RFIDタグシステム
【課題】電波の反射を利用してRFIDタグとの通信可能領域の拡大を図る構成を大形化することなく実現できるRFIDタグシステムを提供する。
【解決手段】台車4の背面に貼付されたRFIDタグ5には物流情報が記憶されており、リーダライタ1は、UHF帯の電波によりRFIDタグ5から物流情報を読取るようになっている。台車4が搬送するダンボール内に金属製品Aが収納されていた場合は、RFIDタグ5が通信可能領域Bに位置しているにしても、金属製品Aの背面側に通信不能領域Cが形成され、RFIDタグ5との通信が不可能となる。リーダライタ1の送信アンテナ2の正面には設置された反射手段19は、送信アンテナ2からの電波を水平方向に拡散して反射するので、通信不能領域Cに位置するRFIDタグ5に電波が到達するようになり、本来なら通信不能なRFIDタグ5と通信することが可能となる。
【解決手段】台車4の背面に貼付されたRFIDタグ5には物流情報が記憶されており、リーダライタ1は、UHF帯の電波によりRFIDタグ5から物流情報を読取るようになっている。台車4が搬送するダンボール内に金属製品Aが収納されていた場合は、RFIDタグ5が通信可能領域Bに位置しているにしても、金属製品Aの背面側に通信不能領域Cが形成され、RFIDタグ5との通信が不可能となる。リーダライタ1の送信アンテナ2の正面には設置された反射手段19は、送信アンテナ2からの電波を水平方向に拡散して反射するので、通信不能領域Cに位置するRFIDタグ5に電波が到達するようになり、本来なら通信不能なRFIDタグ5と通信することが可能となる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リーダライタのアンテナから放射した電波によりRFIDタグと通信するRFIDタグシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、UHF帯のRFIDタグ用の周波数の使用が可能となり、通信距離の大幅の向上が可能となったことから、UHF帯のRFIDタグの使用が計画されている。
その一例として、物流などで用いる台車や通い箱にRFIDタグを貼付し、それらが通過する通路にリーダライタを設置して、RFIDタグからデータを読取ったり、データを書込んだりするシステムが提案されている。このようなシステムでは、通路の片側からRFIDタグを読取る構成が一般的である。このように台車や通い箱の両方の側にRFIDタグを貼付する場合は、通路を挟んだ両側にアンテナを設置し、通信するアンテナを切替えたりすることにより、時分割によりRFIDタグにアクセスする必要がある。
【特許文献1】特開2003−283365号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、RFIDタグを台車や通い箱の両側に貼付する方法では、例えば通過時刻などのデータをRFIDタグに書込む必要がある場合に、片側のRFIDタグにしかデータを書込むことができなかったときは、別の場所で台車や通い箱などの反対側に貼付されたRFIDタグからデータを読取ることができないという問題がある。
【0004】
また、通路を挟んだ両側にアンテナをそれぞれ設置する方法では、アンテナを時分割で切替えるために、動いている通い箱に貼付されたRFIDタグを読取る場合に、切替えに要するアクセス空白時間が発生したり、切替えた別のアンテナ領域にRFIDタグが存在したりするなど、RFIDタグを読取れないことがある。
【0005】
従って、RFIDタグを台車や通い箱の片側のみに貼付することが望ましいものの、それでは、RFIDタグがアンテナに対して通路を挟んだ反対側に位置した場合は、通信可能な距離であっても、台車に載置された金属製品の影響を受けて、RFIDタグとの通信ができない虞がある。
【0006】
一方、特許文献1のものでは、放物面状の反射面を用い、その反射面で電波を集中させることによりRFIDタグとの通信精度を向上させることを提案している。
しかしながら、このような方法では、電波が集中する位置が限定されていると共に反射面が極めて大きいことから、台車や通い箱のようにRFIDタグの通過位置が不定な通信環境、或いは反射面の設置面積が限られるという通信環境では実施不可能である。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、電波の反射を利用してRFIDタグとの通信可能領域の拡大を図る構成を大形化することなく実現できるRFIDタグシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の発明によれば、リーダライタから送信された電波は、反射手段が有する突出した反射面で異なる方向に拡散して反射されるので、リーダライタの通信可能領域やRFIDタグとの対向角度の拡大を図ることができ、本来なら通信不能なRFIDタグとの通信が可能となる。
【0009】
請求項2の発明によれば、反射手段による電波の反射方向が変更されるので、異なる方向に電波が順に反射され、本来なら通信不能なRFIDタグとの通信が可能となる。
請求項3の発明によれば、リーダライタがRFIDタグと通信するまでは、通信環境が変動しないので、リーダライタはRFIDタグとの通信が終了するまで通信を保証することができる。
【0010】
請求項4,5の発明によれば、反射手段の反射面の反射により電波を効果的に拡散することができる。
請求項6の発明によれば、反射手段の反射体により電波を集中することができるので、電波の集中位置に位置するRFIDタグとの通信性能を高めることができる。
【0011】
請求項7の発明によれば、アンテナが送信アンテナと受信アンテナとから構成されている場合であっても、電波の集中位置に位置するRFIDタグとの通信性能を高めることができる。
【0012】
請求項8の発明によれば、反射手段により電波を水平方向に効率よく拡散することができる。
請求項9の発明によれば、反射手段を回転することにより電波の反射方向をステップ状に変更することができる。
