POSレジスタ
【課題】POSレジスタのオペレータが、処理を実行するキーの位置を予め記憶しておく負担なしに、商品データに対する処理を迅速に行なえるようにする。
【解決手段】POSレジスタの液晶タッチパネル3が、買上商品の商品データを表示する。そして、表示した商品データがタッチされると、液晶タッチパネル3は、タッチされた商品データに対して行える操作項目を示す操作項目キー(処理を選択するキー)を表示し、表示した操作項目キーをタッチすることによる操作項目の選択を受け付ける。
【解決手段】POSレジスタの液晶タッチパネル3が、買上商品の商品データを表示する。そして、表示した商品データがタッチされると、液晶タッチパネル3は、タッチされた商品データに対して行える操作項目を示す操作項目キー(処理を選択するキー)を表示し、表示した操作項目キーをタッチすることによる操作項目の選択を受け付ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、POSレジスタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のPOS(Point Of Sale)レジスタでは、買上商品の登録中に登録すべき商品を間違えた際、あるいは、個数入力を間違えた際にデータを訂正する場合、間違えた商品登録を取り消す直前訂正のファンクションキー、あるいは、間違えた個数入力を訂正する個数訂正のファンクションキー等、処理を選択するキーをオペレータがキーボード上から見つけ出し、それらのキーを押下すると訂正処理が行われる。
例えば、特許文献1には、キーボード上の訂正キーが押下されると画面上にカーソルを表示し、移動キーの押下に応じてカーソルを移動させ、実行キーが押下されるとカーソル位置に表示される項目に対して訂正処理を行う金銭登録機が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭63−286999号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
つまり、従来の、POSレジスタのキーボードには、前記のように訂正に関するキーや、その他の処理のキー、また、数字キー等、様々なキーが設けられている。このため、直前訂正や個数訂正等、行いたい処理を選択するキーを迅速に見つけ出すためには、オペレータが、これらのキーの位置を予め記憶しておく必要があり、オペレータの負担となっていた。また、前記のように様々なキーをキーボードに設けておくことで、キーボード自体が大型化してしまっていた。
【0005】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、その目的は、処理を実行するキーの位置をオペレータが予め記憶しておく負担なしに、商品データに対する処理を迅速に行え、キーボードの小型化を図ることができるPOSレジスタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[1]この発明は上述した課題を解決するためになされたもので、本発明の一態様によるPOSレジスタは、商品登録された商品の商品データを表示する表示手段と、前記表示手段に表示された商品データのいずれかを特定する特定手段と、を具備し、前記特定された商品データに関する処理項目を前記表示手段に選択可能に表示し、該表示された処理項目のいずれかが選択されると、該選択された処理項目の処理を前記特定された商品データに対して実行するよう制御することを特徴とする。
このPOSレジスタでは、例えば商品名等の商品に関する商品データが表示され、特定された商品データに関する処理項目が表示手段に選択可能に表示され、表示された処理項目のいずれかの選択を受け付けるので、処理項目の選択を受け付けるキーを、その押ボタン等のハードウェアによるキーにて備える必要がなく、ハードウェアによるキーの数を低減できるのでキーボードを小型化することができる。また、オペレータは、処理を行いたい商品を選択するだけで実行可能な処理項目が表示されるので、処理項目を選択するキーの位置を予め記憶しておく負担なしに、商品データに対する処理を迅速に行える。
また、メカ的なキーボードでなく、タッチパネルの表示部に様々なキーが設けられたキーボードであっても、同様に、予め設けておくキーの数を減らすことができるので、キーボードを小型化することができ、他の表示領域を大きくすることができる。また、オペレータは、キーの位置を記憶しておく必要がないので負担が軽減される。
【0007】
[2]また、本発明の一態様によるPOSレジスタは、上述のPOSレジスタであって、前記表示部は、前記特定された商品データの表示位置に基づいて定められる位置に前記処理項目を表示することを特徴とする。
このPOSレジスタは、特定された商品データの表示位置に基づいて定められる位置に処理項目が表示されるので、例えば特定された商品データの表示位置の近傍に処理項目を表示させることができるので、オペレータは、いずれの商品データに対する操作かを把握し易く、誤操作のおそれを軽減できる。
【0008】
[3]また、本発明の一態様によるPOSレジスタは、上述のPOSレジスタであって、前記表示部は、前記処理項目として、前記特定された商品データに対する複数種の訂正処理の項目を表示することを特徴とする。
このPOSレジスタは、特定された商品データに対する処理項目として、当該商品データに対する複数種の訂正操作の項目を表示する。オペレータは、いずれの種類の訂正であっても、当該商品を特定さえすれば、処理可能な訂正の種類が表示されるので、操作に不慣れなオペレータであっても、商品データに対する様々な訂正を容易に行うことができる。
【0009】
[4]また、本発明の一態様によるPOSレジスタは、上述のPOSレジスタであって、商品毎に選択可能な前記処理項目が設定され、設定された処理項目を当該商品と対応付けて記憶する記憶部をさらに具備し、前記記憶部に記憶され前記特定された商品データに対応付けられた前記処理項目を表示するよう制御することを特徴とする。
このPOSレジスタは、商品データに応じて設定された処理項目を表示し、表示された処理項目のいずれかの選択を受け付けるので、商品に応じて処理できる内容が異なる場合でも、不適切な処理項目が選択されることによる誤操作を防止できる。
【発明の効果】
【0010】
この発明によれば、オペレータは、処理を実行するキーの位置を予め記憶しておく負担なしに、商品データに対する処理を迅速に行うことができ、キーボードを小型化したPOSレジスタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施形態に係るPOSレジスタ100の外観を示す図である。
【図2】本発明の実施形態に係るPOSレジスタ100の電気ブロック図である。
【図3】本発明の実施形態に係る商品ファイルの例を示す図である。
【図4】本発明の実施形態に係る買上登録ファイルの例を示す図である。
【図5】本発明の実施形態に係る操作パターンファイルの例を示す図である。
【図6】本発明の実施形態に係る買上商品登録画面の例を示す図である。
【図7】本発明の実施形態に係る訂正画面の例を示す図である。
【図8】本発明の実施形態に係る個数訂正画面の例を示す図である。
【図9】本発明の実施形態に係る割引率訂正画面の例を示す図である。
【図10】本発明の実施形態に係るPOSレジスタ100の処理手順の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態に係るPOSレジスタについて図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態に係るPOSレジスタ100の外観を示す図である。
同図において、実施形態に係るPOSレジスタ100は、POSレジスタ本体部50とドロアー5とを具備する。POSレジスタ本体部50は、レシート発行口1と、操作部(キーボード)2と、液晶タッチパネル(表示手段、特定手段)3と、客側表示部4とを具備する。レシート発行口1は、レシートやジャーナルを印字する印字部(図1には図示せず)を奥に具備している。操作部2は、テンキー、小計キー、現計キー等のドロアーを開放する機能を有するキーなどのキーを具備する。
【0013】
液晶タッチパネル3は、後述する買上商品登録画面や、訂正画面や、個数訂正画面や、割引率訂正画面などの画面を表示する。特に、液晶タッチパネル3は、買上商品登録画面にて買上商品表示欄に商品登録された商品の商品データである商品名を表示し、いずれかの商品名が特定されると、特定された商品名に関する処理項目を訂正画面にて表示する表示部として機能する。また、液晶タッチパネル3は、指等での画面タッチによる操作入力(例えばレジ係による操作入力)を受け付ける。特に、液晶タッチパネル3は、買上商品登録画面にて、買上商品表示欄をタッチしての選択を受け付けることにより、表示部が表示した商品データのいずれかを特定する操作入力を受け付け、また、訂正画面にて、表示された処理項目のいずれかをタッチ操作により選択する操作入力を受け付ける操作入力部として機能する。客側表示部4は、顧客に対して買い上げ金額や釣銭額等を表示する。
【0014】
