説明

N者択一型ニューラルネットワークの符号化及び復号化装置

【目的】 単一転送線によって転送可能とし、遠隔操作に適した低コストの符号化及び復号化システムを構築できるようにすること。
【構成】 N者択一状態を表わす切換器3の信号入力を受信して前記N状態について各々独自の増幅率vj を割当てて前記切換器3の状態を符号化するためのN値の信号を出力する符号化手段21と、この符号化手段21から単一転送線26によるN値の出力を受信して前記N状態に対応する出力端末に最大出力を発生させるための復号化手段22とにより構成し、N-1-N符号化及び復号化システムを構築し得るようにした。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、神経細胞を模倣した人工ニューロン及びニューラルネットワークの分野に関連し、より詳細には、遠隔操作可能なN者択一手段又は信号装置の実現のための人工ニューロン技術使用によるN者択一型ニューラルネットワークの符号化及び復号化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】人工ニューロン技術は通信及び制御を含む多くの用途で実現可能な代替設計として勃興している。実用的商用部品が徐々に利用可能になりつつあり、これらの部品を用いた信号及び制御の問題の解決が必要とされるようになってきている。
【0003】遠隔信号法及び/又はその切換えは、広範囲な用途における基本的な使用方法である。本発明は、遠隔位置へ転送用選択スイッチ位置を符号化するためのマッカラフ・ピッツ(MP)型ニューロンの基本的な形状を使用する全く新しいシステムで、同一の選択スイッチ位置が受信側で仮定し得るように受信メッセージが復号される。受信装置の復号化手段は既知の又は標準的なニューラルネットワーク部材からなる別の人工ニューラルネットワークである。
【0004】マサチューセッツ工科大学のニューラル・コンピューテーション誌2巻399−401頁のレオニッド・クルーグリャク(Leonid Kruglyak )による「Nビットエンコーダにおける問題を2つだけの隠れたユニットを用いて解決するには(How to Solve the N Bit Encoder Problem with Just Two HiddenUnits)」と題する論文によれば、標準フィードフォワード構造の3層ネットワークがN入力N出力符号化の問題をたった2つの隠れたユニットで解決し得ることが示されている。この構造は、場合によってはN-2-N符号化及び復号化装置ネットワークとも称される。ルーメルハート及びマックレランド編、マサチューセッツ州ケンブリッジのマサチューセッツ工科大学出版局刊「並列分散処理:認識の微細構造における発展(Parallel Distributed Processing:Explorations in the Microstructures of Cognition)」 第1巻8章318頁に報告されているように、他の既知の従来技術では、この問題を解決するために隠れたLog2N 個のユニットを使用するN-log2N-Nネットワークが必要となる。
【0005】図5はクルーグリャクにより実現された符号化装置1及び復号化装置2よりなる構造を示す。符号化装置1は摺動腕3及び接点4を有するN位置スライドスイッチからなる。摺動腕3は定電圧供給源5へ接続されており、電圧はいつでも全体でN個の接点の内の1つの接点4だけに印加できるように構成されている。各々の接点4はシナプス重み付け素子6によりニューロン処理素子(PE)7,8へ接続されている。PE7,8からの出力線9上の信号は摺動腕3の符号化スイッチ位置(1からNまで)を表わす。
【0006】図6は典型的なMPニューロン及び図5に示した符号化装置1との関連性を示す。入力(1〜N)は各々がシナプス重み付け素子6(w1 ,w2 ,…,wN )によりPE7,8へ結合された入力ノード(接点4)に印加される。加算素子10がこれらの重み付け入力を適切な閾値オフセットθで加算する。加算素子10の出力は(圧縮)非線形回路11へ印加される。非線形回路11は通常、S字形の転送特性を有する。この方法で、PE7,8は出力線9上への転送のために摺動腕3の状態を符号化する。
【0007】図5のニューロンの復号化装置2は入力線の対(出力線9)の各々の線に1つずつの2つのシナプス結合12を有するN個のPE13(PE1〜N)からなる。PE13の出力はN端末出力アレイを構成する。符号化装置1及び復号化装置2の適切なシナプス重み付けの選択で、復号化装置2の出力端末14は各種電圧レベルにおいて全てが活動状態となり得る。しかし、PE13の出力電圧が選択したj番目の入力端末(接点4)に対応すると、他の(N−1)個の出力端末14に対して最大となる。
