステノトロフォモナス・リゾフィラ(Stenotrophomonas rhizophila)、ステノトロフォモナス・エスピー(Stenotrophomonas sp.)、ストレプトマイセス・カルノサス(Streptomyces carnosus)、トリコスポロン・アクアタイル(Trichosporon aquatile)
更に、このような能力を有する好ましい微生物としては、例えば、下記の微生物群Bから選ばれる少なくとも1つ以上の微生物を挙げることができる。
<微生物群B>
アクチノプラネス・ウタヘンシス(Actinoplanes utahensis) IFO 13244t、アエロモナス・リクエファシエンス(Aeromonas liquefaciens) IFO 12978、アルスロバクター・エスピー(Arthrobacter sp.) ATCC 27778、アウレオバシジウム・プルランス(Aureobasidium pullulans) IFO6353、バシラス・ブレビス(Bacillus brevis) IFO 3331、バシラス・モリタイ(Bacillus moritai) ATCC 21282、クリプトコッカス・フミコルス(Cryptococcus humicolus) IFO 1527、クルイベロマイセス・マルシアヌス(Kluyveromyces marxianus) IFO 0541、マイコバクテリウム・ディエルンホフェリ(Mycobacterium diernhoferi) IFO 3707、ピキア・アノマラ(Pichia anomala) IFO 0963、ピキア・アノマラ(Pichia anomala) IFO 1181、シュードモナス・プチダ(Pseudomonas putida) IAM 1002、シュードモナス・プチダ(Pseudomonas putida) IFO 14671、シュードモナス・プチダ(Pseudomonas putida) IFO 14796、シュードモナス・プチダ(Pseudomonas putida) JCM 6156、シュードモナス・プチダ(Pseudomonas putida) JCM 6157、シュードモナス・ストラミネア(Pseudomonas straminea) JCM 2783t、シュードノカルディア・オートトロフィカ(Pseudonocardia autotrophica)IFO 12743T、ロドコッカス・エスピー(Rhodococcus sp.) ATCC 19148、ステノトロホモナス・ニトリティレデュセンス(Stenotrophomonas nitritireducens) JCM13311、ステノトロフォモナス・リゾフィラ(Stenotrophomonas rhizophila)JCM13333、ステノトロフォモナス・エスピー(Stenotrophomonas sp.) SC-1(FERM-BP 10785)、ストレプトマイセス・カルノサス(Streptomyces carnosus) IFO 13025t、トリコスポロン・アクアタイル(Trichosporon aquatile) ATCC 22310
【0011】
これら菌株は天然から分離してもよいし、各菌株保存機関より購入することにより容易に入手することができる。更にステノトロフォモナス・エスピー(Stenotrophomonas sp.)としては寄託番号FERM-BP 10785として製品評価技術基盤機構・生物資源部門に登録されている菌株がより好ましい。
このような菌株を購入できる各菌株保存機関として、例えば、下記の菌株保存機関を挙げることができる。
【0012】
1.IFO(Institute of Fermentation Osaka:財団法人 醗酵研究所)
現在は、独立行政法人 製品評価技術基盤機構 生物遺伝資源部門(NBRC)で取り扱い可能であり、入手に際しては http://www.nbrc.nite.go.jp/NBRC2/NBRCDispSearchServlet?lang=jp にアクセスすればよい。
2.ATCC(American Type Culture Collection)
住商ファーマインターナショナル株式会社 ATCC事業グループで取り扱い可能であり、入手に際しては http://www.summitpharma.co.jp/japanese/service/s_ATCC.html にアクセスすればよい。