ドロアー5は、POSレジスタ本体部50の下に置かれ、POSレジスタ本体部50に接続されており、現金や商品券や掛売伝票等を収納する。また、ドロアー5は、POSレジスタ本体部50からソレノイド(図1には図示せず)をONさせることによって開放され、手動で押されることにより閉じる構造となっている。POSレジスタ本体部50には、商品に付されたバーコードを読み取って買上商品の登録を行うためのバーコードスキャナ10(図1には図示せず)が接続される。
【0015】
次に、図2を参照して、POSレジスタ100の電気ブロック構成について説明する。図2は、POSレジスタ100の電気ブロック図である。
同図に示すように、POSレジスタ100は、CPU(Central Processing Unit、制御手段)21と、記憶部(記憶手段)30と、液晶タッチパネル3と、操作部2と、客側表示部4と、印字部1aと、駆動回路24と、ドロアー5と、ソレノイド5aと、バーコードスキャナ10とを具備する。記憶部30は、ROM(Read Only Memory)22と、RAM(Random Access Memory)23とを具備する。
【0016】
ROM22は、制御プログラムを予め記憶しており、このプログラムに従ってCPU21が各部を制御する。RAM23は各種データファイルを記憶する。特に、記憶部30のRAM23は、後述する操作パターンファイルにて、商品毎に予め定められる処理項目を当該商品と対応付けて記憶する。また、RAM23は、CPU21が制御を行う際に用いるデータ等を一時的に記憶するワーキングメモリとしても使用される。
【0017】
印字部1aはレシート発行口1の奥に配設され、レシートやジャーナル等を印字する。操作部2と、液晶タッチパネル3と、客側表示部4とは、上述の図1で説明した機能を有する。また、ドロアー5は、このドロアー5を開放するソレノイド5aを備える。ソレノイド5aは、CPU21の制御に基づいて駆動回路24によって駆動される。バーコードスキャナ10は、商品に付されたバーコードを読み取り、読み取り結果をCPU21に出力する。
【0018】
続いて、図3〜図5を参照して、RAM23が記憶する種々の情報について説明する。RAM23は、CPU21が制御を行う際に用いるデータ等を一時的に記憶するワークエリアと、CPU21が実行する各種処理に必要なデータを格納する各種ファイルを記憶するファイルエリアとを備える。ワークエリアは、買上商品の登録処理を行う際に、登録された商品の商品データを一時記憶するレシートバッファ等を含む。また、ファイルエリアは、商品ファイルや、キー情報ファイルや、操作パターンファイルや、買上登録ファイルなどを格納する。
【0019】
図3は、商品ファイルの例を示す図である。商品ファイルは、各商品に関するデータを格納するファイルである。同図の例では、商品ファイルは、商品番号、コード、品名、単価、割引率、操作パターン番号およびその他の情報を互いに関連付けて格納している。
「商品番号」は、商品を識別する識別番号である。「コード」欄は、当該商品に付されるバーコードが示す、例えば13桁のJANコードを格納する。「品名」欄は、商品の名称を格納する。「単価」欄は、商品の単価を格納する。「割引率」欄は、商品の割引率をパーセント表示にて格納する。「操作パターン番号」は、操作パターンファイルに格納される操作パターンを識別する識別番号である。各商品は、後述する操作パターンのいずれかに、操作パターン番号によって対応付けられる。
例えば、特売期間中には特売の商品に割引率を設定しておくことで、当該割引率で設定されている商品がPOSレジスタ100で登録された場合、商品ファイルに設定されている金額は、該設定されている割引率にて登録されるようになる。
【0020】
図4は、買上登録ファイルの例を示す図である。買上登録ファイルは、現在の取引において、商品に付されているバーコードがスキャンされて買上登録され、商品ファイルから読み出された商品の商品データを一時的に格納するファイルである。同図の例では、買上登録ファイルは、商品番号、個数、%割引、行番号およびその他の情報を互いに関連付けて格納している。
「商品番号」欄は、商品登録された買上商品の商品番号を格納する。「個数」欄は、当該買上商品の登録された個数を格納する。「%割引」欄は、商品ファイルから読み出された当該買上商品の割引率をパーセント表示にて格納する。「行番号」欄は、取引中の登録されたデータが記憶されるアドレスを意味し、上位の行番号のアドレスから登録された商品の商品データが記憶され、後述する登録商品表示領域内の行を示す情報である行番号に対応している。
なお、この買上登録ファイルは、一取引中に登録された商品を、行番号1から順に記憶し、一取引が終了する操作部2の現計キーが押下された場合は、買上登録ファイルに記憶された全てのデータを1つの取引とするレシート番号を付し、別の買上履歴ファイルに移行し、当該買上登録ファイルに記憶されているデータをクリアし、次の取引に備える。
【0021】
図5は、操作パターンファイルの例を示す図である。操作パターンファイルは、商品毎に予め定められる処理項目(より具体的には、商品に対して行うことのできる訂正操作の操作項目)を格納するファイルである。同図の例では、操作パターンファイルは、操作パターン番号、削除可否、個数訂正可否、割引率訂正可否およびその他の情報を互いに関連付けて格納している。
「操作パターン番号」は、操作パターンファイルの各行にて設定される操作パターンを識別する識別番号である。「削除可否」、「個数訂正可否」、「割引率訂正可否」の各欄は、これらの操作を行えることを示す「1」、あるいは、行えないことを示す「0」の、「1」か「0」かいずれかを示すフラグを格納する。そして、操作パターン番号が商品ファイルの各商品に設定されており、当該商品が登録された際に設定されている操作パターンファイルの操作番号に対応する処理項目が表示される。
【0022】
そして、例えば、図4の買上登録ファイルが商品番号1111にて格納するみかんについて、図3の商品ファイルを参照すると、操作パターン番号36が設定されている。このため、図4の買上登録ファイル上のみかんのデータ(商品番号1111の行のデータ)に対しては、この行を削除する削除操作や、個数欄の値を訂正する個数訂正操作や、%割引欄の値を訂正する割引率訂正操作を行うことができる。一方、図4の買上登録ファイル上の巨峰のデータ(商品番号2222の行のデータ)に対しては、図3の商品ファイルにて操作パターンが37に設定されており、削除操作や個数訂正操作を行うことはできるが、割引率訂正操作を行うことはできない。
このように、割引を行わない商品に対しては割引率訂正操作を行えないようにすることで、オペレータ(例えばレジ係)が、設定すべきでない割引率を割引率設定操作にて設定してしまう誤操作を防止できる。
【0023】
次に、図6〜図9を参照して、液晶タッチパネル3に表示される表示画面について説明する。図6は、買上商品登録画面の例を示す図である。買上商品登録画面は、買上商品を登録する際に液晶タッチパネル3上に表示される画面である。買上商品登録画面は、画面中の上側に表示される金額表示領域aと、画面中の左側に表示される登録商品表示領域bと、画面中の右側に表示される商品選択領域cとを含む。
【0024】
金額表示領域aは、登録商品や合計金額を表示する領域である。金額表示領域aは、最後に登録された買上商品の品名および金額を示す商品金額表示領域a1と、現在の取引における買上商品の個数合計および合計金額を表示し、さらには精算時に預かり金額や釣銭額を表示する合計金額表示領域a2とを含む。
【0025】
登録商品表示領域bは、現在の取引において買上商品として、商品選択領域cから選択されることで、あるいは、バーコードスキャナ10により商品に付されたバーコードが読み取られることで該登録された商品の商品データである商品名等を表示する領域である。RAM23は、後述する商品選択領域cの商品選択キーと、商品番号とを対応付けて予め記憶しており、CPU21は、商品選択キーがタッチされると、当該商品の商品番号に基づいて商品の登録を行い、登録された商品の商品名等を表示する。また、RAM23は、図3で説明したように、商品ファイルにて商品に付されるバーコードと商品番号とを対応付けて記憶しており、CPU21は、バーコードが読み取られると、当該商品の商品番号に基づいて商品の登録を行い、登録された商品を表示する。登録商品表示領域bには、登録された商品の商品データとして、表示される商品の行を示す行番号と、商品名と、個数と、割引されている場合は割引率と、金額(割引後の金額)および税区分とが示される。また、登録商品表示領域bは、商品を一度に表示できない場合に、表示をスクロールさせるための上キーおよび下キーを含む。
なお、表示されている行番号は、図4の買上登録ファイルの行番号と対応しており、商品が登録されると、買上登録ファイルの行番号1から順に登録されて商品番号等が記憶され、同時に登録商品表示領域bの行番号1から順に登録された商品の商品番号が表示される。なお、一取引中で同じ商品番号の商品が登録された場合には、買上登録ファイル中の当該商品の個数をその数だけ加算し、登録商品表示領域bに表示されている当該商品の個数をその数だけ加算させる。
【0026】
