説明

N−末端にフェニルアラニン残基を有するペプチド化合物の定量方法

【課題】本発明は、簡便に、且つ、精度良くN−末端にフェニルアラニン残基を有するペプチド化合物を定量する方法を提供する。
【解決手段】N−末端にフェニルアラニン残基を有するペプチド化合物の定量方法であって、
1)N−末端にフェニルアラニン残基を有するペプチド化合物、
2)キューカービチュリル[7]、及び
3)金属イオン
を溶液中で混合することにより発生する熱量を測定する工程を含む、N−末端にフェニルアラニン残基を有するペプチド化合物の定量方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、N−末端にフェニルアラニン残基を有するペプチド化合物の定量方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ゼノプシン関連ペプチド(非特許文献1及び2)は、神経伝達物質、神経修飾物質及び局所ホルモンとして機能する。特に、近年、局所ホルモンとしての機能について注目されている。
【0003】
局所ホルモンとしてのゼノプシン関連ペプチドは、胃の調整機能(例えば哺乳動物の食物摂取量をコントロールする機能)を有する点で重要な化合物であり、肥満治療等に有効であると考えられている。
【0004】
このようなゼノプシン関連ペプチドは、哺乳類の胃等からの抽出物に含まれる、C末端からのアミノ酸配列が互いに同一又は同類のゼノプシン及び複数種のゼノプシン関連ペプチドからなるペプチド混合物中に存在することがすでに知られている(例えば、ねずみの胃、肝臓及び脳からの抽出物(非特許文献3)、鳥の組織からの抽出物(非特許文献4)、犬からの抽出物(非特許文献5))。
【0005】
従って、このペプチド混合物に含まれる特定のゼノプシン関連ペプチドを、簡便に、且つ、精度良く 定量することは極めて重要である。
【0006】
従来より、種々のクロマトグラフィー法によってペプチド混合物を精製した後、精製したペプチド混合物を免疫定量法により検査する方法がある。免疫定量法は、大きく異なるアミノ酸配列を持つペプチドに関しては高い感度を示す。
【0007】
しかしながら、前記抽出物に含まれるゼノプシン及び複数種のゼノプシン関連ペプチドは、C末端からのアミノ酸配列が互いに同一又は類似の関係にあるため、免疫定量法により検査する場合、特定のゼノプシン関連ペプチドを他のペプチド化合物と区別して、精度良く定量することは困難である。
【非特許文献1】Sures, I.; Crippa, M. Proc. Natl. Acad. Sci. 1984, 81, p380
【非特許文献2】Bevins, C.L.; Zasloff, M. Annu. Rev. Biochem. 1990, 59, p395
【非特許文献3】Carraway, R.E.; Mitra, S.P.; Muraki, K. Regul. Pept. 1990, 29, p229-239
【非特許文献4】Carraway, R.E.;Cochrane, D.E.; Mitra, S.P. Regul. Pept. 1988, 22, p303-314
【非特許文献5】Carraway, R.E.; Mitra, S.P. Peptides. 1990, 11, p747-752
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の主な目的は、簡便に、且つ、精度良くN−末端にフェニルアラニン残基を有するペプチド化合物を定量する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、上記のような従来技術の問題点に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、特定の定量方法により上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち、本発明は、下記のN−末端にフェニルアラニンを有するペプチド化合物の定量方法に係る。
1. N−末端にフェニルアラニン残基を有するペプチド化合物の定量方法であって、
