OPGW用足場およびOPGWの接続方法
【課題】 既設のOPGWに対する接続作業などを安定して行うことを可能にするOPGW用足場を提供する。
【解決手段】 作業者が乗るための足場板2と、足場板2の基端部を鉄塔Tに取り付ける足場板取付金具3と、足場板2の自由端部と支持線120とを連結して足場板2を支持する足場板支持柱4と、足場板2の側縁部から上方に延びて配設される側壁フレーム体5と、側壁フレーム体5の上端部と支持線120とを連結して側壁フレーム体5を支持するフレーム支持ユニット6と、足場板2に配設可能な作業台7と作業椅子8とを備える。
【解決手段】 作業者が乗るための足場板2と、足場板2の基端部を鉄塔Tに取り付ける足場板取付金具3と、足場板2の自由端部と支持線120とを連結して足場板2を支持する足場板支持柱4と、足場板2の側縁部から上方に延びて配設される側壁フレーム体5と、側壁フレーム体5の上端部と支持線120とを連結して側壁フレーム体5を支持するフレーム支持ユニット6と、足場板2に配設可能な作業台7と作業椅子8とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、既設の光ファイバ複合架空地線(OPGW:OPtical Ground Wire、以下、「OPGW」という)に対して接続作業などを行うためのOPGW用足場および、既設のOPGWに内蔵された光ファイバを外部の光ファイバと接続するOPGWの接続方法に関する。
【背景技術】
【0002】
OPGWは、雷遮へいを目的として送電線の上方に架設される架空地線(架空送電線)に、光ファイバを内蔵して、通信機能を付加したものである。このOPGWは、高い送電線鉄塔の頂部間などに張られた状態で、例えば数百キロメートルという長距離に渡って架設される。すなわち、例えば数キロメートルのOPGWが巻かれたドラムからOPGWを引き出しながら、鉄塔の頂部間にOPGWを架設する。そして、例えば特許文献1に記載されたような接続箱を介してOPGWの端部同士を接続し、OPGWを長距離に渡って架設するものである。また、OPGWの端部同士を接続する際に、接続箱内にOPGWの光ファイバの余長を確保することで、外部の光ファイバ(光ケーブル)と接続可能となる。
【0003】
一方、停電事故などによる系統分断や再接続などの作業を送電線鉄塔上で行うための足場が知られている(例えば、特許文献2参照。)。この足場は、足場板の一方の端部に垂直に延びる足場主柱が設けられ、他方の端部に垂直に延びる吊り下げ具が設けられている。そして、足場主柱の上端部を鉄塔の腕金に掛け、吊り下げ具の上端部を送電線に掛けることで、鉄塔の腕金と送電線の下方に足場板が吊り下げられるものである。
【特許文献1】特開平11−271555号公報
【特許文献2】特開2000−324632号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、OPGWに内蔵された光ファイバは、当初、電力設備の情報などを伝送することを主目的として利用されてきた。これに対し、本発明者は、高速通信をより普及させるには、OPGWの光ファイバを公衆のインターネット回線や電話回線として活用することが有効であると考えた。そして、そのためには、光通信を行いたい需要家側の通信装置(外部)からの光ファイバ(光ケーブル)とOPGWの光ファイバとを接続する必要がある。すなわち、高い送電線鉄塔の頂部間に架設されたOPGWに対して、任意の位置で接続作業などを行う必要がある。
【0005】
しかしながら、送電線鉄塔の頂部は高所で風塵が強く、しかも光ファイバ同士の接続は極めて精密な作業と時間とを要するため、安定した状態で作業を行う必要がある。これに対し、上記特許文献2に記載されたような足場では、足場主柱と吊り下げ具のみを介して、鉄塔の腕金と送電線の下方に足場板が吊り下げられた状態となる。このため、風塵などが強い環境下では、このような足場板に乗っての作業は不安定、困難であり、特に、精密で長時間を要する作業は極めて困難である。この結果、既設のOPGWの光ファイバを任意の位置で外部の光ファイバと接続することができず、光通信を行いたい需要家に対してOPGWの光ファイバを提供する(利用可能にする)ことが現実的に困難な状況にあった。
【0006】
そこでこの発明は、既設のOPGWに対する接続作業などを安定して行うことを可能にするOPGW用足場および、既設のOPGWに内蔵された光ファイバを外部の光ファイバと接続することを可能にするOPGWの接続方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために請求項1に記載の発明は、鉄塔間に架設されたOPGWに対して接続作業などの作業を行うためのOPGW用足場であって、作業者が乗るための足場板と、前記足場板の長手方向の一端部である基端部を前記鉄塔に取り付ける取付手段と、前記基端部と対向する前記足場板の自由端部と、前記鉄塔に架設された架線とを連結して前記足場板を支持する足場板支持手段と、前記足場板に配設可能で、前記作業を行うための作業台と、を備えることを特徴とする。
(作用)
取付手段によって足場板の基端部を鉄塔に取り付け、足場板支持手段によって足場板の自由端部を鉄塔に架設された架線で支持することで、足場板が鉄塔と架線とに架設される。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のOPGW用足場において、前記足場板支持手段は伸縮自在であり、前記架線の傾斜に応じて伸縮させることで前記足場板を水平に支持することを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2のいずれか1項に記載のOPGW用足場において、前記足場板の長手方向に延びる側縁部から上方に延びて配設される側壁体と、前記側壁体の上端部と前記架線とを連結して前記側壁体を支持する側壁支持手段と、を備えることを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のOPGW用足場において、前記側壁支持手段は伸縮自在であり、前記架線の傾斜に応じて伸縮させることで前記側壁体を水平に支持することを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項3または4のいずれか1項に記載のOPGW用足場において、前記作業台は、前記足場板の両側縁部に配設され対向する前記側壁体に架設されることで前記足場板に配設され、前記対向する側壁体に架設され、作業者が座るための作業椅子を備えることを特徴とする。
【0012】
請求項6に記載の発明は、請求項3〜5のいずれか1項に記載のOPGW用足場において、前記側壁体は、棒状で水平に延びる底片と、棒状で前記底片の両端部から上方に延びる垂直片とを有し、前記足場板に着脱可能で、前記足場板の短尺方向である幅方向に前記底片を配置することで前記両垂直片が前記足場板の両側縁部から上方に延びるフレームと、前記フレームを前記足場板の長手方向に沿って複数配設した状態で、隣接する前記垂直片を着脱可能に連結する連結部材と、を備えることを特徴とする。
(作用)
フレームを足場板の長手方向に沿って複数配設し、隣接する垂直片を連結部材で連結することで、隣接するフレームが連結され、複数のフレームが一体化する。
【0013】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか1項に記載のOPGW用足場において、前記足場板の長手方向に延びる側縁部と前記架線との間を覆い、開閉可能な遮へい手段を備えることを特徴とする。
(作用)
遮へい手段を開けることで、足場板の側縁部と架線との間が開放され、遮へい手段を閉じることで、足場板の側縁部と架線との間が遮へいされる。
【0014】
請求項8に記載の発明は、鉄塔間に架設されたOPGWに内蔵された光ファイバを外部の光ファイバと接続するOPGWの接続方法であって、前記外部の光ファイバと接続したい位置において、切断した前記OPGWの端部同士を先端部に余長を残して支持線によって連結し、作業者が乗るための足場板と、前記接続を行うための作業台とを備えたOPGW用足場を、前記足場板が水平に位置するように、前記鉄塔と前記支持線とに架設、または前記鉄塔と前記OPGWとに架設し、前記OPGW用足場の作業台上で、前記切断したOPGWの光ファイバと前記外部の光ファイバとを接続することを特徴とする。
【0015】
請求項9に記載の発明は、鉄塔間に架設されたOPGWに内蔵された光ファイバを外部の光ファイバと接続するOPGWの接続方法であって、前記外部の光ファイバと接続したい位置において、作業者が乗るための足場板と、前記接続を行うための作業台とを備えたOPGW用足場を、前記足場板が水平に位置するように、前記鉄塔と前記OPGWとに架設し、前記外部の光ファイバと接続したい位置において、前記OPGWに支持線を平行に連結し、前記支持線が連結された間において前記OPGWを切断し、前記OPGW用足場の作業台上で、前記切断したOPGWの光ファイバと前記外部の光ファイバとを接続することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