同図の例では、買上商品の商品毎に1つの欄(以下では、「買上商品表示欄」という)b1〜b4が、登録された順に表示され、各欄内に、行番号(買上商品表示欄b1〜b4の領域dに各々表示されている)と、商品名と、個数と、金額および税区分とが表示されている。買上登録ファイルの行番号の1から登録された順に、商品登録された商品に関する情報(行番号、個数、割引率等)が記憶され、記憶された情報が、登録商品表示領域bに表示される。
【0027】
商品選択領域cは、各商品の写真が表示された商品選択キーや、上キーおよび下キーや、種別タグを含む。商品選択キーは、登録する商品を選択するためのタッチキーである。オペレータが当該商品の商品選択キーをタッチすると、タッチされたキーの商品が登録商品として選択され、当該商品の商品データが、買上登録ファイルに登録される。上キーおよび下キーは、商品選択キーを一度に表示できない場合に、表示をスクロールさせるためのタッチキーである。種別タグは、商品選択キーを表示する商品の種別を選択するためのタグである。
【0028】
図7は、訂正画面の例を示す図である。訂正画面は、買上商品登録画面の登録商品表示領域bに表示される買上商品表示欄のいずれかをオペレータがタッチすると表示される。訂正画面は、タッチされた買上商品表示欄の買上商品データに対する訂正処理の項目(以下、「操作項目」という)を示す操作項目キーを含む。図7の例では、訂正画面は、バナナの買上商品データに対する操作項目キーとして、当該データを買上登録ファイルから削除する削除キーと、買上個数を訂正する個数訂正キーと、割引率を訂正する割引率訂正キーと、買上商品登録画面に戻る戻りキーとを含む。このように、1つの商品を特定するだけで訂正可能な複数種の訂正項目が表示されるので、操作性が良くなる。
【0029】
なお、個数訂正や割引率訂正の処理が行われた場合は、買上登録ファイルに記載されている対象となる行番号の個数や、割引率が変更される。また、削除の場合は、買上登録ファイルに記憶されている対象となる行番号のデータを削除し、以降の行番号を1つ繰り上げ記憶させるようにする。そして、それに伴い、登録商品表示領域bに表示される削除された行番号以降を1つ繰り上げて表示するようにする。
訂正画面の各キーは、タッチされた買上商品表示欄の表示位置に基づいて定められる位置に表示される。図7の例では、各キーは、バナナの買上商品表示欄の表示位置の右隣およびその下の位置に表示されている。つまり、訂正の為に特定された買上商品表示欄(行番号)の右位置に訂正画面が表示されるようにプログラムされているので、商品のすぐ隣(近傍)に訂正欄が表示されるので操作性が良くなる。
【0030】
図8は、個数訂正画面の例を示す図である。個数訂正画面は、図7における訂正画面にてオペレータが個数訂正キーをタッチすると表示される。個数訂正画面には、買上商品登録画面にてタッチされた買上商品の買上個数を1つ増加させる増加キーと、当該買上個数を1つ減少させる減少キーと、現在選択されている買上個数を示す個数表示欄と、個数表示欄に示されている個数に確定するための確定キーと、買上個数を訂正せずに訂正画面に戻る取消キーとが含まれる。
そして、この画面で買上個数が変更されると、図4の買上登録ファイル中の当該行番号の商品の個数が変更され記憶される。
【0031】
図9は、割引率訂正画面の例を示す図である。割引率訂正画面は、図7における訂正画面にてオペレータが割引率訂正キーをタッチすると表示される。割引率訂正画面は、買上商品登録画面にてタッチされた買上商品の割引率を1%増加させる増加キーと、当該割引率を1%減少させる減少キーと、当該割引率を予め定められた割引率とする設定割引率選択キーと、現在選択されている割引率を示す割引率表示欄と、割引率表示欄に示されている割引率に確定するための確定キーと、割引率を訂正せずに訂正画面に戻る取消キーとを含む。同図の例では、割引率訂正画面は、所定割引率選択キーとして、それぞれ10%割引、20%割引、30%割引、50%割引を選択するための4つのキーを含む。
そして、この画面にて所定の割引が選択されると、図4の買上登録ファイル中の当該行番号の商品の%割引に記憶される。
【0032】
次に、図10を参照して、本実施形態に関する動作の概略を顧客との取引開始から終了まで、順を追って説明する。図10は、POSレジスタ100の処理手順の例を示すフローチャートである。
本実施形態に係るPOSレジスタ100は、買上商品登録画面を表示して、操作入力を待ち受ける(ステップS1)。そして、POSレジスタ100のCPU21は、まず、買上商品が登録されたか否かを判断する(ステップS2)。POSレジスタ100は、買上商品の登録を、図6で説明した商品選択キーのタッチの他、バーコードスキャナ10にて商品に付されたバーコードを読み取る方法でも受け付ける。この場合、CPU21は、バーコードスキャナ10が読み取るコードをキーとして商品ファイルを検索し、このコードに対応付けられた商品番号と割引率とを読み出す。ステップS2:NOの場合は、ステップS4へ進む。
【0033】
ステップS2にて商品が登録されたと判断された場合(ステップS2:YES)、CPU21は、登録された商品の商品番号が、既に買上登録ファイルに登録されているか否かを判断し、登録されていると判断した場合は、該当する行の、個数欄の値を1増やし、買上登録ファイルに記憶する。一方、該当する行が未だ登録されていないと判断した場合は、CPU21は、買上登録ファイルの最下行に1行追加して、S2で読み出された商品番号、割引率と個数を「1」として買上登録ファイルに記憶する(以上、ステップS3)。
【0034】
次に、CPU21は、液晶タッチパネル3の登録商品表示領域bに示される商品の商品名等が表示される買上商品表示欄b1〜b4のいずれかがタッチされたか否かを判断する(ステップS4)。買上商品表示欄b1〜b4のいずれかがタッチされたと判断した場合(ステップS4:YES)、CPU21は、タッチされた買上商品欄を示す行番号をキーとして買上登録ファイルを検索し、この行番号に対応付けられた商品番号を読み出す。そして、CPU21は、読み出した商品番号に対応付けられた操作パターン番号を商品ファイルから読み出し、読み出した操作パターン番号にて行える操作を操作パターンファイルから読み出す。CPU21は、操作パターンファイルから読み出した操作の操作項目キーを含む訂正画面の表示データを生成して液晶タッチパネル3に出力し、液晶タッチパネル3は、出力された表示データに基づいて、訂正画面を表示する。これにより、液晶タッチパネル3には、タッチされた買上商品欄の商品に対して行える訂正操作項目、すなわち、特定された商品データの商品に、記憶部30において対応付けられた処理項目が、操作項目キーにて表示される。ステップS4:NOの場合はステップS8へ進む。
【0035】
例えば、図6の買上商品登録画面bにてバナナの買上商品欄b4がタッチされると、CUP21により、当該買上商品欄b4の行番号「4」に対応付けられた商品番号「4444」が図4の買上登録ファイルにて特定される。そして、CPU21は、商品番号「4444」に対応付けられた操作パターン番号「36」を図3の商品ファイルから読み出し、さらに、操作パターンファイルから、操作パターン番号「36」にて行える操作項目として、削除操作と、個数訂正操作と、割引率訂正操作とを読み出す。CPU21は、これらの操作項目と、買上商品登録画面に戻る戻り操作とを示す、4つの操作項目キーを含む、図7の訂正画面の表示データを生成して液晶タッチパネル3に出力することで、訂正画面を表示するよう制御する。液晶タッチパネル3は、出力された表示データに基づいて、同図の訂正画面を表示する。
【0036】
訂正画面を生成する際、CPU21は、図7で説明したように、タッチされた買上商品表示欄の表示位置に基づいて定められる位置に操作項目キーを配置する。例えば、CPU21は、図7のように、タッチされた買上商品表示欄の右隣に、上辺の高さを揃えて最初の操作項目キー(図7の例では削除キー)を配置し、その下に他の操作項目キーを配置する。あるいは、タッチされた買上商品表示欄が訂正画面中の下側に表示されているために全ての操作項目キーを表示できない場合は、CPU21は、タッチされた買上商品表示欄の右隣に、下辺の高さを揃えて最後の操作項目キー(図7の例では戻りキー)を配置し、その上に他の操作項目キーを配置する(以上、ステップS5)。
【0037】
そして、CPU21は、戻りキー以外の操作項目キーがタッチされたか否かを判断する(ステップS6)。戻りキー以外の操作項目キーがタッチされたと判断した場合(ステップS6:YES)、CPU21は、タッチされた操作項目キーが示す処理を実行し(ステップS7)、その後、ステップS5に戻る。ステップS6:NOの場合は、ステップS10へ進む。
【0038】
例えば、図7の訂正画面にて割引率訂正キーがタッチされた場合、CPU21は、図9の割引率訂正画面の表示データを液晶タッチパネル3に出力し、液晶タッチパネル3は同図の割引率訂正画面を表示する。そして、CPU21は、増加キーや減少キーや所定割引率選択キーのタッチに応じて割引率を算出し、液晶タッチパネル3は、CPU21が算出した割引率を割引率表示欄に表示する。また、確定キーがタッチされると、CPU21は、割引率表示欄に表示される割引率を、買上登録ファイルの該当欄に書き込み、液晶タッチパネル3が表示する画面を、図7の訂正画面に戻すよう制御する。一方、取消キーがタッチされると、CPU21は、買上登録ファイルの内容を変更せずに、液晶タッチパネル3が表示する画面を、図7の訂正画面に戻すよう制御する。
