Webページへの付加情報書き込み方法
【課題】 印刷物にペンでメモとして書き込みを行うのと同様に、閲覧中のWebページに対して書き込みを行い、書き込んだ内容もWebページと同様に配信するシステムと方法を提供すること。
【解決手段】 Webサーバ上で稼動するプログラムに対して、閲覧するWebページのURLを送信することによって、付加情報を書き込むためのGUIを加えたWebページを生成し、Webブラウザ上から書き込みを行えるようにする。また、Webサーバには付加情報データベースを備え、Webブラウザ上で書き込まれた付加情報と、WebページのURLを併せて保存することによって、閲覧するURLに対する付加情報を検索できるようにして、Webページと一緒に既に書き込まれた付加情報をWebブラウザ上に表示する。
【解決手段】 Webサーバ上で稼動するプログラムに対して、閲覧するWebページのURLを送信することによって、付加情報を書き込むためのGUIを加えたWebページを生成し、Webブラウザ上から書き込みを行えるようにする。また、Webサーバには付加情報データベースを備え、Webブラウザ上で書き込まれた付加情報と、WebページのURLを併せて保存することによって、閲覧するURLに対する付加情報を検索できるようにして、Webページと一緒に既に書き込まれた付加情報をWebブラウザ上に表示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、Webブラウザで表示しているWebページ上に線や矩形などの図形や画像や文字などの付加情報を書き込むことができ、書き込んだ付加情報をWebページと一緒に配信するシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年ではWebページの量は爆発的な増加傾向にあり、様々な情報をWebブラウザで取得することができる。
WebページはHTML(Hyper Text Markup Language)によって単なる文字情報だけでなく、重要な部分に飾り付けや色を変えてスタイルを変更したり、画像ファイルなどを使って絵を挿入して見栄えよくしたページを作成することができる。
最近、更にJavaScript(登録商標)やXML(Extensible Markup Language)を使ったAJAX(Asynchronous JavaScript + XML)と呼ばれる手法によってユーザが使いやすくユーザビリティが高いWebページや、Webページを配信しているサーバ側にプログラムを配置して、Webブラウザ上で入力された情報に応じて動的にWebページを生成するWebサイトも増えてきている。
【0003】
これらの技術を使って情報を発信するための手段も多く出てきており、特にブログと呼ばれるシステムでは、Webページに関する技術的な知識が無くても簡単にWebページを作成し、情報を発信する発信者になることができ、Webページを閲覧したユーザがWebページの発信者に対してコメントを書いたり、トラックバックと呼ばれる仕組みを使って表示されている他のWebページへのリンクを辿ることによって、閲覧しているユーザは更に関連する情報を取得し易くなっている。そして、ユーザが得られた情報を元に新しいコメントやトラックバックを付加情報として発信する機会も多く出てきている。
【0004】
また、文字や画像ファイルを挿入するだけでなく、HTMLを更に拡張して図形の座標情報を入力することによって図形をWebページ上で表現する言語も出てきており、このような図形描画言語を使用することによってWebページとして配信できる情報が更に豊かになってきている。
代表的な図形描画言語としてはMicrosoft社、Hewlett Packard社、Macromedia社、Visio社が提唱するVML(Vector Markup Language)とAdobe Systems社が提唱するSVG(Scalable Vector Graphics)がある。
なお、本発明に関連する公知技術文献としては下記の特許文献1がある。
【0005】
【特許文献1】特開2002−222113
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
印刷物である本や地図など、紙に印刷されたものに対して、ペンで手書きによる書き込みを行い、元の印刷物に対して付加情報を追加する作業は一般的によく行われている。
同様のことをWebページに対して行う場合は、Webブラウザの機能によって紙に印刷し、
印刷したものに対してペンなどで書き込んで付加情報を追加することが一般的であった。
しかし、Webページを印刷して紙媒体にするとWebのメリットであるWeb配信機能を使うことができないため、紙の上に書き込んだ付加情報を他の人に配信したい場合は、書き込んだ紙を郵送やFAXなどの別の配信手段を使う必要が出てきてしまう。
【0007】
本発明の目的は、Webページに対して直接付加情報の書き込みを行い、書き込んだ付加情報もWeb配信することができる方法及びシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明のWebページへの情報書込みシステムは、書き込んだ付加情報を保持するための付加情報データベースを備えた付加情報Webサーバと、前記付加情報Webサーバから付加情報を受信する複数のクライアント端末装置から成り、
前記付加情報Webサーバは、前記付加情報データベースに付加情報を新規に格納する格納手段と、既に格納されている付加情報を更新する更新手段と、いずれかのクライアント端末に搭載されているWebブラウザからの要求に応じて、該要求に含まれるWebページのURL(Webページアドレス情報)に対応した付加情報を前記付加情報データベースから読み出す検索手段と、該要求に含まれるURLのWebページを取得して付加情報の新規書き込み手段または変更手段を追加した新しいWebページを生成する手段と、生成したWebページと検索結果の付加情報を要求元のWebブラウザに向けて送信する送信手段とを備え、
前記クライアント端末のWebブラウザは、閲覧しようとするWebページのURLを前記付加情報Webサーバに対して送信する手段と、前記付加情報Webサーバが生成したWebページを受信し、書込み済みの付加情報が追加されたWebページを表示し、かつ当該Webページ内に付加情報の新規書込み手段または変更手段を表示する手段と、新規に書き込まれた付加情報、または変更された付加情報とを前記付加情報Webサーバに送信する送信手段とを備えることを特徴とする。
【0009】
本発明のWebページへの情報書込み方法は、クライアント端末装置のWebブラウザから現在閲覧中のWebページに対して付加情報を書込み、付加情報Webサーバの付加情報データベースに格納するWebページへの書き込み方法であって、
前記クライアント端末装置のWebブラウザが、閲覧しようとするWebページのURLを前記付加情報Webサーバに対して送信するステップと、