請求項1に記載の発明によれば、足場板の基端部が鉄塔に直接取り付けられ、自由端部が架線で支持された状態で足場板が配設されるため、足場板の配設が安定する。そして、この安定した足場板に作業台を配設することで、安定した作業台の上でOPGWの接続作業などを行うことができる。つまり、高い鉄塔間に架設されたOPGWに対する接続作業などを安定して行うことが可能となる。
【0017】
請求項2に記載の発明によれば、足場板支持手段を伸縮させることで、架線が傾斜していても足場板が水平に支持されるため、常に水平な足場板上で接続作業などを安定して行うことができる。
【0018】
請求項3に記載の発明によれば、足場板の側縁部に側壁体を配設することで、足場板の側方がガード(保護)されるため、足場板上で安定、安心して作業を行うことができる。しかも、側壁体の上端部が側壁支持手段を介して架線に支持されるため、側壁体の配設が安定化し、より安定、安心して作業を行うことができる。
【0019】
請求項4に記載の発明によれば、側壁支持手段を伸縮させることで、架線が傾斜していても側壁体が水平に支持されるため、常に水平な側壁体でガードされた状態で、安定、安心して作業を行うことができる。
【0020】
請求項5に記載の発明によれば、対向する側壁体に作業台を架設することで、対向する側壁体が作業台を介して連結された状態となり、作業台および側壁体の配設が安定する。同様に、対向する側壁体に作業椅子を架設することで、対向する側壁体が作業椅子を介して連結された状態となり、作業椅子および側壁体の配設が安定する。そして、安定した作業椅子に座って、安定した作業台の上で接続作業などを安定して行うことができるとともに、長時間の作業にも対応することが可能となる。
【0021】
請求項6に記載の発明によれば、フレームが足場板に着脱可能であり、連結部材がフレームの垂直片に着脱可能なため、足場板とフレームと連結部材とを別体の状態で鉄塔の頂部などに運ぶことができる。この結果、運搬性や取扱性が向上するとともに、保管スペースの縮小化が可能となる。
【0022】
請求項7に記載の発明によれば、遮へい手段を閉じることで、高い鉄塔の頂部でも強い風塵などを遮ることができ、接続作業などを安定して行うことができる。一方、遮へい手段を開けることで、広い空間が確保されるため、広い空間を要する作業を行うことができる。
【0023】
請求項8および9に記載の発明によれば、OPGW用足場を鉄塔と支持線とに架設、または鉄塔とOPGWとに架設し、OPGW用足場の作業台上で、切断したOPGWの光ファイバと外部の光ファイバとを接続することで、OPGWを切断した位置で、つまり任意の位置で、既設のOPGWの光ファイバを外部の光ファイバと接続することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、この発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。
【0025】
(実施の形態1)
図1は、この実施の形態に係るOPGW用足場1を配設した状態を示す斜視図である。このOPGW用足場1は、送電線鉄塔T間に架設されたOPGW100に対して接続作業などを行うための足場であり、主として、足場板2と、足場板取付金具(取付手段)3と、足場板支持柱(足場板支持手段)4と、側壁フレーム体(側壁体)5と、フレーム支持ユニット(側壁支持手段)6と、作業台7と、作業椅子8と、足場ネット(遮へい手段)9とを備えている。
【0026】
足場板2は、作業者が乗るための基台であり、図2に示すように梯子状で、長手方向に延びる2本の垂直バー21と、垂直バー21を連結する複数の水平バー22とを備え、両垂直バー21に、断面がL字状のフレーム固定板23が、対向して複数配設されている。このフレーム固定板23は、後述するフレーム51を取り付けるための板であり、フレーム51の配設ピッチに合わせて、つまり後述する連結バー52の長さに合わせて、フレーム固定板23の配設ピッチも設定されている。また、フレーム固定板23には、フレーム51をねじ止めするための雌ネジ(図示せず)が形成されている。
【0027】
足場板取付金具3は、足場板2の長手方向の一端部である基端部を鉄塔Tに取り付ける(固定する)ための金具であり、図2に示すように、断面がL字状の取付基部31と、リング状の把持部32とを備えている。取付基部31は、鉄塔Tの塔体T1に取り付ける座部であり、塔体T1にボルト締めするためのボルト挿入孔31aが形成されている。把持部32は、取付基部31の水平面部31bに、連結棒33を介して連結されている。この把持部32は、足場板2の基端部である垂直バー21の端部を把持するものであり、リングの内形状が垂直バー21の断面形状とほぼ同形に形成されている。そして、垂直バー21の端部を把持部32に挿入した状態で、垂直バー21の端部を固定するためのボルト34が設けられている。
【0028】
足場板支持柱4は、足場板2の基端部と対向する自由端部と、鉄塔Tに架設された支持線(架線)120とを連結して足場板2を支持する柱である。すなわち、円柱状の柱部41の下端部が、足場板2の自由端部側(先端側)の水平バー22に回動自在に取り付けられ、柱部41の上端部には、支持線120に掛けるためのフック42が取り付けられている。また、柱部41は、第1の柱部41aと第2の柱部41bとの二重構造となっており、第1の柱部41aに対して第2の柱部41bを進退させることで、柱部41が伸縮自在となっている。これにより、支持線120の傾斜に応じて柱部41を伸縮させることで、足場板2を水平に支持できるものである。
【0029】
側壁フレーム体5は、複数のフレーム51と連結バー52とから構成されている。フレーム51は、断面が四角い棒材で構成され、図3に示すようなコ字状で、水平に延びる底片51aと、底片51aの両端部から上方に延びる垂直片51bとを有している。底片51aの長さは、対向するフレーム固定板23、23間に静合(嵌合)するように設定され、両垂直片51bの上部の両側には、断面がコ字状で連結バー52を装着するための連結片53が配設されている。また、垂直片51bの下部には、フレーム固定板23にねじ止めするためのボルト挿入孔(図示せず)が形成され、ボルトの締結、解除によって、足場板2に着脱可能となっている。そして、足場板2の短尺方向である幅方向に、つまり対向するフレーム固定板23、23間に底片51aを配置することで、両垂直片51bが足場板2の両側縁部、つまり両垂直バー21から垂直上方に延びるようになっている。
【0030】
連結バー52は、フレーム51を上記のようにして足場板2の長手方向に沿って複数配設した状態で、隣接する垂直片51bを連結する連結部材である。この連結バー52は、図4に示すように、断面が四角い棒材で構成された棒体で、端部を垂直片51bの連結片53に装着、取り外しすることで、フレーム51に着脱可能となっている。そして、隣接する垂直片51bの連結片53、53間に連結バー52を架設することで、隣接する垂直片51bが連結され、隣接するフレーム51が一体化される。一方、連結バー52を連結片53から取り外すことで、垂直片51b(フレーム51)の連結が解除されるものである。
【0031】
フレーム支持ユニット6は、側壁フレーム体5のフレーム51の上端部と支持線120とを連結して側壁フレーム体5を支持する支持手段であり、支持ワイヤ61と、支持線クランプ62と、伸縮クランプ63とを備えている。支持線クランプ62は、支持線120を把持するクランプであり、この支持線クランプ62を介して支持ワイヤ61の両端部が、それぞれフレーム51の垂直片51bの上端に固着されている。また、支持ワイヤ61は、第1のワイヤ61aと第2のワイヤ61bとから構成され、伸縮自在な伸縮クランプ63によって連結されている。そして、伸縮クランプ63を伸縮させることで支持ワイヤ61が伸縮し、支持線120の傾斜に応じて支持ワイヤ61を伸縮させることで、側壁フレーム体5を水平に支持できるようになっている。
【0032】
作業台7は、作業を行うための台で、図5に示すように、テーブル部71と4つの脚部72とから構成されている。テーブル部71は略正方形の平板状で、このテーブル部71の対向する2辺から、それぞれ2つの垂直上方に延びる脚部72が一体的に形成され、さらに、各脚部72の上端部に、コ字状に曲げられたフック部72aが形成されている。テーブル部71の大きさとフック部72aの形状は、上記のようにして配設された側壁フレーム体5の対向する連結バー52(後述する足場ネット9の取付部92)にフック部72aを掛けられるように、設定されている。そして、このようにしてフック部72aを掛けて作業台7を側壁フレーム体5に架設することで、作業台7を足場板2に配設できるものである。また、このような配設状態で、後述するような融着接続などの作業がし易い高さにテーブル部71が位置するように、脚部72の長さが設定されている。
