RF−ID読み取り書き込み機能付きプリンタ
【課題】RF−IDタグへの書き込みエラーが発生した場合には、ラベル領域には無駄な印字が行われず、RF−IDタグへの書き込みエラーが発生したことを、確実にオペレータに知らせることができるRF−ID読み取り書き込み機能付きプリンタを提供する。
【解決手段】RF−IDタグが設けられたラベルが貼り付けられた用紙が供給されるプリンタにおいて、アンテナにより前記タグに対するデータの読み書きを行う読み書き手段と、この読み書き手段による前記タグへの読み書きの前に前記アンテナが前記タグに読み書きできる位置に用紙をフィードさせるフィード手段と、前記タグへの読み書きが終わった後に前記ラベルに前記データに関連する情報の印字を行う印字部と、前記読み書き手段による書き込みが正常である場合には前記印字部によるラベルへの印字を開始させ、前記読み書き手段による書き込みが失敗した場合には前記印字部によるラベルへの印字をさせずに前記書き込みエラーを報知させる手段とを具備したもの。
【解決手段】RF−IDタグが設けられたラベルが貼り付けられた用紙が供給されるプリンタにおいて、アンテナにより前記タグに対するデータの読み書きを行う読み書き手段と、この読み書き手段による前記タグへの読み書きの前に前記アンテナが前記タグに読み書きできる位置に用紙をフィードさせるフィード手段と、前記タグへの読み書きが終わった後に前記ラベルに前記データに関連する情報の印字を行う印字部と、前記読み書き手段による書き込みが正常である場合には前記印字部によるラベルへの印字を開始させ、前記読み書き手段による書き込みが失敗した場合には前記印字部によるラベルへの印字をさせずに前記書き込みエラーを報知させる手段とを具備したもの。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非接触で読み書き可能なRF−IDタグを埋め込んだラベルにユーザデータを書き込むと共に、印字を行うことができるRF−ID読み取り書き込み機能付きプリンタに関する。
【背景技術】
【0002】
図1の斜視図に示すようにRF−IDタグに読み込み及び書き込み可能なRF−ID読み込み/書き込みモジュールを組み込んだバーコードプリンタが考えられている。
【0003】
図1において、11は筐体である。この筐体11の背面には図2を参照して後述する連続用紙を供給する用紙供給部21が設けられ、筐体11の前面には印刷されたラベルが排出される取り出し口12が設けられている。
【0004】
また、この筐体11の前面には、操作部としてのスイッチ13及びそのスイッチ13の上側に複数のLED14が設けられている。
【0005】
図2は図1の筐体11の断面を模式的に示す図である。図2において、用紙供給部21から取り出し口12方向に向って用紙搬送路22が形成されている。この用紙搬送路22の取り出し口12の近傍で、しかも用紙搬送路22の下側にはプラテンローラ23が設けられている。このプラテンローラ23と向かい合う位置にサーマルヘッド24が設けられている。
【0006】
25はインクリボン26をサーマルヘッド24とプラテン23との間に供給する供給ローラであり、27はリボン供給ローラ25から供給されたインクリボンを巻き取る巻き取りローラである。ここで、用紙供給路21から用紙が用紙搬送路22に沿って取り出し口12方向に搬送される方向を搬送方向xとする。
【0007】
プラテン23より搬送方向xとは逆方向に少し戻った位置の用紙搬送路22の下側には、RF−ID読み込み/書き込みアンテナ31が固定されている。このRF−ID読み込み/書き込みアンテナ31は図1においては、破線で示しておく。さらに、RF−ID読み込み/書き込みアンテナ31での読み込み/書き込み処理を行う電装品が搭載されたRF−ID読み込み/書き込みモジュール32が筐体11内の破線で示した位置に配設されている。
【0008】
つまり、プラテン23及びRF−ID読み込み/書き込みアンテナ31周辺を上面から見た図は図13に示すようになる。
【0009】
また、用紙供給部21から供給される帯状の用紙41には、所定間隔で長方形状のラベル42が貼り付けられている。このラベル42の搬送方向Xの先端側には、図14(A)に示すようにRF−IDタグ43が埋設されている。以降、RF−IDタグ43が埋設されている搬送方向x方向の領域をタグ領域Aと呼び、ラベル42のRF−IDタグ43が埋め込まれていない領域をラベル領域Bと呼ぶ。RF−IFタグ43には、RF−ID読み込み/書き込みアンテナ31によりユーザデータの読み込み/書き込みが行われ、ラベル領域Bには、サーマルヘッド24によりバーコードや文字等が印刷される。
【0010】
なお、ラベル42上でのRF−IDタグ23の埋設位置は、図14(B)に示すようにラベル42の後端側であっても良い。図14(B)の場合には、搬送方向xの先端側に、ラベル領域Bが位置と、このラベル領域Bの後端側に、RF−IDタグ43が位置している。
【0011】
従って、図14(A)の配置を有するラベルでは、RF−IDタグ43が先にプラテン23に到達し、その後でラベル領域Bがプラテン23に到達する。また、図14(B)の配置を有するラベルでは、ラベル領域Bが先にプラテン23に到達し、その後にRF−IDタグ43がプラテン23に到達する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
ところで、図14(B)に示すように、RF−IDタグ43の埋設位置がラベル42の後端にある場合には、印字待機状態でのプラテン23、RF−ID読み込み/書き込みアンテナ31、RF−IDタグ43との位置関係は図15に示すようになる。
【0013】
つまり、印字待機状態では、RF−ID読み込み/書き込みアンテナ31とRF−IDタグ43とは離れた位置にある。
【0014】
従って、印字待機状態から、印字指令により印字が開始されると、まず、サーマルヘッド24によりラベル領域Bにバーコードや文字等の印字が行われ、用紙41が搬送方向xに搬送されて、RF−ID読み込み/書き込みアンテナ31の上にRF−IDタグ43が位置するようになると、RF−IDタグ43への読み込み/書き込みがRF−ID読み込み/書き込みアンテナ31により行われる。
【0015】
用紙41が搬送方向xに搬送されて、RF−ID読み込み/書き込みアンテナ31の上にRF−IDタグ43が位置するようになって、RF−IDタグ43への書き込みがRF−ID読み込み/書き込みアンテナ31により行われた結果、書き込みエラーが発生した場合には、ラベル領域Bには印字処理がなされてしまうため、この印字は無駄であるばかりでなく、RF−IDタグ43への書き込みエラーをオペレータに知らせることはできないという問題があった。
【0016】
本発明は上記の点に鑑みてなされたもので、その目的は、RF−IDタグへの書き込みエラーが発生した場合には、ラベル領域には無駄な印字が行われず、RF−IDタグへの書き込みエラーが発生したことを、確実にオペレータに知らせることができるRF−ID読み取り書き込み機能付きプリンタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明は、RF−IDタグが設けられたラベルが貼り付けられた用紙が供給されるプリンタにおいて、アンテナによりRF−IDタグに対するデータの読み書きを行う読み書き手段と、この読み書き手段によるRF−IDタグへの読み書きの前に前記アンテナが前記RF−IDタグに読み書きできる位置に用紙をフィードさせるフィード手段と、