前記付加情報Webサーバが、前記Webブラウザからの要求に含まれるWebページのURLに対応した付加情報を前記付加情報データベースから読み出すステップと、該要求に含まれるURLのWebページを取得して付加情報の新規書き込み手段または変更手段を追加したWebページを新たに生成するステップと、生成したWebページと検索結果の付加情報を要求元のWebブラウザに向けて送信するステップとを備え、
前記クライアント端末装置のWebブラウザが、前記付加情報Webサーバから受信したWebページを表示画面に表示し、付加情報データの新規書込み、または書込み済みの付加情報データの変更を受付け、新規に書き込まれた付加情報データ、または変更があった付加情報データを前記付加情報Webサーバへ送信するステップを備え、
前記付加情報Webサーバが、前記Webブラウザから受信した付加情報データに基づいて、前記付加情報データベースを更新するステップとを
備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、次のような効果がある。
(1)Webページに対して書き込みが行え、Webページ上の重要な部分にアンダーライン引くことや、メモとして文字を記入するなど元のWebページに対して付加情報を加えることができる。
(2)書き込んだ付加情報付きのWebページを他のユーザに対しても配信することができる。
(3)(2)の効果によって、書き込んだ付加情報を他のユーザと共有するができ、互いに付加情報を配信することによってコミュニケーションすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明を適用したWebページ書き込みシステムの一実施の形態について説明する。
図1は、本発明の実施の形態の一例を示すシステム構成図である。
本実施形態のWebページ書き込みシステムは、ページ生成プログラム7と、付加情報処理プログラム8と、付加情報データベース9を備えた付加情報Webサーバ6と、Webページを閲覧するユーザが使用する複数のクライアント端末1a,1b,1nと、閲覧対象となる複数のWebサーバ10a,10b,10nと、Webサーバ10a,10b,10nが配信している複数のWebページ11a,11b,11nから構成され、クライアント端末1a,1b,1nと付加情報Webサーバ6とWebサーバ10a,10b,10nはインターネットまたはイントラネットなどのネットワーク5に接続されている。
付加情報Webサーバ6がWebページの配信も行っている場合は、付加情報Webサーバ6もWebサーバ10a,10b,10nの一部とみなすこともできる。
【0012】
クライアント端末1a,1b,1nには、それぞれWebブラウザ2が搭載されており、ネットワーク5に接続されているWebサーバ10a,10b,10nに含まれるWebページ11a,11b,11nのURLをWebブラウザ2に入力することによって、入力されたURLのWebページをWebブラウザ2にて閲覧することができる。
JavaScriptプログラム4は、付加情報Webサーバ6に設けられているページ生成プログラム7によって生成されたWebページに含まれるスクリプト形式のプログラムであり、Webブラウザ2からページ生成プログラム7へ送信する要求の中に閲覧するWebページのURLを含めることによって生成されるものである。
【0013】
ページ生成プログラム7は、付加情報Webサーバ6上で稼動するプログラムであり、Webブラウザ2から閲覧するWebページのURLを送信する際には、CGI(Common Gateway Interface)と呼ばれる要求形式を使用してクエリ文字列として送信するのが最良の形態である。
例としてページ生成プログラム7のURLが「http://host1/generate」、閲覧するWebページのURLを「http://www.host2.com/」、クエリ文字列のパラメータ名を「URL」とする場合に、ページ生成プログラム7へ要求するには「http://host1/generate URL=http://www.host2.com」というURLをWebブラウザ2から入力すればよい。
このURLを入力することによって、ページ生成プログラム7は閲覧するWebページ「http://www.host2.com/」に対してJavaScriptプログラム4を含んだWebページを生成する。
通常、前記のようなページ生成プログラム7に対するURLは、ユーザが直接入力するのではなく、閲覧するWebページのURLのみを入力するWebページを作成し、JavaScriptプログラムを使用してプログラムで自動的に生成する仕組みにすることが望ましい。また、ここでは説明のためエンコード処理を行っていないURLを示したが、実際はクエリ文字列に対してURLエンコードと呼ばれる処理を行う必要がある。
【0014】
図2は、ページ生成プログラム7によって生成されたWebページの構成を示した図であり、図2(a)におけるWebページ20は、閲覧するWebページのURLをWebブラウザ2に入力した場合のWebページの構成を示し、図2(b)におけるWebページ21は、ページ生成プログラム7にWebページ20のURLを含めた要求を行うことによって生成されたWebページの構成を示している。
Webページ21は、Webページ20の内容に加えて、JavaScriptプログラム4が追加され、更にWebページ20の中にある相対URLで指定されている画像ファイル等が正常に動作するようにするために、相対パスの基準を表すタグ(<BASE>タグ)が存在しない場合は新規に挿入して相対URLにおける問題を解決するようにしていることと、Webページ21を閲覧中に他のWebページへ移動した場合も、再びページ生成プログラム7によって生成されたWebページを閲覧できるようにするために、Webページ20に含まれているリンクタグ(<A>タグ)を、ページ生成プログラム7に対するURLに変更し、元々のリンク先をクエリ文字列に含める形式に変換する処理が行われている。
【0015】
従って、前記の例の場合、図2(b)に示される<BASE>タグは「<BASE HREF=http://www.host2.com/>」になり、図2(a)において「<A HREF=http://www.host2.com/page1.html>」というリンクを持つ<A>タグは、図2(b)においては、「<A HREF=http://host1/generateURL=http://www.host2.com/page1.html>」というリンクに変更される。(実際には、更にURLエンコードも行う)
<A>タグにおけるリンクについては、前記の処理を行うことによってページ生成プログラム7へのリンクに変更することが可能だが、その他の手段でリンクしている場合、特にWebページに埋め込まれたFlashやJava Applet等の特別なオブジェクトを使用している場合は、リンク先を変更することができないので、ページ生成プログラム7は特別なオブジェクトを埋め込む場合に使用される<OBJECT>タグや、<APPLET>タグがWebページ中に含まれている場合は、「一部のリンク先は書き込み操作が行えません。」等のメッセージを出すような処理が必要になる。
【0016】