【0033】
作業椅子8は、作業者が座るための椅子で、図6に示すように、座部81と2つの脚部82とから構成されている。座部81は長方形の平板状で、この座部81の対向する各短辺から、垂直上方に延びる脚部82が一体的に形成され、さらに、各脚部82の上端部に、コ字状に曲げられたフック部82aが形成されている。座部81の長辺の長さとフック部82aの形状は、上記のようにして配設された側壁フレーム体5の対向する連結バー52(後述する足場ネット9の取付部92)にフック部82aを掛けられるように、設定されている。そして、このようにしてフック部82aを掛けて作業椅子8を側壁フレーム体5に架設することで、作業椅子8を足場板2に配設できるものである。また、このような配設状態で、作業椅子8に座って上記の作業台7上で作業がし易い高さに座部81が位置するように、脚部82の長さが設定されている。
【0034】
足場ネット9は、足場板2の長手方向に延びる側縁部である垂直バー21と支持線120との間を覆う網体で、ネット部91と取付部92とから構成されている。ネット部91は、図7に示すように、長方形の網で、短辺の長さは、側壁フレーム体5の連結バー52とほぼ同寸法、つまりフレーム51の配設ピッチ間隔とほぼ同寸法に設定されている。また、長辺の長さは、後述するようにして足場ネット9を配設した状態で、ネット部91が一方の連結バー52と垂直バー21との間、対向する垂直バー21、21の間、さらには他方の連結バー52と垂直バー21との間を覆うように設定されている。取付部92は、連結バー52に掛けられるように断面がコ字状の棒体で、長手方向がネット部91の短辺に沿うように、ネット部91の両短辺に配設されている。そして、両取付部92を対向する連結バー52に掛けて、ネット部91を垂直バー21などに仮止めすることで、足場ネット9が配設され(閉じられ)、連結バー52と垂直バー21との間などが遮へいされた状態となる。一方、ネット部91の仮止めを外して取付部92を連結バー52から取り外すことで、足場ネット9が外され(開けられ)、連結バー52と垂直バー21との間などが開放された状態となる。
【0035】
次に、このような構成のOPGW用足場1の組立方法および、このOPGW用足場1を用いて既設のOPGW100に内蔵された光ファイバを外部の光ケーブル110内の光ファイバと接続する接続方法について説明する。ここで、OPGW100が送電線鉄塔Tの頂部間に張られた状態で架設されている場合について、説明する。
【0036】
まず、図8に示すように、外部の光ケーブル110と接続したい位置において、OPGW100に支持線120を平行に配設する。すなわち、光通信を行いたい需要家側の通信装置(外部)からの光ケーブル110を接続したい位置において、支持線120をOPGW100と平行に配置し、支持線120の両端部をOPGWクランプ121によってOPGW100に連結する。次に、図9に示すように、支持線120を配設した間においてOPGW100を切断する。これにより、切断されたOPGW100の端部同士が、先端部に余長を残して支持線120によって連結された状態となる。ここで、OPGW100を切断しても、鉄塔Tからの支持部材によってOPGW100が支持される場合などには、OPGW100を切断した後に、切断したOPGW100の端部同士を先端部に余長を残して支持線120で連結してもよい。一方、外部の光ケーブル110を送電線鉄塔Tの頂部まで引き上げる。
【0037】
続いて、足場板2が水平に位置するように、OPGW用足場1を鉄塔Tと支持線120とに架設する。すなわち、まず、足場板2や足場板取付金具3などの部材を鉄塔Tの頂部に運び、図10に示すように、足場板支持柱4のフック42を支持線120に掛けた状態で、足場板2の足場板支持柱4側をOPGWクランプ121側に押し進める。次に、上記のように、鉄塔Tの塔体T1に取り付けた足場板取付金具3の把持部32によって、垂直バー21の端部を把持する。続いて、側壁フレーム体5を足場板2に配設する。すなわち、上記のようにしてフレーム51を足場板2の長手方向に沿って複数配設し、隣接する垂直片51bを連結バー52で連結するとともに、フレーム支持ユニット6の支持線クランプ62で支持線120を把持する。さらに、上記のようにして、足場ネット9を配設し、その上から作業台7と作業椅子8とを配設する。そして、支持線120が傾斜している場合には、足場板支持柱4の柱部41およびフレーム支持ユニット6の支持ワイヤ61を伸縮させて、足場板2および側壁フレーム体5を水平に位置させる。
【0038】
次に、OPGW用足場1の作業椅子8に座って作業台7上で、切断したOPGW100の光ファイバと光ケーブル110の光ファイバとを接続する。すなわち、接続箱(クロージャ)や接続機器を作業台7にのせ、接続箱にOPGW100と光ケーブル110とを引き込んで双方の光ファイバ同士を融着接続する。そして、光ファイバの余長や光ファイバの接続部などを接続箱に収納する。
【0039】
以上のように、このOPGW用足場1によれば、足場板2の基端部が鉄塔Tに直接取り付けられ、自由端部が支持線120で支持された状態で足場板2が配設されるため、足場板2の配設が安定する。しかも、支持線120が傾斜していても、上記のようにして足場板2が常に水平に支持される。そして、この安定かつ水平な足場板2に作業台7が配設されているため、安定かつ水平な作業台7の上で光ファイバの融着作業などを行うことができる。また、側壁フレーム体5によって足場板2の側方がガード(保護)されるため、足場板2上で安定かつ安心して作業を行うことができる。しかも、側壁フレーム体5が常に水平になるように支持されるため、安定かつ水平な側壁フレーム体5でガードされた状態で、安定かつ安心して作業を行うことができる。さらに、作業台7と作業椅子8とが側壁フレーム体5に架設されているため、対向する連結バー52が作業台7および作業椅子8を介して連結された状態となり、作業台7、作業椅子8および側壁フレーム体5の配設が安定する。以上のような安定、水平かつ安心なOPGW用足場1によって、高い鉄塔T間に架設されたOPGW100に対する接続作業などを安定、安心して行うことが可能となる。そして、クレーンや高所作業車などを使用できない山間部などにおいても、OPGW100の接続作業などを行うことが可能となる。
【0040】
また、側壁フレーム体5や作業台7、作業椅子8などが足場板2に対して組立式であるため、足場板2などの各部材を別体の状態で鉄塔Tの頂部などに運ぶことができる。このため、運搬性や取扱性が向上するとともに、保管スペースの縮小化が可能となる。さらに、足場ネット9を配設することで、高い鉄塔Tの頂部でも物の落下などを防ぐことができ、作業を安心して行うことができる。
【0041】
一方、以上のようなOPGW100の接続方法によれば、OPGW用足場1を鉄塔Tと支持線120とに架設し、OPGW用足場1上で切断したOPGW100の光ファイバと外部の光ファイバとを接続することで、OPGW100を切断した位置で、つまり任意の位置で、既設のOPGW100の光ファイバを外部の光ファイバと接続することができる。
【0042】
(実施の形態2)
図11は、この実施の形態に係るOPGW用足場11を配設した状態を示す斜視図である。この実施の形態では、遮へい手段が実施の形態1と異なり、実施の形態1と同等の構成については、同一符号を付して説明する。
【0043】
このOPGW用足場11の遮へい手段は、ロールカーテン(ロールスクリーン)12で構成されている。このロールカーテン12は、図12に示すように、シート状のカーテン12aが巻かれた状態でケース12bに収納され、カーテン12aを引っ張るとカーテン12aが展開され(閉じ)、離すと展開した状態が維持される。さらに、展開した状態から引っ張って離すと、カーテン12aがケース12bに収納される(開く)ようになっている。また、カーテン12aの幅は、側壁フレーム体5のフレーム51の配設ピッチ、つまり連結バー52の長さとほぼ同寸法に設定されている。
【0044】
このようなロールカーテン12が、足場板2の一方の垂直バー21に、連結バー52と並行するように取り付けられている。そして、カーテン12aを引っ張って、直上の連結バー52、支持線120および対向する連結バー52を介して、他方の垂直バー21に係止させることで、図13に示すように、足場板2の垂直バー21と支持線120との間がすべてカーテン12aによって遮へいされる。また、垂直バー21への係止を解除してカーテン12aを引っ張ることで、カーテン12aがケース12bに収納されて、垂直バー21と支持線120との間が開放されるものである。