3.IAMカルチャーコレクション
現在は、IAMカルチャーコレクション保存菌株のうち、細菌、酵母、糸状菌の場合には独立行政法人 理化学研究所バイオリソースセンター微生物材料開発室(JCM)に、また微細藻類の場合には独立行政法人 国立環境研究所微生物系統保存施設(NIES)に移管されている。入手に際しては http://www.jcm.riken.go.jp/JCM/aboutJCM_J.shtml、http://mcc.nies.go.jp/aboutOnlineOrder.do にアクセスすればよい。
4.JCM(理化学研究所微生物系統保存施設 (Japan Collection of Microorganisms, JCM)
現在は、独立行政法人理化学研究所バイオリソースセンター (RIKEN BRC) 微生物材料開発室に移管されている。入手に際しては http://www.jcm.riken.go.jp/JCM/aboutJCM_J.shtml にアクセスすればよい。
【0013】
また、本発明製造方法において用いられる触媒としての酵素又は該酵素の産生能を有する微生物の培養物若しくはその処理物は、化合物(1)を化合物(2)に変換する能力を有する酵素又は微生物を探索することにより入手・調製することもできる。具体的には、例えば、試験管に滅菌済み培地5mlを入れ、これに各菌株保存機関より購入することにより入手された菌体又は土壌中から純粋分離することにより調製された菌体を植菌する。これを30℃で好気条件下、振盪培養する。培養終了後、遠心分離により菌体を回収することにより、生菌体を得る。得られる生菌体に0.2Mリン酸カリウムバッファー(pH7)を1.5ml加え、懸濁後、ジメチルスルホキシド15μlに溶解したN−(2−クロロチアゾール−5−イルメチル)−O−メチルイソ尿素を1.5mg添加した後、得られる混合物を30℃で2〜3日間振盪させる。
反応終了後、反応液をサンプリングし、反応液中に生成するN−(2−クロロチアゾール−5−イルメチル)−尿素の量を液体クロマトグラフィー等により分析する。
このようにして、イソ尿素化合物を対応するN−カルバモイルアミノ化合物に変換する能力を有する酵素の産生能を有する微生物を選抜する。
【0014】
次に、本微生物の調製方法について説明する。
本微生物は、炭素源、窒素源、有機塩、無機塩等を適宜含有する各種の微生物を培養するための培地を用いて培養すればよい。
【0015】
炭素源としては、例えば、グルコ−ス、デキストリン、シュ−クロ−ス等の糖類、グリセロ−ル等の糖アルコ−ル、フマル酸、クエン酸、ピルビン酸等の有機酸、動物油、植物油及び糖蜜が挙げられる。これらの炭素源の培地への添加量は培養液に対して通常0.1%(w/v)〜30%(w/v)程度である。
【0016】
窒素源としては、例えば、肉エキス、ペプトン、酵母エキス、麦芽エキス、大豆粉、コ−ン・スティ−プ・リカ−(Corn Steep Liquor)、綿実粉、乾燥酵母、カザミノ酸等の天然有機窒素源、アミノ酸類、硝酸ナトリウム等の無機酸のアンモニウム塩、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウム等の無機酸のアンモニウム塩、フマル酸アンモニウム、クエン酸アンモニウム等の有機酸のアンモニウム塩及び尿素が挙げられる。これらのうち有機酸のアンモニウム塩、天然有機窒素源、アミノ酸類等は多くの場合には炭素源としても使用することができる。これらの窒素源の培地への添加量は培養液に対して通常0.1%(w/v)〜30%(w/v)程度である。
【0017】
有機塩や無機塩としては、例えば、カリウム、ナトリウム、マグネシウム、鉄、マンガン、コバルト、亜鉛等の塩化物、硫酸塩、酢酸塩、炭酸塩及びリン酸塩を挙げることができる。具体的には、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸マグネシウム、硫酸第一鉄、硫酸マンガン、塩化コバルト、硫酸亜鉛、硫酸銅、酢酸ナトリウム、炭酸カルシウム、リン酸水素一カリウム及びリン酸水素二カリウムが挙げられる。これらの有機塩及び/又は無機塩の培地への添加量は培養液に対して通常0.0001%(w/v)〜5%(w/v)程度である。
【0018】
培養方法としては、例えば、固体培養、液体培養(試験管培養、フラスコ培養、ジャーファーメンター培養等)が挙げられる。
