説明

RNAウイルスBmMLV陰性カイコ培養細胞株

【課題】本発明は、BmMLV陰性のカイコ培養細胞株を提供することを課題とする。また、本発明は、BmMLV陰性のカイコ培養細胞株の製造方法の提供を課題とする。さらに、BmMLV陰性のカイコ培養細胞株を用いたBmMLV発現産物を含まない、目的遺伝子産物の製造方法の提供についても課題とする。
【解決手段】本発明者らは、日147号および支145号を交配したカイコ品種の胚子組織を牛胎児血清30%を含むMX培地で初代培養することにより、BmMLVが慢性的に感染していないカイコ由来培養細胞株(NIAS-Bm-VF)をはじめて作出した。さらに、本発明の培養細胞株がBmMLVおよびBmNPVに感受性を示すことを明らかにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、BmMLV陰性のカイコ培養細胞株およびその利用に関する。また、本発明は、BmMLV陰性のカイコ培養細胞株の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
Bombyx mori マキュラ様潜在ウイルス(BmMLV)は2005年に本発明の発明者の一人である勝間らによってカイコ由来細胞株BmNにおいて発見された慢性感染性RNAウイルスである(非特許文献1)。このウイルスはRNA replicase, coat protein(CP), p15を有する+鎖RNAをゲノムとして有し、そのゲノム配列は植物ウイルスであるマキュラウイルスに近い。また、カイコ由来培養細胞においてのみ、非常に高い増殖レベルで慢性感染する。BmMLVは当初、数種類のカイコ由来培養細胞から検出されていたが、後に供試した全てのカイコ由来培養細胞で慢性感染していることが明らかとなり、これまでBmMLV非感染のカイコ由来培養細胞の報告はない。一方で、他の昆虫種由来のSpodoptera frugiperda(ツマジロクサヨトウ)由来のSf9細胞やTrichoplusia ni(イラクサキンウワバ)由来のHigh Five細胞からは検出されていない。
【0003】
なお、本出願の発明に関連する先行技術文献情報を以下に示す。
【非特許文献1】Katsuma et al., J. Virol. 79, 5577-5584, 2005
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明者らの、BmMLVのカイコへの感染実験によれば、カイコ幼虫へのインジェクション実験においてはRT-PCR解析でBmMLVが検出されたが、経口感染実験においてはRT-PCR解析でBmMLVは検出されなかった(図6)。また、カイコが唯一摂食するクワ葉への摂食試験においては、RT-PCR解析、ウェスタンブロット解析どちらにおいてもBmMLVの感染は認められず(図6)、単独では感染性を有さないことが明らかになった。
【0005】
カイコ由来培養細胞株はこれまでBmN、SES-BoMo-15A、SES-BoMo-C129、NIAS-Bm-aff3、SES-BoMo-J125そしてこのクローン培養細胞株SES-BoMo-J125K5、などが作出されている。しかしこれらの培養細胞株はすべてBmMLVが細胞質内に感染していることが確認されている(図7)。また、Sf-9細胞にBmMLV感染実験を行ったところ、BmMLVの感染が見られた(図8)。
【0006】
さらに、BmMLVは、BmN細胞に致死性のバキュロウイルス(BmNPV)との共感染においてBmNPVによるシャットオフを受けず、BmNPVと異なる独自の増殖機構を有していると考えられる(図9、10)。
【0007】
カイコ培養細胞は組み換えカイコバキュロウイルス(BmNPV)の宿主として獣医薬の産生系としても利用されており、BmMLVの慢性感染は、医薬品等健康に安全な遺伝子産物を作出する際には問題となる可能性がある。
【0008】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、BmMLV陰性のカイコ培養細胞株を提供することにある。また、本発明は、BmMLV陰性のカイコ培養細胞株の製造方法の提供を課題とする。さらに、本発明は、BmMLV陰性のカイコ培養細胞株を用いたBmMLV発現産物を含まない、目的遺伝子産物の製造方法の提供についても課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記の課題を解決するために、日147号および支145号の交配により得られるカイコ品種の胚子組織を牛胎児血清30%を含むMX培地で初代培養することにより、BmMLVが慢性的に感染していないカイコ由来培養細胞株(NIAS-Bm-VF)をはじめて作出した。今回作出したNIAS-Bm-VF細胞はウェスタン解析、RT-PCR解析によってBmMLVが検出されない。
【0010】
また、本発明の細胞株に新たにBmMLVを感染させると明瞭なシグナルが得られることから、本発明の細胞株がBmMLVへの感受性を有することを確認した。