【0039】
一方、ステップS4にて買上商品表示欄のいずれかもタッチされていないと判断した場合(ステップS4:NO)は、CUP21は、操作部2の小計キーが押下されたか否かを判断する(ステップS8)。ステップS8:NOの場合はステップS2へ戻る。小計キーが押下されたと判断した場合(ステップS8:YES)、CPU21は、清算処理を行う。具体的には、CPU21は、客側表示部4に買上金額の合計を出力し、客側表示部4は、出力された合計を表示する。そして、預かり金額が入力され、操作部2の現計キーが押下されると、CUP21は、釣銭額を算出し、預かり金額と釣銭額とを、液晶タッチパネル3と客側表示部4とに出力し、レシートを発行し、ソレノイド5aをONさせドロア5を開放させて、一取引の清算を終了する(以上、ステップS9)。
また、ステップS6にてNOと判断された場合には、戻りキーがタッチされたか否かを判断する(ステップS10)。戻りキーがタッチされたと判断した場合(ステップ10:YES)、ステップS2に戻り、商品登録を待つ。一方戻りキーがタッチされていないと判断した場合(ステップS10:NO)、ステップS6に戻る。
【0040】
以上のように、POSレジスタ100は、買上商品の商品データを液晶タッチパネル3上に買上商品欄の形で表示し、表示された商品データがタッチされると、タッチされた行番号の商品データに対して行える操作項目を示す操作項目キーを、商品ファイルを参照して表示して、タッチによる選択を受け付ける。したがって、操作部2がこれらの操作項目キーを備える必要が無く、操作部2が備えるキーの数を低減できるのでキーボード(操作部2)を小型化することができる。また、オペレータ(例えばレジ係)は、操作項目キーの位置を予め記憶しておく負担なしに、商品データに対する処理を迅速に行える。
【0041】
また、図7で説明したように、POSレジスタ100は、タッチされた買上商品データの表示位置(買上商品表示欄の表示位置)に基づいて定められる位置(例えば、買上商品欄の表示位置の近傍)に操作項目キーを表示するので、オペレータは、いずれの買上商品データに対する操作かを把握し易く、誤操作のおそれを軽減できる。また、買上商品データの隣など、買上商品データの近傍に操作項目キーを表示することにより、オペレータは、買上商品データをタッチした後迅速に操作項目キーをタッチできる。POSレジスタ100は、この点で操作性に優れている。
【0042】
また、POSレジスタ100は、タッチされた商品データに対する操作として、当該商品データに対する複数種の訂正操作の操作項目キーを表示する。オペレータは、いずれの種類の訂正であっても、当該商品を特定さえすれば、処理可能な訂正の種類が表示されるので、操作に不慣れなオペレータであっても、商品データの訂正や、登録個数の訂正等の訂正を容易に行うことができる。
また、POSレジスタ100は、タッチされた商品データに応じて、この商品データに対して行える操作項目を示す操作項目キーのみを表示するので、商品に応じて処理できる内容が異なる場合でも、不適切な操作項目が選択され、誤操作が行われることを防止できる。
【0043】
なお、液晶タッチパネル3が表示する操作項目キーは、上述した3種類のものに限らない。例えば、割引率を訂正する割引率訂正キーに代えて、あるいは、割引率訂正キーに加えて、値引金額を訂正する値引金額訂正キーを表示するようにしてもよい。
また、液晶タッチパネル3あるいは客側表示部4が、組み合わせ商品に関する情報を表示するようにしてもよい。例えば、商品Aと商品Bとを組み合わせて購入したら特別価格で販売するような組み合わせ商品があり、それらの組み合わせとなる商品の商品データが買上登録ファイルに登録されている場合に、商品Aが返品されて商品Aのデータが買上登録ファイルから削除されると、組み合わせに該当しなくなり商品Bは通常価格で買上登録ファイルに登録され、販売される。この際、商品Bが通常価格となる旨を液晶タッチパネル3あるいは客側表示部4が表示するようにしてもよい。
【0044】
また、上記実施形態では、表示される処理項目として、訂正に関する事項が表示される例を示したが訂正に関するものでなくても良い。
例えば、利用できる対象の商品が決まっているクーポン券があり、当該対象となる商品を購入した際に該クーポン券を提示すれば、該商品は無料で提供を受けることができるような場合のクーポン処理に、本発明を利用しても良い。具体的にいえば、購入商品を全て登録した後に、顧客から前記クーポン券の提示を受け、オペレータ(店員)は、当該クーポンの対象となる商品が登録されているかを、液晶タッチパネル3の登録商品表示欄bを見て判断する。そして、対象となる商品があった場合には、当該商品を画面にてタッチ選択することで、訂正関係の他、クーポン処理という項目を含む処理項目が表示される。そして、該クーポン処理をタッチ選択することで、買上登録ファイル中の該当する商品が、クーポンにて購入されたことを示すフラグを立てるようにする。そして、該フラグが立っていることで、小計キーが押下されて買上合計金額を算出する場合に、当該商品の金額を減算して合計金額を算出するよう制御しても良い。
【0045】
また、上記実施形態では、商品ファイル中の各商品毎に、商品番号とバーコードのコードとを記憶させて、バーコードが読み取られると、該バーコードのコードから商品番号を特定し、買上登録ファイルに該特定された商品番号や、個数、%割引等を記憶させた例にて説明したが、商品番号でなく読み取られたバーコードのコードと、個数、更に商品ファイルから読み出された%割引等を記憶させるようにしても良い。そして、登録商品表示領域で所定の行番号がタッチされると、該タッチされた行番号に対応して記憶されている商品から処理項目を表示するが、買上登録ファイルには、コードが記憶されているので、該コードをキーとして商品ファイルを参照し、操作パターン番号を特定し処理項目を表示させるようにしても良い。
そして、この場合、清算の際、小計キーが押されて合計金額を算出するときには、買上登録ファイルに記憶されているコードと、商品ファイルにて該コードから特定される単価にて清算されるようになる。
【0046】
また、上記実施形態では、キーボードである操作部2と、操作入力部である液晶タッチパネル3の両方を設ける例を示したが、操作部2を設けずに、液晶タッチパネル3の一部に操作部2の機能を実行する液晶タッチパネル(操作部2に相当するキーボードの表示)を設けるようにしても良い。この場合でも、上記のように、例えば訂正に関するキーを予め設けておく必要が無いので、液晶タッチパネルにおける操作部2に相当するキーボードを小型化することができ、他の目的の為の表示領域を大きくとることができる。また、オペレータは、処理をしたい商品さえ特定すれば訂正等のキーが表示されるので、キーの位置を覚えておく必要がなく、負担が軽減される。
【0047】
なお、POSレジスタ100の全部または一部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより各部の処理を行ってもよい。例えば、図2のCPU21とROM22とRAM23との機能をコンピュータ上で実現し、このコンピュータがPOSレジスタを制御することによりPOSレジスタ100を実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【0048】
以上、この発明の実施形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【符号の説明】
【0049】
1 レシート発行口
1a 印字部
2 操作部
3 液晶タッチパネル
4 客側表示部
5 ドロアー
5a ソレノイド
10 バーコードスキャナ
21 CPU
22 ROM
23 RAM
24 駆動回路
30 記憶部
50 POSレジスタ本体部
100 POSレジスタ
【技術分野】
【0001】
本発明は、POSレジスタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のPOS(Point Of Sale)レジスタでは、買上商品の登録中に登録すべき商品を間違えた際、あるいは、個数入力を間違えた際にデータを訂正する場合、間違えた商品登録を取り消す直前訂正のファンクションキー、あるいは、間違えた個数入力を訂正する個数訂正のファンクションキー等、処理を選択するキーをオペレータがキーボード上から見つけ出し、それらのキーを押下すると訂正処理が行われる。
例えば、特許文献1には、キーボード上の訂正キーが押下されると画面上にカーソルを表示し、移動キーの押下に応じてカーソルを移動させ、実行キーが押下されるとカーソル位置に表示される項目に対して訂正処理を行う金銭登録機が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭63−286999号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