【0045】
このようなOPGW用接続箱11によれば、ロールカーテン12を閉じることで、高い鉄塔Tの頂部でも強い風塵などを遮ることができ、接続作業などを安定して行うことができる。しかも、垂直バー21と支持線120との間がすべてカーテン12aによって遮へいされるため、つまり、両壁と天井とかカーテン12aによって形成されるため、より安定して作業を行うことが可能となる。一方、ロールカーテン12を開けることで、広い空間が確保されるため、広い空間を要する作業を行うことができる。また、カーテン12aを引っ張るだけで開閉ができるため、操作が簡単で、鉄塔Tの頂部でも容易に行える。
【0046】
(実施の形態3)
この実施の形態では、OPGW100の接続方法が実施の形態1と異なり、実施の形態1と同等の構成については、同一符号を付して説明する。また、この実施の形態に係るOPGW用足場13は、フレーム支持ユニット6を備えていない。
【0047】
この実施の形態では、まず、外部の光ケーブル110と接続したい位置において、図14に示すように、OPGW用足場13を鉄塔TとOPGW(架線)100とに架設する。すなわち、実施の形態1と同様に、足場板2を鉄塔TとOPGW100とに架設し、足場板2に側壁フレーム体5や作業台7、作業椅子8などを配設する。次に、OPGW用足場13上で、図15に示すように、OPGW100に支持線120を平行に配設する。続いて、図16に示すように、支持線120を配設した間においてOPGW100を切断する。そして、OPGW用足場13の作業椅子8に座って作業台7上で、切断したOPGW100の光ファイバと外部の光ケーブル110の光ファイバとを接続するものである。
【0048】
以上のような接続方法によれば、OPGW用足場13上で支持線120の配設やOPGW100の切断などを行うため、これらの作業を安定、安全に行うことができる。なお、外部の光ケーブル110との接続位置や、必要とする光ファイバの余長の長さなどに応じて、鉄塔Tの両側にOPGW用足場13を架設して、両OPGW用足場13上で作業を行うようにしてもよい。
【0049】
以上、この発明の実施の形態について説明したが、具体的な構成は、これらの実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても、この発明に含まれる。例えば、足場板2を梯子状でなく平板状にしてもよく、側壁体(側壁フレーム体5)を平板状の壁板で構成してもよい。また、実施の形態1において、OPGW用足場1を鉄塔TとOPGW100とに架設してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】この発明の実施の形態1に係るOPGW用足場を配設した状態を示す斜視図である。
【図2】図1のOPGW用足場の足場板と足場板取付金具と足場板支持柱を示す斜視図である。
【図3】図1のOPGW用足場の側壁フレーム体とフレーム支持ユニットを示す斜視図である。
【図4】図3の側壁フレーム体の連結バーを示す斜視図である。
【図5】図1のOPGW用足場の作業台を示す斜視図である。
【図6】図1のOPGW用足場の作業椅子を示す斜視図である。
【図7】図1のOPGW用接続箱の足場ネットを示す斜視図である。
【図8】この発明の実施の形態1において、OPGWに支持線を平行に配設した状態を示す図である。
【図9】図8の状態からOPGWを切断した状態を示す図である。
【図10】図9の状態から図2の足場板の先端側をOPGWクランプ側に押し進めている状態を示す斜視図である。
【図11】この発明の実施の形態2に係るOPGW用足場を配設した状態を示す斜視図である。
【図12】図11のOPGW用足場のロールカーテンを示す斜視図である。
【図13】図12のロールカーテンを閉じた状態のOPGW用足場を示す斜視図である。
【図14】この発明の実施の形態3において、OPGW用足場を鉄塔とOPGWとに架設した状態を示す斜視図である。
【図15】図14の状態からOPGWに支持線を平行に配設した状態を示す斜視図である。
【図16】図15の状態からOPGWを切断した状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0051】
1 OPGW用足場
2 足場板
3 足場板取付金具(取付手段)
4 足場板支持柱(足場板支持手段)
42 フック
5 側壁フレーム体(側壁体)
51 フレーム
52 連結バー(連結部材)
6 フレーム支持ユニット(側壁支持手段)
61 支持ワイヤ
62 支持線クランプ
63 伸縮クランプ
7 作業台
8 作業椅子
9 足場ネット(遮へい手段)
11 OPGW用足場
12 ロールカーテン(遮へい手段)
13 OPGW用足場
100 OPGW(架線)
110 外部の光ケーブル
120 支持線(架線)
121 OPGWクランプ
T 送電線鉄塔
【技術分野】
【0001】
この発明は、既設の光ファイバ複合架空地線(OPGW:OPtical Ground Wire、以下、「OPGW」という)に対して接続作業などを行うためのOPGW用足場および、既設のOPGWに内蔵された光ファイバを外部の光ファイバと接続するOPGWの接続方法に関する。
【背景技術】
【0002】
OPGWは、雷遮へいを目的として送電線の上方に架設される架空地線(架空送電線)に、光ファイバを内蔵して、通信機能を付加したものである。このOPGWは、高い送電線鉄塔の頂部間などに張られた状態で、例えば数百キロメートルという長距離に渡って架設される。すなわち、例えば数キロメートルのOPGWが巻かれたドラムからOPGWを引き出しながら、鉄塔の頂部間にOPGWを架設する。そして、例えば特許文献1に記載されたような接続箱を介してOPGWの端部同士を接続し、OPGWを長距離に渡って架設するものである。また、OPGWの端部同士を接続する際に、接続箱内にOPGWの光ファイバの余長を確保することで、外部の光ファイバ(光ケーブル)と接続可能となる。
【0003】
一方、停電事故などによる系統分断や再接続などの作業を送電線鉄塔上で行うための足場が知られている(例えば、特許文献2参照。)。この足場は、足場板の一方の端部に垂直に延びる足場主柱が設けられ、他方の端部に垂直に延びる吊り下げ具が設けられている。そして、足場主柱の上端部を鉄塔の腕金に掛け、吊り下げ具の上端部を送電線に掛けることで、鉄塔の腕金と送電線の下方に足場板が吊り下げられるものである。
【特許文献1】特開平11−271555号公報
【特許文献2】特開2000−324632号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、OPGWに内蔵された光ファイバは、当初、電力設備の情報などを伝送することを主目的として利用されてきた。これに対し、本発明者は、高速通信をより普及させるには、OPGWの光ファイバを公衆のインターネット回線や電話回線として活用することが有効であると考えた。そして、そのためには、光通信を行いたい需要家側の通信装置(外部)からの光ファイバ(光ケーブル)とOPGWの光ファイバとを接続する必要がある。すなわち、高い送電線鉄塔の頂部間に架設されたOPGWに対して、任意の位置で接続作業などを行う必要がある。
【0005】
しかしながら、送電線鉄塔の頂部は高所で風塵が強く、しかも光ファイバ同士の接続は極めて精密な作業と時間とを要するため、安定した状態で作業を行う必要がある。これに対し、上記特許文献2に記載されたような足場では、足場主柱と吊り下げ具のみを介して、鉄塔の腕金と送電線の下方に足場板が吊り下げられた状態となる。このため、風塵などが強い環境下では、このような足場板に乗っての作業は不安定、困難であり、特に、精密で長時間を要する作業は極めて困難である。この結果、既設のOPGWの光ファイバを任意の位置で外部の光ファイバと接続することができず、光通信を行いたい需要家に対してOPGWの光ファイバを提供する(利用可能にする)ことが現実的に困難な状況にあった。
【0006】
そこでこの発明は、既設のOPGWに対する接続作業などを安定して行うことを可能にするOPGW用足場および、既設のOPGWに内蔵された光ファイバを外部の光ファイバと接続することを可能にするOPGWの接続方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために請求項1に記載の発明は、鉄塔間に架設されたOPGWに対して接続作業などの作業を行うためのOPGW用足場であって、作業者が乗るための足場板と、前記足場板の長手方向の一端部である基端部を前記鉄塔に取り付ける取付手段と、前記基端部と対向する前記足場板の自由端部と、前記鉄塔に架設された架線とを連結して前記足場板を支持する足場板支持手段と、前記足場板に配設可能で、前記作業を行うための作業台と、を備えることを特徴とする。