JavaScriptプログラム4はWebページに対して書き込まれた付加情報を扱うためのプログラムであり、既にWebページに書き込まれた付加情報を付加情報処理プログラム7から受信して描画する処理と、新規に付加情報を書き込む場合に付加情報の種別を選択させるGUI(Graphical User Interface)を提供することと、既に書き込み済みの付加情報を変更するためのGUIを提供することと、新規に描画された付加情報を付加情報処理プログラム7へ送信する処理と、既存の付加情報が変更されたときの差分情報を付加情報処理プログラム7へ送信する処理を行うプログラムである。
【0017】
図3は、実際のWebブラウザ上にWebページを表示する例を示す図である。
図3(a)はURLとして閲覧するWebページを直接入力した場合であり、図2(a)のページ構成に相当し、図3(b)はページ生成プログラム7によってJavaScriptプログラム4が追加されて、書き込みを入力するためのGUI30と、既に書き込まれた付加情報31を表示している場合であり、図2(b)のページ構成に相当する。
【0018】
付加情報Webサーバ6における付加情報データベース9は、既に書き込まれた付加情報が含まれ、図4に示すように、付加情報を識別するための付加情報ID40、付加情報が含まれるWebページのURL41、付加情報の線の太さ42、付加情報の線の色43、付加情報の塗りつぶしの色44、付加情報種別45、付加情報の座標値46、付加情報の画像URL47が必須データとして登録され、システムの用途に応じて、拡張情報48も追加される。付加情報種別45には登録された付加情報の座標値が「点」、「線」、「多角形」といった付加情報の種別を識別するためのデータが格納され、付加情報種別に応じた頂点の位置情報が座標値46に格納される。座標値の単位はWebブラウザ2におけるピクセル座標値であり、X座標値とY座標値から成り、付加情報種別45が「点」の場合にはX座標一つ、Y座標一つであるが、「線」と「多角形」の場合は複数個の座標値が格納される。
また、付加情報種別45が点や多角形の場合には、その位置に画像データを貼り付けることができ、その場合は付加情報URL47に画像データが存在するURLを格納する。
拡張情報48は、付加情報として必要に応じて追加するものであり、システムの用途によって格納するデータは変更される。例えば、付加情報を書き込んだユーザ名を格納することによって、閲覧するユーザに応じて書き込み付加情報の表示、非表示制御を行うことなどが考えられる。
【0019】
付加情報Webサーバ6における付加情報処理プログラム7は、付加情報データベース9に対して付加情報データを格納する格納処理と、格納された付加情報データを検索する検索処理と、格納されているデータの変更や削除といった編集処理を行う機能を備えている。
【0020】
以下、以上のように構成されたWebページ書き込みシステムの動作を説明する。
図5は、クライアント端末1a、1b、1nにおけるWebブラウザ2と、付加情報Webサーバ6のページ生成プログラム7と、付加情報処理プログラム8の通信関係を示した説明図である。
Webブラウザ2より閲覧するWebページのURLをページ生成プログラム7と付加情報処理プログラム8へ送信し(ステップ50,51)、ページ生成プログラム7からはJavaScriptプログラム4を含むWebページを受信し(ステップ52)、付加情報処理プログラム8からは書き込まれた付加情報を受信する(ステップ53)。
【0021】
図6は、ページ生成プログラム7におけるページ生成処理の概要を示すフローチャートである。
ページ生成プログラム7は、Webブラウザ2より閲覧するURLを受信し(ステップ60)、受信したURLに示されたWebページを取得する処理を行い(ステップ61)、取得に失敗した場合は送信元のWebブラウザへエラーを返却する(ステップ63)。
無事にWebページを取得できた場合は、Webページに<BASE>タグが含まれているかチェックし、含まれていない場合はステップ60において受信したURLを基準として<BASE>タグを追加する処理を行い(ステップ64)、JavaScriptプログラム4を<SCRIPT>タグと一緒に挿入する処理と(ステップ65)、Webページ内の<A>タグに含まれているリンク先をページ生成プログラム7へ変更する処理を行い(ステップ66)、送信元のWebブラウザ2へWebページを返却する処理を行う(ステップ67)。
【0022】
図7は、図5のステップ53における付加情報処理プログラム8の付加情報検索処理の概要を示すフローチャートである。
付加情報処理プログラム8は、Webブラウザ2より閲覧するURLを受信し(ステップ70)、受信したURLを検索条件にして図3に示すデータのうちURL41と同様のURLを持つ付加情報をすべて選択する検索処理を行い(ステップ71)、選択されたデータを一つずつ取り出し(ステップ72、74)、付加情報をJavaScriptプログラム4が読み込みを行える形式に変換して出力し(ステップ73)、送信元であるWebブラウザ2へ返却する(ステップ75)。
ステップ73における付加情報の出力形式は、JSON(JavaScript Object Notation)形式やXML形式などが考えられる。
【0023】
図8は、ステップ53におけるWebブラウザ内のWebページ中にあるJavaScriptプログラム4が、付加情報処理プログラム8から付加情報を受信した時の処理の概要を示すフローチャートである。
付加情報データを受信後に(ステップ80)、付加情報の有無を確認し(ステップ81)、付加情報データ中における画像URL47のデータが格納されているか確認し(ステップ82)、画像URL47が格納されていない場合は、SVGまたはVMLなどの図形描画言語を使用して付加情報種別45と、線の太さ42と、線の色43と、塗りつぶしの色44に応じた図形要素を生成し、一方、画像URL47が格納されている場合は格納されているURLより画像を取得し、HTMLにおける<DIV>要素を生成して背景画像として画像URL47において指定されている画像を使用し(ステップ85)、生成した図形要素または<DIV>要素に対して座標値46に格納されている位置情報を設定し(ステップ86)、次に検索された付加情報へ進み(ステップ88)、付加情報がまだ存在している場合は次の付加情報に対して再びステップ81から繰り返し、全ての付加情報に対して処理を行ったら終了する(ステップ89)。
【0024】
図9は、Webブラウザ2から新規に書き込みを行った際におけるJavaScriptプログラム4の処理の概要を示すフローチャートである。
JavaScriptプログラム4におけるGUIより描画する付加情報の種類や、線の色、線の太さ、塗りつぶし色を決定して付加情報を生成し(ステップ90)、マウス入力などによって設定された付加情報の座標値を生成した付加情報に設定してWebブラウザ2上に表示し(ステップ91)、閲覧中のWebページのURL41と、付加情報に設定された情報である線の太さ42、線の色43、塗りつぶしの色44、付加情報種別45、座標値46、画像URL47といった付加情報データと、必要に応じて、拡張情報48のデータを付加情報処理プログラム8に対して送信し(ステップ92)、付加情報処理プログラム8は受信したデータに付加情報ID40を採番して付加情報データベース9に格納し、格納後に送信元に対して「成功」か「失敗」かの実行結果と、「成功」した場合は採番した付加情報IDを返却する(ステップ93)。