【0011】
さらに、BmVF細胞へのBmMLV感染は細胞同士を吸着させ、さらに細胞増殖を遅延させること、BmNPVにも感受性を有することを明らかにした。
【0012】
本発明は、より具体的には以下の〔1〕〜〔5〕を提供するものである。
〔1〕 Bombyx mori マキュラ様潜在ウイルス(BmMLV)陰性のカイコ培養細胞株。
〔2〕 受領番号:FERM AP-21565として寄託されているBmMLV陰性のカイコ培養細胞株。
〔3〕 〔1〕または〔2〕に記載の細胞株に、BmMLVを感染させた細胞。
〔4〕 〔1〕または〔2〕に記載の細胞株に、組換えバキュロウイルスを感染させた細胞。
〔5〕 下記(a)〜(c)の工程を含む、BmMLV陰性のカイコ培養細胞株の製造方法。
(a)日147号および支145号の交配により得られるカイコ品種の組織を得る工程
(b)工程(a)により得られた組織をMX培地で初代培養する工程
(c)BmMLV陰性の細胞株を選択する工程
〔6〕 下記(i)〜(iii)の工程を含む、BmMLV発現産物を含まない、目的遺伝子産物の製造方法。
(i)〔1〕または〔2〕に記載のカイコ培養細胞株に、目的遺伝子を含む組換えバキュロウイルスを感染させる工程
(ii)組換えバキュロウイルスが感染したカイコ培養細胞株で目的遺伝子を発現させる工程
(iii)(ii)の工程で発現した目的遺伝子産物を回収する工程
〔7〕 〔6〕に記載の方法により製造された目的遺伝子産物を含む医薬組成物。
【発明の効果】
【0013】
本発明により、BmMLV陰性のカイコ培養細胞株が提供された。
【0014】
昆虫細胞は、組み換えバキュロウイルス発現系の宿主として、遺伝子工学分野で頻繁に利用されており、獣医薬の産生系にも応用されている。本発明のBmMLV陰性のカイコ培養細胞株はバキュロウイルス感受性であることから、組み換えバキュロウイルスの宿主として利用可能である。
【0015】
一方で、BmMLVについては哺乳類等への感染や、カイコ培養細胞内でのタンパク質生産への影響を含め、未だ解明されていない機能が多い。したがって本発明の培養細胞株により、BmMLVフリーの組み換えバキュロウイルス発現系を構築することができ、BmMLVの膜タンパク質等が混在しない医薬品等健康に安全な遺伝子産物の作出に利用することができる。
【0016】
また、ウイルスの構造タンパク質を強制発現させたウイルスの中空粒子をワクチン抗原などに利用する技術が知られているが、作成した目的の中空粒子と慢性感染しているBmMLVとの区別がつかない場合も考えられる。このような問題を解決するために、BmMLVを排除した本願の培養細胞株を利用することができる。
【0017】
さらに、本培養細胞株は、BmMLVとカイコバキュロウイルスのBmNPVの細胞内における相互の役割の解析や、このBmMLVの感染機構や作用機構の解析、また、なぜ植物性RNAウイルスがカイコ培養細胞株に存在しているのか、培養細胞内におけるBmMLVの存在役割等の研究資料として使用することができる。
【0018】
〔発明の実施の形態〕
本発明のカイコ培養細胞株は、Bombyx mori マキュラ様潜在ウイルス(BmMLV)陰性であることを特徴とする。このような細胞は、例えば、適当なカイコ品種の組織を無菌的に摘出し、長期継代培養することにより得ることができる。本発明の細胞株の由来となるカイコ品種、組織は特に限定されず、当業者に公知の品種を交配した結果得られる卵もしくはその子孫から得られる卵、およびこれらの卵からふ化した幼虫および蛹のあらゆる組織を用いることができる。
【0019】
組織の初代培養には、MX培地(米国特許6,943,023、米国特許7,074,612)等が用いられる。MX培地は牛胎児血清30%を含んでいてもよい。細胞は、25℃〜26℃に調節された定温機内で維持する。
【0020】
本発明の細胞株の作製において、該細胞株を連続継代性培養細胞株と認定するための継代培養の条件は制限されない。1回の培養は約1週間を要する。培養回数としては例えば、10回以上、20回以上、50回以上、100回以上あるいは200回以上であるが、好ましくは約50回以上の連続継代培養を要する。
【0021】
本発明の培養株においては、次いでBmMLVの存在を確認する。BmMLVの存在は例えばゲノムの検出によって確認することができる。より具体的には、例えば、RT-PCRによってゲノムRNAの検出を行うことができる。またBmMLVの存在は構造タンパク質(CPなど)の検出によっても確認することができる。タンパク質の確認にはタンパク質特異的な抗体を用いたウェスタンブロッティングや酵素免疫測定法(ELISA)など公知の方法を用いることができる。
【0022】
本発明のカイコ培養細胞株として、FERM AP-21565としてブダペスト条約に基づいて国際寄託されたBmMLV陰性カイコ培養細胞株NIAS-Bm-VFを示すことができる。
寄託の情報:
