ＲＦＩＤシステムの送信漏洩信号除去装置、ＲＦＩＤシステム
【課題】ＲＦＩＤタグを読み取る機能と送信漏洩信号を除去するための漏洩信号相殺部の調整機能を互いに独立して行うＲＦＩＤシステムの送信漏洩信号除去装置を提供する。
【解決手段】本発明のＲＦＩＤシステムの送信漏洩信号除去装置は、ＲＦＩＤタグに送信信号を送出し、前記ＲＦＩＤタグから送信された受信信号を受信して、タグ情報を読み取るリーダ制御部を含むＲＦＩＤシステムの送信漏洩信号除去装置において、前記送信信号の一部と前記受信信号を受信して、前記送信信号の一部と送信漏洩信号を除去するための調整値に応じて相殺信号を生成して、前記受信信号に含まれている送信漏洩信号を除去する調整作業を行う漏洩信号相殺部、及び、前記受信信号の強度に基づいて、前記ＲＦＩＤタグが取り付けられているＲＦ環境に変化があるか否かを継続的に判断し、前記ＲＦ環境の変化に応じて、前記漏洩信号相殺部の動作を制御するコントローラ部を含む。
【解決手段】本発明のＲＦＩＤシステムの送信漏洩信号除去装置は、ＲＦＩＤタグに送信信号を送出し、前記ＲＦＩＤタグから送信された受信信号を受信して、タグ情報を読み取るリーダ制御部を含むＲＦＩＤシステムの送信漏洩信号除去装置において、前記送信信号の一部と前記受信信号を受信して、前記送信信号の一部と送信漏洩信号を除去するための調整値に応じて相殺信号を生成して、前記受信信号に含まれている送信漏洩信号を除去する調整作業を行う漏洩信号相殺部、及び、前記受信信号の強度に基づいて、前記ＲＦＩＤタグが取り付けられているＲＦ環境に変化があるか否かを継続的に判断し、前記ＲＦ環境の変化に応じて、前記漏洩信号相殺部の動作を制御するコントローラ部を含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、無線周波数識別（Ｒａｄｉｏ Ｆｒｅｑｕｅｎｃｙ Ｉｄｅｎｔｉｆｉｃａｔｉｏｎ：以下、「ＲＦＩＤ」という）システムにおいて、受信信号に含まれている送信漏洩信号を除去するＲＦＩＤシステムの送信漏洩信号除去装置及びこれを含むＲＦＩＤシステムに関するものである。
【背景技術】
【０００２】
一般に、ＲＦＩＤシステムは、決済管理、文書管理、物流管理、身元確認、及び無線認証などのように、様々な情報を送受信するシステムにおいて広く活用されており、タグ情報が記録されている複数のタグ（ｔａｇ）及びタグが有するタグ情報を読み取るリーダ（ｒｅａｄｅｒ）を含む。
【０００３】
このようなＲＦＩＤシステムにおいて、同一の無線周波数フィールド内に存在する複数のタグ（ｔａｇ）がリーダ（ｒｅａｄｅｒ）によって活性化されると、各タグでは、自分のタグ情報をリーダに送信することにより、複数のタグ情報間に衝突（ｃｏｌｌｉｓｉｏｎ）を引き起こすことになる。
【０００４】
したがって、前述の問題点を解決するために、リーダでは、各タグでタグ情報を送出できる時間である衝突防止（ａｎｔｉ−ｃｏｌｌｉｓｉｏｎ）期間を周期的に転送して、複数のタグ情報間に発生する衝突を防止している。
【０００５】
一方、無線信号の送信と受信が共に行われるＲＦＩＤシステムでは、送信信号と受信信号を隔離するために、アイソレータ（ｉｓｏｌａｔｏｒ）などのような別途の隔離装置を用いる。
ところが、リーダでは、送信信号の送出及び受信信号の受信が行われている間、送信信号の一部が漏れて受信信号に混入される問題により、受信信号を正常に受けることができない現象が発生するため、このような送信漏洩信号を相殺するために、別途の漏洩信号相殺機（Ｌｅａｋａｇｅ Ｃａｎｃｅｌｌｅｒ）を備えて、相殺信号を生成する調整作業を行っている。
【０００６】
しかし、タグが取り付けられているＲＦ環境が変化する場合、ＲＦ環境に応じて変化する送信漏洩信号を相殺するために漏洩信号相殺機の調整条件を変更する必要があるが、従来のＲＦＩＤシステムにおけるリーダを制御するリーダ制御部は、衝突防止期間にタグの読み取りのみに集中するため、ＲＦ環境の変化に応じて調整条件を変更することができない問題が発生する。
【０００７】
また、従来のリーダ制御部は、衝突防止期間に新たなＲＦ環境に合わせて送信漏洩相殺機の調整条件を変更することが不可能でため、タグ情報を正確に読み取ることができず、市場のニーズに適切に対応できない問題が発生する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００８】
本発明は、上記の従来技術の問題点を解決するためのものであり、本発明は、ＲＦＩＤタグを読み取る機能と送信漏洩信号を除去するための漏洩信号相殺部の調整機能を互いに独立して行うＲＦＩＤシステムの送信漏洩信号除去装置を提供することに目的がある。
【０００９】
また、本発明は、衝突防止（ａｎｔｉ−ｃｏｌｌｉｓｉｏｎ）期間にも、ＲＦ環境の変化に応じて漏洩信号相殺機を再調整して、送信漏洩信号を除去することができるＲＦＩＤシステムの送信漏洩信号除去装置を提供することに他の目的がある。
【課題を解決するための手段】
【００１０】
本発明に係る一実施例である、ＲＦＩＤタグに送信信号を送出し、前記ＲＦＩＤタグから送信された受信信号を受信して、タグ情報を読み取るリーダ制御部を含むＲＦＩＤシステムの送信漏洩信号除去装置は、前記送信信号の一部及び前記受信信号を受信し、前記送信信号の一部と送信漏洩信号を除去するための調整値に応じて相殺信号を生成して、前記受信信号に含まれている送信漏洩信号を除去する調整作業を行う漏洩信号相殺部、及び、前記受信信号の強度に基づいて、前記ＲＦＩＤタグが取り付けられているＲＦ環境に変化があるか否かを継続的に判断し、前記ＲＦ環境の変化に応じて、前記漏洩信号相殺部の動作を制御するコントローラ部を含む。
【００１１】
本発明に係る一実施例の一態様によると、前記コントローラ部は、継続的に前記受信信号の強度を基準値と比較して、前記受信信号の強度が基準値以上であると、前記ＲＦ環境に変化があると判断する。
【００１２】
本発明に係る一実施例の一態様によると、前記コントローラ部は、前記ＲＦ環境に変化があると判断される場合、前記受信信号の強度が基準値未満になるようにする調整値を検出して、前記漏洩信号相殺部に伝達し、前記漏洩信号相殺部は、前記伝達された調整値に応じて相殺信号を生成して、前記受信信号に含まれている送信漏洩信号を除去する調整作業を行う。
【００１３】
本発明に係る一実施例の一態様によると、前記相殺信号は、前記送信漏洩信号と大きさが同一であり、位相が反対である。
【００１４】
本発明に係る一実施例の一態様によると、前記コントローラ部は、前記リーダ制御部が所定の周期に応じて設定した前記衝突防止（ａｎｔｉ−ｃｏｌｌｉｓｉｏｎ）期間の間にも、前記ＲＦＩＤタグが取り付けられているＲＦ環境に変化があるか否かを継続的に判断する。
【００１５】
本発明に係る一実施例の一態様によると、前記送信信号の一部を分岐し、分岐信号を出力する分岐信号出力部をさらに含む。
【００１６】
本発明に係る一実施例の一態様によると、前記漏洩信号相殺部は、前記調整値に応じて生成信号を生成して、前記受信信号に含まれている送信漏洩信号を相殺する調整作業を行う第１の漏洩信号相殺部と、前記調整値に応じて生成信号を生成して、前記受信信号に含まれている送信漏洩信号を相殺する調整作業を行った後、前記受信信号を前記コントローラ部に出力する第２の漏洩信号相殺部とを含む。
【００１７】
本発明に係る一実施例の一態様によると、前記コントローラ部は、前記第２の漏洩信号相殺部から入力される前記受信信号の強度が基準値以上であるか否かを判断し、前記受信信号の強度が基準値以上であると、前記調整値を再検出して、前記第２の漏洩信号相殺部に適用し、前記受信信号の強度が基準値未満になるまで、前記判断及び前記適用の処理を繰り返し行い、前記受信信号の強度が基準値未満になると、これに相応する調整値を前記第１の漏洩信号相殺部に適用する。
【００１８】
本発明に係る一実施例の一態様によると、前記コントローラ部は、前記リーダ制御部から入力されるオン制御信号またはオフ制御信号に応じて、前記漏洩信号相殺部の動作時期を制御する。
【００１９】
本発明に係る一実施例の一態様によると、前記コントローラ部は、前記リーダ制御部からオン制御信号が入力されると、前記ＲＦＩＤタグが取り付けられているＲＦ環境に変化があるか否かを確認し、ＲＦ環境の変化に応じて、前記漏洩信号を相殺部の動作を制御する。
【００２０】
本発明に係る他の実施例であるＲＦＩＤタグに送信信号を送出し、前記ＲＦＩＤタグから送信された受信信号を受信して、タグ情報を読み取るリーダ制御部と、前記受信信号に混入される送信漏洩信号を除去する送信漏洩信号除去モジュールとを含むＲＦＩＤシステムにおいて、前記送信漏洩信号除去モジュールは、前記送信信号の一部と前記受信信号を受信し、前記送信信号の一部と送信漏洩信号を除去するための調整値に応じて相殺信号を生成して、前記受信信号に含まれている送信漏洩信号を除去する調整作業を行う漏洩信号相殺部と、前記受信信号の強度に基づいて、前記ＲＦＩＤタグが取り付けられているＲＦ環境に変化があるか否かを継続的に判断し、前記ＲＦ環境の変化に応じて、前記漏洩信号相殺部の動作を制御するコントローラ部とを含む。
【００２１】
本発明に係る他の実施例の一態様によると、前記コントローラ部は、継続的に前記受信信号の強度を基準値と比較して、前記受信信号の強度が基準値以上であると、前記ＲＦ環境に変化があると判断する。
【００２２】
本発明に係る他の実施例の一態様によると、前記コントローラ部は、前記ＲＦ環境に変化があると判断される場合、前記受信信号の強度が基準値未満になるようにする調整値を検出して、前記漏洩信号相殺部に伝達し、前記漏洩信号相殺部は、前記伝達された調整値に応じて相殺信号を生成して、前記受信信号に含まれている送信漏洩信号を除去する調整作業を行う。