前記読み書き手段によるRF−IDタグへの読み書きが終わった後に前記ラベルに前記データに関連する情報の印字を行う印字部と、前記読み書き手段による書き込みが正常である場合には前記データに関連する情報のラベルへの印字を開始させ、前記読み書き手段による書き込みが失敗した場合には前記データに関連する情報のラベルへの印字をさせずに前記書き込みエラーを報知させる手段とを具備したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、RF−IDタグへの書き込みエラーが発生した場合には、無駄な印字が行われず、RF−IDタグへの書き込みエラーが発生したことを、確実にオペレータに知らせることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、図面を参照して本発明の第1の実施の形態について説明する。なお、従来の技術で用いた図1及び図2についてはこの実施の形態と同じ構造を有するもので、その詳細な説明については省略する。
【0020】
図3に示すように、用紙搬送路22の下側には、搬送方向xに沿ってRF−ID読み込み/書き込みアンテナ31を装着するスロット51〜53を設けられている。図3は、プラテン23に最も近いスロット51にRF−ID読み込み/書き込みアンテナ31が装着された状態を示している。
【0021】
次に、図4を参照してRF−ID読み取り書き込み機能付きプリンタのシステム構成について説明する。図において、61は本プリンタを統括して制御するためのCPU(中央処理装置)である。このCPU61からのシステムバス61aには各種制御プログラムを記憶するROM(リード・オンリ・メモリ)62、各種作業エリアが設けられたRAM(ランダム・アクセス・メモリ)63、操作部13、サーマルヘッド24、RF−ID読み込み/書き込みアンテナ31での読み込み/書き込み動作を制御するRF−IDモジュール32、通信I/F(インタフェース)64、用紙41を搬送方向xにフィードあるいは搬送方向xとは逆方向にバックフィードさせる搬送モータ65が接続されている。この通信I/F64には、ホストコンピュータ71が接続されている。このホストコンピュータ71はプリンタに対してソフトウェアコマンドとしてRF−ID発行開始コマンドを送信する。このコマンドのパラメータにより、ラベル領域Bに印字を行う前にRF−IDタグ43にデータを書き込む(第1の書き込み手段)かラベル領域Bに印字している間にRF−IDタグ43への書き込み(第2の書き込み手段)も行なうかが選択可能である。なお、RF−IDモジュール32はこのRF−ID読み取り書き込み用アンテナ31からRF−IDタグ43にユーザデータを書き込む書き込み機能手段と、RF−IDタグ43に書き込まれているユーザデータを読み出す読み出し機能手段とを備えている。
【0022】
また、このコマンドとして、ラベル42上でのRF−IDタグ43の位置や大きさも指定することもできる。このコマンドを受信したプリンタは、ラベル42上でのRF−IDタグ43の位置や大きさによりラベル領域Bに印字を行う前にRF−IDタグ43にデータを書き込む(第1の書き込み手段)かラベル領域Bに印字している間にRF−IDタグ43への書き込み(第2の書き込み手段)を行なうか自動的に選択可能である。
【0023】
次に、図5のフローチャートを参照して本発明の第1の実施の形態の動作について説明する。図5のフローチャートの処理は、ホストコンピュータ71からRF−ID発行開始コマンドを受信すると、プリンタはラベル領域Bに印字を行う前にまずRF−IDタグ43にデータを書き込む。従って、予めラベル42上でのRF−IFタグ43の位置に合わせてRF−ID読み込み/書き込みアンテナ31をスロット51〜53に装着する。例えば、図14(A)に示すようなラベルの場合には、RF−ID読み込み/書き込みアンテナ31はプラテン23に最も近いスロット51に装着される。また、図14(B)に示すようなラベルの場合には、RF−ID読み込み/書き込みアンテナ31はプラテン23から最も遠いスロット53に装着される。
【0024】
このように、ラベル42上でのRF−IDタグ43の位置に応じて、RF−ID読み込み/書き込みアンテナ31を装着するスロットを選択できるようにしたので、RF−IDタグ43の下側にRF−ID読み込み/書き込みアンテナ31を配置されることができる。つまり、印字待機位置において、RF−IDタグ43をRF−ID読み込み/書き込みアンテナ31により読み込み/書き込み可能な圏内に入れておくことができる。
【0025】
以上のようにRF−ID読み込み/書き込みアンテナ31をスロット51〜53のいずれかに装着した後、プリンタがホストコンピュータ71から送信されたRF−ID発行開始コマンドを受信すると、まずRF−ID読み込み/書き込みアンテナ31からRF−IDタグ43にデータの書き込みが行われる(ステップS1)。このRF−ID読み込み/書き込みアンテナ31からRF−IDタグ43にデータの書き込みは、RF−IDモジュール32により制御される。
【0026】
次に、RF−IDタグ43へのデータの書き込みが成功したかが判定される(ステップS2)。この判定は、RF−IDタグ43からRF−ID読み込み/書き込みアンテナ31に返送されるリターンコードを判定することにより行われる。
【0027】
このステップS2の判定で「YES」と判定された場合には、サーマルヘッド24よりラベル領域Bにバーコードや文字等が印字される(ステップS3)。
【0028】
一方、ステップS2の判定で「NO」と判定された場合には、エラー処理がなされる(ステップS4)。このエラー処理としては、LED14を点灯させたり、あるいはブザーを鳴らすようにしても良い。
【0029】
このように第1の実施の形態によれば、ラベル領域Bに印字する前には、必ずRF−IDタグ43に正常にデータを書き込んでおくことができる。
【0030】
次に、本発明の第2の実施の形態の動作について図6のフローチャートを参照して説明する。この第2の実施の形態においても、第1の実施の形態と同様に、ラベル42上でのRF−IDタグ43の位置に応じて、RF−ID読み込み/書き込みアンテナ31を装着するスロットを選択して、印字待機位置において、RF−IDタグ43をRF−ID読み込み/書き込みアンテナ31により読み込み/書き込み可能な圏内に入れておくようにしておく。
【0031】
プリンタがホストコンピュータ71から送信されたRF−ID発行開始コマンドを受信すると、RF−ID読み込み/書き込みアンテナ31によりRF−IDタグ43に記憶されているRF−IDデータを読み込む処理がなされる(ステップS11)。そして、この読み込まれたRF−IDデータは、RF−IDモジュール32、通信I/F64を介してホストコンピュータ71に転送される(ステップS12)。ホストコンピュータ71は転送されてきたRF−IDデータを基にRF−IDタグ43への書き込みデータを作成し、プリンタに送信する。
