説明

N置換インデノイソキノリン及びその合成

【課題】インデノイソキノリン化合物の合成プロセス及びその医薬製剤の提供。
【解決手段】下記インデノイソキノリン化合物を下の2化合物を反応させた後環化する製造法。




本化合物は哺乳動物の癌を治療する方法に有効である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に記載される発明は、N置換インデノイソキノリン化合物に関する。本明細書に記載される発明は、インデノイソキノリン化合物を使用して哺乳動物において癌を治療する方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
癌を制御し治癒することは、最も困難な健康問題の一つを表す。癌の処置は、外科手術、放射線、化学療法又はこれらの処置のいずれかの組み合わせを含む幾つかの治療様式によって取り組むことができる。化学療法は、手術不能な又は転移形態の疾患において不可欠な治療であり続けている。したがって、癌細胞又は癌細胞の増殖に関わる細胞機構を特異的に標的にする化合物の発見は、癌の根絶又は制御における有意な進歩を提供することができる。
【0003】
有効な抗癌作用を有する化合物の選択は、癌細胞の生物学及び生化学の知識が依然として限定されていることにより複雑である。したがって、新たな有効な抗癌剤の開発は、細胞毒性活性について新たな化合物をスクリーニングすることに大きく依存したままである。抗新生物薬の候補は、正常細胞よりも癌細胞に対して増強された細胞毒性を示す。抗癌活性のためにスクリーニングする方法は、幾つかの目標に焦点を当ており、それらは、(1)動物研究において腫瘍の増殖及び/又は進行を阻害する化合物の能力;(2)癌の起源の細胞株の細胞増殖/増殖の阻害;並びに(3)癌細胞の増殖又は伝播に必要な細胞内プロセスの阻害、である。
【0004】
マウスL1210白血病細胞株が、抗癌活性のために化合物をスクリーニングするのに使用された最初の好ましいモデル系であった。しかし、P338ネズミ白血病系が、L1210白血病系よりも感受性があり、予測的であることが見出され、過去10年間第一次スクリーニングとして使用されてきた。これらの2つの細胞株に毒性を示す化合物の系統的なスクリーニングは、多数の活性天然生成物の単離をもたらした。しかし、これらの化合物の抗癌活性は、主に白血病、リンパ腫及び少数の希な腫瘍に対してであった。ゆっくりと増殖する固形腫瘍に対する既知の化学療法の低い臨床効能又は臨床効能の欠如は、重大な問題である。
【0005】
細胞型、形態学、増殖率及びその他の細胞特性に関する癌の多様性を考慮して、米国国立癌研究所(NCI)は、抗癌活性スクリーニングについて疾患優先の手法を開発した(M.R. Boyd, in "Principle of Practice of Oncology" J.T. Devita, S. Hellman, S.A. Rosenberg (Eds.) Vol. 3, PPO Update, No. 10, 1989)。このインビトロプレスクリーニング系は、(白血病、及び肺、結腸、乳房、皮膚、腎臓などのようなゆっくりと増殖する腫瘍細胞を含む)およそ60個の主要なヒト癌の細胞株からなるヒト癌細胞株パネルに対する抗癌細胞毒性の測定に基いており、本明細書では、以下「COMPARE」スクリーニングと呼ぶ。新たなインビトロスクリーニングパネルの重要な利点は、特定の型の癌の細胞に対して選択的により細胞毒性がある化合物の同定を促進する機会であり、したがって、特定の疾患に関する更なる研究のために化合物を選択する能力を増大する。
【0006】
抗癌剤は、癌細胞の増殖を破壊又は阻害する多様な機構を通して作用することが知られている。例えば、幾つかの作用物質は、癌細胞の生化学的プロセスにおいて偽基質として作用する代謝拮抗物質である。この作用機構を有する一つの化合物は、葉酸の類似体であるメトトレキセートであり、その作用の一部として、ジヒドロ葉酸レダクターゼに結合し、それによって、葉酸前駆体分子からのグアニン及びアデニンの形成を防止する。したがって、メトトレキセートは、葉酸の適正な代謝を阻害することによって、DNAを構築する癌細胞の能力を阻害する。
【0007】
他の抗癌剤は、DNA鎖をアルキル化することによって作用し、それによってDNA分子の正常な二重らせん構造に欠陥を生じる。このアルキル化は、DNAの鎖の間(又は内部)に切断又は不適当な結合を形成することができる。そのようなDNA構造の破損は、細胞内修復機構により修復されない場合、DNAを複製する細胞の能力を損なう。アルキル化抗癌剤の例は、シクロホスファミド及びクロラムブシルである。
【0008】
幾つかの抗癌剤は、DNA鎖それ自体の複製に関わる細胞内構造を標的にする。細胞の遺伝子物質の複製には、DNA二重らせんを引っ張って2本の鎖に分ける手段が必要である。この分離は、典型的には、酵素であるトポイソメラーゼIにより達成される。この酵素の機能の破損によって、分裂している細胞内でDNA鎖が切断し、それによって分裂細胞の死を引き起こす。癌細胞は正常な細胞よりはるかに速く増殖及び再生するので、正常な細胞よりもトポイソメラーゼI阻害に対して脆弱である。したがって、トポイソメラーゼIを阻害する作用物質は、強力な抗癌剤であることが知られている。薬剤のカンプトテシンは、トポイソメラーゼIの阻害剤及び強力な抗癌剤であることが示された。しかし、カンプトテシンは有毒な副作用を生じうることが観察されている。加えて、カンプトテシンの効果は、ラクトン環の開裂をもたらす、分子自体の不安定性と、影響を受けた細胞が回復するのを可能にする、阻害の可逆性の両方によって、妨げられる。したがって、トポイソメラーゼIの強力な阻害剤についての探求が続いている。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0009】
本明細書に記載されているものは、N置換インデノイソキノリン化合物、より詳細には、置換11H−インデノ〔1,2−c〕イソキノリン化合物であり、二価リンカーにより形成されるそのような置換11H−インデノ〔1,2−c〕イソキノリン化合物の二量体を含む。本明細書に記載されている化合物は癌の治療に有用であることができる。また、そのような化合物の医薬組成物、N置換インデノイソキノリン化合物を調製するプロセス、及びそのような置換インデノイソキノリン化合物の治療有効量を単独で又は医薬組成物として投与することにより癌を治療する方法も、本明細書に記載されている。
【0010】
一つの例示的実施態様において、式I:


〔式中、
mは、0〜約6の整数であり;
は、ハロアルキル、ハロシクロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、シクロアルコキシ、ハロアルコキシ、ハロシクロアルコキシ、場合により置換されているヘテロアリール、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ及びヘテロアリールアミノ、アシルオキシ、ハロアシルオキシ、アミノ、アルキル及びジアルキルアミノ、トリアルキルアンモニウム、ヒドロキシアルキルアミノ、ビス(ヒドロキシアルキル)アミノ、ヒドロキシアルキルアミノアルキルアミノ、ヘテロアリールアルキルアミノアルキルアミノ、アシルアミノ、ヒドロキシルアミノ、アルコキシルアミノ、アシルオキシルアミノ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアミノ、アルキニル、アシル、ウレタニル、シアノ、ニトロ、アジド、チオ、アルキルスルホニル、スルホン酸及びその誘導体、カルボン酸及びその誘導体、並びにホスホン酸及びその誘導体から選択され;そして
及びRは、それぞれ独立して、水素又は1つ以上の任意の独立して選択される一価及び二価置換基を表す〕
で示される新規化合物、並びに
薬学的に許容されるその塩、水和物及び溶媒和物が記載される。
【0011】
一つの態様において、Rは、1〜4つの置換基であって、ハロ、ヒドロキシ、場合により置換されているアルキル、場合により置換されているアルコキシ、シアノ、ニトロ、場合により置換されているアルキルチオ、場合により置換されているアルキルスルホニル、カルボン酸及びその誘導体、並びにスルホン酸及びその誘導体からなる群よりそれぞれ独立して選択される置換基を表すか;或いはRは、2〜4つの置換基であって、前記置換基のうちの2つが隣接する置換基であり、結合する炭素と一緒になって、場合により置換されている複素環を形成する置換基を表し、Rが3〜4つの置換基を表す場合、残りの置換基は、ハロ、ヒドロキシ、場合により置換されているアルキル、場合により置換されているアルコキシ、シアノ、ニトロ、場合により置換されているアルキルチオ、場合により置換されているアルキルスルホニル、カルボン酸及びその誘導体、並びにスルホン酸及びその誘導体からなる群よりそれぞれ独立して選択される。
【0012】
別の態様において、Rは、1〜4つの置換基であって、ハロ、ヒドロキシ、場合により置換されているアルキル、場合により置換されているアルコキシ、シアノ、ニトロ、場合により置換されているアルキルチオ、場合により置換されているアルキルスルホニル、カルボン酸及びその誘導体、並びにスルホン酸及びその誘導体からなる群よりそれぞれ独立して選択される置換基を表すか;或いはRは、2〜4つの置換基であって、前記置換基のうちの2つが隣接する置換基であり、結合する炭素と一緒になって、場合により置換されている複素環を形成する置換基を表し、Rが3〜4つの置換基を表す場合、残りの置換基は、ハロ、ヒドロキシ、場合により置換されているアルキル、場合により置換されているアルコキシ、シアノ、ニトロ、場合により置換されているアルキルチオ、場合により置換されているアルキルスルホニル、カルボン酸及びその誘導体、並びにスルホン酸及びその誘導体からなる群よりそれぞれ独立して選択される。
【0013】
別の例示的実施態様において、mは整数の0である。別の実施態様において、mは、1〜約6の整数であり、そしてRは、ハロ、ハロアルキル、ハロシクロアルキル、アルコキシ、シクロアルコキシ、ハロアルコキシ、ハロシクロアルコキシ、場合により置換されているヘテロアリール、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ及びヘテロアリールアミノ、アシルオキシ、ハロアシルオキシ、アミノ、ジアルキルアミノ、トリアルキルアンモニウム、ビス(ヒドロキシアルキル)アミノ、ヒドロキシアルキルアミノアルキルアミノ、ヘテロアリールアルキルアミノアルキルアミノ、アシルアミノ、ヒドロキシルアミノ、アルコキシルアミノ、アシルオキシルアミノ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアミノ、アルキニル、アシル、ウレタニル、シアノ、ニトロ、アジド、チオ、アルキルスルホニル、スルホン酸及びその誘導体、カルボン酸及びその誘導体、並びにホスホン酸及びその誘導体から選択される。
【0014】
別の例示的実施態様において、Rは、水溶性又は親水性官能基を含む。一つの態様において、Rは、場合により置換されているアミノアルキルを含む。別の態様において、Rは、場合により置換されているヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ若しくはヘテロアリールアミノで置換されているアルキル基、アミノ、ジアルキルアミノ、トリアルキルアンモニウム、ビス(ヒドロキシアルキル)アミノ、ヒドロキシアルキルアミノアルキルアミノ、ヘテロアリールアルキルアミノアルキルアミノ、アシルアミノ、ヒドロキシルアミノ、アルコキシルアミノ、アシルオキシアミノ、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアミノ、ニトロ又はアジドを含む。
【0015】
別の例示的実施態様において、Rは、ハロ、ヒドロキシ、場合により置換されているアルキル、場合により置換されているアルコキシ、シアノ、ニトロ、場合により置換されているアルキルチオ、場合により置換されているアルキルスルホニル、カルボン酸及びその誘導体、並びにスルホン酸及びその誘導体からなる群よりそれぞれ独立して選択される、1〜4つの置換基を表す。
【0016】
別の例示的実施態様において、Rは、2〜4つの置換基であって、前記置換基のうちの2つが隣接する置換基であり、結合する炭素と一緒になって、場合により置換されている複素環を形成する置換基を表し、残りの置換基はいずれも、ハロ、ヒドロキシ、場合により置換されているアルキル、場合により置換されているアルコキシ、シアノ、ニトロ、場合により置換されているアルキルチオ、場合により置換されているアルキルスルホニル、カルボン酸及びその誘導体、並びにスルホン酸及びその誘導体からなる群よりそれぞれ独立して選択される。
【0017】
別の例示的実施態様において、Rは、ハロ、ヒドロキシ、場合により置換されているアルキル、場合により置換されているアルコキシ、シアノ、ニトロ、場合により置換されているアルキルチオ、場合により置換されているアルキルスルホニル、カルボン酸及びその誘導体、並びにスルホン酸及びその誘導体からなる群よりそれぞれ独立して選択される、1〜4つの置換基を表す。
【0018】
別の例示的実施態様において、Rは、2〜4つの置換基であって、前記置換基のうちの2つが隣接する置換基であり、結合する炭素と一緒になって、場合により置換されている複素環を形成する置換基を表し、残りの置換基はいずれも、ハロ、ヒドロキシ、場合により置換されているアルキル、場合により置換されているアルコキシ、シアノ、ニトロ、場合により置換されているアルキルチオ、場合により置換されているアルキルスルホニル、カルボン酸及びその誘導体、並びにスルホン酸及びその誘導体からなる群よりそれぞれ独立して選択される。
【0019】
別の例示的実施態様において、mは、0〜約6の整数であり、そしてRは、ハロアルキル、ハロシクロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、シクロアルコキシ、ハロアルコキシ、ハロシクロアルコキシ、場合により置換されているヘテロアリール、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ及びヘテロアリールアミノ、アシルオキシ、ハロアシルオキシ、アミノ、アルキル及びジアルキルアミノ、トリアルキルアンモニウム、ビス(ヒドロキシアルキル)アミノ、ヒドロキシアルキルアミノアルキルアミノ、ヘテロアリールアルキルアミノアルキルアミノ、アシルアミノ、ヒドロキシルアミノ、アルコキシルアミノ、アシルオキシルアミノ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアミノ、アルキニル、アシル、ウレタニル、シアノ、ニトロ、アジド、チオ、アルキルスルホニル、スルホン酸及びその誘導体、カルボン酸及びその誘導体、並びにホスホン酸及びその誘導体からなる群より選択されるが、但し、Rがヒドロキシ、アルキルアミノ又はヒドロキシアルキルアミノである場合、mは整数の0である。
【0020】
別の例示的実施態様において、式II:


〔式中、
、R、R′及びR′は、それぞれ独立した4つの置換基を表し、それらは全て、水素、ハロ、ヒドロキシ、場合により置換されているアルキル、場合により置換されているアルコキシ、シアノ、ニトロ、場合により置換されているアルキルチオ、場合により置換されているアルキルスルホニル、カルボン酸及びその誘導体、並びにスルホン酸及びその誘導体から独立して選択されるか、又は前記置換基のうちの2つが隣接する置換基であり、結合する炭素と一緒になって、場合により置換されている複素環を形成し;そして
Xは、−(CR)−、−(NR)−及び−O−から選択される1つ以上の二価ラジカルを含む二価リンカーであり、ここでR及びRは、それぞれ現れるときに、水素、アルキル及びアシルから独立して選択されるが、但し、二価リンカーは−O−O−を含まない〕
で示される新規化合物、並びに薬学的に許容されるその塩、水和物及び溶媒和物が記載される。一つの態様において、存在する場合は、各二価−(NR)−及び−O−は、少なくとも1つの二価ラジカル(−CR)−で離されている。別の態様において、各R及びRは水素である。
【0021】
別の例示的実施態様において、Xは、一般構造:−(CH−〔(CH−NR−(CH−(NR−(CH−を有する基であり、ここで、nは、0又は1であり、x及びyは、独立して1〜約4の範囲の整数であり、zは、1〜約4の範囲の整数であり、pは、0又は1であり、qは、0又は1〜約2の範囲の整数であり、そしてR及びRは、それぞれの場合に、水素、メチル、t−ブチルオキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル及びフルオレニルメトキシカルボニルから独立して選択されるか、又はR及びRと、任意の隣接Rは、結合している窒素と一緒になって複素環を形成する。
【0022】
別の例示的実施態様において、本明細書に記載されている式I及びIIのインデノイソキノリン化合物は、癌又は腫瘍を治療するのに有用である。一つの態様において、本明細書に記載されている化合物は、DNA切断部位への挿入によってDNA−トポイソメラーゼ1切断複合体を安定化し、再連結反応の阻害をもたらす活性を示す。例えば、Kohlhagen, G.; Paull, K.; Cushman, M.; Nagafuji, P.; Pommier, Y. Protein-Linked DNA Strand Breaks Induced by NSC 314622, a Novel Noncamptothecin Topoisomerase I Poison MoI. Pharmacol 1998, 54, 50-58; Pommier, Y.; Pourquier, P.; Fan, Y.; Strumberg, D. Mechanism of Action of Eukaryotic DNA Topoisomerases and Drugs Targeted to the Enzyme Biochem. Biophys. Acta. 1998, 7400, 83-105; Staker, B.L.; Hjerrild, K.; Feese, M.D.; Behnke, C.A.; Burgin Jr., A.B.; Stewart, L. The Mechanism of Topoisomerase I Poisoning by a Camptothecin Analog Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 2002, 99, 15387-15392 を参照すること(それぞれの開示は参照として本明細書に組み込まれる)。本明細書に記載されている化合物は、トポイソメラーゼ1によるDNA切断の後で起こるDNA再連結反応の阻害剤として、「top1毒物」に分類することができ、カンプトテシンで観察されるものと同様の生物学的及び薬理学的活性を示すことができる。別の態様において、本明細書に記載されている式I及びIIのインデノイソキノリン化合物は、多様な型のヒト癌に対して有効であることができる。別の態様において、本明細書に記載されている式I及びIIのインデノイソキノリン化合物は、カンプトテシンよりも化学的に安定していることができる。なお別の態様において、本明細書に記載されている式I及びIIのインデノイソキノリン化合物は、カンプトテシンと比べて特有のDNA結合部位選択性を有することができる。
【0023】
別の例示的実施態様において、ヒト癌を治療する方法が記載される。本明細書に記載される方法の一つの態様において、癌は、異常に速い細胞増殖、再生産及び/又は増殖に起因する。別の態様において、式I及びIIの化合物で処置可能な癌は、トポイソメラーゼ1の阻害のような酵素阻害に反応性がある。
【0024】
別の例示的実施態様において、式I及びIIのインデノイソキノリン化合物を調製するプロセスが記載される。一つの実施態様において、このプロセスは、式III:


で示される中間体ベンゾ〔d〕インデノ〔1,2−b〕ピラン−5,11−ジオンを調製することを含み、
ここで本プロセスは、2−カルボキシベンズアルデヒド化合物と、それぞれ下記式:


で示されるフタリドとを反応させること、および
続いて、環流下、ベンゼン中で酸性処理すること、又はジシクロヘキシルカルボジイミドのような適切なカップリング試薬により、ジメチルアミノピリジンを用いて処理すること
を含み、式中、R及びRは、式I及びIIの化合物において本明細書で定義されたとおりである。
【0025】
別の例示的実施態様において、本明細書に記載されている、式I及びIIの化合物を調製するためのプロセスは、(i)R置換ヒドロキシフタリド化合物と、それぞれ下記式:


で示されるR置換フタリド化合物とを、塩基の存在下で反応させる工程と、次に(ii)混合物を酸で処理して、上記に記載された中間体ベンゾ〔d〕インデノ〔1,2−b〕ピラン−5,11−ジオンを調製する工程を含み、式中、R及びRは、式I及びIIの化合物において本明細書で定義されたとおりである。
【0026】
別の例示的実施態様において、本明細書に記載されている、式I及びIIの化合物を調製するためのプロセスは、下記式:


で示されるベンゾ〔d〕インデノ〔1,2−b〕ピラン−5,11−ジオンを、式:R−(CH−NHの第一級アミンと反応させる工程を含み、式中、R、R、m及びRは、式I及びIIの化合物において定義されたとおりである。一つの実施態様において、第一級アミンは、例示的に4−(2−アミノエチル)モルホリン、1−(3−アミノプロピル)イミダゾール、N−(3−アミノプロピル)−N,N−ジメチルアミン、4−(ヒドロキシ)ブチルアミン、3−(ブロモ)プロピルアミン、モノ−Boc保護ジアミンなどである。室温でのクロロホルムが大部分の第一級アミンにとって溶媒として十分であるが、例えばモノ−Boc保護ジアミンのような第一級アミンが、ベンゾ〔d〕インデノ〔1,2−b〕ピラン−5,11−ジオンからラクタムを形成するのに使用される場合、環流下でのクロロホルムを溶媒として使用することができることが理解される。整数mが0ではなく、Rが、ハロ、アジド又はシアノであるインデノイソキノリン化合物は、例えば、ハロ、アジド又はシアノ官能基をそれぞれ多様な求核剤に置き換えることによって更に合成することができることが、更に理解される。
【0027】
別の例示的実施態様において、本明細書に記載されている、式I及びIIの化合物を調製するためのプロセスは、場合により置換されているホモフタル酸無水物と、それぞれ下記式:


で示される場合により置換されているシッフ塩基とを反応させる工程と、
続いて、得られたカルボン酸を、塩化チオニル及び塩化アルミニウムを用いて、酸化フリーデル−クラフツ閉環に付す工程
を含み、式中、R、R、m及びRは、式I及びIIの化合物において定義されたとおりである。
【0028】
別の例示的実施態様において、本明細書に記載されている、式I及びIIの化合物を調製するためのプロセスは、下記式:


で示されるベンゾ〔d〕インデノ〔1,2−b〕ピラン−5,11−ジオンを、式:NH−(CH−〔(CH−NR−(CH−(NR−(CH−NHのポリアミンと反応させる工程を含み、式中、R、R、n、x、y、z、p、q、R及びRは、式IIの化合物において本明細書で定義されたとおりである。一つの実施態様において、ポリアミンは、例示的にN,N−ビス(2−アミノエチル)アミン、N,N−ビス(3−アミノプロピル)アミン、N−(2−アミノエチル)−N−(3−アミノプロピル)−アミン、N,N′−ビス(2−アミノエチル)−1,3−プロパンジアミン、N,N′−ビス(3−アミノプロピル)−1,3−プロパンジアミンなどである。
【0029】
本明細書に記載されている多様な例示的実施態様のそれぞれの態様は、追加的な例示実施態様として変更及び/又は組み合わせることができることが理解される。例えば、式IIの化合物の例示的実施態様は、R及びRがそれぞれ水素であるベンゾ〔d〕インデノ〔1,2−b〕ピラン−5,11−ジオンの使用を反映する、非置換の対称ビスインデノイソキノリンが存在する態様を含むことができる。更に、式IIの化合物の例示的実施態様は、例えば、Rが2,3−ジメトキシであり、そしてRが水素であるか、又は例えば、Rが3−ニトロであり、そしてRが水素であるベンゾ〔d〕インデノ〔1,2−b〕ピラン−5,11−ジオンの使用を反映する、置換された対称ビスインデノイソキノリンが存在する態様を含むことができる。加えて、式IIの化合物の例示的実施態様は、下記式:


〔式中、Ra、Rd及びXは、式IIの化合物において本明細書で定義されたとおりであり、そしてRa≠Hである及び/又はRd≠Hである〕
のような二量体を調製するための、2つの異なる置換ベンゾ〔d〕インデノ〔1,2−b〕ピラン−5,11−ジオンの混合物の使用を反映する、置換された非対称ビスインデノイソキノリンが存在する態様を含むことができる。
【0030】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2005年11月14日に出願の米国仮出願第60/736,471号、及び2006年5月26日に出願の米国仮出願第60/808,699号(それらの開示は参照とし参照として本明細書に組み込まれる)の米国特許法119条(e)に基づく利益を請求する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
一つの例示的実施態様において、式I:


〔式中、
mは、0〜約6の整数であり;Rは、ハロアルキル、ハロシクロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、シクロアルコキシ、ハロアルコキシ、ハロシクロアルコキシ、場合により置換されているヘテロアリール、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ及びヘテロアリールアミノ、アシルオキシ、ハロアシルオキシ、アミノ、アルキル及びジアルキルアミノ、トリアルキルアンモニウム、ヒドロキシアルキルアミノ、ビス(ヒドロキシアルキル)アミノ、ヒドロキシアルキルアミノアルキルアミノ、ヘテロアリールアルキルアミノアルキルアミノ、アシルアミノ、ヒドロキシルアミノ、アルコキシルアミノ、アシルオキシルアミノ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアミノ、アルキニル、アシル、ウレタニル、シアノ、ニトロ、アジド、チオ、アルキルスルホニル、スルホン酸及びその誘導体、カルボン酸及びその誘導体、並びにホスホン酸及びその誘導体から選択され;
は、1〜4つの置換基であって、水素、ハロ、ヒドロキシ、場合により置換されているアルキル、場合により置換されているアルコキシ、シアノ、ニトロ、場合により置換されているアルキルチオ、場合により置換されているアルキルスルホニル、カルボン酸及びその誘導体、並びにスルホン酸及びその誘導体からなる群よりそれぞれ独立して選択される置換基を表すか;或いはRは、2〜4つの置換基であって、前記置換基のうちの2つが隣接する置換基であり、結合する炭素と一緒になって、場合により置換されている複素環を形成する置換基を表し、Rが3〜4つの置換基を表す場合、残りの置換基は、水素、ハロ、ヒドロキシ、場合により置換されているアルキル、場合により置換されているアルコキシ、シアノ、ニトロ、場合により置換されているアルキルチオ、場合により置換されているアルキルスルホニル、カルボン酸及びその誘導体、並びにスルホン酸及びその誘導体からなる群よりそれぞれ独立して選択され;そして
は、1〜4つの置換基であって、水素、ハロ、ヒドロキシ、場合により置換されているアルキル、場合により置換されているアルコキシ、シアノ、ニトロ、場合により置換されているアルキルチオ、場合により置換されているアルキルスルホニル、カルボン酸及びその誘導体、並びにスルホン酸及びその誘導体からなる群よりそれぞれ独立して選択される置換基を表すか;或いはRは、2〜4つの置換基であって、前記置換基のうちの2つが隣接する置換基であり、結合する炭素と一緒になって、場合により置換されている複素環を形成する置換基を表し、Rが3〜4つの置換基を表す場合、残りの置換基は、水素、ハロ、ヒドロキシ、場合により置換されているアルキル、場合により置換されているアルコキシ、シアノ、ニトロ、場合により置換されているアルキルチオ、場合により置換されているアルキルスルホニル、カルボン酸及びその誘導体、並びにスルホン酸及びその誘導体からなる群よりそれぞれ独立して選択される〕
で示される新規化合物、並びに
薬学的に許容されるその塩、水和物及び溶媒和物が記載される。
【0032】
本明細書で使用されるとき、用語「アルキル」は、場合により分岐鎖であることができる、炭素原子の飽和一価鎖を意味する。アルキルを含む実施態様において、これらの実施態様の例示的な変形は、C〜C、C〜Cアルキル、メチル、エチル、プロピル、3−メチルペンチルなどのような低級アルキルを含むことが理解される。
【0033】
本明細書で使用されるとき、用語「シクロアルキル」は、その一部が環を形成する、炭素原子の一価鎖を意味する。シクロアルキルを含む実施態様において、これらの実施態様の例示的な変形は、C〜C、C〜Cシクロアルキル、シクロプロピル、シクロヘキシル、3−エチルシクロペンチルなどのような低級シクロアルキルを含むことが理解される。
【0034】
本明細書で使用されるとき、用語「アルケニル」は、場合により分岐鎖であることができる、少なくとも1つの二重結合を含む炭素原子の不飽和一価鎖を意味する。アルケニルを含む実施態様において、これらの実施態様の例示的な変形は、C〜C、C〜Cアルケニルのような低級アルケニルを含むことが理解される。
【0035】
本明細書で使用されるとき、用語「シクロアルケニル」は、その一部が環を形成する、炭素原子の不飽和一価鎖を意味する。シクロアルケニルを含む実施態様において、これらの実施態様の例示的な変形は、C〜C、C〜Cシクロアルケニルのような低級シクロアルケニルを含むことが理解される。
【0036】
本明細書で使用されるとき、用語「アルキレン」は、場合により分岐鎖であることができる、炭素原子の飽和二価鎖を意味する。アルキレンを含む実施態様において、これらの実施態様の例示的な変形は、C〜Cアルキレン、メチレン、エチレン、プロピレン、3−メチルペンチレンなどのような低級アルキレンを含むことが理解される。
【0037】
本明細書で使用されるとき、用語「複素環」は、炭素及びヘテロ原子の一価鎖であって、ここでヘテロ原子は、窒素、酸素及び硫黄から選択され、少なくとも1つのヘテロ原子を含むその一部が環を形成する一価鎖を意味し、アジリジン、ピロリジン、オキサゾリジン、3−メトキシピロリジン、3−メチルピペラジンなどを含む。
【0038】
アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキレン及びヘテロシクリルは、それぞれ、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、カルボン酸及びエステル、アミド及びニトリルを含むその誘導体、ヒドロキシ、アルコキシ、アシルオキシ、アミノ、アルキル及びジアルキルアミノ、アシルアミノ、チオなど、並びにこれらの組み合わせのような基から独立して選択される置換基で場合により置換されていることができることが理解されるべきである。
【0039】
本明細書で使用されるとき、用語「場合により置換されているアリール」は、フェニル、ナフチルなどのような炭素原子の芳香族単環式又は多環式環を意味し、これらは、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、アルキル又はジアルキルアミノ、アルコキシ、アルキルスルホニル、シアノ、ニトロなどのような、独立して選択される1つ以上の置換基で場合により置換されていることができる。
【0040】
本明細書で使用されるとき、用語「場合により置換されているヘテロアリール」は、ピリジニル、ピリミジニル、インドリル、ベンゾオキサゾリルなどのような、炭素原子、並びに窒素、酸素及び硫黄から選択される少なくとも1つのヘテロ原子の芳香族単又は多環式環を意味し、これらは、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、アルキル又はジアルキルアミノ、アルコキシ、アルキルスルホニル、シアノ、ニトロなどのような、独立して選択される1つ以上の置換基で場合により置換されていることができる。
【0041】
本明細書で使用されるとき、用語「アシル」は、ホルミル、アセチル、ピバロイル、ベンゾイル、フェナセチルなどのような、カルボニル(C=O)基を介して置換基として結合している、水素、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、ヘテロシクリル、場合により置換されているアリール、場合により置換されているアリールアルキル、場合により置換されているヘテロアリール、及び場合により置換されているヘテロアリールアルキルを意味する。
【0042】
本明細書で使用されるとき、用語「ジアルキルアミノ」、「ジアルキルアンモニウム」及び「トリアルキルアンモニウム」は、アルキル基で置換されているアミノを意味し、ここでそれぞれのアルキル基は独立して選択され、例示的には、ジメチルアミノ、メチルエチルアミノ、ジイソプロピルエチルアンモニウム、ベンジルジメチルアンモニウム、ベンジルジイソプロピルアンモニウムなどを含む。
【0043】
本明細書で使用されるとき、用語「保護ヒドロキシ」及び「保護アミノ」は、保護基で保護されているヒドロキシ及びアミノ基をそれぞれ意味する。そのような保護基は、ヒドロキシ基又はアミノ基が、実施される合成又は化学変換を妨げないか又はそれにより変化しない方法で、合成又は化学変換を実施できるように慣例的及び日常的に選択されることが理解されるべきである。例示的ではあるが、排他的ではない、そのような保護基の例は、Greene & Wuts "Protective Groups in Organic Synthesis," 2d Ed., John Wiley & Sons, New York, 1991において見出すことができ、この開示は参照として本明細書に組み込まれる。そのような保護基の更なる例示は、保護フェノール及びカテコール、並びにそれらの類似体及び誘導体を保護するのに特に適しているものである。
【0044】
式Iの化合物の一つの例示的態様において、Rは、ジメチルアミノ、アジド、ポリ(ヒドロキシアルキル)アミノ、ヒドロキシアルキルアミノアルキルアミノ、ポリヒドロキシアルキルアミノアルキルアミノ、ヒドロキシアルキル(アルキルアミノ)、ヘテロアリール又はこれらの組み合わせを含むジアルキルアミノである。別の態様において、Rは、下記式:


から選択され、それぞれ場合により置換されていることができる。別の態様において、mは、2、3又は4である。
【0045】
式Iの化合物の別の態様において、Rは、アミノ、ジアルキルアミノ、トリアルキルアンモニウム、ポリ(ヒドロキシアルキル)アミノ、ヒドロキシアルキルアミノアルキルアミノ、(ポリヒドロキシ)アルキルアミノアルキルアミノ、ヘテロアリール、アジド、ヒドロキシアルキル(アルキルアミノ)及びこれらの組み合わせにより置換されているアルキルである。別の態様において、Rは置換C〜Cアルキルである。別の態様において、Rは置換Cアルキルである。
【0046】
式Iの化合物の別の例示的態様において、Rは、場合により置換されているアルコキシから選択される1つ以上の置換基を表す。一つの態様において、Rは、一緒になってアルキレンジオキシを形成する少なくとも2つの隣接した置換基を表す。別の実施態様において、Rは、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、アルキル及びジアルキルアミノ、ニトロソ、ニトロ、ヒドロキシルアミノ、アルコキシルアミノ及びシアノから選択される、1つ以上の置換基を表す。式Iの化合物の別の実施態様において、Rは、場合により置換されているアルコキシから選択される1つ以上の置換基を表す。一つの態様において、Rは、一緒になってアルキレンジオキシを形成する少なくとも2つの隣接した置換基を表す。別の実施態様において、Rは、ハロ、アミノ、アルキル及びジアルキルアミノ、ニトロソ、ニトロ及びシアノから選択される、1つ以上の置換基を表す。
【0047】
式Iの化合物の別の例示的実施態様において、Rは、アミノ、ジアルキルアミノ、トリアルキルアンモニウム、ポリ(ヒドロキシアルキル)アミノ、ヒドロキシアルキルアミノアルキルアミノ、(ポリヒドロキシ)アルキルアミノアルキルアミノ、ヘテロアリール、アジド、ヒドロキシアルキル(アルキルアミノ)及びこれらの組み合わせにより置換されているアルキルである。別の態様において、Rは置換C〜Cアルキルである。別の態様において、Rは置換Cアルキルである。別の態様において、Rは、場合により置換されているアルコキシから選択される1つ以上の置換基を表す。別の態様において、Rは、一緒になってアルキレンジオキシを形成する少なくとも2つの隣接した置換基を表す。別の態様において、Rは、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、アルキル及びジアルキルアミノ、ニトロソ、ニトロ、ヒドロキシルアミノ、アルコキシルアミノ及びシアノから選択される、1つ以上の置換基を表す。別の態様において、Rは、場合により置換されているアルコキシから選択される1つ以上の置換基を表す。別の態様において、Rは、一緒になってアルキレンジオキシを形成する少なくとも2つの隣接した置換基を表す。別の態様において、Rは、ハロ、アミノ、アルキル及びジアルキルアミノ、ニトロソ、ニトロ及びシアノから選択される、1つ以上の置換基を表す。
【0048】
別の例示的実施態様において、R及びRが式I及びIIの化合物において定義されたとおりである、式IIIのインデノベンゾピラン化合物が記載される。これらの化合物は、本明細書に記載されたプロセスに従って式I及びIIの化合物を調製するのに使用することができる。一つの実施態様において、以下の表に示されているように化合物4a〜4sが記載される。化合物4a〜4sは、本明細書に記載されているプロセスによって調製されたが、本プロセスは、場合により置換されている2−カルボキシベンズアルデヒド、及び、本明細書に記載されている、場合により置換されているフタリドの付加物を、調製及び環化する工程を含む。
【0049】



【0050】
別の例示的実施態様において、新規インデノイソキノリン化合物5a〜5z、5aa〜5az及び5ba〜5bsが記載される。これらの化合物は、本明細書に記載されているプロセスにより調製されたが、本プロセスは、対応するベンゾ〔d〕インデノ〔1,2−b〕ピラン−5,11−ジオンを調製する工程、及び、適切な第一級アミンによりラクトンを対応するラクタムに変換する工程、又は本明細書に記載されている、場合により置換されているホモフタル酸無水物及び場合により置換されているシッフ塩基を縮合する工程を含む。
【0051】





【0052】
化合物5a〜5z、5aa〜5az及び5ba〜5bsは、少なくとも部分的には、カンプトテシンにおいて見出されるようなラクトン環が不在なので、カンプトテシンよりも化学的安定しうることが理解される。(a)Jaxel, C; Kohn, K. W.; Wani, M. C; Pommier. Y. Structure-Activity Study of the Actions of Camptothecin Derivatives on Mammalian Topoisomerase 1 : Evidence for a Specific Receptor Site and a Relation to Antitumor Activity Cancer. Rev. 1989, 49, 1465-1469.(b)Minanri, H.; Beijnen, J.H.; Verweij, J.; Ratain, M. J. Limited Sampling Model for the Area under the Concentration Time Curve of Total Topotecan Clin. Cancer Res. 1996, 2, 43.46.(c)Danks, M.K.; Pawlik, C. A.; Whipple, D,O.; Wolverton, J.S. Intermittant Exposure of Medulloblastoma Cells to Topotecan Produces Growth Inhibition equivalent to Continuous Exposure Curr. Topics Med. Chem. 1997, 3, 1731-1738.(d)Haas. N.B.; LaCreta, F.P.; Walczak, J.; Hudes, G.R.; Brennan, J.M.; Ozols, R.F.; O'Dwyer, PJ. Phasel/Pharmaco-kinetic Study of Topotecan by 24-Hour Continuous Infusion Weekly Cancer Res. 1994, 54, 1220-1226 を参照すること(これらの開示は参照として本明細書に組み込ま
れる)。化合物5a〜5z、5aa〜5az及び5ba〜5bsは、多様な型のヒト癌に対して有効でありうることが更に理解される。化合物5a〜5z、5aa〜5az及び5ba〜5bsは、カンプトテシンと比べて特有のDNA結合部位選択性を有することができることも理解される。
【0053】
別の例示的実施態様において、非置換ベンゾ〔d〕インデノ〔1,2−b〕ピラン−5,11−ジオンを調製するプロセスが記載される。一つの態様において、インデノベンゾピラン4dをスキーム1に示されているように調製することができ、ここでは、2−カルボキシベンズアルデヒド1dをフタリド2dとメタノール/酢酸エチル中でナトリウムメトキシドを用いて縮合すること(工程(a))によって、中間体3dを生成し、これを単離し、続いて、酸性化した環流しているベンゼンで環化して(工程(b))、インデノベンゾピラン4dをもたらす。Shapiro, S.L.; Geiger, K.; Youlus, J.; Freedman, L. Indandiones A Modified Dieckman Reaction /. Org. Chem. 1961, 26, 3580-3582 を参照すること。別の態様において、インデノベンゾピラン4dは、中間体3dを単離することなく、新規の1ポット2工程法により調製し、これは、以前に報告された合成収率(31%)と比較して改善された収率(86%)をもたらした。Palior. M.; 15 Worther, H.; Meller, A. Some reactions of 2-aryl-1,3indandiones Monatsh Chem. 1961, 92, 1037-1047 を参照すること。
【0054】

【0055】
別の例示的実施態様において、置換ベンゾ〔d〕インデノ〔1,2−b〕ピラン−5,11−ジオン4を、スキーム2に示されているように調製する。場合により置換されたフタリド2をN−ブロモスクシンイミドにより四塩化炭素/ベンゼン中、環流下で処理すること(工程(a))によって、臭素化フタリド2eを得る。臭素化フタリド2eを水性の酸性条件により、環流下で処理して(工程(b))、ヒドロキシル化フタリド2fを得る。ヒドロキシル化フタリド2fを場合により置換されているフタリド2と、メタノールを含む溶液中にて、室温で、そしてナトリウムメトキシドのような有機塩基中で縮合すること(工程(c))、続いて、酸性条件下で環流すること(工程(d))によって、R及びRが本明細書において定義されたとおりである、場合により置換されているインデノベンゾピラン4を得る。
【0056】

【0057】
別の例示的実施態様において、置換ベンゾ〔d〕インデノ〔1,2−b〕ピラン−5,11−ジオン4を調製する、新規の1ポット2工程プロセスが記載される。スキーム3に示されているように、場合により置換されている2−カルボキシベンズアルデヒド1を場合により置換されているフタリド2とメタノール/酢酸エチル中でナトリウムメトキシドを用いて縮合すること(工程(a))によって、中間体3を生成し、これを酸性化した環流しているベンゼンで単離することなく環化するか、又はジシクロヘキシルカルボジイミド及びジメチルアミノピリジンを介して(工程(b))、R及びRが本明細書において定義されたとおりである、場合により置換されているインデノベンゾピラン4をもたらす。
【0058】

【0059】
別の例示的実施態様において、式Iのインデノイソキノリン化合物が、スキーム4に概説されているように調製される。インデノベンゾピラン化合物4を、クロロホルム中にて、R及びmが本明細書において定義されたとおりである式:R−(CH−NHの第一級アミンで処理すること(工程(a))によって、R、R、m及びRが本明細書において定義されたとおりである対応するインデノイソキノリン5をもたらす。
【0060】

【0061】
室温でのクロロホルムが大部分の第一級アミンにとって溶媒として十分であるが、例えばモノ−Boc保護ジアミンのような第一級アミンが、ベンゾ〔d〕インデノ〔1,2−b〕ピラン−5,11−ジオン4からラクタムを形成するのに使用される場合、環流下でのクロロホルムを溶媒として使用することができることが理解される。整数mが0ではなく、Rが、ハロ、アジド又はシアノであるインデノイソキノリン化合物5は、例えば、ハロ、アジド又はシアノ官能基をそれぞれ多様な求核剤に置き換えることによって更に合成することができることが、更に理解される。例示的には、インデノベンゾピラン化合物4を、クロロホルム中3−(ブロモ)プロピルアミンで、すなわち、式:R−(CH−NHにおけるR及びmが、それぞれ、ブロモ及び3である第一級アミンで処理すること(工程(a))によって、対応するN−(3−ブロモ−1−プロピル)インデノイソキノリン5の形成をもたらし、この化合物を、DMSO中でアジ化ナトリウム若しくはシアン化ナトリウムにより、又は臭化物イオンの同時置き換えを伴って、環流ジオキサン中でエタノールアミン、イミダゾール、N,N−ジメチルアミンモルホリン、ピペラジンなどのような第一級及び第二級アミンにより処理することができる。N−(3−シアノ−1−プロピル)インデノイソキノリン5を、例えばエステル、アミド、酸塩化物などを含む、多様なカルボン酸誘導体に変換することができる。
【0062】
別の例示的実施態様において、式Iのインデノイソキノリン化合物が、スキーム5に概説されているように調製される。場合により置換されているホモフタル酸無水物6を、R、R、m及びRが本明細書において定義されたとおりである、場合により置換されているシッフ塩基7と縮合することによって、カルボン酸8を生成し(工程(a))、ここで、示されているシス立体化学関係は、2つのメチンプロトンで約6Hzの結合定数が観察されたことに基づいている。(トランス立体化学関係を有するカルボン酸9は、2つのメチンプロトンで約10〜12Hzのオーダーの結合定数を示すと予測される。)カルボン酸8を、塩化チオニル及び塩化アルミニウムを用いる酸化フリーデル−クラフツ閉環に付すこと(工程(b))によって、R、R、m及びRが本明細書において定義されたとおりであるインデノイソキノリン5をもたらす。
【0063】

【0064】
別の例示的実施態様において、インデノイソキノリン化合物10a〜10oが記載され、ここで、m及びRの多様な態様及び実施態様は本明細書において記載されているとおりであり、R及びRは以下の表に示されているとおりである。
【0065】



【0066】
別の例示的実施態様において、式II:


〔式中、
、R、R′及びR′は、それぞれ独立した4つの置換基を表し、それらは全て、水素、ハロ、ヒドロキシ、場合により置換されているアルキル、場合により置換されているアルコキシ、シアノ、ニトロ、場合により置換されているアルキルチオ、場合により置換されているアルキルスルホニル、カルボン酸及びその誘導体、並びにスルホン酸及びその誘導体から独立して選択されるか、又は前記置換基のうちの2つが隣接する置換基であり、結合する炭素と一緒になって、場合により置換されている複素環を形成し;そして
Xは、−(CR)−、−(NR)−及び−O−から選択される1つ以上の二価ラジカルを含む二価リンカーであり、ここでR及びRは、それぞれ現れるときに、水素、アルキル及びアシルから独立して選択されるが、但し、二価リンカーは−O−O−を含まない〕
で示される新規化合物、並びに薬学的に許容されるその塩、水和物及び溶媒和物が記載される。一つの態様において、存在する場合は、各二価−(NR)−及び−O−は、少なくとも1つの二価ラジカル(−CR)−で離されている。別の態様において、各R及びRは水素である。
【0067】
別の例示的実施態様において、Xは、一般構造:−(CH−〔(CH−NR−(CH−(NR−(CH−を有する基であり、ここで、nは、0又は1であり、x及びyは、独立して1〜約4の範囲の整数であり、zは、1〜約4の範囲の整数であり、pは、0又は1であり、qは、0又は1〜約2の範囲の整数であり、そしてR及びRは、それぞれの場合に、水素、メチル、t−ブチルオキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル及びフルオレニルメトキシカルボニルから独立して選択されるか、又はR及びRと、任意の隣接Rは、結合している窒素と一緒になって複素環を形成する。
【0068】
式IIの化合物の一つの例示的態様において、R及びR′は、独立して、場合により置換されているアルコキシから選択される1つ以上の置換基を表す。一つの態様において、R及びR′は、独立して、一緒になってアルキレンジオキシを形成する少なくとも2つの隣接した置換基を表す。別の実施態様において、R及びR′は、独立して、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、アルキル及びジアルキルアミノ、ニトロソ、ニトロ、ヒドロキシルアミノ、アルコキシルアミノ及びシアノから選択される、1つ以上の置換基を表す。式IIの化合物の別の実施態様において、R及びR′は、独立して、場合により置換されているアルコキシから選択される1つ以上の置換基を表す。一つの態様において、R及びR′は、独立して、一緒になってアルキレンジオキシを形成する少なくとも2つの隣接した置換基を表す。別の実施態様において、R及びR′は、独立して、ハロ、アミノ、アルキル及びジアルキルアミノ、ニトロソ、ニトロ及びシアノから選択される、1つ以上の置換基を表す。
【0069】
式IIの化合物の別の例示的実施態様において、n、p及びqは、0であり、そしてzは、2、3又は4である。別の態様において、n及びpは1であり、zは1であり、そしてqは2である。一つの態様において、R及びR′は、独立して、場合により置換されているアルコキシから選択される1つ以上の置換基を表す。別の態様において、R及びR′は、独立して、一緒になってアルキレンジオキシを形成する少なくとも2つの隣接した置換基を表す。別の態様において、R及びR′は、独立して、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、アルキル及びジアルキルアミノ、ニトロソ、ニトロ、ヒドロキシルアミノ、アルコキシルアミノ及びシアノから選択される、1つ以上の置換基を表す。別の態様において、R及びR′は、独立して、場合により置換されているアルコキシから選択される1つ以上の置換基を表す。別の態様において、R及びR′は、独立して、一緒になってアルキレンジオキシを形成する少なくとも2つの隣接した置換基を表す。別の態様において、R及びR′は、独立して、ハロ、アミノ、アルキル及びジアルキルアミノ、ニトロソ、ニトロ及びシアノから選択される、1つ以上の置換基を表す。
【0070】
別の例示的実施態様において、ビスインデノイソキノリン化合物12〜17が記載される。これらの化合物は、本明細書に記載されているプロセスによって調製されたが、本プロセスは、適切なポリアミンにより、本明細書に記載されている、ベンゾ〔d〕インデノ〔1,2−b〕ピラン−5,11−ジオン4を調製しアミノ分解する工程を含む。
【0071】