1)N−末端にフェニルアラニン残基を有するペプチド化合物、
2)キューカービチュリル[7]、及び
3)金属イオン
を溶液中で混合することにより発生する熱量を測定する工程を含む、N−末端にフェニルアラニン残基を有するペプチド化合物の定量方法。
2. N−末端にフェニルアラニン残基を有するペプチド化合物以外のペプチド化合物を含むペプチド混合物中のN−末端にフェニルアラニン残基を有するペプチド化合物を定量する上記項1に記載の定量方法。
3. N−末端にフェニルアラニン残基を有するペプチド化合物が、Phe−His−Pro−Lys−Arg−Pro−Trp−Ile−Leu−OHである上記項1又は2に記載の定量方法。
【発明の効果】
【0011】
本発明の定量方法によれば、簡便に、且つ、精度良く(誤差1〜2%程度で)N−末端にフェニルアラニン残基を有するペプチド化合物を定量することができる。すなわち、本発明の定量方法は、N末端にフェニルアラニン残基を有するペプチド化合物とキューカービチュリル[7]とが反応する(錯体を形成する)ことにより発生する熱量を利用して前記ペプチド化合物を定量するものである。
【0012】
本発明の定量方法によれば、N−末端にフェニルアラニン残基を有するペプチド化合物以外のペプチド化合物を含むペプチド混合物中のN−末端にフェニルアラニン残基を有するペプチド化合物を精度良く定量できる。
【0013】
例えば、本発明の定量方法によれば、C末端からのアミノ酸配列が同一又は類似するPyr−Gly−Lys−Arg−Pro−Trp−Ile−Leu−OH(XP)、His−Pro−Lys−Arg−Pro−Trp−Ile−Leu−OH(XP−1)、Phe−His−Pro−Lys−Arg−Pro−Trp−Ile−Leu−OH(XP−2)、ニューロテンシン、これらの関連神経ペプチド等からなるペプチド混合物に含まれるXP−2を精度良く定量できる。XP−2は、人間や他の動物が満腹のとき、胃粘膜から分泌されるペプチド化合物である。XP−2は、胃の調整機能(例えば哺乳動物の食物摂取量をコントロールする機能)を有する点で重要な化合物であり、肥満治療等に有効であると考えられている。
【0014】
本発明の定量方法は、ペプチド混合物中におけるN−末端にフェニルアラニン残基を有するペプチド化合物の含有割合が小さい場合(例えばペプチド混合物中のN−末端にフェニルアラニン残基を有するペプチド化合物のモル百分率が1%程度)であっても、精度良く、定量することができる。
【0015】
本発明の定量方法によれば、ゼノプシン関連ペプチド(例えばXP−2)を含む薬剤の品質管理を好適に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明のN−末端にフェニルアラニン残基を有するペプチド化合物の定量方法は、
1)N−末端にフェニルアラニン残基を有するペプチド化合物、
2)キューカービチュリル[7]、及び
3)金属イオン
を溶液中で混合することにより発生する熱量を測定する工程を含む。
【0017】
N−末端にフェニルアラニン残基を有するペプチド化合物
N−末端にフェニルアラニン残基を有するペプチド化合物(以下「ペプチド化合物A」ということがある)としては、N−末端にフェニルアラニン残基を有するオリゴペプチド、ポリペプチド等であればよく特に限定されない。ペプチド化合物Aとしては、例えばPhe−His−Pro−Lys−Arg−Pro−Trp−Ile−Leu−OH(XP−2)、インシュリン、人間のニューロメディンU−25、豚のニューロメディンU−25等が挙げられる。
【0018】
キューカービチュリル[7]
キューカービチュリル[7](以下「CB[7]ということがある」)は、図1に示す樽状の分子である。
【0019】
CB[7]を混合することにより、ペプチド化合物AがCB[7]と反応し(錯体を形成し)、発熱する。
【0020】
キューカービチュリル[7]以外のキューカービチュリル[6]、キューカービチュリル[8]等を用いる場合、ペプチド化合物Aを精度良く定量できない。
【0021】
金属イオン