【００２３】
本発明に係る他の実施例の一態様によると、前記コントローラ部は、前記リーダ制御部が所定の周期に応じて設定した前記衝突防止（ａｎｔｉ−ｃｏｌｌｉｓｉｏｎ）期間の間にも、前記ＲＦＩＤタグが取り付けられているＲＦ環境に変化があるか否かを継続的に判断する。
【００２４】
本発明に係る他の実施例の一態様によると、前記送信信号の一部を分岐して分岐信号を出力する信号分岐部をさらに含む。
【００２５】
本発明に係る他の実施例の一態様によると、前記漏洩信号相殺部は、前記調整値に応じて生成信号を生成して、前記受信信号に含まれている送信漏洩信号を相殺する調整作業を行う第１の漏洩信号相殺部と、前記調整値に応じて生成信号を生成して、前記受信信号に含まれている送信漏洩信号を相殺する調整作業を行った後、前記受信信号を前記コントローラ部に出力する第２の漏洩信号相殺部とを含む。
【００２６】
本発明に係る他の実施例の一態様によると、前記コントローラ部は、前記第２の漏洩信号相殺部から入力される前記受信信号の強度が基準値以上であるか否かを判断し、前記受信信号の強度が基準値以上であると、前記調整値を再検出して前記第２の漏洩信号相殺部に適用し、前記受信信号の強度が基準値未満になるまで、前記判断及び前記適用の処理を繰り返し行い、前記受信信号の強度が基準値未満になると、これに相応する調整値を前記第１の漏洩信号相殺部に適用する。
【００２７】
本発明に係る他の実施例の一態様によると、前記コントローラ部は、前記リーダ制御部から入力されるオン制御信号またはオフ制御信号に応じて、前記漏洩信号相殺部の動作時期を制御する。
【００２８】
本発明に係る他の実施例の一態様によると、前記コントローラ部は、前記リーダ制御部からオン制御信号が入力されると、前記ＲＦＩＤタグが取り付けられているＲＦ環境に変化があるか否かを確認し、ＲＦ環境の変化に応じて前記漏洩信号相殺部の動作を制御する。
【発明の効果】
【００２９】
上述のように、本発明の一実施例によるＲＦＩＤシステムの送信漏洩信号除去装置よると、ＲＦＩＤシステムにおいて送信と受信が共に行われるとき、受信信号に含まれている送信信号の漏洩信号をより効率的に除去して、受信信号の受信感度を向上させることができ、より精密なタグの読み取りが可能な長所がある。
【００３０】
また、ＲＦＩＤシステムにおいて、タグを読み取る機能と送信漏洩信号を除去する機能を互いに独立して行うことにより、これらの機能に対する信頼性を向上させることができる。
【００３１】
つまり、リーダを制御するリーダ制御部は、タグを読み取る機能だけを専担するため、低価のＣＰＵを用いることができ、これにより、コスト面での製品の競争力を向上させることができる。
【００３２】
その上、ＲＦＩＤシステムにおいて、衝突防止（ａｎｔｉ−ｃｏｌｌｉｓｉｏｎ）期間にも、ＲＦ環境の変化に応じて漏洩信号相殺機を再調整して、送信漏洩信号を効率的に除去することができる長所がある。
【図面の簡単な説明】
【００３３】
【図１】本発明の第１の実施例によるＲＦＩＤシステムの送信漏洩信号除去装置の構成図である。
【図２】本発明の第２の実施例によるＲＦＩＤシステムの送信漏洩信号除去装置の構成図である。
【図３】本発明の第３の実施例によるＲＦＩＤシステムの送信漏洩信号除去装置の構成図である。
【図４】本発明の第４の実施例によるＲＦＩＤシステムの送信漏洩信号除去装置の構成図である。
【図５】本発明の一実施例によるＲＦＩＤシステムにおいて漏洩信号の除去を説明するためのタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【００３４】
以下で、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施例について説明する。また、本発明を説明するにおいて、関連する公知の機能または構成に対する具体的な説明が本発明の要旨を不要に不明にする可能性があると判断される場合には、その詳細な説明を省略する。
【００３５】
図１は、本発明の第１の実施例によるＲＦＩＤシステムの送信漏洩信号除去装置の構成図である。
【００３６】
図１に示すように、ＲＦＩＤシステム１の送信漏洩信号除去装置１００は、リーダ制御部１１０、信号分岐部１２０、漏洩信号相殺部１３０、及びコントローラ部１４０を含んで構成される。
【００３７】
ＲＦＩＤシステム１は、大いに、ＲＦＩＤリーダ（ｒｅａｄｅｒ）３とＲＦＩＤタグ（ｔａｇ）５とから構成される。ＲＦＩＤリーダ３は、送信漏洩信号除去装置１００を含み、ＲＦＩＤタグ５と無線（ＲＦ）信号を送受信して、ＲＦＩＤタグ５に格納されたタグ情報を識別する。
【００３８】
このために、ＲＦＩＤリーダ３は、送信信号（Ｓ１）を出力して、ＲＦＩＤタグ５に送出し、ＲＦＩＤタグ５から送出された受信信号（Ｓ２）を受信して、ＲＦＩＤタグ５のタグ情報を読み取る。
【００３９】
リーダ制御部（ＣＰＵ）１１０は、ＲＦＩＤリーダ３を全般的に制御するマイクロコンピュータであって、ＲＦＩＤタグ５に送出する送信信号（Ｓ１）を出力する。このような送信信号（Ｓ１）は、送信アンプ１０によって増幅された後、信号分岐部１２０とアイソレータ（ｉｓｏｌａｔｏｒ）２０とを経て、アンテナ３０を介して外部に送出される。
【００４０】
また、リーダ制御部１１０は、アンテナ３０を介して受信信号（Ｓ２）を受信して、ＲＦＩＤタグ５のタグ情報を読み取る。この際、アンテナ３０を介して受信される受信信号（Ｓ２）は、アイソレータ２０によって受信アンプ４０に伝達され、受信アンプ４０は、その受信信号（Ｓ２）を増幅した後、リーダ制御部（１１０）に転送する。
【００４１】
そして、リーダ制御部１１０は、複数のタグ情報（つまり、複数のＲＦＩＤタグ５から送出される複数の受信信号）の間で発生する衝突を防止するために、各ＲＦＩＤタグ５から該当受信信号（Ｓ２）を送出できる時間である衝突防止（ａｎｔｉ−ｃｏｌｌｉｓｉｏｎ）期間を周期的に設定する。
【００４２】
すると、各ＲＦＩＤタグ５では、衝突防止（ａｎｔｉ−ｃｏｌｌｉｓｉｏｎ）期間に合わせて受信信号（Ｓ２）を送出することになる。
【００４３】
一方、送信信号（Ｓ１）の送出及び受信信号（Ｓ２）の受信が行われている間、送信信号（Ｓ１）の一部が漏れ、受信信号（Ｓ２）に送信漏洩信号（Ｓ３）が混入する現象が発生する。
【００４４】
このように、受信信号（Ｓ２）に混入した送信漏洩信号（Ｓ３）を相殺するために、信号分岐部１２０は、送信信号（Ｓ１）の一部を分岐した分岐信号（Ｓ４）を漏洩信号相殺部１３０に出力する。
【００４５】
漏洩信号相殺部１３０は、信号分岐部１２０から出力される分岐信号（Ｓ４）及び受信信号（Ｓ２）を受信し、コントローラ部１４０の制御に応じて、受信信号（Ｓ２）に含まれている送信漏洩信号（Ｓ３）を相殺するために相殺信号を生成して、受信信号（Ｓ２）（送信漏洩信号（Ｓ３）が混入されている）と結合する。
【００４６】
これにより、受信信号（Ｓ２）に含まれている送信漏洩信号（Ｓ３）が相殺信号によって相殺され、純粋な受信信号（Ｓ２）だけが受信アンプ４０に伝達される。
【００４７】
ここで、受信信号（Ｓ２）に含まれている送信漏洩信号（Ｓ３）は、送信信号（Ｓ１）と同一の大きさ（つまり、振幅）及び位相を有するため、送信信号（Ｓ１）から分岐された分岐信号（Ｓ４）を基にして、相殺信号を生成する。この際、相殺信号は、送信漏洩信号（Ｓ３）と大きさは同一であり、位相が反対である信号である。
【００４８】
上述の内容をより詳しく説明すると、漏洩信号相殺部１３０に送信漏洩信号（Ｓ３）を除去するための調整条件が既設定された状態で、漏洩信号相殺部１３０は分岐信号（Ｓ４）及び受信信号（Ｓ２）を受信し、コントローラ部１４０から調整値が伝達されると、伝達された調整値に応じて調整条件を再設定し、再設定された調整条件に応じて相殺信号を生成することによって、送信漏洩信号（Ｓ３）を除去するための調整作業を行うことになる。
【００４９】
このために、コントローラ部１４０は、複数の調整値の中で、送信信号（Ｓ１）が受信信号（Ｓ２）に混入することを最大限に防止できる調整値を探索して検出する動作を行う。
【００５０】
ここで、調整値とは、受信信号（Ｓ２）に混入した送信漏洩信号（Ｓ３）を除去するために、漏洩信号相殺部１３０に設定される値であって、送信信号（Ｓ１）が受信信号（Ｓ２）に混入することを最大限に防止できるように（つまり、送信信号（Ｓ１）が受信信号（Ｓ２）に最小限の影響を及ぼすことができるように）、受信信号の強度を最小にすることができる値を言う。
【００５１】
コントローラ部１４０は、リーダ制御部１１０の動作とは別に、つまり、独立して動作する手段であって、受信信号（Ｓ２）に混入した送信漏洩信号（Ｓ３）を除去するために、漏洩信号相殺部（１３０）の動作を制御する。
【００５２】
より具体的に説明すると、コントローラ部１４０は、 ＲＦ環境内にあるＲＦＩＤタグ５から受信信号（Ｓ２）を受信し、受信信号（Ｓ２）の強度に基づいて、ＲＦＩＤタグ５に対するＲＦ環境の変化があるか否かを確認する。
【００５３】
ここで、ＲＦ環境の変化は、ＲＦＩＤタグ５の大きさ及びＲＦＩＤタグ５の数が変化したり、またはＲＦＩＤタグ５の位置が移動したもので、ＲＦ環境内にあるＲＦＩＤタグ５から送出された受信信号の強度などを用いて確認することができる。
【００５４】
そして、ＲＦ環境の変化がある場合、コントローラ部１４０は、ＲＦ環境の変化による送信漏洩信号（Ｓ３）を除去するために調整値を再検出し、再検出された調整値を漏洩信号相殺部１３０に適用して調整条件を再設定することによって、漏洩信号相殺部１３０で相殺信号を生成するための調整作業を再び行うことができるように制御する。
