説明

X線不透過性生物分解微小球型血管栓塞材料

本発明はある血管栓塞材料である。本明細書中に記載された生物分解現像微小球型血管栓塞材料は、血管の中に入れ込める生物分解材料とX線透過不能のX線不透過性材料を含んでいる。その中で、生物分解材料はX線不透過性材料を包んで粒の構造になる。この栓塞材料は生物分解が可能で、X線で観測し、血液の流れによって末梢血管に流れ込み、製造しやすいメリットを持っている。本明細書中に記載された薬物を含むX線不透過性生物分解微小球型血管栓塞材料は血管の中に入れ込める生物分解材料とX線透過不能のX線不透過性材料と薬物を含んでいる。その中で、生物分解材料はX線不透過性材料と薬物を包んで粒の構造になっている。この栓塞材料は有効に血管を塞ぐと同時に決められた方向に薬物を送ることができる。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
[技術分野]
本発明はある血管栓塞材料に関連がある。特にあるX線不透過性生物分解微小球型血管栓塞材料に深い関連がある。薬物を含んでいる、あるX線不透過性生物分解微小球型血管栓塞材料に深い関連がある。
【0002】
[背景技術]
現在の技術から見れば、数多くの介入用の血管栓塞材料が採用されている。例えば、ポリビニルアルコール(PolyvinylAlclhol, PVA)微小球、アルギン酸ナトリウム微小球、ゼルフォーム、縫合糸、ステンレスコイルばね、白金小型コイルばね、着脱自在のバルーン、シアノアクリレート(Cyanoacrylates)、無水エタノール、ヨード化油、モルイン酸ナトリウムなどである。臨床治療を行う場合、コイルばね、縫合糸、ゼルフォームは大血管を塞ぐのに効果がよいことが分かった。しかし、側副循環の発生により、長期の治療効果がよくなくなった。液状栓塞剤なら、例えば、シアノアクリレート(Cyanoacrylates)、無水エタノール、ヨード化油、モルイン酸ナトリウムは臨床治療を行う場合、栓塞の誤りを起こしやすく、操作が難しい。ポリビニルアルコール(PolyvinylAlclhol,PVA)、アルギン酸ナトリウム微小球、ゼルフォーム、縫合糸などはX線で見えないから栓塞の部位を観測しにくい。
【0003】
[発明の開示]
[発明が解決しようとする課題]
本発明の目的は、X線不透過性生物分解現像微小球型血管栓塞材料を提供することである。この栓塞材料は生物分解が可能であり、X線で観測可能であり、血液の流れによって末梢血管に流れ込み、調製しやすいメリットを持っている。
【0004】
本発明の中で利用されたX線不透過性生物分解微小球型血管栓塞材料は、血管の中に埋め込むことができる、生物分解材料及びX線透過不能のX線不透過性材料を含んでいる。生物分解材料はX線不透過性材料を包んで、粒の構造になっている。
【0005】
本発明の中で利用された生物分解材料は、ポリ乳酸、ポリ乳酸グリコール酸コポリマー、ポリ乳酸−ポリエーテルコポリマー或はその誘導体の混合物などのポリ乳酸類である。
【0006】
本発明で利用される生物分解材料は、ポリカプロラクトンから作られてもよい。それは、ポリカプロラクトン−ポリエーテルブロックコポリマー、ポリカプロラクトンコポリマー、ポリカプロラクトン−ポリエーテル−ポリ乳酸コポリマー、ポリ(グリコリド−ポリ乳酸)コポリマー、グリコリド−L−ラクチド−ポリカプロラクトンコポリマー、ポリカプロラクトン−ポリカプロラクトン−グリコリド コポリマー及び脂肪酸ポリラクトンコポリマー或はその誘導体の混合物などを含んでいる。
【0007】
本発明で利用される生物分解材料は、コラーゲン、キチン、キトサン、ゼラチン及びアルギン酸塩並びにそれらの誘導体の混合物などを含む、天然高分子物質から抽出されてもよい。
【0008】
本発明で利用されるX線不透過性材料は血管造影剤の有効成分を含んでいる。
【0009】