【0072】
化合物12〜17は、少なくとも部分的に、ラクトン環の不在によってカンプトテシンよりも化学的に安定しうることが理解される。(a)Jaxel, C; Kohn, K. W.; Wani, M. C; Pommier. Y. Structure-Activity Study of the Actions of Camptothecin Derivatives on Mammalian Topoisomerase 1 : Evidence for a Specific Receptor Site and a Relation to Antitumor Activity Cancer. Rev. 1989, 49, 1465-1469.(b)Minanri, H.; Beijnen, J.H.; Verweij, J.; Ratain, M. J. Limited Sampling Model for the Area under the Concentration Time Curve of Total Topotecan Clin. Cancer Res. 1996, 2, 43.46.(c)Danks, M.K.; Pawlik, C. A.; Whipple, D,O.; Wolverton, J.S. Intermittant Exposure of Medulloblastoma Cells to Topotecan Produces Growth Inhibition equivalent to Continuous Exposure Curr. Topics Med. Chem. 1997, 3, 1731-1738.(d)Haas. N.B.; LaCreta, F.P.; Walczak, J.; Hudes, G.R.; Brennan, J.M.; Ozols, R.F.; O'Dwyer, PJ. Phasel/Pharmaco-kinetic Study of Topotecan by 24-Hour Continuous Infusion Weekly Cancer Res. 1994, 54, 1220-1226 を参照すること(これらの開示は参照として本明細書に組み込まれる)。化合物12〜17は、多様な型のヒト癌に対して有効でありうることが
更に理解される。化合物12〜17は、カンプトテシンと比べて特有のDNA結合部位選択性を有することができることも理解される。
【0073】
別の例示的実施態様において、式IIの対称ビスインデノイソキノリン化合物が、スキーム6に概説されているように調製される。インデノベンゾピラン4を、環流しているクロロホルム中で、R、R、n、x、y、z、p、q、R及びRが本明細書において定義されたとおりである式:NH−(CH−〔(CH−NR−(CH−(NR−(CH−NH 11のポリアミンにより処理すること(工程(a))によって、R、R、R′、R′及びXが本明細書において定義されたとおりである対応するビスインデノイソキノリン12がもたらされる。必要であるか又は望ましい場合、ビスインデノイソキノリン12を、Boc無水物及びトリエチルアミンでの処理によって対応するt−ブチルオキシカルボニル(Boc−)誘導体13に変換し(工程(b))、次に精製し、トリフルオロ酢酸又は塩酸で処理して(工程(c))、対応するTFA又はHCl塩14を生じる。
【0074】

【0075】
別の例示的実施態様において、式IIの非対称ビスインデノイソキノリンが、スキーム7に概説されているように調製される。インデノベンゾピラン4を、R、R、n、x、y、z、p、q、R及びRが本明細書において定義されたとおりである式:NH−(CH−〔(CH−NR−(CH−(NR−(CH−NH 11のポリアミンにより処理すること(工程(a))によって、R、R及びXが本明細書において定義されたとおりである対応するポリインデノイソキノリンAがもたらされる。続いて、ポリアミノインデノイソキノリンAをインデノベンゾピラン4dと縮合すること(工程(b))によって、対応する非対称ビスインデノイソキノリン15の形成をもたらす。必要であるか又は望ましい場合、非対称ビスインデノイソキノリン15を、Boc無水物及びトリエチルアミンでの処理によって対応するt−ブチルオキシカルボニル(Boc−)誘導体16に変換し(工程(c))、次に精製し、トリフルオロ酢酸又は塩酸で処理して(工程(d))、対応するTFA又はHCl塩17を生じる。
【0076】