【００５５】
一方、コントローラ部１４０は、受信信号（Ｓ２）の強度、つまり、受信信号（Ｓ２）の量が最小値であるゼロ（０）の値を見つける方法によって調整値を検出する。
【００５６】
より具体的に説明すると、コントローラ部１４０に入力される受信信号（Ｓ２）は、漏洩信号相殺部１３０を経て、既に送信漏洩信号（Ｓ３）が除去された状態であるため、受信信号（Ｓ２）の強度が最小値であるゼロ（０）の値に近くなければならないが、ＲＦ環境が変わると、漏洩信号相殺部１３０を経ても、受信信号（Ｓ２）の強度が大きくなるため（つまり、受信信号の強度が基準値以上になるため）、コントローラ部１４０では、ＲＦ環境の変化に応じて、これを調整する作業を行わなければならない。
【００５７】
したがって、コントローラ部１４０では、受信信号（Ｓ２）の強度を最小値にするために調整値を再検出し、再検出された調整値を漏洩信号相殺部１３０に適用して調整条件を変更することで、ＲＦ環境が変わっても、受信信号（Ｓ２）の強度が最小値（つまり、受信信号の強度がの基準値未満）を有するようにする。
【００５８】
ここで、再検出された調整値とは、コントローラ部１４０に既格納されている複数の調整値のうち、受信信号の強度が最小値に出るように調整値を探索した結果、検出される調整値をいう。
【００５９】
前記調整値を検出するために、ＲＦＩＤリーダ３の動作時の受信信号の強度は、常に、チェックされなければならない。
【００６０】
このように、受信信号（Ｓ２）の強度を常にチェックし、受信信号（Ｓ２）の強度が大きくなると、これを再調整するために、リーダ制御部１１０とは別にコントローラ部１４０を動作させることによって、漏洩信号相殺部１３０が高速に調整作業を進めることができるようにする。
【００６１】
一方、コントローラ部１４０は、衝突防止（ａｎｔｉ−ｃｏｌｌｉｓｉｏｎ）期間であっても、ＲＦ環境の変化がある場合は、漏洩信号相殺部１３０で再調整作業を行うことができるようにする。
【００６２】
結果として、タグを読み取る機能はリーダ制御部１１０で行い、ＲＦ環境の変化に応じて、漏洩信号相殺部１３０を制御する機能はコントローラ部１４０で行うことで、衝突防止期間にもＲＦ環境の変化に応じて送信漏洩信号を効率的に除去することができ、これにより、ＲＦ環境の変化に迅速に対処し、リーダ制御部１１０の処理負荷を低減することができる。
【００６３】
図２は、本発明の第２の実施例によるＲＦＩＤシステムの送信漏洩信号除去装置の構成図である。
【００６４】
図２に示すように、ＲＦＩＤシステム１の送信漏洩信号除去装置１００は、リーダ制御部１１０、信号分岐部１２０、第１の漏洩信号相殺部１３２、第２の漏洩信号相殺部１３４、及びコントローラ部１４０を含んで構成される。
【００６５】
以下、機能が同一の構成は、第１の実施例で説明したので、省略する。
【００６６】
第１の漏洩信号相殺部１３２は、調整条件が既設定された状態で分岐信号（Ｓ４）及び受信信号（Ｓ２）を受信し、コントローラ部１４０から伝達された調整値に応じて調整条件を再設定して、再設定された調整条件に応じて相殺信号を生成することにより、送信漏洩信号（Ｓ３）を除去するための調整作業を再び行うことになる。
【００６７】
第２の漏洩信号相殺部１３４は、コントローラ部１４０から伝達された調整値を適用して調整条件を設定し、設定された調整条件に応じて受信信号（Ｓ２）に含まれている送信漏洩信号（Ｓ３）を相殺するための相殺信号を生成し、相殺信号を用いて、送信漏洩信号（Ｓ３）を除去するための調整作業を行った後、送信漏洩信号（Ｓ３）が除去された受信信号（Ｓ２）をコントローラ部１４０に出力する。
【００６８】
コントローラ部１４０は、第２の漏洩信号相殺部１３４から出力された受信信号（Ｓ２）を用いて、送信漏洩信号（Ｓ３）の相殺のための調整作業が正常に行われたか否かを判断し（つまり、受信信号（Ｓ２）の強度が最小値であるか否かを判断し）、調整作業が正常に行われた場合は、該当調整値を第１の漏洩信号相殺部１３２に適用して、第１の漏洩信号相殺部１３２が送信漏洩信号（Ｓ３）を除去する調整作業を行うことができるようにする。
【００６９】
もし、送信漏洩信号（Ｓ３）の相殺のための調整作業が正常に行われていない場合は、コントローラ部１４０では、調整値を再検出して第２の漏洩信号相殺部１３４に適用し、第２の漏洩信号相殺部１３４では、再検出された調整値を用いて調整作業を再び行った後、実行結果である受信信号（Ｓ２）をコントローラ部１４０に再出力する処理を繰り返すことによって、最適な調整値を検出するための作業を行う。
【００７０】
このように、第２の漏洩信号相殺部１３４は、受信信号（Ｓ２）の強度を最小値にすることができる調整値を検出するために用いられ、一つの漏洩信号相殺部１３０を用いる時よりも調整値を検出して動作する時間を低減することができる。
【００７１】
そして、コントローラ部１４０は、衝突防止（ａｎｔｉ−ｃｏｌｌｉｓｉｏｎ）期間であっても、ＲＦ環境の変化がある場合は、漏洩信号相殺部１３０の再調整作業を行うことになる。
【００７２】
一方、本発明の実施例では、リーダ制御部１１０で、コントローラ部１４０の動作時期を制御するように構成することができる。
【００７３】
図３は、本発明の第３の実施例によるＲＦＩＤシステムの送信漏洩信号除去装置の構成図である。
【００７４】
図３に示すように、ＲＦＩＤシステム１の送信漏洩信号除去装置１００は、リーダ制御部１１０、信号分岐部１２０、漏洩信号相殺部１３０、及びコントローラ部１４０を含んで構成される。
【００７５】
以下、機能が同一の構成は、第１及び第２の実施例で説明したので、省略する。
【００７６】
リーダ制御部１１０は、ＲＦＩＤリーダを全般的に制御するマイクロコンピュータであって、ＲＦＩＤタグ５に送出する送信信号（Ｓ１）を出力し、ＲＦＩＤタグ５の情報を読み取る機能のほか、漏洩信号相殺部１３０の動作時期を決定するためにオン・オフ制御信号を用いてコントローラ部１４０の動作を制御する機能も行う。
【００７７】
より詳細に説明すると、リーダ制御部１１０で、コントローラ部１４０にオン制御信号を出力すると、コントローラ部１４０では、調整値を探索して検出した後、その調整値を漏洩信号相殺部１３０に適用することにより、漏洩信号相殺部１３０で送信漏洩信号に相応する相殺信号を生成して、送信漏洩信号を除去する調整作業を行うことができるように制御する。
【００７８】
一方、リーダ制御部１１０でコントローラ部１４０にオン制御信号を出力すると、コントローラ部１４０ではＲＦ環境の変化があるか否かを確認し、ＲＦ環境の変化が確認されると、ＲＦ環境の変化に応じて、漏洩信号相殺部１３０で再調整作業を行うことができるように制御する。
【００７９】
このように、リーダ制御部１１０で漏洩信号相殺部１３０の動作時期を決定することによって、漏洩信号相殺部１３０の動作をより細かく制御できるようになる。
【００８０】
図４は、本発明の第４の実施例によるＲＦＩＤシステムの送信漏洩信号除去装置の構成図である。
【００８１】
図４に示すように、ＲＦＩＤシステム１の送信漏洩信号除去装置１００は、リーダ制御部１１０、信号分岐部１２０、漏洩信号相殺部１３０、及びコントローラ部１４０を含んで構成される。
【００８２】
以下、機能が同一の構成は、第１〜第３の実施例で説明したので、省略する。
【００８３】
リーダ制御部１１０は、ＲＦＩＤリーダを全般的に制御するマイクロコンピュータであって、ＲＦＩＤタグ５に送出する送信信号（Ｓ１）を出力し、ＲＦＩＤタグ５のタグ情報を読み取る機能のほか、送信信号（Ｓ１）の一部をオン・オフ制御信号として、漏洩信号相殺部１３０の動作時期を決定する機能も行う。
【００８４】
より詳細に説明すると、リーダ制御部１１０では、ＲＦ環境の変化があるか否かを確認し、ＲＦ環境の変化が確認されると、リーダ制御部１１０で送信信号（Ｓ１）を送出するとき、送信信号（Ｓ１）の一部をコントローラ部１４０に伝達し、コントローラ部１４０では送信信号（Ｓ１）の一部を受信すると、調整値を探索して検出した後、その調整値を漏洩信号相殺部１３０に適用することによって、漏洩信号相殺部（１３０）でＲＦ環境の変化に応じて再調整作業を行うことができるように制御する。
【００８５】
一方、リーダ制御部１１０でコントローラ部１４０に送信信号（Ｓ１）の一部を送信すると、コントローラ部１４０ではＲＦ環境の変化があるか否かを確認し、ＲＦ環境の変化が確認されると、ＲＦ環境の変化に応じて調整値を探索して検出し、漏洩信号相殺部１３０で再調整作業を行うことができるように制御する。
【００８６】
上述のように、リーダ制御部１１０で送信信号（Ｓ１）を送出するとき、送信信号（Ｓ１）の一部をコントローラ部１４０に伝達して調整値を検出させ、検出された調整値に応じて漏洩信号相殺部１３０が調整作業を行うようにすることで、ＲＦ環境の変化による漏洩信号相殺部１３０の動作をより精密に制御できるようになる。
【００８７】
このほか、リーダ制御部１１０で送信漏洩信号を相殺するための機能を行い、リーダ制御部１１０の制御に応じて、コントローラ部１４０でタグ情報を読み取る機能を行うことができる。
【００８８】
また、漏洩信号相殺部を複数個備えて、複数の漏洩信号相殺部で調整値に応じて送信漏洩信号を相殺する動作をそれぞれ行うことができるように構成することができる。
【００８９】
図５は、本発明の一実施例によるＲＦＩＤシステムにおいて漏洩信号の除去を説明するためのタイムチャート図である。
【００９０】
図５を参照すると、本発明によるＲＦＩＤシステムでは、リーダ制御部１１０は、衝突防止（ａｎｔｉ−ｃｏｌｌｉｓｉｏｎ）期間２１０を予め設定された周期に応じて設定する。
【００９１】