【0032】
プリンタはRF−ID読み込み/書き込みアンテナ31によりRF−IDデータをRF−IDタグ43に書き込む処理を行う(ステップS13)。そして、このRF−IDタグ43に書き込み処理が成功したかが判定される(ステップS14)。
【0033】
このステップS14の判定で「YES」と判定された場合には、サーマルーッド24よりラベル領域Bにバーコードや文字等が印字される(ステップS15)。
【0034】
一方、ステップS14の判定で「NO」と判定された場合には、エラー処理がなされる(ステップS16)。このエラー処理としては、LED14を点灯させたり、あるいはブザーを鳴らすようにしても良い。
【0035】
このように第2の実施の形態によれば、ラベル領域Bに印字する前には、必ずRF−IDタグ43に正常にデータを書き込んでおくことができる。さらに、予めRF−IDタグ43に記憶されているRF−IDデータを基にRF−IDタグ43への書き込みデータを作成することができる。
【0036】
次に、本発明の第3の実施の形態について図7ないし図9を参照して説明する。前述した第1及び第2の実施の形態では、RF−ID読み込み/書き込みアンテナ31の装着位置は可変であったが、この第3の実施の形態では、図7に示すようにRF−ID読み込み/書き込みアンテナ31はプラテン23の直ぐ下流に装着されている。このようにRF−ID読み込み/書き込みアンテナ31が装着されており、図14(B)に示すようなラベル42への印字を行う場合の動作について図9のフローチャートを参照して説明する。
【0037】
プリンタがホストコンピュータ71から送信されたRF−ID発行開始コマンドを受信すると、図7の印字待機状態からすぐに、ラベル領域Bにサーマルヘッド24により印字を行う処理が開始される(ステップS21)。
【0038】
そして、RF−ID読み込み/書き込みアンテナ31からRF−IDタグ43への書き込みが済んでいるかが判定される(ステップS22)。このステップS22で「NO」と判定された場合には、RF−ID読み込み/書き込みアンテナ31からRF−IDタグ43へのデータの書き込みが行われる(ステップS23)。
【0039】
そして、RF−IDタグ43へのデータの書き込みが成功したかが判定される(ステップS24)。この判定はRF−IDタグ43からのリターンコードを判定することにより行われる。
【0040】
このステップS24の判定で「YES」と判定された場合には、書き込み成功フラグFに「1」がセットされる(ステップS25)。
【0041】
一方、ステップS24の判定で「NO」と判定された場合には、ラベル領域Bへの印字が終了したかが判定される(ステップS26)。
【0042】
このステップS26の判定で「NO」と判定された場合には、前述したステップS22以降の処理が行われる。つまり、RF−IDタグ43へのデータの書き込みが成功しているか否かに関わらず、印字が終了していなければ、ステップS22以降の処理が継続して行われる。
【0043】
そして、ステップS26の判定で「YES」、つまり印字が終了したと判定された場合には、書き込み成功フラグFが「1」であるかが判定される(ステップS27)。
【0044】
このステップS27の判定で「YES」と判定された場合には、ラベル発行処理は終了する。
【0045】
一方、ステップS27の判定で「NO」と判定された場合には、エラー処理がなされる(ステップS28)。このエラー処理としては、LED14を点灯させたり、あるいはブザーを鳴らすようにしても良い。
【0046】
つまり、ステップS27の判定で、RF−IDタグ43への書き込みエラーであることが判明した場合には、すでにラベル領域Bへの印字処理は終了しているので、LED14を点灯させたり、あるいはブザーを鳴らすようにしている。
【0047】
このように第3の実施の形態によれば、RF−ID発行開始コマンドを受信すると、まずラベル領域Bへの印字動作を開始させると共にRF−IDタグへの書き込み処理を行うことができる。
【0048】
次に、本発明の第4の実施の形態について図7,図8,図10を参照して説明する。前述した第1及び第2の実施の形態では、RF−ID読み込み/書き込みアンテナ31の装着位置は可変であったが、この第4の実施の形態では、図7に示すようにRF−ID読み込み/書き込みアンテナ31はプラテン23の直ぐ下流に装着されている。このようにRF−ID読み込み/書き込みアンテナ31が装着されており、図14(B)に示すようなラベル42への印字を行う場合の動作について図10のフローチャートを参照して説明する。
【0049】
図10のフローチャートは図9のフローチャートのステップS22とステップS23との間にステップS22aの判断ブロックを設けたことを特徴とする。つまり、この第4の実施の形態では、RF−IDタグ43がラベル42のどの位置にあるとというRF−IDタグ位置情報をRF−ID発行開始コマンドと共に受信している。従って、プリンタはその位置情報に応じてRF−IDタグへのデータの書き込み動作を開始する位置と書き込み動作を終了する位置を可変している(可変手段)。
【0050】
そして、RF−IDタグ43が図8に示す位置にくると、ステップS22aの判定で「YES」と判定されて、RF−IDタグ43へのデータの書き込みが行われる(ステップS23)。
【0051】
このように、本発明の第4の実施の形態によれば、RF−IDタグ43がラベル42のどの位置にあるかを情報として得ておくことにより、RF−IDタグ43がRF−ID読み込み/書き込みアンテナ31の位置にきて始めてRF−IDタグ43へのデータの書き込みを行うようにしたので、確実にRF−IDタグ43へのデータの書き込みを成功させることができる。
【0052】
ところで、前述した第1及び第2の実施の形態は、ラベル領域Bに印字を行う前にRF−IDタグ43にデータを書き込む(第1の書き込み手段)を備えているものであり、前述した第3及び第4の実施の形態は、ラベル領域Bに印字している間にRF−IDタグ43への書き込む(第2の書き込み手段)を備えている。プリンタはホストコンピュータ71からRF−ID発行開始コマンドを受信すると、そのコマンドにより指定されていれば、第1の書き込み手段あるいは第2の書き込み手段を選択するようにしても良い。
【0053】
さらに、そのコマンドと共に、ラベル42上でのRF−IDタグ43の位置や大きさが指定されている場合には、そのデータに応じて第1の書き込み手段あるいは第2の書き込み手段を自動的に選択するようにしても良い。
【0054】
次に、本発明の第5の実施の形態について図11のフローチャートを参照して説明する。この第5の実施の形態では、前述した第4の実施の形態と同じように、図7に示すようにRF−ID読み込み/書き込みアンテナ31はプラテン23の直ぐ下流に固定されている。このようにRF−ID読み込み/書き込みアンテナ31が装着されており、図14(B)に示すようなラベル42への印字を行う場合の動作について図11のフローチャートを参照して説明する。