【0008】復号化装置2の出力は、どのN者択一入力が活動状態にあるかを決定するために要求される必要な情報の全てを含むが、全ての出力端末14が符号化装置1で選択されたj番目の入力端末(接点4)との「近さ」を表わすアナログ電圧を有するという意味において完全に復号されていない。最大出力電圧を有するj番目の出力端末14を選択するためには、さらなる処理が必要とされる。この目的で使用可能な「勝者が全てを獲得する(WTA)」ネットワークは入力としてN出力端末14を許容し、最大電圧値を有する入力端末に対応するこれのN者択一出力端末を活動状態とさせる。
【0009】WTAネットワークについて多くの可能な実現方法が当業者には周知である。例えば、MAXNETニューラルネットワークはヨー・ハン・パオ(Yoh-HanPao)の「適合パターン認識とニューラルネットワーク(Adaptive PatternRecognition and Neural Networks)」、アジソン・ウェズリー出版社、1989年、7.2章173頁で記述されている。MAXNETは1組のノードの内で最大の出力を有する候補ノードを1つ強調し選択するために横方向の抑制を使用する。これは「ノイズにより乱された2進入力パターンのフィードフォワードハミングネット最尤分類器」と記載されている。この用途における入力パターンはアナログ電圧であるが、このネットワークは、その特性として、各々の入力を候補(オン状態)として取扱い、最大値を持つ入力を最も尤もらしいオン状態の候補として選択することによって、最大値を持つ入力を選択する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】よって、従来技術では、図5に示したようなN状態符号化及び復号化装置で転送線素子が少なくとも2つの線からなることが必要とされることを示している。一般に、特にコストなし又は比較的低いコストで減少が達成可能な場合に、必要な転送チャネル数を減少することは有利となる。
【0011】このようなことから、本発明では、一度に1つの状態だけがオンになる2進のオン状態のN者択一入力jを符号化するための人工ネットワークを提供することを目的とする。即ち、j番目のオン状態は、ニューロン出力の非線形非飽和領域で動作するN入力MP型ニューロンの適切な出力レベルで表現される。単一の線が符号化した増幅度レベル信号をN個の単一入力ニューラルネットワークからなる復号化手段へ転送する。復号化手段のN出力は符号化手段の活動入力端末に対応する出力端末以外でオフ状態をなすようにすればよい。本発明の別の目的は、転送コストを最小限とすることである。即ち、単一の転送線を符号化メッセージ送出用に使用することにより、複数の入力の内の1つのオン状態を遠隔的に送出する必要のある信号システムにおいて、大幅なコスト節約が得られるものとなるからである。本発明のさらなる目的は、これの実現にニューラルネットワーク技術を使用することであって、これにより別のニューラル部材とのインタフェースを容易になすことである。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明では、N者択一状態を表わす切換器信号入力を受信して前記N状態について各々独自の増幅率を割当てて前記切換器状態を符号化するためのN値の信号を出力する符号化手段と、この符号化手段から単一転送線によるN値の出力を受信して前記N状態に対応する出力端末に最大出力を発生させるための復号化手段とにより構成した。
【0013】この際、請求項2記載の発明では、符号化手段がN入力の人工ニューロンを有し、復号化手段が前記符号化手段の出力に対して各々の入力が接続されたN個の単一入力人工ニューロンを有するものとし、請求項3記載の発明では、符号化手段のN入力の人工ニューロンが指数関数的に増減する均一な増加量のシナプス重み付けを有し、復号化手段のN個の単一入力人工ニューロンの組が直線的に増減する均一な増加量のシナプス重み付けを有し、前記復号化手段のN個のオフセットの組が指数関数的に増減する均一な増加量のオフセット値を有するものとし、請求項4記載の発明では、符号化手段のN入力の人工ニューロンが直線的に増減する均一な増加量のシナプス重み付けを有し、復号化手段のN個の単一入力人工ニューロンの組が直線的に増減する均一な増加量のシナプス重み付けを有し、前記復号化手段のN個のオフセットの組が2次関数的に増減する均一な増加量のオフセット値を有するものとし、請求項5記載の発明では、符号化手段のN入力の人工ニューロンが直線的に増減する均一な増加量のシナプス重み付けを有し、前記復号化手段のN個の単一入力ニューロンの組が対数的に増減する均一な増加量のシナプス重み付けを有し、前記復号化手段のN個のオフセットの組が直線的に増減する均一な増加量のオフセット値を有するものとした。