つまり、従来の、POSレジスタのキーボードには、前記のように訂正に関するキーや、その他の処理のキー、また、数字キー等、様々なキーが設けられている。このため、直前訂正や個数訂正等、行いたい処理を選択するキーを迅速に見つけ出すためには、オペレータが、これらのキーの位置を予め記憶しておく必要があり、オペレータの負担となっていた。また、前記のように様々なキーをキーボードに設けておくことで、キーボード自体が大型化してしまっていた。
【0005】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、その目的は、処理を実行するキーの位置をオペレータが予め記憶しておく負担なしに、商品データに対する処理を迅速に行え、キーボードの小型化を図ることができるPOSレジスタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[1]この発明は上述した課題を解決するためになされたもので、本発明の一態様によるPOSレジスタは、商品登録された商品の商品データを表示する表示手段と、前記表示手段に表示された商品データのいずれかを特定する特定手段と、を具備し、前記特定された商品データに関する処理項目を前記表示手段に選択可能に表示し、該表示された処理項目のいずれかが選択されると、該選択された処理項目の処理を前記特定された商品データに対して実行するよう制御することを特徴とする。
このPOSレジスタでは、例えば商品名等の商品に関する商品データが表示され、特定された商品データに関する処理項目が表示手段に選択可能に表示され、表示された処理項目のいずれかの選択を受け付けるので、処理項目の選択を受け付けるキーを、その押ボタン等のハードウェアによるキーにて備える必要がなく、ハードウェアによるキーの数を低減できるのでキーボードを小型化することができる。また、オペレータは、処理を行いたい商品を選択するだけで実行可能な処理項目が表示されるので、処理項目を選択するキーの位置を予め記憶しておく負担なしに、商品データに対する処理を迅速に行える。
また、メカ的なキーボードでなく、タッチパネルの表示部に様々なキーが設けられたキーボードであっても、同様に、予め設けておくキーの数を減らすことができるので、キーボードを小型化することができ、他の表示領域を大きくすることができる。また、オペレータは、キーの位置を記憶しておく必要がないので負担が軽減される。
【0007】
[2]また、本発明の一態様によるPOSレジスタは、上述のPOSレジスタであって、前記表示部は、前記特定された商品データの表示位置に基づいて定められる位置に前記処理項目を表示することを特徴とする。
このPOSレジスタは、特定された商品データの表示位置に基づいて定められる位置に処理項目が表示されるので、例えば特定された商品データの表示位置の近傍に処理項目を表示させることができるので、オペレータは、いずれの商品データに対する操作かを把握し易く、誤操作のおそれを軽減できる。
【0008】
[3]また、本発明の一態様によるPOSレジスタは、上述のPOSレジスタであって、前記表示部は、前記処理項目として、前記特定された商品データに対する複数種の訂正処理の項目を表示することを特徴とする。
このPOSレジスタは、特定された商品データに対する処理項目として、当該商品データに対する複数種の訂正操作の項目を表示する。オペレータは、いずれの種類の訂正であっても、当該商品を特定さえすれば、処理可能な訂正の種類が表示されるので、操作に不慣れなオペレータであっても、商品データに対する様々な訂正を容易に行うことができる。
【0009】
[4]また、本発明の一態様によるPOSレジスタは、上述のPOSレジスタであって、商品毎に選択可能な前記処理項目が設定され、設定された処理項目を当該商品と対応付けて記憶する記憶部をさらに具備し、前記記憶部に記憶され前記特定された商品データに対応付けられた前記処理項目を表示するよう制御することを特徴とする。
このPOSレジスタは、商品データに応じて設定された処理項目を表示し、表示された処理項目のいずれかの選択を受け付けるので、商品に応じて処理できる内容が異なる場合でも、不適切な処理項目が選択されることによる誤操作を防止できる。
【発明の効果】
【0010】
この発明によれば、オペレータは、処理を実行するキーの位置を予め記憶しておく負担なしに、商品データに対する処理を迅速に行うことができ、キーボードを小型化したPOSレジスタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施形態に係るPOSレジスタ100の外観を示す図である。
【図2】本発明の実施形態に係るPOSレジスタ100の電気ブロック図である。
【図3】本発明の実施形態に係る商品ファイルの例を示す図である。
【図4】本発明の実施形態に係る買上登録ファイルの例を示す図である。
【図5】本発明の実施形態に係る操作パターンファイルの例を示す図である。
【図6】本発明の実施形態に係る買上商品登録画面の例を示す図である。
【図7】本発明の実施形態に係る訂正画面の例を示す図である。
【図8】本発明の実施形態に係る個数訂正画面の例を示す図である。
【図9】本発明の実施形態に係る割引率訂正画面の例を示す図である。
【図10】本発明の実施形態に係るPOSレジスタ100の処理手順の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態に係るPOSレジスタについて図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態に係るPOSレジスタ100の外観を示す図である。
同図において、実施形態に係るPOSレジスタ100は、POSレジスタ本体部50とドロアー5とを具備する。POSレジスタ本体部50は、レシート発行口1と、操作部(キーボード)2と、液晶タッチパネル(表示手段、特定手段)3と、客側表示部4とを具備する。レシート発行口1は、レシートやジャーナルを印字する印字部(図1には図示せず)を奥に具備している。操作部2は、テンキー、小計キー、現計キー等のドロアーを開放する機能を有するキーなどのキーを具備する。
【0013】
液晶タッチパネル3は、後述する買上商品登録画面や、訂正画面や、個数訂正画面や、割引率訂正画面などの画面を表示する。特に、液晶タッチパネル3は、買上商品登録画面にて買上商品表示欄に商品登録された商品の商品データである商品名を表示し、いずれかの商品名が特定されると、特定された商品名に関する処理項目を訂正画面にて表示する表示部として機能する。また、液晶タッチパネル3は、指等での画面タッチによる操作入力(例えばレジ係による操作入力)を受け付ける。特に、液晶タッチパネル3は、買上商品登録画面にて、買上商品表示欄をタッチしての選択を受け付けることにより、表示部が表示した商品データのいずれかを特定する操作入力を受け付け、また、訂正画面にて、表示された処理項目のいずれかをタッチ操作により選択する操作入力を受け付ける操作入力部として機能する。客側表示部4は、顧客に対して買い上げ金額や釣銭額等を表示する。
【0014】
ドロアー5は、POSレジスタ本体部50の下に置かれ、POSレジスタ本体部50に接続されており、現金や商品券や掛売伝票等を収納する。また、ドロアー5は、POSレジスタ本体部50からソレノイド(図1には図示せず)をONさせることによって開放され、手動で押されることにより閉じる構造となっている。POSレジスタ本体部50には、商品に付されたバーコードを読み取って買上商品の登録を行うためのバーコードスキャナ10(図1には図示せず)が接続される。
【0015】
次に、図2を参照して、POSレジスタ100の電気ブロック構成について説明する。図2は、POSレジスタ100の電気ブロック図である。
同図に示すように、POSレジスタ100は、CPU(Central Processing Unit、制御手段)21と、記憶部(記憶手段)30と、液晶タッチパネル3と、操作部2と、客側表示部4と、印字部1aと、駆動回路24と、ドロアー5と、ソレノイド5aと、バーコードスキャナ10とを具備する。記憶部30は、ROM(Read Only Memory)22と、RAM(Random Access Memory)23とを具備する。
【0016】
ROM22は、制御プログラムを予め記憶しており、このプログラムに従ってCPU21が各部を制御する。RAM23は各種データファイルを記憶する。特に、記憶部30のRAM23は、後述する操作パターンファイルにて、商品毎に予め定められる処理項目を当該商品と対応付けて記憶する。また、RAM23は、CPU21が制御を行う際に用いるデータ等を一時的に記憶するワーキングメモリとしても使用される。
【0017】
印字部1aはレシート発行口1の奥に配設され、レシートやジャーナル等を印字する。操作部2と、液晶タッチパネル3と、客側表示部4とは、上述の図1で説明した機能を有する。また、ドロアー5は、このドロアー5を開放するソレノイド5aを備える。ソレノイド5aは、CPU21の制御に基づいて駆動回路24によって駆動される。バーコードスキャナ10は、商品に付されたバーコードを読み取り、読み取り結果をCPU21に出力する。
【0018】