【0077】
ビスインデノイソキノリン12及び15を、例えばベンジルオキシカルボニル又はフルオレニルメトキシカルボニル誘導体のようなウレタン誘導体を含む他のアシル誘導体に変換し、次に、精製し、水素化分解又はピペリジンによる処理を介してそれぞれ脱保護することができることが理解される。
【0078】
本明細書に記載されているインデノイソキノリン及びビスインデノイソキノリン化合物は、水和物及び溶媒和物を形成することもできる。水和物は、湿度が化合物を水和するのに十分である周囲条件に暴露されることによって、自発的に形成されてもよい。加えて、水和物は、より特異的には、本明細書に記載されている化合物を特定の湿度条件に暴露することによって形成することができる。水和物は、また、化合物を、所定量の水を含有する媒質に溶解又は懸濁し、蒸発させ、凍結乾燥するか、そうでなければ本明細書に記載されている化合物の水和物形態を与える方法でそのような溶液を濃縮することによって形成されてもよい。本明細書に記載されているインデノキノリニウム及びビスインデノキノリニウム化合物の溶媒和物は、化合物を、化合物と錯体を形成することができる溶媒に溶解又は懸濁し、続いて蒸発させるか、そうでなければ、本明細書に記載されている化合物の溶媒和物形態を与える方法でそのような溶液を濃縮することによって形成されてもよい。溶媒和物を形成することができる溶媒は、エタノール、ブタノールのようなアルコールを含むことができる。本明細書に記載されている化合物の水和物と溶媒和物の両方は、所定の化学量論を有することができる。そのような化学量論は、X線回析、融点分析などを含む従来の分析技術により評価することができる。
【0079】
本明細書に記載されている化合物は、COMPAREスクリーニング方法論を使用すると抗新生物活性を示し、ヒト癌の治療に有用な抗新生物剤であることを実証する。本明細書に記載されている化合物は、トポイソメラーゼI(top1)の阻害剤であり、特に、top1触媒性のDNA再連結反応の阻害剤であることができる。そのような阻害は、本明細書に記載されている化合物がインビトロで示す、癌細胞に対する抗増殖活性の原因となりうる。本明細書に記載されている化合物は、化合物、DNA及びtop1酵素からなる三成分複合体を形成することができる。理論に束縛されることなく、本明細書に記載されている化合物は、top1酵素触媒性のDNA切断反応を阻害する、top1毒物として作動することができると考えられる。本明細書に記載されている化合物は、三成分複合体の形成が可逆的でないか、又は急速に可逆的ではない場合、従来の治療法よりも長期間のインビトロ及びインビボ活性を有することができることが、更に理解される。
【0080】
したがって、COMPARE試験によって実証された増殖阻害のうちの幾つかは、トポイソメラーゼIの阻害である作用機構を介して起こることができる。しかし、驚くほど強力な細胞増殖阻害を示す化合物は、たとえトポイソメラーゼIに対する阻害効果が、試験した他の作用物質と比較して相対的に小さくても、少なくとも部分的には、トポイソメラーゼIの阻害に加えて又はその代わりに、別の作用機構を介して、細胞増殖の阻害を引き起こすことができることが理解される。
【0081】
また、本明細書に記載されているものは、癌を有する患者を治療するための、1つ以上のインデノイソキノリン又はビスインデノイソキノリン化合物の治療有効量を含む医薬組成物及び製剤である。特定のインデノイソキノリン又はビスインデノイソキノリン化合物の混合物を投与してもよいことが理解される。そのような医薬組成物は、1つ以上の希釈剤、担体及び/又は賦形剤も含んでもよい。本明細書で使用されるとき、インデノイソキノリン又はビスインデノイソキノリン化合物の治療有効量は、患者に投与されると、癌細胞の増殖を阻害し、悪性細胞を死滅させ、腫瘍の容量又は大きさを低減し、並びに/又は治療を受けた患者から腫瘍を完全に取り除く化合物の量として定義される。治療を受けた患者は、ヒト及び他の哺乳動物を含むことが理解されるべきである。
【0082】
本明細書で使用されるとき、用語「治療有効量」は、患者に投与される量を意味し、体表面積、患者の体重及び/又は患者の状態に基づくことができる。加えて、Freireich, E.J., et al., Cancer Chemother. Rep. 1966, 50 (4), 219(その開示は参照として本明細書に組み込まれる)により記載されているように、ヒトのために決定された投与量と、試験動物を含む動物のために決定された投与量には相関関係がある(例示的には、体表面の1立方メートルあたり1ミルグラムに基づく)。体表面積は、患者の身長と体重からほぼ決定することができる(例えば、Scientific Tables, Geigy Pharmaceuticals, Ardley, New York, pages 537-538 (1970) を参照すること)。本明細書に記載されているインデノイソキノリン及びビスインデノイソキノリン化合物の治療有効量は、癌又は悪性疾患からの緩和を必要とする患者で見出すことができるような悪性細胞又は癌細胞の集団の増殖を阻害する(又は集団を死滅させる)のに有用な任意の量として定義することができる。典型的には、そのような有効量は、患者の体重あたり約5mg/kg〜約500mg/kg、約5mg/kg〜約250mg/kg、及び/又は約5mg/kg〜約150mg/kgのインデノイソキノリン化合物の範囲である。有効投与量は、投与経路、任意の賦形剤の使用、並びにインデノイソキノリン化合物と、他の抗腫瘍剤、放射線治療などを含む他の従来及び非従来の治療処置との併用の可能性に応じて変わってもよい。
【0083】
インデノイソキノリン及びビスインデノイソキノリン化合物を、従来の医薬製剤を含む多様な医薬製剤で投与することができる。インデノイソキノリン化合物及びその製剤の変形を、従来の送達経路を含む多様な投与経路により送達することもできる。一つの実施態様において、インデノイソキノリン化合物及びその製剤の変形は、皮下、腹腔内、筋肉内及び静脈内を含む非経口経路により送達される。非経口投与形態及び製剤の例には、等張生理的食塩水、5%グルコース又は他の従来の薬学的に許容される液体担体中のインデノイソキノリン化合物の水性液剤が挙げられる。一つの態様において、1つ以上のインデノイソキノリン化合物が、5%ジメチルスルホキシド及び10% Cremphor EL(Sigma Chemical Company)を含有する生理的食塩水に溶解される。本明細書に記載されているインデノイソキノリン化合物と1つ以上の特定のより可溶性の複合体を形成することができるシクロデキストリンのような追加の可溶化剤、又は従来の可溶化剤を、化合物の送達のために医薬賦形剤として含めることができる。
【0084】
別の実施態様において、インデノイソキノリン化合物、ビスインデノイソキノリン化合物、及びそれらの製剤の変形は、カプセル剤、ゲルシール剤、錠剤などで経口投与により送達される。カプセル剤は、ゼラチン及び/又はセルロース誘導体を含む任意の従来の薬学的に許容される物質を含むことができる。錠剤は、インデノイソキノリン化合物、固体担体、潤滑剤、崩壊剤、及びデンプン、糖、ベントナイなどのような固体投与形態のための他の従来の成分の混合物を圧縮することを含む、従来の手順により製剤することができる。本明細書に記載されている化合物は、例えば、結合剤としてラクトース又はマンニトール、並びに従来の充填剤及び錠剤成形剤を含有する、硬質シェル錠剤又はカプセル剤の形態で投与することもできる。本明細書に記載されており、インデノイソキノリン化合物を送達するのに有用な固体投与形態は、製剤が通過して腸管に達するまでインデノイソキノリン化合物を放出するのを遅延することができる腸溶剤皮を含む、錠剤、カプレット剤、丸剤、カプセル剤などのような持続放出製剤も含む。
【実施例】
【0085】
以下の例示的実施態様は、本発明を更に説明するために本明細書に含まれる。これらの例示的実施態様は、本発明の範囲をいかようにも制限することを意図せず、そのように解釈されるべきではない。これらの例示的実施態様の多数の変形が本明細書において考慮されることが理解されるべきである。
【0086】
=== 化合物実施例 ===
融点は、毛細管で決定されたが、未修正である。赤外線スペクトルは、特に指定のない限り、溶媒としてCHClを使用して得た。指示される場合を除いて、300MHzのH NMRスペクトルは、溶媒としてCHCl及び内部標準として溶媒ピークを使用して得た。質量スペクトルは、エレクトロスプレー質量分析法によって決定した。微量分析は、Purdue University Microanalysis Laboratoryにおいて実施された。反応は、一般に、短波長UV光線により可視化したBakerフレックスシリカゲルIB2-Fプレートシートを使用する、分析薄層クロマトグラフィーによりモニタリングした。シリカゲルフラッシュクロマトグラフィーは、230〜400メッシュのシリカゲルを使用して実施した。
【0087】
インデノベンゾピラン4の1ポット合成の代表的な手順が、ベンゾ〔d〕インデノ〔1,2−b〕ピラン−5,11−ジオン4dについて本明細書に記載されている。化合物4a〜4sを含む他のインデノベンゾピランは、この代表的な例に従って調製することができることが理解される。加えて、インデノベンゾピラン4及び第一級アミンからのインデノイソキノリン5の合成のための代表的な手順が、5,6−ジヒドロ−6−(2−モルホリニル−1−エチル)−3−ニトロ−5,11−ジオキソ−11H−インデノ〔1,2−c〕イソキノリン5iについて本明細書に記載されている。化合物5a〜5kを含む他のインデノイソキノリンは、この代表的な例によって調製することができることが理解される。6−(3−ブロモ−1−プロピル)−5,6−ジヒドロ−2,3−ジメトキシ−8,9−メチレンジオキシ−5,11−ジオキソ−11H−インデノ〔1,2−c〕イソキノリン5yのアミノ分解によるインデノイソキノリン5の合成の代表的な手順も本明細書に記載際されており、その手順によってインデノイソキノリン5l及び5o〜5xが調製された。加えて、インデノベンゾピラン4d及びモノ−Boc保護第一級アミンからのインデノイソキノリン5の合成のための代表的な手順が本明細書に記載されており、その手順によって、モノ−Boc保護インデノイソキノリン5aa〜5ac及び5af〜5akが、対応するHCl塩5al〜5an及び5aq〜5avを生成するために調製された。インデノベンゾピラン4d及び一連のアミノピリジン誘導体からのインデノイソキノリン5aw〜5azの合成も本明細書に記載されている。加えて、インデノイソキノリン5の合成のための代表的な手順として、i)置換ホモフタル酸無水物6をシッフ塩基7と縮合すること、及びii)得られたカルボン酸8を酸化フリーデル−クラフツ閉環に付すこと、が本明細書に記載されており、この手順によって、インデノイソキノリン5bb〜5bcを調製した。化合物5ba、5bd及び5beを含む他のインデノイソキノリンは、この代表的な例に従って調製することができることが理解される。インデノイソキノリン5bf〜5bsを、本明細書に記載されているアミノ分解手順によりN−ハロアルキリデンイソキノリン5bb、5bd及び5beから調製した。また、インデノベンゾピラン4及び多様なポリアミン11からのビスインデノイソキノリン12〜17の合成も本明細書に記載されている。
【0088】
ベンゾ〔d〕インデノ〔1,2−b〕ピラン−5,11−ジオン(4d)。ナトリウムメトキシド(40mLの4Mメタノール溶液)を、酢酸エチル(20mL)中の2−カルボキシベンズアルデヒド1d(1.000g、7.455mmol)及びフタリド2d(1.119g、7.455mmol)の溶液に加えた。溶液を65℃で18時間加熱し、濃縮し、濃HClで酸性化した。得られた混合物を、ベンゼン(125mL)で希釈し、TsOH(100mg)を加え、溶液を、Dean-Starkトラップを取り付けたフラスコ中で、環流下で7時間加熱した。溶液を室温に冷却し、濃縮し、CHCl(150mL)で希釈し、飽和NaHCO(3×50mL)及び飽和NaCl(50mL)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮して、インデノベンゾピラン4dを橙色の固体(1.583g、86%)として得た:融点258〜259℃。(公表融点:257℃)。 1H NMR (CDCl3) δ 8.40 (d, J = 8.56 Hz. 1 H), 8.32 (d, J = 7.93 Hz, 1 H), 7.84-7.79 (m, 1 H), 7.61-7.39 (m, 5 H)。化合物8の合成に関する追加的な詳細は、Pailer et al., Monatsh Chern., 92:1037-47 (1961)において見出され、その合成の開示は、参照として本明細書に組み込まれる。
【0089】
5,6−ジヒドロ−6−(2−モルホリニル−1−エチル)−3−ニトロ−5,11−ジオキソ−11H−インデノ〔1,2−c〕イソキノリン(5i)。4−(2−アミノエチル)モルホリン(0.133g、1.023mmol)を、CHCl(30mL)中の3−ニトロベンゾ〔d〕インデノ〔1,2−b〕ピラン−5,11−ジオン4c(0.100g、0.341mmol)の溶液に加えた。溶液を室温で16時間撹拌し、CHCl(110mL)で希釈し、HO(3×30mL)及び飽和NaCl(30mL)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮して、インデノイソキノリン9iを粗固体として得た。固体をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO/CHClから7%MeOH/CHCl)により精製して、インデノイソキノリン5iを橙色の固体(0.138g、100%)として得た:融点257〜259℃。 IR (フィルム) 1670, 1613, 1505, 1330及び1078 cm-1; 1H NMR (CDCl3) δ 9.20 (s, 1 H), 8.89 (d, J = Hz, I H), 8.52 (d, J = Hz, 1 H), 7.80-7.72 (m, 2 H), 7.54 (m, 2 H), 4.73 (m, 2 H), 3.72 (bs, 4 H), 2.83 (m, 2 H), 2.62 (bs, 4 H); ESIMS m/z (相対強度) 406 (MH+, 100)。分析 C22H29N3O5での計算値: C, 65.18; H, 4.72; N, 10.37. 実測値: C, 65.27; H, 4.74; N, 10.20。
【0090】
6−(3−ブロモ−1−プロピル)−5,6−ジヒドロ−2,3−ジメトキシ−8,9−メチレンジオキシ−5,11−ジオキソ−11H−インデノ〔1,2−c〕イソキノリン(5y)からのインデノイソキノリン 5l及び5o〜5xの合成の一般手順。無水1,4−ジオキサン(30mL)中の6−(3−ブロモ−1−プロピル)−5,6−ジヒドロ−2,3−ジメトキシ−8,9−メチレンジオキシ−5,11−ジオキソ−11H−インデノ〔1,2−c〕イソキノリン(5y)(0.500g、1.06mmol)、アミン(2.11mmol)及び無水KCO(0.584g、4.23mmol)の混合物を、100℃で4時間加熱した。反応混合物を冷却し、次に濃縮した。残渣を、水(50mL)で希釈し、CHCl(2×50mL)で抽出し、1%HCl水溶液(50mL)、水(50mL)、飽和NaCl(50mL)で洗浄し、NaSOで乾燥した。粗生成物を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO)により0〜5%勾配のクロロホルム中メタノールで溶離して精製して、純粋なインデノイソキノリンを得た。
【0091】
3−(イミダゾリル−1−プロピル)−5,6−ジヒドロ−2,3−ジメトキシ−8,9−メチレンジオキシ−5,11−ジオキソ−11H−インデノ〔1,2−c〕イソキノリン塩酸塩(5l)。所望の類似体を、暗紫色の固体(245mg、63%)として得た:融点316〜318℃。 1H NMR (CDCl3) δ 8.01 (s, 1 H), 7.63 (s, 1 H), 7.60 (s, 1 H), 7.14 (s, 1 H), 7.04 (s, 2 H), 6.40 (s, 1 H), 6.07 (s, 2 H), 4.45 (t, J = 5.8 Hz, 2 H), 4.20 (t, J = 6.6 Hz, 2 H), 4.03 (s, 3 H), 3.98 (s, 3 H), 2.33 (t, J = 6.9 Hz, 2 H); ESIMS m/z (相対強度) 460 (MH+, 100)。分析 (C25H21N3O6・0.2 H2O) C, H, N。塩酸塩は、生成物をクロロホルム(50mL)に溶解し、ジエチルエーテル(15mL、30.0mmol)中の2M HCl無水溶液を0℃で加えることによって形成した。反応混合物を室温で6時間撹拌し、沈殿した生成物を濾過し、クロロホルム(50mL)、メタノール(20mL)で洗浄し、Pで24時間乾燥して、生成物を暗紫色の固体(170mg、79%)として得た:融点270〜272℃。 1H NMR (DMSO-d6-CD3OD, 2:1) δ 9.07 (s, 1 H), 7.78 (s, 2 H), 7.60 (s, 1 H), 7.42 (s, 1 H), 7.14 (s, 1 H), 6.96 (s, 1 H), 6.13 (s, 2 H), 4.41 (t, J = 6.6 Hz, 2 H), 4.36 (t, J= 7.3 Hz, 2 H), 3.86 (s, 3 H), 3.82 (s, 3 H), 2.35 (t, J= 6.1 Hz, 2 H); ESIMS m/z (相対強度) 494 (MH+, 100)。分析 (C25H22N3O6Cl) C, H, N。
【0092】
6−〔3−ピラゾリル−1−プロピル〕−5,6−ジヒドロ−2,3−ジメトキシ−8,9−メチレンジオキシ−5,11−ジオキソ−11H−インデノ〔1,2−c〕イソキノリン(5m)。6−(3−ブロモ−1−プロピル)−5,6−ジヒドロ−2,3−ジメトキシ−8,9−メチレンジオキシ−5,11−ジオキソ−11H−インデノ〔1,2−c〕イソキノリン(5y)(0.2113g、0.448mmol)を、DMF(50mL)中の水素化ナトリウム(86.8mgの鉱油中60%懸濁液、2.17mmol)及びピラゾール(0.1749g、2.57mmol)に加え、反応混合物を60℃で4時間加熱した。反応混合物を水(200mL)で希釈し、クロロホルム(200mL)で抽出した。有機層を水(7×200mL)で洗浄し、濃縮した。ベンゼンを加え(2×30mL)、混合物を再び濃縮した。残渣をクロロホルム(4mL)に溶解し、ジエチルエーテル(50mL)を加えた。沈殿物をジエチルエーテル(100mL)で洗浄して、暗赤色の固体(118.5mg、57.6%)を得た:融点262〜264℃(分解)。 IR (フィルム) 3462, 3104, 2918, 1693, 1640, 1557, 1495, 1488, 1430, 1394, 1308, 1284, 1251, 1205, 868, 785, 769 cm-1; 1H NMR (DMSO-d6) δ 7.97 (s, 1 H), 7.65 (d, J = 1.5 Hz, 1 H), 7.61 (s, 1 H), 6.57 (s, 1 H), 6.97 (s, 1 H), 6.68 (s, 1 H), 6.33 (s, 1 H), 6.05 (s, 2 H), 4.40 (m, 4 H), 4.01 (s, 3 H), 3.96 (s, 3 H), 2.45 (m, 2 H); ESIMS m/z (相対強度) 460 (MH+, 100)。分析 (C25H21N3O6・0.75 H2O) C, H, N。
【0093】
6−{3−〔2−(1,2,4−)〕−トリアゾリル−1−プロピル}−5,6−ジヒドロ−2,3−ジメトキシ−8,9−メチレンジオキシ−5,11−ジオキソ−11H−インデノ〔1,2−c〕イソキノリン塩酸塩(5n)。6−(3−ブロモ−1−プロピル)−5,6−ジヒドロ−2,3−ジメトキシ−8,9−メチレンジオキシ−5,11−ジオキソ−11H−インデノ〔1,2−c〕イソキノリン(5y)(0.2538g、0.538mmol)を、DMF(50mL)中の水素化ナトリウム(124.8mgの鉱油中60%懸濁液、3.12mmol)及び1,2,4−トリアゾール(0.2673g、0.566mol)に加え、反応混合物を60℃で3時間加熱した。反応混合物を水(200mL)で希釈し、沈殿物を濾過により分離し、水(50mL)で洗浄した。沈殿物をメタノール−クロロホルム1:1(200mL)に部分的に溶解した。ジエチルエーテル(100mL)を加え、沈殿物を濾過により分離し、追加のジエチルエーテル(100mL)で洗浄して、生成物を遊離塩基として得た。残渣をトリフルオロ酢酸(2mL)に溶解し、塩酸(4mLのジエチルエーテル中2M溶液)を加え、続いて更なるジエチルエーテル(30mL)を加えた。生成物を、暗赤色の固体(159.5mg、57%)として収集した:融点>240℃。 IR (KBr) 3429, 1694, 1647, 1553, 1500, 1487, 1431, 1394, 1311, 1254, 1207, 1032, 928, 873, 800, 786, 722, 617 cm-1; 1H NMR (DMSO-d6) δ 8.56 (s, 1 H), 7.99 (s, 1 H), 7.90 (s, 1 H), 7.52 (s, 1 H), 7.15 (s, 1 H), 7.10 (s, 1 H), 6.19 (s, 2 H), 4.44-4.38 (m, 4 H), 3.90 (s, 3 H), 3.86 (s, 3 H), 2.25 (m, 2 H); ESIMS m/z (相対強度) 461 (MH+, 53), 392 (MH+ - C2N3H3, 100)。 高解像度ESIMS m/z (相対強度) 461.1464 (100, MH+) (質量の計算値461.1461)。
【0094】
6−(3−チアゾリルアミノ−1−プロピル)−5,6−ジヒドロ−2,3−ジメトキシ−8,9−メチレンジオキシ−5,11−ジオキソ−11H−インデノ〔1,2−c〕イソキノリン二塩酸塩(5o)。生成物(213mg、41%)をクロロホルム(50mL)に溶解し、ジエチルエーテル(15mL、30.0mmol)中の2M HClの無水溶液により0℃で処理した。反応混合物を室温で6時間撹拌し、沈殿した生成物を濾過し、クロロホルム(50mL)、メタノール(10mL)で洗浄し、Pで乾燥して、所望の類似体を淡紫色の固体(140mg、61%)として得た:融点298〜300℃。 1H NMR (DMSO-d6) δ 7.82 (s, 1 H), 7.44 (s, 1 H), 7.38 (s, 1 H), 7.04 (s, 1 H), 6.18 (s, 2 H), 4.42 (bs, 2 H), 4.07 (bs, 2 H), 3.88 (s, 3 H), 3.83 (s, 3 H), 3.76 (bs, 4 H), 2.07 (bs, 2 H); ESIMS m/z (相対強度) 494 (MH+, 100)。分析 (C25H25N3O6SCl2・0.6 CHCl3) C, H, N。
【0095】
6−(3−ピペラジニル−1−プロピル)−5,6−ジヒドロ−2,3−ジメトキシ−8,9−メチレンジオキシ−5,11−ジオキソ−11H−インデノ〔1,2−c〕イソキノリン二塩酸塩(5p)。生成物(350mg、72%)をクロロホルムに溶解し、ジエチルエーテル(9.0mL、18.2mmol)中の2M HClにより室温で処理して、所望の類似体を淡紫色の固体(280mg、84%)として得た:融点276〜278℃(分解)。 1H NMR (D2O) δ 6.63 (bs, 1 H), 6.53 (s, 1 H), 6.47 (bs, 1 H), 6.18 (s, 1 H), 5.91 (s, 2 H), 3.90 (bs, 2 H), 3.51 (s, 3 H), 3.46 (bs, 11 H), 3.20 (bs, 2 H), 2.02 (bs, 2 H); ESIMS m/z (相対強度) 478 (MH+, 100)。分析 (C26H29Cl2N3O6・2.3 H2O) C, H, N。
【0096】
3−〔(モルホリニル)−1−プロピル〕−5,6−ジヒドロ−2,3−ジメトキシ−8,9−メチレンジオキシ−5,11−ジオキソ−11H−インデノ〔1,2−c〕イソキノリン(5q)。生成物を、暗紫色の固体(0.220g、82%)として単離した:融点290〜292℃。 1H NMR (CDCl3) δ 7.98 (s, 1 H), 7.59 (s, 1 H), 7.36 (s, 1 H), 7.02 (s, 1 H), 6.07 (s, 2 H), 4.48 (t, J = 7.39 Hz, 2 H), 4.02 (s, 3 H), 3.95 (s, 3 H), 3.76 (bs, 4 H), 2.54 (bs, 6 H), 2.01 (bs, 2 H); ESIMS m/z (相対強度) 479 (MH+, 100)。分析 (C26H25N2O7・0.2 H2O) C, H, N。
【0097】
3−〔(チオモルホリニル)−1−プロピル〕−5,6−ジヒドロ−2,3−ジメトキシ−8,9−メチレンジオキシ−5,11−ジオキソ−11H−インデノ〔1,2−c〕イソキノリン(5r)。生成物を、暗紫色の固体(275mg、53%)として単離した:融点306〜308℃。 1H NMR (CDCl3) δ 7.80 (s, 1 H), 7.60 (s, 1 H), 7.33 (s, 1 H), 7.04 (s, 1 H), 6.08 (s, 2 H), 4.48 (t, J = 6.4 Hz, 2 H), 4.02 (s, 3 H), 3.96 (s, 3 H), 2.84-2.78 (bs, 8 H), 2.67 (bs, 2 H), 2.09 (bs, 2 H); ESIMS m/z (相対強度) 495 (MH+, 100)。分析 (C26H26N2O6S・0.3 H2O) C, H, N。
【0098】
6−〔3−(3−ヒドロキシピペリジニル)−1−プロピル〕−5,6−ジヒドロ−2,3−ジメトキシ−8,9−メチレンジオキシ−5,11−ジオキソ−11H−インデノ〔1,2−c〕イソキノリン塩酸塩(5s)。生成物(220mg、0.45mmol、70%)を、クロロホルム中のジエチルエーテル(4.0mL、6.69mmol)中2M HClにより室温で処理して、所望の類似体を紫色の固体(210mg、89%)として得た:融点288〜290℃。 1H NMR (D2O) δ 6.54 (bs, 1 H), 6.41 (s, 1 H), 6.29 (bs, 1 H), 6.06 (s, 1 H), 5.88 (s, 2 H), 3.82 (bs, 2 H), 3.45 (s, 3 H), 3.37 (bs, 7 H), 3.15 (bs, 3 H), 1.99 (bs, 4 H), 1.68 (bs, 2 H); ESIMS m/z (相対強度) 493 (MH+, 100)。分析 (C27H29ClN2O7・1.4 H2O) C, H, N。
【0099】
3−〔(1−メチルピペラジニル)−1−プロピル〕−5,6−ジヒドロ−2,3−ジメトキシ−8,9−メチレンジオキシ−5,11−ジオキソ−11H−インデノ〔1,2−c〕イソキノリン(5t)。所望の類似体を、暗紫色の固体(160mg、51%)として単離した:融点254〜256℃。 1H NMR (CDCl3) δ 7.99 (s, 1 H), 7.60 (s, 1 H), 7.30 (s, 1 H), 7.03 (s, 1 H), 6.08 (s, 2 H), 4.47 (t, J = 6.0 Hz, 2 H), 4.02 (s, 3 H), 3.96 (s, 3 H), 2.55 (bs, 10 H), 2.30 (s, 3 H), 1.99 (bs, 2 H); ESIMS m/z (相対強度) 492 (MH+, 100)。分析 (C27H29N3O6・0.5 CHCl3) C, H, N。
【0100】
6−〔3−(4−アミノピペリジニル)−1−プロピル〕−5,6−ジヒドロ−2,3−ジメトキシ−8,9−メチレンジオキシ−5,11−ジオキソ−11H−インデノ〔1,2−c〕イソキノリン二塩酸塩(5u)。生成物(205mg、66%)をクロロホルム(30mL)に溶解し、ジエチルエーテル(5.2mL、10.40mmol)中の2M HClにより室温で8時間処理した。沈殿物を濾過し、クロロホルム(30mL)で洗浄して、所望の類似体を暗紫色の固体(165mg、85%)として得た:融点262〜264℃(分解)。 1H NMR (D2O) δ 6.62 (s, 1 H), 6.50 (s, 1 H), 6.44 (s, 1 H), 6.17 (s, 1 H), 5.92 (s, 2 H), 3.92 (bs, 2 H), 3.64 (bs, 2 H), 3.50 (s, 4 H), 3.45 (s, 3 H), 3.23 (bs, 2 H), 3.08 (bs, 2 H), 2.25 (m, 2 H), 2.06 (bs, 2 H), 1.90 (m, 2 H); ESIMS m/z (相対強度) 492 (MH+, 70)。
【0101】
6−(3−ホモピペラジニル−1−プロピル)−5,6−ジヒドロ−2,3−ジメトキシ−8,9−メチレンジオキシ−5,11−ジオキソ−11H−インデノ〔1,2−c〕イソキノリン二塩酸塩(5v)。得られた生成物(390mg、0.66mmol、69%)をクロロホルムに溶解し、ジエチルエーテル(10.0mL、19.8mmol)中の2M HClで処理して、所望の類似体を紫色の固体(305mg、82%)として得た:融点264〜266℃(分解)。 1H NMR (D2O) δ 6.71 (bs, 1 H), 6.56 (bs, 2 H), 6.21 (bs, 1 H), 5.92 (s, 2 H), 3.98 (bs, 2 H), 3.63-3.57 (bs, 6 H), 3.55 (s, 3 H), 3.50 (s, 3 H), 3.36-3.25 (bs, 4 H), 2.19 (bs, 2 H) 2.09 (bs, 2 H); ESlMS m/z (相対強度) 492 (MH+, 100)。分析 (C27H31Cl2N3O6・0.7 H2O) C, H, N。
【0102】
3−〔(1−ヒドロキシエチル−ピペラジニル)−1−プロピル〕−5,6−ジヒドロ−2,3−ジメトキシ−8,9−メチレンジオキシ−5,11−ジオキソ−11H−インデノ〔1,2−c〕イソキノリン(5w)。所望の類似体を、暗褐色の固体(258mg、47%)として単離した:融点262〜264℃。 1H NMR (CDCl3) δ 8.00 (s, 1 H), 7.60 (s, 1 H), 7.32 (s, 1 H), 7.04 (s, 1 H), 6.06 (s5 2 H), 4.52 (bs, 2 H), 4.03 (s, 3 H), 3.96 (s, 3 H), 3.22 (bs, 4 H), 3.13 (bs, 6 H), 2.84 (bs, 2 H), 2.68 (bs, 2 H), 1.73 (bs, 4 H), 1.63 (bs, 4 H), 1.43 (s, 18 H), 1.41 (s, 9 H); ESIMS m/z (相対強度) 522 (MH+, 100)。分析 (C28H31N3O7・0.8 H2O) C, H, N。
【0103】
6−〔(3−モルホリルエチルアミノ)−1−プロピル〕−5,6−ジヒドロ−2,3−ジメトキシ−8,9−メチレンジオキシ−5,11−ジオキソ−11H−インデノ〔1,2−c〕イソキノリン(5x)。所望の類似体を、淡紫色の固体(245mg、59%)として単離した:融点215〜217℃。 1H NMR (CDCl3) δ 8.01 (s, 1 H), 7.62 (s, 1 H), 7.42 (s, 1 H), 7.05 (s, 1 H), 6.06 (s, 2 H), 4.52 (bs, 2 H), 4.03 (s, 3 H), 3.97 (s, 3 H), 3.70 (bs, 4 H), 2.81 (bs, 2 H), 2.73 (bs, 2 H), 2.53 (bs, 2 H), 2.46 (bs, 4 H), 2.02 (bs, 2 H); ESIMS m/z (相対強度) 522 (MH+, 100)。分析 (C28H31N3O7・1.0 H2O) C, H, N。
【0104】
モノ−Boc保護ジアミンの調製の一般手順。BocO(0.500g、2.291mmol)をCHCl(10mL)に溶解し、溶液を、CHCl(50mL)中のジアミン(11.45mmol)の溶液に滴加した。反応混合物を室温で24時間撹拌し、濃縮し、フラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO)によりCHCl中の1%EtN/10%MeOHの溶液で溶離して精製して、モノ−Boc保護ジアミンを得た。(モノ−Boc−1,2−ジアミノエタン、モノ−Boc−1,3−ジアミノプロパン及びモノ−Boc−1,4−ジアミノブタンも、下記に記載されているようにして調製した。)
【0105】
モノ−Boc−1,7−ジアミノヘプタン。一般手順は、所望の化合物を無色の半固体(0.473g、90%)としてもたらした。 1H NMR (CDCl3) δ 4.52 (bs, 1 H), 3.12 (q, J= 6.2 Hz, 2 H), 2.70 (t, J = 6.8 Hz, 2 H), 1.43-1.23 (m, 19 H)。
【0106】
モノ−Boc−1,8−ジアミノオクタン。一般手順は、所望の化合物を無色の半固体(0.492g、88%)としてもたらした。 1H NMR (CDCl3) δ 4.51 (bs, 1 H), 3.12 (q, J = 6.5 Hz, 2 H), 2.69 (t, J = 6.8 Hz, 2 H), 1.43-1.23 (m, 21 H)。
【0107】
モノ−Boc−1,9−ジアミノノナン。一般手順は、所望の化合物を無色の半固体(0.125g、21%)としてもたらした。 1H NMR (CDCl3) δ 4.50 (bs, 1 H), 3.12 (q, J = 6.5 Hz, 2 H), 2.70 (t, J = 6.8 Hz, 2 H), 1.44-1.22 (m, 23 H)。
【0108】
モノ−Boc−1,10−ジアミノデカン。一般手順は、所望の化合物を無色の半固体(0.192g、31%)としてもたらした。 1H NMR (CDCl3) δ 1H NMR (CDCl3) δ 4.50 (bs, 1 H), 3.13 (q, J = 6.3 Hz, 2 H), 2.71 (t, J = 6.9 Hz, 2 H), 1.44-1.18 (m, 27 H)。
【0109】
モノ−Boc−1,11−ジアミノウンデカン。一般手順は、所望の化合物を無色の固体(0.555g、85%)としてもたらした:融点30〜34℃。 IR (フィルム) 3370, 2919, 2851, 1687及び1522 cm-1; 1H NMR (CDCl3) δ 4.49 (bs, 1 H), 3.11 (q, J = 6.5 Hz, 2 H), 2.71 (t, J= 6.8 Hz, 2 H), 1.44-1.27 (m, 29 H); ESIMS m/z (相対強度) 287 (MH+, 100)。分析. (C16H34N2O2) C, H, N。
【0110】
モノ−Boc−1,12−ジアミノドデカン。一般手順は、所望の化合物を無色の半固体(0.191g、28%)としてもたらした。 1H NMR (CDCl3) δ 4.48 (bs, 1 H), 3.11 (q, J = 6.2 Hz, 2 H), 2.76 (t, J= 6.9 Hz, 2 H), 1.44-1.26 (m, 31 H)。
【0111】
6−アミノ−5,6−ジヒドロ−5,11−ジケト−11H−インデノ〔1,2−c〕イソキノリン(5z)。ベンゾ〔d〕インデノ〔1,2−b〕ピラン−5,11−ジオン(4d)(0.150g、0.604mmol)を、CHCl(50mL)中のヒドラジン(0.255g、7.964mmol)で処理し、反応混合物を16時間加熱環流した。反応混合物を室温に冷まし、CHCl(150mL)で希釈し、飽和NaHCO(2×50mL)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮して、赤橙色の固体(0.120g、76%)を得た:融点272〜274℃。 IR (フィルム) 3448, 3305, 1686, 1663, 1610, 1507, 1312, 762 cm-1; 1H NMR (CDCl3) δ 8.54 (d, J = 7.8 Hz, 1 H), 8.51 (d, J = 7.2 Hz, 1 H), 8.24 (d, J = 7.4 Hz, 1 H), 7.85 (m, 1 H), 7.60-7.45 (m, 4 H), 6.19 (s, 2 H); EIMS m/z (相対強度) 262 (M+, 100)。分析 (C16H10N2O2・0.25 H2O) C, H, N。
【0112】
モノ−Boc保護インデノイソキノリンの調製の一般手順。モノ−Boc保護ジアミン(2.054mmol)を、CHCl(100mL)中のベンゾ〔d〕インデノ〔1,2−b〕ピラン−5,11−ジオン(4d)(0.255g、1.027mmol)の溶液に加えた。反応混合物を24時間加熱環流し、濃縮し、フラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO)によりCHClで溶離して精製して、モノ−Boc保護インデノイソキノリンを得た。(モノ−boc保護インデノイソキノリン5aa、5ab及び5acも、下記に記載されているように調製した。)
【0113】
6−(7′−tert−BOC−アミノヘプチル)−5,6−ジヒドロ−5,11−ジオキソ−11H−インデノ〔1,2−c〕イソキノリン(5af)。一般手順は、所望の化合物を黄橙色の固体(0.451g、95%)としてもたらした:融点112〜116℃。 IR (フィルム) 3369, 1697, 1664, 1503及び1172 cm-1; 1H NMR (DMSO-d6) δ 8.58 (d, J = 8.1 Hz, 1 H), 8.23 (d, J= 8.2 Hz, 1 H), 7.84-7.79 (m, 1 H), 7.71 (d, J = 7.7 Hz, 1 H), 7.63-7.50 (m, 4 H), 6.76 (m, 1 H), 4.50 (t, J = 7.4 Hz, 2 H), 2.90 (q, J = 6.2 Hz, 2 H), 1.77 (m, 2 H), 1.46-1.28 (m, 17 H); ESIMS m/z (相対強度) 483 (MNa+, 100)。分析 (C28H32N2O4) C, H, N。
【0114】
6−(8′−tert−BOC−アミノオクチル)−5,6−ジヒドロ−5,11−ジオキソ−11H−インデノ〔1,2−c〕イソキノリン(5ag)。一般手順は、所望の化合物を黄橙色の固体(0.466g、97%)としてもたらした:融点140〜143℃。 IR (フィルム 3368, 2929, 1698, 1665, 1504及び1172 cm-1; 1H NMR (DMSO-d6) δ 8.58 (d, J = 7.9 Hz, 1 H), 8.23 (d, J = 8.1 Hz, 1 H), 7.84-7.78 (m, 1 H), 7.71 (d, J = 7.5 Hz, 1 H), 7.63-7.47 (m, 4 H), 6.75 (m, 1 H), 4.50 (t, J= 7.4 Hz, 2 H), 2.91 (q, J = 6.6 Hz, 2 H), 1.78 (m, 2 H), 1.46-1.26 (m, 19 H); ESIMS m/z (相対強度) 497 (MNa+, 100)。分析 (C29H34N2O4) C, H, N。
【0115】
6−(9′−tert−BOC−アミノノニル)−5,6−ジヒドロ−5,11−ジオキソ−11H−インデノ〔1,2−c〕イソキノリン(5ah)。一般手順は、所望の化合物を橙色の固体(0.145g、77%)としてもたらした:融点91〜95℃。 IR (フィルム) 3371, 2928, 1698, 1666, 1504及び1172 cm-1; 1HNMR (DMSO-d6) δ 8.58 (d, J = 8.0 Hz, 1 H), 8.23 (d, J = 7.4 Hz, 1 H), 7.84-7.79 (m, 1 H), 7.71 (d, J = 7.4 Hz, 1 H), 7.63-7.50 (m, 4 H), 6.74 (m, 1 H), 4.50 (t, J = 7.3 Hz, 2 H), 2.91 (q, J = 6.6 Hz, 2 H), 1.78 (m, 2 H), 1.47-1.24 (m, 21 H); ESIMS m/z (相対強度) 511 (MNa+, 100)。分析 (C30H36N2O4) C, H, N。
【0116】
6−(10′−tert−BOC−アミノデシル)−5,6−ジヒドロ−5,11−ジオキソ−11H−インデノ〔1,2−c〕イソキノリン(5ai)。一般手順は、所望の化合物を黄橙色の固体(0.220g、78%)としてもたらした:融点135〜137℃。 IR (フィルム) 3368, 2927, 1698, 1666, 1504及び1172 cm-1; 1H NMR (DMSO-d6) δ 8.58 (d, J = 7.9 Hz, 1 H), 8.23 (dd, J = 8.1 Hz及び0.7 Hz, 1 H), 7.84 (dt, J= 7.2 Hz and 1.4 Hz, 1 H), 7.71 (d, J = 7.5 Hz, 1 H), 7.63-7.47 (m, 4 H), 6.76 (m, 1 H), 4.50 (t, J = 7.4 Hz, 2 H), 2.90 (q, J = 6.5 Hz, 2 H), 1.77 (m, 2 H), 1.46-1.23 (m, 23 H); ESIMS m/z (相対強度) 525 (MNa+, 100)。分析 (C31H38N2O4) C, H, N。
【0117】