【0055】
プリンタがホストコンピュータ71から送信されたRF−ID発行開始コマンドを受信すると、図7の印字待機状態からすぐに、ラベル領域Bにサーマルヘッド24により印字を行う処理が開始される(ステップS31)。次に、RF−IDタグ43への書き込み可能位置にきたかが判定される(ステップS32)。ここで、RF−IDタグ43がラベル42のどの位置にあるとというRF−IDタグ位置情報をRF−ID発行開始コマンドと共に受信している。従って、プリンタはその位置情報に応じてRF−IDタグへのデータの書き込み動作を開始する位置と書き込み動作を終了する位置かを設定している。書き込み可能位置とは、RF−IDタグへのデータの書き込み動作を開始する位置と書き込み動作を終了する位置との間にある位置をいう。このステップS32の判定で「YES」と判定された場合には、RF−ID読み込み/書き込みアンテナ31からRF−IDタグ43へのデータの書き込みが行われる(ステップS33)。
【0056】
そして、RF−IDタグ43へのデータの書き込みが成功したかが判定される(ステップS34)。この判定は、RF−IDタグ43からのリターンコードを判定することにより行われる。
【0057】
このステップS34の判定で「YES」と判定された場合には、印字が終了したか判定される(ステップS35)。このステップS35の判定で「YES」と判定された場合には、発行は終了される。
【0058】
ところで、ステップS34の判定で「NO」と判定された場合には、用紙41をバックフィードされる処理がなされる(ステップS36)。そして、ラベル領域Bを印字待機位置まで搬送モータ65によりバックフィードさせてから、ラベル領域Bにエラーパターンを印字する(ステップS37)。このエラーパターンとしてはラベル領域Bのすべてに「XXXX」を印字すること等がある。
【0059】
このように本発明の第5の実施の形態では、RF−ID読み込み/書き込みアンテナ31が固定されていても、RF−IDタグ43への書き込みが失敗した場合には、バックフィードさせることによりラベル領域Bにエラーパターンを印字させることができる。このようにRF−IDタグ43へのデータの書き込みが失敗した場合には、エラーパターンを印字させるようにしたので、オペレータはその旨を視認することができる。
【0060】
次に、本発明の第6の実施の形態について図12のフローチャートを参照して説明する。この第6の実施の形態も第5の実施の形態と同様に、図7に示すようにRF−ID読み込み/書き込みアンテナ31はプラテン23の直ぐ下流に固定されている。このようにRF−ID読み込み/書き込みアンテナ31が装着されており、図14(B)に示すようなラベル42への印字を行う場合の動作について図12のフローチャートを参照して説明する。
【0061】
プリンタがホストコンピュータ71から送信されたRF−ID発行開始コマンドを受信すると、ラベル42を搬送モータ65によりフィードする処理がなされる(ステップS41)。そして、次に、RF−IDタグ43への書き込み可能位置にきたかが判定される(ステップS42)。ここで、RF−IDタグ43がラベル42のどの位置にあるとというRF−IDタグ位置情報をRF−ID発行開始コマンドと共に受信している。従って、プリンタはその位置情報に応じてRF−IDタグへのデータの書き込み動作を開始する位置と書き込み動作を終了する位置かを設定している。書き込み可能位置とは、RF−IDタグへのデータの書き込み動作を開始する位置と書き込み動作を終了する位置との間にある位置をいう。このステップS42の判定で「YES」と判定された場合には、RF−ID読み込み/書き込みアンテナ31からRF−IDタグ43へのデータの書き込みが行われる(ステップS43)。
【0062】
そして、RF−IDタグ43へのデータの書き込みが成功したかが判定される(ステップS44)。この判定は、RF−IDタグ43からのリターンコードを判定することにより行われる。
【0063】
このステップS44の判定で「YES」と判定された場合には、ラベル42をバックフィードさせる(ステップS45)。つまり、ラベル領域Bを印字待機位置までバックフィードされる。そして、ラベル領域Bへのバーコード、文字等の印字を開始する(ステップS46)。
【0064】
そして、印字が終了したかが判定される(ステップS47)。この判定により印字が終了したと判定された場合には、ラベルの発行処理は終了される。
【0065】
ところで、ステップS44の判定で「NO」と判定された場合には、LED14を点灯させたり、あるいはブザーを鳴らすようにして、エラー処理を行っている(ステップS48)。
【0066】
このように第6の実施の形態によれば、まず、RF−IDタクグへのデータの書き込みを行い、このRF−IDタグへのデータの書き込みが成功したら、ラベル領域Bへの印字を行うようにしたので、RF−IDタグーのデータの書き込みエラーが発生した場合には、ラベル領域Bへの印字を行わなくてよいので、ラベルの節約を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明の一実施の形態に係わるRF−ID読み取り書き込み機能付きプリンタの斜視図。
【図2】同実施の形態に係わる要部の断面を示す模式図。
【図3】同実施の形態に係わるアンテナの取り付け位置を用紙の搬送方向に沿って可変可能な取り付け機構を示す図。
【図4】同RF−ID読み取り書き込み機能付きプリンタのシステム構成を示すブロック図。
【図5】本発明の第1の実施の形態の動作を説明するためのフローチャート。
【図6】本発明の第2の実施の形態の動作を説明するためのフローチャート。
【図7】プラテンとラベルとの位置関係を説明するための図。
【図8】プラテンとラベルとの位置関係を説明するための図。
【図9】本発明の第3の実施の形態の動作を説明するためのフローチャート。
【図10】本発明の第4の実施の形態の動作を説明するめためのフローチャート。
【図11】本発明の第5の実施の形態の動作を説明するためのフローチャート。
【図12】本発明は第6の実施の形態の動作を説明するためのフローチャート。
【図13】RF−ID読み込み/書き込みアンテナの位置関係を示す図。
【図14】ラベルとRF−IDタグの位置関係を説明するための図。
【図15】ラベルとRF−IDタグの位置関係を説明するための図。
【符号の説明】
【0068】
23…プラテンローラ、24…サーマルヘッド、31…RF−ID読み込み/書き込みアンテナ、
32…RF−ID読み込み/書き込みモジュール,41…用紙,42…ラベル、43…RF−IDタグ。
【技術分野】
【0001】
本発明は、非接触で読み書き可能なRF−IDタグを埋め込んだラベルにユーザデータを書き込むと共に、印字を行うことができるRF−ID読み取り書き込み機能付きプリンタに関する。
【背景技術】
【0002】
図1の斜視図に示すようにRF−IDタグに読み込み及び書き込み可能なRF−ID読み込み/書き込みモジュールを組み込んだバーコードプリンタが考えられている。
【0003】
図1において、11は筐体である。この筐体11の背面には図2を参照して後述する連続用紙を供給する用紙供給部21が設けられ、筐体11の前面には印刷されたラベルが排出される取り出し口12が設けられている。