続いて、図3〜図5を参照して、RAM23が記憶する種々の情報について説明する。RAM23は、CPU21が制御を行う際に用いるデータ等を一時的に記憶するワークエリアと、CPU21が実行する各種処理に必要なデータを格納する各種ファイルを記憶するファイルエリアとを備える。ワークエリアは、買上商品の登録処理を行う際に、登録された商品の商品データを一時記憶するレシートバッファ等を含む。また、ファイルエリアは、商品ファイルや、キー情報ファイルや、操作パターンファイルや、買上登録ファイルなどを格納する。
【0019】
図3は、商品ファイルの例を示す図である。商品ファイルは、各商品に関するデータを格納するファイルである。同図の例では、商品ファイルは、商品番号、コード、品名、単価、割引率、操作パターン番号およびその他の情報を互いに関連付けて格納している。
「商品番号」は、商品を識別する識別番号である。「コード」欄は、当該商品に付されるバーコードが示す、例えば13桁のJANコードを格納する。「品名」欄は、商品の名称を格納する。「単価」欄は、商品の単価を格納する。「割引率」欄は、商品の割引率をパーセント表示にて格納する。「操作パターン番号」は、操作パターンファイルに格納される操作パターンを識別する識別番号である。各商品は、後述する操作パターンのいずれかに、操作パターン番号によって対応付けられる。
例えば、特売期間中には特売の商品に割引率を設定しておくことで、当該割引率で設定されている商品がPOSレジスタ100で登録された場合、商品ファイルに設定されている金額は、該設定されている割引率にて登録されるようになる。
【0020】
図4は、買上登録ファイルの例を示す図である。買上登録ファイルは、現在の取引において、商品に付されているバーコードがスキャンされて買上登録され、商品ファイルから読み出された商品の商品データを一時的に格納するファイルである。同図の例では、買上登録ファイルは、商品番号、個数、%割引、行番号およびその他の情報を互いに関連付けて格納している。
「商品番号」欄は、商品登録された買上商品の商品番号を格納する。「個数」欄は、当該買上商品の登録された個数を格納する。「%割引」欄は、商品ファイルから読み出された当該買上商品の割引率をパーセント表示にて格納する。「行番号」欄は、取引中の登録されたデータが記憶されるアドレスを意味し、上位の行番号のアドレスから登録された商品の商品データが記憶され、後述する登録商品表示領域内の行を示す情報である行番号に対応している。
なお、この買上登録ファイルは、一取引中に登録された商品を、行番号1から順に記憶し、一取引が終了する操作部2の現計キーが押下された場合は、買上登録ファイルに記憶された全てのデータを1つの取引とするレシート番号を付し、別の買上履歴ファイルに移行し、当該買上登録ファイルに記憶されているデータをクリアし、次の取引に備える。
【0021】
図5は、操作パターンファイルの例を示す図である。操作パターンファイルは、商品毎に予め定められる処理項目(より具体的には、商品に対して行うことのできる訂正操作の操作項目)を格納するファイルである。同図の例では、操作パターンファイルは、操作パターン番号、削除可否、個数訂正可否、割引率訂正可否およびその他の情報を互いに関連付けて格納している。
「操作パターン番号」は、操作パターンファイルの各行にて設定される操作パターンを識別する識別番号である。「削除可否」、「個数訂正可否」、「割引率訂正可否」の各欄は、これらの操作を行えることを示す「1」、あるいは、行えないことを示す「0」の、「1」か「0」かいずれかを示すフラグを格納する。そして、操作パターン番号が商品ファイルの各商品に設定されており、当該商品が登録された際に設定されている操作パターンファイルの操作番号に対応する処理項目が表示される。
【0022】
そして、例えば、図4の買上登録ファイルが商品番号1111にて格納するみかんについて、図3の商品ファイルを参照すると、操作パターン番号36が設定されている。このため、図4の買上登録ファイル上のみかんのデータ(商品番号1111の行のデータ)に対しては、この行を削除する削除操作や、個数欄の値を訂正する個数訂正操作や、%割引欄の値を訂正する割引率訂正操作を行うことができる。一方、図4の買上登録ファイル上の巨峰のデータ(商品番号2222の行のデータ)に対しては、図3の商品ファイルにて操作パターンが37に設定されており、削除操作や個数訂正操作を行うことはできるが、割引率訂正操作を行うことはできない。
このように、割引を行わない商品に対しては割引率訂正操作を行えないようにすることで、オペレータ(例えばレジ係)が、設定すべきでない割引率を割引率設定操作にて設定してしまう誤操作を防止できる。
【0023】
次に、図6〜図9を参照して、液晶タッチパネル3に表示される表示画面について説明する。図6は、買上商品登録画面の例を示す図である。買上商品登録画面は、買上商品を登録する際に液晶タッチパネル3上に表示される画面である。買上商品登録画面は、画面中の上側に表示される金額表示領域aと、画面中の左側に表示される登録商品表示領域bと、画面中の右側に表示される商品選択領域cとを含む。
【0024】
金額表示領域aは、登録商品や合計金額を表示する領域である。金額表示領域aは、最後に登録された買上商品の品名および金額を示す商品金額表示領域a1と、現在の取引における買上商品の個数合計および合計金額を表示し、さらには精算時に預かり金額や釣銭額を表示する合計金額表示領域a2とを含む。
【0025】
登録商品表示領域bは、現在の取引において買上商品として、商品選択領域cから選択されることで、あるいは、バーコードスキャナ10により商品に付されたバーコードが読み取られることで該登録された商品の商品データである商品名等を表示する領域である。RAM23は、後述する商品選択領域cの商品選択キーと、商品番号とを対応付けて予め記憶しており、CPU21は、商品選択キーがタッチされると、当該商品の商品番号に基づいて商品の登録を行い、登録された商品の商品名等を表示する。また、RAM23は、図3で説明したように、商品ファイルにて商品に付されるバーコードと商品番号とを対応付けて記憶しており、CPU21は、バーコードが読み取られると、当該商品の商品番号に基づいて商品の登録を行い、登録された商品を表示する。登録商品表示領域bには、登録された商品の商品データとして、表示される商品の行を示す行番号と、商品名と、個数と、割引されている場合は割引率と、金額(割引後の金額)および税区分とが示される。また、登録商品表示領域bは、商品を一度に表示できない場合に、表示をスクロールさせるための上キーおよび下キーを含む。
なお、表示されている行番号は、図4の買上登録ファイルの行番号と対応しており、商品が登録されると、買上登録ファイルの行番号1から順に登録されて商品番号等が記憶され、同時に登録商品表示領域bの行番号1から順に登録された商品の商品番号が表示される。なお、一取引中で同じ商品番号の商品が登録された場合には、買上登録ファイル中の当該商品の個数をその数だけ加算し、登録商品表示領域bに表示されている当該商品の個数をその数だけ加算させる。
【0026】
同図の例では、買上商品の商品毎に1つの欄(以下では、「買上商品表示欄」という)b1〜b4が、登録された順に表示され、各欄内に、行番号(買上商品表示欄b1〜b4の領域dに各々表示されている)と、商品名と、個数と、金額および税区分とが表示されている。買上登録ファイルの行番号の1から登録された順に、商品登録された商品に関する情報(行番号、個数、割引率等)が記憶され、記憶された情報が、登録商品表示領域bに表示される。
【0027】
商品選択領域cは、各商品の写真が表示された商品選択キーや、上キーおよび下キーや、種別タグを含む。商品選択キーは、登録する商品を選択するためのタッチキーである。オペレータが当該商品の商品選択キーをタッチすると、タッチされたキーの商品が登録商品として選択され、当該商品の商品データが、買上登録ファイルに登録される。上キーおよび下キーは、商品選択キーを一度に表示できない場合に、表示をスクロールさせるためのタッチキーである。種別タグは、商品選択キーを表示する商品の種別を選択するためのタグである。
【0028】
図7は、訂正画面の例を示す図である。訂正画面は、買上商品登録画面の登録商品表示領域bに表示される買上商品表示欄のいずれかをオペレータがタッチすると表示される。訂正画面は、タッチされた買上商品表示欄の買上商品データに対する訂正処理の項目(以下、「操作項目」という)を示す操作項目キーを含む。図7の例では、訂正画面は、バナナの買上商品データに対する操作項目キーとして、当該データを買上登録ファイルから削除する削除キーと、買上個数を訂正する個数訂正キーと、割引率を訂正する割引率訂正キーと、買上商品登録画面に戻る戻りキーとを含む。このように、1つの商品を特定するだけで訂正可能な複数種の訂正項目が表示されるので、操作性が良くなる。
【0029】
なお、個数訂正や割引率訂正の処理が行われた場合は、買上登録ファイルに記載されている対象となる行番号の個数や、割引率が変更される。また、削除の場合は、買上登録ファイルに記憶されている対象となる行番号のデータを削除し、以降の行番号を1つ繰り上げ記憶させるようにする。そして、それに伴い、登録商品表示領域bに表示される削除された行番号以降を1つ繰り上げて表示するようにする。