培養温度及び培養液のpHは、本微生物が生育する範囲であれば特に限定されるものではないが、例えば、培養温度は約15℃〜約45℃の範囲、培養液のpHは約4〜約8の範囲を挙げることができる。培養時間は、培養条件により適宜選択することができるが、通常、約1日間〜約7日間である。
【0019】
本微生物の培養物は、そのまま本発明製造方法の触媒として用いることができる。本微生物の培養物を用いる方法のうち、本微生物の菌体をそのまま用いる方法としては、例えば、(1)培養液をそのまま用いる方法、(2)培養液を遠心分離等することにより回収された菌体(必要に応じて、緩衝液又は水で洗浄した後の湿菌体)を用いる方法等を挙げることができる。
【0020】
また本発明製造方法の触媒として、本微生物の培養物の処理物を用いることもできる。当該処理物としては、例えば、培養して得られた菌体を有機溶媒(アセトン、エタノール等)処理したもの、凍結乾燥処理したもの若しくはアルカリ処理したもの、又は、菌体を物理的若しくは酵素的に破砕したもの、又は、これらのものから分離・抽出された粗酵素等を挙げることができる。さらに、前記処理物には、前記処理を施した後、公知の方法により固定化処理したものも含まれる。
【0021】
本微生物の培養物から本酵素を精製する方法としては、通常のタンパク質の精製において使用される方法を適用すればよい。例えば、次のような方法を挙げることができる。
【0022】
まず、本微生物の培養物から遠心分離等により菌体を集めた後、これを超音波処理、ダイノミル処理、フレンチプレス処理等の物理的破砕法又は界面活性剤若しくはリゾチ−ム等の溶菌酵素を用いる化学的破砕法等によって破砕する。得られた破砕液から遠心分離、メンブレンフィルタ−濾過等により不純物を除去することにより無細胞抽出液を調製し、これを陽イオン交換クロマトグラフィ−、陰イオン交換クロマトグラフィ−、疎水クロマトグラフィ−、ゲルろ過クロマトグラフィ−、金属キレ−トクロマトグラフィ−等の分離精製方法を適宜用いて分画することによって、本酵素を精製することができる。
クロマトグラフィ−に使用する担体としては、例えば、カルボキシメチル(CM)基、ジエチルアミノエチル(DEAE)基、フェニル基若しくはブチル基を導入したセルロ−ス、デキストリン又はアガロ−ス等の不溶性高分子担体が挙げられる。市販の担体充填済カラムを用いることもでき、かかる市販の担体充填済カラムとしては、例えば、Q−Sepharose FF、Phenyl−Sepharose HP(商品名、いずれもアマシャム ファルマシア バイオテク社製)、TSK−gel G3000SW(商品名、東ソ−社製)等が挙げられる。
尚、本酵素を含む画分を選抜するには、例えば、本発明における「イソ尿素化合物を対応するN−カルバモイルアミノ化合物に変換する能力」の存在有無又はその程度に基づき選抜すればよい。
【0023】
具体的な形態としては、例えば、本微生物の培養物、かかる培養物の処理物(例えば、無細胞抽出液、粗精製タンパク質、精製タンパク質及びこれらの固定化物等)を挙げることができる。ここで、培養物の処理物としては、例えば、凍結乾燥微生物、有機溶媒処理微生物、乾燥微生物、微生物摩砕物、微生物の自己消化物、微生物の超音波処理物、微生物抽出物、微生物のアルカリ処理物を挙げることができる。また、固定化物を得る方法としては、例えば、担体結合法(シリカゲルやセラミック等の無機担体、セルロ−ス、イオン交換樹脂等に本酵素等を吸着させる方法)及び包括法(ポリアクリルアミド、含硫多糖ゲル(例えばカラギ−ナンゲル)、アルギン酸ゲル、寒天ゲル等の高分子の網目構造の中に本酵素等を閉じ込める方法)を挙げることができる。
【0024】
尚、本微生物を用いた工業的な生産を考慮すれば、未処理状態の微生物を用いる方法よりも当該微生物を死滅化させた処理物を用いる方法のほうが製造設備の制限等の点から好ましい場合がある。そのための死菌化処理方法としては、例えば、物理的殺菌法(加熱、乾燥、冷凍、光線、超音波、濾過、通電)や、化学薬品を用いる殺菌法(アルカリ、酸、ハロゲン、酸化剤、硫黄、ホウ素、砒素、金属、アルコ−ル、フェノ−ル、アミン、サルファイド、エ−テル、アルデヒド、ケトン、シアン、抗生物質)を挙げることができる。一般的には、これらの殺菌法のうちできるだけ本酵素の前記「イソ尿素化合物を対応するN−カルバモイルアミノ化合物に変換する能力」を失活させず、且つ、反応系への残留、汚染等の影響が少ない処理方法を選択することが望ましい。