(作用)
取付手段によって足場板の基端部を鉄塔に取り付け、足場板支持手段によって足場板の自由端部を鉄塔に架設された架線で支持することで、足場板が鉄塔と架線とに架設される。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のOPGW用足場において、前記足場板支持手段は伸縮自在であり、前記架線の傾斜に応じて伸縮させることで前記足場板を水平に支持することを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2のいずれか1項に記載のOPGW用足場において、前記足場板の長手方向に延びる側縁部から上方に延びて配設される側壁体と、前記側壁体の上端部と前記架線とを連結して前記側壁体を支持する側壁支持手段と、を備えることを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のOPGW用足場において、前記側壁支持手段は伸縮自在であり、前記架線の傾斜に応じて伸縮させることで前記側壁体を水平に支持することを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項3または4のいずれか1項に記載のOPGW用足場において、前記作業台は、前記足場板の両側縁部に配設され対向する前記側壁体に架設されることで前記足場板に配設され、前記対向する側壁体に架設され、作業者が座るための作業椅子を備えることを特徴とする。
【0012】
請求項6に記載の発明は、請求項3〜5のいずれか1項に記載のOPGW用足場において、前記側壁体は、棒状で水平に延びる底片と、棒状で前記底片の両端部から上方に延びる垂直片とを有し、前記足場板に着脱可能で、前記足場板の短尺方向である幅方向に前記底片を配置することで前記両垂直片が前記足場板の両側縁部から上方に延びるフレームと、前記フレームを前記足場板の長手方向に沿って複数配設した状態で、隣接する前記垂直片を着脱可能に連結する連結部材と、を備えることを特徴とする。
(作用)
フレームを足場板の長手方向に沿って複数配設し、隣接する垂直片を連結部材で連結することで、隣接するフレームが連結され、複数のフレームが一体化する。
【0013】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか1項に記載のOPGW用足場において、前記足場板の長手方向に延びる側縁部と前記架線との間を覆い、開閉可能な遮へい手段を備えることを特徴とする。
(作用)
遮へい手段を開けることで、足場板の側縁部と架線との間が開放され、遮へい手段を閉じることで、足場板の側縁部と架線との間が遮へいされる。
【0014】
請求項8に記載の発明は、鉄塔間に架設されたOPGWに内蔵された光ファイバを外部の光ファイバと接続するOPGWの接続方法であって、前記外部の光ファイバと接続したい位置において、切断した前記OPGWの端部同士を先端部に余長を残して支持線によって連結し、作業者が乗るための足場板と、前記接続を行うための作業台とを備えたOPGW用足場を、前記足場板が水平に位置するように、前記鉄塔と前記支持線とに架設、または前記鉄塔と前記OPGWとに架設し、前記OPGW用足場の作業台上で、前記切断したOPGWの光ファイバと前記外部の光ファイバとを接続することを特徴とする。
【0015】
請求項9に記載の発明は、鉄塔間に架設されたOPGWに内蔵された光ファイバを外部の光ファイバと接続するOPGWの接続方法であって、前記外部の光ファイバと接続したい位置において、作業者が乗るための足場板と、前記接続を行うための作業台とを備えたOPGW用足場を、前記足場板が水平に位置するように、前記鉄塔と前記OPGWとに架設し、前記外部の光ファイバと接続したい位置において、前記OPGWに支持線を平行に連結し、前記支持線が連結された間において前記OPGWを切断し、前記OPGW用足場の作業台上で、前記切断したOPGWの光ファイバと前記外部の光ファイバとを接続することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
請求項1に記載の発明によれば、足場板の基端部が鉄塔に直接取り付けられ、自由端部が架線で支持された状態で足場板が配設されるため、足場板の配設が安定する。そして、この安定した足場板に作業台を配設することで、安定した作業台の上でOPGWの接続作業などを行うことができる。つまり、高い鉄塔間に架設されたOPGWに対する接続作業などを安定して行うことが可能となる。
【0017】
請求項2に記載の発明によれば、足場板支持手段を伸縮させることで、架線が傾斜していても足場板が水平に支持されるため、常に水平な足場板上で接続作業などを安定して行うことができる。
【0018】
請求項3に記載の発明によれば、足場板の側縁部に側壁体を配設することで、足場板の側方がガード(保護)されるため、足場板上で安定、安心して作業を行うことができる。しかも、側壁体の上端部が側壁支持手段を介して架線に支持されるため、側壁体の配設が安定化し、より安定、安心して作業を行うことができる。
【0019】
請求項4に記載の発明によれば、側壁支持手段を伸縮させることで、架線が傾斜していても側壁体が水平に支持されるため、常に水平な側壁体でガードされた状態で、安定、安心して作業を行うことができる。
【0020】
請求項5に記載の発明によれば、対向する側壁体に作業台を架設することで、対向する側壁体が作業台を介して連結された状態となり、作業台および側壁体の配設が安定する。同様に、対向する側壁体に作業椅子を架設することで、対向する側壁体が作業椅子を介して連結された状態となり、作業椅子および側壁体の配設が安定する。そして、安定した作業椅子に座って、安定した作業台の上で接続作業などを安定して行うことができるとともに、長時間の作業にも対応することが可能となる。
【0021】
請求項6に記載の発明によれば、フレームが足場板に着脱可能であり、連結部材がフレームの垂直片に着脱可能なため、足場板とフレームと連結部材とを別体の状態で鉄塔の頂部などに運ぶことができる。この結果、運搬性や取扱性が向上するとともに、保管スペースの縮小化が可能となる。
【0022】
請求項7に記載の発明によれば、遮へい手段を閉じることで、高い鉄塔の頂部でも強い風塵などを遮ることができ、接続作業などを安定して行うことができる。一方、遮へい手段を開けることで、広い空間が確保されるため、広い空間を要する作業を行うことができる。
【0023】
請求項8および9に記載の発明によれば、OPGW用足場を鉄塔と支持線とに架設、または鉄塔とOPGWとに架設し、OPGW用足場の作業台上で、切断したOPGWの光ファイバと外部の光ファイバとを接続することで、OPGWを切断した位置で、つまり任意の位置で、既設のOPGWの光ファイバを外部の光ファイバと接続することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、この発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。
【0025】
(実施の形態1)
図1は、この実施の形態に係るOPGW用足場1を配設した状態を示す斜視図である。このOPGW用足場1は、送電線鉄塔T間に架設されたOPGW100に対して接続作業などを行うための足場であり、主として、足場板2と、足場板取付金具(取付手段)3と、足場板支持柱(足場板支持手段)4と、側壁フレーム体(側壁体)5と、フレーム支持ユニット(側壁支持手段)6と、作業台7と、作業椅子8と、足場ネット(遮へい手段)9とを備えている。
【0026】
足場板2は、作業者が乗るための基台であり、図2に示すように梯子状で、長手方向に延びる2本の垂直バー21と、垂直バー21を連結する複数の水平バー22とを備え、両垂直バー21に、断面がL字状のフレーム固定板23が、対向して複数配設されている。このフレーム固定板23は、後述するフレーム51を取り付けるための板であり、フレーム51の配設ピッチに合わせて、つまり後述する連結バー52の長さに合わせて、フレーム固定板23の配設ピッチも設定されている。また、フレーム固定板23には、フレーム51をねじ止めするための雌ネジ(図示せず)が形成されている。
【0027】
足場板取付金具3は、足場板2の長手方向の一端部である基端部を鉄塔Tに取り付ける(固定する)ための金具であり、図2に示すように、断面がL字状の取付基部31と、リング状の把持部32とを備えている。取付基部31は、鉄塔Tの塔体T1に取り付ける座部であり、塔体T1にボルト締めするためのボルト挿入孔31aが形成されている。把持部32は、取付基部31の水平面部31bに、連結棒33を介して連結されている。この把持部32は、足場板2の基端部である垂直バー21の端部を把持するものであり、リングの内形状が垂直バー21の断面形状とほぼ同形に形成されている。そして、垂直バー21の端部を把持部32に挿入した状態で、垂直バー21の端部を固定するためのボルト34が設けられている。