6−(11′−tert−BOC−アミノウンデシル)−5,6−ジヒドロ−5,11−ジオキソ−11H−インデノ〔1,2−c〕イソキノリン(5aj)。一般手順は、所望の化合物を黄橙色の固体(0.445g、86%)としてもたらした:融点111〜114℃。 IR (KBr) 3364, 2918, 2850, 1678, 1660, 1534, 1505及び758 cm-1; 1H NMR (DMSO-d6) δ 8.58 (d, J = 8.1 Hz, 1 H), 8.23 (d, J = 7.4 Hz, 1 H), 7.84-7.79 (m, 1 H), 7.71 (d, J = 7.5 Hz, 1 H), 7.62-7.50 (m, 4 H), 6.74 (m, 1 H), 4.50 (t, J = 7.4 Hz, 2 H), 2.90 (q, J = 6.5 Hz, 2 H), 1.78 (m, 2 H), 1.46-1.22 (m, 25 H); ESIMS m/z (相対強度) 539 (MNa+, 100)。分析 (C32H40N2O4) C, H, N。
【0118】
6−(12′−tert−BOC−アミノドデシル)−5,6−ジヒドロ−5,11−ジオキソ−11H−インデノ〔1,2−c〕イソキノリン(5ak)。一般手順は、所望の化合物を黄橙色の固体(0.177g、66%)としてもたらした:融点129〜134℃。 IR (フィルム) 3369, 2926, 1698, 1666, 1504及び1172 cm-1; 1H NMR (DMSO-d6) δ 8.58 (d, J = 8.0 Hz, 1 H), 8.22 (d, J = 7.4 Hz, 1 H), 7.84-7.78 (m, 1 H), 7.71 (d, J = 7.5 Hz, 1 H), 7.62-7.50 (m, 4 H), 6.74 (m, 1 H), 4.50 (t, J = 7.3 Hz, 2 H), 2.90 (q, J = 6.6 Hz, 2 H), 1.77 (m, 2 H), 1.46-1.22 (m, 27 H); ESIMS m/z (相対強度) 553 (MNa+, 100)。分析 (C33H42N2O4) C, H, N。
【0119】
6−(5−アミノペンチル)−5,6−ジヒドロ−5,11−ジケト−11H−インデノ〔1,2−c〕イソキノリン塩酸塩(5ao)。ベンゾ〔d〕インデノ〔1,2−b〕ピラン−5,11−ジオン(4d)(0.100g、0.403mmol)を、CHCl(40mL)中の1,5−ジアミノペンタン(0.206g、2.014mmol)で処理し、反応混合物を16時間加熱環流した。反応混合物を室温に冷まし、水(3×15mL)で洗浄した。溶液を硫酸ナトリウムで乾燥し、EtO(5mL)中の2M HClで処理した。30分後、反応混合物を濾過し、フィルターパッドをCHCl(50mL)及びヘキサン(50mL)で洗浄して、橙色の固体(0.122g、82%)を得た:融点265〜268℃。 IR (フィルム) 3432, 3077, 2856, 1707, 1635, 1611, 1549及び1504 cm-1; 1H NMR (CDCl3) δ 8.59 (d, J = 8.1 Hz, 1 H), 8.23 (d, J = 8.1 Hz, 1 H), 7.85-7.80 (m, 3 H), 7.74 (d, J = 7.4 Hz, 1 H), 7.63-7.51 (m, 4 H), 4.52 (t, J = 7.3 Hz, 2 H), 2.81 (m, 2 H), 1.83 (m, 2 H)1.65-1.52 (m, 4 H); ESIMS m/z (相対強度) 333 (MH+, 100)。分析 (C21H21CIN2O2・0.75 H2O) C, H, N。
【0120】
6−(6−アミノヘキシル)−5,6−ジヒドロ−5,11−ジケト−11H−インデノ〔1,2−c〕イソキノリン塩酸塩(5ap)。ベンゾ〔d〕インデノ〔1,2−b〕ピラン−5,11−ジオン(4d)(0.100g、0.403mmol)を、CHCl(40mL)中の1,6−ジアミノヘキサン(0.234g、2.014mmol)で処理し、反応混合物を16時間加熱環流した。反応混合物を室温に冷まし、水(3×25mL)で洗浄した。溶液を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、EtO(5mL)中の2M HClで処理した。30分後、反応混合物を濾過し、フィルターパッドをCHCl(50mL)及びヘキサン(50mL)で洗浄して、橙色の固体(0.125g、81%)を得た:融点195(分解)。 IR (フィルム 3435, 1660, 1630, 1610及び1504 cm-1; 1H NMR (CDCl3) δ 8.59 (d, J = 7.8 Hz, 1 H), 8.23 (d, J = 8.1 Hz, 1 H), 7.85-7.71 (m, 4 H), 7.61-7.51 (m, 4 H), 4.52 (t, J = 7.3 Hz, 2 H), 2.78 (m, 2 H), 1.79 (m, 2 H), 1.59-1.39 (m, 6 H); ESIMS m/z (相対強度) 347 (MH+, 100)。分析 (C22H23ClN2O2・0.5 H2O) C, H, N。
【0121】
インデノイソキノリン塩酸塩の調製の一般手順。MeOH(10mL)中の3M HClを、CHCl(50mL)中のモノ−Boc保護インデノイソキノリン(0.100g、0.188〜0.217mmol)の溶液に室温でゆっくりと加えた。2時間後、反応混合物を濃縮し、残渣をEtOで粉砕した。得られた固体の濾過によって、インデノイソキノリンを塩酸塩として得た。(インデノイソキノリン塩酸塩5al、5am及び5anも、下記に記載されているように調製した。)
【0122】
6−(7−アミノヘプチル)−5,6−ジヒドロ−5,11−ジオキソ−11H−インデノ〔1,2−c〕イソキノリン塩酸塩(5aq)。一般手順は、所望の化合物を黄橙色の固体(0.085g、99%)としてもたらした:融点228〜231℃。 IR (KBr) 3436, 2931, 1702, 1650, 1611, 1549, 1504及び759 cm-1; 1H NMR (DMSO-d6) 8.60 (d, J = 8.1 Hz, 1 H), 8.24 (d, J = 8.2 Hz, 1 H), 7.85-7.80 (m, 1 H), 7.73 (d, J = 7.4 Hz, 1 H), 7.63-7.49 (m, 6 H), 4.53 (t, J = 7.0 Hz, 2 H), 2.78 (t, J = 7.1 Hz, 2 H), 1.80 (m, 2 H), 1.55-1.35 (m, 8 H); ESIMS m/z (相対強度) 361 (MH+, 100)。分析 (C23H25ClN2O2・0.5 H2O) C, H, N。
【0123】
6−(8−アミノオクチル)−5,6−ジヒドロ−5,11−ジオキソ−11H−インデノ〔1,2−c〕イソキノリン塩酸塩(5ar)。一般手順は、所望の化合物を橙色の固体(0.083g、95%)としてもたらした:融点182〜185℃。 IR (KBr) 3436, 2930, 1661, 1505及び761 cm-1; 1H NMR (DMSO-d6) δ 8.60 (d, J = 8.5 Hz, 1 H), 8.24 (d, J = 7.0 Hz, 1 H), 7.86-7.81 (m, 1 H), 7.73 (d, J = 7.6 Hz, 1 H), 7.63-7.52 (m, 6 H), 4.52 (t, J = 7.9 Hz, 2 H), 2.78 (t, J = 7.3 Hz, 2 H), 1.79 (m, 2 H), 1.50 (m, 4 H), 1.31 (m, 6 H); ESIMS m/z (相対強度) 375 (MH+, 100)。分析 (C24H27ClN2O2・0.75 H2O) C, H, N。
【0124】
6−(9−アミノノニル)−5,6−ジヒドロ−5,11−ジオキソ−11H−インデノ〔1,2−c〕イソキノリン塩酸塩(5as)。一般手順は、所望の化合物を橙色の固体(0.082g、94%)としてもたらした:融点204〜207℃。 IR (KBr) 3435, 2927, 1702, 1662, 1610, 1549, 1504, 1427及び759 cm-1; 1H NMR (DMSO-d6) δ8.60 (d, J = 8.3 Hz, 1 H), 8.24 (d, J = 9.3 Hz, 1 H), 7.83-7.81 (m, 1 H), 7.73 (d, J = 7.8 Hz, 1 H), 7.63-7.51 (m, 6 H), 4.52 (t, J= 8.3 Hz, 2 H), 2.78 (t, J = 7.3 Hz, 2 H), 1.79 (m, 2 H), 1.51 (m, 4 H), 1.28 (m, 8 H); ESIMS m/z (相対強度) 389 (MH+, 100)。分析 (C25H29ClN2O2・0.75 H2O) C, H, N。
【0125】
6−(10−アミノデシル)−5,6−ジヒドロ−5,11−ジオキソ−11H−インデノ〔1,2−c〕イソキノリン塩酸塩(5at)。一般手順は、所望の化合物を橙色の固体(0.087g、91%)としてもたらした:融点189〜192℃。 IR (KBr) 3443, 2925, 2851, 1705, 1646, 1611, 1550, 1504, 1467及び759 cm-1; 1HNMR(DMSO-d6) δ 8.60 (d, J = 7.9 Hz, 1 H), 8.23 (d, J = 7.5 Hz, 1 H), 7.83 (m, 1 H), 7.73 (d, J= 8.0 Hz, 1 H), 7.63-7.51 (m, 6 H), 4.52 (t, J = 7.4 Hz, 2 H), 2.76 (m, 2 H), 1.79 (m, 2 H), 1.49 (m, 4 H), 1.27 (m, 10 H); ESIMS m/z (相対強度) 403 (MH+, 100)。分析 (C26H31ClN2O2・0.5 H2O) C, H, N。
【0126】
6−(11−アミノウンデシル)−5,6−ジヒドロ−5,11−ジオキソ−11H−インデノ〔1,2−c〕イソキノリン塩酸塩(5au)。一般手順は、所望の化合物を橙色の固体(0.085g、88%)としてもたらした:融点125〜129℃。 IR (KBr) 3436, 2922, 2851, 1662, 1610, 1549, 1504, 1426及び758 cm-1; 1H NMR (DMSO-d6) δ 8.60 (d, J = 8.0 Hz, 1 H), 8.23 (d, J= 7.5 Hz, 1 H), 7.85 (m, 1 H), 7.72 (d, J= 7.5 Hz, 1 H), 7.63-7.51 (m, 6 H), 4.51 (t, J = 8.0 Hz, 2 H), 2.77 (t, J = 7.6 Hz, 2 H), 1.78 (m, 2 H), 1.48 (m, 4 H), 1.25 (m, 12 H); ESIMS m/z (相対強度) 417 (MH+, 100)。分析 (C26H31ClN2O2・1 H2O) C, H, N。
【0127】
6−(12−アミノドデシル)−5,6−ジヒドロ−5,11−ジオキソ−11H−インデノ〔1,2−c〕イソキノリン塩酸塩(5av)。一般手順は、所望の化合物を黄色の固体(0.087g、91%)としてもたらした:融点175〜178℃。 IR (KBr) 3435, 2927, 2850, 1704, 1644, 1506, 1466及び762 cm-1; 1H NMR (DMSO-d6) δ 8.59 (d, J = 7.8 Hz, 1 H), 8.23 (d, J = 7.5 Hz, 1 H), 7.83 (m, 1 H), 7.72 (d, J = 7.8 Hz, 1 H), 7.63-7.51 (m, 6 H), 4.51 (t, J= 7.5 Hz, 2 H), 2.76 (m, 2 H), 1.78 (m, 2 H), 1.51 (m, 4 H), 1.24 (m, 14 H); ESIMS m/z (相対強度) 431 (MH+, 100)。分析 (C28H35CIN2O2・1.25 H2O) C, H, N。
【0128】
5,6−ジヒドロ−5,11−ジオキソ−6−(2−ピリジルメチル)−11H−インデノ〔1,2−c〕イソキノリン(5aw)。2−(アミノメチル)ピリジン(0.054g、0.504mmol)を、CHCl(50mL)中のベンゾ〔d〕インデノ〔1,2−b〕ピラン−5,11−ジオン(4d)(0.100g、0.403mmol)の溶液に加え、反応混合物を16時間加熱環流した。反応混合物を室温に冷まし、HO(3×25mL)、飽和NaCl(25mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。残渣をEtOAc、ヘキサンで洗浄し、乾燥して、黄色の固体(0.110g、81%)を得た:融点240〜242℃。 IR (KBr) 1698, 1655, 1618, 1501, 1427及び755 cm-1; 1H NMR (DMSO-d6) δ 8.62 (d, J = 8.0 Hz, 1 H), 8.56 (d, J = 4.9 Hz, 1 H), 8.22 (d, J = 8.1 Hz, 1 H), 7.97 (dt, J = 7.8 Hz and 1.7 Hz, 1 H), 7.89 (m, 1 H), 7.61-7.37 (m, 7 H), 5.91 (s, 2 H); ESIMS m/z (相対強度) 339 (MH+, 100)。分析 (C22H14N2O2) C, H, N。
【0129】
5,6−ジヒドロ−5,11−ジオキソ−6−(3−ピリジルメチル)−11H−インデノ〔1,2−c〕イソキノリン塩酸塩(5ax)。3−(アミノメチル)ピリジン(0.054g、0.504mmol)を、CHCl(50mL)中のベンゾ〔d〕インデノ〔1,2−b〕ピラン−5,11−ジオン(4d)(0.100g、0.403mmol)の溶液に加え、反応混合物を16時間加熱環流した。反応混合物を室温に冷まし、HO(3×25mL)、飽和NaCl(25mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。残渣をCHCl(40mL)で希釈し、MeOH(10mL)中の3M HClを加え、反応混合物を室温で2時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、残渣をCHClで洗浄して、ピンク色の固体(0.146g、97%)を得た:融点274℃(分解)。 IR (KBr) 2343, 2106, 1695, 1655, 1610, 1551, 1501及び754 cm-1; 1H NMR (DMSO-d6) δ 8.98 (s, 1 H), 8.78 (d, J = 5.2 Hz, 1 H), 8.64 (d, J= 8.1 Hz, 1 H), 8.36 (d, J = 9.1 Hz, 1 H), 8.23 (d, J = 7.5 Hz, 1 H), 7.90 (m, 2 H), 7.59- 7.39 (m, 5 H), 5.89 (s, 2 H); ESIMS m/z (相対強度) 339 (MH+, 100)。分析 (C22H15ClN2O2) C, H, N。
【0130】
5,6−ジヒドロ−5,11−ジオキソ−6−(2−ピリジルエチル)−11H−インデノ〔1,2−c〕イソキノリン塩酸塩(5ay)。2−(2−アミノエチル)ピリジン(0.098g、0.806mmol)を、CHCl(50mL)中のベンゾ〔d〕インデノ〔1,2−b〕ピラン−5,11−ジオン(4d)(0.100g、0.403mmol)の溶液に加え、反応混合物を16時間加熱環流した。反応混合物を室温に冷まし、HO(3×25mL)、飽和NaCl(25mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。残渣をCHCl(40mL)で希釈し、MeOH(10mL)中の3M HClを加え、反応混合物を室温で2時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、残渣をCHClで洗浄して、黄色の固体(0.146g、93%)を得た:融点240℃(分解)。 IR (KBr) 2307, 1698, 1659, 1610, 1548, 1504, 1429及び760 cm-1; 1H NMR (DMSO-d6) δ 8.78 (d, J = 5.5 Hz, 1 H), 8.57 (d, J = 8.0 Hz, 1 H), 8.33 (m, 1 H), 8.02 (d, J= 8.0 Hz, 1 H), 7.97 (ds J= 8.0 Hz, 1 H), 7.90 (d, J = 8.0 Hz, 1 H), 7.80 (m, 2 H), 7.61-7.44 (m, 4 H), 4.92 (t, J = 6.5 Hz, 2 H), 3.59 (t, J = 6.3 Hz, 2 H); ESIMS m/z (相対強度) 353 (MH+, 100)。分析 (C23H17ClN2O2) C, H, N。
【0131】
5,6−ジヒドロ−5,11−ジオキソ−6−(3−ピリジルエチル)−11H−インデノ〔1,2−c〕イソキノリン(5az)。3−(2−アミノエチル)ピリジン(0.172g、0.604mmol)を、CHCl(50mL)中のベンゾ〔d〕インデノ〔1,2−b〕ピラン−5,11−ジオン(4d)(0.100g、0.403mmol)の溶液に加えた。トリエチルアミン(0.224mL、1.612mmol)を加え、反応混合物を16時間加熱環流した。反応混合物を室温に冷まし、HO(3×25mL)、飽和NaCl(25mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。得られた沈殿物をEtOAc、ヘキサンで洗浄し、乾燥して、橙色の固体(0.140g、99%)を得た:融点220℃(分解)。 IR (KBr) 1691, 1660, 1609, 1549, 1504, 1424及び765 cm-1; 1H NMR(DMSO-d6) δ 8.90 (s, 1 H), 8.73 (d, J = 5.6 Hz,1 H), 8.59 (d, J = 8.1 Hz, 1 H), 8.44 (d, J= 7.9 Hz, 1 H), 8.10 (d, J = 8.1 Hz, 1 H), 7.88 (m, 3 H), 7.61-7.48 (m, 4 H), 4.87 (t, J = 6.7 Hz, 2 H), 3.37 (t, J = 6.3 Hz, 2 H); ESIMS m/z (相対強度) 353 (MH+, 100)。分析 (C23H16N2O2・0.55 H2O) C, H, N。
【0132】
シス−4−カルボキシ−N−(3−クロロプロピル)−3,4−ジヒドロ−3−(4−メトキシフェニル)−1(2H)イソキノリン(8a)。ホモフタル酸無水物(6a)(3.065g、18.90mmol)を、4−メトキシベンジリデン−(3−クロロ−1−プロピルアミン)(7a)(4.000g、18.90mmol)のクロロホルム(125mL)溶液に加え、反応混合物を室温で3時間撹拌した。得られた沈殿物を濾過し、クロロホルム(100mL)で洗浄し、乾燥して、オフホワイトの固体(4.723g、67%)を得た:融点180〜181℃。 IR (KBr) 3437, 2957, 1740, 1622, 1598, 1573, 1514, 1479, 1258及び1173 cm-1; 1H NMR (CD3OD) δ 8.10 (dd, J = 7.6 Hz及び1.4 Hz, 1 H), 7.63 (d, J = 7.6 Hz, 1 H), 7.55 (dt, J= 7.4 Hz及び1.5 Hz, 1 H), 7.50 (m, 1 H), 6.97 (m, 2 H), 6.75 (m, 2 H), 5.13 (d, J= 6.3 Hz, 1 H), 4.76 (d, J = 6.2 Hz, 1 H), 3.98 (m, 1 H), 3.70 (s, 3 H), 3.61 (m, 2 H), 3.22 (m, 1 H), 2.13-2.01 (m, 2 H); ESIMS m/z (相対強度) 374/376 (MH+, 100/33)。分析 (C20H20CINO4) C, H, N。
【0133】
ベンジリデン−(3−ブロモ−1−プロピルアミン)(7b)。3−ブロモプロピルアミンの臭化水素酸塩(5.364g、24.50mmol)を、CHCl(100mL)中のトリエチルアミン(4mL)で処理し、室温で5分間撹拌した。ベンズアルデヒド(2.000g、18.85mmol)及び硫酸マグネシウム(6.000g)を加え、反応混合物を室温で16時間撹拌した。反応混合物を濾過し、フィルターパッドをCHCl(50mL)で洗浄した。濾液を、水(3×50mL)、飽和NaCl(50mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮して、黄色の油状物(4.262g、100%)を得た。 IR (フィルム) 1645, 754及び693 cm-1; 1H NMR (CDCl3) δ 8.34 (s, 1 H), 7.76 (m, 2 H), 7.44 (m, 3 H), 3.78 (dt, J = 6.3 Hz及び1.3 Hz, 2 H), 3.52 (t, J = 6.5 Hz, 2 H), 2.31 (pent, J = 6.4 Hz, 2 H); ESlMS m/z (相対強度) 226/228 (MH+, 100/91)。分析 (C10H12BrN) C, H, N。
【0134】
シス−4−カルボキシ−3,4−ジヒドロ−N−(3−ブロモプロピル)−3−フェニル−7−ニトロ−1(2H)イソキノリン(8b)。4−ニトロホモフタル酸無水物(6b)(3.664g、17.69mmol)を、ベンジリデン−(3−ブロモ−1−プロピルアミン)(7b)(4.000g、17.69mmol)のクロロホルム(125mL)溶液に加え、反応混合物を室温で1.25時間撹拌した。得られた沈殿物を濾過し、クロロホルム(150mL)で洗浄し、乾燥して、黄色の固体(6.278g、82%)を得た:融点158〜160℃。 IR (KBr) 3435, 3061, 1743, 1638, 1520, 1349及び1191 cm-1; 1H NMR (CD-3OD) δ 8.90 (d, J = 2.5 Hz, 1 H), 8.38 (dd, J = 8.7 Hz and 2.6 Hz, 1 H), 7.98 (m, 1 H), 7.25-7.19 (m, 3 H), 7.07-7.03 (m, 2 H), 5.32 (d, J = 6.2 Hz, 1 H), 4.96 (d, J= 6.2 Hz, 1 H), 3.99 (m, 1 H), 3.52 (m, 2 H), 3.26 (m, 1 H), 2.26-2.12 (m, 2 H); 陰イオンESIMS m/z (相対強度) 431/433 [(M-H+)-, 12/9]。分析 (C19H17BrN2O5・1.0 H2O) C, H, N。
【0135】
6−(3−クロロプロピル)−5,6−ジヒドロ−9−メトキシ−5,11−ジオキソ−11H−インデノ〔1,2−c〕イソキノリン(5bc)。塩化チオニル(2mL)を、ベンゼン(40mL)中のシス−4−カルボキシ−N−(3−クロロプロピル)−3,4−ジヒドロ−3−(4−メトキシフェニル)−1(2H)イソキノロン(8a)(0.510g、1.364mmol)の溶液に加えた。反応混合物を30分間加熱還流し、室温に冷まし、濃縮した。残渣をニトロベンゼン(20mL)で希釈し、氷浴で冷やし、塩化アルミニウム(0.364g、2.728mmol)を加えた。反応混合物を浴から取り出し、100℃で1.5時間加熱した。氷水(100mL)を加え、溶液をCHCl(3×50mL)で抽出した。有機層をまとめて、飽和NaHCO(3×50mL)、飽和NaCl(50mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶液を濃縮し、ヘキサン(250mL)を加え、液体をデカントした。得られた固体をヘキサン(100mL)で洗浄し、液体を再びデカントした。固体を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO)によりクロロホルムで溶離して精製して、紫赤色の固体(0.082g、17%)を、EtOA/ヘキサンに沈殿させて得た:融点195〜198℃。 IR (KBr) 1662, 1611, 1505, 1481, 1432及び1299 cm-1; 1H NMR (CDCl3) δ 8.67 (d, J= 8.1 Hz, 1 H), 8.31 (dd, J = 8.2 Hz及び0.7 Hz, 1 H), 7.73 (m, 1 H), 7.66 (d, J = 8.4 Hz, 1 H), 7.45 (m, 1 H), 7.22 (d,J = 2.6 Hz, 1 H), 6.86 (dd, J = 8.4 Hz及び2.6 Hz, 1 H), 4.67 (m, 2 H), 3.89 (s, 3 H), 3.83 (m, 2 H), 2.43 (m, 2 H); CIMS m/z (相対強度) 354/356 (MH+, 100/30)。分析 (C20H16CINO3) C, H, N。
【0136】
6−(3−ブロモプロピル)−5,6−ジヒドロ−−5,11−ジオキソ−3−ニトロ−11H−インデノ〔1,2−c〕イソキノリン(5bb)。塩化チオニル(5mL)を、ベンゼン(50mL)中のシス−4−カルボキシ−3,4−ジヒドロ−N−(3−ブロモプロピル)−3−フェニル−7−ニトロ−1(2H)イソキノロン(8b)(1.000g、2.308mmol)の溶液に加えた。反応混合物を30分間加熱還流し、室温に冷まし、濃縮した。残渣をニトロベンゼン(30mL)で希釈し、氷浴で冷やし、塩化アルミニウム(0.616g、4.616mmol)を加えた。反応混合物を浴から取り出し、100℃で1時間加熱した。氷水(100mL)を加え、溶液をCHCl(3×100mL)で抽出した。有機層をまとめて、飽和NaHCO(3×50mL)、飽和NaCl(50mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶液を濃縮し、ヘキサン(900mL)を加え、液体をデカントした。得られた固体をヘキサン(100mL)で洗浄し、液体を再びデカントした。粗固体を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO)によりクロロホルムで溶離して精製して、橙色の固体(0.432g、45%)を得た:融点258〜260℃(分解)。 IR (フィルム) 1672, 1612, 1560, 1503, 1428及び1337 cm-1; 1H NMR (CDCl3) δ 9.20 (d, J = 2.4 Hz, 1 H), 8.89 (d, J = 8.9 Hz, 1 H), 8.52 (dd, J = 9.0 Hz及び2.4 Hz, 1 H), 7.92 (m, 1 H), 7.75 (m, 1 H), 7.57-7.52 (m, 2 H), 4.76 (m, 2 H), 3.70 (t, J = 6.2 Hz, 2 H), 2.54 (m, 2 H); CIMS m/z (相対強度) 413/415 (MH+, 100/82)。分析 (C19H13BrN2O4) C, H, N。
【0137】
ビス{(5,6−ジヒドロ−5,11−ジケト−11H−インデノ〔1,2−c〕イソキノリン)−6−エチル}アミン(12a)。2,2′−ジアミノジエチルアミン(11a)(0.3g、2.91mmol)を、CHCl(200mL)中のインデノベンゾピラン4d(2.17g、8.72mmol)の撹拌溶液に加え、混合物を環流下で48時間撹拌した。次に、反応混合物を冷却し、得られた橙色の固体を焼結ガラス漏斗で濾過し、クロロホルム(30mL)で洗浄して、純粋なビスインデノイソキノリン12a(0.75g、46%)を橙色の固体として得た:融点240〜242℃。 1H NMR (DMSO-d6) δ 8.51 (d, J = 8.9 Hz, 2 H), 8.11 (d, J = 7.7 Hz, 2 H), 7.76 (bs, 4 H), 7.47 (bs, 4 H), 7.36 (bs, 4 H), 4.51 (bs, 4 H), 3.03 (bs, 4 H); ESIMS m/z (相対強度) (MH+, 100). 分析 C36H25N3O4の計算値: C, 76.72; H, 4.47; N, 7.46. 実測値: C, 76.35; H, 4.45; N, 7.39。
【0138】
ビス{(5,6−ジヒドロ−5,11−ジケト−11H−インデノ〔1,2−c〕イソキノリン)}−6−エチル,6′−プロピル)アミン(12b)。2−アミノエチル−3−アミノプロピルアミン(11b)(0.2g、1.71mmol)を、CHCl(200mL)中のインデノベンゾピラン4d(1.06g、4.72mmol)の撹拌溶液に加え、反応混合物を環流下で48時間撹拌した。次に、反応混合物を冷却し、得られた橙色の固体を焼結ガラス漏斗で濾過し、クロロホルム−メタノール混合物(2:8、50mL)で洗浄して、純粋なビスインデノイソキノリン12b(0.72g、73%)を橙色の固体として得た:融点250〜252℃。 1H NMR (CDCl3) δ 8.69 (d, J = 8.5 Hz, 2 H), 8.29 (t, J = 7.4 Hz, 2 H), 7.70 (t, J = 7.4 Hz, 2 H), 7.62 (m, 2 H), 7.46-7.37 (m, 8 H), 4.69 (t, J = 7.3 Hz, 2 H), 4.61 (t, J = 7.5 Hz, 2 H), 3.16 (t, J = 7.3 Hz, 2 H), 2.89 (t, J = 6.0 Hz, 2 H), 2.05 (m, 2 H); ESIMS m/z (相対強度) 578 (MH+, 100); HRESIMS (C37H27N3O4)H+の計算値: 578.2079. 実測値: 578.2087。
【0139】
ビス{(5,6−ジヒドロ−5,11−ジケト−11H−インデノ〔1,2−c〕イソキノリン)−6−プロピル}アミン(12c)。3,3′−ジアミノジプロピルアミン(11c)(0.3g、2.29mmol)を、CHCl(200mL)中のインデノベンゾピラン4d(1.7g、6.86mmol)の撹拌溶液に加え、混合物を環流下で48時間撹拌した。明橙色の反応混合物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO/CHClからCHCl中3%MeOH)により精製して、純粋なビスインデノイソキノリン12c(0.54g)を暗橙色の固体として40%の収率で得た:融点223〜225℃。 1H NMR (CDCl3) δ 8.65 (d, J = 8.1 Hz, 2 H), 8.27 (d, J= 8.1 Hz, 2 H), 7.67 (t, J= 7.1 Hz, 4 H), 7.57 (d, J = 7.0 Hz, 2 H), 7.41 (t, J= 7.1 Hz, 4 H), 7.33 (t, J= 7.1 Hz, 2 H), 4.62 (t, J = 7.3 Hz, 4 H) 2.84 (t, J = 6.4 Hz, 4 H), 2.08 (m, 4 H); 1H NMR (DMSO-d6) δ 8.53 (d, J = 7.8 Hz, 2 H), 8.18 (d, J= 7.9 Hz, 2 H), 7.87 (d, J = 7.4 Hz, 2 H), 7.79 (t, J = 7.6 Hz, 2 H), 7.54 (t, J = 5.8 Hz, 4 H), 7.46 (m, 4 H), 4.53 (t, J = 6.9 Hz, 4 H), 2.80 (bs, 4 H), 1.99 (m, 4 H); ESIMS m/z (相対強度) 592 (MH+, 100). 分析 C38H29N3O4・1.6 H2Oの計算値: C, 73.56; H, 5.23; N, 6.77. 実測値: C, 73.18; H, 4.93; N, 6.47。
【0140】
ビス{(5,6−ジヒドロ−5,11−ジケト−11H−インデノ〔1,2−c〕イソキノリン)−6−プロピル}メチルアミン(12d)。3,3′−ジアミノ−N−メチルジプロピルアミン(11d)(0.10g、0.69mmol)を、CHCl(150mL)中のインデノベンゾピラン4d(0.38g、1.52mmol)の撹拌溶液に加え、反応混合物を環流下で48時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、フラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO/CHClからCHCl中5%MeOH)により精製して、ビスインデノイソキノリン12d(340mg、82%)を赤色の固体として得た:融点230〜232℃。 1H NMR (CDCl3) δ 8.67 (d, J = 8.1 Hz, 2 H), 8.30 (d, J = 7.6 Hz, 2 H), 7.72-7.66 (dt, J = 8.3 and 2.8 Hz, 4 H), 7.59 (d, J= 7.1 Hz, 2 H), 7.48-7.40 (q, J = 7.5 Hz, 4 H), 7.33 (t, J = 7.3 Hz, 2 H), 4.63 (t, J = 8.0 Hz, 4 H), 2.66 (t, J = 6.5 Hz, 4 H), 2.37 (s, 3 H), 2.13-2.04 (m, 4 H); ESIMS m/z (相対強度) 606 (MH+, 100)。分析 C39H31N3O4・0.4 CHCl3の計算値: C, 72.42; H, 4.84; N, 6.43. 実測値: C, 72.67; H, 5.05; N, 6.32。
【0141】
ビス{(5,6−ジヒドロ−5,11−ジケト−11H−インデノ〔1,2−c〕イソキノリン)}−6−プロピル,6′−ブチル)アミン(12e)。4−アミノブチル−3−アミノプロピルアミン(11e)(0.2g、1.38mmol)を、CHCl(200mL)中のインデノベンゾピラン4d(0.75g、3.03mmol)の撹拌溶液に加え、反応混合物を環流下で48時間撹拌した。次に、反応混合物を冷却し、得られた橙色の固体を焼結ガラス漏斗で濾過し、クロロホルム−メタノール混合物(5:1、50mL)で洗浄して、純粋なビスインデノイソキノリン12e(0.63g、76%)を橙色の固体として得た:融点228〜230℃。 1H NMR (CDCl3) δ 8.67 (d, J = 8.1 Hz, 2 H), 8.28 (d, J= 8.1 Hz, 2 H), 7.70-7.65 (m, 2 H), 7.59 (d, J= 6.8 Hz, 2 H), 7.52 (d, J = 7.4 Hz, 2 H), 7.45-7.24 (m, 6 H), 4.61 (t, J = 7.3 Hz, 2 H), 4.55 (t, J = 7.9 Hz, 2 H), 2.84 (t, J = 6.5 Hz, 2 H), 2.80 (t, J = 6.8 Hz, 2 H), 2.15-2.10 (m, 2 H), 2.00-1.95 (m, 2 H), 1.84-1.77 (m, 2 H); ESIMS m/z (相対強度) 606 (MH+, 100); HRESIMS (C39H31N3O4)H+の計算値: 606.2393. 実測値: 606.2402。
【0142】
ビス−1,3−{(5,6−ジヒドロ−5,11−ジケト−11H−インデノ〔1,2−c〕イソキノリン)−(6−エチル−tert−BOCアミノ)}プロパン(13a)。N,N′−ビス(2−アミノエチル)−1,3−プロパンジアミン(11g)(0.10g、0.62mmol)を、CHCl(150mL)中のインデノベンゾピラン4d(0.34g、1.37mmol)の撹拌溶液に加え、反応混合物を環流下で72時間撹拌し、ビスインデノイソキノリン12gを粗中間体として得た。反応混合物を室温に冷ました後、EtN(0.35mL、2.50mmol)及びBocO(0.34g、1.56mmol)を加え、反応混合物を室温で8時間撹拌した。粗反応混合物を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO/ヘキサン中20%EtOAc、次にCHCl中1〜5%MeOH)により精製して、Boc保護ビスインデノイソキノリン13a(380mg、74%)を橙色の固体として得た:融点238〜240℃。 1H NMR (CDCl3) δ 8.63 (d, J = 8.0 Hz, 2 H), 8.16 (d, J = 7.4 Hz, 2 H), 7.65-7.58 (m, 5 H), 7.53-7.45 (m, 2 H), 7.38-7.29 (m, 5 H), 4.63 (bs, 4 H), 3.62 (bs, 4 H), 3.32 (bs, 4 H), 1.90 (bs, 2 H), 1.41 (s, 18 H); ESIMS m/z (相対強度) 821 (MH+, 10), 721 (MH+-Boc, 100)。分析 C49H48N4O8の計算値: C, 71.69; H, 5.89; N, 6.82. 実測値: C, 71.35; H, 5.99; N, 6.68。
【0143】
ビス−1,2−{(5,6−ジヒドロ−5,11−ジケト−11H−インデノ〔1,2−c〕イソキノリン)−(6−プロピル−tert−BOCアミノ)}エタン(13b)。N,N′−ビス(3−アミノプロピル)−1,2−エタンジアミン(11h)(0.16g、0.85mmol)を、CHCl(150mL)中のインデノベンゾピラン4d(0.46g、1.87mmol)の撹拌溶液に加え、反応混合物を環流下で72時間撹拌して、ビスインデノイソキノリン12hを粗中間体として得た。反応混合物を室温に冷まし、EtN(0.6mL、4.24mmol)及びBocO(0.56g、2.60mmol)を反応混合物に加え、混合物を室温で8時間撹拌した。粗反応混合物を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO/ヘキサン中20%EtOAc、次にCHCl中1〜5%MeOH)により精製して、Boc保護ビスインデノイソキノリン13b(550mg、76%)を橙色の固体として得た:融点106〜108℃。 1H NMR (CDCl3) δ 8.60 (bs, 2 H), 8.23 (bs, 2 H), 7.65 (bs, 2 H), 7.55 (d, J = 6.7 Hz, 2 H), 7.40-7.32 (m, 8 H), 4.48 (bs, 4 H), 3.45 (bs, 8 H), 2.12 (bs, 4 H), 1.44 (s, 9 H), 1.39 (s, 9 H); ESIMS m/z (相対強度) 835 (MH+, 22), 735 (MH+-BoC, 100)。分析 C50H50N4O8・0.3 H2Oの計算値: C, 71.46; H, 6.07; N, 6.67. 実測値: C, 71.15; H, 6.19; N, 6.61。
【0144】
ビス−1,3−{(5,6−ジヒドロ−5,11−ジケト−11H−インデノ〔1,2−c〕イソキノリン)−(6−プロピル−tert−BOCアミノ)}プロパン(13c)。N,N′−ビス(3−アミノプロピル)−1,3−プロパンジアミン(11j)(0.15g、0.74mmol)を、CHCl(150mL)中のインデノベンゾピラン4d(0.40g、1.63mmol)の撹拌溶液に加え、反応混合物を環流下で72時間撹拌して、ビスインデノイソキノリン12jを粗中間体として得た。反応混合物を室温に冷まし、EtN(0.53mL、3.78mmol)及びBocO(0.49g、2.27mmol)を反応混合物に加え、混合物を室温で8時間撹拌した。粗反応混合物を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO/ヘキサン中20%EtOAc、次にCHCl中1〜5%MeOH)により精製して、Boc保護ビスインデノイソキノリン13c(450mg、70%)を橙色の固体として得た:融点86〜88℃。 1H NMR (CDCl3) δ 8.63 (d, J = 8.1 Hz, 2 H), 8.24 (d, J = 7.6 Hz, 2 H), 7.65 (t, J = 7.3 Hz, 2 H), 7.55 (d, J= 6.7 Hz, 2 H), 7.40-7.31 (m, 8 H), 4.49 (bs, 4 H), 3.44 (bs, 4 H), 3.27 (見掛け上t, J = 6.2 Hz, 4 H), 2.08 (bs, 4 H), 1.86 (bs, 2 H), 1.41 (bs, 18 H); ESIMS m/z (相対強度) 849 (MH+, 3), 749 (MH+- Boc, 37), 649 (MH+- 2 x Boc, 100)。分析 C51H52N4O8・0.5 H2Oの計算値: C, 71.39; H, 6.23; N, 6.53. 実測値: C, 70.99; H, 6.20; N, 6.62。
【0145】
ビス−1,4−{(5,6−ジヒドロ−5,11−ジケト−11H−インデノ〔1,2−c〕イソキノリン)−(6−プロピル−tert−BOCアミノ)}ブタン(13d)。N,N′−ビス(3−アミノプロピル)−1,4−ブタンジアミン(11k)(0.10g、0.50mmol)を、CHCl(150mL)中のインデノベンゾピラン4d(0.27g、1.09mmol)の撹拌溶液に加え、反応混合物を環流下で72時間撹拌し、ビスインデノイソキノリン12kを粗中間体として得た。反応混合物を室温に冷まし、EtN(0.28mL、2.00mmol)及びBocO(0.27g、1.25mmol)を反応混合物に加え、混合物を室温で8時間撹拌した。粗反応混合物を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO/ヘキサン中20%EtOAc、次にCHCl中1〜5%MeOH)により精製して、Boc保護ビスインデノイソキノリン13d(350mg、82%)を橙色の固体として得た:融点92〜94℃。 1H NMR (CDCl3) δ 8.66 (d, J = 8.1 Hz, 2 H), 8.28 (d, J = 8.0 Hz, 2 H), 7.68 (t, J = 7.7 Hz, 2 H), 7.60 (d, J = 7.1 Hz, 2 H), 7.43-7.34 (m, 8 H), 4.51 (t, J = 8.3 Hz, 4 H), 3.44 (bs, 4 H), 3.28 (bs, 4 H), 2.11 (m, 4 H), 1.50 (bs, 4 H), 1.41 (s, 18 H); ESIMS m/z (相対強度) 863 (MH+, 13), 763 (MH+- Boc, 100)。分析 C52H54N4O8・0.9 H2Oの計算値: C, 71.04; H, 6.40; N, 6.37. 実測値: C, 70.77; H, 6.39; N, 6.26。