【0013】
請求項10の発明によれば、RFIDタグとの通信が終了するまでは反射手段は停止しているので、RFIDタグとの通信が終了するまで通信を保証することができる。
請求項11の発明によれば、全体構成の簡単化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
(第1実施例)
以下、本発明の第1実施例について図1ないし図4を参照して説明する。
図1は、システム全体の構成を概略的に示している。この図1において、通路の側方にはリーダライタ(制御手段に相当)1が設置されている。このリーダライタ1は、送信アンテナ2及び受信アンテナ3を有しており、送信アンテナ2から通信電波として例えば952〜954MHzのUHF(Ultra High Frequency)帯域のうちの所定周波数の送信信号に質問信号で変調して送信すると共に、RFIDタグからの応答信号を受信アンテナ3で受信して復調するようになっている。
【0015】
このUHF帯域を用いた通信の特徴は、
1.電波に指向性があり、通信領域の限定がある程度可能である。
2.通信距離を長くできるため、比較的広い範囲を通信可能領域として設定しやすい。
3.電波が、ダンボールなどの紙や板、プラスチックなどを通り抜けて、RFIDタグの読取りが可能などである。
【0016】
通路を通過する台車4の片側にはRFIDタグ5が貼付されている。このRFIDタグ5は、台車4に搭載された物品の物流情報が記憶されており、その物流情報を読取ることにより、台車4に搭載された物品内容、搬送先、搬送時間等の管理が可能となる。
【0017】
図2は、リーダライタ1の構成を概略的に示している。この図2において、リーダライタ1は、制御部6、記憶部7、送信部8、受信部9から構成されている。
送信部8は、デジタル部10とアナログ部11とから構成されている。デジタル部10は符号化部10aと変調部10bとから構成され、アナログ部11はフィルタ11aとアンプ11bとから構成されている。受信部9は、デジタル部12とアナログ部13とから構成されている。デジタル部12は復号化部12aと復調部12bとから構成され、アナログ部13はフィルタ13aとアンプ13bとから構成されている。送信アンテナ2はリーダライタ1の送信部8と接続され、受信アンテナ3はリーダライタ1の受信部9と接続されている。
尚、図2では、送信アンテナ2と受信アンテナ3とを独立して示したが、実際にはアンテナユニットとして一体に構成されていたり、一つのアンテナが送信アンテナ2と受信アンテナ3の機能を備えて構成されていたりする。
【0018】
図3は、RFIDタグ5の構成を概略的に示している。この図3において、RFIDタグ5は、アンテナ14、制御部15、記憶部16、復調部17、変調部18から構成されている。このRFIDタグ5は、リーダライタ1からの送信信号から自己の電力を生成する電池を使用しないパッシブタイプであるが、通信距離が長距離となる場合は、電池を内蔵したアクティブタイプが用いられる。
【0019】
図1に戻って、送信アンテナ2及び受信アンテナ3の正面方向において、台車4の通路と反対側となる位置に反射手段19が設置されている。この反射手段19は、図4に示すように高さ方向に長く形成されていると共にリーダライタ1側に突出したかまぼこ状の反射面19aを有している。この反射面19aは、鉄、アルミニウムなどの金属面からなり、電波が反射可能であれば、金属のワイヤを格子状に配列したものでもよい。
【0020】
次に上記構成の作用について説明する。
リーダライタ1は、送信アンテナ2から952〜954MHz(UHF帯域)の所定周波数の送信信号を質問信号で変調して送信している。送信アンテナ2から送信されるUHF帯の電波は指向性が優れていることから、送信アンテナ2のほぼ正面を中心として放射される。
【0021】
通路を通過する台車4の片側にはRFIDタグ5が貼付されている。この場合、RFIDタグ5を台車4の片側に貼付しているのは、[発明が解決しようとする課題]で説明したように、台車4の両側にRFIDタグ5を貼付した場合に生じる不具合を回避するためである。この実施例では、台車4の通路の反対側となる部位にRFIDタグ5が貼付されているものとする。
【0022】
リーダライタ1は、送信アンテナ2からUHF帯の電波を送信して台車4に貼付されたRFIDタグ5と通信してデータを読取ることにより、その台車4が搬送する商品の種別、個数、搬送先などの物量情報を取得すると共に、通過時刻などのデータをRFIDタグ5に書込むようになっている。
【0023】
ところで、台車4に搭載されたダンボール内に金属製品Aが収納されている場合は、電波が金属製品Aを通過することができないことから、RFIDタグ5がリーダライタ1の通信可能領域B(図1に実線で示す範囲内)に位置するにしても当該RFIDタグ5との通信が不可能となる。つまり、金属製品Aの背面側には通信不能領域C(図中に斜線で示す領域)が形成されることになり、その通信不能領域CにRFIDタグ5が位置することになる。この通信不能領域Cは台車4が移動するにしてもRFIDタグ5の背面側に常に形成されているので、RFIDタグ5は、通信不能領域Cに常に位置することになる。このため、リーダライタ1は、台車4が前方を通過するにしてもRFIDタグ5と通信できず、RFIDタグ5から物流情報を読取ったり、RFIDタグ5にデータを書込んだりすることができなくなってしまう。
【0024】
しかしながら、本実施例では、送信アンテナ2及び受信アンテナ3の正面には反射手段19が設置されているので、送信アンテナ2から放射された電波は反射手段19の反射面19aで反射している。この場合、反射手段19の反射面19aは、リーダライタ1側に突出したかまぼこ状をなしているので、反射面19aで反射した電波は、反射手段19を中心として水平方向に拡散している。これにより、RFIDタグ5が通信不能領域Cに位置している場合であっても、反射手段19によりリーダライタ1からの電波が到達するようになる。つまり、通信不能領域Cに位置しているRFIDタグ5は、反射手段19により形成された通信可能領域Dに位置するようになる。この結果、リーダライタ1は、本来なら通信できないRFIDタグ5と通信することができるようになる。