(1)寄託機関名:独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター
(2)連絡先:郵便番号305-8566 日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6
(3)受領番号:FERM AP-21565
(4)識別のための表示:NIAS-Bm-VF
【0023】
NIAS-Bm-VF細胞株は、日147号および支145号を交配した結果得られた胚子組織を、牛胎児血清30%を含むMX培地で初代培養し、次いで長期継代培養することによって、本発明者らが樹立したBmMLV陰性のカイコ培養細胞株である。
【0024】
本発明の細胞株の培養条件は、特に限定されない。したがって、細胞が死滅せずに生存または増殖できるような任意の条件下で培養することができる。例えば、培養温度は、一般的には20℃〜30℃、好ましくは25℃〜26℃である。培養培地は、ウシ胎児血清を3〜30%(好ましくは10%)含むMX培地、および市販品のIPL41培地(GIBCOカタログNo.11405-081、ニチレイバイオサイエンスカタログNo.56923-10L, No.56923-50L, No.56923-100L)、TC-100培地(GIBCOカタログNo.11600-061、ニチレイバイオサイエンスカタログNo.56941-10L, 56941-50L, 56941-100L)、EX-CELL420培地(ニチレイバイオサイエンスカタログNo.14420-500M, No.14420-1000M, No.24420-10L,No.24420-50L, No.24420-100L)を用いることができるが、好ましくはウシ胎児血清を3〜30%(好ましくは10%)含むMX培地である。
【0025】
本細胞株の保存条件もまた、特に限定されない。例えば、市販品のセルバンカーまたはセルバンカー1プラス(日本全薬工業株式会社製)、もしくはグリセロールまたはジメチルスルフォキシド(DMSO)を無血清の培地に5〜15%添加した凍結保存液中で凍結保存することができる。凍結の方法の一例としては、凍結保存チューブに細胞と凍結保存液を加えたのち、チューブを発泡スチロール製の箱に入れ、−85℃のフリーザーに入れ、徐々に細胞を凍結する。―85℃のフリーザーに1日間置いたのち、液体窒素液または−152℃の超低温フリーザー中で、長期間の凍結を行う。凍結時の細胞濃度は、5×105〜5×106個/ml培地が望ましい。
【0026】
上記のように保存された細胞株の再培養の方法としては、例えば細胞が凍結されたチューブを37℃の温湯に浸漬し、急速に凍結保存液を解凍する。次いで、凍結保存液を新たなディスポーザブル遠心チューブに移し、1000rpmの回転速度で1〜2分間遠心し、沈殿した細胞を残して静かに凍結保存液を除去する。細胞に無血清の培地を加えて、軽く細胞を洗浄し、再度遠心して凍結保存液を含む無血清培地を除去する。最後に10%牛胎児血清が添加された培地を加え、培養フラスコに移して、培養を再開することができる。
【0027】
本発明のBmMLV陰性カイコ培養細胞株は、組み換えバキュロウイルス発現系の宿主として有用である。バキュロウイルスベクターは、バキュロウイルス科に属する核多角体病ウイルス(Nucleopolyhedrovirus, NPV)が持つ多角体タンパク質(ポリヘドリン)遺伝子のプロモーターを利用した、有用タンパク質の高発現系ベクターである。バキュロウイルスベクター発現系は、NPVが昆虫細胞に感染すると、ウイルス増殖後期にポリヘドリンが大量に合成され、最終的には細胞の全タンパク質の50%近くにまで達することから、ポリヘドリンプロモーターの下流に有用タンパク質の遺伝子を挿入することにより、該有用タンパク質の大量生産が可能なように設計されている。既に、カイコや昆虫細胞を宿主として、バキュロウイルスベクター発現系によっていくつかのタンパク質が生産されている。
【0028】
本発明のBmMLV陰性カイコ培養細胞株は、カイコバキュロウイルスであるBmNPVを感染した結果、ウイルス粒子の形成が認められた。このことは、本願の細胞株が組み換えバキュロウイルスの宿主として利用可能であることを示す。また、実施例に記載のように、本発明の細胞株は、これまでに公知の培養細胞株に比べて相対的に優れたウイルス増殖能を示す。従って、本発明の細胞株は、バキュロウイルスベクター発現系による目的遺伝子産物を発現するための宿主として有用である。
【0029】
本発明の細胞株への組換えバキュロウイルスの感染方法は、特に限定されない。当業者であれば、公知のカイコ培養細胞を宿主細胞として用いる場合の条件に準じて、適宜条件を設定しうる。