それぞれのＲＦＩＤタグ５は、このように設定されたそれぞれの衝突防止（ａｎｔｉ−ｃｏｌｌｉｓｉｏｎ）期間内に受信信号（Ｓ２）をＲＦＩＤリーダに送出することにより、複数の受信信号（Ｓ２）の間の衝突を防止する。
【００９２】
この際、コントローラ部１４０は、それぞれの衝突防止（ａｎｔｉ−ｃｏｌｌｉｓｉｏｎ）期間の間であっても、複数のＲＦＩＤタグ５から受信信号を受信するためのＲＦ環境の変化２３０があるか否かを継続的に確認する。
【００９３】
これは、ＲＦ環境の変化２３０がある場合、そのＲＦ環境の変化に合わせて調整値を検出し、漏洩信号相殺部１３０で再調整作業２２０を行うためのものである。
【００９４】
ここで、漏洩信号相殺部１３０の再調整作業は、ＲＦＩＤリーダに受信されるタグ信号に含まれている送信漏洩信号（Ｓ３）を相殺させる作業であって、変化されたＲＦ環境内にあるタグからタグ信号を受信し、そのタグ信号に含まれている送信漏洩信号（Ｓ３）を相殺するための相殺信号を生成した後、これを、前記受信したタグ信号と結合することをいう。
【００９５】
このような結合によって、タグ信号に含まれている送信漏洩信号（Ｓ３）は除去され、純粋なタグ信号のみ伝達される。
【００９６】
この際、衝突防止期間は数ミリ秒から数十秒の時間を有し、衝突防止期間の間に漏洩信号相殺部１３０で再調整作業を行わず、ＲＦ環境の変化が起こる時に、ＲＦ環境の変化後のタグ信号をリーダが受信できない状況がある場合もある。
【００９７】
このように、同一の衝突防止（ａｎｔｉ−ｃｏｌｌｉｓｉｏｎ）期間中であっても、タグ周囲のＲＦ環境が変化すると、その変化されたＲＦ環境内にあるタグからタグ信号を受信するようにすることで、ＲＦ環境が変化しても、タグ情報を正確に識別することができる。
【００９８】
このように、ＲＦ環境の変化を既に設定された周期に応じて確認し、そのＲＦ環境の変化に応じて、漏洩信号相殺部１３０の再調整作業を連続的に実行させ、変化したＲＦ環境内にあるタグからタグ信号を正確に受信することができる。
【００９９】
以上で説明した本発明は、好ましい実施例により詳細に説明したが、本発明は、これら実施例の内容に限定されるのではない。本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者であれば、たとえ実施例には提示されていないが、添付された特許請求の範囲内で様々な本発明に対する模倣や改良が可能であり、これら全てが本発明の技術的範囲に属することは自明である。したがって、本発明の真の技術的保護範囲は、添付の特許請求の範囲の技術的思想によって定めなければならない。
【符号の説明】
【０１００】
１００ ＲＦＩＤシステムの送信漏洩信号除去装置
１１０ リーダ制御部
１２０ 信号分岐部
１３０ 漏洩信号相殺部
１４０ コントローラ部
【技術分野】
【０００１】
本発明は、無線周波数識別（Ｒａｄｉｏ Ｆｒｅｑｕｅｎｃｙ Ｉｄｅｎｔｉｆｉｃａｔｉｏｎ：以下、「ＲＦＩＤ」という）システムにおいて、受信信号に含まれている送信漏洩信号を除去するＲＦＩＤシステムの送信漏洩信号除去装置及びこれを含むＲＦＩＤシステムに関するものである。
【背景技術】
【０００２】
一般に、ＲＦＩＤシステムは、決済管理、文書管理、物流管理、身元確認、及び無線認証などのように、様々な情報を送受信するシステムにおいて広く活用されており、タグ情報が記録されている複数のタグ（ｔａｇ）及びタグが有するタグ情報を読み取るリーダ（ｒｅａｄｅｒ）を含む。
【０００３】
このようなＲＦＩＤシステムにおいて、同一の無線周波数フィールド内に存在する複数のタグ（ｔａｇ）がリーダ（ｒｅａｄｅｒ）によって活性化されると、各タグでは、自分のタグ情報をリーダに送信することにより、複数のタグ情報間に衝突（ｃｏｌｌｉｓｉｏｎ）を引き起こすことになる。
【０００４】
したがって、前述の問題点を解決するために、リーダでは、各タグでタグ情報を送出できる時間である衝突防止（ａｎｔｉ−ｃｏｌｌｉｓｉｏｎ）期間を周期的に転送して、複数のタグ情報間に発生する衝突を防止している。
【０００５】
一方、無線信号の送信と受信が共に行われるＲＦＩＤシステムでは、送信信号と受信信号を隔離するために、アイソレータ（ｉｓｏｌａｔｏｒ）などのような別途の隔離装置を用いる。
ところが、リーダでは、送信信号の送出及び受信信号の受信が行われている間、送信信号の一部が漏れて受信信号に混入される問題により、受信信号を正常に受けることができない現象が発生するため、このような送信漏洩信号を相殺するために、別途の漏洩信号相殺機（Ｌｅａｋａｇｅ Ｃａｎｃｅｌｌｅｒ）を備えて、相殺信号を生成する調整作業を行っている。
【０００６】
しかし、タグが取り付けられているＲＦ環境が変化する場合、ＲＦ環境に応じて変化する送信漏洩信号を相殺するために漏洩信号相殺機の調整条件を変更する必要があるが、従来のＲＦＩＤシステムにおけるリーダを制御するリーダ制御部は、衝突防止期間にタグの読み取りのみに集中するため、ＲＦ環境の変化に応じて調整条件を変更することができない問題が発生する。
【０００７】
また、従来のリーダ制御部は、衝突防止期間に新たなＲＦ環境に合わせて送信漏洩相殺機の調整条件を変更することが不可能でため、タグ情報を正確に読み取ることができず、市場のニーズに適切に対応できない問題が発生する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００８】
本発明は、上記の従来技術の問題点を解決するためのものであり、本発明は、ＲＦＩＤタグを読み取る機能と送信漏洩信号を除去するための漏洩信号相殺部の調整機能を互いに独立して行うＲＦＩＤシステムの送信漏洩信号除去装置を提供することに目的がある。
【０００９】
また、本発明は、衝突防止（ａｎｔｉ−ｃｏｌｌｉｓｉｏｎ）期間にも、ＲＦ環境の変化に応じて漏洩信号相殺機を再調整して、送信漏洩信号を除去することができるＲＦＩＤシステムの送信漏洩信号除去装置を提供することに他の目的がある。
【課題を解決するための手段】
【００１０】
本発明に係る一実施例である、ＲＦＩＤタグに送信信号を送出し、前記ＲＦＩＤタグから送信された受信信号を受信して、タグ情報を読み取るリーダ制御部を含むＲＦＩＤシステムの送信漏洩信号除去装置は、前記送信信号の一部及び前記受信信号を受信し、前記送信信号の一部と送信漏洩信号を除去するための調整値に応じて相殺信号を生成して、前記受信信号に含まれている送信漏洩信号を除去する調整作業を行う漏洩信号相殺部、及び、前記受信信号の強度に基づいて、前記ＲＦＩＤタグが取り付けられているＲＦ環境に変化があるか否かを継続的に判断し、前記ＲＦ環境の変化に応じて、前記漏洩信号相殺部の動作を制御するコントローラ部を含む。
【００１１】
本発明に係る一実施例の一態様によると、前記コントローラ部は、継続的に前記受信信号の強度を基準値と比較して、前記受信信号の強度が基準値以上であると、前記ＲＦ環境に変化があると判断する。
【００１２】
本発明に係る一実施例の一態様によると、前記コントローラ部は、前記ＲＦ環境に変化があると判断される場合、前記受信信号の強度が基準値未満になるようにする調整値を検出して、前記漏洩信号相殺部に伝達し、前記漏洩信号相殺部は、前記伝達された調整値に応じて相殺信号を生成して、前記受信信号に含まれている送信漏洩信号を除去する調整作業を行う。
【００１３】
本発明に係る一実施例の一態様によると、前記相殺信号は、前記送信漏洩信号と大きさが同一であり、位相が反対である。
【００１４】
本発明に係る一実施例の一態様によると、前記コントローラ部は、前記リーダ制御部が所定の周期に応じて設定した前記衝突防止（ａｎｔｉ−ｃｏｌｌｉｓｉｏｎ）期間の間にも、前記ＲＦＩＤタグが取り付けられているＲＦ環境に変化があるか否かを継続的に判断する。
【００１５】
本発明に係る一実施例の一態様によると、前記送信信号の一部を分岐し、分岐信号を出力する分岐信号出力部をさらに含む。
【００１６】
本発明に係る一実施例の一態様によると、前記漏洩信号相殺部は、前記調整値に応じて生成信号を生成して、前記受信信号に含まれている送信漏洩信号を相殺する調整作業を行う第１の漏洩信号相殺部と、前記調整値に応じて生成信号を生成して、前記受信信号に含まれている送信漏洩信号を相殺する調整作業を行った後、前記受信信号を前記コントローラ部に出力する第２の漏洩信号相殺部とを含む。
【００１７】
本発明に係る一実施例の一態様によると、前記コントローラ部は、前記第２の漏洩信号相殺部から入力される前記受信信号の強度が基準値以上であるか否かを判断し、前記受信信号の強度が基準値以上であると、前記調整値を再検出して、前記第２の漏洩信号相殺部に適用し、前記受信信号の強度が基準値未満になるまで、前記判断及び前記適用の処理を繰り返し行い、前記受信信号の強度が基準値未満になると、これに相応する調整値を前記第１の漏洩信号相殺部に適用する。
【００１８】
本発明に係る一実施例の一態様によると、前記コントローラ部は、前記リーダ制御部から入力されるオン制御信号またはオフ制御信号に応じて、前記漏洩信号相殺部の動作時期を制御する。
【００１９】
本発明に係る一実施例の一態様によると、前記コントローラ部は、前記リーダ制御部からオン制御信号が入力されると、前記ＲＦＩＤタグが取り付けられているＲＦ環境に変化があるか否かを確認し、ＲＦ環境の変化に応じて、前記漏洩信号を相殺部の動作を制御する。
【００２０】
