説明

POSシステム

【課題】商品確認作業に係る作業効率を向上するPOSシステム、ウェイトチェッカー、及び、POSシステムの制御方法を提供すること。
【解決手段】注文の入力を受け付ける入力手段40と、各商品の個別理論重量を含む商品情報を記憶する記憶手段31と、注文商品の商品種類および商品数量を含む入力情報と商品情報とを基に、注文商品の理論総重量を算出する算出手段34aと、袋詰めされた注文商品の実総重量を測定する重量測定手段81と、理論総重量と前記実総重量とを比較し、両重量間に重量差がある場合に、注文商品の中から重量差に近い重量の副商品及び/又は付属商品を特定する判断手段74aと、特定された副商品及び/又は付属商品を重量差に対応する商品候補として出力する出力手段73aとを備えるPOSシステム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、POSシステム、ウェイトチェッカー、及びPOSシステムの制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、包装容器に売上商品が誤りなく詰め込まれているかどうかを検出する検出システムとして、キャッシュレジスタへの入力情報を受けて売上商品を記憶する売上商品記憶手段と、各商品単体の重量や包装容器の重量を記憶する商品情報記憶手段と、商品が詰め込まれた包装容器の総重量を計量する計量手段と、前記売上商品記憶手段に記憶された情報と前記商品情報記憶手段に記憶された情報とを基に前記商品が詰め込まれた包装容器の総重量を算出し、算出した総重量と前記計量手段で計量された総重量とを比較して、前記包装容器に売上商品が誤りなく詰め込まれているかどうかを判断する制御手段とを備える検出システムが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
また、同様の従来技術として、登録された商品の合計金額算出機能を有する電子式キャッシュレジスタと、商品の重量を計る秤とを備える電子式キャッシュレジスタシステムであって、前記電子式キャッシュレジスタが、各商品の設定された重量を記憶する設定値記憶手段と、商品が登録されるごとに前記商品の設定された重量を加算する加算手段と、前記加算手段によって加算された重量を記憶する重量合計記憶手段と、前記重量合計記憶手段に記憶された重量合計値と前記秤により商品を一括して計量したときの計量値とを比較する比較手段とを備える電子式キャッシュレジスタシステムが知られている(例えば、特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−289721号公報
【特許文献2】特開2001−34840号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、特許文献1に記載の検出システム、および、特許文献2に記載の電子式キャッシュレジスタシステムでは、商品の入れ忘れまたは商品の入れ間違いが発生した場合に、店員等に対してエラーメッセージを通知するように構成されているが、入れ忘れまたは入れ間違いの商品候補を特定するまでには至っておらず、そのため、前記通知を受けた店員による商品確認作業に依然として時間がかかるという課題があった。
【0006】
そこで、本発明は、従来の問題を解決するものであって、すなわち、本発明の目的は、商品確認作業に係る作業効率を向上するPOSシステム、ウェイトチェッカー、及び、POSシステムの制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のPOSシステムは、注文の入力を受け付ける入力手段と、各商品の個別理論重量を含む商品情報を記憶する記憶手段と、前記入力手段により入力される注文商品の商品種類および商品数量を含む入力情報と前記商品情報とを基に、注文商品の理論総重量を算出する算出手段と、袋詰めされた注文商品の実総重量を測定する重量測定手段と、前記理論総重量と前記実総重量とを比較し、両重量間に重量差がある場合に、前記注文商品の中から前記重量差に近い重量の副商品及び/又は付属商品を特定する判断手段と、前記判断手段により特定された副商品及び/又は付属商品を前記重量差に対応する商品候補として出力する出力手段とを備えることにより、前述した課題を解決したものである。
【0008】
本発明のウェイトチェッカーは、袋詰めされた注文商品の実総重量を測定する重量測定手段と、前記注文商品の理論総重量と実総重量とを比較し、両重量間に重量差がある場合に、前記注文商品の中から前記重量差に近い重量の副商品及び/又は付属商品を特定する判断手段とを備えることにより、前述した課題を解決したものである。
【0009】