金属イオンを混合することにより、ペプチド混合物中のペプチド化合物AとCB[7]との反応(錯体の形成)を好適に促すことができる。より具体的には、金属イオンがCB[7]に結合することにより、ペプチド化合物A以外のペプチド化合物とCB[7]との反応(錯体の形成)を効果的に抑制しつつ、ペプチド化合物AとCB[7]との反応(錯体の形成)を促すことができる。
【0022】
金属イオンとしては、例えば、Li、Na、K、Rb、Cs等のアルカリ金属イオン、Be2+、Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+等のアルカリ土類金属イオン等が挙げられる。
【0023】
定量
本発明の定量方法は、ペプチド化合物A、CB[7]及び金属イオンを溶液中で混合することにより発生する熱量を測定する工程を含む。
本発明の定量方法によれば、ペプチド化合物A以外のペプチド化合物を含むペプチド混合物中のペプチド化合物Aがキューカービチュリル[7]と反応する(錯体を形成する)ことにより発生する熱量を測定し、得られた熱量からペプチド混合物に含まれるペプチド化合物Aを定量することができる。
本発明の定量方法では、ペプチド混合物中、ペプチド化合物Aは1種又は2種以上で存在していてもよい。ペプチド化合物Aが2種以上で存在する場合、これらペプチド化合物Aの混合物として定量できる。
ペプチド混合物に含まれるペプチド化合物A以外のペプチド化合物としては、例えばPyr−Gly−Lys−Arg−Pro−Trp−Ile−Leu−OH(XP)、His−Pro−Lys−Arg−Pro−Trp−Ile−Leu−OH(XP−1)、ニューロテンシン等及びそれらの関連ペプチドが挙げられる。
【0024】
すなわち、本発明の定量方法によれば、C末端からのアミノ酸配列が同一又は類似する複数のペプチド化合物を含むペプチド混合物中のペプチド化合物Aを精度良く定量できる。
【0025】
本発明の定量方法は、ペプチド化合物のC末端に着目した従来の方法とは異なり、ペプチド化合物のN末端に着目した定量方法である。
本発明の定量方法において、溶液中のペプチド混合物の濃度は、特に限定されないが、0.01〜1mmol/lが好ましく、0.03〜0.5mmol/lがより好ましく、0.05〜0.1mmol/lが最も好ましい。
本発明の定量方法において、溶液中で溶解させるペプチド混合物中のペプチド化合物Aのモル百分率は特に限定されない。特に、本発明の定量方法によれば、ペプチド混合物中のペプチド化合物Aのモル百分率が1%程度であっても、精度よくペプチド化合物Aを定量することができる。
【0026】
溶液中におけるCB[7]の濃度は、特に限定されないが、0.1〜10mmol/lが好ましく、0.3〜5mmol/lがより好ましく、0.5〜1mmol/lが最も好ましい。
【0027】
金属イオンは、例えば上記例示の金属イオンの塩を溶液中に溶解させることにより生成する。
【0028】
塩としては、特に限定されないが、溶液に溶解して中性を呈する塩、弱酸性を呈する塩及び溶液に溶解して弱塩基性を呈する塩が好ましい。
中性を呈する塩としては、例えば、NaSO、KSO、MgSO、NaCl、KCl、MgCl、NaNO、KNO、Mg(NO、Ca(NO、NaPO、KPO等が挙げられる。
弱酸性を呈する塩としては、例えば、NaHPO、KHPO等が挙げられる。
弱塩基性を呈する塩としては、例えば、NaCO、NaHCO、KCO、KHCO、NaHPO、KHPO、CHCOONa、CHCOOK等が挙げられる。
これらの塩は1種又は2種以上で用いることができる。
【0029】
溶液中における塩の濃度は、用いる塩の溶解度等に応じて適宜設定すればよいが、0.01〜1mmol/lが好ましく、0.05〜0.5mmol/lがより好ましく、0.05〜0.1mmol/lが最も好ましい。
上記ペプチド混合物、CB[7]及び金属イオンを混合するための溶媒としては、特に限定されず、例えば水、エタノール、酢酸、アセトニトリル、アセトン等が挙げられる。これらは1種又は2種以上で用いることができる。本発明においては、溶媒として水を用いることが好ましい。
【0030】
特に、本発明の定量方法では、溶媒として水、塩としてNaClを用い、且つ、NaClの濃度が0.9%程度(すなわち生理食塩水)の場合を好ましい態様として挙げることができる。