【0028】
足場板支持柱4は、足場板2の基端部と対向する自由端部と、鉄塔Tに架設された支持線(架線)120とを連結して足場板2を支持する柱である。すなわち、円柱状の柱部41の下端部が、足場板2の自由端部側(先端側)の水平バー22に回動自在に取り付けられ、柱部41の上端部には、支持線120に掛けるためのフック42が取り付けられている。また、柱部41は、第1の柱部41aと第2の柱部41bとの二重構造となっており、第1の柱部41aに対して第2の柱部41bを進退させることで、柱部41が伸縮自在となっている。これにより、支持線120の傾斜に応じて柱部41を伸縮させることで、足場板2を水平に支持できるものである。
【0029】
側壁フレーム体5は、複数のフレーム51と連結バー52とから構成されている。フレーム51は、断面が四角い棒材で構成され、図3に示すようなコ字状で、水平に延びる底片51aと、底片51aの両端部から上方に延びる垂直片51bとを有している。底片51aの長さは、対向するフレーム固定板23、23間に静合(嵌合)するように設定され、両垂直片51bの上部の両側には、断面がコ字状で連結バー52を装着するための連結片53が配設されている。また、垂直片51bの下部には、フレーム固定板23にねじ止めするためのボルト挿入孔(図示せず)が形成され、ボルトの締結、解除によって、足場板2に着脱可能となっている。そして、足場板2の短尺方向である幅方向に、つまり対向するフレーム固定板23、23間に底片51aを配置することで、両垂直片51bが足場板2の両側縁部、つまり両垂直バー21から垂直上方に延びるようになっている。
【0030】
連結バー52は、フレーム51を上記のようにして足場板2の長手方向に沿って複数配設した状態で、隣接する垂直片51bを連結する連結部材である。この連結バー52は、図4に示すように、断面が四角い棒材で構成された棒体で、端部を垂直片51bの連結片53に装着、取り外しすることで、フレーム51に着脱可能となっている。そして、隣接する垂直片51bの連結片53、53間に連結バー52を架設することで、隣接する垂直片51bが連結され、隣接するフレーム51が一体化される。一方、連結バー52を連結片53から取り外すことで、垂直片51b(フレーム51)の連結が解除されるものである。
【0031】
フレーム支持ユニット6は、側壁フレーム体5のフレーム51の上端部と支持線120とを連結して側壁フレーム体5を支持する支持手段であり、支持ワイヤ61と、支持線クランプ62と、伸縮クランプ63とを備えている。支持線クランプ62は、支持線120を把持するクランプであり、この支持線クランプ62を介して支持ワイヤ61の両端部が、それぞれフレーム51の垂直片51bの上端に固着されている。また、支持ワイヤ61は、第1のワイヤ61aと第2のワイヤ61bとから構成され、伸縮自在な伸縮クランプ63によって連結されている。そして、伸縮クランプ63を伸縮させることで支持ワイヤ61が伸縮し、支持線120の傾斜に応じて支持ワイヤ61を伸縮させることで、側壁フレーム体5を水平に支持できるようになっている。
【0032】
作業台7は、作業を行うための台で、図5に示すように、テーブル部71と4つの脚部72とから構成されている。テーブル部71は略正方形の平板状で、このテーブル部71の対向する2辺から、それぞれ2つの垂直上方に延びる脚部72が一体的に形成され、さらに、各脚部72の上端部に、コ字状に曲げられたフック部72aが形成されている。テーブル部71の大きさとフック部72aの形状は、上記のようにして配設された側壁フレーム体5の対向する連結バー52(後述する足場ネット9の取付部92)にフック部72aを掛けられるように、設定されている。そして、このようにしてフック部72aを掛けて作業台7を側壁フレーム体5に架設することで、作業台7を足場板2に配設できるものである。また、このような配設状態で、後述するような融着接続などの作業がし易い高さにテーブル部71が位置するように、脚部72の長さが設定されている。
【0033】
作業椅子8は、作業者が座るための椅子で、図6に示すように、座部81と2つの脚部82とから構成されている。座部81は長方形の平板状で、この座部81の対向する各短辺から、垂直上方に延びる脚部82が一体的に形成され、さらに、各脚部82の上端部に、コ字状に曲げられたフック部82aが形成されている。座部81の長辺の長さとフック部82aの形状は、上記のようにして配設された側壁フレーム体5の対向する連結バー52(後述する足場ネット9の取付部92)にフック部82aを掛けられるように、設定されている。そして、このようにしてフック部82aを掛けて作業椅子8を側壁フレーム体5に架設することで、作業椅子8を足場板2に配設できるものである。また、このような配設状態で、作業椅子8に座って上記の作業台7上で作業がし易い高さに座部81が位置するように、脚部82の長さが設定されている。
【0034】
足場ネット9は、足場板2の長手方向に延びる側縁部である垂直バー21と支持線120との間を覆う網体で、ネット部91と取付部92とから構成されている。ネット部91は、図7に示すように、長方形の網で、短辺の長さは、側壁フレーム体5の連結バー52とほぼ同寸法、つまりフレーム51の配設ピッチ間隔とほぼ同寸法に設定されている。また、長辺の長さは、後述するようにして足場ネット9を配設した状態で、ネット部91が一方の連結バー52と垂直バー21との間、対向する垂直バー21、21の間、さらには他方の連結バー52と垂直バー21との間を覆うように設定されている。取付部92は、連結バー52に掛けられるように断面がコ字状の棒体で、長手方向がネット部91の短辺に沿うように、ネット部91の両短辺に配設されている。そして、両取付部92を対向する連結バー52に掛けて、ネット部91を垂直バー21などに仮止めすることで、足場ネット9が配設され(閉じられ)、連結バー52と垂直バー21との間などが遮へいされた状態となる。一方、ネット部91の仮止めを外して取付部92を連結バー52から取り外すことで、足場ネット9が外され(開けられ)、連結バー52と垂直バー21との間などが開放された状態となる。
【0035】
次に、このような構成のOPGW用足場1の組立方法および、このOPGW用足場1を用いて既設のOPGW100に内蔵された光ファイバを外部の光ケーブル110内の光ファイバと接続する接続方法について説明する。ここで、OPGW100が送電線鉄塔Tの頂部間に張られた状態で架設されている場合について、説明する。
【0036】
まず、図8に示すように、外部の光ケーブル110と接続したい位置において、OPGW100に支持線120を平行に配設する。すなわち、光通信を行いたい需要家側の通信装置(外部)からの光ケーブル110を接続したい位置において、支持線120をOPGW100と平行に配置し、支持線120の両端部をOPGWクランプ121によってOPGW100に連結する。次に、図9に示すように、支持線120を配設した間においてOPGW100を切断する。これにより、切断されたOPGW100の端部同士が、先端部に余長を残して支持線120によって連結された状態となる。ここで、OPGW100を切断しても、鉄塔Tからの支持部材によってOPGW100が支持される場合などには、OPGW100を切断した後に、切断したOPGW100の端部同士を先端部に余長を残して支持線120で連結してもよい。一方、外部の光ケーブル110を送電線鉄塔Tの頂部まで引き上げる。
【0037】
続いて、足場板2が水平に位置するように、OPGW用足場1を鉄塔Tと支持線120とに架設する。すなわち、まず、足場板2や足場板取付金具3などの部材を鉄塔Tの頂部に運び、図10に示すように、足場板支持柱4のフック42を支持線120に掛けた状態で、足場板2の足場板支持柱4側をOPGWクランプ121側に押し進める。次に、上記のように、鉄塔Tの塔体T1に取り付けた足場板取付金具3の把持部32によって、垂直バー21の端部を把持する。続いて、側壁フレーム体5を足場板2に配設する。すなわち、上記のようにしてフレーム51を足場板2の長手方向に沿って複数配設し、隣接する垂直片51bを連結バー52で連結するとともに、フレーム支持ユニット6の支持線クランプ62で支持線120を把持する。さらに、上記のようにして、足場ネット9を配設し、その上から作業台7と作業椅子8とを配設する。そして、支持線120が傾斜している場合には、足場板支持柱4の柱部41およびフレーム支持ユニット6の支持ワイヤ61を伸縮させて、足場板2および側壁フレーム体5を水平に位置させる。
【0038】