本発明に係る他の実施例であるＲＦＩＤタグに送信信号を送出し、前記ＲＦＩＤタグから送信された受信信号を受信して、タグ情報を読み取るリーダ制御部と、前記受信信号に混入される送信漏洩信号を除去する送信漏洩信号除去モジュールとを含むＲＦＩＤシステムにおいて、前記送信漏洩信号除去モジュールは、前記送信信号の一部と前記受信信号を受信し、前記送信信号の一部と送信漏洩信号を除去するための調整値に応じて相殺信号を生成して、前記受信信号に含まれている送信漏洩信号を除去する調整作業を行う漏洩信号相殺部と、前記受信信号の強度に基づいて、前記ＲＦＩＤタグが取り付けられているＲＦ環境に変化があるか否かを継続的に判断し、前記ＲＦ環境の変化に応じて、前記漏洩信号相殺部の動作を制御するコントローラ部とを含む。
【００２１】
本発明に係る他の実施例の一態様によると、前記コントローラ部は、継続的に前記受信信号の強度を基準値と比較して、前記受信信号の強度が基準値以上であると、前記ＲＦ環境に変化があると判断する。
【００２２】
本発明に係る他の実施例の一態様によると、前記コントローラ部は、前記ＲＦ環境に変化があると判断される場合、前記受信信号の強度が基準値未満になるようにする調整値を検出して、前記漏洩信号相殺部に伝達し、前記漏洩信号相殺部は、前記伝達された調整値に応じて相殺信号を生成して、前記受信信号に含まれている送信漏洩信号を除去する調整作業を行う。
【００２３】
本発明に係る他の実施例の一態様によると、前記コントローラ部は、前記リーダ制御部が所定の周期に応じて設定した前記衝突防止（ａｎｔｉ−ｃｏｌｌｉｓｉｏｎ）期間の間にも、前記ＲＦＩＤタグが取り付けられているＲＦ環境に変化があるか否かを継続的に判断する。
【００２４】
本発明に係る他の実施例の一態様によると、前記送信信号の一部を分岐して分岐信号を出力する信号分岐部をさらに含む。
【００２５】
本発明に係る他の実施例の一態様によると、前記漏洩信号相殺部は、前記調整値に応じて生成信号を生成して、前記受信信号に含まれている送信漏洩信号を相殺する調整作業を行う第１の漏洩信号相殺部と、前記調整値に応じて生成信号を生成して、前記受信信号に含まれている送信漏洩信号を相殺する調整作業を行った後、前記受信信号を前記コントローラ部に出力する第２の漏洩信号相殺部とを含む。
【００２６】
本発明に係る他の実施例の一態様によると、前記コントローラ部は、前記第２の漏洩信号相殺部から入力される前記受信信号の強度が基準値以上であるか否かを判断し、前記受信信号の強度が基準値以上であると、前記調整値を再検出して前記第２の漏洩信号相殺部に適用し、前記受信信号の強度が基準値未満になるまで、前記判断及び前記適用の処理を繰り返し行い、前記受信信号の強度が基準値未満になると、これに相応する調整値を前記第１の漏洩信号相殺部に適用する。
【００２７】
本発明に係る他の実施例の一態様によると、前記コントローラ部は、前記リーダ制御部から入力されるオン制御信号またはオフ制御信号に応じて、前記漏洩信号相殺部の動作時期を制御する。
【００２８】
本発明に係る他の実施例の一態様によると、前記コントローラ部は、前記リーダ制御部からオン制御信号が入力されると、前記ＲＦＩＤタグが取り付けられているＲＦ環境に変化があるか否かを確認し、ＲＦ環境の変化に応じて前記漏洩信号相殺部の動作を制御する。
【発明の効果】
【００２９】
上述のように、本発明の一実施例によるＲＦＩＤシステムの送信漏洩信号除去装置よると、ＲＦＩＤシステムにおいて送信と受信が共に行われるとき、受信信号に含まれている送信信号の漏洩信号をより効率的に除去して、受信信号の受信感度を向上させることができ、より精密なタグの読み取りが可能な長所がある。
【００３０】
また、ＲＦＩＤシステムにおいて、タグを読み取る機能と送信漏洩信号を除去する機能を互いに独立して行うことにより、これらの機能に対する信頼性を向上させることができる。
【００３１】
つまり、リーダを制御するリーダ制御部は、タグを読み取る機能だけを専担するため、低価のＣＰＵを用いることができ、これにより、コスト面での製品の競争力を向上させることができる。
【００３２】
その上、ＲＦＩＤシステムにおいて、衝突防止（ａｎｔｉ−ｃｏｌｌｉｓｉｏｎ）期間にも、ＲＦ環境の変化に応じて漏洩信号相殺機を再調整して、送信漏洩信号を効率的に除去することができる長所がある。
【図面の簡単な説明】
【００３３】
【図１】本発明の第１の実施例によるＲＦＩＤシステムの送信漏洩信号除去装置の構成図である。
【図２】本発明の第２の実施例によるＲＦＩＤシステムの送信漏洩信号除去装置の構成図である。
【図３】本発明の第３の実施例によるＲＦＩＤシステムの送信漏洩信号除去装置の構成図である。
【図４】本発明の第４の実施例によるＲＦＩＤシステムの送信漏洩信号除去装置の構成図である。
【図５】本発明の一実施例によるＲＦＩＤシステムにおいて漏洩信号の除去を説明するためのタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【００３４】
以下で、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施例について説明する。また、本発明を説明するにおいて、関連する公知の機能または構成に対する具体的な説明が本発明の要旨を不要に不明にする可能性があると判断される場合には、その詳細な説明を省略する。
【００３５】
図１は、本発明の第１の実施例によるＲＦＩＤシステムの送信漏洩信号除去装置の構成図である。
【００３６】
図１に示すように、ＲＦＩＤシステム１の送信漏洩信号除去装置１００は、リーダ制御部１１０、信号分岐部１２０、漏洩信号相殺部１３０、及びコントローラ部１４０を含んで構成される。
【００３７】
ＲＦＩＤシステム１は、大いに、ＲＦＩＤリーダ（ｒｅａｄｅｒ）３とＲＦＩＤタグ（ｔａｇ）５とから構成される。ＲＦＩＤリーダ３は、送信漏洩信号除去装置１００を含み、ＲＦＩＤタグ５と無線（ＲＦ）信号を送受信して、ＲＦＩＤタグ５に格納されたタグ情報を識別する。
【００３８】
このために、ＲＦＩＤリーダ３は、送信信号（Ｓ１）を出力して、ＲＦＩＤタグ５に送出し、ＲＦＩＤタグ５から送出された受信信号（Ｓ２）を受信して、ＲＦＩＤタグ５のタグ情報を読み取る。
【００３９】
リーダ制御部（ＣＰＵ）１１０は、ＲＦＩＤリーダ３を全般的に制御するマイクロコンピュータであって、ＲＦＩＤタグ５に送出する送信信号（Ｓ１）を出力する。このような送信信号（Ｓ１）は、送信アンプ１０によって増幅された後、信号分岐部１２０とアイソレータ（ｉｓｏｌａｔｏｒ）２０とを経て、アンテナ３０を介して外部に送出される。
【００４０】
また、リーダ制御部１１０は、アンテナ３０を介して受信信号（Ｓ２）を受信して、ＲＦＩＤタグ５のタグ情報を読み取る。この際、アンテナ３０を介して受信される受信信号（Ｓ２）は、アイソレータ２０によって受信アンプ４０に伝達され、受信アンプ４０は、その受信信号（Ｓ２）を増幅した後、リーダ制御部（１１０）に転送する。
【００４１】
そして、リーダ制御部１１０は、複数のタグ情報（つまり、複数のＲＦＩＤタグ５から送出される複数の受信信号）の間で発生する衝突を防止するために、各ＲＦＩＤタグ５から該当受信信号（Ｓ２）を送出できる時間である衝突防止（ａｎｔｉ−ｃｏｌｌｉｓｉｏｎ）期間を周期的に設定する。
【００４２】
すると、各ＲＦＩＤタグ５では、衝突防止（ａｎｔｉ−ｃｏｌｌｉｓｉｏｎ）期間に合わせて受信信号（Ｓ２）を送出することになる。
【００４３】
一方、送信信号（Ｓ１）の送出及び受信信号（Ｓ２）の受信が行われている間、送信信号（Ｓ１）の一部が漏れ、受信信号（Ｓ２）に送信漏洩信号（Ｓ３）が混入する現象が発生する。
【００４４】
このように、受信信号（Ｓ２）に混入した送信漏洩信号（Ｓ３）を相殺するために、信号分岐部１２０は、送信信号（Ｓ１）の一部を分岐した分岐信号（Ｓ４）を漏洩信号相殺部１３０に出力する。
【００４５】
漏洩信号相殺部１３０は、信号分岐部１２０から出力される分岐信号（Ｓ４）及び受信信号（Ｓ２）を受信し、コントローラ部１４０の制御に応じて、受信信号（Ｓ２）に含まれている送信漏洩信号（Ｓ３）を相殺するために相殺信号を生成して、受信信号（Ｓ２）（送信漏洩信号（Ｓ３）が混入されている）と結合する。
【００４６】
これにより、受信信号（Ｓ２）に含まれている送信漏洩信号（Ｓ３）が相殺信号によって相殺され、純粋な受信信号（Ｓ２）だけが受信アンプ４０に伝達される。
【００４７】
ここで、受信信号（Ｓ２）に含まれている送信漏洩信号（Ｓ３）は、送信信号（Ｓ１）と同一の大きさ（つまり、振幅）及び位相を有するため、送信信号（Ｓ１）から分岐された分岐信号（Ｓ４）を基にして、相殺信号を生成する。この際、相殺信号は、送信漏洩信号（Ｓ３）と大きさは同一であり、位相が反対である信号である。
【００４８】
上述の内容をより詳しく説明すると、漏洩信号相殺部１３０に送信漏洩信号（Ｓ３）を除去するための調整条件が既設定された状態で、漏洩信号相殺部１３０は分岐信号（Ｓ４）及び受信信号（Ｓ２）を受信し、コントローラ部１４０から調整値が伝達されると、伝達された調整値に応じて調整条件を再設定し、再設定された調整条件に応じて相殺信号を生成することによって、送信漏洩信号（Ｓ３）を除去するための調整作業を行うことになる。
【００４９】
このために、コントローラ部１４０は、複数の調整値の中で、送信信号（Ｓ１）が受信信号（Ｓ２）に混入することを最大限に防止できる調整値を探索して検出する動作を行う。
【００５０】
ここで、調整値とは、受信信号（Ｓ２）に混入した送信漏洩信号（Ｓ３）を除去するために、漏洩信号相殺部１３０に設定される値であって、送信信号（Ｓ１）が受信信号（Ｓ２）に混入することを最大限に防止できるように（つまり、送信信号（Ｓ１）が受信信号（Ｓ２）に最小限の影響を及ぼすことができるように）、受信信号の強度を最小にすることができる値を言う。
【００５１】
コントローラ部１４０は、リーダ制御部１１０の動作とは別に、つまり、独立して動作する手段であって、受信信号（Ｓ２）に混入した送信漏洩信号（Ｓ３）を除去するために、漏洩信号相殺部（１３０）の動作を制御する。