【0025】
ここで、RFIDタグ5がパッシブタイプの場合は、受信した送信信号から電力を生成することにより起動し、その起動状態で送信信号から変調された質問信号を復調し、質問信号に応じた応答信号を送信信号に対する変調により受信信号として送信することになる。
【0026】
尚、図1では、動作が理解しやすいように送信信号と受信信号とを分離して示したが、RFIDタグ5がパッシブタイプの場合は、送信信号と受信信号の経路は一致することになる。
また、RFIDタグ5がアクティブタイプの場合は、受信した送信信号から質問信号を復調し、内部電池の電力から生成した送信信号を応答信号により変調して送信アンテナから送信することになる。
【0027】
リーダライタ1は、受信アンテナ3でRFIDタグ5からの信号を受信し、その受信信号から応答信号を復調してRFIDタグ5の存在を認識することにより、RFIDタグ5に記憶されている物流情報を読取ったり、RFIDタグ5に現在時刻などを書込んだりすることができる。
【0028】
以上のようなリーダライタ1によるRFIDタグ5との通信は比較的短時間に行なわれることから、台車4が進行してダンボールに内蔵された金属製品Aが送信アンテナ2及び受信アンテナ3の正面に位置することにより、反射手段19により通信可能領域Dが形成されずRFIDタグ5との通信が不可能となるにしても、支障を生じることはない。
【0029】
このような実施例によれば、台車4の通路を挟んで送信アンテナ2及び受信アンテナ3に対向する位置に反射手段19を設置し、送信アンテナ2から放射された電波が直接到達しない通信不能領域CにRFIDタグ5が位置した場合であっても、反射手段19による電波の反射によりRFIDタグ5と通信可能とするようにしたので、通信可能領域の拡大を図ることができる。従って、反射手段19を備えていない構成のものに比較して、台車4により搬送されるダンボール箱に金属製品Aが収納されているにしても、台車4の背面側に貼付されたRFIDタグ5から情報を読取ったり、情報を書き込んだりすることが可能となる。
しかも、反射手段19により電波を水平方向に拡散するようにしたので、小形の反射手段19であっても通信可能領域を効果的に拡大することができる。
【0030】
尚、反射手段19の反射面の形状を、図5に示すように複数のポリゴン状の反射部20を有して形成するようにしたり、図6に示すように図示縦方向の帯状に形成したりするようにしてもよい。この場合、反射手段19の表面形状によりリーダライタ1からの電波を水平方向に効果的に拡散することができる。
【0031】
また、反射手段19の反射面の形状を、図7に示すようにパラボラ形状の反射体21を複数有するように構成してもよい。この場合、パラボラ形状の反射体21のうち約半数が送信アンテナ2の方向を指向し、残り約半数が受信アンテナ3の方向を指向させるのが望ましい。つまり、反射体21により電波を集中させることができるので、その集中領域をRFIDタグ5の通過領域に設定することにより、RFIDタグ5との通信性能を高めることができる。
【0032】
(第2実施例)
次に、本発明の第2実施例について図8及び図9を参照して説明するに、第1実施例と同一名称の構成には同一符号を付して詳細な説明を省略する。この第2実施例は、反射手段19を回転制御することを特徴とする。
【0033】
図8は、反射手段19の斜視図である。この図8において、反射手段19は、多角柱状の反射面19aを有している。この反射手段19の中心部には回転軸22が設けられており、その回転軸22が台座23に内蔵された図示しないモータで所定角度ずつ回転される。このモータは、リーダライタ1からの制御により駆動されるようになっている。
【0034】
リーダライタ1の送信アンテナ2から電波が放射された状態では、反射手段19の反射面19aで電波が反射されるので、第1実施例で説明したようにリーダライタ1からの電波が直接到達しない通信不能領域にRFIDタグ5が位置している場合であっても、反射手段19による電波の反射によりRFIDタグ5との通信が可能となる。
【0035】
ところで、反射手段19が停止している状態では、本来なら反射手段19による電波の反射により電波が到達可能は領域であっても、電波が到達しない領域が発生する虞がある。
そこで、本実施例では、リーダライタ1により反射手段19を回転制御するようにした。
図9は、リーダライタ1によるデータ読取動作を示すフローチャートである。この図9において、リーダライタ1は、まず、ID読取コマンドを発行する(S1)。RFIDタグ5からIDの応答がない場合は(S2:NO)、反射手段19を1ステップ回転する(S6)。この場合、反射手段19の表面は多角柱状に形成されていることから、反射手段19が1ステップ回転したときは、反射手段19の反射面19aによる電波の反射方向が変化し、それに伴って反射手段19によるRFIDタグ5との通信可能領域が変化する。
このように反射手段19を1ステップ回転するにしてもRFIDタグ5からの応答が依然として無い場合は(S2:NO)、反射手段19をさらに1ステップずつ回転する(S6)。
【0036】
そして、反射手段19に対する1ステップずつの回転制御の結果、RFIDタグ5からIDの応答があったときは(S2:YES)、データ読取コマンドを発行し(S3)、RFIDタグ5からの応答信号が示すデータを読取り(S4)、データをホストに送信してから(S5)、ステップS1に戻ることによりRFIDタグ5に対する読取りを継続する。
以上の動作により、RFIDタグ5が通信不能領域Cに位置している場合であっても、反射手段19に対する回転制御により台車4の背面側に貼付されたRFIDタグ5との通信が可能となる。
【0037】