次に、OPGW用足場1の作業椅子8に座って作業台7上で、切断したOPGW100の光ファイバと光ケーブル110の光ファイバとを接続する。すなわち、接続箱(クロージャ)や接続機器を作業台7にのせ、接続箱にOPGW100と光ケーブル110とを引き込んで双方の光ファイバ同士を融着接続する。そして、光ファイバの余長や光ファイバの接続部などを接続箱に収納する。
【0039】
以上のように、このOPGW用足場1によれば、足場板2の基端部が鉄塔Tに直接取り付けられ、自由端部が支持線120で支持された状態で足場板2が配設されるため、足場板2の配設が安定する。しかも、支持線120が傾斜していても、上記のようにして足場板2が常に水平に支持される。そして、この安定かつ水平な足場板2に作業台7が配設されているため、安定かつ水平な作業台7の上で光ファイバの融着作業などを行うことができる。また、側壁フレーム体5によって足場板2の側方がガード(保護)されるため、足場板2上で安定かつ安心して作業を行うことができる。しかも、側壁フレーム体5が常に水平になるように支持されるため、安定かつ水平な側壁フレーム体5でガードされた状態で、安定かつ安心して作業を行うことができる。さらに、作業台7と作業椅子8とが側壁フレーム体5に架設されているため、対向する連結バー52が作業台7および作業椅子8を介して連結された状態となり、作業台7、作業椅子8および側壁フレーム体5の配設が安定する。以上のような安定、水平かつ安心なOPGW用足場1によって、高い鉄塔T間に架設されたOPGW100に対する接続作業などを安定、安心して行うことが可能となる。そして、クレーンや高所作業車などを使用できない山間部などにおいても、OPGW100の接続作業などを行うことが可能となる。
【0040】
また、側壁フレーム体5や作業台7、作業椅子8などが足場板2に対して組立式であるため、足場板2などの各部材を別体の状態で鉄塔Tの頂部などに運ぶことができる。このため、運搬性や取扱性が向上するとともに、保管スペースの縮小化が可能となる。さらに、足場ネット9を配設することで、高い鉄塔Tの頂部でも物の落下などを防ぐことができ、作業を安心して行うことができる。
【0041】
一方、以上のようなOPGW100の接続方法によれば、OPGW用足場1を鉄塔Tと支持線120とに架設し、OPGW用足場1上で切断したOPGW100の光ファイバと外部の光ファイバとを接続することで、OPGW100を切断した位置で、つまり任意の位置で、既設のOPGW100の光ファイバを外部の光ファイバと接続することができる。
【0042】
(実施の形態2)
図11は、この実施の形態に係るOPGW用足場11を配設した状態を示す斜視図である。この実施の形態では、遮へい手段が実施の形態1と異なり、実施の形態1と同等の構成については、同一符号を付して説明する。
【0043】
このOPGW用足場11の遮へい手段は、ロールカーテン(ロールスクリーン)12で構成されている。このロールカーテン12は、図12に示すように、シート状のカーテン12aが巻かれた状態でケース12bに収納され、カーテン12aを引っ張るとカーテン12aが展開され(閉じ)、離すと展開した状態が維持される。さらに、展開した状態から引っ張って離すと、カーテン12aがケース12bに収納される(開く)ようになっている。また、カーテン12aの幅は、側壁フレーム体5のフレーム51の配設ピッチ、つまり連結バー52の長さとほぼ同寸法に設定されている。
【0044】
このようなロールカーテン12が、足場板2の一方の垂直バー21に、連結バー52と並行するように取り付けられている。そして、カーテン12aを引っ張って、直上の連結バー52、支持線120および対向する連結バー52を介して、他方の垂直バー21に係止させることで、図13に示すように、足場板2の垂直バー21と支持線120との間がすべてカーテン12aによって遮へいされる。また、垂直バー21への係止を解除してカーテン12aを引っ張ることで、カーテン12aがケース12bに収納されて、垂直バー21と支持線120との間が開放されるものである。
【0045】
このようなOPGW用接続箱11によれば、ロールカーテン12を閉じることで、高い鉄塔Tの頂部でも強い風塵などを遮ることができ、接続作業などを安定して行うことができる。しかも、垂直バー21と支持線120との間がすべてカーテン12aによって遮へいされるため、つまり、両壁と天井とかカーテン12aによって形成されるため、より安定して作業を行うことが可能となる。一方、ロールカーテン12を開けることで、広い空間が確保されるため、広い空間を要する作業を行うことができる。また、カーテン12aを引っ張るだけで開閉ができるため、操作が簡単で、鉄塔Tの頂部でも容易に行える。
【0046】
(実施の形態3)
この実施の形態では、OPGW100の接続方法が実施の形態1と異なり、実施の形態1と同等の構成については、同一符号を付して説明する。また、この実施の形態に係るOPGW用足場13は、フレーム支持ユニット6を備えていない。
【0047】
この実施の形態では、まず、外部の光ケーブル110と接続したい位置において、図14に示すように、OPGW用足場13を鉄塔TとOPGW(架線)100とに架設する。すなわち、実施の形態1と同様に、足場板2を鉄塔TとOPGW100とに架設し、足場板2に側壁フレーム体5や作業台7、作業椅子8などを配設する。次に、OPGW用足場13上で、図15に示すように、OPGW100に支持線120を平行に配設する。続いて、図16に示すように、支持線120を配設した間においてOPGW100を切断する。そして、OPGW用足場13の作業椅子8に座って作業台7上で、切断したOPGW100の光ファイバと外部の光ケーブル110の光ファイバとを接続するものである。
【0048】
以上のような接続方法によれば、OPGW用足場13上で支持線120の配設やOPGW100の切断などを行うため、これらの作業を安定、安全に行うことができる。なお、外部の光ケーブル110との接続位置や、必要とする光ファイバの余長の長さなどに応じて、鉄塔Tの両側にOPGW用足場13を架設して、両OPGW用足場13上で作業を行うようにしてもよい。
【0049】
以上、この発明の実施の形態について説明したが、具体的な構成は、これらの実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても、この発明に含まれる。例えば、足場板2を梯子状でなく平板状にしてもよく、側壁体(側壁フレーム体5)を平板状の壁板で構成してもよい。また、実施の形態1において、OPGW用足場1を鉄塔TとOPGW100とに架設してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】この発明の実施の形態1に係るOPGW用足場を配設した状態を示す斜視図である。
【図2】図1のOPGW用足場の足場板と足場板取付金具と足場板支持柱を示す斜視図である。
【図3】図1のOPGW用足場の側壁フレーム体とフレーム支持ユニットを示す斜視図である。
【図4】図3の側壁フレーム体の連結バーを示す斜視図である。
【図5】図1のOPGW用足場の作業台を示す斜視図である。
【図6】図1のOPGW用足場の作業椅子を示す斜視図である。
【図7】図1のOPGW用接続箱の足場ネットを示す斜視図である。
【図8】この発明の実施の形態1において、OPGWに支持線を平行に配設した状態を示す図である。
【図9】図8の状態からOPGWを切断した状態を示す図である。
【図10】図9の状態から図2の足場板の先端側をOPGWクランプ側に押し進めている状態を示す斜視図である。
【図11】この発明の実施の形態2に係るOPGW用足場を配設した状態を示す斜視図である。
【図12】図11のOPGW用足場のロールカーテンを示す斜視図である。
【図13】図12のロールカーテンを閉じた状態のOPGW用足場を示す斜視図である。
【図14】この発明の実施の形態3において、OPGW用足場を鉄塔とOPGWとに架設した状態を示す斜視図である。
【図15】図14の状態からOPGWに支持線を平行に配設した状態を示す斜視図である。
【図16】図15の状態からOPGWを切断した状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0051】
1 OPGW用足場
2 足場板
3 足場板取付金具(取付手段)
4 足場板支持柱(足場板支持手段)
42 フック
5 側壁フレーム体(側壁体)
51 フレーム
52 連結バー(連結部材)
6 フレーム支持ユニット(側壁支持手段)
61 支持ワイヤ
62 支持線クランプ
63 伸縮クランプ
7 作業台
8 作業椅子
9 足場ネット(遮へい手段)
11 OPGW用足場
12 ロールカーテン(遮へい手段)
13 OPGW用足場
100 OPGW(架線)
110 外部の光ケーブル