本発明のPOSシステムの制御方法は、袋詰めされた注文商品の実総重量と理論総重量とを比較し、両重量間に重量差がある場合に、注文商品の中から前記重量差に近い重量の副商品及び/又は付属商品を特定し、前記重量差に対応する商品候補を出力することにより、前述した課題を解決したものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、注文された商品の実総重量と理論総重量との間に所定値以上の重量差があり、商品入れ忘れの発生が推測される場合に、商品入れ忘れの発生に関する通知に加えて、入れ忘れ商品の商品候補を特定して出力することにより、店員等による商品確認作業に係る作業効率を向上し、業務効率改善および顧客満足度の向上を実現できる。
【0011】
また、本発明では、商品入れ忘れの発生率の高い副商品及び/又は付属商品を、重量差に対応する入れ忘れ商品の商品候補として抽出することにより、高精度で効率的な商品候補の特定を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施例であるPOSシステムを示す概略図である。
【図2】ホストの構成を示すブロック図である。
【図3】計測器用端末の構成を示すブロック図である。
【図4】重量計測器の構成を示すブロック図である。
【図5】商品マスターファイルの一例を示す説明図である。
【図6】付属商品ファイルの一例を示す説明図である。
【図7】注文情報の一例を示す説明図である。
【図8】フロア伝票の一例を示す概略図である。
【図9】バーコードデータ構成の一例を示す説明図である。
【図10】エラーメッセージの一例を示す説明図である。
【図11】エラーメッセージの変形例を示す説明図である。
【図12】エラーメッセージの他の変形例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施例であるPOSシステムを図面に基づいて説明する。なお、明細書内における「主商品」とは、牛丼等のメイン商品として取り扱われる商品のことを意味し、「副商品」とは、卵や味噌汁等のサブ商品として取り扱われる商品のことを意味し、また、「セット商品」とは、主商品と副商品とを組み合わせてセットとして販売される商品のことを意味し、また、「付属商品」とは、セット商品に含まれる副商品のことを意味している。
【実施例】
【0014】
本発明の一実施例であるPOSシステムは、図1に示すように、ホスト30と、POS端末40と、プリンタ50と、計測器用端末70および重量計測器80から成るウェイトチェッカー60とを少なくとも備えている。
なお、本発明に関連性の薄い機器構成に関しては、記載を省略する。また、本実施例内では単一の機器として説明される機器を複数に分離された機器から構成してもよく、例えば、ホスト30を複数のサーバやデータベースから構成してもよい。また、逆に、本実施例内では複数に分離された機器として説明される各機器を一体のものとして構成してもよく、例えば、ホスト30とPOS端末40とを一体のものとして構成してもよいし、計測器用端末70と重量計測器80とを一体のものとして構成してもよい。
【0015】
ホスト30と、POS端末40とプリンタ50と計測器用端末70とは、LAN等の回線を介して相互に接続され、また、計測器用端末70と重量計測器80とは、USBケーブル等の通信ケーブルにより相互に接続されている。なお、上記の各機器間の接続は、あくまで一例であり、各機器間の接続形態は、専用回線やインターネットやLAN(無線LANを含む)や通信ケーブル等であってもよい。
【0016】
POS端末40は、記憶部、入力部、出力部、制御部、通信部、補助記憶装置等を備え、制御部を記憶部に展開されたソフトウェアに従って動作する。制御部は、CPU等で構成され、記憶部は、ROM、RAM等で構成されている。
POS端末40は、顧客からの注文に関する入力を受け付け、通信部により、注文された商品の種類や数量等を含む入力情報をホスト30に送信するようになっている。このように、本実施例におけるPOS端末40は、注文の入力を受け付ける入力手段として機能している。また、POS端末40は、顧客の注文の代金の精算(会計)を行う精算手段としても機能する。なお、他の機器に注文の入力手段を設けてもよく、この場合も同様に、入力情報はホスト30に送信される。
【0017】
ホスト30は、図2に示すように、記憶部(記憶手段)31、入力部32、出力部33、制御部34、通信部35、補助記憶装置36等をそれぞれ備え、制御部34を記憶部31に展開されたソフトウェアに従って動作させることにより、後述する各部を実現する。制御部34は、CPU等で構成され、記憶部31は、ROM、RAM等で構成されている。