【0004】
また、この筐体11の前面には、操作部としてのスイッチ13及びそのスイッチ13の上側に複数のLED14が設けられている。
【0005】
図2は図1の筐体11の断面を模式的に示す図である。図2において、用紙供給部21から取り出し口12方向に向って用紙搬送路22が形成されている。この用紙搬送路22の取り出し口12の近傍で、しかも用紙搬送路22の下側にはプラテンローラ23が設けられている。このプラテンローラ23と向かい合う位置にサーマルヘッド24が設けられている。
【0006】
25はインクリボン26をサーマルヘッド24とプラテン23との間に供給する供給ローラであり、27はリボン供給ローラ25から供給されたインクリボンを巻き取る巻き取りローラである。ここで、用紙供給路21から用紙が用紙搬送路22に沿って取り出し口12方向に搬送される方向を搬送方向xとする。
【0007】
プラテン23より搬送方向xとは逆方向に少し戻った位置の用紙搬送路22の下側には、RF−ID読み込み/書き込みアンテナ31が固定されている。このRF−ID読み込み/書き込みアンテナ31は図1においては、破線で示しておく。さらに、RF−ID読み込み/書き込みアンテナ31での読み込み/書き込み処理を行う電装品が搭載されたRF−ID読み込み/書き込みモジュール32が筐体11内の破線で示した位置に配設されている。
【0008】
つまり、プラテン23及びRF−ID読み込み/書き込みアンテナ31周辺を上面から見た図は図13に示すようになる。
【0009】
また、用紙供給部21から供給される帯状の用紙41には、所定間隔で長方形状のラベル42が貼り付けられている。このラベル42の搬送方向Xの先端側には、図14(A)に示すようにRF−IDタグ43が埋設されている。以降、RF−IDタグ43が埋設されている搬送方向x方向の領域をタグ領域Aと呼び、ラベル42のRF−IDタグ43が埋め込まれていない領域をラベル領域Bと呼ぶ。RF−IFタグ43には、RF−ID読み込み/書き込みアンテナ31によりユーザデータの読み込み/書き込みが行われ、ラベル領域Bには、サーマルヘッド24によりバーコードや文字等が印刷される。
【0010】
なお、ラベル42上でのRF−IDタグ23の埋設位置は、図14(B)に示すようにラベル42の後端側であっても良い。図14(B)の場合には、搬送方向xの先端側に、ラベル領域Bが位置と、このラベル領域Bの後端側に、RF−IDタグ43が位置している。
【0011】
従って、図14(A)の配置を有するラベルでは、RF−IDタグ43が先にプラテン23に到達し、その後でラベル領域Bがプラテン23に到達する。また、図14(B)の配置を有するラベルでは、ラベル領域Bが先にプラテン23に到達し、その後にRF−IDタグ43がプラテン23に到達する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
ところで、図14(B)に示すように、RF−IDタグ43の埋設位置がラベル42の後端にある場合には、印字待機状態でのプラテン23、RF−ID読み込み/書き込みアンテナ31、RF−IDタグ43との位置関係は図15に示すようになる。
【0013】
つまり、印字待機状態では、RF−ID読み込み/書き込みアンテナ31とRF−IDタグ43とは離れた位置にある。
【0014】
従って、印字待機状態から、印字指令により印字が開始されると、まず、サーマルヘッド24によりラベル領域Bにバーコードや文字等の印字が行われ、用紙41が搬送方向xに搬送されて、RF−ID読み込み/書き込みアンテナ31の上にRF−IDタグ43が位置するようになると、RF−IDタグ43への読み込み/書き込みがRF−ID読み込み/書き込みアンテナ31により行われる。
【0015】
用紙41が搬送方向xに搬送されて、RF−ID読み込み/書き込みアンテナ31の上にRF−IDタグ43が位置するようになって、RF−IDタグ43への書き込みがRF−ID読み込み/書き込みアンテナ31により行われた結果、書き込みエラーが発生した場合には、ラベル領域Bには印字処理がなされてしまうため、この印字は無駄であるばかりでなく、RF−IDタグ43への書き込みエラーをオペレータに知らせることはできないという問題があった。
【0016】
本発明は上記の点に鑑みてなされたもので、その目的は、RF−IDタグへの書き込みエラーが発生した場合には、ラベル領域には無駄な印字が行われず、RF−IDタグへの書き込みエラーが発生したことを、確実にオペレータに知らせることができるRF−ID読み取り書き込み機能付きプリンタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明は、RF−IDタグが設けられたラベルが貼り付けられた用紙が供給されるプリンタにおいて、アンテナによりRF−IDタグに対するデータの読み書きを行う読み書き手段と、この読み書き手段によるRF−IDタグへの読み書きの前に前記アンテナが前記RF−IDタグに読み書きできる位置に用紙をフィードさせるフィード手段と、
前記読み書き手段によるRF−IDタグへの読み書きが終わった後に前記ラベルに前記データに関連する情報の印字を行う印字部と、前記読み書き手段による書き込みが正常である場合には前記データに関連する情報のラベルへの印字を開始させ、前記読み書き手段による書き込みが失敗した場合には前記データに関連する情報のラベルへの印字をさせずに前記書き込みエラーを報知させる手段とを具備したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、RF−IDタグへの書き込みエラーが発生した場合には、無駄な印字が行われず、RF−IDタグへの書き込みエラーが発生したことを、確実にオペレータに知らせることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、図面を参照して本発明の第1の実施の形態について説明する。なお、従来の技術で用いた図1及び図2についてはこの実施の形態と同じ構造を有するもので、その詳細な説明については省略する。
【0020】
図3に示すように、用紙搬送路22の下側には、搬送方向xに沿ってRF−ID読み込み/書き込みアンテナ31を装着するスロット51〜53を設けられている。図3は、プラテン23に最も近いスロット51にRF−ID読み込み/書き込みアンテナ31が装着された状態を示している。
【0021】