【0146】
ビス{(5,6−ジヒドロ−5,11−ジケト−11H−インデノ〔1,2−c〕イソキノリン)}−6−エチル,6′−プロピル)アンモニウムトリフルオロアセテート(14a)。ビスインデノイソキノリン12b(0.5g、0.87mmol)を、無希釈のCFCOOH(30mL)に溶解し、反応混合物を室温で1時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、クロロホルム(50mL)で希釈し、得られた固体を焼結ガラス漏斗で濾過し、メタノール(50mL)で更に洗浄して、ビスインデノイソキノリン14a(0.48g、80%)を赤色の固体として得た:240〜242℃。 1H NMR (DMSO-d6) δ 8.71 (bs, 1 H, -NH-), 8.56 (d, J = 7.8 Hz, 2 H), 8.17 (d, J = 8.6 Hz, 2 H), 7.83-7.75 (m, 4 H), 7.57-7.50 (m, 8 H), 4.79 (bs, 2 H), 4.57 (bs, 2 H), 3.46 (bs, 2 H), 3.17 (bs, 2 H), 2.18 (bs, 2 H); ESIMS m/z (相対強度) 578 (MH+- CF3COOH, 100)。分析 C39H28N3O6F3・0.3 H2Oの計算値: C, 67.20; H, 4.14; N, 6.03. 実測値: C, 66.85; H, 4.12; N, 5.93。
【0147】
ビス{(5,6−ジヒドロ−5,11−ジケト−11H−インデノ〔1,2−c〕イソキノリン)}−(6−プロピル,6′−ブチル)アミン塩酸塩(14b)。エーテル(6.2mL、2.4mmol)中の2M HClを、クロロホルム(100mL)中のビスインデノイソキノリン12e(0.5g、0.83mmol)の撹拌溶液に加え、反応混合物を室温で2時間撹拌した。反応混合物を焼結ガラス漏斗で濾過し、固体を、クロロホルム(50mL)及びメタノール(50mL)で洗浄して、ビスインデノイソキノリン塩酸塩14b(0.44g、83%)を橙色の固体として得た:融点280〜282℃(分解)。 1H NMR (DMSO-d6) δ 8.66 (bs, 1 H), 8.54 (d, J= 7.9 Hz, 2 H), 8.18 (d, J = 8.6 Hz, 2 H), 7.83-7.7 d 0 (m, 4 H), 7.58-7.40 (m, 8 H), 4.54-4.42 (m, 4 H), 3.06 (bs, 2 H), 2.96 (bs, 2 H), 2.16 (bs, 2 H), 1.84 (bs, 2 H), 1.76 (bs, 2 H); ESIMS m/z (相対強度) 606 (MH+, 100)。分析 C39H32N3O4Cl・1.1 H2Oの計算値: C, 70.76; H, 5.21; N, 6.35. 実測値: C, 70.48; H, 5.12; N, 6.23。
【0148】
ビス−1,2−{(5,6−ジヒドロ−5,11−ジケト−11H−インデノ〔1,2−c〕イソキノリン)−6−エチルアミノ}エタンビス(トリフルオロアセテート)(14c)。N,N′−ビス(2−アミノエチル)−1,2−エタンジアミン(11f)(0.4g、2.74mmol)を、CHCl(200mL)中のインデノベンゾピラン4d(1.49g、6.02mmol)の撹拌溶液に加え、反応混合物を環流下で48時間撹拌した。次に、反応混合物を冷却し、得られた橙色の固体を焼結ガラス漏斗で濾過し、クロロホルム(50mL)で洗浄して、ビスインデノイソキノリン12f(0.57g、69%)を不溶性の橙色固体として得た。中間体12f(0.5g、0.83mmol)を無希釈のCFCOOH(30mL)に溶解し、室温で30分間撹拌した。反応混合物を濃縮し、クロロホルム(50mL)で希釈し、焼結ガラス漏斗で濾過して、ビスインデノイソキノリン14c(0.57g、83%)を橙色の固体として得た:融点230〜232℃。 1H NMR (DMSO-d6) δ 8.97 (bs, 2 H), 8.59 (d, J = 8.1 Hz, 2 H), 8.23 (d, J = 8.0 Hz, 2 H), 7.89-7.83 (td, J = 1.2及び8.3 Hz, 2 H), 7.76 (d, J = 6.8 Hz, 2 H), 7.63-7.50 (m, 8 H), 4.83 (bs, 4 H), 3.52 (bs, 4 H), 3.32 (bs, 4 H); ESIMS m/z (相対強度) 607 (MH+, 100)。分析 C42H32N4O8F6・0.4 H2Oの計算値: C, 59.92; H, 3.93; N, 6.66. 実測値: C, 59.56; H, 4.04; N, 6.62。
【0149】
ビス−1,3−{(5,6−ジヒドロ−5,11−ジケト−11H−インデノ〔1,2−c〕イソキノリン)−6−エチルアミノ}プロパンビス(トリフルオロアセテート)(14d)。Boc保護ビスインデノイソキノリン13a(0.3g、0.36mmol)を、無希釈のCFCOOH(30mL)に溶解し、混合物を室温で1時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、得られた固体をクロロホルム(50mL)で希釈し、焼結ガラス漏斗で濾過して、ビスインデノイソキノリン14d(0.28g、92%)を橙色の固体として得た:融点244〜246℃。 1H NMR (DMSO-d6) δ 8.93 (bs, 2 H), 8.60 (d, J = 8.4 Hz, 2 H), 8.23 (d, J = 7.9 Hz, 2 H), 7.87 (t, J = 7.5 Hz, 2 H), 7.79 (d, J = 7.8 Hz, 2 H), 7.60-7.52 (m, 8 H), 4.82 (bs, 4 H), 3.47 (bs, 4 H), 3.07 (bs, 4 H), 1.95 (bs, 2 H); ESIMS m/z (相対強度) 621 (MH+, 100), 274 (7)。分析 C43H34F6N4O8・1.7 H2Oの計算値: C, 58.73; H, 4.29; N, 6.37. 実測値: C, 58.38; H, 4.32; N, 6.26。
【0150】
ビス−1,2−{(5,6−ジヒドロ−5,11−ジケト−11H−インデノ〔1,2−c〕イソキノリン)−6−プロピルアミノ}エタンビス(トリフルオロアセテート)(14e)。Boc保護ビスインデノイソキノリン13b(0.5g、0.79mmol)を、無希釈のCFCOOH(30mL)に溶解し、混合物を室温で30分間撹拌した。反応混合物を濃縮し、クロロホルム(50mL)で希釈し、得られた固体を焼結ガラス漏斗で濾過して、ビスインデノイソキノリン14e(0.61g、90%)を淡赤色の固体として得た:融点220〜222℃。 1H NMR (DMSO-d6) δ 8.84 (bs, 2 H), 8.57 (d, J = 8.1 Hz, 2 H), 8.20 (d, J = 7.8 Hz, 2 H), 7.85-7.77 (m, 4 H), 7.60-7.48 (m, 8 H), 4.57 (t, J = 6.6 Hz, 4 H), 3.23 (bs, 4 H), 3.18 (bs, 4 H), 2.16 (m, 4 H); ESIMS m/z (相対強度) 635 (MH+, 61)。分析 C44H36N4O8F6・1.4 H2Oの予測値: C, 59.51; H, 4.40; N, 6.31. 実測値: C, 59.15; H, 4.06; N, 6.06。
【0151】
ビス−1,4−{(5,6−ジヒドロ−5,11−ジケト−11H−インデノ〔1,2−c〕イソキノリン)−6−プロピル}ピペラジンビス(トリフルオロアセテート)(14f)。1,4−ビス(3−アミノプロピル)ピペラジン11i(0.10g、0.50mmol)を、CHCl(150mL)中のインデノベンゾピラン4d(0.27g、1.10mmol)の撹拌溶液に加え、反応混合物を環流下で60時間撹拌した。次に反応混合物を冷却し、得られた赤色の固体を焼結ガラス漏斗で濾取し、クロロホルム(50mL)で洗浄し、乾燥して、中間体12iを得た。この化合物をCFCOOH(40mL)で更に処理し、混合物を室温で2時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、クロロホルム(50mL)で希釈し、得られた固体を濾過し、メタノール−クロロホルム(1:9)で洗浄して、ビスインデノイソキノリン14f(430mg、86%)を赤色の固体として得た:融点256〜258℃。 1H NMR (CDCl3) δ 8.57 (d, J = 8.0 Hz, 2 H), 8.21 (d, J= 8.1 Hz, 2 H), 7.85-7.77 (m, 4 H), 7.58-7.48 (m, 8 H), 4.55 (bs, 4 H), 3.34 (bs, 4 H), 3.02 (bs, 4 H), 2.72 (bs, 2 H), 2.47 (bs, 2 H, DMSO-d6プロトンと融合), 2.09 (bs, 4 H); ESlMS m/z (相対強度) 661 (MH+, 100)。分析 C46H38F6N4O8・0.4 H2Oの計算値: C, 61.66; H, 4.37; N, 6.25. 実測値: C, 61.27; H, 4.61; N, 6.18。
【0152】
ビス−1,3−{(5,6−ジヒドロ−5,11−ジケト−11H−インデノ〔1,2−c〕イソキノリン)−6−プロピルアミノ}プロパンビス(トリフルオロアセテート)(14g)。Boc保護ビスインデノイソキノリン13c(0.3g、0.35mmol)を、無希釈のCFCOOH(30mL)に溶解し、混合物を室温で1時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、得られた固体をクロロホルム(50mL)で希釈し、焼結ガラス漏斗で濾過して、ビスインデノイソキノリン14g(0.27g、89%)を橙色の固体として得た:融点225〜227℃。 1H NMR (OMSO-d6) δ 8.66 (bs, 2 H), 8.56 (d, J = 8.1 Hz, 2 H), 8.19 (d, J = 7.9 Hz, 2 H), 7.79 (t, J = 7.9 Hz, 4 H), 7.59-7.48 (m, 8 H), 4.57 (bs, 4 H), 3.09 (bs, 4 H), 2.96 (bs, 4 H), 2.15 (bs, 4 H), 1.87 (bs, 2 H); ESIMS m/z (相対強度) 649 (MH+, 100)。分析 C45H38F6N4O8・1.3 H2Oの計算値: C, 60.04; H, 4.55; N, 6.22. 実測値: C, 59.71; H, 4.41; N, 6.03。
【0153】
ビス−1,4−{(5,6−ジヒドロ−5,11−ジケト−11H−インデノ〔1,2−c〕イソキノリン)−6−プロピルアミノ}ブタンビス(トリフルオロアセテート)(14h)。Boc保護ビスインデノイソキノリン13d(0.3g、0.35mmol)を、無希釈のCFCOOH(20mL)に溶解し、混合物を室温で1時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、得られた固体をクロロホルム(50mL)で希釈し、焼結ガラス漏斗で濾過して、ビスインデノイソキノリン14h(0.28g、90%)を橙色の固体として得た:融点236〜238℃。 1H NMR (DMSO-d6) δ 8.58 (d, J = 8.0 Hz, 2 H), 8.52 (bs, 2 H), 8.20 (d, J = 8.1 Hz, 2 H), 7.84-7.78 (m, 4 H), 7.60-7.49 (m, 8 H), 4.57 (t, J = 6.6 Hz, 4 H), 3.08 (bs, 4 H), 2.92 (bs, 4 H), 2.16 (m, 4 H), 1.59 (bs, 4 H); ESIMS m/z (相対強度) 663 (MH+, 100)。分析 C46H40F6N4O8・0.4 H2Oの計算値: C5 61.52; H, 4.58; N, 6.24. 実測値: C, 61.22; H, 4.62; N, 6.09。
【0154】
ビス{(5,6−ジヒドロ−5,11−ジケト−11H−インデノ〔1,2−c〕イソキノリン)−6−エチルアミノ−エチル}アミントリス(トリフルオロアセテート)(14i)。N−(2−アミノエチル)−N′−〔(2−アミノエチル)アミノエチル〕−1,2−エタンジアミン(11l)(0.20g、1.06mmol)を、CHCl(150mL)中のインデノベンゾピラン4d(0.58g、2.32mmol)の撹拌溶液に加え、反応混合物を環流下で4日間撹拌し、ビスインデノイソキノリン12lを粗中間体として得た。反応混合物を室温に冷まして、EtN(0.86mL、6.13mmol)及びBocO(0.89g、4.09mmol)を加え、混合物を室温で12時間撹拌した。粗反応混合物を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO/ヘキサン中20%EtOAc、次にCHCl中1〜3%MeOH)により精製して、Boc保護ビスインデノイソキノリン13e(0.61g、61%)を得て、それを無希釈のCFCOOH(30mL)で更に処理し、室温で3時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、得られた固体をクロロホルム(50mL)で希釈し、焼結ガラス漏斗で濾過して、ビスインデノイソキノリン14i(0.42g、66%)を赤色の固体として得た:融点198〜200℃(分解)。 1H NMR (DMSO-d6) δ 8.55 (d, J = 8.1 Hz, 2 H), 8.20 (d, J = 7.6 Hz, 2 H), 7.85-7.76 (m, 4 H), 7.59-7.48 (m, 8 H), 4.81 (bs, 4 H), 3.54 (bs, 4 H), 3.32 (bs, 8 H); ESIMS m/z (相対強度) 650 (MH+, 100)。分析 C46H38N5O10・0.6 CH2Cl2NH3の計算値: C, 53.15; H, 3.93; N, 7.45. 実測値: C, 53.16; H, 4.27; N, 7.81。
【0155】
ビス−1,2−{(5,6−ジヒドロ−5,11−ジケト−11H−インデノ〔1,2−c〕イソキノリン)−6−エチルアミノ−エチルアミノ}エタンテトラ(トリフルオロアセテート)(14j)。N,N′−ビス〔(2−アミノエチル)アミノエチル〕−1,2−エタンジアミン(11m)(0.20g、0.86mmol)を、CHCl(150mL)中のインデノベンゾピラン4d(0.47g、1.89mmol)の撹拌溶液に加え、反応混合物を環流下で4日間撹拌して、ビスインデノイソキノリン12mを粗中間体として得た。反応混合物を室温に冷まし、EtN(1.21mL、8.67mmol)及びBocO(0.95g、4.34mmol)を反応混合物に加え、混合物を室温で12時間撹拌した。粗反応混合物を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO/ヘキサン中20%EtOAc、次にCHCl中1〜3%MeOH)により精製して、Boc保護ビスインデノイソキノリン13f(0.62g、66%)を得て、それを無希釈のCFCOOH(30mL)で更に処理し、室温で3時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、得られた固体をクロロホルム(50mL)で希釈し、焼結ガラス漏斗で濾過して、ビスインデノイソキノリン14j(0.48g、49%)を赤色の固体として得た:融点206〜208℃(分解)。 1H NMR (DMSO-d6) δ 8.55 (t, J = 8.4 Hz, 2 H), 8.19 ( t, J = 8.0 Hz, 2 H), 7.82-7.61 (m, 4 H), 7.59-7.51 (m, 8 H), 4.81 (bs, 4 H), 3.52 (bs, 4 H), 3.27 (bs, 4 H), 3.19-3.13 (bs, 8 H); ESIMS m/z (相対強度) 693 (MH+, 100)。分析 C50H44N6O12F12・0.6 H2Oの計算値: C, 51.78; H, 3.93; N, 7.25. 実測値: C, 51.41; H, 4.17; N, 7.53。
【0156】
ビス−1,3−{(5,6−ジヒドロ−5,11−ジケト−2,3−ジメトキシ−11H−インデノ〔1,2−c〕イソキノリン)−6−エチルアミノ}プロパンビス(トリフルオロアセテート)(14k)。N,N′−ビス(2−アミノエチル)−1,3−プロパンジアミン(11g)(0.050g、0.309mmol)を、CHCl(50mL)中の2,3−ジメトキシベンゾ〔d〕インデノ〔1,2−b〕ピラン−5,11−ジオン(4a)(0.200g、0.649mmol)の溶液に加えた。溶液を72時間加熱環流し、室温に冷却した。トリエチルアミン(0.17mL)及びBocO(0.270g、1.236mmol)を溶液に加え、撹拌を室温で16時間続けた。溶液を水(2×25mL)及び飽和NaCl(25mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。赤色の粗固体をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO/CHClからCHCl中3%MeOH)により精製し、続いてCHCl−ヘキサンに沈殿させて、ピンク色の固体を得た。得られたピンク色の固体をトリフルオロ酢酸(30mL)で希釈し、混合物を室温で16時間撹拌した。溶液を濃縮し、CHCl(50mL)で希釈し、濾過して、赤色の固体(0.257g、86%)を得た:融点225〜228℃。 IR (KBr) 3437, 1652, 1553, 1513, 1429, 1268, 1204及び1021 cm-1; 1H NMR (DMSO-d6) δ 7.96 (s, 2 H), 7.72-7.69 (bs, 2 H), 7.52-7.43 (m, 8 H), 4.71 (bs, 4 H), 3.92 (s, 6 H), 3.81 (s, 6 H), 3.06 (bs, 4 H), 1.99 (bs, 2 H); ESIMS m/z (相対強度) 741 (MH+, 100)。分析 C47H42F6N4O12・4 H2Oの計算値: C, 54.23; H, 54.83; N, 5.38. 実測値: C, 54.63; H, 4.49; N, 5.47。
【0157】
ビス−1,3−{(5,6−ジヒドロ−5,11−ジケト−2,3−ジメトキシ−11H−インデノ〔1,2−c〕イソキノリン)−6−プロピルアミノ}プロパンビス(トリフルオロアセテート)(14l)。N,N′−ビス(3−アミノプロピル)−1,3−プロパンジアミン(11j)(0.058g、0.309mmol)を、CHCl(50mL)中のインデノベンゾピラン4a(0.200g、0.649mmol)の溶液に加えた。溶液を72時間加熱環流し、室温に冷却した。トリエチルアミン(0.17mL)及びBocO(0.270g、1.236mmol)を溶液に加え、撹拌を室温で16時間続けた。溶液を水(2×25mL)及び飽和NaCl(25mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。橙色の粗固体をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO/CHClからCHCl中3%MeOH)により精製し、続いてEtOAcに沈殿させて、橙色の固体を得た。得られた橙色の固体をトリフルオロ酢酸(30mL)で希釈し、混合物を室温で16時間撹拌した。溶液を濃縮し、CHCl(50mL)で希釈し、濾過して、赤色の固体(0.221g、72%)を得た:融点273〜276℃(分解)。 IR (KBr) 3436, 1639, 1553, 1512, 1478, 1429, 1267, 1184及び1022 cm-1; 1H NMR (DMSO-d6) δ 8.43 (bs, 4 H), 8.00 (s, 2 H), 7,76 (d, J= 7.58 Hz, 2 H), 7.59-7.45 (m, 8 H), 4.56 (bs, 4 H), 3.93 (s, 6 H), 3.85 (s, 6 H), 3.09 (bs, 4 H), 2.98 (bs, 4 H), 2.15 (bs, 4 H), 1.86 (bs, 2 H); ESIMS m/z (相対強度) 769 (MH+, 100)。分析 C49H46F6N4O12・6 H2Oの計算値: C, 53.26; H, 5.29; N, 5.07. 実測値: C, 52.88; H, 4.96; N, 5.21。
【0158】
ビス−1,3−{(5,6−ジヒドロ−5,11−ジケト−3−ニトロ−11H−インデノ〔1,2−c〕イソキノリン)−6−エチルアミノ}プロパンビス(トリフルオロアセテート)(14m)。N,N′−ビス(2−アミノエチル)−1,3−プロパンジアミン(11g)(0.056g、0.349mmol)を、CHCl(50mL)中のインデノベンゾピラン4c(0.225g、0.767mmol)の溶液に加えた。溶液を72時間加熱環流し、室温に冷却した。トリエチルアミン(0.19mL)及びBocO(0.305g、1.396mmol)を溶液に加え、撹拌を室温で16時間続けた。溶液を水(2×30mL)及び飽和NaCl(30mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。橙色の粗固体をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO/CHClからCHCl中3%MeOH)により精製して、橙色の固体を得た。橙色の固体をトリフルオロ酢酸(40mL)で希釈し、混合物を室温で24時間撹拌した。溶液を濃縮し、CHCl(50mL)で希釈し、濾過して、橙色の固体(0.221g、67%)を得た:融点227〜230℃(分解)。 IR (KBr) 3433, 3087, 3022, 2819, 1679, 1615, 1560, 1505, 1429, 1138及び1200 cm-1; 1H NMR (CDCl3) δ 8.90 (bs, 4 H), 8.79 (d, J= 9.14 Hz, 2 H), 8.66 (d, J= 9.07 Hz, 2 H), 7.93 (d, J = 6.54 Hz, 2 H), 7.74 (d, J = 7.17 Hz, 2 H), 7.67 (m, 4 H), 4.87 (bs, 4 H), 3.49 (bs, 4 H), 3.09 (bs, 4 H), 1.91 (bs, 2 H); ESIMS m/z (相対強度) 711 (MH+, 100)。分析 C43H32F6N6O12・0.5 H2Oの計算値: C, 54.49; H, 3.51; N, 8.87. 実測値: C, 54.24; H, 3.80; N, 8.86。
【0159】
ビス−1,3−{(5,6−ジヒドロ−5,11−ジケト−3−ニトロ−11H−インデノ〔1,2−c〕イソキノリン)−6−プロピルアミノ}プロパンビス(トリフルオロアセテート)(14n)。N,N′−ビス(3−アミノプロピル)−1,3−プロパンジアミン(11j)(0.064g、0.341mmol)を、CHCl(75mL)中のインデノベンゾピラン4c(0.200g、0.682mmol)の溶液に加えた。溶液を72時間加熱環流し、室温に冷却した。トリエチルアミン(0.19mL)及びBocO(0.298g、1.364mmol)を溶液に加え、撹拌を室温で16時間続けた。溶液を水(2×30mL)及び飽和NaCl(30mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。橙色の粗固体をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO/CHClからCHCl中3%MeOH)により精製して、橙色の固体を得た。得られた橙色の固体をトリフルオロ酢酸(40mL)で希釈し、混合物を室温で2時間撹拌した。溶液を濃縮し、CHCl(50mL)で希釈し、濾過して、橙色の固体(0.206g、62%)を得た:融点220〜223℃。 IR (KBr) 1678, 1614, 1505, 1339, 1203及び1132 cm-1; 1H NMR (CDCl3) δ 8.88 (d, J = 2.5 Hz, 2 H), 8.75 (d, J = 9.0 Hz, 2 H), 8.63 (bs, 2 H), 8.60 (dd, J = 9.0 Hz及び2.5 Hz, 2 H), 7.92 (d, J = 6.5 Hz, 2 H), 7.70-7.61 (m, 6 H), 4.64 (t, J = 5.9 Hz, 4 H), 3.15 (bs, 4 H), 2.98 (bs, 4 H), 2.19 (bs, 2 H); ESIMS m/z (相対強度) 739 (MH+, 100)。分析 C45H36F6N6O12・3 H2Oの計算値: C, 52.95; H, 4.15; N, 8.23. 実測値: C, 53.33; H, 4.32; N, 8.60。
【0160】
1,3−{6−(3−tert−ブチルオキシカルボニルアミノ−1−プロピル)−5,6−ジヒドロ−2,3−ジメトキシ−8,9−メチレンジオキシ−5,11−ジオキソ−11H−インデノ〔1,2−c〕イソキノリン}−{5′,6′−ジヒドロ−6′−〔(3′−tert−ブチルオキシカルボニルアミノ)−1′−プロピル〕−5′,11′−ジオキソ−11′H−インデノ〔1,2−c〕イソキノリン}プロパン(16a)。5M NaOH(水溶液)を、Nagarajan, M.; Xiao, X.; Antony, S.; Kohlhagen, G.; Pommier, Y.; Cushman, M., Design, Synthesis, and Biological Evaluation of Indenoisoquinoline Topoisomerase I Inhibitors Featuring Polyamine Side Chains on the Lactam Nitrogen. J. Med. Chem. 2003, 46, 5712-5724(その開示は参照として本明細書に組み込まれる)に従って調製した、水−クロロホルム溶液(2:1、250mL)中のインデノイソキノリン塩酸塩A(1.0g、1.58mmol)の溶液にゆっくりと加えた。7〜8のpHで有機層を分離し、水層をクロロホルム(3×100mL)で抽出した。有機層をまとめて、水(100mL)、飽和NaCl(100mL)で洗浄し、NaSOで乾燥し、濃縮した。インデノベンゾピラン4d(0.43g、1.74mmol)を、クロロホルム(200mL)中の粗インデノイソキノリントリアミンA(0.70g、1.34mmol)の溶液に加え、反応混合物を4日間加熱環流した。粗非対称ビスインデノイソキノリン15aを含有する反応混合物を室温に冷却し、EtN(0.93mL、6.64mmol)及びBocO(0.87g、3.98mmol)を加え、溶液を室温で12時間撹拌した。粗反応混合物を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO/ヘキサン中20%EtOAc、次にCHCl中1〜3%MeOH)により精製して、Boc保護ビスインデノイソキノリン16a(0.72g、48%)を紫色の固体として得た:融点120〜122℃。 1H NMR (CDCl
3) δ 8.64 (d, J = 8.3 Hz, 1 H), 8.24 (d, J = 5.7 Hz, 1 H), 7.94 (s, 1 H), 7.67 (t, J = 7.4 Hz, 1 H), 7.58 (s, 1 H), 7.56 (s, 1 H), 7.42-7.34 (m, 5 H), 6.99 (s, 1 H), 6.05 (s, 2 H), 4.49 (bs, 2 H), 4.40 (bs, 2 H), 4.01 (s, 3 H), 3.92 (s, 3 H), 3.45 (bs, 4 H), 3.29 (bs, 4 H), 2.10 (bs, 4 H), 1.87 (m, 2 H), 1.42 (s, 18 H); ESIMS m/z (相対強度) 953 (MH+, 30), 853 (MH+- Boc, 100)。分析 C54H56N4O12・0.9 CHCl3の計算値: C, 62.18; H, 5.41; N, 5.28. 実測値: C, 62.08; H, 5.36; N, 5.15。
【0161】
1,3−{6−(3−アミノ−1−プロピル)−5,6−ジヒドロ−2,3−ジメトキシ−8,9−メチレンジオキシ−5,11−ジオキソ−11H−インデノ〔1,2−c〕イソキノリン}−{5′,6′−ジヒドロ−6′−(3′−アミノ−1′−プロピル)−5′,11′−ジオキソ−11′H−インデノ〔1,2−c〕イソキノリン}プロパンビス(トリフルオロアセテート)(17a)。Boc保護ビスインデノイソキノリン16a(0.55g、0.58mmol)を、無希釈のCFCOOH(30mL)に溶解し、混合物を室温で3時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、得られた固体をクロロホルム(50mL)で希釈し、焼結ガラス漏斗で濾過して、ビスインデノイソキノリン17a(0.43g、76%)を紫色の固体として得た:融点218〜220℃。 1H NMR (DMSO-d6) δ 8.65 (bs, 2 H), 8.53 (d, J= 8.0 Hz, 1 H), 8.17 (d, J = 7.2 Hz, 1 H), 7.80-7.75 (m, 3 H), 7.55-7.50 (m, 4 H), 7.39 (s, 1 H), 7.32 (s, 1 H), 7.02 (s, 1 H), 6.18 (s, 2 H), 4.55 (bs, 2 H), 4.45 (bs, 2 H), 3.86 (s, 3 H), 3.81 (s, 3 H), 3.07-2.98 (bs, 8 H)5 2.14 (bs, 4 H), 1.89 (bs, 2 H); ESIMS m/z (相対強度) 753 (MH+, 100)。分析 C48H42N4O12F6・3.1 H2Oの計算値: C, 55.61; H, 4.69; N, 5.40. 実測値: C, 55.24; H, 4.36; N, 5.36。
【0162】
=== 方法実施例 ===
COMPAREスクリーニング。本明細書に記載されている化合物を、国立癌センターのヒト癌細胞株に対する抗増殖活性について試験し(COMPAREスクリーニング)、それぞれの化合物の活性を、多様な腫瘍由来のおよそ55個の異なる細胞株で評価した。選択された細胞株で得られたGI50値(すなわち、50%の増殖阻害を引き起こす濃度)が、平均グラフ中央値(MGM)と共に、表1及び2にまとめられているが、これらの値は、本明細書に記載されている化合物の抗増殖活性と、カンプトテシン(S−1)、オラシン(S−2)、及び/又は5,6−ジヒドロ−6−(3−アミノ−1−プロピル)−5,11−ジオキソ−11H−インデノ〔1,2−c〕イソキノリン(S−3)を含む、他の化合物の抗増殖活性とを比較する手段を提供する。MGMは、試験した細胞株(およそ55個)全てにおける平均GI50の計算に基づいており、試験範囲(10−8〜10−4mol)より低い又はそれを超えるGI50値は、スクリーニング試験に使用される最小(10−8mol)及び最大(10−4mol)薬剤濃度と考慮される。したがって、MGM値は、多数の細胞株にわたる化合物の毒性の全体的な評価を表す。トポイソメラーゼIのDNA切断実験の結果は、半定量的に表され、カンプトテシン(S−1)(++++)、オラシン(S−2)(+)、及び/又は5,6−ジヒドロ−6−(3−アミノ−1−プロピル)−5,11−ジオキソ−11H−インデノ〔1,2−c〕イソキノリン(S−3)を含む、他の化合物の生物学的活性と比較する手段を提供する。
【0163】
中空繊維活性。幾つかのより活性なインデノイソキノリン類似体(5p、5q、5s、5v及び5w)と、幾つかの最も活性なビスインデノイソキノリン類似体(14d、14g、14h及び14i)の抗癌剤としての評価を、多様な癌細胞培養を含有するポリフッ化ビニリデン(PVDF)「中空繊維」が、胸腺欠損ヌードマウスに腹腔内(IP)及び皮下(SC)移植され、化合物がIP経路により投与された、インビボ動物モデルにおいて行った。生存癌細胞集団の低減に対する化合物の効果を対照と比較して決定した。各化合物を、以前に記載されたように(Hollingshead, M.; Plowman, J.; Alley, M.; Mayo, J.; Sausville, E., The Hollow Fiber Assay. Contrib. Oncol. 1999, 54, 109-120; and Plowman, J.; Camalier, R.; Alley, M.; Sausville, E.; Schepartz, S. Contrib. Oncol. 1999, 54, 121-135(その開示は参照として本明細書に組み込まれる)を参照すること)、12個のヒト腫瘍細胞株のパネルに対する中空繊維アッセイにより試験した。化合物を、生理的食塩水/Tween-80(登録商標)中の10%DMSで可溶化し、それぞれ2用量レベルで合計4用量を毎日1回、腹腔内投与した。2用量は、各誘導体についての単一用量毒性研究に基づいて選択した。化合物が、ビヒクル処置対照と比較して生存細胞集団に50%以上の低減を生じる毎に、スコア2を割り当てた。各化合物のスコアを、表3及び表4に示されているように、腹腔内繊維及び皮下繊維について合計して、各誘導体の全スコアを求めた。比較のために、臨床的に使用された抗癌薬パクリタキセルのスコアを提供する。
【0164】
DNA切断の誘導。本明細書に記載されている化合物は、top1の存在下でpBluescript SK(-)ファージミドDNAの3′末端標識PvuII/HindIIIフラグメントにおけるDNA切断の誘導について試験することができる(Kohlhagen et al. "Protein-Linked DNA Strand Breaks Induced by NSC 314622, a Novel Noncamptothecin Topoisomerase I Poison," MoI. Pharmacol. 1998, 54, 50-58 を参照すること)。本明細書に記載されている化合物の切断パターンを、比較化合物のNSC314622(A)(Kohlhagen et al., "Protein- Linked DNA Strand Breaks Induced by NSC 314622, a Novel Noncamptothecin Topoisomerase I Poison," MoI. Pharmacol. 1998, 54, 50-58 を参照すること)、カンプトテシン(B、CPT)及びNSC706744(C、MJ−III−65)(Cushman et al., "Synthesis of New Indeno[1,2-c]isoquinolines: Cytotoxic Non-Camptothecin Topoisomerase I Inhibitors," J. Med. Chem. 2000, 43, 3688-3698、および Antony et al., "Differential Induction of Topoisomerase I-DNA Cleavage Complexes by the Indenoisoquinoline MJ-III-65 (NSC 706744) and Camptothecin: Base Sequence Analysis and Activity against Camptothecin-Resistant Topoisomerase I," Cancer Res. 2003, 63, 7428-7435 を参照すること)と共に、決定することができる。
【0165】
3′末端標識161BPプラスミドDNAを使用するトポイソメラーゼI仲介DNA切断反応。pBluescript SK(-)ファージミドDNA(Stratagene, La Jolla, CA)の161bpフラグメントを、供給されたNE緩衝液2(10μL反応)中で制限酵素Pvu II及びHind III(New England Biolabs, Beverly, MA)により37℃で1時間切断し、1×TBE緩衝液で作製された1%アガロースゲル中で電気泳動により分離する。161bpフラグメントをゲル切片(Amiconのcentrilutor)から溶離し、centricon 50遠心分離濃縮器(Amicon, Beverly, MA)で濃縮する。およそ200ngのフラグメントを、0.5単位のDNAポリメラーゼI(Klenowフラグメント)を有するReact 2緩衝液(50mMのトリス−HCl、pH8.0、100mMのMgCl、50mMのNaCl)中で、〔アルファ−32P〕−dCTP、並びに0.5mMのdATP、dGTP及びdTTPを用いるフィルイン反応によりHind III部位で3′末端標識する。標識化反応の後に、フェノール−クロロホルム抽出及びエタノール沈殿が続く。得られた161bp3′末端標識DNAフラグメントを水に再懸濁する。アリコート(およそ50,000dpm/反応)を本明細書に記載されている化合物の存在下、トポイソメラーゼIと共に30℃で15分間インキュベートする。反応を、0.5%SDSの添加によって停止させる。エタノール沈殿の後、試料を、添加液(80%ホルムアミド、10mMの水酸化ナトリウム、1mMのナトリウムEDTA、0.1%キシレンシアノール及び1%ブロモフェノールブルー、pH8.0)に再懸濁し、51℃で実施する変性アガロースゲル(16%ポリアクリルアミド、7Mの尿素)で分離する。ゲルを乾燥し、Phosphoimager and ImageQuantソフトウエア(Molecular Dynamics, Sunnyvale, CA)を使用して可視化する。
【0166】
5′末端標識ヒトc−mycDNAを使用するトポイソメラーゼII仲介DNA切断アッセイ。米国特許6,509,344号においてCushmanらにより記載されているように、第1イントロンと第1エクソンの間の接合部からのヒトc−mcyc遺伝子の403塩基対DNAフラグメントを、センスプライマーオリゴヌクレオチドとアンチセンスプライマーオリゴヌクレオチドを使用する、位置2671と3073の間でのPCRにより調製する。これらのDNAフラグメントの単一末端標識化は、適切なプライマーオリゴヌクレオチドの5′末端標識化により得る。XhoI及びXbIにより切断しておいたおよそ0.1μgのヒトc−mycDNAを、PCRのテンプレートとして使用する。5′末端標識DNAフラグメントを、10μLの最終反応容量の精製ヒトトポイソメラーゼII(40〜70ng)の添加の前に、1%ジメチルスルホキシド、10mMのトリス−HCl、pH7.5、50mMのKCl、5mMのMgCl、2mMのジチオトレイトール、0.1mMのNaEDTA、1mMのATP及び15μg/mLのウシ血清アルブミン中で、薬剤とともに、又は薬剤なしで、5分間平衡させる。反応を37℃で30分間実施し、その後、1%ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)及び0.4mg/mLのプロテイナーゼK(最終濃度)を加えて停止させ、続いて50℃で30分間更にインキュベートする。試料をエタノール沈殿してから、変性ポリアクリルアミドゲルでトポイソメラーゼII切断フラグメントを分離する。配列決定ゲルは、1×TBE緩衝液(90mMのトリスホウ酸塩、2mMのEDTA、pH8.3)中の7%ポリアクリルアミドで作製する。電気泳動を2500V(60W)で2〜5時間実施する。ゲルを乾燥し、Phosphoimager and ImageQuantソフトウエアを使用して可視化した。
【0167】
DNA切断半定量分析。最も豊富な切断生成物(Antony et al., "Differential Induction of Topoisomerase I- DNA Cleavage Complexes by the Indenoisoquinoline MJ-III-65 (NSC 706744) and Camptothecin: Base Sequence Analysis and Activity against Camptothecin-Resistant Topoisomerase I," Cancer Res. 2003, 63, 7428-7435 を参照すること)のうちの一つを、ImageQuant TL v2003.3を使用する半定量のために選択する。ラバーバンドベースライン修正を、バンド検出感度を90に設定して適用する。本明細書に記載されている化合物の場合、上記の生成物に対応するバンドの絶対濃度を、NSC314622(A)の値と比較する。本明細書に記載されている化合物で観察されるバンド濃度とNSC314622のバンドの比率に100をかけて百分率を得る。割り当ては、次のように実施する:0〜25%、0;25〜75%、+;75〜175%、++;175〜325%、+++;カンプトテシン++++。
【0168】
SV40DNA巻き戻しアッセイ。反応混合物(10μLの最終容量)は、反応緩衝液(10mMのトリス−HCl、pH7.5、50mMのKCl、5mMのMgCl、0.1mMのEDTA、15μg/mLのウシ血清アルブミン)中の0.3μgのスーパーコイルSV40DNA及び10単位の精製ウシ胸腺トポイソメラーゼIを含有する。反応を37℃で30分間実施し、0.5%SDSの添加により停止させ、次に、1.1μLの10×添加液(20%Ficol400、0.1MのNaEDTA、pH8、1.0%SDS、0.25%ブロモフェノールブルー)を加え、反応混合物を、1×TBE緩衝液で作製された1%アガロースゲルに装填する。電気泳動の後、DNAバンドを10μg/mLの臭化エチジウムで染色し、UV光線(300nm)の透視法により可視化する。
【0169】
本明細書に記載されている生物学的評価に関する追加の詳細を、同時係属PCT/US2005/008491において見出すことができ、その開示は、参照として本明細書に組み込まれる。
【0170】
<表1.インデノイソキノリン類似体の細胞毒性及びトポイソメラーゼI阻害活性>