送信元であるJavaScriptプログラム4は、「成功」を受信した場合は採番された付加情報IDを記録して処理を終了するが(ステップ94)、「失敗」を受信した場合は描画した付加情報を消去して「保存に失敗しました」といったメッセージをWebブラウザ2に表示する(ステップ95)。
【0025】
図10は、Webブラウザ2上において、付加情報を移動して座標値を変更した場合や、削除した場合や、線の太さや色などを変更する編集操作を行った際におけるJavaScriptプログラム4の処理の概要を示すフローチャートである。
編集した付加情報を取得し(ステップ100)、取得した付加情報の付加情報ID40と、新しく設定された付加情報を付加情報処理プログラム8へ送信する(ステップ101)。
付加情報処理プログラム8は受信した情報に対する変更を付加情報データベース9に対して行い、変更後に送信元に対して「成功」か「失敗」かを返却する(ステップ102)。
送信元であるJavaScriptプログラム4は、「成功」を受信した場合は処理を終了するが、「失敗」を受信した場合は変更した付加情報を元に戻して「編集に失敗しました」といったメッセージをWebブラウザ2に表示する(ステップ103)。
【0026】
以上のように、本実施形態のWebページ書き込みシステムによれば、次のような効果がある。
(1)Webページに対して書き込みを行うことによって、Webページ上の重要な部分にアンダーライン引くことや、メモとして文字を記入するなど、元のWebページに対して付加情報を加えることができる。
(2)書き込みを行ったWebページのURLをWebブラウザから入力することによって、通常のWebページ同様に書き込みを参照することができ、書き込み内容もWeb配信されるので、書き込んだ内容を他のユーザと共有することや、互いに書き込みを行うことによってコミュニケーションすることもできる。
(3)書き込みを行った付加情報に拡張情報48を追加することによって、様々な用途に応じたシステムを作成することができる。
【0027】
具体的な実用例として、例えば教育分野において次のような効果が見込まれる。
(1)教育用教材をWebページで作成し、教師は黒板の代わりに大画面のディスプレイやプロジェクタ等を使用することによって、教材に書き込みながら授業が行える。
(2)授業中に教師が行った付加情報として、「授業名」、「日時」を格納し、これらの付加情報を検索するアプリケーションを組み合わせることによって、生徒は授業終了後も、教師の書き込んだ内容を参照することができる。
(3)更に、付加情報として音声や映像といったマルチメディアを扱うことによって効果的な授業が行える。
(4)紙の教材からWebページで扱う電子データに変更することによって、ペーパレス化につながる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の一実施の形態例を示すシステム構成図である。
【図2】付加情報サーバによって生成されるWebページの説明図である。
【図3】付加情報サーバによって生成されるWebページの画面例を示す図である。
【図4】付加情報データベースに格納されているデータの構成図である。
【図5】クライアント端末と付加情報Webサーバの通信を示す説明図である。
【図6】Webページを生成する処理の概要を示すフローチャットである。
【図7】書き込んだ付加情報の検索処理の概要を示すフローチャートである。
【図8】書き込んだ付加情報の表示処理の概要を示すフローチャートである。
【図9】新規に書き込んだ付加情報の格納処理を示すフローチャートである。
【図10】書き込み済みの付加情報の編集処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0029】
1a,1b,1n…クライアント端末、2…Webブラウザ、3…閲覧中のWebページ、4…JavaScriptプログラム、5…ネットワーク、6…付加情報Webサーバ、7…ページ生成プログラム、8…付加情報処理プログラム、9…付加情報データベース、10a,10b,10n…一般Webサーバ、11a,11b,11n…Webページ、20…閲覧する一般Webページ、30…書き込み入力GUI、31…書き込まれた付加情報
【技術分野】
【0001】
本発明は、Webブラウザで表示しているWebページ上に線や矩形などの図形や画像や文字などの付加情報を書き込むことができ、書き込んだ付加情報をWebページと一緒に配信するシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年ではWebページの量は爆発的な増加傾向にあり、様々な情報をWebブラウザで取得することができる。
WebページはHTML(Hyper Text Markup Language)によって単なる文字情報だけでなく、重要な部分に飾り付けや色を変えてスタイルを変更したり、画像ファイルなどを使って絵を挿入して見栄えよくしたページを作成することができる。
最近、更にJavaScript(登録商標)やXML(Extensible Markup Language)を使ったAJAX(Asynchronous JavaScript + XML)と呼ばれる手法によってユーザが使いやすくユーザビリティが高いWebページや、Webページを配信しているサーバ側にプログラムを配置して、Webブラウザ上で入力された情報に応じて動的にWebページを生成するWebサイトも増えてきている。
【0003】
これらの技術を使って情報を発信するための手段も多く出てきており、特にブログと呼ばれるシステムでは、Webページに関する技術的な知識が無くても簡単にWebページを作成し、情報を発信する発信者になることができ、Webページを閲覧したユーザがWebページの発信者に対してコメントを書いたり、トラックバックと呼ばれる仕組みを使って表示されている他のWebページへのリンクを辿ることによって、閲覧しているユーザは更に関連する情報を取得し易くなっている。そして、ユーザが得られた情報を元に新しいコメントやトラックバックを付加情報として発信する機会も多く出てきている。
【0004】
また、文字や画像ファイルを挿入するだけでなく、HTMLを更に拡張して図形の座標情報を入力することによって図形をWebページ上で表現する言語も出てきており、このような図形描画言語を使用することによってWebページとして配信できる情報が更に豊かになってきている。
代表的な図形描画言語としてはMicrosoft社、Hewlett Packard社、Macromedia社、Visio社が提唱するVML(Vector Markup Language)とAdobe Systems社が提唱するSVG(Scalable Vector Graphics)がある。
なお、本発明に関連する公知技術文献としては下記の特許文献1がある。