このような実施例によれば、多角柱状の反射面19aを有した反射手段19を回転制御することにより、反射手段19による電波の反射方向を順に変更するようにしたので、反射手段19の電波の反射による通信可能領域が固定されている第1実施例のものに比較して、通信可能領域が順に移動し、通信可能領域のさらなる拡大を図ることができる。
しかも、RFIDタグ5との通信の開始前に反射手段19を停止し、RFIDタグ5との通信が終了したところで反射手段19を再び回転制御するようにしたので、RFIDタグ5との通信を保証することができる。
【0038】
また、リーダライタ1自身が反射手段19の回転を制御するようにしたので、反射手段19の回転を制御する手段を独立して設ける構成に比較して、全体構成を簡単化することができる。
尚、反射手段19としては、図10に示すように反射面を平面状とし、台座23に内蔵された図示しないモータにより反射手段19の角度を制御するようにしてもよい。
【0039】
本発明は、上記実施例に限定されることなく、次のように変形または拡張できる。
図4ないし図6に示した表面形状の反射手段19を回転制御するようにしてもよい。
図11に示すように通路の反対側に反射手段19を複数設置したり、図12に示すようにリーダライタ1により反射手段19の角度を制御したりするようにしてもよい。
図13に示すように送信アンテナ2及び受信アンテナ3の背面側に反射手段19を設置したり、図14に示すようにリーダライタ1により反射手段19を回転制御したりしてもよい。
【0040】
図15に示すように通路を挟んだ両側に反射手段19を固定設置したり、図16に示すようにリーダライタ1により反射手段19を回転制御したりしてもよい。この場合、複数の反射手段19の反射により通信可能領域をさらに拡大することができるので、台車4の手前側に貼付されたRFIDタグ5との通信も可能となる。
【0041】
リーダライタ1の無線周波数としてはUHF以外の周波数を用いるようにしてもよい。
リーダライタ1以外の制御手段で反射手段19の回転を制御するようにしてもよい。
反射手段19としては、電波を水平方向に加えて垂直方向に反射するような形状としてもよいし、水平方向に加えて垂直方向にも回転制御するようにしてもよい。
反射手段19を首振り制御するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の第1実施例における全体構成を示す概略図
【図2】リーダライタの電気的構成を概略的に示すブロック図
【図3】RFIDタグの電気的構成を概略的に示すブロック図
【図4】反射手段の斜視図
【図5】変形例を示す図4相当図
【図6】他の変形例を示す図4相当図
【図7】他の変形例を示す図4相当図
【図8】本発明の第2実施例における反射手段を示す図4相当図
【図9】リーダライタによる反射手段に対する回転制御動作を示すフローチャート
【図10】変形例を示す図4相当図
【図11】変形例を示す図1相当図
【図12】他の変形例を示す図1相当図
【図13】他の変形例を示す図1相当図
【図14】他の変形例を示す図1相当図
【図15】他の変形例を示す図1相当図
【図16】他の変形例を示す図1相当図
【符号の説明】
【0043】
図面中、1はリーダライタ(制御手段)、2は送信アンテナ、3は受信アンテナ、4は台車、5はRFIDタグ、19は反射手段、19aは反射面である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、リーダライタのアンテナから放射した電波によりRFIDタグと通信するRFIDタグシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、UHF帯のRFIDタグ用の周波数の使用が可能となり、通信距離の大幅の向上が可能となったことから、UHF帯のRFIDタグの使用が計画されている。
その一例として、物流などで用いる台車や通い箱にRFIDタグを貼付し、それらが通過する通路にリーダライタを設置して、RFIDタグからデータを読取ったり、データを書込んだりするシステムが提案されている。このようなシステムでは、通路の片側からRFIDタグを読取る構成が一般的である。このように台車や通い箱の両方の側にRFIDタグを貼付する場合は、通路を挟んだ両側にアンテナを設置し、通信するアンテナを切替えたりすることにより、時分割によりRFIDタグにアクセスする必要がある。
【特許文献1】特開2003−283365号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、RFIDタグを台車や通い箱の両側に貼付する方法では、例えば通過時刻などのデータをRFIDタグに書込む必要がある場合に、片側のRFIDタグにしかデータを書込むことができなかったときは、別の場所で台車や通い箱などの反対側に貼付されたRFIDタグからデータを読取ることができないという問題がある。
【0004】
また、通路を挟んだ両側にアンテナをそれぞれ設置する方法では、アンテナを時分割で切替えるために、動いている通い箱に貼付されたRFIDタグを読取る場合に、切替えに要するアクセス空白時間が発生したり、切替えた別のアンテナ領域にRFIDタグが存在したりするなど、RFIDタグを読取れないことがある。
【0005】
従って、RFIDタグを台車や通い箱の片側のみに貼付することが望ましいものの、それでは、RFIDタグがアンテナに対して通路を挟んだ反対側に位置した場合は、通信可能な距離であっても、台車に載置された金属製品の影響を受けて、RFIDタグとの通信ができない虞がある。
【0006】
一方、特許文献1のものでは、放物面状の反射面を用い、その反射面で電波を集中させることによりRFIDタグとの通信精度を向上させることを提案している。