ホスト30の記憶部31には、少なくとも、図5に示すような商品マスターファイル(商品情報)と、図6に示すような付属商品ファイル(商品情報)とが予め記憶されている。
商品マスターファイルは、図5に示すように、各商品の商品コード、商品名称、商品価格、個別理論重量、特定商品集計フラグ、および、主副フラグから構成される。また、付属商品ファイルは、図6に示すように、付属商品の特定商品集計フラグ、商品名称、および、個別理論重量から構成される。ここで、主副フラグは、各商品が主商品または副商品のいずれであるかを示し、1が主商品を示し、2が副商品を示す。特定商品集計フラグは、副商品としても販売され、その副商品と同一である品がセット商品の付属商品としても販売される場合に、副商品とセット商品の両方に同一の番号が付される。
ホスト30の制御部34は、図2に示すように、算出部(算出手段)34aと情報生成部(情報生成手段)34bとを備えている。
算出部34aは、POS端末40から受信した入力情報と、記憶部31に格納された商品マスターファイルとを基に、商品の理論総重量を算出する。
情報生成部34bは、算出部34aにより算出された理論総重量と、POS端末40から受信した入力情報と、記憶部31に格納された商品マスターファイルおよび付属商品ファイルとを基に、図7に示すような注文情報を生成する。注文情報には、図7に示すように、伝票番号、オーダ区分、オーダ追加番号、注文された各商品の商品コード、商品名称、商品価格、個別理論重量、特定商品フラグ、主副フラグ、数量、合計金額、理論総重量に加え、注文された副商品及び/又は付属商品の商品名称、個別理論情報、数量が含まれている。注文情報は、記憶部31に登録される。
【0018】
プリンタ(発行手段)50は、ホスト30から注文情報を受信し、図8に示すようなフロア伝票90を印刷する。フロア伝票90には、図8の一点鎖線内に示すように、商品名称や会計金額や伝票番号等に加え、一次元のバーコード(識別コード)91が印刷される。バーコード91には、図9に示すように、商品の理論総重量や、伝票番号とオーダ区分とオーダ追加番号とから構成される注文識別番号がデータとして含められる。注文識別番号は、伝票番号のみであってもよい。なお、バーコード91に注文識別番号のみを含めるようにしてもよい。また、本実施例では、識別コードとして一次元バーコードを用いているが、二次元コード等でもよい。
【0019】
計測器用端末70は、図3に示すように、記憶部71、入力部72、出力部73、制御部74、通信部75、補助記憶装置76等を備え、制御部74を記憶部71に展開されたソフトウェアに従って動作させることにより、後述する各部を実現する。制御部74は、CPU等で構成され、記憶部71は、ROM、RAM等で構成されている。
計測器用端末70の記憶部71には、ホスト30から受信した注文情報が記憶される。注文情報は、計測器用端末70により、定期的に、もしくは、任意のタイミングで取得され、記憶される。
計測器用端末70の出力部73は、表示ディスプレイ(出力手段、表示手段)73aを少なくとも含む。なお、本実施例の表示ディスプレイ73aは、タッチパネル機能を有し、入力部72としても機能している。また、本実施例では、入れ忘れ商品の候補やエラーメッセージを表示する表示手段として、計測器用端末70の表示ディスプレイ73aを用いているが、表示手段の実施態様はこれに限定されず、例えば、他に表示手段を独立して設けてもよい。また、出力手段として、上記の表示手段に替えて、印字手段を設け、印刷するようにしてもよい。
制御部74は、判断部(判断手段)74aを備えている。
判断部74aは、後述する重量計測器80により計測された商品の実総重量と、後述するバーコードリーダ82により特定される注文識別番号の注文情報の商品の理論総重量とを比較し、実総重量と理論総重量との間に所定値(本実施例の場合は30g)以上の重量差がある場合、重量差の数値とホスト30から受信した注文情報とに基づいて、注文された商品の中から前記重量差に近い重量の副商品及び/又は付属商品を近いものから順に所定数(本実施例の場合は3件)だけ特定する。そして、特定された重量の副商品及び/又は付属商品は、前記重量差に対応する商品候補として、計測器用端末70の表示ディスプレイ73aに表示される。なお、所定値は、副商品と付属商品の中で、最小の重量である商品の重量よりも小さい値であり、予めホスト30に登録しておき、その後の変更も可能とする。
【0020】
重量計測器80は、図4に示すように、袋詰めされた商品を計測する重量測定部(重量測定手段)81と、フロア伝票90のバーコード91を読み取るバーコードリーダ(読取手段)82と、通信部83等を少なくとも備えており、重量測定部81による計測結果、および、バーコードリーダ82により読み取られた注文識別番号を通信ケーブルにより接続された計測器用端末70に送信するようになっている。なお、このバーコードリーダ82を他の箇所、例えば、計測器用端末70に設けてもよい。
