ＶＴＲ内蔵型テレビジョン受像機
【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明はビデオテープレコーダ（ＶＴＲ）を内蔵したＶＴＲ内蔵型テレビジョン受像機に関するものであり、特に、ワイド放送にも対応したテレビジョン受像機の垂直偏向ヨークからの漏洩磁束により、ＶＴＲの音声再生ヘッドに誘起される雑音成分を軽減除去する構成に特徴を有するものである。
【０００２】
【従来の技術】従来、ＶＴＲ内蔵型テレビジョン受像機においては、図２に示すように、ＶＴＲの再生中に、その音声の再生ヘッド１に、テレビジョン受像機の垂直偏向ヨーク４からの漏洩磁束によって誘起される垂直偏向周波数妨害音を軽減するために、逆極性の雑音が誘起されるコイル２を再生ヘッド１と直列に挿入して、雑音のない再生信号を再生増幅器３で増幅している。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】ところで、最近ではテレビジョン放送がワイド放送化され、アスペクト比が１６：９のワイド放送と、４：３の通常の放送とをともに視聴するためには、偏向角度を変化させる必要がある。しかしながら、画面サイズを切り換えたときには、垂直偏向ヨークからの漏洩磁束量が変化するため、上記のようにＶＴＲを内蔵したテレビジョン受像機においては、画面サイズの切り換えによって、再生ヘッドに与える雑音が変化することとなり、この対策を講じなければならない。
【０００４】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するために本発明は、垂直偏向ヨークからの漏洩磁束により音声再生ヘッドに誘起される雑音成分を相殺するために、コイルを音声再生ヘッドに直列に接続し、そのインダクタンス値を変化させるようにするものである。
【０００５】これにより、ＶＴＲの再生中に画面サイズを切り換えたときに、雑音の少ない再生音声を得ることができる。
【０００６】
【発明の実施の形態】本発明の請求項１に記載の発明は、垂直偏向ヨークに流れる電流を変化させることにより、画面のアスペクト比を切り換えたときに、前記垂直偏向ヨークからの漏洩磁束によって音声再生ヘッドに誘起される、互いに異なる大きさの雑音成分を相殺するために、前記雑音成分と逆極性の雑音が誘起されるコイルを前記音声再生ヘッドに直列に接続し、前記垂直偏向ヨークに流れる電流に応じてインダクタンス値を変化させることを特徴とするものであり、これによりＶＴＲの再生中に画面サイズが切り換わっても、垂直偏向周波数妨害音のない音声の再生ができる。
【０００７】（実施の形態１）以下に、本発明の請求項１に記載された発明の実施の形態について、図１を用いて説明する。図２に示した従来例との差異は、コイル２に対して直列に、コイル５を設け、さらにこコイル５と並列にスイッチ６を設けた点にある。このスイッチ６を開閉することにより再生増幅器３に直列に接続されたコイルのインダクタンス値が変化するようにしている。
【０００８】この構成によれば、アスペクト比の切り換えによって変化する垂直偏向ヨーク４に流れる偏向電流に対して、最適なインダクタンス値を選択すれば、再生ヘッド１に誘起されるそれぞれ異なる大きさの雑音成分除去でき、垂直偏向周波数妨害音のない音声の再生が望めるものである。
【０００９】なお、以上の説明ではコイル５とスイッチ６にてインダクタンス値を変化させたが、その他、再生増幅器とそれに直列に接続するコイルを複数設けて切り換えを行う構成も可能である。
【００１０】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、テレビジョンの画面サイズの変化による垂直偏向ヨークを流れる電流に関係なく、垂直偏向周波数妨害音を除去した音声の再生を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の一実施の形態によるＶＴＲ内蔵型テレビジョン受像機のブロック図
【図２】従来のＶＴＲ内蔵型テレビジョン受像機のブロック図
【符号の説明】
１ 再生ヘッド
２，５ コイル
３ 再生増幅器
４ 垂直偏向ヨーク
６ スイッチ
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明はビデオテープレコーダ（ＶＴＲ）を内蔵したＶＴＲ内蔵型テレビジョン受像機に関するものであり、特に、ワイド放送にも対応したテレビジョン受像機の垂直偏向ヨークからの漏洩磁束により、ＶＴＲの音声再生ヘッドに誘起される雑音成分を軽減除去する構成に特徴を有するものである。
【０００２】
【従来の技術】従来、ＶＴＲ内蔵型テレビジョン受像機においては、図２に示すように、ＶＴＲの再生中に、その音声の再生ヘッド１に、テレビジョン受像機の垂直偏向ヨーク４からの漏洩磁束によって誘起される垂直偏向周波数妨害音を軽減するために、逆極性の雑音が誘起されるコイル２を再生ヘッド１と直列に挿入して、雑音のない再生信号を再生増幅器３で増幅している。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】ところで、最近ではテレビジョン放送がワイド放送化され、アスペクト比が１６：９のワイド放送と、４：３の通常の放送とをともに視聴するためには、偏向角度を変化させる必要がある。しかしながら、画面サイズを切り換えたときには、垂直偏向ヨークからの漏洩磁束量が変化するため、上記のようにＶＴＲを内蔵したテレビジョン受像機においては、画面サイズの切り換えによって、再生ヘッドに与える雑音が変化することとなり、この対策を講じなければならない。