細胞毒性GI50値は、50%の増殖阻害に対応する濃度である。成功裏に試験された全てのヒト癌細胞株の増殖阻害の平均グラフ中央値。化合物は、10μMまでの範囲の濃度で試験した。top1仲介DNA切断を生じる化合物の活性を、次のように半定量的に表した:+:弱い活性;++及び+++:中程度の活性;++++:1μMのカンプトテシンと同様の活性;+++++:1μMのカンプトテシンを超える活性。NT:試験せず;NA:該当なし S−1=カンプトテシン S−2=オラシン。
【0171】
<表2.ビスインデノイソキノリン類似体の細胞毒性及びトポイソメラーゼI阻害活性>


細胞毒性GI50値は、50%の増殖阻害に対応する濃度である。成功裏に試験された全てのヒト癌細胞株の増殖阻害の平均グラフ中央値。化合物は、10μMまでの範囲の濃度で試験した。top1仲介DNA切断を生じる化合物の活性を、次のように半定量的に表した:+及び++:弱い活性;+++:化合物S−3と同様の活性;++++:1μMのカンプトテシンと同様の活性;NT:試験せず。S−1=カンプトテシン;S−3=5,6−ジヒドロ−6−(3−アミノ−1−プロピル)−5,11−ジオキソ−11H−インデノ〔1,2,c〕イソキノリン(NSC725671)。A=5,6−ジヒドロ−2,3−ジメトキシ−8,9−メチレンジオキシ−6−(3−アミノプロピルアミノプロピルアミノ−1−プロピル)−5,11−ジオキソ−11H−インデノ〔1,2−c〕イソキノリン。
【0172】
<表3.インデノイソキノリン類似体の中空繊維活性>