【００５２】
より具体的に説明すると、コントローラ部１４０は、 ＲＦ環境内にあるＲＦＩＤタグ５から受信信号（Ｓ２）を受信し、受信信号（Ｓ２）の強度に基づいて、ＲＦＩＤタグ５に対するＲＦ環境の変化があるか否かを確認する。
【００５３】
ここで、ＲＦ環境の変化は、ＲＦＩＤタグ５の大きさ及びＲＦＩＤタグ５の数が変化したり、またはＲＦＩＤタグ５の位置が移動したもので、ＲＦ環境内にあるＲＦＩＤタグ５から送出された受信信号の強度などを用いて確認することができる。
【００５４】
そして、ＲＦ環境の変化がある場合、コントローラ部１４０は、ＲＦ環境の変化による送信漏洩信号（Ｓ３）を除去するために調整値を再検出し、再検出された調整値を漏洩信号相殺部１３０に適用して調整条件を再設定することによって、漏洩信号相殺部１３０で相殺信号を生成するための調整作業を再び行うことができるように制御する。
【００５５】
一方、コントローラ部１４０は、受信信号（Ｓ２）の強度、つまり、受信信号（Ｓ２）の量が最小値であるゼロ（０）の値を見つける方法によって調整値を検出する。
【００５６】
より具体的に説明すると、コントローラ部１４０に入力される受信信号（Ｓ２）は、漏洩信号相殺部１３０を経て、既に送信漏洩信号（Ｓ３）が除去された状態であるため、受信信号（Ｓ２）の強度が最小値であるゼロ（０）の値に近くなければならないが、ＲＦ環境が変わると、漏洩信号相殺部１３０を経ても、受信信号（Ｓ２）の強度が大きくなるため（つまり、受信信号の強度が基準値以上になるため）、コントローラ部１４０では、ＲＦ環境の変化に応じて、これを調整する作業を行わなければならない。
【００５７】
したがって、コントローラ部１４０では、受信信号（Ｓ２）の強度を最小値にするために調整値を再検出し、再検出された調整値を漏洩信号相殺部１３０に適用して調整条件を変更することで、ＲＦ環境が変わっても、受信信号（Ｓ２）の強度が最小値（つまり、受信信号の強度がの基準値未満）を有するようにする。
【００５８】
ここで、再検出された調整値とは、コントローラ部１４０に既格納されている複数の調整値のうち、受信信号の強度が最小値に出るように調整値を探索した結果、検出される調整値をいう。
【００５９】
前記調整値を検出するために、ＲＦＩＤリーダ３の動作時の受信信号の強度は、常に、チェックされなければならない。
【００６０】
このように、受信信号（Ｓ２）の強度を常にチェックし、受信信号（Ｓ２）の強度が大きくなると、これを再調整するために、リーダ制御部１１０とは別にコントローラ部１４０を動作させることによって、漏洩信号相殺部１３０が高速に調整作業を進めることができるようにする。
【００６１】
一方、コントローラ部１４０は、衝突防止（ａｎｔｉ−ｃｏｌｌｉｓｉｏｎ）期間であっても、ＲＦ環境の変化がある場合は、漏洩信号相殺部１３０で再調整作業を行うことができるようにする。
【００６２】
結果として、タグを読み取る機能はリーダ制御部１１０で行い、ＲＦ環境の変化に応じて、漏洩信号相殺部１３０を制御する機能はコントローラ部１４０で行うことで、衝突防止期間にもＲＦ環境の変化に応じて送信漏洩信号を効率的に除去することができ、これにより、ＲＦ環境の変化に迅速に対処し、リーダ制御部１１０の処理負荷を低減することができる。
【００６３】
図２は、本発明の第２の実施例によるＲＦＩＤシステムの送信漏洩信号除去装置の構成図である。
【００６４】
図２に示すように、ＲＦＩＤシステム１の送信漏洩信号除去装置１００は、リーダ制御部１１０、信号分岐部１２０、第１の漏洩信号相殺部１３２、第２の漏洩信号相殺部１３４、及びコントローラ部１４０を含んで構成される。
【００６５】
以下、機能が同一の構成は、第１の実施例で説明したので、省略する。
【００６６】
第１の漏洩信号相殺部１３２は、調整条件が既設定された状態で分岐信号（Ｓ４）及び受信信号（Ｓ２）を受信し、コントローラ部１４０から伝達された調整値に応じて調整条件を再設定して、再設定された調整条件に応じて相殺信号を生成することにより、送信漏洩信号（Ｓ３）を除去するための調整作業を再び行うことになる。
【００６７】
第２の漏洩信号相殺部１３４は、コントローラ部１４０から伝達された調整値を適用して調整条件を設定し、設定された調整条件に応じて受信信号（Ｓ２）に含まれている送信漏洩信号（Ｓ３）を相殺するための相殺信号を生成し、相殺信号を用いて、送信漏洩信号（Ｓ３）を除去するための調整作業を行った後、送信漏洩信号（Ｓ３）が除去された受信信号（Ｓ２）をコントローラ部１４０に出力する。
【００６８】
コントローラ部１４０は、第２の漏洩信号相殺部１３４から出力された受信信号（Ｓ２）を用いて、送信漏洩信号（Ｓ３）の相殺のための調整作業が正常に行われたか否かを判断し（つまり、受信信号（Ｓ２）の強度が最小値であるか否かを判断し）、調整作業が正常に行われた場合は、該当調整値を第１の漏洩信号相殺部１３２に適用して、第１の漏洩信号相殺部１３２が送信漏洩信号（Ｓ３）を除去する調整作業を行うことができるようにする。
【００６９】
もし、送信漏洩信号（Ｓ３）の相殺のための調整作業が正常に行われていない場合は、コントローラ部１４０では、調整値を再検出して第２の漏洩信号相殺部１３４に適用し、第２の漏洩信号相殺部１３４では、再検出された調整値を用いて調整作業を再び行った後、実行結果である受信信号（Ｓ２）をコントローラ部１４０に再出力する処理を繰り返すことによって、最適な調整値を検出するための作業を行う。
【００７０】
このように、第２の漏洩信号相殺部１３４は、受信信号（Ｓ２）の強度を最小値にすることができる調整値を検出するために用いられ、一つの漏洩信号相殺部１３０を用いる時よりも調整値を検出して動作する時間を低減することができる。
【００７１】
そして、コントローラ部１４０は、衝突防止（ａｎｔｉ−ｃｏｌｌｉｓｉｏｎ）期間であっても、ＲＦ環境の変化がある場合は、漏洩信号相殺部１３０の再調整作業を行うことになる。
【００７２】
一方、本発明の実施例では、リーダ制御部１１０で、コントローラ部１４０の動作時期を制御するように構成することができる。
【００７３】
図３は、本発明の第３の実施例によるＲＦＩＤシステムの送信漏洩信号除去装置の構成図である。
【００７４】
図３に示すように、ＲＦＩＤシステム１の送信漏洩信号除去装置１００は、リーダ制御部１１０、信号分岐部１２０、漏洩信号相殺部１３０、及びコントローラ部１４０を含んで構成される。
【００７５】
以下、機能が同一の構成は、第１及び第２の実施例で説明したので、省略する。
【００７６】
リーダ制御部１１０は、ＲＦＩＤリーダを全般的に制御するマイクロコンピュータであって、ＲＦＩＤタグ５に送出する送信信号（Ｓ１）を出力し、ＲＦＩＤタグ５の情報を読み取る機能のほか、漏洩信号相殺部１３０の動作時期を決定するためにオン・オフ制御信号を用いてコントローラ部１４０の動作を制御する機能も行う。
【００７７】
より詳細に説明すると、リーダ制御部１１０で、コントローラ部１４０にオン制御信号を出力すると、コントローラ部１４０では、調整値を探索して検出した後、その調整値を漏洩信号相殺部１３０に適用することにより、漏洩信号相殺部１３０で送信漏洩信号に相応する相殺信号を生成して、送信漏洩信号を除去する調整作業を行うことができるように制御する。
【００７８】
一方、リーダ制御部１１０でコントローラ部１４０にオン制御信号を出力すると、コントローラ部１４０ではＲＦ環境の変化があるか否かを確認し、ＲＦ環境の変化が確認されると、ＲＦ環境の変化に応じて、漏洩信号相殺部１３０で再調整作業を行うことができるように制御する。
【００７９】
このように、リーダ制御部１１０で漏洩信号相殺部１３０の動作時期を決定することによって、漏洩信号相殺部１３０の動作をより細かく制御できるようになる。
【００８０】
図４は、本発明の第４の実施例によるＲＦＩＤシステムの送信漏洩信号除去装置の構成図である。
【００８１】
図４に示すように、ＲＦＩＤシステム１の送信漏洩信号除去装置１００は、リーダ制御部１１０、信号分岐部１２０、漏洩信号相殺部１３０、及びコントローラ部１４０を含んで構成される。
【００８２】
以下、機能が同一の構成は、第１〜第３の実施例で説明したので、省略する。
【００８３】
リーダ制御部１１０は、ＲＦＩＤリーダを全般的に制御するマイクロコンピュータであって、ＲＦＩＤタグ５に送出する送信信号（Ｓ１）を出力し、ＲＦＩＤタグ５のタグ情報を読み取る機能のほか、送信信号（Ｓ１）の一部をオン・オフ制御信号として、漏洩信号相殺部１３０の動作時期を決定する機能も行う。
【００８４】
より詳細に説明すると、リーダ制御部１１０では、ＲＦ環境の変化があるか否かを確認し、ＲＦ環境の変化が確認されると、リーダ制御部１１０で送信信号（Ｓ１）を送出するとき、送信信号（Ｓ１）の一部をコントローラ部１４０に伝達し、コントローラ部１４０では送信信号（Ｓ１）の一部を受信すると、調整値を探索して検出した後、その調整値を漏洩信号相殺部１３０に適用することによって、漏洩信号相殺部（１３０）でＲＦ環境の変化に応じて再調整作業を行うことができるように制御する。
【００８５】
一方、リーダ制御部１１０でコントローラ部１４０に送信信号（Ｓ１）の一部を送信すると、コントローラ部１４０ではＲＦ環境の変化があるか否かを確認し、ＲＦ環境の変化が確認されると、ＲＦ環境の変化に応じて調整値を探索して検出し、漏洩信号相殺部１３０で再調整作業を行うことができるように制御する。
【００８６】
上述のように、リーダ制御部１１０で送信信号（Ｓ１）を送出するとき、送信信号（Ｓ１）の一部をコントローラ部１４０に伝達して調整値を検出させ、検出された調整値に応じて漏洩信号相殺部１３０が調整作業を行うようにすることで、ＲＦ環境の変化による漏洩信号相殺部１３０の動作をより精密に制御できるようになる。