【０００４】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するために本発明は、垂直偏向ヨークからの漏洩磁束により音声再生ヘッドに誘起される雑音成分を相殺するために、コイルを音声再生ヘッドに直列に接続し、そのインダクタンス値を変化させるようにするものである。
【０００５】これにより、ＶＴＲの再生中に画面サイズを切り換えたときに、雑音の少ない再生音声を得ることができる。
【０００６】
【発明の実施の形態】本発明の請求項１に記載の発明は、垂直偏向ヨークに流れる電流を変化させることにより、画面のアスペクト比を切り換えたときに、前記垂直偏向ヨークからの漏洩磁束によって音声再生ヘッドに誘起される、互いに異なる大きさの雑音成分を相殺するために、前記雑音成分と逆極性の雑音が誘起されるコイルを前記音声再生ヘッドに直列に接続し、前記垂直偏向ヨークに流れる電流に応じてインダクタンス値を変化させることを特徴とするものであり、これによりＶＴＲの再生中に画面サイズが切り換わっても、垂直偏向周波数妨害音のない音声の再生ができる。
【０００７】（実施の形態１）以下に、本発明の請求項１に記載された発明の実施の形態について、図１を用いて説明する。図２に示した従来例との差異は、コイル２に対して直列に、コイル５を設け、さらにこコイル５と並列にスイッチ６を設けた点にある。このスイッチ６を開閉することにより再生増幅器３に直列に接続されたコイルのインダクタンス値が変化するようにしている。
【０００８】この構成によれば、アスペクト比の切り換えによって変化する垂直偏向ヨーク４に流れる偏向電流に対して、最適なインダクタンス値を選択すれば、再生ヘッド１に誘起されるそれぞれ異なる大きさの雑音成分除去でき、垂直偏向周波数妨害音のない音声の再生が望めるものである。
【０００９】なお、以上の説明ではコイル５とスイッチ６にてインダクタンス値を変化させたが、その他、再生増幅器とそれに直列に接続するコイルを複数設けて切り換えを行う構成も可能である。
【００１０】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、テレビジョンの画面サイズの変化による垂直偏向ヨークを流れる電流に関係なく、垂直偏向周波数妨害音を除去した音声の再生を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の一実施の形態によるＶＴＲ内蔵型テレビジョン受像機のブロック図
【図２】従来のＶＴＲ内蔵型テレビジョン受像機のブロック図
【符号の説明】
１ 再生ヘッド
２，５ コイル
３ 再生増幅器
４ 垂直偏向ヨーク
６ スイッチ
【特許請求の範囲】
【請求項１】垂直偏向ヨークに流れる電流を変化させることにより、画面のアスペクト比を切り換えたときに、前記垂直偏向ヨークからの漏洩磁束によって音声再生ヘッドに誘起される、互いに異なる大きさの雑音成分を相殺するために、前記雑音成分と逆極性の雑音が誘起されるコイルを前記音声再生ヘッドに直列に接続し、前記垂直偏向ヨークに流れる電流に応じてインダクタンス値を変化させることを特徴とするＶＴＲ内蔵型テレビジョン受像機。
【請求項１】垂直偏向ヨークに流れる電流を変化させることにより、画面のアスペクト比を切り換えたときに、前記垂直偏向ヨークからの漏洩磁束によって音声再生ヘッドに誘起される、互いに異なる大きさの雑音成分を相殺するために、前記雑音成分と逆極性の雑音が誘起されるコイルを前記音声再生ヘッドに直列に接続し、前記垂直偏向ヨークに流れる電流に応じてインダクタンス値を変化させることを特徴とするＶＴＲ内蔵型テレビジョン受像機。
【図１】
【図２】
【図２】
【特許番号】特許第３４０９５５０号（Ｐ３４０９５５０）
【登録日】平成１５年３月２０日（２００３．３．２０）
【発行日】平成１５年５月２６日（２００３．５．２６）
【国際特許分類】
【出願番号】特願平７−３３８６０８
【出願日】平成７年１２月２６日（１９９５．１２．２６）
【公開番号】特開平９−１８２００９
【公開日】平成９年７月１１日（１９９７．７．１１）
【審査請求日】平成１２年２月８日（２０００．２．８）
【出願人】（０００００５８２１）松下電器産業株式会社 (73,050)
【参考文献】
【文献】特開 平８−１６７１０１（ＪＰ，Ａ）
【文献】特開 平５−１９１８０７（ＪＰ，Ａ）
【文献】特開 平２−２５０４７８（ＪＰ，Ａ）
【文献】実開 平４−７２７８１（ＪＰ，Ｕ）
【登録日】平成１５年３月２０日（２００３．３．２０）
【発行日】平成１５年５月２６日（２００３．５．２６）
【国際特許分類】
【出願日】平成７年１２月２６日（１９９５．１２．２６）
【公開番号】特開平９−１８２００９
【公開日】平成９年７月１１日（１９９７．７．１１）
【審査請求日】平成１２年２月８日（２０００．２．８）
【出願人】（０００００５８２１）松下電器産業株式会社 (73,050)
【参考文献】
【文献】特開 平８−１６７１０１（ＪＰ，Ａ）
【文献】特開 平５−１９１８０７（ＪＰ，Ａ）
【文献】特開 平２−２５０４７８（ＪＰ，Ａ）
【文献】実開 平４−７２７８１（ＪＰ，Ｕ）
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