【0025】
本発明製造方法は、通常、水の存在下で行われる。この場合の水は、緩衝液の形態であってもよい。当該緩衝液に用いられる緩衝剤としては、例えば、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム等のリン酸のアルカリ金属塩、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム等の酢酸のアルカリ金属塩等が挙げられる。
また本発明製造方法は、更に疎水性有機溶媒を用いて、水と疎水性有機溶媒との存在下で行うこともできる。この場合に用いられる疎水性有機溶媒としては、例えば、ギ酸エチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブチル等のエステル類、n−ブチルアルコール、n−アミルアルコール、n−オクチルアルコール等のアルコール類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル等のエーテル類、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類及びこれらの混合物を挙げることができる。
また本発明製造方法は、更に親水性有機溶媒を用いて、水と水性媒体との存在下で行うこともできる。この場合に用いられる親水性有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール等のアルコール類、アセトン等のケトン、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、ジメチルスルホキシド及びこれらの混合物を挙げることができる。
【0026】
本発明製造方法は、通常、水層のpHが3〜10の範囲内で行われるが、反応が進行する範囲内で適宜変化させてもよい。
【0027】
本発明製造方法は、通常、約0℃〜約60℃の範囲内で行われるが、反応が進行する範囲内で適宜変化させてもよい。
【0028】
本発明製造方法は、通常、約0.5時間〜約10日間の範囲内で行われる。反応の終点は、原料化合物である式(1)で示されるイソ尿素化合物(即ち、化合物(1))の添加終了後、例えば、反応液中の当該式(1)で示されるイソ尿素化合物の量を、液体クロマトグラフィー、ガスクロマトグラフィー等により測定することにより確認することができる。
【0029】
本発明製造方法における原料化合物である式(1)で示されるイソ尿素化合物(即ち、化合物(1))の濃度は、通常、50%(w/v)以下であり、反応系中の当該式(1)で示されるイソ尿素化合物の濃度を略一定に保つために、当該式(1)で示されるイソ尿素化合物(即ち、化合物(1))を反応系に連続又は逐次加えてもよい。
【0030】
本発明製造方法では、必要に応じて反応系に、例えば、グルコース、シュークロース、フルクトース等の糖類、又は、TritonX−100若しくはTween60等の界面活性剤等を加えることもできる。
【0031】
反応液からの式(2)で表わされるN−カルバモイルアミノ化合物の回収は、一般に知られている任意の方法で行えばよい。
例えば、反応液の有機溶媒抽出操作、濃縮操作等の後処理を、必要によりカラムクロマトグラフィ−、蒸留等を組み合わせて、行うことにより精製する方法を挙げることができる。
【0032】
原料化合物である式(1)で示されるイソ尿素化合物(即ち、化合物(1))の製造方法としては、例えば、5−(アミノメチル)−2−クロロチアゾールと式(3)

(式中、Rは前記と同じ意味を表わす。)
で表わされる化合物(以下、化合物(3)と記すことがある)とを混合することにより、例えば、下記のようにして得ることができる。
化合物(3)としては、例えば、O−メチル−N−ニトロイソ尿素、O−エチル−N−ニトロイソ尿素等を挙げることができる。
【0033】
特開平10−120666号公報の実施例1〜16に準じた方法に従い、まず、5−(アミノメチル)−2−クロロチアゾールと化合物(3)とを水中、室温で反応させることにより、式(4)

(式中、Rは前記と同じ意味を表わす。)
で表わされる化合物(以下、化合物(4)と記すことがある)を主として製造し、次いで得られた化合物(4)を脱ニトロ化することにより、化合物(1)を得ればよい。