【0021】
次に、本実施例のPOSシステムを用いた動作フローを以下に説明する。
【0022】
ここでは、本実施例のPOSシステムを設置する店舗は、商品として牛丼等を販売する飲食店であり、また、顧客は、図7に示すように、「セットA(牛丼および卵)/数量1、卵/数量1、温泉卵/数量1、味噌汁/数量1、けんちん汁/数量1、サラダB/数量1」を持ち帰り商品として注文するものとする。
【0023】
まず、顧客から注文を受けた店員は、POS端末40を用いて、注文された商品の種類および数量、および、商品持ち帰りの有無を入力する。入力情報は、ホスト30に送信される。
【0024】
ホスト30の算出部34aは、POS端末40から受信した入力情報と、記憶部31に格納された商品マスターファイルとを基に、注文された商品の理論総重量を算出する。本実施例の場合、図7に示すように、注文された商品の理論総重量は、1030gである。
また、ホスト30の情報生成部34bは、算出部34aにより算出された理論総重量と、POS端末40から受信した入力情報と、記憶部31に格納された商品マスターファイルおよび付属商品ファイルとを基に、図7に示すような注文情報を生成する。
【0025】
プリンタ50は、ホスト30から注文情報を受信し、図8に示すようなフロア伝票90を印刷する。このフロア伝票90には、図8に示すように、商品名や会計金額や伝票番号等に加え、バーコード91が印刷される。なお、顧客との間における会計作業は、任意のタイミングで行えばよい。
【0026】
顧客の注文情報は、キッチンプリンタ(図示しない)等の厨房端末に送信されて、厨房端末より出力されて調理が指示される。
調理が完了すると、店員は、商品を袋詰めし、この袋詰めされた商品を、プリンタ50から発行されたフロア伝票90と共に、ウェイトチェッカー60付近にまで移動させる。
【0027】
次に、店員は、バーコードリーダ82により、フロア伝票90のバーコード91を読み取り、重量測定部81を用いて、袋詰めされた商品の重量を測定する。本実施例における袋詰めされた商品の実総重量は、970gである。
【0028】
重量測定部81により計測された商品の実総重量、および、バーコードリーダ82により読み取られたバーコード91のデータは、計測器用端末70に送信され、計測器用端末70の判断部74aは、商品の実総重量(970g)と、読み取られた注文識別番号に対応する注文情報の商品の理論総重量(1030g)とを比較する。そして、判断部74aは、両重量間の重量差が60gであるため、重量差が所定値(本実施例では、所定値は30g)以上であると判断し、注文された副商品及び/又は付属商品の中から重量差60gに近い重量(単体重量)の副商品及び/又は付属商品を近いものから順に所定数(本実施例の場合は3件)だけ特定する。本実施例の場合、重量差60gに近い副商品及び/又は付属商品は、「卵(60g)、温泉卵(60g)、味噌汁(100g)」であると判断される。なお、バーコード91に理論総重量が含まれている場合は、これを使って実総重量と比較するようにしてもよい。
【0029】
そして、計測器用端末70の判断部74aにより特定された副商品および付属商品である「卵、温泉卵、味噌汁」は、入れ忘れた可能性の高い商品候補として、図10に示すように、重量チェックがNGである旨、各商品の数量、重量差の数値、および、重量不足である旨と共に、表示ディスプレイ73aに表示される。
【0030】
なお、上記の例では、前記重量差が所定値を超えているため、図10に示すようなエラーメッセージを表示するが、仮に、両重量間の重量差が所定値の範囲内である場合、重量チェックがOKである旨を表示ディスプレイ73aに表示する。
【0031】
また、上記の実施例では、実総重量が理論総重量より少ない場合について説明したが、実総重量が理論総重量を超過している場合には、重量不足である旨に代えて、重量超過である旨が表示され、重量差に近い商品が表示される。また、実総重量が理論総重量を超過している場合には、重量差に対応する副商品及び/又は付属商品を特定することなく、重量チェックがNGである旨、重量差の数値、および、重量超過である旨のみを表示するように構成してもよい。
【0032】
また、ホスト30と計測器用端末70との間で通信が行えず、ホスト30の記憶部31に記憶された注文情報を計測器用端末70が取得できない場合、計測器用端末70の判断部74aは、バーコードリーダ82により読み取られた理論総重量と、重量測定部81により計測された実総重量とを用いて、両重量間の重量差が所定値(30g)を超えるか否かのみを判断し、重量差が所定値を超える場合に、重量チェックがNGである旨が表示ディスプレイ73aに表示され、重量差が所定値を超えない場合に、重量チェックがOKである旨が表示ディスプレイ73aに表示されるように構成してもよい。