【0005】
【特許文献1】特開2002−222113
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
印刷物である本や地図など、紙に印刷されたものに対して、ペンで手書きによる書き込みを行い、元の印刷物に対して付加情報を追加する作業は一般的によく行われている。
同様のことをWebページに対して行う場合は、Webブラウザの機能によって紙に印刷し、
印刷したものに対してペンなどで書き込んで付加情報を追加することが一般的であった。
しかし、Webページを印刷して紙媒体にするとWebのメリットであるWeb配信機能を使うことができないため、紙の上に書き込んだ付加情報を他の人に配信したい場合は、書き込んだ紙を郵送やFAXなどの別の配信手段を使う必要が出てきてしまう。
【0007】
本発明の目的は、Webページに対して直接付加情報の書き込みを行い、書き込んだ付加情報もWeb配信することができる方法及びシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明のWebページへの情報書込みシステムは、書き込んだ付加情報を保持するための付加情報データベースを備えた付加情報Webサーバと、前記付加情報Webサーバから付加情報を受信する複数のクライアント端末装置から成り、
前記付加情報Webサーバは、前記付加情報データベースに付加情報を新規に格納する格納手段と、既に格納されている付加情報を更新する更新手段と、いずれかのクライアント端末に搭載されているWebブラウザからの要求に応じて、該要求に含まれるWebページのURL(Webページアドレス情報)に対応した付加情報を前記付加情報データベースから読み出す検索手段と、該要求に含まれるURLのWebページを取得して付加情報の新規書き込み手段または変更手段を追加した新しいWebページを生成する手段と、生成したWebページと検索結果の付加情報を要求元のWebブラウザに向けて送信する送信手段とを備え、
前記クライアント端末のWebブラウザは、閲覧しようとするWebページのURLを前記付加情報Webサーバに対して送信する手段と、前記付加情報Webサーバが生成したWebページを受信し、書込み済みの付加情報が追加されたWebページを表示し、かつ当該Webページ内に付加情報の新規書込み手段または変更手段を表示する手段と、新規に書き込まれた付加情報、または変更された付加情報とを前記付加情報Webサーバに送信する送信手段とを備えることを特徴とする。
【0009】
本発明のWebページへの情報書込み方法は、クライアント端末装置のWebブラウザから現在閲覧中のWebページに対して付加情報を書込み、付加情報Webサーバの付加情報データベースに格納するWebページへの書き込み方法であって、
前記クライアント端末装置のWebブラウザが、閲覧しようとするWebページのURLを前記付加情報Webサーバに対して送信するステップと、
前記付加情報Webサーバが、前記Webブラウザからの要求に含まれるWebページのURLに対応した付加情報を前記付加情報データベースから読み出すステップと、該要求に含まれるURLのWebページを取得して付加情報の新規書き込み手段または変更手段を追加したWebページを新たに生成するステップと、生成したWebページと検索結果の付加情報を要求元のWebブラウザに向けて送信するステップとを備え、
前記クライアント端末装置のWebブラウザが、前記付加情報Webサーバから受信したWebページを表示画面に表示し、付加情報データの新規書込み、または書込み済みの付加情報データの変更を受付け、新規に書き込まれた付加情報データ、または変更があった付加情報データを前記付加情報Webサーバへ送信するステップを備え、
前記付加情報Webサーバが、前記Webブラウザから受信した付加情報データに基づいて、前記付加情報データベースを更新するステップとを
備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、次のような効果がある。
(1)Webページに対して書き込みが行え、Webページ上の重要な部分にアンダーライン引くことや、メモとして文字を記入するなど元のWebページに対して付加情報を加えることができる。
(2)書き込んだ付加情報付きのWebページを他のユーザに対しても配信することができる。
(3)(2)の効果によって、書き込んだ付加情報を他のユーザと共有するができ、互いに付加情報を配信することによってコミュニケーションすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明を適用したWebページ書き込みシステムの一実施の形態について説明する。
図1は、本発明の実施の形態の一例を示すシステム構成図である。
本実施形態のWebページ書き込みシステムは、ページ生成プログラム7と、付加情報処理プログラム8と、付加情報データベース9を備えた付加情報Webサーバ6と、Webページを閲覧するユーザが使用する複数のクライアント端末1a,1b,1nと、閲覧対象となる複数のWebサーバ10a,10b,10nと、Webサーバ10a,10b,10nが配信している複数のWebページ11a,11b,11nから構成され、クライアント端末1a,1b,1nと付加情報Webサーバ6とWebサーバ10a,10b,10nはインターネットまたはイントラネットなどのネットワーク5に接続されている。
付加情報Webサーバ6がWebページの配信も行っている場合は、付加情報Webサーバ6もWebサーバ10a,10b,10nの一部とみなすこともできる。
【0012】
クライアント端末1a,1b,1nには、それぞれWebブラウザ2が搭載されており、ネットワーク5に接続されているWebサーバ10a,10b,10nに含まれるWebページ11a,11b,11nのURLをWebブラウザ2に入力することによって、入力されたURLのWebページをWebブラウザ2にて閲覧することができる。
JavaScriptプログラム4は、付加情報Webサーバ6に設けられているページ生成プログラム7によって生成されたWebページに含まれるスクリプト形式のプログラムであり、Webブラウザ2からページ生成プログラム7へ送信する要求の中に閲覧するWebページのURLを含めることによって生成されるものである。
【0013】
ページ生成プログラム7は、付加情報Webサーバ6上で稼動するプログラムであり、Webブラウザ2から閲覧するWebページのURLを送信する際には、CGI(Common Gateway Interface)と呼ばれる要求形式を使用してクエリ文字列として送信するのが最良の形態である。
例としてページ生成プログラム7のURLが「http://host1/generate」、閲覧するWebページのURLを「http://www.host2.com/」、クエリ文字列のパラメータ名を「URL」とする場合に、ページ生成プログラム7へ要求するには「http://host1/generate URL=http://www.host2.com」というURLをWebブラウザ2から入力すればよい。