【0034】
尚、上記方法では、化合物(4)を主として製造する際に、副生物として化合物(1)も直接的に製造されるため、これを回収して利用してもよい。
より具体的には例えば、5−(アミノメチル)−2−クロロチアゾールと化合物(3)とを反応させて、中間体として有用な化合物(4)を製造する方法としては、化合物(3)を、必要に応じて、水に溶解させた後、10℃〜35℃程度の温度で5−(アミノメチル)−2−クロロチアゾールを混合して、化合物(4)及び化合物(1)を含む混合物を得、結晶として析出する化合物(4)を濾過、遠心分離等で固液分離して、化合物(4)を取り出す方法等を挙げることができる。そして、結晶として化合物(4)を取り出した濾液は、化合物(1)を含む水溶液として得ることができる。
【実施例】
【0035】
次に実施例を挙げて、本発明をさらに詳しく説明する。
【0036】
参考例1 <化合物(1)の製造方法>
N−(2−クロロチアゾール−5−イルメチル)−O−メチル−N’−ニトロイソ尿素(化合物(4)のRがメチル基である化合物)50gをアセトニトリル400mL中で攪拌しながら、当該混合物に28%アンモニウム水58.6gを25〜30℃で滴下した。
得られた混合物を1時間保温した後、減圧下アセトニトリルを留去した。得られた残渣を酢酸エチル120mLで希釈し、無水硫酸マグネシウム5gで脱水、不溶成分を濾過して減圧濃縮した。
このように得られた油状物質にトルエン50mL、n−ヘキサン30mLを加えて溶解し、得られた溶解物にn−ヘキサンを徐々に加えていくと結晶が析出した。これを濾取した後、同様にトルエン/n−ヘキサンより再結晶して濾取し、次いで減圧乾燥することにより、N−(2−クロロチアゾール−5−イルメチル)−O−メチルイソ尿素の白色結晶18gを得た。得られた白色結晶の物性は下記の通りであった。
【0037】
<白色結晶の物性>
液体クロマトグラフィー面積百分率による純度:98.3%
融点:71〜72℃
1H−NMR:3.7(s,3H)、4.4(s,2H)、4.9(s,2H)、7.4(s,1H)
【0038】
参考例2 <化合物(2)の製造方法>
シアン酸カリウム24.3gを水340mLに溶解し、当該溶解物に50℃で5−(アミノメチル)−2−クロロチアゾール塩酸塩水溶液(含量35wt%)135gを滴下した。
得られた混合物を1時間保温すると結晶が析出した。これを室温まで冷却した後、これを濾過して温水で洗浄し、次いで減圧乾燥することにより、N−(2−クロロチアゾール−5−イルメチル)−尿素の白色結晶45gを得た。得られた白色結晶の物性は下記の通りであった。
【0039】
<白色結晶の物性>
液体クロマトグラフィー面積百分率による純度:98.6%
融点:173℃
1H−NMR:4.3(s,2H)、5.7(s,2H)、6.6(s,1H)、7.5(s,1H)
【0040】
実施例1 (本発明製造方法による、イソ尿素化合物からのN−カルバモイルアミノ化合物の製造例)
試験管に滅菌済み培地(1Lの水に、グルコース20g、ポリペプトン5g、酵母エキス3g、肉エキス3g、硫酸アンモニウム2g、リン酸2水素カリウム1g及び硫酸マグネシウム7水和物0.5gを加えた後、pHを7.0に調整したもの)5mlを入れ、これに表1で示された各種の菌体を植菌した。これを30℃で好気条件下、振盪培養した。培養終了後、遠心分離により菌体を回収することにより、生菌体を得た。ねじ口試験管に0.2Mリン酸カリウムバッファー(pH7)を1.5ml入れ、これに上記の生菌体を加えた後、懸濁した。得られた懸濁液に、ジメチルスルホキシド15μlに溶解したN−(2−クロロチアゾール−5−イルメチル)−O−メチルイソ尿素を1.5mg添加した後、得られた混合物を30℃で2〜3日間振盪させた。
反応終了後、反応液を0.6mlサンプリングした。サンプリングされた反応液から菌体を除去した後、反応液中に生成したN−(2−クロロチアゾール−5−イルメチル)−尿素の量を液体クロマトグラフィーにより分析した。得られた結果を表1に示す。
【0041】
<含量分析条件>
カラム:Cadenza CD−C18(4.6mmφ×15cm、3μm)(Imtakt社製)
移動相:A液 (5mmol/Lオクタンスルホン酸ナトリウム+50mmol/Lリン酸2水素カリウム水溶液、B液 アセトニトリル
時間(分) A液(%):B液(%)
0 90:10、
10 90:10、