しかしながら、このような方法では、電波が集中する位置が限定されていると共に反射面が極めて大きいことから、台車や通い箱のようにRFIDタグの通過位置が不定な通信環境、或いは反射面の設置面積が限られるという通信環境では実施不可能である。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、電波の反射を利用してRFIDタグとの通信可能領域の拡大を図る構成を大形化することなく実現できるRFIDタグシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の発明によれば、リーダライタから送信された電波は、反射手段が有する突出した反射面で異なる方向に拡散して反射されるので、リーダライタの通信可能領域やRFIDタグとの対向角度の拡大を図ることができ、本来なら通信不能なRFIDタグとの通信が可能となる。
【0009】
請求項2の発明によれば、反射手段による電波の反射方向が変更されるので、異なる方向に電波が順に反射され、本来なら通信不能なRFIDタグとの通信が可能となる。
請求項3の発明によれば、リーダライタがRFIDタグと通信するまでは、通信環境が変動しないので、リーダライタはRFIDタグとの通信が終了するまで通信を保証することができる。
【0010】
請求項4,5の発明によれば、反射手段の反射面の反射により電波を効果的に拡散することができる。
請求項6の発明によれば、反射手段の反射体により電波を集中することができるので、電波の集中位置に位置するRFIDタグとの通信性能を高めることができる。
【0011】
請求項7の発明によれば、アンテナが送信アンテナと受信アンテナとから構成されている場合であっても、電波の集中位置に位置するRFIDタグとの通信性能を高めることができる。
【0012】
請求項8の発明によれば、反射手段により電波を水平方向に効率よく拡散することができる。
請求項9の発明によれば、反射手段を回転することにより電波の反射方向をステップ状に変更することができる。
【0013】
請求項10の発明によれば、RFIDタグとの通信が終了するまでは反射手段は停止しているので、RFIDタグとの通信が終了するまで通信を保証することができる。
請求項11の発明によれば、全体構成の簡単化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
(第1実施例)
以下、本発明の第1実施例について図1ないし図4を参照して説明する。
図1は、システム全体の構成を概略的に示している。この図1において、通路の側方にはリーダライタ(制御手段に相当)1が設置されている。このリーダライタ1は、送信アンテナ2及び受信アンテナ3を有しており、送信アンテナ2から通信電波として例えば952〜954MHzのUHF(Ultra High Frequency)帯域のうちの所定周波数の送信信号に質問信号で変調して送信すると共に、RFIDタグからの応答信号を受信アンテナ3で受信して復調するようになっている。
【0015】
このUHF帯域を用いた通信の特徴は、
1.電波に指向性があり、通信領域の限定がある程度可能である。
2.通信距離を長くできるため、比較的広い範囲を通信可能領域として設定しやすい。
3.電波が、ダンボールなどの紙や板、プラスチックなどを通り抜けて、RFIDタグの読取りが可能などである。
【0016】
通路を通過する台車4の片側にはRFIDタグ5が貼付されている。このRFIDタグ5は、台車4に搭載された物品の物流情報が記憶されており、その物流情報を読取ることにより、台車4に搭載された物品内容、搬送先、搬送時間等の管理が可能となる。
【0017】
図2は、リーダライタ1の構成を概略的に示している。この図2において、リーダライタ1は、制御部6、記憶部7、送信部8、受信部9から構成されている。
送信部8は、デジタル部10とアナログ部11とから構成されている。デジタル部10は符号化部10aと変調部10bとから構成され、アナログ部11はフィルタ11aとアンプ11bとから構成されている。受信部9は、デジタル部12とアナログ部13とから構成されている。デジタル部12は復号化部12aと復調部12bとから構成され、アナログ部13はフィルタ13aとアンプ13bとから構成されている。送信アンテナ2はリーダライタ1の送信部8と接続され、受信アンテナ3はリーダライタ1の受信部9と接続されている。
尚、図2では、送信アンテナ2と受信アンテナ3とを独立して示したが、実際にはアンテナユニットとして一体に構成されていたり、一つのアンテナが送信アンテナ2と受信アンテナ3の機能を備えて構成されていたりする。
【0018】
図3は、RFIDタグ5の構成を概略的に示している。この図3において、RFIDタグ5は、アンテナ14、制御部15、記憶部16、復調部17、変調部18から構成されている。このRFIDタグ5は、リーダライタ1からの送信信号から自己の電力を生成する電池を使用しないパッシブタイプであるが、通信距離が長距離となる場合は、電池を内蔵したアクティブタイプが用いられる。
【0019】
図1に戻って、送信アンテナ2及び受信アンテナ3の正面方向において、台車4の通路と反対側となる位置に反射手段19が設置されている。この反射手段19は、図4に示すように高さ方向に長く形成されていると共にリーダライタ1側に突出したかまぼこ状の反射面19aを有している。この反射面19aは、鉄、アルミニウムなどの金属面からなり、電波が反射可能であれば、金属のワイヤを格子状に配列したものでもよい。
【0020】
次に上記構成の作用について説明する。
リーダライタ1は、送信アンテナ2から952〜954MHz(UHF帯域)の所定周波数の送信信号を質問信号で変調して送信している。送信アンテナ2から送信されるUHF帯の電波は指向性が優れていることから、送信アンテナ2のほぼ正面を中心として放射される。
【0021】
通路を通過する台車4の片側にはRFIDタグ5が貼付されている。この場合、RFIDタグ5を台車4の片側に貼付しているのは、[発明が解決しようとする課題]で説明したように、台車4の両側にRFIDタグ5を貼付した場合に生じる不具合を回避するためである。この実施例では、台車4の通路の反対側となる部位にRFIDタグ5が貼付されているものとする。
【0022】