このURLを入力することによって、ページ生成プログラム7は閲覧するWebページ「http://www.host2.com/」に対してJavaScriptプログラム4を含んだWebページを生成する。
通常、前記のようなページ生成プログラム7に対するURLは、ユーザが直接入力するのではなく、閲覧するWebページのURLのみを入力するWebページを作成し、JavaScriptプログラムを使用してプログラムで自動的に生成する仕組みにすることが望ましい。また、ここでは説明のためエンコード処理を行っていないURLを示したが、実際はクエリ文字列に対してURLエンコードと呼ばれる処理を行う必要がある。
【0014】
図2は、ページ生成プログラム7によって生成されたWebページの構成を示した図であり、図2(a)におけるWebページ20は、閲覧するWebページのURLをWebブラウザ2に入力した場合のWebページの構成を示し、図2(b)におけるWebページ21は、ページ生成プログラム7にWebページ20のURLを含めた要求を行うことによって生成されたWebページの構成を示している。
Webページ21は、Webページ20の内容に加えて、JavaScriptプログラム4が追加され、更にWebページ20の中にある相対URLで指定されている画像ファイル等が正常に動作するようにするために、相対パスの基準を表すタグ(<BASE>タグ)が存在しない場合は新規に挿入して相対URLにおける問題を解決するようにしていることと、Webページ21を閲覧中に他のWebページへ移動した場合も、再びページ生成プログラム7によって生成されたWebページを閲覧できるようにするために、Webページ20に含まれているリンクタグ(<A>タグ)を、ページ生成プログラム7に対するURLに変更し、元々のリンク先をクエリ文字列に含める形式に変換する処理が行われている。
【0015】
従って、前記の例の場合、図2(b)に示される<BASE>タグは「<BASE HREF=http://www.host2.com/>」になり、図2(a)において「<A HREF=http://www.host2.com/page1.html>」というリンクを持つ<A>タグは、図2(b)においては、「<A HREF=http://host1/generateURL=http://www.host2.com/page1.html>」というリンクに変更される。(実際には、更にURLエンコードも行う)
<A>タグにおけるリンクについては、前記の処理を行うことによってページ生成プログラム7へのリンクに変更することが可能だが、その他の手段でリンクしている場合、特にWebページに埋め込まれたFlashやJava Applet等の特別なオブジェクトを使用している場合は、リンク先を変更することができないので、ページ生成プログラム7は特別なオブジェクトを埋め込む場合に使用される<OBJECT>タグや、<APPLET>タグがWebページ中に含まれている場合は、「一部のリンク先は書き込み操作が行えません。」等のメッセージを出すような処理が必要になる。
【0016】
JavaScriptプログラム4はWebページに対して書き込まれた付加情報を扱うためのプログラムであり、既にWebページに書き込まれた付加情報を付加情報処理プログラム7から受信して描画する処理と、新規に付加情報を書き込む場合に付加情報の種別を選択させるGUI(Graphical User Interface)を提供することと、既に書き込み済みの付加情報を変更するためのGUIを提供することと、新規に描画された付加情報を付加情報処理プログラム7へ送信する処理と、既存の付加情報が変更されたときの差分情報を付加情報処理プログラム7へ送信する処理を行うプログラムである。
【0017】
図3は、実際のWebブラウザ上にWebページを表示する例を示す図である。
図3(a)はURLとして閲覧するWebページを直接入力した場合であり、図2(a)のページ構成に相当し、図3(b)はページ生成プログラム7によってJavaScriptプログラム4が追加されて、書き込みを入力するためのGUI30と、既に書き込まれた付加情報31を表示している場合であり、図2(b)のページ構成に相当する。
【0018】
付加情報Webサーバ6における付加情報データベース9は、既に書き込まれた付加情報が含まれ、図4に示すように、付加情報を識別するための付加情報ID40、付加情報が含まれるWebページのURL41、付加情報の線の太さ42、付加情報の線の色43、付加情報の塗りつぶしの色44、付加情報種別45、付加情報の座標値46、付加情報の画像URL47が必須データとして登録され、システムの用途に応じて、拡張情報48も追加される。付加情報種別45には登録された付加情報の座標値が「点」、「線」、「多角形」といった付加情報の種別を識別するためのデータが格納され、付加情報種別に応じた頂点の位置情報が座標値46に格納される。座標値の単位はWebブラウザ2におけるピクセル座標値であり、X座標値とY座標値から成り、付加情報種別45が「点」の場合にはX座標一つ、Y座標一つであるが、「線」と「多角形」の場合は複数個の座標値が格納される。
また、付加情報種別45が点や多角形の場合には、その位置に画像データを貼り付けることができ、その場合は付加情報URL47に画像データが存在するURLを格納する。
拡張情報48は、付加情報として必要に応じて追加するものであり、システムの用途によって格納するデータは変更される。例えば、付加情報を書き込んだユーザ名を格納することによって、閲覧するユーザに応じて書き込み付加情報の表示、非表示制御を行うことなどが考えられる。
【0019】
付加情報Webサーバ6における付加情報処理プログラム7は、付加情報データベース9に対して付加情報データを格納する格納処理と、格納された付加情報データを検索する検索処理と、格納されているデータの変更や削除といった編集処理を行う機能を備えている。
【0020】
以下、以上のように構成されたWebページ書き込みシステムの動作を説明する。
図5は、クライアント端末1a、1b、1nにおけるWebブラウザ2と、付加情報Webサーバ6のページ生成プログラム7と、付加情報処理プログラム8の通信関係を示した説明図である。
Webブラウザ2より閲覧するWebページのURLをページ生成プログラム7と付加情報処理プログラム8へ送信し(ステップ50,51)、ページ生成プログラム7からはJavaScriptプログラム4を含むWebページを受信し(ステップ52)、付加情報処理プログラム8からは書き込まれた付加情報を受信する(ステップ53)。
【0021】
図6は、ページ生成プログラム7におけるページ生成処理の概要を示すフローチャートである。
ページ生成プログラム7は、Webブラウザ2より閲覧するURLを受信し(ステップ60)、受信したURLに示されたWebページを取得する処理を行い(ステップ61)、取得に失敗した場合は送信元のWebブラウザへエラーを返却する(ステップ63)。