120 支持線(架線)
121 OPGWクランプ
T 送電線鉄塔
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉄塔間に架設されたOPGWに対して接続作業などの作業を行うためのOPGW用足場であって、
作業者が乗るための足場板と、
前記足場板の長手方向の一端部である基端部を前記鉄塔に取り付ける取付手段と、
前記基端部と対向する前記足場板の自由端部と、前記鉄塔に架設された架線とを連結して前記足場板を支持する足場板支持手段と、
前記足場板に配設可能で、前記作業を行うための作業台と、を備えることを特徴とするOPGW用足場。
【請求項2】
前記足場板支持手段は伸縮自在であり、前記架線の傾斜に応じて伸縮させることで前記足場板を水平に支持することを特徴とする請求項1に記載のOPGW用足場。
【請求項3】
前記足場板の長手方向に延びる側縁部から上方に延びて配設される側壁体と、
前記側壁体の上端部と前記架線とを連結して前記側壁体を支持する側壁支持手段と、を備えることを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載のOPGW用足場。
【請求項4】
前記側壁支持手段は伸縮自在であり、前記架線の傾斜に応じて伸縮させることで前記側壁体を水平に支持することを特徴とする請求項3に記載のOPGW用足場。
【請求項5】
前記作業台は、前記足場板の両側縁部に配設され対向する前記側壁体に架設されることで前記足場板に配設され、
前記対向する側壁体に架設され、作業者が座るための作業椅子を備えることを特徴とする請求項3または4のいずれか1項に記載のOPGW用足場。
【請求項6】
前記側壁体は、
棒状で水平に延びる底片と、棒状で前記底片の両端部から上方に延びる垂直片とを有し、前記足場板に着脱可能で、前記足場板の短尺方向である幅方向に前記底片を配置することで前記両垂直片が前記足場板の両側縁部から上方に延びるフレームと、
前記フレームを前記足場板の長手方向に沿って複数配設した状態で、隣接する前記垂直片を着脱可能に連結する連結部材と、を備えることを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項に記載のOPGW用足場。
【請求項7】
前記足場板の長手方向に延びる側縁部と前記架線との間を覆い、開閉可能な遮へい手段を備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のOPGW用足場。
【請求項8】
鉄塔間に架設されたOPGWに内蔵された光ファイバを外部の光ファイバと接続するOPGWの接続方法であって、
前記外部の光ファイバと接続したい位置において、切断した前記OPGWの端部同士を先端部に余長を残して支持線によって連結し、
作業者が乗るための足場板と、前記接続を行うための作業台とを備えたOPGW用足場を、前記足場板が水平に位置するように、前記鉄塔と前記支持線とに架設、または前記鉄塔と前記OPGWとに架設し、
前記OPGW用足場の作業台上で、前記切断したOPGWの光ファイバと前記外部の光ファイバとを接続することを特徴とするOPGWの接続方法。
【請求項9】
鉄塔間に架設されたOPGWに内蔵された光ファイバを外部の光ファイバと接続するOPGWの接続方法であって、
前記外部の光ファイバと接続したい位置において、作業者が乗るための足場板と、前記接続を行うための作業台とを備えたOPGW用足場を、前記足場板が水平に位置するように、前記鉄塔と前記OPGWとに架設し、
前記外部の光ファイバと接続したい位置において、前記OPGWに支持線を平行に連結し、
前記支持線が連結された間において前記OPGWを切断し、
前記OPGW用足場の作業台上で、前記切断したOPGWの光ファイバと前記外部の光ファイバとを接続することを特徴とするOPGWの接続方法。
【請求項1】
鉄塔間に架設されたOPGWに対して接続作業などの作業を行うためのOPGW用足場であって、
作業者が乗るための足場板と、
前記足場板の長手方向の一端部である基端部を前記鉄塔に取り付ける取付手段と、
前記基端部と対向する前記足場板の自由端部と、前記鉄塔に架設された架線とを連結して前記足場板を支持する足場板支持手段と、
前記足場板に配設可能で、前記作業を行うための作業台と、を備えることを特徴とするOPGW用足場。
【請求項2】
前記足場板支持手段は伸縮自在であり、前記架線の傾斜に応じて伸縮させることで前記足場板を水平に支持することを特徴とする請求項1に記載のOPGW用足場。
【請求項3】
前記足場板の長手方向に延びる側縁部から上方に延びて配設される側壁体と、
前記側壁体の上端部と前記架線とを連結して前記側壁体を支持する側壁支持手段と、を備えることを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載のOPGW用足場。
【請求項4】
前記側壁支持手段は伸縮自在であり、前記架線の傾斜に応じて伸縮させることで前記側壁体を水平に支持することを特徴とする請求項3に記載のOPGW用足場。
【請求項5】
前記作業台は、前記足場板の両側縁部に配設され対向する前記側壁体に架設されることで前記足場板に配設され、
前記対向する側壁体に架設され、作業者が座るための作業椅子を備えることを特徴とする請求項3または4のいずれか1項に記載のOPGW用足場。
【請求項6】
前記側壁体は、
棒状で水平に延びる底片と、棒状で前記底片の両端部から上方に延びる垂直片とを有し、前記足場板に着脱可能で、前記足場板の短尺方向である幅方向に前記底片を配置することで前記両垂直片が前記足場板の両側縁部から上方に延びるフレームと、
前記フレームを前記足場板の長手方向に沿って複数配設した状態で、隣接する前記垂直片を着脱可能に連結する連結部材と、を備えることを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項に記載のOPGW用足場。
【請求項7】
前記足場板の長手方向に延びる側縁部と前記架線との間を覆い、開閉可能な遮へい手段を備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のOPGW用足場。
【請求項8】
鉄塔間に架設されたOPGWに内蔵された光ファイバを外部の光ファイバと接続するOPGWの接続方法であって、
前記外部の光ファイバと接続したい位置において、切断した前記OPGWの端部同士を先端部に余長を残して支持線によって連結し、
作業者が乗るための足場板と、前記接続を行うための作業台とを備えたOPGW用足場を、前記足場板が水平に位置するように、前記鉄塔と前記支持線とに架設、または前記鉄塔と前記OPGWとに架設し、
前記OPGW用足場の作業台上で、前記切断したOPGWの光ファイバと前記外部の光ファイバとを接続することを特徴とするOPGWの接続方法。
【請求項9】
鉄塔間に架設されたOPGWに内蔵された光ファイバを外部の光ファイバと接続するOPGWの接続方法であって、
前記外部の光ファイバと接続したい位置において、作業者が乗るための足場板と、前記接続を行うための作業台とを備えたOPGW用足場を、前記足場板が水平に位置するように、前記鉄塔と前記OPGWとに架設し、
前記外部の光ファイバと接続したい位置において、前記OPGWに支持線を平行に連結し、
前記支持線が連結された間において前記OPGWを切断し、
前記OPGW用足場の作業台上で、前記切断したOPGWの光ファイバと前記外部の光ファイバとを接続することを特徴とするOPGWの接続方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図14】
【図15】
【図16】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図14】
【図15】
【図16】
【図13】
【公開番号】特開2008−245345(P2008−245345A)
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−78105(P2007−78105)
【出願日】平成19年3月26日(2007.3.26)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【出願人】(591080678)株式会社中電工 (64)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年3月26日(2007.3.26)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【出願人】(591080678)株式会社中電工 (64)
【Fターム(参考)】
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