組換えバキュロウイルスによって、発現させる遺伝子としては特に限定されないが、例えばインターフェロン、インターロイキン、ワクチン用ウイルス構成タンパク質をコードする遺伝子などが挙げられる。また、このような遺伝子のより具体的な例としては、human interferon-α、Chicken Interferon-γ、Chicken interleukin-2、Porcine Interferon-γ、Porcine interleukin-4、Bovine Interferon-β、Bovine Interferon-τ、Feline Interferon-ω、Canine Interferon-α、Canine Interferon-γ、加えてInfluenza virus HA、Influenza virus NA、Severe acute respiratory syndrome coronavirus nucleocapsid protein、Porcine circovirus capsid proteinなどをコードする遺伝子を挙げることができる。
【0030】
また、BmMLVは哺乳類等への感染や、カイコ培養細胞内でのタンパク質生産への影響を含め、未だ解明されていない機能が多いウイルスである。本発明の培養細胞株により、BmMLVフリーの組み換えバキュロウイルス発現系を構築することで、BmMLVの膜タンパク質等が混在しない遺伝子産物の作出に利用することができる。このような遺伝子産物もまた本発明に含まれる。
【0031】
また、本発明は、医薬組成物の製造方法を提供する。該方法においては、回収された任意の遺伝子産物と医薬上許容される担体とを混合する。該担体としては、例えば界面活性剤、賦形剤、着色料、着香料、保存料、安定剤、緩衝剤、懸濁剤、等張化剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、流動性促進剤、矯味剤等が挙げられるが、これらに制限されず、その他常用の担体を適宜使用することができる。具体的には、軽質無水ケイ酸、乳糖、結晶セルロース、マンニトール、デンプン、カルメロースカルシウム、カルメロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、ポリビニルピロリドン、ゼラチン、中鎖脂肪酸トリグリセライド、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60、白糖、カルボキシメチルセルロース、コーンスターチ、無機塩類等を挙げることができる。
【0032】
本発明の医薬組成物の投与を行う対象は特に制限はないが、例えば、ヒト、愛玩動物、家畜、野外動物、鳥類を挙げることができる。
【0033】
したがって、本発明は、(i)BmMLV陰性カイコ培養細胞株に、目的遺伝子を含む組換えバキュロウイルスを感染させる工程、(ii)組換えバキュロウイルスが感染したカイコ培養細胞株で目的遺伝子を発現させる工程、および(iii)前記工程で発現した目的遺伝子産物を回収する工程、を含むBmMLV発現産物を含まない、目的遺伝子産物の製造方法もまた提供する。
【0034】
また、本願のBmMLV陰性カイコ培養細胞株は、ワクチン抗原として用いるウイルスの構造タンパク質を強制発現させる際の宿主としても用いることができる。ウイルスの構造タンパク質を含む中空粒子は、他のウイルス粒子が感染していない細胞で発現させることが好ましいが、公知のカイコ培養細胞株はすべてBmMLV感染していることが確認されており、ワクチン抗原として用いる中空粒子とBmMLVとの区別がつかない可能性がある。本発明の細胞株を用いることにより、目的のワクチン抗原として用いる中空粒子のみを効率的に発現させることが可能である。
【0035】
また、本発明のBmMLV陰性カイコ培養細胞株は、BmMLVの機能を解明するための研究材料としても有用である。本発明の細胞株を用いることにより、BmMLVの感染機構や作用機構、さらに、なぜ植物性RNAウイルスがカイコ培養細胞株に存在しているのか、また培養細胞内におけるBmMLVの存在役割の研究に使用することができる。さらに、種々の遺伝子に欠損や変異を導入したBmMLVの変異体を構築し、本発明の細胞に対する感染能や感染後の形質の変化を観察することによって、BmMLVの個々の遺伝子の働きを明らかにすることもできる。
【0036】
さらに、本発明のBmMLV陰性カイコ培養細胞株には、BmMLVを感染させることができる。後述の実施例のように、BmVF細胞(BmMLV陰性カイコ培養細胞株)および該細胞株にBmMLVを感染させたBmVF-BmMLV細胞にバキュロウイルスを感染させた場合には、BmVF-MLV細胞に比べてBmVF細胞で多角体の形成が遅延する様子が観察された。このことからバキュロウイルスの感染・増殖にはBmMLVとの相互作用があることが示された。したがって、本発明のBmMLV陰性カイコ培養細胞株にBmMLVを感染させた細胞株(BmVF-BmMLV)は、バキュロウイルスによる遺伝子産物の大量生産のための宿主として使用することができる。
【0037】
また、BmVF-BmMLV細胞株によって、BmMLVの感染にともなうカイコ培養細胞の細胞形質の変化を解析することができ、このような解析はBmMLVの機能を明らかにする上で重要な情報を与える。
【0038】
なお、本明細書において引用された全ての先行技術文献は、参照として本明細書に組み入れられる。