血管造影剤の有効成分は少なくとも以下の材料の一つを含まなければならない。イオン型造影剤ジアトリゾ酸メグルミンに対して真空冷凍乾燥を行って残った物質、非イオン型造影剤オムニパーク(イオヘキソール(iohexol))イオプロミド(iopromide)、又はイオパミドール(iopamidol)に対して真空冷凍乾燥を行って残った物質、非イオン型イオトロラン(iotrolan)に対して真空冷凍乾燥を行って残った物質。
【0010】
本明細書中で記載されたX線不透過性生物分解微小球型血管栓塞材料は、その比重は0.8g/cmから1.65g/cmまでである。1.0g/cmから1.35g/cmまでは一番適合である。
【0011】
本明細書中で記載されたX線不透過性生物分解微小球型血管栓塞材料は、その直径は10μmから1500μmまでである。微小球の直径の長さにより、10μm〜150μm、100μm〜350μm、200μm〜500μm、400μm〜650μm、500μm〜750μm、650μm〜950μm、850μm〜1100μm、1000μm〜1350μm、1250μm〜1500μmなどの等級に分けられてもいい。
【0012】
本発明は薬物を含んだX線不透過性生物分解微小球型血管栓塞材料も提供する。この栓塞材料は生物分解可能であり、X線で観察可能であり、血液の流れによって末梢血管に流れ込み、制御しやすいメリットを持っているだけでなく、血管を塞ぐと同時に決められた方向に薬物を送ることができる。
【0013】
本明細書中に記載した薬物を含んだX線不透過性生物分解微小球型血管栓塞材料は、血管の中に入れ込む生物分解材料、X線透過不能のX線不透過性材料、薬物などを含んでいる。その中で、生物分解材料はX線不透過性材料と薬物を包んで粒の構造になっている。
【0014】
本明細書中で記載された薬物は腫瘍治療用薬物である。
【0015】
ここで記載された腫瘍治療用薬物は、カルボプラチン(Carboplatin)、シスプラチン(Cisplatin)、タキソール(Paclitaxel)、タキソテール(Docetaxel)、オキサリプラチン(Oxaliplatin)、グリコジン(Cyclophosphamide)、イホスファミド(Ifosfamide)、アジスロマイシン(Doxorubicin)、リポソームドキソルビシン(PegylatedLiposomaIDoxorubicin)、ファルモルビシン(Epirubicin)、トポテカン(Topotecan)、イリノテカン(Irinotecan)、エトポシド(Etoposide或はVP−16)、ブレオマイシン(Bleomycin)、フルオロウラシル(Fluorouracil)、ジェムザール(Gemcitabine)、ビンクリスチン(Vincristine)、アクチノマイシン(Actinomycin)、パクリタキソール(Paclitaxol、Taxol)或はその誘導体の混合物から抽出してもいい。
【0016】
ここに記載した生物分解材料はポリ乳酸、ポリ乳酸グリコール酸コポリマー、ポリ乳酸−ポリエーテルコポリマー或はその誘導体の混合物を含む、ポリ乳酸類から抽出してもよい。
【0017】
ここで言われた生物分解材料は、ポリカプロラクトンから抽出してもよい。それはポリカプロラクトン、ポリカプロラクトン−ポリエーテルブロックコポリマー、ポリカプロラクトンコポリマー、ポリカプロラクトン−ポリエーテル−ポリ乳酸コポリマー、ポリ(グリコリド−ポリ乳酸)コポリマー、グリコリド−L−ラクチド−ポリカプロラクトンコポリマー、ポリカプロラクトン−ポリカプロラクトン−グリコリドコポリマー及び脂肪酸ポリラクトンコポリマー或はその誘導体の混合物などを含んでいる。
【0018】
ここで言われた生物分解材料は、天然高分子物質から抽出されてもよい。それは、コラーゲン、キチン質、キトサン、ゼラチン或はアルギン酸塩或はその誘導体の混合物などを含んでいる。