次に、図4を参照してRF−ID読み取り書き込み機能付きプリンタのシステム構成について説明する。図において、61は本プリンタを統括して制御するためのCPU(中央処理装置)である。このCPU61からのシステムバス61aには各種制御プログラムを記憶するROM(リード・オンリ・メモリ)62、各種作業エリアが設けられたRAM(ランダム・アクセス・メモリ)63、操作部13、サーマルヘッド24、RF−ID読み込み/書き込みアンテナ31での読み込み/書き込み動作を制御するRF−IDモジュール32、通信I/F(インタフェース)64、用紙41を搬送方向xにフィードあるいは搬送方向xとは逆方向にバックフィードさせる搬送モータ65が接続されている。この通信I/F64には、ホストコンピュータ71が接続されている。このホストコンピュータ71はプリンタに対してソフトウェアコマンドとしてRF−ID発行開始コマンドを送信する。このコマンドのパラメータにより、ラベル領域Bに印字を行う前にRF−IDタグ43にデータを書き込む(第1の書き込み手段)かラベル領域Bに印字している間にRF−IDタグ43への書き込み(第2の書き込み手段)も行なうかが選択可能である。なお、RF−IDモジュール32はこのRF−ID読み取り書き込み用アンテナ31からRF−IDタグ43にユーザデータを書き込む書き込み機能手段と、RF−IDタグ43に書き込まれているユーザデータを読み出す読み出し機能手段とを備えている。
【0022】
また、このコマンドとして、ラベル42上でのRF−IDタグ43の位置や大きさも指定することもできる。このコマンドを受信したプリンタは、ラベル42上でのRF−IDタグ43の位置や大きさによりラベル領域Bに印字を行う前にRF−IDタグ43にデータを書き込む(第1の書き込み手段)かラベル領域Bに印字している間にRF−IDタグ43への書き込み(第2の書き込み手段)を行なうか自動的に選択可能である。
【0023】
次に、図5のフローチャートを参照して本発明の第1の実施の形態の動作について説明する。図5のフローチャートの処理は、ホストコンピュータ71からRF−ID発行開始コマンドを受信すると、プリンタはラベル領域Bに印字を行う前にまずRF−IDタグ43にデータを書き込む。従って、予めラベル42上でのRF−IFタグ43の位置に合わせてRF−ID読み込み/書き込みアンテナ31をスロット51〜53に装着する。例えば、図14(A)に示すようなラベルの場合には、RF−ID読み込み/書き込みアンテナ31はプラテン23に最も近いスロット51に装着される。また、図14(B)に示すようなラベルの場合には、RF−ID読み込み/書き込みアンテナ31はプラテン23から最も遠いスロット53に装着される。
【0024】
このように、ラベル42上でのRF−IDタグ43の位置に応じて、RF−ID読み込み/書き込みアンテナ31を装着するスロットを選択できるようにしたので、RF−IDタグ43の下側にRF−ID読み込み/書き込みアンテナ31を配置されることができる。つまり、印字待機位置において、RF−IDタグ43をRF−ID読み込み/書き込みアンテナ31により読み込み/書き込み可能な圏内に入れておくことができる。
【0025】
以上のようにRF−ID読み込み/書き込みアンテナ31をスロット51〜53のいずれかに装着した後、プリンタがホストコンピュータ71から送信されたRF−ID発行開始コマンドを受信すると、まずRF−ID読み込み/書き込みアンテナ31からRF−IDタグ43にデータの書き込みが行われる(ステップS1)。このRF−ID読み込み/書き込みアンテナ31からRF−IDタグ43にデータの書き込みは、RF−IDモジュール32により制御される。
【0026】
次に、RF−IDタグ43へのデータの書き込みが成功したかが判定される(ステップS2)。この判定は、RF−IDタグ43からRF−ID読み込み/書き込みアンテナ31に返送されるリターンコードを判定することにより行われる。
【0027】
このステップS2の判定で「YES」と判定された場合には、サーマルヘッド24よりラベル領域Bにバーコードや文字等が印字される(ステップS3)。
【0028】
一方、ステップS2の判定で「NO」と判定された場合には、エラー処理がなされる(ステップS4)。このエラー処理としては、LED14を点灯させたり、あるいはブザーを鳴らすようにしても良い。
【0029】
このように第1の実施の形態によれば、ラベル領域Bに印字する前には、必ずRF−IDタグ43に正常にデータを書き込んでおくことができる。
【0030】
次に、本発明の第2の実施の形態の動作について図6のフローチャートを参照して説明する。この第2の実施の形態においても、第1の実施の形態と同様に、ラベル42上でのRF−IDタグ43の位置に応じて、RF−ID読み込み/書き込みアンテナ31を装着するスロットを選択して、印字待機位置において、RF−IDタグ43をRF−ID読み込み/書き込みアンテナ31により読み込み/書き込み可能な圏内に入れておくようにしておく。
【0031】
プリンタがホストコンピュータ71から送信されたRF−ID発行開始コマンドを受信すると、RF−ID読み込み/書き込みアンテナ31によりRF−IDタグ43に記憶されているRF−IDデータを読み込む処理がなされる(ステップS11)。そして、この読み込まれたRF−IDデータは、RF−IDモジュール32、通信I/F64を介してホストコンピュータ71に転送される(ステップS12)。ホストコンピュータ71は転送されてきたRF−IDデータを基にRF−IDタグ43への書き込みデータを作成し、プリンタに送信する。
【0032】
プリンタはRF−ID読み込み/書き込みアンテナ31によりRF−IDデータをRF−IDタグ43に書き込む処理を行う(ステップS13)。そして、このRF−IDタグ43に書き込み処理が成功したかが判定される(ステップS14)。
【0033】
このステップS14の判定で「YES」と判定された場合には、サーマルーッド24よりラベル領域Bにバーコードや文字等が印字される(ステップS15)。
【0034】
一方、ステップS14の判定で「NO」と判定された場合には、エラー処理がなされる(ステップS16)。このエラー処理としては、LED14を点灯させたり、あるいはブザーを鳴らすようにしても良い。
【0035】
このように第2の実施の形態によれば、ラベル領域Bに印字する前には、必ずRF−IDタグ43に正常にデータを書き込んでおくことができる。さらに、予めRF−IDタグ43に記憶されているRF−IDデータを基にRF−IDタグ43への書き込みデータを作成することができる。
【0036】
次に、本発明の第3の実施の形態について図7ないし図9を参照して説明する。前述した第1及び第2の実施の形態では、RF−ID読み込み/書き込みアンテナ31の装着位置は可変であったが、この第3の実施の形態では、図7に示すようにRF−ID読み込み/書き込みアンテナ31はプラテン23の直ぐ下流に装着されている。このようにRF−ID読み込み/書き込みアンテナ31が装着されており、図14(B)に示すようなラベル42への印字を行う場合の動作について図9のフローチャートを参照して説明する。
【0037】
プリンタがホストコンピュータ71から送信されたRF−ID発行開始コマンドを受信すると、図7の印字待機状態からすぐに、ラベル領域Bにサーマルヘッド24により印字を行う処理が開始される(ステップS21)。
【0038】
そして、RF−ID読み込み/書き込みアンテナ31からRF−IDタグ43への書き込みが済んでいるかが判定される(ステップS22)。このステップS22で「NO」と判定された場合には、RF−ID読み込み/書き込みアンテナ31からRF−IDタグ43へのデータの書き込みが行われる(ステップS23)。
【0039】