【0014】請求項6記載の発明では、符号化手段におけるシナプス重み付け{vj }の組と、復号化手段におけるシナプス重み付け{wk }の組と、前記復号化手段におけるオフセット重み付け{θk }の組が、前記復号化手段の出力zk において、k及びjを均一な増加量の指数としてzk =vjk+θk に対応するN個の値の関数を生成し、k=jに対応する出力端末で最大出力を生成するようにした。
【0015】請求項7記載の発明では、復号化手段からの最大出力値を選択して符号化を表わす状態に対応するN個の出力端末の内の1つを活動化させるための最大出力選択手段を有するものとし、請求項8記載の発明では、最大出力選択手段が、フィードフォワードハミングネットワークの最尤分類器をなすものとした。
【0016】
【作用】符号化手段において、N入力中のj番目のオン状態は、ニューロン出力の非線形非飽和領域で動作するN入力MP型ニューロンの適切なN値の出力レベルで表現される。単一転送線が符号化したN値の増幅度レベル信号をN個の単一入力人工ニューロンからなる復号化手段へ転送する。復号化手段のN出力は符号化手段の活動入力端末に対応する出力端末以外でオフ状態をなすようにすることで、確実に復号される。ここに、単一転送線を用いて符号化された信号を出力させるので、転送コストが最小限となる。よって、複数の入力の内の1つのオン状態を遠隔的に送出する必要のある信号システムにおいては、大幅なコスト節約が得られる。
【0017】
【実施例】本発明の一実施例を図1ないし図4に基づいて説明する。図5及び図6で示した部分と同一部分は同一符号を用いて示す。まず、図5に示した従来技術では、シナプス重み付け素子6を有するPE7,8がしばしば称されるような「隠れた」2つのニューロンを有するN-2-N符号化及び復号化装置が最小限の構成であることを明確に示している(クルーグリャク、前掲書)。本発明は、N-1-N符号化及び復号化装置の構成をもたらすもので、ここにおいてN入力ノードは選択した入力ノードを表わす出力信号レベルを出力が供給する単一のMP型人工ニューロンに接続されている。この単一の出力信号は復号化装置により使用されて、選択した入力ノードに対応するN者択一出力線を活動状態になす。
【0018】図1は好適実施例を表わしており、符号化装置(符号化手段)21と復号化装置(復号化手段)22の2つの基本的部材からなる。また、任意のWTAネットワークが最大値を有する復号化装置22のN者択一出力端末を1つだけ選択するために復号化装置22のN出力へ接続されていることを示している。
【0019】符号化装置21はN入力ノード23を有し、全ての単一のノードは摺動腕(切換器)3と接触できる。定電圧供給源5からの電圧が摺動腕3を経由して、j番目のノードとする選択したノード23に印加される。定電圧供給源5の電圧eoは、拡大係数又は重みvj を特性とするj番目のシナプス重み付け素子24に印加される。N入力シナプス重み付け素子24の各々は加算回路25の入力へ印加される。重みv1 〜vN 及び加算回路25を含む符号化装置21の下位構造は、非線形回路11の非飽和な(ことによると線形の)領域で動作する図6に示した形式のMP型ニューロンを構成する。よって、入力ノード23以外で符号化装置21は単一のMP型ニューロンよりなる。
【0020】符号化装置21の出力yは復号化装置22の入力へ結合するための転送手段(単一転送線)26へ印加され、これは次のように表現し得る。
y=eo ・vj ………………………………(1)
簡単のために、eo =1と仮定すれば、y=vj ………………………………(2)
となる。よって、各々の{vj }が独自であれば、値はj番目に選択した入力ノードを表わすことになる。
【0021】復号化装置22は転送手段26からの符号化装置出力vj を受信して、各々がシナプス重み付け素子27及びPE(ニューロン処理素子)28を有するN個の単一入力MP型ニューロンを用いN個の別個の出力値(z1 〜zN )を生成する。組{wk }の各々の重み付け素子はk=1,2,…,Nについて独立している。各々の重みwk を有するシナプス重み付け素子27の出力は、対応するオフセット値θk を有する加算素子からなるPE28へ印加される。よって、各々のシナプス重み付け素子27及びPE28の加算回路は、出力非線形非飽和領域で動作する(図6のONL11)単一入力MP型ニューロンと等価である。復号化装置22のk番目の出力zk は、zk =y・wk +θk =vj k +θk ……(3)
ように表記し得る。
【0022】zk をWTAネットワーク(最大出力選択手段)29を駆動するための適切な関数となすためには、k=jにおいて最大値を有する必要がある、即ち、メッセージvj が復号化装置22に受信された際にj番目の出力端末が他の(N−1)個の出力値の全てより大きな値zj を有する。即ち、 zj >zk≠j ……………………………………(4)
の必要がある。これはkに対するzk の第1の導函数zk がk=jで0に等しい。即ち、
【数1】