【００８７】
このほか、リーダ制御部１１０で送信漏洩信号を相殺するための機能を行い、リーダ制御部１１０の制御に応じて、コントローラ部１４０でタグ情報を読み取る機能を行うことができる。
【００８８】
また、漏洩信号相殺部を複数個備えて、複数の漏洩信号相殺部で調整値に応じて送信漏洩信号を相殺する動作をそれぞれ行うことができるように構成することができる。
【００８９】
図５は、本発明の一実施例によるＲＦＩＤシステムにおいて漏洩信号の除去を説明するためのタイムチャート図である。
【００９０】
図５を参照すると、本発明によるＲＦＩＤシステムでは、リーダ制御部１１０は、衝突防止（ａｎｔｉ−ｃｏｌｌｉｓｉｏｎ）期間２１０を予め設定された周期に応じて設定する。
【００９１】
それぞれのＲＦＩＤタグ５は、このように設定されたそれぞれの衝突防止（ａｎｔｉ−ｃｏｌｌｉｓｉｏｎ）期間内に受信信号（Ｓ２）をＲＦＩＤリーダに送出することにより、複数の受信信号（Ｓ２）の間の衝突を防止する。
【００９２】
この際、コントローラ部１４０は、それぞれの衝突防止（ａｎｔｉ−ｃｏｌｌｉｓｉｏｎ）期間の間であっても、複数のＲＦＩＤタグ５から受信信号を受信するためのＲＦ環境の変化２３０があるか否かを継続的に確認する。
【００９３】
これは、ＲＦ環境の変化２３０がある場合、そのＲＦ環境の変化に合わせて調整値を検出し、漏洩信号相殺部１３０で再調整作業２２０を行うためのものである。
【００９４】
ここで、漏洩信号相殺部１３０の再調整作業は、ＲＦＩＤリーダに受信されるタグ信号に含まれている送信漏洩信号（Ｓ３）を相殺させる作業であって、変化されたＲＦ環境内にあるタグからタグ信号を受信し、そのタグ信号に含まれている送信漏洩信号（Ｓ３）を相殺するための相殺信号を生成した後、これを、前記受信したタグ信号と結合することをいう。
【００９５】
このような結合によって、タグ信号に含まれている送信漏洩信号（Ｓ３）は除去され、純粋なタグ信号のみ伝達される。
【００９６】
この際、衝突防止期間は数ミリ秒から数十秒の時間を有し、衝突防止期間の間に漏洩信号相殺部１３０で再調整作業を行わず、ＲＦ環境の変化が起こる時に、ＲＦ環境の変化後のタグ信号をリーダが受信できない状況がある場合もある。
【００９７】
このように、同一の衝突防止（ａｎｔｉ−ｃｏｌｌｉｓｉｏｎ）期間中であっても、タグ周囲のＲＦ環境が変化すると、その変化されたＲＦ環境内にあるタグからタグ信号を受信するようにすることで、ＲＦ環境が変化しても、タグ情報を正確に識別することができる。
【００９８】
このように、ＲＦ環境の変化を既に設定された周期に応じて確認し、そのＲＦ環境の変化に応じて、漏洩信号相殺部１３０の再調整作業を連続的に実行させ、変化したＲＦ環境内にあるタグからタグ信号を正確に受信することができる。
【００９９】
以上で説明した本発明は、好ましい実施例により詳細に説明したが、本発明は、これら実施例の内容に限定されるのではない。本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者であれば、たとえ実施例には提示されていないが、添付された特許請求の範囲内で様々な本発明に対する模倣や改良が可能であり、これら全てが本発明の技術的範囲に属することは自明である。したがって、本発明の真の技術的保護範囲は、添付の特許請求の範囲の技術的思想によって定めなければならない。
【符号の説明】
【０１００】
１００ ＲＦＩＤシステムの送信漏洩信号除去装置
１１０ リーダ制御部
１２０ 信号分岐部
１３０ 漏洩信号相殺部
１４０ コントローラ部
【特許請求の範囲】
【請求項１】
ＲＦＩＤタグに送信信号を送出し、前記ＲＦＩＤタグから送信された受信信号を受信して、タグ情報を読み取るリーダ制御部を含むＲＦＩＤシステムの送信漏洩信号除去装置であって、
前記送信信号の一部と前記受信信号を受信し、前記送信信号の一部と送信漏洩信号を除去するための調整値に応じて相殺信号を生成して、前記受信信号に含まれている送信漏洩信号を除去する調整作業を行う漏洩信号相殺部、及び
前記受信信号の強度に基づいて、前記ＲＦＩＤタグが取り付けられているＲＦ環境に変化があるか否かを継続的に判断し、前記ＲＦ環境の変化に応じて、前記漏洩信号相殺部の動作を制御するコントローラ部を含むことを特徴とするＲＦＩＤシステムの送信漏洩信号除去装置。
【請求項２】
前記コントローラ部は、
継続的に前記受信信号の強度を基準値と比較して、前記受信信号の強度が基準値以上であると、前記ＲＦ環境に変化があると判断することを特徴とする請求項１に記載のＲＦＩＤシステムの送信漏洩信号除去装置。
【請求項３】
前記コントローラ部は、
前記ＲＦ環境に変化があると判断される場合、前記受信信号の強度が基準値未満になるようにする調整値を検出して、前記漏洩信号相殺部に伝達し、
前記漏洩信号相殺部は、
前記伝達された調整値に応じて相殺信号を生成して、前記受信信号に含まれている送信漏洩信号を除去する調整作業を行うことを特徴とする請求項２に記載のＲＦＩＤシステムの送信漏洩信号除去装置。
【請求項４】
前記相殺信号は、
前記送信漏洩信号と大きさが同一であり、位相が反対であることを特徴とする請求項１に記載のＲＦＩＤシステムの送信漏洩信号除去装置。
【請求項５】
前記コントローラ部は、
前記リーダ制御部が所定の周期に応じて設定した前記衝突防止（ａｎｔｉ−ｃｏｌｌｉｓｉｏｎ）期間の間にも、前記ＲＦＩＤタグが取り付けられているＲＦ環境に変化があるか否かを継続的に判断することを特徴とする請求項１に記載のＲＦＩＤシステムの送信漏洩信号除去装置。
【請求項６】
前記送信信号の一部を分岐して分岐信号を出力する信号分岐部をさらに含むことを特徴とする請求項１に記載のＲＦＩＤシステムの送信漏洩信号除去装置。
【請求項７】
前記漏洩信号相殺部は、
前記調整値に応じて生成信号を生成して、前記受信信号に含まれている送信漏洩信号を相殺する調整作業を行う第１の漏洩信号相殺部、及び
前記調整値に応じて生成信号を生成して、前記受信信号に含まれている送信漏洩信号を相殺する調整作業を行った後、前記受信信号を前記コントローラ部に出力する第２の漏洩信号相殺部を含むことを特徴とする請求項３に記載のＲＦＩＤシステムの送信漏洩信号除去装置。
【請求項８】
前記コントローラ部は、
前記第２の漏洩信号相殺部から入力される前記受信信号の強度が基準値以上であるか否かを判断し、前記受信信号の強度が基準値以上であると、前記調整値を再検出して、前記第２の漏洩信号相殺部に適用し、前記受信信号の強度が基準値未満になるまで、前記判断及び前記適用の処理を繰り返し行い、
前記受信信号の強度が基準値未満になると、これに相応する調整値を前記第１の漏洩信号相殺部に適用することを特徴とする請求項７に記載のＲＦＩＤシステムの送信漏洩信号除去装置。
【請求項９】
前記コントローラ部は、
前記リーダ制御部から入力されるオン制御信号またはオフ制御信号に応じて、前記漏洩信号相殺部の動作時期を制御することを特徴とする請求項１に記載のＲＦＩＤシステムの送信漏洩信号除去装置。
【請求項１０】
前記コントローラ部は、
前記リーダ制御部からオン制御信号が入力されると、前記ＲＦＩＤタグが取り付けられているＲＦ環境に変化があるか否かを確認し、ＲＦ環境の変化に応じて、前記漏洩信号相殺部の動作を制御することを特徴とする請求項９に記載のＲＦＩＤシステムの送信漏洩信号除去装置。
【請求項１１】
ＲＦＩＤタグに送信信号を送出し、前記ＲＦＩＤタグから送信された受信信号を受信して、タグ情報を読み取るリーダ制御部と、前記受信信号に混入される送信漏洩信号を除去する送信漏洩信号除去モジュールを含むＲＦＩＤシステムであって、
前記送信漏洩信号除去モジュールは、
前記送信信号の一部と前記受信信号を受信し、前記送信信号の一部と送信漏洩信号を除去するための調整値に応じて相殺信号を生成して、前記受信信号に含まれている送信漏洩信号を除去する調整作業を行う漏洩信号相殺部、及び
前記受信信号の強度に基づいて、前記ＲＦＩＤタグが取り付けられているＲＦ環境に変化があるか否かを継続的に判断し、前記ＲＦ環境の変化に応じて、前記漏洩信号相殺部の動作を制御するコントローラ部を含むことを特徴とするＲＦＩＤシステム。
【請求項１２】
前記コントローラ部は、
継続的に前記受信信号の強度を基準値と比較して、前記受信信号の強度が基準値以上であると、前記ＲＦ環境に変化があると判断することを特徴とする請求項１１に記載のＲＦＩＤシステム。
【請求項１３】
前記コントローラ部は、
前記ＲＦ環境に変化があると判断される場合、前記受信信号の強度が基準値未満になるようにする調整値を検出して、前記漏洩信号相殺部に伝達し、
前記漏洩信号相殺部は、
前記伝達された調整値に応じて相殺信号を生成して、前記受信信号に含まれている送信漏洩信号を除去する調整作業を行うことを特徴とする請求項１２に記載のＲＦＩＤシステム。
【請求項１４】
前記コントローラ部は、
前記リーダ制御部が所定の周期に応じて設定した前記衝突防止（ａｎｔｉ−ｃｏｌｌｉｓｉｏｎ）期間の間にも、前記ＲＦＩＤタグが取り付けられているＲＦ環境に変化があるか否かを継続的に判断することを特徴とする請求項１１に記載のＲＦＩＤシステム。
【請求項１５】
前記送信信号の一部を分岐して分岐信号を出力する信号分岐部をさらに含むことを特徴とする請求項１１に記載のＲＦＩＤシステム。
【請求項１６】
前記漏洩信号相殺部は、
前記調整値に応じて生成信号を生成して、前記受信信号に含まれている送信漏洩信号を相殺する調整作業を行う第１の漏洩信号相殺部、及び