【0019】
本発明で利用されるX線不透過性材料は血管造影剤の有効成分を含んでいる。
【0020】
血管造影剤の有効成分は少なくとも以下の材料の一つを含まなければならない。イオン型造影剤ジアトリゾ酸メグルミンに対して真空冷凍乾燥を行って残った物質、非イオン型造影剤オムニパーク(イオヘキソール(iohexol))イオプロミド(iopromide)、又はイオパミドール(iopamidol)に対して真空冷凍乾燥を行って残った物質、非イオン型イオトロラン(iotrolan)に対して真空冷凍乾燥を行って残った物質。
【0021】
本明細書中に記載されたX線不透過性生物分解微小球型血管栓塞材料は、その比重は0.8g/cmから2.65g/cmまでである。1.0g/cmから1.35g/cmまでが最適である。
【0022】
本明細書中に記載されたX線不透過性生物分解微小球型血管栓塞材料は、その直径は10μmから1500μmまでである。微小球の直径の長さにより、10μm〜150μm、100μm〜350μm、200μm〜500μm、400μm〜650μm、500μm〜750μm、650μm〜950μm、850μm〜1100μm、1000μm〜1350μm、1250μm〜1500μmなどの等級に分けられてもいい。
【0023】
[発明の効果]
本明細書中に記載するX線不透過性生物分解微小球型血管栓塞材料は、血管の中に入れ込む粒の微小球構造(生物分解材料はX線透過不能のX線不透過性材料を包んで粒の構造になる)を採用したから、以下のメリットを持っている。X線でよく見えるから栓塞の部位を詳しく観測して、有効に栓塞の誤りを防いだり、生物分解性能を持つから決められた時間通りに栓塞物を分解して器官に対しての損害を防いだり、磁性がないから栓塞をした後核磁気共鳴画像法(MRI)検査を行ったりできる。比重が適当であるから血液の中に浮いて、血液の循環によって末梢血管に流れ込み、血液の中に沈殿、栓塞しやすく、逆流しにくく、定位しやすい。微小球の直径を制御できる。製品は製造しやすい。理想的な介入用の血管栓塞材料(特に末梢血管栓塞材料)を提供した。
【0024】
本明細書中に記載する薬物を含んだX線不透過性生物分解微小球型血管栓塞材料は、血管の中に入れ込む生物分解材料、X線透過不能のX線不透過性材料、腫瘍治療用薬物などを含んでいる。その中で、生物分解材料は現像材料と薬物を包んで粒の構造になっている。
本製品は以下のメリットを持っている。X線でよく見えるから栓塞の部位を詳しく観測して有効に栓塞の誤りを防いだり、生物分解の性能を持つから決められた時間通りに栓塞物を分解して器官に対しての損害を防いだり、磁性がないから栓塞をした後核磁気共鳴画像法(MRI)検査を行ったりすることができる。比重が適当であるから、血液の中に浮いて、血液の循環によって末梢血管に流れ込み、血液の中に沈殿、栓塞しやすく、流れ返しにくく、定位しやすい。直径を制御できる。製品は製造しやすい。理想的な介入用の血管栓塞材料(特に末血管栓塞材料)を提供した。
【0025】
[発明を実施するための形態]
実施例1:本明細書に記載したX線不透過性ポリ乳酸(PLA)微小球型血管栓塞材料
【0026】
市販の血管造影剤(例えばイオン型造影剤ジアトリゾ酸メグルミン)を購入し、真空冷凍乾燥法を利用して処理を行い、残った物質をX線不透過性材料とする。
【0027】
ポリ乳酸を生物分解材料として、ポリ乳酸を各種の薬物の包装材料として薬物を含む微小球を作る一般に知られた方法を利用して、簡単にX線不透過性材料微小球を作ることができる。
【0028】