【0033】
このようにして得られた本発明では、注文された商品の実総重量と理論総重量との間に所定値以上の重量差があり、商品入れ忘れの発生が推測される場合に、商品入れ忘れの発生に関する通知に加えて、入れ忘れ商品の商品候補を特定して表示することにより、店員等による入れ忘れ商品の確認作業に係る作業効率を向上し、業務効率改善および顧客満足度の向上を実現できる。
【0034】
また、本発明のPOSシステムの導入に伴って追加される店員の作業は、重量計測器80による袋詰めされた商品の重量計測、および、バーコードリーダ82によるバーコード91のスキャンの2動作のみであるため、店員の作業負担が大幅に増加することを回避できる。
【0035】
本発明では、商品入れ忘れの発生率の高い副商品及び/又は付属商品を、重量差に対応する入れ忘れ商品の商品候補として抽出することにより、高精度で効率的な商品候補の特定を実現できる。
【0036】
また、バーコード91のデータとして、注文識別番号に加えて、商品の理論総重量を含めることにより、仮に、ホスト30と計測器用端末70との間で通信が行えず、ホスト30の記憶部31に記憶された注文情報を計測器用端末70が取得できない場合であっても、判断部74aは、バーコードリーダ82により読み取られた理論総重量と、重量測定部81により計測された実総重量とを用いて、両重量間の重量差が所定値を超えるか否かを判断することが可能になる。
【0037】
なお、上記の実施例では、前記重量差が所定値を超えた場合に、所定数の副商品及び/又は付属商品が特定されて表示されるものとして説明した。しかしながら、前記重量差が所定値を超えた場合には、図7に示す注文情報に含まれる全ての副商品及び/又は付属商品を入れ忘れ商品の候補として、各商品の数量と共に表示してもよい。
【0038】
また、上記の実施例では、前記重量差が所定値を超えた場合に、特定される副商品及び/又は付属商品の所定数が3件であるものと設定したが、例えば、前記所定数を1件で設定してもよい。この場合、前記重量差に最も近い副商品及び/又は付属商品が特定される。このことを上記の実施例を用いて説明すると、図11に示すように、重量差60gに最も近い「卵(60g)、温泉卵(60g)」が特定されて、表示ディスプレイ73aに表示される。
【0039】
また、前記重量差が所定値を超えるか否かの条件以外に、更なる条件を設定してもよい。例えば、前記重量差が、前記重量差に最も近い重量の副商品及び/又は付属商品の重量の所定の範囲内(例えば、90%〜110%の範囲内)に収まる場合には、前記重量差に最も近い副商品及び/又は付属商品を1件特定して表示し、他方、前記重量差が前記範囲内に収まらない場合には、前記重量差に近い重量の所定数の副商品及び/又は付属商品を近いものから順に特定して表示するように構成してもよい。このことを上記の実施例を用いて説明すると、前記重量差は60gであり、重量差60gは、重量差60gに最も近い「卵(60g)、温泉卵(60g)」の重量の90%〜110%(54g〜66g)の範囲内に収まっているため、図12に示すようなエラーメッセージを表示する。
【0040】
また、上記の実施例では、前記重量差が所定値を超えた場合に、重量差の大きさそのものについての判断をすることなく、重量差に近い副商品及び/又は付属商品を特定している。しかしながら、前記重量差が所定値を超え且つ他の所定値(例えば、主商品の重量の70%)以下である場合に限り、重量差に対応する副商品及び/又は付属商品を特定するように構成してもよい。このことを上記の実施例を用いて説明すると、前記重量差は60gであり、重量差60gは、所定値(30g)を超え、且つ、主商品である「牛丼(400g)」の重量の70%(280g)以下であるため、重量差に近い副商品及び/又は付属商品が特定される。なお、他の所定値は、主商品の中で、最小の重量である商品の重量よりも小さい値で、かつ、副商品と付属商品の中で、最小の重量である商品の重量よりも大きい値であり、予めホスト30に登録しておき、その後の変更も可能とする。
【0041】
また、上記の実施例では、ウェイトチェッカー60で、商品重量の測定を行い、過不足重量の要因であると推定される商品を特定し、特定された商品を表示するものとして構成した。しかしながら、ウェイトチェッカー60では、商品重量の測定のみを行い、ホスト30側で、ウェイトチェッカー60から実総重量の結果を受信し、過不足重量の要因であると推定される商品を特定し、特定結果をウェイトチェッカー60に対して送信するように構成してもよい。