故に、vjk=j′= −θk=j′ ………………(5)
となる必要がある。また、第2の導函数wk″ は最小値ではなく最大値をなすために負となる必要がある。即ち、vjk=j″+θk < −θk=j″ ………………(6)
である。これら2つの条件は復号化装置22の適切な出力端末で最大値となるに充分である。しかし、使用するWTAネットワーク29の形式によって、さらなる制限を加える必要がある場合も考えられる。例えば、MAXNETネットワークは最大値zj もまた正である必要がある、即ち、zj >0、換言すると、vjk=j > −θk=j ………………(7)
である。
【0023】これらの3つの方程式(5)(6)(7)で指定された条件は、広い範囲の関数で満たすことができる。例えば、図1に示した符号化及び復号化装置の回路構成で、符号化装置21のシナプス重み付け素子24が指数関数的に変化する均一な増加量で、復号化装置22のシナプス重み付け素子27は直線的に変化する均一な増加量で、オフセット値は次に示すように指数関数的に変化する均一な増加量kである場合を考慮すると、
【数2】


となる。
【0024】第1の条件は、第1の導函数がk=jのときに0と等しい。即ち、
【数3】


である必要があるからα=ln2
【0025】また、第2の導函数はk=jの時に負である。即ち、
【数4】


であることから、第2の条件も満たされている。
【0026】図2はパラメータをα=ln2≒0.7として、j=1,2,3,4のときのkに対するzk を示すグラフである。最大値はk=jの時に出現することが理解される。
【0027】下側の曲線(zk ,j=1)では常に負になることから、第3の条件を適用することが望ましく、
【数5】


即ち、
【数6】


を要求する。これはθ1 =−2の時に満足されない。これは2−ln2≒0.6より大きな量、例えば+1でθk の値を増加させたほうがよいことを意味し、zkについての新しい方程式は(8)式から、
【数7】