ポリ乳酸を各種の薬物の包装材料として薬物を含む微小球を作る方法はいろいろある。例えば、楊帆らは「シプロフロキサシンポリ乳酸微小球製造方法についての研究」(中国医薬大学新聞、2004年、35:207−210)をテーマとしての文章の中でシプロフロキサシン薬物を利用して乳酸微小球を作る製造方法を公開した。趙瑞玲は「Azithromycin Lactobionate(ラクトビオン酸アジスロマイシン)ポリ乳酸微小球製造及び体外薬物放出性についての研究」(中国病院薬学雑誌2004第24巻第2期)をテーマとしての文章の中でAzithromycin Lactobionate薬物を含む乳酸微小球製造方法を紹介した。李岩らは「ポリ乳酸、ポリ乳酸グリコール酸コポリマー微小球の製造及び品質要素についての研究の進捗」(国外医学薬学分冊、2001年6月、第28巻第3期)をテーマとしての文章の中で、いろいろな微小球の製造及び品質に影響を与える要素を紹介した。
【0029】
本実施例の中に記載されたX線不透過性ポリ乳酸類微小球型血管栓塞材料の製造は、乳化−溶剤蒸発法を利用してX線不透過性材料を含むポリ乳酸微小球を作る。具体的な作り方は次の通りである。
【0030】
適切な量のポリ乳酸を有機溶剤(例えばメチレンクロライド)の中に溶かした。決められた比率に従って作ったX線不透過性材料をその中に入れる。決められた速度で攪拌して、分散媒体(PVA溶液)の中に入れて、決められた時間乳化を行ってから、拡散媒体(濃度が低いPVA溶液)の中に入れて有機媒体を揮発させてから、遠心、濾過、洗浄、乾燥、抽出、殺菌を行ってX線不透過性材料を含むポリ乳酸微小球を作製した。
【0031】
本実施例の中で、非イオン型造影剤オムニパーク(イオヘキソール(iohexol))イオプロミド(iopromide)、又はイオパミドール(iopamidol)、非イオン型イオトロラン(iotrolan)など血管造影剤に対して真空冷凍乾燥を行って残った物質をX線不透過性材料としてもいい。基本的に同じ方法を採用して本発明の中で言われたX線不透過性生物分解微小球型血管栓塞材料も作ることができる。
【0032】
実施例2:本明細書中に記載されたX線不透過性ポリ乳酸グリコール酸(PLGA)コポリマー微小球型血管栓塞材料
【0033】
実施例2と実施例1の製品の製造方法は大体同じであるが、違うのは次の通りである。ポリ乳酸グリコール酸コポリマーを生物分解材料とする。以下の物質の中のある一つを選んでX線不透過性材料とする。イオン型造影剤ジアトリゾ酸メグルミンに対して真空冷凍乾燥を行って残った物質、非イオン型造影剤オムニパーク(イオヘキソール(iohexol))イオプロミド(iopromide)、又はイオパミドール(iopamidol)に対して真空冷凍乾燥を行って残った物質、非イオン型イオトロラン(iotrolan)に対して真空冷凍乾燥を行って残った物質。
【0034】
本明細書中に記載されたX線不透過性PLA微小球とX線不透過性PLGA微小球は乳化分散法と相分離凝集法を利用して製造する。その他、超臨界流体新技術を採用して、生物分解材料とX線不透過性材料を含む溶液を霧化させて圧縮COを含んだ容器の中に噴出して、有機溶剤がCOの中で抽出、拡散をしてコポリマーの沈殿を作り出して、X線不透過性PLA、X線不透過性PLGAなどX線不透過性生物分解材料微小球を作り出せる。その微小球は流動性、外観がよく、表面の活性剤の使用量と溶剤の残留量も減少する。
【0035】
実施例3:本明細書中に記載されたX線不透過性PCL−PEG−PGAコポリマー微小球型血管栓塞材料
【0036】
実施例3と実施例1の製品の製造方法は大体同じであるが、違うのは次の通りである。PCL−PEG−PGAコポリマーを生物分解材料とする。以下の物質の中のある一つを選んでX線不透過性材料とする。イオン型造影剤ジアトリゾ酸メグルミン に対して真空冷凍乾燥を行って残った物質、非イオン型造影剤オムニパーク(イオヘキソール(iohexol))イオプロミド(iopromide)、又はイオパミドール(iopamidol)非イオン型イオトロラン(Iotrolan)に対して真空冷凍乾燥を行って残った物質。一般的な乳化分散法と相分離凝集法を利用して微小球を作ったりCO超臨界流体新技術を利用して微小球を作ったりしてもいい。