無事にWebページを取得できた場合は、Webページに<BASE>タグが含まれているかチェックし、含まれていない場合はステップ60において受信したURLを基準として<BASE>タグを追加する処理を行い(ステップ64)、JavaScriptプログラム4を<SCRIPT>タグと一緒に挿入する処理と(ステップ65)、Webページ内の<A>タグに含まれているリンク先をページ生成プログラム7へ変更する処理を行い(ステップ66)、送信元のWebブラウザ2へWebページを返却する処理を行う(ステップ67)。
【0022】
図7は、図5のステップ53における付加情報処理プログラム8の付加情報検索処理の概要を示すフローチャートである。
付加情報処理プログラム8は、Webブラウザ2より閲覧するURLを受信し(ステップ70)、受信したURLを検索条件にして図3に示すデータのうちURL41と同様のURLを持つ付加情報をすべて選択する検索処理を行い(ステップ71)、選択されたデータを一つずつ取り出し(ステップ72、74)、付加情報をJavaScriptプログラム4が読み込みを行える形式に変換して出力し(ステップ73)、送信元であるWebブラウザ2へ返却する(ステップ75)。
ステップ73における付加情報の出力形式は、JSON(JavaScript Object Notation)形式やXML形式などが考えられる。
【0023】
図8は、ステップ53におけるWebブラウザ内のWebページ中にあるJavaScriptプログラム4が、付加情報処理プログラム8から付加情報を受信した時の処理の概要を示すフローチャートである。
付加情報データを受信後に(ステップ80)、付加情報の有無を確認し(ステップ81)、付加情報データ中における画像URL47のデータが格納されているか確認し(ステップ82)、画像URL47が格納されていない場合は、SVGまたはVMLなどの図形描画言語を使用して付加情報種別45と、線の太さ42と、線の色43と、塗りつぶしの色44に応じた図形要素を生成し、一方、画像URL47が格納されている場合は格納されているURLより画像を取得し、HTMLにおける<DIV>要素を生成して背景画像として画像URL47において指定されている画像を使用し(ステップ85)、生成した図形要素または<DIV>要素に対して座標値46に格納されている位置情報を設定し(ステップ86)、次に検索された付加情報へ進み(ステップ88)、付加情報がまだ存在している場合は次の付加情報に対して再びステップ81から繰り返し、全ての付加情報に対して処理を行ったら終了する(ステップ89)。
【0024】
図9は、Webブラウザ2から新規に書き込みを行った際におけるJavaScriptプログラム4の処理の概要を示すフローチャートである。
JavaScriptプログラム4におけるGUIより描画する付加情報の種類や、線の色、線の太さ、塗りつぶし色を決定して付加情報を生成し(ステップ90)、マウス入力などによって設定された付加情報の座標値を生成した付加情報に設定してWebブラウザ2上に表示し(ステップ91)、閲覧中のWebページのURL41と、付加情報に設定された情報である線の太さ42、線の色43、塗りつぶしの色44、付加情報種別45、座標値46、画像URL47といった付加情報データと、必要に応じて、拡張情報48のデータを付加情報処理プログラム8に対して送信し(ステップ92)、付加情報処理プログラム8は受信したデータに付加情報ID40を採番して付加情報データベース9に格納し、格納後に送信元に対して「成功」か「失敗」かの実行結果と、「成功」した場合は採番した付加情報IDを返却する(ステップ93)。
送信元であるJavaScriptプログラム4は、「成功」を受信した場合は採番された付加情報IDを記録して処理を終了するが(ステップ94)、「失敗」を受信した場合は描画した付加情報を消去して「保存に失敗しました」といったメッセージをWebブラウザ2に表示する(ステップ95)。
【0025】
図10は、Webブラウザ2上において、付加情報を移動して座標値を変更した場合や、削除した場合や、線の太さや色などを変更する編集操作を行った際におけるJavaScriptプログラム4の処理の概要を示すフローチャートである。
編集した付加情報を取得し(ステップ100)、取得した付加情報の付加情報ID40と、新しく設定された付加情報を付加情報処理プログラム8へ送信する(ステップ101)。
付加情報処理プログラム8は受信した情報に対する変更を付加情報データベース9に対して行い、変更後に送信元に対して「成功」か「失敗」かを返却する(ステップ102)。
送信元であるJavaScriptプログラム4は、「成功」を受信した場合は処理を終了するが、「失敗」を受信した場合は変更した付加情報を元に戻して「編集に失敗しました」といったメッセージをWebブラウザ2に表示する(ステップ103)。
【0026】
以上のように、本実施形態のWebページ書き込みシステムによれば、次のような効果がある。
(1)Webページに対して書き込みを行うことによって、Webページ上の重要な部分にアンダーライン引くことや、メモとして文字を記入するなど、元のWebページに対して付加情報を加えることができる。
(2)書き込みを行ったWebページのURLをWebブラウザから入力することによって、通常のWebページ同様に書き込みを参照することができ、書き込み内容もWeb配信されるので、書き込んだ内容を他のユーザと共有することや、互いに書き込みを行うことによってコミュニケーションすることもできる。
(3)書き込みを行った付加情報に拡張情報48を追加することによって、様々な用途に応じたシステムを作成することができる。
【0027】
具体的な実用例として、例えば教育分野において次のような効果が見込まれる。
(1)教育用教材をWebページで作成し、教師は黒板の代わりに大画面のディスプレイやプロジェクタ等を使用することによって、教材に書き込みながら授業が行える。
(2)授業中に教師が行った付加情報として、「授業名」、「日時」を格納し、これらの付加情報を検索するアプリケーションを組み合わせることによって、生徒は授業終了後も、教師の書き込んだ内容を参照することができる。
(3)更に、付加情報として音声や映像といったマルチメディアを扱うことによって効果的な授業が行える。
(4)紙の教材からWebページで扱う電子データに変更することによって、ペーパレス化につながる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の一実施の形態例を示すシステム構成図である。
【図2】付加情報サーバによって生成されるWebページの説明図である。
【図3】付加情報サーバによって生成されるWebページの画面例を示す図である。
【図4】付加情報データベースに格納されているデータの構成図である。
【図5】クライアント端末と付加情報Webサーバの通信を示す説明図である。
【図6】Webページを生成する処理の概要を示すフローチャットである。
【図7】書き込んだ付加情報の検索処理の概要を示すフローチャートである。
【図8】書き込んだ付加情報の表示処理の概要を示すフローチャートである。
【図9】新規に書き込んだ付加情報の格納処理を示すフローチャートである。
【図10】書き込み済みの付加情報の編集処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0029】