リーダライタ1は、送信アンテナ2からUHF帯の電波を送信して台車4に貼付されたRFIDタグ5と通信してデータを読取ることにより、その台車4が搬送する商品の種別、個数、搬送先などの物量情報を取得すると共に、通過時刻などのデータをRFIDタグ5に書込むようになっている。
【0023】
ところで、台車4に搭載されたダンボール内に金属製品Aが収納されている場合は、電波が金属製品Aを通過することができないことから、RFIDタグ5がリーダライタ1の通信可能領域B(図1に実線で示す範囲内)に位置するにしても当該RFIDタグ5との通信が不可能となる。つまり、金属製品Aの背面側には通信不能領域C(図中に斜線で示す領域)が形成されることになり、その通信不能領域CにRFIDタグ5が位置することになる。この通信不能領域Cは台車4が移動するにしてもRFIDタグ5の背面側に常に形成されているので、RFIDタグ5は、通信不能領域Cに常に位置することになる。このため、リーダライタ1は、台車4が前方を通過するにしてもRFIDタグ5と通信できず、RFIDタグ5から物流情報を読取ったり、RFIDタグ5にデータを書込んだりすることができなくなってしまう。
【0024】
しかしながら、本実施例では、送信アンテナ2及び受信アンテナ3の正面には反射手段19が設置されているので、送信アンテナ2から放射された電波は反射手段19の反射面19aで反射している。この場合、反射手段19の反射面19aは、リーダライタ1側に突出したかまぼこ状をなしているので、反射面19aで反射した電波は、反射手段19を中心として水平方向に拡散している。これにより、RFIDタグ5が通信不能領域Cに位置している場合であっても、反射手段19によりリーダライタ1からの電波が到達するようになる。つまり、通信不能領域Cに位置しているRFIDタグ5は、反射手段19により形成された通信可能領域Dに位置するようになる。この結果、リーダライタ1は、本来なら通信できないRFIDタグ5と通信することができるようになる。
【0025】
ここで、RFIDタグ5がパッシブタイプの場合は、受信した送信信号から電力を生成することにより起動し、その起動状態で送信信号から変調された質問信号を復調し、質問信号に応じた応答信号を送信信号に対する変調により受信信号として送信することになる。
【0026】
尚、図1では、動作が理解しやすいように送信信号と受信信号とを分離して示したが、RFIDタグ5がパッシブタイプの場合は、送信信号と受信信号の経路は一致することになる。
また、RFIDタグ5がアクティブタイプの場合は、受信した送信信号から質問信号を復調し、内部電池の電力から生成した送信信号を応答信号により変調して送信アンテナから送信することになる。
【0027】
リーダライタ1は、受信アンテナ3でRFIDタグ5からの信号を受信し、その受信信号から応答信号を復調してRFIDタグ5の存在を認識することにより、RFIDタグ5に記憶されている物流情報を読取ったり、RFIDタグ5に現在時刻などを書込んだりすることができる。
【0028】
以上のようなリーダライタ1によるRFIDタグ5との通信は比較的短時間に行なわれることから、台車4が進行してダンボールに内蔵された金属製品Aが送信アンテナ2及び受信アンテナ3の正面に位置することにより、反射手段19により通信可能領域Dが形成されずRFIDタグ5との通信が不可能となるにしても、支障を生じることはない。
【0029】
このような実施例によれば、台車4の通路を挟んで送信アンテナ2及び受信アンテナ3に対向する位置に反射手段19を設置し、送信アンテナ2から放射された電波が直接到達しない通信不能領域CにRFIDタグ5が位置した場合であっても、反射手段19による電波の反射によりRFIDタグ5と通信可能とするようにしたので、通信可能領域の拡大を図ることができる。従って、反射手段19を備えていない構成のものに比較して、台車4により搬送されるダンボール箱に金属製品Aが収納されているにしても、台車4の背面側に貼付されたRFIDタグ5から情報を読取ったり、情報を書き込んだりすることが可能となる。
しかも、反射手段19により電波を水平方向に拡散するようにしたので、小形の反射手段19であっても通信可能領域を効果的に拡大することができる。
【0030】
尚、反射手段19の反射面の形状を、図5に示すように複数のポリゴン状の反射部20を有して形成するようにしたり、図6に示すように図示縦方向の帯状に形成したりするようにしてもよい。この場合、反射手段19の表面形状によりリーダライタ1からの電波を水平方向に効果的に拡散することができる。
【0031】
また、反射手段19の反射面の形状を、図7に示すようにパラボラ形状の反射体21を複数有するように構成してもよい。この場合、パラボラ形状の反射体21のうち約半数が送信アンテナ2の方向を指向し、残り約半数が受信アンテナ3の方向を指向させるのが望ましい。つまり、反射体21により電波を集中させることができるので、その集中領域をRFIDタグ5の通過領域に設定することにより、RFIDタグ5との通信性能を高めることができる。
【0032】
(第2実施例)
次に、本発明の第2実施例について図8及び図9を参照して説明するに、第1実施例と同一名称の構成には同一符号を付して詳細な説明を省略する。この第2実施例は、反射手段19を回転制御することを特徴とする。
【0033】
図8は、反射手段19の斜視図である。この図8において、反射手段19は、多角柱状の反射面19aを有している。この反射手段19の中心部には回転軸22が設けられており、その回転軸22が台座23に内蔵された図示しないモータで所定角度ずつ回転される。このモータは、リーダライタ1からの制御により駆動されるようになっている。
【0034】
リーダライタ1の送信アンテナ2から電波が放射された状態では、反射手段19の反射面19aで電波が反射されるので、第1実施例で説明したようにリーダライタ1からの電波が直接到達しない通信不能領域にRFIDタグ5が位置している場合であっても、反射手段19による電波の反射によりRFIDタグ5との通信が可能となる。