前記調整値に応じて生成信号を生成して、前記受信信号に含まれている送信漏洩信号を相殺する調整作業を行った後、前記受信信号を前記コントローラ部に出力する第２の漏洩信号相殺部を含むことを特徴とする請求項１３に記載のＲＦＩＤシステム。
【請求項１７】
前記コントローラ部は、
前記第２の漏洩信号相殺部から入力される前記受信信号の強度が基準値以上であるか否かを判断し、前記受信信号の強度が基準値以上であると、前記調整値を再検出して前記第２の漏洩信号相殺部に適用し、前記受信信号の強度が基準値未満になるまで、前記判断及び前記適用の処理を繰り返し行い、
前記受信信号の強度が基準値未満になると、これに相応する調整値を前記第１の漏洩信号相殺部に適用することを特徴とする請求項１６に記載のＲＦＩＤシステム。
【請求項１８】
前記コントローラ部は、
前記リーダ制御部から入力されるオン制御信号またはオフ制御信号に応じて、前記漏洩信号相殺部の動作時期を制御することを特徴とする請求項１１に記載のＲＦＩＤシステム。
【請求項１９】
前記コントローラ部は、
前記リーダ制御部からオン制御信号が入力されると、前記ＲＦＩＤタグが取り付けられているＲＦ環境に変化があるか否かを確認し、ＲＦ環境の変化に応じて前記漏洩信号相殺部の動作を制御することを特徴とする請求項１８に記載のＲＦＩＤシステム。
【請求項１】
ＲＦＩＤタグに送信信号を送出し、前記ＲＦＩＤタグから送信された受信信号を受信して、タグ情報を読み取るリーダ制御部を含むＲＦＩＤシステムの送信漏洩信号除去装置であって、
前記送信信号の一部と前記受信信号を受信し、前記送信信号の一部と送信漏洩信号を除去するための調整値に応じて相殺信号を生成して、前記受信信号に含まれている送信漏洩信号を除去する調整作業を行う漏洩信号相殺部、及び
前記受信信号の強度に基づいて、前記ＲＦＩＤタグが取り付けられているＲＦ環境に変化があるか否かを継続的に判断し、前記ＲＦ環境の変化に応じて、前記漏洩信号相殺部の動作を制御するコントローラ部を含むことを特徴とするＲＦＩＤシステムの送信漏洩信号除去装置。
【請求項２】
前記コントローラ部は、
継続的に前記受信信号の強度を基準値と比較して、前記受信信号の強度が基準値以上であると、前記ＲＦ環境に変化があると判断することを特徴とする請求項１に記載のＲＦＩＤシステムの送信漏洩信号除去装置。
【請求項３】
前記コントローラ部は、
前記ＲＦ環境に変化があると判断される場合、前記受信信号の強度が基準値未満になるようにする調整値を検出して、前記漏洩信号相殺部に伝達し、
前記漏洩信号相殺部は、
前記伝達された調整値に応じて相殺信号を生成して、前記受信信号に含まれている送信漏洩信号を除去する調整作業を行うことを特徴とする請求項２に記載のＲＦＩＤシステムの送信漏洩信号除去装置。
【請求項４】
前記相殺信号は、
前記送信漏洩信号と大きさが同一であり、位相が反対であることを特徴とする請求項１に記載のＲＦＩＤシステムの送信漏洩信号除去装置。
【請求項５】
前記コントローラ部は、
前記リーダ制御部が所定の周期に応じて設定した前記衝突防止（ａｎｔｉ−ｃｏｌｌｉｓｉｏｎ）期間の間にも、前記ＲＦＩＤタグが取り付けられているＲＦ環境に変化があるか否かを継続的に判断することを特徴とする請求項１に記載のＲＦＩＤシステムの送信漏洩信号除去装置。
【請求項６】
前記送信信号の一部を分岐して分岐信号を出力する信号分岐部をさらに含むことを特徴とする請求項１に記載のＲＦＩＤシステムの送信漏洩信号除去装置。
【請求項７】
前記漏洩信号相殺部は、
前記調整値に応じて生成信号を生成して、前記受信信号に含まれている送信漏洩信号を相殺する調整作業を行う第１の漏洩信号相殺部、及び
前記調整値に応じて生成信号を生成して、前記受信信号に含まれている送信漏洩信号を相殺する調整作業を行った後、前記受信信号を前記コントローラ部に出力する第２の漏洩信号相殺部を含むことを特徴とする請求項３に記載のＲＦＩＤシステムの送信漏洩信号除去装置。
【請求項８】
前記コントローラ部は、
前記第２の漏洩信号相殺部から入力される前記受信信号の強度が基準値以上であるか否かを判断し、前記受信信号の強度が基準値以上であると、前記調整値を再検出して、前記第２の漏洩信号相殺部に適用し、前記受信信号の強度が基準値未満になるまで、前記判断及び前記適用の処理を繰り返し行い、
前記受信信号の強度が基準値未満になると、これに相応する調整値を前記第１の漏洩信号相殺部に適用することを特徴とする請求項７に記載のＲＦＩＤシステムの送信漏洩信号除去装置。
【請求項９】
前記コントローラ部は、
前記リーダ制御部から入力されるオン制御信号またはオフ制御信号に応じて、前記漏洩信号相殺部の動作時期を制御することを特徴とする請求項１に記載のＲＦＩＤシステムの送信漏洩信号除去装置。
【請求項１０】
前記コントローラ部は、
前記リーダ制御部からオン制御信号が入力されると、前記ＲＦＩＤタグが取り付けられているＲＦ環境に変化があるか否かを確認し、ＲＦ環境の変化に応じて、前記漏洩信号相殺部の動作を制御することを特徴とする請求項９に記載のＲＦＩＤシステムの送信漏洩信号除去装置。
【請求項１１】
ＲＦＩＤタグに送信信号を送出し、前記ＲＦＩＤタグから送信された受信信号を受信して、タグ情報を読み取るリーダ制御部と、前記受信信号に混入される送信漏洩信号を除去する送信漏洩信号除去モジュールを含むＲＦＩＤシステムであって、
前記送信漏洩信号除去モジュールは、
前記送信信号の一部と前記受信信号を受信し、前記送信信号の一部と送信漏洩信号を除去するための調整値に応じて相殺信号を生成して、前記受信信号に含まれている送信漏洩信号を除去する調整作業を行う漏洩信号相殺部、及び
前記受信信号の強度に基づいて、前記ＲＦＩＤタグが取り付けられているＲＦ環境に変化があるか否かを継続的に判断し、前記ＲＦ環境の変化に応じて、前記漏洩信号相殺部の動作を制御するコントローラ部を含むことを特徴とするＲＦＩＤシステム。
【請求項１２】
前記コントローラ部は、
継続的に前記受信信号の強度を基準値と比較して、前記受信信号の強度が基準値以上であると、前記ＲＦ環境に変化があると判断することを特徴とする請求項１１に記載のＲＦＩＤシステム。
【請求項１３】
前記コントローラ部は、
前記ＲＦ環境に変化があると判断される場合、前記受信信号の強度が基準値未満になるようにする調整値を検出して、前記漏洩信号相殺部に伝達し、
前記漏洩信号相殺部は、
前記伝達された調整値に応じて相殺信号を生成して、前記受信信号に含まれている送信漏洩信号を除去する調整作業を行うことを特徴とする請求項１２に記載のＲＦＩＤシステム。
【請求項１４】
前記コントローラ部は、
前記リーダ制御部が所定の周期に応じて設定した前記衝突防止（ａｎｔｉ−ｃｏｌｌｉｓｉｏｎ）期間の間にも、前記ＲＦＩＤタグが取り付けられているＲＦ環境に変化があるか否かを継続的に判断することを特徴とする請求項１１に記載のＲＦＩＤシステム。
【請求項１５】
前記送信信号の一部を分岐して分岐信号を出力する信号分岐部をさらに含むことを特徴とする請求項１１に記載のＲＦＩＤシステム。
【請求項１６】
前記漏洩信号相殺部は、
前記調整値に応じて生成信号を生成して、前記受信信号に含まれている送信漏洩信号を相殺する調整作業を行う第１の漏洩信号相殺部、及び
前記調整値に応じて生成信号を生成して、前記受信信号に含まれている送信漏洩信号を相殺する調整作業を行った後、前記受信信号を前記コントローラ部に出力する第２の漏洩信号相殺部を含むことを特徴とする請求項１３に記載のＲＦＩＤシステム。
【請求項１７】
前記コントローラ部は、
前記第２の漏洩信号相殺部から入力される前記受信信号の強度が基準値以上であるか否かを判断し、前記受信信号の強度が基準値以上であると、前記調整値を再検出して前記第２の漏洩信号相殺部に適用し、前記受信信号の強度が基準値未満になるまで、前記判断及び前記適用の処理を繰り返し行い、
前記受信信号の強度が基準値未満になると、これに相応する調整値を前記第１の漏洩信号相殺部に適用することを特徴とする請求項１６に記載のＲＦＩＤシステム。
【請求項１８】
前記コントローラ部は、
前記リーダ制御部から入力されるオン制御信号またはオフ制御信号に応じて、前記漏洩信号相殺部の動作時期を制御することを特徴とする請求項１１に記載のＲＦＩＤシステム。
【請求項１９】
前記コントローラ部は、
前記リーダ制御部からオン制御信号が入力されると、前記ＲＦＩＤタグが取り付けられているＲＦ環境に変化があるか否かを確認し、ＲＦ環境の変化に応じて前記漏洩信号相殺部の動作を制御することを特徴とする請求項１８に記載のＲＦＩＤシステム。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【公開番号】特開２０１１−２４４４５７（Ｐ２０１１−２４４４５７Ａ）
【公開日】平成２３年１２月１日（２０１１．１２．１）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１１−１１１００９（Ｐ２０１１−１１１００９）
【出願日】平成２３年５月１８日（２０１１．５．１８）
【出願人】（５９３１２１３７９）エルエス産電株式会社 (221)
【氏名又は名称原語表記】ＬＳＩＳ ＣＯ．， ＬＴＤ
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２３年１２月１日（２０１１．１２．１）
【国際特許分類】
【出願日】平成２３年５月１８日（２０１１．５．１８）
【出願人】（５９３１２１３７９）エルエス産電株式会社 (221)
【氏名又は名称原語表記】ＬＳＩＳ ＣＯ．， ＬＴＤ
【Ｆターム（参考）】
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