30 50:50、
45 50:50、
45.1 90:10
流量:1ml/分
カラム温度:40℃
検出:254nm
【0042】
【表1】

【0043】
実施例2 (イソ尿素化合物を対応するN−カルバモイルアミノ化合物に変換する能力を有する酵素の産生能を有する微生物の探索方法)
試験管に滅菌済み培地(1Lの水に、グルコース20g、ポリペプトン5g、酵母エキス3g、肉エキス3g、硫酸アンモニウム2g、リン酸2水素カリウム1g及び硫酸マグネシウム7水和物0.5gを加えた後、pHを7.0に調整したもの)5mlを入れ、これに、各菌株保存機関より購入することにより入手された菌体又は土壌中から純粋分離することにより調製された菌体を植菌する。これを30℃で好気条件下、振盪培養する。培養終了後、遠心分離により菌体を回収することにより、生菌体を得る。ねじ口試験管に0.2Mリン酸カリウムバッファー(pH7)を1.5ml入れ、これに上記の生菌体を加えた後、懸濁する。得られる懸濁液に、ジメチルスルホキシド15μlに溶解したN−(2−クロロチアゾール−5−イルメチル)−O−メチルイソ尿素を1.5mg添加した後、得られる混合物を30℃で2〜3日間振盪させる。
反応終了後、反応液を0.6mlサンプリングする。サンプリングされた反応液から菌体を除去した後、反応液中に生成するN−(2−クロロチアゾール−5−イルメチル)−尿素の量を液体クロマトグラフィーにより分析する。
このようにして、イソ尿素化合物を対応するN−カルバモイルアミノ化合物に変換する能力を有する酵素の産生能を有する微生物を選抜する。
【0044】
<含量分析条件>
カラム:Cadenza CD−C18(4.6mmφ×15cm、3μm)(Imtakt社製)
移動相:A液 (5mmol/Lオクタンスルホン酸ナトリウム+50mmol/Lリン酸2水素カリウム水溶液、B液 アセトニトリル
時間(分) A液(%):B液(%)
0 90:10、
10 90:10、
30 50:50、
45 50:50、
45.1 90:10
流量:1ml/分
カラム温度:40℃
検出:254nm
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明により、新たなN−カルバモイルアミノ化合物の製造方法等を提供することが可能となる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(1)

(式中、Rは直鎖状又は環状のアルキル基を表わす。該アルキル基は置換基を有していてもよく、該アルキル基の炭素数は1〜6である。)
で表わされるイソ尿素化合物に、当該イソ尿素化合物を対応するN−カルバモイルアミノ化合物に変換する能力を有する酵素又は該酵素の産生能を有する微生物の培養物若しくはその処理物を作用させる反応工程を含むことを特徴とする、式(2)

で表わされるN−カルバモイルアミノ化合物の製造方法。
【請求項2】
前記反応工程が、前記イソ尿素化合物に、シュードモナス(Pseudomonas)属及びステノトロフォモナス(Stenotrophomonas)属からなる群より選ばれる1以上の微生物若しくはその処理物を作用させる反応工程であることを特徴とする請求項1記載の製造方法。
【請求項3】
前記微生物が、下記の微生物群Aから選ばれる少なくとも1つ以上の微生物であることを特徴とする請求項1記載の製造方法。
<微生物群A>
アクチノプラネス・ウタヘンシス(Actinoplanes utahensis)、アエロモナス・リクエファシエンス(Aeromonas liquefaciens)、アルスロバクター・エスピー(Arthrobacter sp.)、アウレオバシジウム・プルランス(Aureobasidium pullulans)、バシラス・ブレビス(Bacillus brevis)、バシラス・モリタイ(Bacillus moritai)、クリプトコッカス・フミコルス(Cryptococcus humicolus)、クルイベロマイセス・マルシアヌス(Kluyveromyces marxianus)、マイコバクテリウム・ディエルンホフェリ(Mycobacterium diernhoferi)、ピキア・アノマラ(Pichia anomala)、ピキア・アノマラ(Pichia anomala)、シュードモナス・プチダ(Pseudomonas putida)、シュードモナス・ストラミネア(Pseudomonas straminea)、シュードノカルディア・オートトロフィカ(Pseudonocardia autotrophica)、ロドコッカス・エスピー(Rhodococcus sp.)