【0031】
上記ペプチド混合物、CB[7]及び金属イオンを混合した溶液のpHは限定的ではないが、1〜8が好ましく、3〜7がより好ましく、6〜7が最も好ましい。特に、pHを3以上とすることにより、ペプチド化合物の分解を有効に防止できる。
【0032】
ペプチド化合物A、キューカービチュリル[7]及び金属イオンを溶液中で混合することにより発生する熱量の測定には、公知の熱量計を用いればよい。特に、本発明においては、等温滴定熱量計を用いて熱量を測定することが好ましい。
【0033】
以下、等温滴定熱量計を用いる場合を代表例として本発明の定量方法について具体的に説明する。
【0034】
<検量線の作成>
ペプチド混合物に含まれるペプチド化合物Aを定量するに先立って、予め、純粋なペプチド化合物Aを混合する場合に発生する熱量を測定する。
【0035】
等温滴定熱量計の操作は、従来の方法に従って行えばよい。具体的には、ペプチド化合物A含有溶液及びCB[7]含有溶液を調製した後、熱平衡下、CB[7]含有溶液を一定量ずつ(例えば0.01mlずつ)、ペプチド化合物A含有溶液に滴下すればよい。
【0036】
ペプチド化合物Aと滴下したCB[7]のモル比を横軸とし、滴下するごとに発生する熱量を縦軸としてプロットすることにより検量線を作成することができる。
【0037】
検量線上の熱量を合算することにより、純粋なペプチド化合物Aを混合する場合に発生する熱量を求めることができる。
【0038】
ペプチド化合物A含有溶液及びCB[7]含有溶液を調製する際、ペプチド化合物A含有溶液及び/又はCB[7]含有溶液に上記塩を溶解させておけばよい。これにより、上記滴下によって、1)ペプチド化合物A、2)CB[7]及び3)金属イオンを混合することができる。
【0039】
ペプチド化合物A含有溶液は、ペプチド化合物Aを上記溶媒に溶解させることにより調製できる。
【0040】
ペプチド化合物A含有溶液におけるペプチド化合物Aの濃度は、特に限定されないが、0.01〜1mmol/lが好ましく、0.03〜0.5mmol/lがより好ましく、0.05〜0.1mmol/lが最も好ましい。
【0041】
ペプチド化合物A含有溶液に塩を溶解させる場合、塩の濃度は、用いる塩の溶解度等に応じて適宜設定すればよいが、0.01〜1mmol/lが好ましく、0.05〜0.5mmol/lがより好ましく、0.05〜0.1mmol/lが最も好ましい。
【0042】
CB[7]含有溶液は、CB[7]を上記溶媒に溶解させることにより調製することができる。
【0043】
CB[7]含有溶液におけるCB[7]の濃度は、特に限定されないが、0.1〜10mmol/lが好ましく、0.5〜5mmol/lがより好ましく、0.5〜1mmol/lが最も好ましい。
【0044】
CB[7]含有溶液には、塩を溶解させることが好ましい。塩を溶解させることにより、CB[7]を好適に溶解させることができる。
【0045】
CB[7]含有溶液における塩の濃度は、用いる塩の溶解度等に応じて適宜設定すればよいが、0.01〜1mmol/lが好ましく、0.05〜0.5mmol/lがより好ましく、0.05〜0.1mmol/lが最も好ましい。
【0046】
<ペプチド混合物に含まれるペプチド化合物Aの定量>
ペプチド混合物に含まれるペプチド化合物Aを定量する。具体的には、ペプチド化合物A含有溶液の代わりに、ペプチド混合物を上記溶媒に溶解させることにより調製したペプチド混合物含有溶液を用いる以外は、上記「検量線の作成」と同様の方法により行えばよい。
【0047】
ペプチド混合物含有溶液におけるペプチド混合物の濃度は、上記検量線の作成におけるペプチド化合物A含有溶液の濃度と同程度にすればよく、特に限定されないが、0.01〜1mmol/lが好ましく、0.03〜0.5mmol/lがより好ましく、0.05〜0.1mmol/lが最も好ましい。
【0048】
CB[7]含有溶液を滴下するごとに発生する熱量を合算した値を、検量線上の熱量の合算値で除することにより、ペプチド混合物中のペプチド化合物Aのモル百分率を算出することができる。
【0049】
以上の方法により、ペプチド化合物Aを定量することができる。
【実施例】
【0050】