1a,1b,1n…クライアント端末、2…Webブラウザ、3…閲覧中のWebページ、4…JavaScriptプログラム、5…ネットワーク、6…付加情報Webサーバ、7…ページ生成プログラム、8…付加情報処理プログラム、9…付加情報データベース、10a,10b,10n…一般Webサーバ、11a,11b,11n…Webページ、20…閲覧する一般Webページ、30…書き込み入力GUI、31…書き込まれた付加情報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
書き込んだ付加情報を保持するための付加情報データベースを備えた付加情報Webサーバと、前記付加情報Webサーバから付加情報を受信する複数のクライアント端末装置から成り、
前記付加情報Webサーバは、前記付加情報データベースに付加情報を新規に格納する格納手段と、既に格納されている付加情報を更新する更新手段と、いずれかのクライアント端末に搭載されているWebブラウザからの要求に応じて、該要求に含まれるWebページのURLに対応した付加情報を前記付加情報データベースから読み出す検索手段と、該要求に含まれるWebページのURLのWebページを取得して付加情報の新規書き込み手段または変更手段を追加したWebページを新たに生成する手段と、生成したWebページと検索結果の付加情報を要求元のWebブラウザに向けて送信する送信手段とを備え、
前記クライアント端末のWebブラウザは、閲覧しようとするWebページのURLを前記付加情報Webサーバに対して送信する手段と、前記付加情報Webサーバが生成したWebページを受信し、書込み済みの付加情報が付加されたWebページを表示し、かつ当該Webページ内に付加情報の新規書込み手段または変更手段を表示する手段と、新規に書き込まれた付加情報、または変更された付加情報を前記付加情報Webサーバに送信する送信手段とを備えることを特徴とするWebページへの付加情報書込みシステム。
【請求項2】
クライアント端末装置のWebブラウザから現在閲覧中のWebページに対して付加情報データを書込み、付加情報Webサーバの付加情報データベースに格納するWebページへの書き込み方法であって、
前記クライアント端末装置のWebブラウザが、閲覧しようとするWebページのURLを前記付加情報Webサーバに対して送信するステップと、
前記付加情報Webサーバが、前記Webブラウザからの要求に含まれるWebページのURLに対応した付加情報を前記付加情報データベースから読み出すステップと、該要求に含まれるWebページのURLのWebページを取得して付加情報の新規書き込み手段または変更手段を追加したWebページを新たに生成するステップと、生成したWebページと検索結果の付加情報を要求元のWebブラウザに向けて送信するステップとを備え、
前記クライアント端末装置のWebブラウザが、前記付加情報Webサーバから受信したWebページを表示画面に表示し、付加情報の新規書込み、または書込み済みの付加情報の変更を受付け、新規に書き込まれた付加情報データ、または変更があった付加情報を前記付加情報Webサーバへ送信するステップを備え、
前記付加情報Webサーバが、前記Webブラウザから受信した付加情報に基づいて、前記付加情報データベースを更新するステップとを
備えることを特徴とするWebページへの付加情報書き込み方法。
【請求項1】
書き込んだ付加情報を保持するための付加情報データベースを備えた付加情報Webサーバと、前記付加情報Webサーバから付加情報を受信する複数のクライアント端末装置から成り、
前記付加情報Webサーバは、前記付加情報データベースに付加情報を新規に格納する格納手段と、既に格納されている付加情報を更新する更新手段と、いずれかのクライアント端末に搭載されているWebブラウザからの要求に応じて、該要求に含まれるWebページのURLに対応した付加情報を前記付加情報データベースから読み出す検索手段と、該要求に含まれるWebページのURLのWebページを取得して付加情報の新規書き込み手段または変更手段を追加したWebページを新たに生成する手段と、生成したWebページと検索結果の付加情報を要求元のWebブラウザに向けて送信する送信手段とを備え、
前記クライアント端末のWebブラウザは、閲覧しようとするWebページのURLを前記付加情報Webサーバに対して送信する手段と、前記付加情報Webサーバが生成したWebページを受信し、書込み済みの付加情報が付加されたWebページを表示し、かつ当該Webページ内に付加情報の新規書込み手段または変更手段を表示する手段と、新規に書き込まれた付加情報、または変更された付加情報を前記付加情報Webサーバに送信する送信手段とを備えることを特徴とするWebページへの付加情報書込みシステム。
【請求項2】
クライアント端末装置のWebブラウザから現在閲覧中のWebページに対して付加情報データを書込み、付加情報Webサーバの付加情報データベースに格納するWebページへの書き込み方法であって、
前記クライアント端末装置のWebブラウザが、閲覧しようとするWebページのURLを前記付加情報Webサーバに対して送信するステップと、
前記付加情報Webサーバが、前記Webブラウザからの要求に含まれるWebページのURLに対応した付加情報を前記付加情報データベースから読み出すステップと、該要求に含まれるWebページのURLのWebページを取得して付加情報の新規書き込み手段または変更手段を追加したWebページを新たに生成するステップと、生成したWebページと検索結果の付加情報を要求元のWebブラウザに向けて送信するステップとを備え、
前記クライアント端末装置のWebブラウザが、前記付加情報Webサーバから受信したWebページを表示画面に表示し、付加情報の新規書込み、または書込み済みの付加情報の変更を受付け、新規に書き込まれた付加情報データ、または変更があった付加情報を前記付加情報Webサーバへ送信するステップを備え、
前記付加情報Webサーバが、前記Webブラウザから受信した付加情報に基づいて、前記付加情報データベースを更新するステップとを
備えることを特徴とするWebページへの付加情報書き込み方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2008−203908(P2008−203908A)
【公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−35771(P2007−35771)
【出願日】平成19年2月16日(2007.2.16)
【出願人】(000233055)日立ソフトウエアエンジニアリング株式会社 (1,610)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年2月16日(2007.2.16)
【出願人】(000233055)日立ソフトウエアエンジニアリング株式会社 (1,610)
【Fターム(参考)】
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