列記されているIP及びSCスコアは、各化合物のIP及びSCスコアの全ての合計である。1つ以上の移植部位での正味の細胞死滅がYで示されている。
【0173】
<表4.ビスインデノイソキノリン類似体の中空繊維活性>


列記されているIP及びSCスコアは、各化合物のIP及びSCスコアの全ての合計である。1つ以上の移植部位での正味の細胞死滅がYで示されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
癌を治療するための医薬組成物であって、
(a)下記式:


で示される化合物、並びに薬学的に許容される、その塩、水和物及び溶媒和物と、
〔式中、
mは、0〜約6の整数であり;
は、ハロアルキル、ハロシクロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、シクロアルコキシ、ハロアルコキシ、ハロシクロアルコキシ、場合により置換されているヘテロアリール、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ及びヘテロアリールアミノ、アシルオキシ、ハロアシルオキシ、アミノ、アルキル及びジアルキルアミノ、トリアルキルアンモニウム、ビス(ヒドロキシアルキル)アミノ、ヒドロキシアルキルアミノアルキルアミノ、ヘテロアリールアルキルアミノアルキルアミノ、アシルアミノ、ヒドロキシルアミノ、アルコキシルアミノ、アシルオキシルアミノ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアミノ、アルキニル、アシル、ウレタニル、シアノ、ニトロ、アジド、チオ、アルキルスルホニル、スルホン酸及びその誘導体、カルボン酸及びその誘導体、並びにホスホン酸及びその誘導体からなる群より選択されるが、但し、Rがヒドロキシ、アルキルアミノ又はヒドロキシアルキルアミノである場合、mは整数の0であり;
は、1〜4つの置換基であって、水素、ハロ、ヒドロキシ、場合により置換されているアルキル、場合により置換されているアルコキシ、シアノ、ニトロ、場合により置換されているアルキルチオ、場合により置換されているアルキルスルホニル、カルボン酸及びその誘導体、並びにスルホン酸及びその誘導体からなる群よりそれぞれ独立して選択される置換基を表すか;或いはRは、2〜4つの置換基であって、前記置換基のうちの2つは隣接し、前記2つの置換基が結合する炭素と一緒になって、場合により置換されている複素環を形成する置換基を表し、残りの置換基はいずれも、水素、ハロ、ヒドロキシ、場合により置換されているアルキル、場合により置換されているアルコキシ、シアノ、ニトロ、場合により置換されているアルキルチオ、場合により置換されているアルキルスルホニル、カルボン酸及びその誘導体、並びにスルホン酸及びその誘導体からなる群よりそれぞれ独立して選択され;
は、1〜4つの置換基であって、それぞれ、水素、ハロ、ヒドロキシ、場合により置換されているアルキル、場合により置換されているアルコキシ、シアノ、ニトロ、場合により置換されているアルキルチオ、場合により置換されているアルキルスルホニル、カルボン酸及びその誘導体、並びにスルホン酸及びその誘導体からなる群より独立して選択される置換基を表すか;或いはRは、2〜4つの置換基であって、前記置換基のうちの2つが隣接し、前記2つの置換基が結合する炭素と一緒になって、場合により置換されている複素環を形成する置換基を表し、残りの置換基はいずれも、水素、ハロ、ヒドロキシ、場合により置換されているアルキル、場合により置換されているアルコキシ、シアノ、ニトロ、場合により置換されているアルキルチオ、場合により置換されているアルキルスルホニル、カルボン酸及びその誘導体、並びにスルホン酸及びその誘導体からなる群よりそれぞれ独立して選択される〕
(b)1つ以上の薬学的に許容される、その担体、希釈剤及び賦形剤と
を含み、
前記化合物が、緩和を必要とする患者において癌を治療するのに有効な量で存在する、医薬組成物。
【請求項2】
が、場合により置換されているヘテロシクリル又は場合により置換されているヘテロシクリルアミノである、請求項1記載の組成物。
【請求項3】
が、場合により置換されているジアルキルアミノである、請求項1記載の組成物。
【請求項4】
が、場合により置換されているヘテロアリール又は場合により置換されているヘテロアリールアミノである、請求項1記載の組成物。
【請求項5】
が、場合により置換されているアシルオキシである、請求項1記載の組成物。
【請求項6】
が、ビス(ヒドロキシアルキル)アミノである、請求項1記載の組成物。
【請求項7】
が1つ以上のアルコキシ基を含む、請求項1、2、3又は4のいずれか1項記載の組成物。
【請求項8】
が1つ以上のアルコキシ基を含む、請求項1〜6のいずれか1項記載の組成物。
【請求項9】
がアルキレンジオキシ基を含む、請求項1〜6のいずれか1項記載の組成物。
【請求項10】
がアルキレンジオキシ基を含む、請求項1〜6のいずれか1項記載の組成物。
【請求項11】
下記式:


で示される化合物、並びに薬学的に許容される、その塩、水和物及び溶媒和物。
〔式中、
mは、0〜約6の整数であり;
は、ハロアルキル、ハロシクロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、シクロアルコキシ、ハロアルコキシ、ハロシクロアルコキシ、場合により置換されているヘテロアリール、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ及びヘテロアリールアミノ、アシルオキシ、ハロアシルオキシ、アミノ、アルキル及びジアルキルアミノ、トリアルキルアンモニウム、ビス(ヒドロキシアルキル)アミノ、ヒドロキシアルキルアミノアルキルアミノ、ヘテロアリールアルキルアミノアルキルアミノ、アシルアミノ、ヒドロキシルアミノ、アルコキシルアミノ、アシルオキシルアミノ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアミノ、アルキニル、アシル、ウレタニル、シアノ、ニトロ、アジド、チオ、アルキルスルホニル、スルホン酸及びその誘導体、カルボン酸及びその誘導体、並びにホスホン酸及びその誘導体からなる群より選択されるが、但し、Rがヒドロキシ、アルキルアミノ又はヒドロキシアルキルアミノである場合、mは整数の0であり;
は、1〜4つの置換基であって、水素、ハロ、ヒドロキシ、場合により置換されているアルキル、場合により置換されているアルコキシ、シアノ、ニトロ、場合により置換されているアルキルチオ、場合により置換されているアルキルスルホニル、カルボン酸及びその誘導体、並びにスルホン酸及びその誘導体からなる群よりそれぞれ独立して選択される置換基を表すか;或いはRは、2〜4つの置換基であって、前記置換基のうちの2つは隣接し、前記2つの置換基が結合する炭素と一緒になって、場合により置換されている複素環を形成する置換基を表し、残りの置換基はいずれも、水素、ハロ、ヒドロキシ、場合により置換されているアルキル、場合により置換されているアルコキシ、シアノ、ニトロ、場合により置換されているアルキルチオ、場合により置換されているアルキルスルホニル、カルボン酸及びその誘導体、並びにスルホン酸及びその誘導体からなる群よりそれぞれ独立して選択され;そして
は、1〜4つの置換基であって、水素、ハロ、ヒドロキシ、場合により置換されているアルキル、場合により置換されているアルコキシ、シアノ、ニトロ、場合により置換されているアルキルチオ、場合により置換されているアルキルスルホニル、カルボン酸及びその誘導体、並びにスルホン酸及びその誘導体からなる群よりそれぞれ独立して選択される置換基を表すか;或いはRは、2〜4つの置換基であって、前記置換基のうちの2つは隣接し、前記2つの置換基が結合する炭素と一緒になって、場合により置換されている複素環を形成する置換基を表し、残りの置換基はいずれも、水素、ハロ、ヒドロキシ、場合により置換されているアルキル、場合により置換されているアルコキシ、シアノ、ニトロ、場合により置換されているアルキルチオ、場合により置換されているアルキルスルホニル、カルボン酸及びその誘導体、並びにスルホン酸及びその誘導体からなる群よりそれぞれ独立して選択される〕
【請求項12】
が、場合により置換されているヘテロシクリル又は場合により置換されているヘテロシクリルアミノである、請求項11記載の化合物。
【請求項13】
が、場合により置換されているジアルキルアミノである、請求項11記載の化合物。
【請求項14】
が、場合により置換されているヘテロアリール又は場合により置換されているヘテロアリールアミノである、請求項11記載の化合物。
【請求項15】
が、場合により置換されているアシルオキシである、請求項11記載の化合物。
【請求項16】
が、ビス(ヒドロキシアルキル)アミノである、請求項11記載の化合物。
【請求項17】
が1つ以上のアルコキシ基を含む、請求項11、12、13又は14のいずれか1項記載の化合物。
【請求項18】
が1つ以上のアルコキシ基を含む、請求項11〜16のいずれか1項記載の化合物。
【請求項19】
がアルキレンジオキシ基を含む、請求項11〜16のいずれか1項記載の化合物。
【請求項20】
がアルキレンジオキシ基を含む、請求項11〜16のいずれか1項記載の化合物。
【請求項21】
癌を治療するための医薬組成物であって、
(a)下記式:


で示される化合物、並びに薬学的に許容される、その塩、水和物及び溶媒和物と、
〔式中、
Xは、−(CR)−、−(NR)−及び−O−からなる群より選択される1つ以上の二価ラジカルを含む二価リンカーであり、ここでR及びRは、それぞれ現れるときに、水素、アルキル及びアシルから独立して選択されるが、但し、二価リンカーは二価ラジカル−O−O−を含まず;
及びR′は、それぞれ、1〜4つの置換基であって、水素、ハロ、ヒドロキシ、場合により置換されているアルキル、場合により置換されているアルコキシ、シアノ、ニトロ、場合により置換されているアルキルチオ、場合により置換されているアルキルスルホニル、カルボン酸及びその誘導体、並びにスルホン酸及びその誘導体からなる群よりそれぞれ独立して選択される置換基を表すか;或いはR及びR′は、それぞれ、2〜4つの置換基であって、前記置換基のうちの2つは隣接し、前記2つの置換基が結合する炭素と一緒になって、場合により置換されている複素環を形成する置換基を表し、残りの置換基はいずれも、水素、ハロ、ヒドロキシ、場合により置換されているアルキル、場合により置換されているアルコキシ、シアノ、ニトロ、場合により置換されているアルキルチオ、場合により置換されているアルキルスルホニル、カルボン酸及びその誘導体、並びにスルホン酸及びその誘導体からなる群よりそれぞれ独立して選択され;
及びR′は、それぞれ、1〜4つの置換基であって、水素、ハロ、ヒドロキシ、場合により置換されているアルキル、場合により置換されているアルコキシ、シアノ、ニトロ、場合により置換されているアルキルチオ、場合により置換されているアルキルスルホニル、カルボン酸及びその誘導体、並びにスルホン酸及びその誘導体からなる群よりそれぞれ独立して選択される置換基を表すか;或いはR及びR′は、それぞれ、2〜4つの置換基であって、前記置換基のうちの2つは隣接し、前記2つの置換基が結合する炭素と一緒になって、場合により置換されている複素環を形成する置換基を表し、残りの置換基はいずれも、水素、ハロ、ヒドロキシ、場合により置換されているアルキル、場合により置換されているアルコキシ、シアノ、ニトロ、場合により置換されているアルキルチオ、場合により置換されているアルキルスルホニル、カルボン酸及びその誘導体、並びにスルホン酸及びその誘導体からなる群よりそれぞれ独立して選択される〕
(b)1つ以上の薬学的に許容される、その担体、希釈剤及び賦形剤と
を含み、
前記化合物が、緩和を必要とする患者において癌を治療するのに有効な量で存在する、医薬組成物。
【請求項22】
Xが、一般構造:−(CH−〔(CH−NR−(CH−(NR−(CH−を有する基であり、ここで、nが、0又は1であり、x及びyが、独立して1〜約4の範囲の整数であり、zが、1〜約4の範囲の整数であり、pが、0又は1であり、qが、0又は1〜約2の範囲の整数であり、そしてR及びRが、それぞれの場合に、水素、メチル、t−ブチルオキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル及びフルオレニルメトキシカルボニルから独立して選択されるか、又はR及びRと、任意の隣接Rが、結合している窒素と一緒になって複素環を形成する、請求項21記載の組成物。
【請求項23】
各−O−二価ラジカル及び各−(NR)−二価ラジカルが、少なくとも1つの−(CR)−二価ラジカルで離されている、請求項21記載の組成物。
【請求項24】
、R′、R及びR′がそれぞれ水素である、請求項21記載の組成物。
【請求項25】
及びR′が、それぞれ水素であり;Rが、1つ以上のアルコキシ基又はアルキレンジオキシ基を含み;そしてR′が、1つ以上のアルコキシ基又はアルキレンジオキシ基を含む、請求項21記載の組成物。
【請求項26】
が、1つ以上のアルコキシ基又はアルキレンジオキシ基を含み;R′が、1つ以上のアルコキシ基又はアルキレンジオキシ基を含み;そしてR及びR′がそれぞれ水素である、請求項21記載の組成物。
【請求項27】
、R′、R及びR′が独立して選択され、それぞれ、1つ以上のアルコキシ基又はアルキレンジオキシ基を含む、請求項21記載の組成物。
【請求項28】
XがCHNH(CHNHCH・2 TFAである、請求項22〜27のいずれか1項記載の組成物。
【請求項29】
XがCHCHNH(CHNHCHCH・2 TFAである、請求項22〜27のいずれか1項記載の組成物。
【請求項30】
XがCHCHNH(CHNHCHCH・2 TFAである、請求項22〜27のいずれか1項記載の組成物。
【請求項31】
XがCHNH(CHNH(CHNHCH・3 TFAである、請求項22〜27のいずれか1項記載の組成物。
【請求項32】
下記式:


で示される化合物、並びに薬学的に許容される、その塩、水和物及び溶媒和物。
〔式中、
Xは、−(CR)−、−(NR)−及び−O−からなる群より選択される1つ以上の二価ラジカルを含む二価リンカーであり、ここでR及びRは、それぞれ現れるときに、水素、アルキル及びアシルから独立して選択されるが、但し、二価リンカーは二価ラジカル−O−O−を含まず;
及びR′は、それぞれ、1〜4つの置換基であって、水素、ハロ、ヒドロキシ、場合により置換されているアルキル、場合により置換されているアルコキシ、シアノ、ニトロ、場合により置換されているアルキルチオ、場合により置換されているアルキルスルホニル、カルボン酸及びその誘導体、並びにスルホン酸及びその誘導体からなる群よりそれぞれ独立して選択される置換基を表すか;或いはR及びR′は、それぞれ、2〜4つの置換基であって、前記置換基のうちの2つは隣接し、前記2つの置換基が結合する炭素と一緒になって、場合により置換されている複素環を形成する置換基を表し、残りの置換基はいずれも、水素、ハロ、ヒドロキシ、場合により置換されているアルキル、場合により置換されているアルコキシ、シアノ、ニトロ、場合により置換されているアルキルチオ、場合により置換されているアルキルスルホニル、カルボン酸及びその誘導体、並びにスルホン酸及びその誘導体からなる群よりそれぞれ独立して選択され;そして
及びR′は、それぞれ、1〜4つの置換基であって、水素、ハロ、ヒドロキシ、場合により置換されているアルキル、場合により置換されているアルコキシ、シアノ、ニトロ、場合により置換されているアルキルチオ、場合により置換されているアルキルスルホニル、カルボン酸及びその誘導体、並びにスルホン酸及びその誘導体からなる群よりそれぞれ独立して選択される置換基を表すか;或いはR及びR′は、それぞれ、2〜4つの置換基であって、前記置換基のうちの2つは隣接し、前記2つの置換基が結合する炭素と一緒になって、場合により置換されている複素環を形成する置換基を表し、残りの置換基はいずれも、水素、ハロ、ヒドロキシ、場合により置換されているアルキル、場合により置換されているアルコキシ、シアノ、ニトロ、場合により置換されているアルキルチオ、場合により置換されているアルキルスルホニル、カルボン酸及びその誘導体、並びにスルホン酸及びその誘導体からなる群よりそれぞれ独立して選択される〕
【請求項33】
Xが、一般構造:−(CH−〔(CH−NR−(CH−(NR−(CH−を有する基であり、ここで、nが、0又は1であり、x及びyが、独立して1〜約4の範囲の整数であり、zが、1〜約4の範囲の整数であり、pが、0又は1であり、qが、0又は1〜約2の範囲の整数であり、そしてR及びRが、それぞれの場合に、水素、メチル、t−ブチルオキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル及びフルオレニルメトキシカルボニルから独立して選択されるか、又はR及びRと、任意の隣接Rが、結合している窒素と一緒になって複素環を形成する、請求項32記載の化合物。
【請求項34】
各−O−二価ラジカル及び各−(NR)−二価ラジカルが、少なくとも1つの−(CR)−二価ラジカルで離されている、請求項32記載の化合物。
【請求項35】
、R′、R及びR′がそれぞれ水素である、請求項32記載の化合物。
【請求項36】
及びR′が、それぞれ水素であり;Rが、1つ以上のアルコキシ基又はアルキレンジオキシ基を含み;そしてR′が、1つ以上のアルコキシ基又はアルキレンジオキシ基を含む、請求項32記載の化合物。
【請求項37】
が、1つ以上のアルコキシ基又はアルキレンジオキシ基を含み;R′が、1つ以上のアルコキシ基又はアルキレンジオキシ基を含み;そしてR及びR′がそれぞれ水素である、請求項32記載の化合物。
【請求項38】
、R′、R及びR′が独立して選択され、それぞれ、1つ以上のアルコキシ基又はアルキレンジオキシ基を含む、請求項32記載の化合物。
【請求項39】
XがCHNH(CHNHCH・2 TFAである、請求項33〜38のいずれか1項記載の化合物。
【請求項40】
XがCHCHNH(CHNHCHCH・2 TFAである、請求項33〜38のいずれか1項記載の化合物。
【請求項41】
XがCHCHNH(CHNHCHCH・2 TFAである、請求項33〜38のいずれか1項記載の化合物。
【請求項42】
XがCHNH(CHNH(CHNHCH・3 TFAである、請求項33〜38のいずれか1項記載の化合物。
【請求項43】
癌を治療する方法であって、請求項1〜42のいずれか1項記載の化合物又は組成物の治療有効量を、前記癌からの緩和を必要とする患者に投与する工程を含む方法。
【請求項44】
下記式:


で示される化合物を、中間生成物を単離することなく調製するプロセスであって、
下記式:


で示される化合物を、下記式:


で示される化合物と反応させる工程と、
前記中間生成物を環化する工程を含み、
式中、R及びRが、請求項1で定義されたとおりである、プロセス。
【請求項45】
環化工程が1種以上の酸を含む、請求項44記載のプロセス。
【請求項46】
環化工程がジシクロヘキシルカルボジイミドを含む、請求項44記載のプロセス。
【請求項47】
請求項11記載の化合物を調製するプロセスであって、
下記式:


で示される化合物を、式:R−(CH−NHのアミンと反応させる工程を含み、
式中、R、R、m及びRが請求項11に記載されたとおりである、プロセス。
【請求項48】
請求項32記載の化合物を調製するプロセスであって、
下記式:


で示される化合物を、式:NH−(CH−〔(CH−NR−(CH−(NR−(CH−NHのポリアミンと反応させる工程を含み、
式中、R、R、n、x、y、z、p、q、R及びRが、請求項33に記載されたとおりである、プロセス。
【請求項49】
≠R′であり、そしてR≠R′である、請求項48記載のプロセス。
【請求項50】
≠R′であり、R≠R′であり、そして前記プロセスが2工程で実施される、請求項48記載のプロセス。
【請求項51】
=R′であり、そしてR=R′である、請求項48記載のプロセス。
【請求項52】
=R′であり、R=R′であり、そして前記プロセスが1工程で実施される、請求項48記載のプロセス。

【公開番号】特開2013−100318(P2013−100318A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2013−2845(P2013−2845)
【出願日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【分割の表示】特願2008−541244(P2008−541244)の分割
【原出願日】平成18年11月13日(2006.11.13)
【出願人】(598063203)パーデュー・リサーチ・ファウンデーション (59)
【氏名又は名称原語表記】PURDUE RESEARCH FOUNDATION
【出願人】(508144990)ザ ガバメント オブ ザ ユナイテッド ステイツ オブ アメリカ アズ リプレゼンテッド バイ ザ セクレタリー オブ ザ デパートメント オブ ヘルス アンド ヒューマン サービシズ (2)
【氏名又は名称原語表記】THE GOVERNMENT OF THE UNITED STATES OF AMERICA AS REPRESENTED BY THE SECRETARY OF THE DEPARTMENT OF HEALTH AND HUMAN SERVICES
【住所又は居所原語表記】c/o National Institutes of Health,6011 Executive Boulevard,Suite 325,Bethesda,MD 20852 U.S.A
【Fターム(参考)】