以下に実施例を示し、本発明をより具体的に説明する。但し、本発明は実施例に限定されない。
【0051】
実施例1
検量線の作成
0.1mgのXP−2を0.1mol/lのNaCl水溶液1.5mlに溶解させることにより0.056mmol/lのXP−2含有水溶液を調製した。
【0052】
また、CB[7]を0.1mol/lのNaCl水溶液に溶解させることにより0.5mmol/lのCB[7]含有水溶液を調製した。
【0053】
XP−2含有水溶液1.5mlを超高感度等温滴定型カロリメータVP−ITC(マイクロキャル社製)の反応セルの中に入れた。また、CB[7]含有水溶液0.25mlを前記カロリメータのシリンジの中に入れた。
【0054】
カロリメータを熱平衡にした後、反応セルの中へ、CB[7]含有水溶液を0.01mlずつ、計25回加えた。発生した熱量のデータを図2に示す。
【0055】
得られたデータをORIGIN7.0(マイクロキャル社製)によって自動積分した。結果を図3に示す。図3の各プロットの熱量を合計すると、135であった。すなわち、0.1mol/lのNaCl水溶液中におけるXP−2の濃度が0.056mmol/lの場合、発生する熱量は135kcalであることがわかった。
【0056】
ペプチド混合物に含まれるXP−2の定量
次に、XP−2のモル百分率が4%であるゼノプシン混合物(ペプチド混合物)を0.1mol/lのNaCl水溶液に溶解させることにより0.056mmol/lの混合溶液を調製した。調製した混合溶液を上記カロリメータの反応セルの中に入れた。また、上記CB[7]含有水溶液0.25mlを前記カロリメータのシリンジの中に入れた。
【0057】
そして、上記と同様の方法により、熱量を測定し、得られたデータを自動積分した。結果を図4の左側に示す。各プロットの熱量を合計すると、6kcalであった。なお、比較のため、図3のプロットも併せて図4の右側に示す。
【0058】
6/135=0.044よりゼノプシン混合物中のXP−2のモル百分率が4.4%であることを確認できた。
【0059】
この結果から、本発明の定量方法によれば、XP−2を高い精度で定量できることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】図1は、キューカービチュリル[7]の化学構造を示す図である。
【図2】図2は、実施例1の検量線の作成において発生した熱量のデータを示す図である。
【図3】図3は、図2のデータを自動積分することにより得られた熱量をプロットした図である。
【図4】図4は、実施例1のペプチド混合物に含まれるXP−2の定量において発生した熱量のデータを自動積分することにより得られた熱量をプロットし、且つ、図3のプロットを併せて示した図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
N−末端にフェニルアラニン残基を有するペプチド化合物の定量方法であって、
1)N−末端にフェニルアラニン残基を有するペプチド化合物、
2)キューカービチュリル[7]、及び
3)金属イオン
を溶液中で混合することにより発生する熱量を測定する工程を含む、N−末端にフェニルアラニン残基を有するペプチド化合物の定量方法。
【請求項2】
N−末端にフェニルアラニン残基を有するペプチド化合物以外のペプチド化合物を含むペプチド混合物中のN−末端にフェニルアラニン残基を有するペプチド化合物を定量する請求項1に記載の定量方法。
【請求項3】
N−末端にフェニルアラニン残基を有するペプチド化合物が、Phe−His−Pro−Lys−Arg−Pro−Trp−Ile−Leu−OHである請求項1又は2に記載の定量方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−107114(P2008−107114A)
【公開日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−288000(P2006−288000)
【出願日】平成18年10月23日(2006.10.23)
【出願人】(503360115)独立行政法人科学技術振興機構 (1,734)
【Fターム(参考)】