そして、RF−IDタグ43へのデータの書き込みが成功したかが判定される(ステップS24)。この判定はRF−IDタグ43からのリターンコードを判定することにより行われる。
【0040】
このステップS24の判定で「YES」と判定された場合には、書き込み成功フラグFに「1」がセットされる(ステップS25)。
【0041】
一方、ステップS24の判定で「NO」と判定された場合には、ラベル領域Bへの印字が終了したかが判定される(ステップS26)。
【0042】
このステップS26の判定で「NO」と判定された場合には、前述したステップS22以降の処理が行われる。つまり、RF−IDタグ43へのデータの書き込みが成功しているか否かに関わらず、印字が終了していなければ、ステップS22以降の処理が継続して行われる。
【0043】
そして、ステップS26の判定で「YES」、つまり印字が終了したと判定された場合には、書き込み成功フラグFが「1」であるかが判定される(ステップS27)。
【0044】
このステップS27の判定で「YES」と判定された場合には、ラベル発行処理は終了する。
【0045】
一方、ステップS27の判定で「NO」と判定された場合には、エラー処理がなされる(ステップS28)。このエラー処理としては、LED14を点灯させたり、あるいはブザーを鳴らすようにしても良い。
【0046】
つまり、ステップS27の判定で、RF−IDタグ43への書き込みエラーであることが判明した場合には、すでにラベル領域Bへの印字処理は終了しているので、LED14を点灯させたり、あるいはブザーを鳴らすようにしている。
【0047】
このように第3の実施の形態によれば、RF−ID発行開始コマンドを受信すると、まずラベル領域Bへの印字動作を開始させると共にRF−IDタグへの書き込み処理を行うことができる。
【0048】
次に、本発明の第4の実施の形態について図7,図8,図10を参照して説明する。前述した第1及び第2の実施の形態では、RF−ID読み込み/書き込みアンテナ31の装着位置は可変であったが、この第4の実施の形態では、図7に示すようにRF−ID読み込み/書き込みアンテナ31はプラテン23の直ぐ下流に装着されている。このようにRF−ID読み込み/書き込みアンテナ31が装着されており、図14(B)に示すようなラベル42への印字を行う場合の動作について図10のフローチャートを参照して説明する。
【0049】
図10のフローチャートは図9のフローチャートのステップS22とステップS23との間にステップS22aの判断ブロックを設けたことを特徴とする。つまり、この第4の実施の形態では、RF−IDタグ43がラベル42のどの位置にあるとというRF−IDタグ位置情報をRF−ID発行開始コマンドと共に受信している。従って、プリンタはその位置情報に応じてRF−IDタグへのデータの書き込み動作を開始する位置と書き込み動作を終了する位置を可変している(可変手段)。
【0050】
そして、RF−IDタグ43が図8に示す位置にくると、ステップS22aの判定で「YES」と判定されて、RF−IDタグ43へのデータの書き込みが行われる(ステップS23)。
【0051】
このように、本発明の第4の実施の形態によれば、RF−IDタグ43がラベル42のどの位置にあるかを情報として得ておくことにより、RF−IDタグ43がRF−ID読み込み/書き込みアンテナ31の位置にきて始めてRF−IDタグ43へのデータの書き込みを行うようにしたので、確実にRF−IDタグ43へのデータの書き込みを成功させることができる。
【0052】
ところで、前述した第1及び第2の実施の形態は、ラベル領域Bに印字を行う前にRF−IDタグ43にデータを書き込む(第1の書き込み手段)を備えているものであり、前述した第3及び第4の実施の形態は、ラベル領域Bに印字している間にRF−IDタグ43への書き込む(第2の書き込み手段)を備えている。プリンタはホストコンピュータ71からRF−ID発行開始コマンドを受信すると、そのコマンドにより指定されていれば、第1の書き込み手段あるいは第2の書き込み手段を選択するようにしても良い。
【0053】
さらに、そのコマンドと共に、ラベル42上でのRF−IDタグ43の位置や大きさが指定されている場合には、そのデータに応じて第1の書き込み手段あるいは第2の書き込み手段を自動的に選択するようにしても良い。
【0054】
次に、本発明の第5の実施の形態について図11のフローチャートを参照して説明する。この第5の実施の形態では、前述した第4の実施の形態と同じように、図7に示すようにRF−ID読み込み/書き込みアンテナ31はプラテン23の直ぐ下流に固定されている。このようにRF−ID読み込み/書き込みアンテナ31が装着されており、図14(B)に示すようなラベル42への印字を行う場合の動作について図11のフローチャートを参照して説明する。
【0055】
プリンタがホストコンピュータ71から送信されたRF−ID発行開始コマンドを受信すると、図7の印字待機状態からすぐに、ラベル領域Bにサーマルヘッド24により印字を行う処理が開始される(ステップS31)。次に、RF−IDタグ43への書き込み可能位置にきたかが判定される(ステップS32)。ここで、RF−IDタグ43がラベル42のどの位置にあるとというRF−IDタグ位置情報をRF−ID発行開始コマンドと共に受信している。従って、プリンタはその位置情報に応じてRF−IDタグへのデータの書き込み動作を開始する位置と書き込み動作を終了する位置かを設定している。書き込み可能位置とは、RF−IDタグへのデータの書き込み動作を開始する位置と書き込み動作を終了する位置との間にある位置をいう。このステップS32の判定で「YES」と判定された場合には、RF−ID読み込み/書き込みアンテナ31からRF−IDタグ43へのデータの書き込みが行われる(ステップS33)。
【0056】
そして、RF−IDタグ43へのデータの書き込みが成功したかが判定される(ステップS34)。この判定は、RF−IDタグ43からのリターンコードを判定することにより行われる。
【0057】
このステップS34の判定で「YES」と判定された場合には、印字が終了したか判定される(ステップS35)。このステップS35の判定で「YES」と判定された場合には、発行は終了される。
【0058】
ところで、ステップS34の判定で「NO」と判定された場合には、用紙41をバックフィードされる処理がなされる(ステップS36)。そして、ラベル領域Bを印字待機位置まで搬送モータ65によりバックフィードさせてから、ラベル領域Bにエラーパターンを印字する(ステップS37)。このエラーパターンとしてはラベル領域Bのすべてに「XXXX」を印字すること等がある。
【0059】
このように本発明の第5の実施の形態では、RF−ID読み込み/書き込みアンテナ31が固定されていても、RF−IDタグ43への書き込みが失敗した場合には、バックフィードさせることによりラベル領域Bにエラーパターンを印字させることができる。このようにRF−IDタグ43へのデータの書き込みが失敗した場合には、エラーパターンを印字させるようにしたので、オペレータはその旨を視認することができる。
【0060】