訂正画面の各キーは、タッチされた買上商品表示欄の表示位置に基づいて定められる位置に表示される。図7の例では、各キーは、バナナの買上商品表示欄の表示位置の右隣およびその下の位置に表示されている。つまり、訂正の為に特定された買上商品表示欄(行番号)の右位置に訂正画面が表示されるようにプログラムされているので、商品のすぐ隣(近傍)に訂正欄が表示されるので操作性が良くなる。
【0030】
図8は、個数訂正画面の例を示す図である。個数訂正画面は、図7における訂正画面にてオペレータが個数訂正キーをタッチすると表示される。個数訂正画面には、買上商品登録画面にてタッチされた買上商品の買上個数を1つ増加させる増加キーと、当該買上個数を1つ減少させる減少キーと、現在選択されている買上個数を示す個数表示欄と、個数表示欄に示されている個数に確定するための確定キーと、買上個数を訂正せずに訂正画面に戻る取消キーとが含まれる。
そして、この画面で買上個数が変更されると、図4の買上登録ファイル中の当該行番号の商品の個数が変更され記憶される。
【0031】
図9は、割引率訂正画面の例を示す図である。割引率訂正画面は、図7における訂正画面にてオペレータが割引率訂正キーをタッチすると表示される。割引率訂正画面は、買上商品登録画面にてタッチされた買上商品の割引率を1%増加させる増加キーと、当該割引率を1%減少させる減少キーと、当該割引率を予め定められた割引率とする設定割引率選択キーと、現在選択されている割引率を示す割引率表示欄と、割引率表示欄に示されている割引率に確定するための確定キーと、割引率を訂正せずに訂正画面に戻る取消キーとを含む。同図の例では、割引率訂正画面は、所定割引率選択キーとして、それぞれ10%割引、20%割引、30%割引、50%割引を選択するための4つのキーを含む。
そして、この画面にて所定の割引が選択されると、図4の買上登録ファイル中の当該行番号の商品の%割引に記憶される。
【0032】
次に、図10を参照して、本実施形態に関する動作の概略を顧客との取引開始から終了まで、順を追って説明する。図10は、POSレジスタ100の処理手順の例を示すフローチャートである。
本実施形態に係るPOSレジスタ100は、買上商品登録画面を表示して、操作入力を待ち受ける(ステップS1)。そして、POSレジスタ100のCPU21は、まず、買上商品が登録されたか否かを判断する(ステップS2)。POSレジスタ100は、買上商品の登録を、図6で説明した商品選択キーのタッチの他、バーコードスキャナ10にて商品に付されたバーコードを読み取る方法でも受け付ける。この場合、CPU21は、バーコードスキャナ10が読み取るコードをキーとして商品ファイルを検索し、このコードに対応付けられた商品番号と割引率とを読み出す。ステップS2:NOの場合は、ステップS4へ進む。
【0033】
ステップS2にて商品が登録されたと判断された場合(ステップS2:YES)、CPU21は、登録された商品の商品番号が、既に買上登録ファイルに登録されているか否かを判断し、登録されていると判断した場合は、該当する行の、個数欄の値を1増やし、買上登録ファイルに記憶する。一方、該当する行が未だ登録されていないと判断した場合は、CPU21は、買上登録ファイルの最下行に1行追加して、S2で読み出された商品番号、割引率と個数を「1」として買上登録ファイルに記憶する(以上、ステップS3)。
【0034】
次に、CPU21は、液晶タッチパネル3の登録商品表示領域bに示される商品の商品名等が表示される買上商品表示欄b1〜b4のいずれかがタッチされたか否かを判断する(ステップS4)。買上商品表示欄b1〜b4のいずれかがタッチされたと判断した場合(ステップS4:YES)、CPU21は、タッチされた買上商品欄を示す行番号をキーとして買上登録ファイルを検索し、この行番号に対応付けられた商品番号を読み出す。そして、CPU21は、読み出した商品番号に対応付けられた操作パターン番号を商品ファイルから読み出し、読み出した操作パターン番号にて行える操作を操作パターンファイルから読み出す。CPU21は、操作パターンファイルから読み出した操作の操作項目キーを含む訂正画面の表示データを生成して液晶タッチパネル3に出力し、液晶タッチパネル3は、出力された表示データに基づいて、訂正画面を表示する。これにより、液晶タッチパネル3には、タッチされた買上商品欄の商品に対して行える訂正操作項目、すなわち、特定された商品データの商品に、記憶部30において対応付けられた処理項目が、操作項目キーにて表示される。ステップS4:NOの場合はステップS8へ進む。
【0035】
例えば、図6の買上商品登録画面bにてバナナの買上商品欄b4がタッチされると、CUP21により、当該買上商品欄b4の行番号「4」に対応付けられた商品番号「4444」が図4の買上登録ファイルにて特定される。そして、CPU21は、商品番号「4444」に対応付けられた操作パターン番号「36」を図3の商品ファイルから読み出し、さらに、操作パターンファイルから、操作パターン番号「36」にて行える操作項目として、削除操作と、個数訂正操作と、割引率訂正操作とを読み出す。CPU21は、これらの操作項目と、買上商品登録画面に戻る戻り操作とを示す、4つの操作項目キーを含む、図7の訂正画面の表示データを生成して液晶タッチパネル3に出力することで、訂正画面を表示するよう制御する。液晶タッチパネル3は、出力された表示データに基づいて、同図の訂正画面を表示する。
【0036】
訂正画面を生成する際、CPU21は、図7で説明したように、タッチされた買上商品表示欄の表示位置に基づいて定められる位置に操作項目キーを配置する。例えば、CPU21は、図7のように、タッチされた買上商品表示欄の右隣に、上辺の高さを揃えて最初の操作項目キー(図7の例では削除キー)を配置し、その下に他の操作項目キーを配置する。あるいは、タッチされた買上商品表示欄が訂正画面中の下側に表示されているために全ての操作項目キーを表示できない場合は、CPU21は、タッチされた買上商品表示欄の右隣に、下辺の高さを揃えて最後の操作項目キー(図7の例では戻りキー)を配置し、その上に他の操作項目キーを配置する(以上、ステップS5)。
【0037】
そして、CPU21は、戻りキー以外の操作項目キーがタッチされたか否かを判断する(ステップS6)。戻りキー以外の操作項目キーがタッチされたと判断した場合(ステップS6:YES)、CPU21は、タッチされた操作項目キーが示す処理を実行し(ステップS7)、その後、ステップS5に戻る。ステップS6:NOの場合は、ステップS10へ進む。
【0038】
例えば、図7の訂正画面にて割引率訂正キーがタッチされた場合、CPU21は、図9の割引率訂正画面の表示データを液晶タッチパネル3に出力し、液晶タッチパネル3は同図の割引率訂正画面を表示する。そして、CPU21は、増加キーや減少キーや所定割引率選択キーのタッチに応じて割引率を算出し、液晶タッチパネル3は、CPU21が算出した割引率を割引率表示欄に表示する。また、確定キーがタッチされると、CPU21は、割引率表示欄に表示される割引率を、買上登録ファイルの該当欄に書き込み、液晶タッチパネル3が表示する画面を、図7の訂正画面に戻すよう制御する。一方、取消キーがタッチされると、CPU21は、買上登録ファイルの内容を変更せずに、液晶タッチパネル3が表示する画面を、図7の訂正画面に戻すよう制御する。
【0039】
一方、ステップS4にて買上商品表示欄のいずれかもタッチされていないと判断した場合(ステップS4:NO)は、CUP21は、操作部2の小計キーが押下されたか否かを判断する(ステップS8)。ステップS8:NOの場合はステップS2へ戻る。小計キーが押下されたと判断した場合(ステップS8:YES)、CPU21は、清算処理を行う。具体的には、CPU21は、客側表示部4に買上金額の合計を出力し、客側表示部4は、出力された合計を表示する。そして、預かり金額が入力され、操作部2の現計キーが押下されると、CUP21は、釣銭額を算出し、預かり金額と釣銭額とを、液晶タッチパネル3と客側表示部4とに出力し、レシートを発行し、ソレノイド5aをONさせドロア5を開放させて、一取引の清算を終了する(以上、ステップS9)。
また、ステップS6にてNOと判断された場合には、戻りキーがタッチされたか否かを判断する(ステップS10)。戻りキーがタッチされたと判断した場合(ステップ10:YES)、ステップS2に戻り、商品登録を待つ。一方戻りキーがタッチされていないと判断した場合(ステップS10:NO)、ステップS6に戻る。
【0040】
以上のように、POSレジスタ100は、買上商品の商品データを液晶タッチパネル3上に買上商品欄の形で表示し、表示された商品データがタッチされると、タッチされた行番号の商品データに対して行える操作項目を示す操作項目キーを、商品ファイルを参照して表示して、タッチによる選択を受け付ける。したがって、操作部2がこれらの操作項目キーを備える必要が無く、操作部2が備えるキーの数を低減できるのでキーボード(操作部2)を小型化することができる。また、オペレータ(例えばレジ係)は、操作項目キーの位置を予め記憶しておく負担なしに、商品データに対する処理を迅速に行える。
【0041】