【実施例】
【0039】
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが本発明はこれら実施例に制限されるものではない。
【0040】
〔実施例1〕 BmMLV陰性細胞株の樹立
日147号および支145号の交配により得られたカイコ品種の胚子組織を、牛胎児血清30%を含むMX培地で初代培養することにより、従来の作出されたすべてのカイコ培養細胞株に発見されている植物性RNAウイルスBmMLVが存在しない細胞株(NIAS-Bm-VF)を作出した(図1)。BmVF細胞はRound Cellの割合が高いことが観察された。
【0041】
具体的には、以下の手順により、BmMLV陰性細胞を得た。
(1) 細胞外マトリックスのフィブロネクチンを培養フラスコ表面の1cm当たり、0.5μLの濃度で塗布した培養フラスコ(ファルコン製No.3018)に、2mlのMX培地を加える
(2) 日147号×支145号のカイコ品種の反転期胚子組織を約50卵から無菌的に摘出し、ナイフで胚全長を3分の1に切断
(3) 新鮮培地の中に入れる
(4) 25℃に調節の定温機内で培養(初代培養)
(5) 新鮮培地と培養中の培地との比率が半々の混合培地で2週間おきに培地の交換
(6) 細胞が組織から遊出し、培養フラスコ面にコンフルエント(confluent)に増殖した時点でピペッティングにより細胞を培養フラスコ面から剥離し、新しい培養フラスコに移住させる。(継代培養に移行)
(7) 約100回の継代培養の繰り返しにより、連続継代性培養細胞株と認定する。
【0042】
〔実施例2〕 BmVF細胞へのBmMLV感染実験
(1) BmMLVの調製
まず、1x109のBmN4細胞を超音波破砕機によって破砕した後、破砕産物を12000gにて30分間、4度で遠心分離した。次にその上清におけるBmMLV粒子を、ミリポア社製セントリプラスYM100を用いて濃縮した。濃縮されたBmMLV粗生成物を0.2ミクロンのフィルターで滅菌濾過した後、ウイルス液として以後の実験に用いた。また、BmMLVの量については、抗BmMLV CP抗体を用いたウェスタンブロットの結果を、デンシトメトリーによって解析することによって定量した。コントロールとして、GEヘルスケア社製 pGEX-6P3ベクターによって発現した組み換えBmMLV CPタンパク質を用いた。
【0043】
(2) BmVF細胞へのBmMLVの感染
ファルコン社製60mm細胞培養シャーレへBmVF細胞を4x106播種し、28μgのBmMLVを無菌的にシャーレへ加え、1時間26℃にてゆっくりと振盪することで、ウイルスの感染を行った。感染後、900rpm、10分間、26℃で遠心分離することにより、細胞を沈殿させ、ウイルス液を除去した後、新鮮培地を4ml加え、ファルコン社製60mm細胞培養シャーレへ播種した。新鮮培地を加えた時間をウイルス接種後0時間とした。
【0044】
(3) BmMLVの検出
BmMLVの検出の為のウェスタンブロッティングでは、BmMLV感染BmVF細胞8×105を用い、抗BmMLV CP抗体、及び抗Actin抗体(サンタクルズ社製)を使用した。シグナルの検出には、GEヘルスケア社製ECL Plus Western Blotting Detection Reagentsを用い、シグナル強度はアトー社製Light-Capture II Cooled CCD Camera Systemを用いて検出、定量を行った。
【0045】
BmVF細胞へのBmMLVの感染実験、細胞内外におけるCPタンパク質の検出の結果、BmMLVは感染後36時間でBmVF細胞内でCPを産生し、感染後72時間では感染性を有するウイルス粒子を放出することが明らかとなった(図2)。
また、BmVF細胞へ新たにBmMLVを慢性感染させたBmVF-MLV細胞の性状を観察した。その結果、BmVF-MLV細胞は、細胞同士が吸着し巨大な塊が観察され、細胞増殖に遅延が認められた(図3)。
【0046】
〔実施例3〕 BmVF細胞およびBmVF-MLV細胞へのバキュロウイルス感染実験
(1) ウイルス調製
カイコ核多角体病ウイルス(Bombyx mori nucleopolyhedrovirus)野生株(T3株)はBmN4細胞を用いたプラーク法によって力価を調製した。
【0047】
(2) ウイルス接種
ファルコン社製60mm細胞培養シャーレへBmVF細胞、及びBmVF-MLV細胞を4x106播種し、moi=10となるように、4x107PFUのBmNPVを無菌的にシャーレへ加え、1時間26℃にてゆっくりと振盪することで、ウイルスの感染を行った。感染後、900rpm、10分間、26℃で遠心分離することにより、細胞を沈殿させ、ウイルス液を除去した後、新鮮培地を4ml加え、ファルコン社製60mm細胞培養シャーレへ播種した。新鮮培地を加えた時間をウイルス接種後0時間とした。
【0048】
(3) プラークアッセイ