次に、本発明の第6の実施の形態について図12のフローチャートを参照して説明する。この第6の実施の形態も第5の実施の形態と同様に、図7に示すようにRF−ID読み込み/書き込みアンテナ31はプラテン23の直ぐ下流に固定されている。このようにRF−ID読み込み/書き込みアンテナ31が装着されており、図14(B)に示すようなラベル42への印字を行う場合の動作について図12のフローチャートを参照して説明する。
【0061】
プリンタがホストコンピュータ71から送信されたRF−ID発行開始コマンドを受信すると、ラベル42を搬送モータ65によりフィードする処理がなされる(ステップS41)。そして、次に、RF−IDタグ43への書き込み可能位置にきたかが判定される(ステップS42)。ここで、RF−IDタグ43がラベル42のどの位置にあるとというRF−IDタグ位置情報をRF−ID発行開始コマンドと共に受信している。従って、プリンタはその位置情報に応じてRF−IDタグへのデータの書き込み動作を開始する位置と書き込み動作を終了する位置かを設定している。書き込み可能位置とは、RF−IDタグへのデータの書き込み動作を開始する位置と書き込み動作を終了する位置との間にある位置をいう。このステップS42の判定で「YES」と判定された場合には、RF−ID読み込み/書き込みアンテナ31からRF−IDタグ43へのデータの書き込みが行われる(ステップS43)。
【0062】
そして、RF−IDタグ43へのデータの書き込みが成功したかが判定される(ステップS44)。この判定は、RF−IDタグ43からのリターンコードを判定することにより行われる。
【0063】
このステップS44の判定で「YES」と判定された場合には、ラベル42をバックフィードさせる(ステップS45)。つまり、ラベル領域Bを印字待機位置までバックフィードされる。そして、ラベル領域Bへのバーコード、文字等の印字を開始する(ステップS46)。
【0064】
そして、印字が終了したかが判定される(ステップS47)。この判定により印字が終了したと判定された場合には、ラベルの発行処理は終了される。
【0065】
ところで、ステップS44の判定で「NO」と判定された場合には、LED14を点灯させたり、あるいはブザーを鳴らすようにして、エラー処理を行っている(ステップS48)。
【0066】
このように第6の実施の形態によれば、まず、RF−IDタクグへのデータの書き込みを行い、このRF−IDタグへのデータの書き込みが成功したら、ラベル領域Bへの印字を行うようにしたので、RF−IDタグーのデータの書き込みエラーが発生した場合には、ラベル領域Bへの印字を行わなくてよいので、ラベルの節約を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明の一実施の形態に係わるRF−ID読み取り書き込み機能付きプリンタの斜視図。
【図2】同実施の形態に係わる要部の断面を示す模式図。
【図3】同実施の形態に係わるアンテナの取り付け位置を用紙の搬送方向に沿って可変可能な取り付け機構を示す図。
【図4】同RF−ID読み取り書き込み機能付きプリンタのシステム構成を示すブロック図。
【図5】本発明の第1の実施の形態の動作を説明するためのフローチャート。
【図6】本発明の第2の実施の形態の動作を説明するためのフローチャート。
【図7】プラテンとラベルとの位置関係を説明するための図。
【図8】プラテンとラベルとの位置関係を説明するための図。
【図9】本発明の第3の実施の形態の動作を説明するためのフローチャート。
【図10】本発明の第4の実施の形態の動作を説明するめためのフローチャート。
【図11】本発明の第5の実施の形態の動作を説明するためのフローチャート。
【図12】本発明は第6の実施の形態の動作を説明するためのフローチャート。
【図13】RF−ID読み込み/書き込みアンテナの位置関係を示す図。
【図14】ラベルとRF−IDタグの位置関係を説明するための図。
【図15】ラベルとRF−IDタグの位置関係を説明するための図。
【符号の説明】
【0068】
23…プラテンローラ、24…サーマルヘッド、31…RF−ID読み込み/書き込みアンテナ、
32…RF−ID読み込み/書き込みモジュール,41…用紙,42…ラベル、43…RF−IDタグ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
RF−IDタグが設けられたラベルが貼り付けられた用紙が供給されるプリンタにおいて、
アンテナによりRF−IDタグに対するデータの読み書きを行う読み書き手段と、
この読み書き手段によるRF−IDタグへの読み書きの前に前記アンテナが前記RF−IDタグに読み書きできる位置に用紙をフィードさせるフィード手段と、
前記読み書き手段によるRF−IDタグへの読み書きが終わった後に前記ラベルに前記データに関連する情報の印字を行う印字部と、
前記読み書き手段による書き込みが正常である場合には前記データに関連する情報のラベルへの印字を開始させ、前記読み書き手段による書き込みが失敗した場合には前記データに関連する情報のラベルへの印字をさせずに前記書き込みエラーを報知させる手段とを具備したことを特徴とするRF−ID読み取り書き込み機能付きプリンタ。
【請求項1】
RF−IDタグが設けられたラベルが貼り付けられた用紙が供給されるプリンタにおいて、
アンテナによりRF−IDタグに対するデータの読み書きを行う読み書き手段と、
この読み書き手段によるRF−IDタグへの読み書きの前に前記アンテナが前記RF−IDタグに読み書きできる位置に用紙をフィードさせるフィード手段と、
前記読み書き手段によるRF−IDタグへの読み書きが終わった後に前記ラベルに前記データに関連する情報の印字を行う印字部と、
前記読み書き手段による書き込みが正常である場合には前記データに関連する情報のラベルへの印字を開始させ、前記読み書き手段による書き込みが失敗した場合には前記データに関連する情報のラベルへの印字をさせずに前記書き込みエラーを報知させる手段とを具備したことを特徴とするRF−ID読み取り書き込み機能付きプリンタ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2007−313901(P2007−313901A)
【公開日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−196463(P2007−196463)
【出願日】平成19年7月27日(2007.7.27)
【分割の表示】特願2005−314613(P2005−314613)の分割
【原出願日】平成12年6月21日(2000.6.21)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年7月27日(2007.7.27)
【分割の表示】特願2005−314613(P2005−314613)の分割
【原出願日】平成12年6月21日(2000.6.21)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】
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