で、zk=j-1 となる。
【0028】定数項を式(8)に追加することで導函数の値は変化しておらず、3つの条件全てが同時に満足されることに注意されたい。総合的な結果は、図2に示す転送特性が上向きに1ポイント変位して、全ての出力値が0以上となることである。
【0029】重み付けとオフセットのもう1つの考え得る選択は、直線的で均一な増加のシナプス重み付けと2次関数的に増減するオフセット値を有することがあり、これは次のようなvj =j j=1,2,3,…,Nwk =αkθk =−αk2/2 k=1,2,…,Nものである。よって、復号化装置22のk番目の出力タップ上の信号は、次のように、 zk =αk(j−k/2) ……………………(14)
として表わされる
【0030】これは方程式(5)(6)(7)の3つの条件を満足し、パラメータとしてjをとって図3に表わしてある。この場合、α=1であるが、ニューロンの出力非線形非飽和動作を確保する何らかの適当な正の値を仮定してもよい。方程式(13)に対する方程式(14)の関数のさらなる有利な点は、更新すべき出力変数域yk の制限範囲である。方程式(14)は方程式(13)におけるような指数関数表現ではなく2次方程式である。
【0031】次のようにvj が指数jの増加に対して線形でwk は指数kに対して対数的に増減し、θk は指数kに対して線形である場合、さらに別の例が得られる。
j =j j=1,2,…,Nwk =lnkθk =(k−α) k=1,2,…,Nzk =jlnk−(k−α)
………………………………(15)
ここで、αは任意の定数である。図4に示すように、α=2で方程式(15)が3つの条件全てを満足する。
【0032】ニューラルネットワーク及びニューラルコンピューティングの当業者には、方程式(5)(6)(7)の条件を満足する他の方程式も、上述の基本的数学の知識を用いて発見可能といえる。
【0033】
【発明の効果】本発明は、上述したように構成したので、符号化手段において、切換器のN状態中の1つのオン状態は、ニューロン出力の非線形非飽和領域で動作するN入力MP型ニューロンの適切なN値の出力レベルで表現され、単一転送線が符号化したN値の増幅度レベル信号をN個の単一入力人工ニューロンからなる復号化手段へ転送され、復号化手段のN出力は符号化手段の能動入力端末に対応する出力端末以外でオフ状態となるので、単一転送線によって確実に復号可能なN-1-N符号化及び復号化システムを構築でき、単一転送線を用いて符号化された信号を出力させるので、転送コストも最小限となり、よって、複数の入力の内の1つのオン状態を遠隔的に送出する必要のある信号システムにおいては、大幅なコスト節約を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すブロック図である。
【図2】指数関数的に重み付けした符号化シナプス、直線的に重み付けした復号化シナプス、及び指数関数的に重み付けした復号オフセットにおける出力特性を示すグラフである。
【図3】直線的に重み付けした符号化シナプス、直線的に重み付けした復号化シナプス、及び2次関数的に重み付けした復号オフセットにおける出力特性を示すグラフである。
【図4】直線的に重み付けした符号化シナプス、対数的に重み付けした復号化シナプス、及び直線的に重み付けした復号オフセットにおける出力特性を示すグラフである。
【図5】従来のN-2-N符号化及び復号化装置ニューラルネットワークを示すブロック図である。
【図6】従来のMP型N入力の人工ニューロン構成を示すブロックである。
【符号の説明】
3 切換器
21 符号化手段
22 復号化手段
24 人工ニューロン
26 単一転送線
28 単一入力人工ニューロン
29 最大出力選択手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】 N者択一状態を表わす切換器信号入力を受信して前記N状態について各々独自の増幅率を割当てて前記切換器状態を符号化するためのN値の信号を出力する符号化手段と、この符号化手段から単一転送線によるN値の出力を受信して前記N状態に対応する出力端末に最大出力を発生させるための復号化手段とよりなることを特徴とするN者択一型ニューラルネットワークの符号化及び復号化装置。
【請求項2】 符号化手段がN入力の人工ニューロンを有し、復号化手段が前記符号化手段の出力に対して各々の入力が接続されたN個の単一入力人工ニューロンを有することを特徴とする請求項1記載のN者択一型ニューラルネットワークの符号化及び復号化装置。
【請求項3】 符号化手段のN入力の人工ニューロンが指数関数的に増減する均一な増加量のシナプス重み付けを有し、復号化手段のN個の単一入力人工ニューロンの組が直線的に増減する均一な増加量のシナプス重み付けを有し、前記復号化手段のN個のオフセットの組が指数関数的に増減する均一な増加量のオフセット値を有することを特徴とする請求項2記載のN者択一型ニューラルネットワークの符号化及び復号化装置。
【請求項4】 符号化手段のN入力の人工ニューロンが直線的に増減する均一な増加量のシナプス重み付けを有し、復号化手段のN個の単一入力人工ニューロンの組が直線的に増減する均一な増加量のシナプス重み付けを有し、前記復号化手段のN個のオフセットの組が2次関数的に増減する均一な増加量のオフセット値を有することを特徴とする請求項2記載のN者択一型ニューラルネットワークの符号化及び復号化装置。
【請求項5】 符号化手段のN入力の人工ニューロンが直線的に増減する均一な増加量のシナプス重み付けを有し、前記復号化手段のN個の単一入力人工ニューロンの組が対数的に増減する均一な増加量のシナプス重み付けを有し、前記復号化手段のN個のオフセットの組が直線的に増減する均一な増加量のオフセット値を有することを特徴とする請求項2記載のN者択一型ニューラルネットワークの符号化及び復号化装置。
【請求項6】 符号化手段におけるシナプス重み付け{vj }の組と、復号化手段におけるシナプス重み付け{wk }の組と、前記復号化手段におけるオフセット重み付け{θk }の組が、前記復号化手段の出力zk において、k及びjを均一な増加量の指数としてzk =vjk+θkに対応するN個の値の関数を生成し、k=jに対応する出力端末で最大出力を生成するようにしたことを特徴とする請求項2記載のN者択一型ニューラルネットワークの符号化及び復号化装置。
【請求項7】 復号化手段からの最大出力値を選択して符号化を表わす状態に対応するN個の出力端末の内の1つを能動化させるための最大出力選択手段を有することを特徴とする請求項3,4又は5記載のN者択一型ニューラルネットワークの符号化及び復号化装置。
【請求項8】 最大出力選択手段が、フィードフォワードハミングネットワークの最尤分類器をなすものとしたことを特徴とする請求項7記載のN者択一型ニューラルネットワークの符号化及び復号化装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図6】
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【図4】
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