BmNPV接種後120時間のBmVF、及びBmVF-MLV細胞におけるBmNPVの力価をプラークアッセイによって測定した。プラークアッセイには、BmN4細胞を用い、常法に従って行った。
【0049】
(4) BmNPV ORF68タンパク質の検出
BmNPV ORF68タンパク質の検出の為のウェスタンブロッティングでは、BmNPV感染BmVF細胞、及びBmVF-MLV細胞をそれぞれ8×105を用い、抗BmNPV ORF68抗体、及び抗Actin抗体(サンタクルズ社製)を使用した。シグナルの検出には、GEヘルスケア社製ECL Plus Western Blotting Detection Reagentsを用い、シグナル強度はアトー社製Light-Capture II Cooled CCD Camera Systemを用いて検出、定量を行った。
【0050】
バキュロウイルスをBmVF細胞、BmVF-BmMLV細胞のそれぞれの培養細胞へ接種し、120時間後に観察した結果、ウイルス量はBmVF細胞では5×108、BmVF-MLV細胞では1×109となった。BmVF細胞では多角体の形成はBmVF-MLV細胞に比べて遅延する様子が観察された(図4)。また、バキュロウイルスを感染させたBmVF細胞およびBmVF-MLV細胞の細胞内におけるバキュロウイルス構造タンパク質ORF68の検出を行った結果、MLV存在下では感染後18時間でORF68が検出された(図5)。したがって、バキュロウイルスの感染・増殖には、BmMLVとの相互作用が働いていることが示唆された。
以上の結果から、BmVF細胞は一般に使用されているBmN細胞と同等のウイルス感染・増殖能を保持していることが示された。また、BmVF-BmMLVは一般のBmN細胞よりも優れたウイルス増殖能を示した。
【0051】
〔試験例1〕 BmMLVのクワ葉への感染実験およびカイコ幼虫への経口感染実験
(1) ウイルス調製
BmMLVの調製は〔実施例2〕に記載の通り行った。
【0052】
(2) クワ葉へのウイルス接種
カーボンランダムにより微小の傷を付けたクワ葉へ、28μgのBmMLVを塗布し人為的接種試験を行った。ネガティブコントロールとして、BmMLVの代わりにPBSを塗布したものをmock接種とし、接種後6日間病徴の観察、及び実施例2と同様にウェスタンブロッティングによるBmMLV CPタンパク質の検出を試みた。
【0053】
(3) カイコ幼虫へのBmMLVの経口接種
25℃に設定した恒温器内において人工飼料育を行っている試供蚕(C124号×N124号)へ、BmMLVの経口接種試験を行った。経口接種は、1・2・3・4・5齢期のカイコ幼虫の人口飼料へ〔実施例2〕に記載のBmMLVのウイルス液1.4μgを塗布し、ウイルス付着人工飼料を摂食させることで行った。カイコ幼虫が完全に摂食したのを確認した後、人工飼料による飼育を終齢まで行った。またこの時、ウイルス液の代わりにPBSを与えたものをmock接種とした。接種試験を行ったカイコ幼虫は、5齢3日目に達したものから、70%エタノールで麻酔及び体表面消毒を施した後、中腸・脂肪体を摘出し、ニッポンジーン社製Isogen、及び、キアゲン社製RNeasy Mini Kit、Dnase I setを用いてRNAを抽出しRT-PCR解析を行った。
【0054】
(4) RT-PCR解析
クワ葉、及びカイコ幼虫由来RNAを用いたRT-PCRは、インビトロジェン社製SuperScript III one step RT-PCR kitを用いて添付のプロトコール通りに行った。BmMLV CP遺伝子の検出の為のプライマーには、N0071-7 (5'-GTCTCCTCCATCATCAAAGG-3')(配列番号:1)、N0071-10 (5'-GGATCGAAGACGTAGACTCG-3')(配列番号:2)を用い、宿主アクチン遺伝子の検出にはBA3F1 (5'-AGATGACCCAGATCATGTTCG-3')(配列番号:3)、BA3R1 (5'-GAGATCCACATCTGTTGGAAG-3')(配列番号:4)を用いた。
【0055】
上記の試験の結果、クワ葉における接種ではウェスタンブロッティングによってシグナルが得られず、加えて、カイコ幼虫ではRT-PCRによってもBmMLV CPに対するシグナルが得られなかった(図6)。よって、BmMLVが単独ではクワ葉へ感染性を有さないことが示され、また、カイコ幼虫へ経口感染しないことも示された。
【0056】
〔試験例2〕 各種昆虫培養細胞におけるBmMLV慢性感染の有無
(1) 供試培養細胞株
供試培養細胞株として、カイコ由来の培養細胞であるBmN4細胞・J125K5細胞・Oyanagi細胞・15A細胞ao1細胞・Cam1細胞・aff3細胞・Bem5細胞と、Spodoptera frugiperda由来のSf-9細胞とSf-21細胞を用いた。
【0057】
(2) BmMLVの検出
BmMLVの検出の為のウェスタンブロッティングは、それぞれの培養細胞8×105を用い、抗BmMLV CP抗体、及び抗Actin抗体(サンタクルズ社製)を使用し、実施例2に記載の手法によって行った。