【0035】
ところで、反射手段19が停止している状態では、本来なら反射手段19による電波の反射により電波が到達可能は領域であっても、電波が到達しない領域が発生する虞がある。
そこで、本実施例では、リーダライタ1により反射手段19を回転制御するようにした。
図9は、リーダライタ1によるデータ読取動作を示すフローチャートである。この図9において、リーダライタ1は、まず、ID読取コマンドを発行する(S1)。RFIDタグ5からIDの応答がない場合は(S2:NO)、反射手段19を1ステップ回転する(S6)。この場合、反射手段19の表面は多角柱状に形成されていることから、反射手段19が1ステップ回転したときは、反射手段19の反射面19aによる電波の反射方向が変化し、それに伴って反射手段19によるRFIDタグ5との通信可能領域が変化する。
このように反射手段19を1ステップ回転するにしてもRFIDタグ5からの応答が依然として無い場合は(S2:NO)、反射手段19をさらに1ステップずつ回転する(S6)。
【0036】
そして、反射手段19に対する1ステップずつの回転制御の結果、RFIDタグ5からIDの応答があったときは(S2:YES)、データ読取コマンドを発行し(S3)、RFIDタグ5からの応答信号が示すデータを読取り(S4)、データをホストに送信してから(S5)、ステップS1に戻ることによりRFIDタグ5に対する読取りを継続する。
以上の動作により、RFIDタグ5が通信不能領域Cに位置している場合であっても、反射手段19に対する回転制御により台車4の背面側に貼付されたRFIDタグ5との通信が可能となる。
【0037】
このような実施例によれば、多角柱状の反射面19aを有した反射手段19を回転制御することにより、反射手段19による電波の反射方向を順に変更するようにしたので、反射手段19の電波の反射による通信可能領域が固定されている第1実施例のものに比較して、通信可能領域が順に移動し、通信可能領域のさらなる拡大を図ることができる。
しかも、RFIDタグ5との通信の開始前に反射手段19を停止し、RFIDタグ5との通信が終了したところで反射手段19を再び回転制御するようにしたので、RFIDタグ5との通信を保証することができる。
【0038】
また、リーダライタ1自身が反射手段19の回転を制御するようにしたので、反射手段19の回転を制御する手段を独立して設ける構成に比較して、全体構成を簡単化することができる。
尚、反射手段19としては、図10に示すように反射面を平面状とし、台座23に内蔵された図示しないモータにより反射手段19の角度を制御するようにしてもよい。
【0039】
本発明は、上記実施例に限定されることなく、次のように変形または拡張できる。
図4ないし図6に示した表面形状の反射手段19を回転制御するようにしてもよい。
図11に示すように通路の反対側に反射手段19を複数設置したり、図12に示すようにリーダライタ1により反射手段19の角度を制御したりするようにしてもよい。
図13に示すように送信アンテナ2及び受信アンテナ3の背面側に反射手段19を設置したり、図14に示すようにリーダライタ1により反射手段19を回転制御したりしてもよい。
【0040】
図15に示すように通路を挟んだ両側に反射手段19を固定設置したり、図16に示すようにリーダライタ1により反射手段19を回転制御したりしてもよい。この場合、複数の反射手段19の反射により通信可能領域をさらに拡大することができるので、台車4の手前側に貼付されたRFIDタグ5との通信も可能となる。
【0041】
リーダライタ1の無線周波数としてはUHF以外の周波数を用いるようにしてもよい。
リーダライタ1以外の制御手段で反射手段19の回転を制御するようにしてもよい。
反射手段19としては、電波を水平方向に加えて垂直方向に反射するような形状としてもよいし、水平方向に加えて垂直方向にも回転制御するようにしてもよい。
反射手段19を首振り制御するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の第1実施例における全体構成を示す概略図
【図2】リーダライタの電気的構成を概略的に示すブロック図
【図3】RFIDタグの電気的構成を概略的に示すブロック図
【図4】反射手段の斜視図
【図5】変形例を示す図4相当図
【図6】他の変形例を示す図4相当図
【図7】他の変形例を示す図4相当図
【図8】本発明の第2実施例における反射手段を示す図4相当図
【図9】リーダライタによる反射手段に対する回転制御動作を示すフローチャート
【図10】変形例を示す図4相当図
【図11】変形例を示す図1相当図
【図12】他の変形例を示す図1相当図
【図13】他の変形例を示す図1相当図
【図14】他の変形例を示す図1相当図
【図15】他の変形例を示す図1相当図
【図16】他の変形例を示す図1相当図
【符号の説明】
【0043】
図面中、1はリーダライタ(制御手段)、2は送信アンテナ、3は受信アンテナ、4は台車、5はRFIDタグ、19は反射手段、19aは反射面である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品に貼付されたRFIDタグと、
前記RFIDタグとの間で電波を送受信することにより通信可能なリーダライタと、
前記リーダライタから送信された電波を反射可能な反射手段とを備え、
前記反射手段で反射された前記リーダライタからの電波を前記RFIDタグに受信させることにより、前記RFIDタグと前記リーダライタとの通信を可能にするRFIDタグシステムであって、
前記反射手段は、前記リーダライタ側に突出した反射面を有することを特徴とするRFIDタグシステム。
【請求項2】
物品に貼付されたRFIDタグと、
前記RFIDタグとの間で電波を送受信することにより通信可能なリーダライタと、
前記リーダライタから送信された電波を反射可能な反射手段とを備え、