、ステノトロホモナス・ニトリティレデュセンス(Stenotrophomonas nitritireducens)、ステノトロフォモナス・リゾフィラ(Stenotrophomonas rhizophila)、ステノトロフォモナス・エスピー(Stenotrophomonas sp.)、ストレプトマイセス・カルノサス(Streptomyces carnosus)、トリコスポロン・アクアタイル(Trichosporon aquatile)
【請求項4】
前記微生物が、下記の微生物群Bから選ばれる少なくとも1つ以上の微生物であることを特徴とする請求項1記載の製造方法。
<微生物群B>
アクチノプラネス・ウタヘンシス(Actinoplanes utahensis) IFO 13244t、アエロモナス・リクエファシエンス(Aeromonas liquefaciens) IFO 12978、アルスロバクター・エスピー(Arthrobacter sp.) ATCC 27778、アウレオバシジウム・プルランス(Aureobasidium pullulans) IFO6353、バシラス・ブレビス(Bacillus brevis) IFO 3331、バシラス・モリタイ(Bacillus moritai) ATCC 21282、クリプトコッカス・フミコルス(Cryptococcus humicolus) IFO 1527、クルイベロマイセス・マルシアヌス(Kluyveromyces marxianus) IFO 0541、マイコバクテリウム・ディエルンホフェリ(Mycobacterium diernhoferi) IFO 3707、ピキア・アノマラ(Pichia anomala) IFO 0963、ピキア・アノマラ(Pichia anomala) IFO 1181、シュードモナス・プチダ(Pseudomonas putida) IAM 1002、シュードモナス・プチダ(Pseudomonas putida) IFO 14671、シュードモナス・プチダ(Pseudomonas putida) IFO 14796、シュードモナス・プチダ(Pseudomonas putida) JCM 6156、シュードモナス・プチダ(Pseudomonas putida) JCM 6157、シュードモナス・ストラミネア(Pseudomonas straminea) JCM 2783t、シュードノカルディア・オートトロフィカ(Pseudonocardia autotrophica)IFO 12743T、ロドコッカス・エスピー(Rhodococcus sp.) ATCC 19148、ステノトロホモナス・ニトリティレデュセンス(Stenotrophomonas nitritireducens) JCM13311、ステノトロフォモナス・リゾフィラ(Stenotrophomonas rhizophila)JCM13333、ステノトロフォモナス・エスピー(Stenotrophomonas sp.) SC-1(FERM-BP 10785)、ストレプトマイセス・カルノサス(Streptomyces carnosus) IFO 13025t、トリコスポロン・アクアタイル(Trichosporon aquatile) ATCC 22310
【請求項5】
式(1)

(式中、Rは直鎖状又は環状のアルキル基を表わす。該アルキル基は置換基を有していてもよく、該アルキル基の炭素数は1〜6である。)
で表わされるイソ尿素化合物を、式(2)

で表わされるN−カルバモイルアミノ化合物に変換するための触媒としての、当該イソ尿素化合物を対応するN−カルバモイルアミノ化合物に変換する能力を有する酵素又は該酵素の産生能を有する微生物の培養物若しくはその処理物の使用。

【公開番号】特開2011−193857(P2011−193857A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−67438(P2010−67438)
【出願日】平成22年3月24日(2010.3.24)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】