【0058】
上記の試験の結果、BmN4、J125K5、Cam1、oyanagi、15A、ao1、aff3、Bem5細胞へ、既にBmMLVが慢性感染していることが明らかとなった。一方でBmVF、及びSpodoptera frugiperda由来のSf-9細胞とSf-21細胞へはBmMLVの慢性感染が認められなかった(図7)。
【0059】
〔試験例3〕 Sf-9細胞へのBmMLV感染実験
(1) ウイルス調製
BmMLVの調製は〔実施例2〕に記載の通り行った。
【0060】
(2) Sf9細胞へのウイルス接種
1x108に調製したSf9細胞へ140μgのBmMLVを〔実施例2〕に記載の通り接種した。接種後1時間でウイルス液を除去した後、新鮮培地を10ml加え、ファルコン社製250ml細胞培養フラスコへ播種した。新鮮培地を加えた時間をウイルス接種後0時間とし、接種後1週間、2週間、4ヶ月後の細胞をサンプルとした。
【0061】
(3) ウェスタンブロッティング
Sf9細胞(8×105)をサンプルとし、抗BmMLV CP抗体、及び抗Actin抗体(サンタクルズ社製)を使用し、実施例2に記載の手法によってBmMLV CP、及び宿主actinタンパク質の検出を行った。
【0062】
(4) RT-PCR
Sf9細胞(1x106)をサンプルとし、キアゲン社製Rneasy mini kitを用いてRNAを抽出し、抽出したRNAを用いて実施例2に記載の通りにRT-PCRを行った。実施例2と同様に、BmMLV CP遺伝子の検出の為のプライマーには、N0071-7 (5'-GTCTCCTCCATCATCAAAGG-3')(配列番号:1)、N0071-10 (5'-GGATCGAAGACGTAGACTCG-3')(配列番号:2)を用い、宿主アクチン遺伝子の検出にはBA3F1 (5'-AGATGACCCAGATCATGTTCG-3')(配列番号:3)、BA3R1 (5'-GAGATCCACATCTGTTGGAAG-3')(配列番号:4)を用いた。
【0063】
上記の試験の結果、Sf9細胞へBmMLVの接種試験では、接種後1週間、2週間でRT-PCRによる増幅産物が認められたことから、BmMLVはSf9細胞へ侵入し、増殖していることが示された(図8)。しかしながら、ウェスタンブロッティングにおいてシグナルが得られなかったこと、及び、接種後4ヶ月のサンプルを用いたRT-PCRでは増幅産物を得ることが出来なかったことから、Sf9細胞におけるBmMLVの増殖は非常に微量であることが示唆された。
【0064】
〔試験例4〕 BmN細胞へのバキュロウイルス共感染実験
(1) ウイルス調製
BmNPVの調製は〔実施例3〕に記載の通り行った。一方で、オートグラファカリフォルニカ核多角体病ウイルス(AcNPV)の調製は、Sf9細胞を用いたプラーク法にて行った。
【0065】
(2) ウイルス接種
BmN細胞へのBmNPV、及びAcNPV接種は、〔実施例3〕に記載の方法によってmoi=10にて行った。接種後1時間で、ウイルス液を除去した後、新鮮培地を4ml加え、ファルコン社製60mm細胞培養シャーレへ播種した。新鮮培地を加えた時間をウイルス接種後0時間とした。
【0066】
(3) ウェスタンブロッティング
BmNPV、及びAcNPVにそれぞれ感染させたBmN細胞(8×105)をサンプルとし、抗BmMLV CP抗体、及び抗Actin抗体(サンタクルズ社製)を使用し、〔実施例2〕に記載の手法によってBmMLV CP、及び宿主Actinタンパク質の検出を行った。
【0067】
(4) 免疫染色
BmNPV、及びAcNPVにそれぞれ感染させたBmN細胞を用い、抗BmMLV CP抗体を用いた細胞免疫染色を行った。二次抗体にはFITC標識抗ウサギIgG抗体(molecular probe社製)を用い、Okano et al (J. virol. 1999 73: 110-119.)の手法に従って行った。
【0068】
上記の試験の結果、先ずウェスタンブロッティングにおいて、BmN細胞へ慢性感染しているBmMLV CPタンパク質のシグナルは、宿主actinシグナルがBmNPV感染によるシャットダウンを受けて感染後48時間で検出出来なくなるのに対し、消失することなく存在することが示された。一方で、本来BmN細胞へ感受性を有さないAcNPVの感染では、宿主actin、BmMLV CPの両者とも、シグナルが消失することはなかった(図9)。更に、免疫染色による試験の結果、BmMLV CPタンパク質は細胞質へ局在し、ウェスタンブロッティングの結果と同様に、BmNPV感染によるタンパク質合成のシャットダウンを受けていないことが示された(図10)。
【産業上の利用可能性】
【0069】