【符号の説明】
【0042】
30 ・・・ ホスト
31 ・・・ 記憶部(記憶手段)
32 ・・・ 入力部
33 ・・・ 出力部
34 ・・・ 制御部
34a ・・・ 算出部(算出手段)
34b ・・・ 情報生成部(情報生成手段)
35 ・・・ 通信部
36 ・・・ 補助記憶装置
40 ・・・ POS端末(入力手段)
50 ・・・ プリンタ(発行手段)
60 ・・・ ウェイトチェッカー
70 ・・・ 計測器用端末
71 ・・・ 記憶部
72 ・・・ 入力部
73 ・・・ 出力部
73a ・・・ 表示ディスプレイ(出力手段)
74 ・・・ 制御部
74a ・・・ 判断部(判断手段)
75 ・・・ 通信部
76 ・・・ 補助記憶装置
80 ・・・ 重量計測器
81 ・・・ 重量測定部(重量測定手段)
82 ・・・ バーコードリーダ(読取手段)
83 ・・・ 通信部
90 ・・・ フロア伝票
91 ・・・ バーコード(識別コード)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
注文の入力を受け付ける入力手段と、
各商品の個別理論重量を含む商品情報を記憶する記憶手段と、
前記入力手段により入力される注文商品の商品種類および商品数量を含む入力情報と前記商品情報とを基に、注文商品の理論総重量を算出する算出手段と、
袋詰めされた注文商品の実総重量を測定する重量測定手段と、
前記理論総重量と前記実総重量とを比較し、両重量間に重量差がある場合に、前記注文商品の中から前記重量差に近い重量の副商品及び/又は付属商品を特定する判断手段と、
前記判断手段により特定された副商品及び/又は付属商品を前記重量差に対応する商品候補として出力する出力手段と、
を備えることを特徴とするPOSシステム。
【請求項2】
前記判断手段は、前記重量差に最も近い副商品及び/又は付属商品を特定することを特徴とする請求項1に記載のPOSシステム。
【請求項3】
前記判断手段は、前記重量差に近い複数の副商品及び/又は付属商品を特定することを特徴とする請求項1に記載のPOSシステム。
【請求項4】
前記注文に固有の注文識別番号を含む識別コードを印刷した用紙を発行する発行手段と、
前記用紙の識別コードを読み取る読取手段とを更に備えることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のPOSシステム。
【請求項5】
前記識別コードは、前記注文商品の理論総重量の情報を更に含むことを特徴とする請求項4に記載のPOSシステム。
【請求項6】
前記入力情報と前記商品情報とを基に、前記注文内に含まれる副商品及び/又は付属商品の商品種類および個別理論重量を少なくとも含む注文情報を生成する情報生成手段を更に備え、
前記判断手段は、前記重量差および前記注文情報を基に、前記注文商品の中から前記重量差に近い重量の副商品及び/又は付属商品を特定することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のPOSシステム。
【請求項7】
前記出力手段は、前記判断手段により特定された副商品及び/又は付属商品の商品種類をエラーメッセージと共に出力することを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のPOSシステム。
【請求項8】
前記出力手段は、前記重量差を更に出力することを特徴とする請求項7に記載のPOSシステム。
【請求項9】
袋詰めされた注文商品の実総重量を測定する重量測定手段と、前記注文商品の理論総重量と実総重量とを比較し、両重量間に重量差がある場合に、前記注文商品の中から前記重量差に近い重量の副商品及び/又は付属商品を特定する判断手段とを備えることを特徴とするウェイトチェッカー。
【請求項10】
袋詰めされた注文商品の実総重量と理論総重量とを比較し、両重量間に重量差がある場合に、注文商品の中から前記重量差に近い重量の副商品及び/又は付属商品を特定し、前記重量差に対応する商品候補を出力することを特徴とするPOSシステムの制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−103857(P2012−103857A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−251040(P2010−251040)
【出願日】平成22年11月9日(2010.11.9)
【特許番号】特許第4849283号(P4849283)
【特許公報発行日】平成24年1月11日(2012.1.11)
【出願人】(000227205)NECインフロンティア株式会社 (1,047)
【Fターム(参考)】