前記反射手段で反射された前記リーダライタからの電波を前記RFIDタグに受信させることにより、前記RFIDタグと前記リーダライタとの通信を可能にするRFIDタグシステムであって、
前記反射手段の回転を制御する制御手段を備え、
前記制御手段による前記反射手段に対する制御に応じて前記リーダライタから送信された電波の反射方向を変更することを特徴とするRFIDタグシステム。
【請求項3】
前記制御手段は、前記リーダライタが前記RFIDタグにアクセスして通信を終了するのに同期して回転制御することを特徴とする請求項2記載のRFIDタグシステム。
【請求項4】
前記反射手段は、かまぼこ状の反射面を有していることを特徴とする請求項1ないし3の何れかに記載のRFIDタグシステム。
【請求項5】
前記反射手段は、反射方向が異なる複数の反射部を有していることを特徴とする請求項1ないし3の何れかに記載のRFIDタグシステム。
【請求項6】
前記反射部は、パラボラ形状に形成された反射体から構成され、前記反射体の電波の反射方向が前記リーダライタのアンテナの中心部を向くように設置または回転制御されることを特徴とする請求項5記載のRFIDタグシステム。
【請求項7】
前記アンテナは、送信アンテナと受信アンテナとから構成され、
前記反射部は、複数のパラボラ形状に形成された反射体から構成され、前記反射体の約半数が前記送信アンテナの中心部を向き、残りの前記反射体が前記受信アンテナの中心部を向くように設置または回転制御されることを特徴とする請求項6記載のRFIDタグシステム。
【請求項8】
前記反射手段は、高さ方向に長く形成されていることを特徴とする請求項1ないし7の何れかに記載のRFIDタグシステム。
【請求項9】
前記反射手段は、多角形状の反射面を有していることを特徴とする請求項8記載のRFIDタグシステム。
【請求項10】
前記制御手段は、前記リーダライタが前記RFIDタグにアクセスして通信を終了するのに同期して前記反射手段をステップ状に回転制御することを特徴とする請求項9記載のRFIDタグシステム。
【請求項11】
前記制御手段は、前記リーダライタの一部構成を成すものであることを特徴とする請求項2ないし10の何れかに記載のRFIDタグシステム。
【請求項1】
物品に貼付されたRFIDタグと、
前記RFIDタグとの間で電波を送受信することにより通信可能なリーダライタと、
前記リーダライタから送信された電波を反射可能な反射手段とを備え、
前記反射手段で反射された前記リーダライタからの電波を前記RFIDタグに受信させることにより、前記RFIDタグと前記リーダライタとの通信を可能にするRFIDタグシステムであって、
前記反射手段は、前記リーダライタ側に突出した反射面を有することを特徴とするRFIDタグシステム。
【請求項2】
物品に貼付されたRFIDタグと、
前記RFIDタグとの間で電波を送受信することにより通信可能なリーダライタと、
前記リーダライタから送信された電波を反射可能な反射手段とを備え、
前記反射手段で反射された前記リーダライタからの電波を前記RFIDタグに受信させることにより、前記RFIDタグと前記リーダライタとの通信を可能にするRFIDタグシステムであって、
前記反射手段の回転を制御する制御手段を備え、
前記制御手段による前記反射手段に対する制御に応じて前記リーダライタから送信された電波の反射方向を変更することを特徴とするRFIDタグシステム。
【請求項3】
前記制御手段は、前記リーダライタが前記RFIDタグにアクセスして通信を終了するのに同期して回転制御することを特徴とする請求項2記載のRFIDタグシステム。
【請求項4】
前記反射手段は、かまぼこ状の反射面を有していることを特徴とする請求項1ないし3の何れかに記載のRFIDタグシステム。
【請求項5】
前記反射手段は、反射方向が異なる複数の反射部を有していることを特徴とする請求項1ないし3の何れかに記載のRFIDタグシステム。
【請求項6】
前記反射部は、パラボラ形状に形成された反射体から構成され、前記反射体の電波の反射方向が前記リーダライタのアンテナの中心部を向くように設置または回転制御されることを特徴とする請求項5記載のRFIDタグシステム。
【請求項7】
前記アンテナは、送信アンテナと受信アンテナとから構成され、
前記反射部は、複数のパラボラ形状に形成された反射体から構成され、前記反射体の約半数が前記送信アンテナの中心部を向き、残りの前記反射体が前記受信アンテナの中心部を向くように設置または回転制御されることを特徴とする請求項6記載のRFIDタグシステム。
【請求項8】
前記反射手段は、高さ方向に長く形成されていることを特徴とする請求項1ないし7の何れかに記載のRFIDタグシステム。
【請求項9】
前記反射手段は、多角形状の反射面を有していることを特徴とする請求項8記載のRFIDタグシステム。
【請求項10】
前記制御手段は、前記リーダライタが前記RFIDタグにアクセスして通信を終了するのに同期して前記反射手段をステップ状に回転制御することを特徴とする請求項9記載のRFIDタグシステム。
【請求項11】
前記制御手段は、前記リーダライタの一部構成を成すものであることを特徴とする請求項2ないし10の何れかに記載のRFIDタグシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2007−193498(P2007−193498A)
【公開日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−9867(P2006−9867)
【出願日】平成18年1月18日(2006.1.18)
【出願人】(501428545)株式会社デンソーウェーブ (1,155)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年1月18日(2006.1.18)
【出願人】(501428545)株式会社デンソーウェーブ (1,155)
【Fターム(参考)】
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