また、図7で説明したように、POSレジスタ100は、タッチされた買上商品データの表示位置(買上商品表示欄の表示位置)に基づいて定められる位置(例えば、買上商品欄の表示位置の近傍)に操作項目キーを表示するので、オペレータは、いずれの買上商品データに対する操作かを把握し易く、誤操作のおそれを軽減できる。また、買上商品データの隣など、買上商品データの近傍に操作項目キーを表示することにより、オペレータは、買上商品データをタッチした後迅速に操作項目キーをタッチできる。POSレジスタ100は、この点で操作性に優れている。
【0042】
また、POSレジスタ100は、タッチされた商品データに対する操作として、当該商品データに対する複数種の訂正操作の操作項目キーを表示する。オペレータは、いずれの種類の訂正であっても、当該商品を特定さえすれば、処理可能な訂正の種類が表示されるので、操作に不慣れなオペレータであっても、商品データの訂正や、登録個数の訂正等の訂正を容易に行うことができる。
また、POSレジスタ100は、タッチされた商品データに応じて、この商品データに対して行える操作項目を示す操作項目キーのみを表示するので、商品に応じて処理できる内容が異なる場合でも、不適切な操作項目が選択され、誤操作が行われることを防止できる。
【0043】
なお、液晶タッチパネル3が表示する操作項目キーは、上述した3種類のものに限らない。例えば、割引率を訂正する割引率訂正キーに代えて、あるいは、割引率訂正キーに加えて、値引金額を訂正する値引金額訂正キーを表示するようにしてもよい。
また、液晶タッチパネル3あるいは客側表示部4が、組み合わせ商品に関する情報を表示するようにしてもよい。例えば、商品Aと商品Bとを組み合わせて購入したら特別価格で販売するような組み合わせ商品があり、それらの組み合わせとなる商品の商品データが買上登録ファイルに登録されている場合に、商品Aが返品されて商品Aのデータが買上登録ファイルから削除されると、組み合わせに該当しなくなり商品Bは通常価格で買上登録ファイルに登録され、販売される。この際、商品Bが通常価格となる旨を液晶タッチパネル3あるいは客側表示部4が表示するようにしてもよい。
【0044】
また、上記実施形態では、表示される処理項目として、訂正に関する事項が表示される例を示したが訂正に関するものでなくても良い。
例えば、利用できる対象の商品が決まっているクーポン券があり、当該対象となる商品を購入した際に該クーポン券を提示すれば、該商品は無料で提供を受けることができるような場合のクーポン処理に、本発明を利用しても良い。具体的にいえば、購入商品を全て登録した後に、顧客から前記クーポン券の提示を受け、オペレータ(店員)は、当該クーポンの対象となる商品が登録されているかを、液晶タッチパネル3の登録商品表示欄bを見て判断する。そして、対象となる商品があった場合には、当該商品を画面にてタッチ選択することで、訂正関係の他、クーポン処理という項目を含む処理項目が表示される。そして、該クーポン処理をタッチ選択することで、買上登録ファイル中の該当する商品が、クーポンにて購入されたことを示すフラグを立てるようにする。そして、該フラグが立っていることで、小計キーが押下されて買上合計金額を算出する場合に、当該商品の金額を減算して合計金額を算出するよう制御しても良い。
【0045】
また、上記実施形態では、商品ファイル中の各商品毎に、商品番号とバーコードのコードとを記憶させて、バーコードが読み取られると、該バーコードのコードから商品番号を特定し、買上登録ファイルに該特定された商品番号や、個数、%割引等を記憶させた例にて説明したが、商品番号でなく読み取られたバーコードのコードと、個数、更に商品ファイルから読み出された%割引等を記憶させるようにしても良い。そして、登録商品表示領域で所定の行番号がタッチされると、該タッチされた行番号に対応して記憶されている商品から処理項目を表示するが、買上登録ファイルには、コードが記憶されているので、該コードをキーとして商品ファイルを参照し、操作パターン番号を特定し処理項目を表示させるようにしても良い。
そして、この場合、清算の際、小計キーが押されて合計金額を算出するときには、買上登録ファイルに記憶されているコードと、商品ファイルにて該コードから特定される単価にて清算されるようになる。
【0046】
また、上記実施形態では、キーボードである操作部2と、操作入力部である液晶タッチパネル3の両方を設ける例を示したが、操作部2を設けずに、液晶タッチパネル3の一部に操作部2の機能を実行する液晶タッチパネル(操作部2に相当するキーボードの表示)を設けるようにしても良い。この場合でも、上記のように、例えば訂正に関するキーを予め設けておく必要が無いので、液晶タッチパネルにおける操作部2に相当するキーボードを小型化することができ、他の目的の為の表示領域を大きくとることができる。また、オペレータは、処理をしたい商品さえ特定すれば訂正等のキーが表示されるので、キーの位置を覚えておく必要がなく、負担が軽減される。
【0047】
なお、POSレジスタ100の全部または一部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより各部の処理を行ってもよい。例えば、図2のCPU21とROM22とRAM23との機能をコンピュータ上で実現し、このコンピュータがPOSレジスタを制御することによりPOSレジスタ100を実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【0048】
以上、この発明の実施形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【符号の説明】
【0049】
1 レシート発行口
1a 印字部
2 操作部
3 液晶タッチパネル
4 客側表示部
5 ドロアー
5a ソレノイド
10 バーコードスキャナ
21 CPU
22 ROM
23 RAM
24 駆動回路
30 記憶部
50 POSレジスタ本体部
100 POSレジスタ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品登録された商品の商品データを表示する表示手段と、
前記表示手段に表示された商品データのいずれかを特定する特定手段と、
を具備し、
前記特定された商品データに関する処理項目を前記表示手段に選択可能に表示し、該表示された処理項目のいずれかが選択されると、該選択された処理項目の処理を前記特定された商品データに対して実行するよう制御する
ことを特徴とするPOSレジスタ。
【請求項2】
前記表示手段は、前記特定された商品データの表示位置に基づいて定められる位置に前記処理項目を表示することを特徴とする請求項1に記載のPOSレジスタ。
【請求項3】
前記表示手段は、前記処理項目として、前記特定された商品データに対する複数種の訂正処理の項目を表示することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のPOSレジスタ。
【請求項4】
商品毎に選択可能な前記処理項目が設定され、該設定された処理項目を当該商品と対応付けて記憶する記憶手段をさらに具備し、
前記記憶手段に記憶され前記特定された商品データに対応付けられた前記処理項目を前記表示手段に表示するよう制御する
ことを特徴とする請求項1から3のいずれかの項に記載のPOSレジスタ。
【請求項1】
商品登録された商品の商品データを表示する表示手段と、
前記表示手段に表示された商品データのいずれかを特定する特定手段と、
を具備し、
前記特定された商品データに関する処理項目を前記表示手段に選択可能に表示し、該表示された処理項目のいずれかが選択されると、該選択された処理項目の処理を前記特定された商品データに対して実行するよう制御する
ことを特徴とするPOSレジスタ。
【請求項2】
前記表示手段は、前記特定された商品データの表示位置に基づいて定められる位置に前記処理項目を表示することを特徴とする請求項1に記載のPOSレジスタ。
【請求項3】
前記表示手段は、前記処理項目として、前記特定された商品データに対する複数種の訂正処理の項目を表示することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のPOSレジスタ。
【請求項4】
商品毎に選択可能な前記処理項目が設定され、該設定された処理項目を当該商品と対応付けて記憶する記憶手段をさらに具備し、
前記記憶手段に記憶され前記特定された商品データに対応付けられた前記処理項目を前記表示手段に表示するよう制御する
ことを特徴とする請求項1から3のいずれかの項に記載のPOSレジスタ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2011−227670(P2011−227670A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−96215(P2010−96215)
【出願日】平成22年4月19日(2010.4.19)
【出願人】(000145068)株式会社寺岡精工 (317)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年4月19日(2010.4.19)
【出願人】(000145068)株式会社寺岡精工 (317)
【Fターム(参考)】
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