現在、遺伝子工学分野において外来タンパク質の発現は欠かせない技術となっている。特に昆虫細胞と昆虫バキュロウイルスを利用した発現系は、その高い発現レベルに加えて翻訳後修飾やフォールディングの点で優れており、世界中で汎用されている。中でも、カイコ培養細胞は組み換えカイコバキュロウイルスの宿主として獣医薬の産生系としても利用されており、BmMLVの慢性感染は、医薬品等健康に安全な遺伝子産物を作出する際には問題となる可能性がある。この課題は、本カイコ培養細胞株を用いることにより解決される。そのため、外来遺伝子発現系として用いられてきたBmNPVの宿主細胞が、これまで利用されてきた全てのカイコ由来培養細胞から、本NIAS-Bm-VF細胞へ移行する可能性があり、本発明は国内外のBmNPVを利用した産業で利用されるものと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】樹立されたBmMLV陰性細胞株(BmVF細胞)の写真である。R: Round cell、Sp: Spindle-shaped cellを示す。
【図2】BmVF細胞を用いたBmMLVの感染実験の結果を示す写真である。
【図3】BmVF-MLV細胞の作出および細胞増殖度の解析結果を示す、写真および図である。
【図4】バキュロウイルス感染BmVF細胞およびBmVF-MLV細胞の性状観察の結果を示す写真である。
【図5】バキュロウイルス感染BmVF細胞およびBmVF-MLV細胞における、バキュロウイルス構造タンパク質ORF68の検出結果を示す写真である。
【図6】BmMLVのクワ葉への感染実験およびカイコ幼虫への経口感染実験の結果を示す写真である。
【図7】各種昆虫培養細胞におけるBmMLV慢性感染の有無を示す写真である。
【図8】Sf-9へのBmMLV感染実験を示す写真である。
【図9】BmN細胞へのバキュロウイルス共感染実験の結果示す写真である。
【図10】BmN細胞へのバキュロウイルス共感染実験におけるBmMLV CPの局在解析の結果を示す写真である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
Bombyx mori マキュラ様潜在ウイルス(BmMLV)陰性のカイコ培養細胞株。
【請求項2】
受領番号:FERM AP-21565として寄託されているBmMLV陰性のカイコ培養細胞株。
【請求項3】
請求項1または2に記載の細胞株に、BmMLVを感染させた細胞。
【請求項4】
請求項1または2に記載の細胞株に、組換えバキュロウイルスを感染させた細胞。
【請求項5】
下記(a)〜(c)の工程を含む、BmMLV陰性のカイコ培養細胞株の製造方法。
(a)日147号および支145号の交配により得られるカイコ品種の組織を得る工程
(b)工程(a)により得られた組織をMX培地で初代培養する工程
(c)BmMLV陰性の細胞株を選択する工程
【請求項6】
下記(i)〜(iii)の工程を含む、BmMLV発現産物を含まない、目的遺伝子産物の製造方法。
(i)請求項1または2に記載のカイコ培養細胞株に、目的遺伝子を含む組換えバキュロウイルスを感染させる工程
(ii)組換えバキュロウイルスが感染したカイコ培養細胞株で目的遺伝子を発現させる工程
(iii)(ii)の工程で発現した目的遺伝子産物を回収する工程
【請求項7】
請求項6に記載の方法により製造された目的遺伝子産物を含む医薬組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−254302(P2009−254302A)
【公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−108370(P2008−108370)
【出願日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成19年10月19日、日本蚕糸学会関東支部発行の「日本蚕糸学会関東支部だより 第122号」にて発表、平成19年11月17日、日本蚕糸学会関東支部発行の「日本蚕糸学会関東支部第58回大会 蚕糸・昆虫機能利用学術講演会講演要旨集」に発表、及び「日本蚕糸学会関東支部第58回大会蚕糸・昆虫機能利用学術講演会」において文書をもって発表、平成19年11月25日、第30回日本分子生物学会年会第80回日本生化学学会大会合同大会発行の「第30回日本分子生物学会年会・第80回日本生化学学会大会合同大会講演要旨集」に発表、及び平成19年12月11日、「第30回日本分子生物学会年会・第80回日本生化学学会大会合同大会」において文書をもって発表、平成20年3月20日、平成20年度蚕糸・昆虫機能利用学術講演会運営委員会発行の「平成20年度蚕糸・昆虫機能利用学術講演会−日本蚕糸学会第78回大会−講演要旨集」に発表、及び「平成20年度蚕糸・昆虫機能利用学術講演会−日本蚕糸学会第78回大会」において文書をもって発表、平成20年3月12日、第52回日本応用動物昆虫学会大会事務局発行の「第52回 日本応用動物昆虫学会大会講演要旨」及び平成20年3月26日 「第52回 日本応用動物昆虫学会大会」にて発表
【出願人】(304036743)国立大学法人宇都宮大学 (209)
【出願人】(501167644)独立行政法人農業生物資源研究所 (200)
【Fターム(参考)】