【0037】
実施例4:本明細書に記載したX線不透過性キトサン微小球型血管栓塞材料
【0038】
実施例4と実施例1の製品の製造方法は大体同じであるが、違うのは次の通りである。キトサンを生物分解材料とする。ジアトリゾ酸メグルミンに対して真空冷凍乾燥を行って残った物質をX線不透過性材料とする。乳化分散法或いは相分離凝集法或いはCO超臨界流体法を利用して、本明細書中に記載したX線不透過性ジアトリゾ酸メグルミン−キトサン微小球を作る。
【0039】
実施例5:本発明の中で言われたX線不透過性ゼラチン微小球型血管栓塞材料
【0040】
実施例5と実施例1の製品の製造方法は大体同じであるが、違うのは次の通りである。ゼラチンを生物分解材料とする。ジアトリゾ酸メグルミンに対して真空冷凍乾燥を行って残った物質をX線不透過性材料とする。乳化分散法或いは相分離凝集法或いはCO超臨界流体法を利用して、本明細書中に記載したX線不透過性ジアトリゾ酸メグルミン−ゼラチン微小球を作る。
【0041】
実施例6:本明細書中に記載した薬物を含むX線不透過性ポリ乳酸微小球型血管栓塞材料
【0042】
市販の血管造影剤(例えばイオン型造影剤ジアトリゾ酸メグルミン(Urografin))に対して真空冷凍乾燥法を利用して処理を行って、残った物質をX線不透過性材料とする。
【0043】
以下のある薬物の一種または二種以上の薬物の混合物を選んで腫瘍治療用薬物とする。これらの薬物は次のようである。カルボプラチン(Carboplatin)、シスプラチン(Cisplatin)、タキソール(Paclitaxel)、タキソテール(Docetaxel)、オキサリプラチン(Oxaliplatin)、グリコジン(Cyclophosphamide)、イホスファミド(Ifosfamide)、アジスロマイシン(Doxorubicin)、リポソームドキソルビシン(PegylatedLiposomaIDoxorubicin)、ファルモルビシン(Epirubicin)、トポテカン(Topotecan)、イリノテカン(Irinotecan)、エトポシド(Etoposide或はVP−16)、ブレオマイシン(Bleomycin)、フルオロウラシル(Fluorouracil)、ジェムザール(Gemcitabine)、ビンクリスチン(Vincristine)、アクチノマイシン(Actinomycin)、パクリタキソール(Paclitaxol、Taxol)或はその誘導体の混合物。
【0044】
ポリ乳酸を生物分解材料として、ポリ乳酸を各種の薬物の包装材料として薬物を含む微小球を作る一般に知られた方法を利用して、X線不透過性材料と腫瘍治療用薬物を含んだ、本発明の薬物を含む現像ポリ乳酸(PLA)微小球を簡単に作ることができる。
【0045】
本明細書中に記載した製品の製造は乳化−溶剤蒸発法を利用してX線不透過性材料を含んだポリ乳酸微小球を作ることができる。具体的な作り方は次のようである。
【0046】
適切な量のポリ乳酸を有機溶剤(例えばメチレンクロライド)の中に溶かす。決められた比率に従って作ったX線不透過性材料をその中に入れる。決められた速度で攪拌して、分散媒体(ポリビニルアルコール、PVA溶液)の中に入れて、決められた時間乳化を行ってから、拡散媒体(濃度が低いPVA溶液)の中に入れて有機媒体を揮発させてから、遠心、濾過、洗浄、乾燥、抽出、殺菌を行って、本発明の中で言われた、薬物を含む現像ポリ乳酸(PLA)微小球を作り出せる。
【0047】
本実施例の中で、非イオン型造影剤オムニパーク(イオヘキソール(iohexol))イオプロミド(iopromide)、又はイオパミドール(iopamidol)、非イオン型イオトロラン(iotrolan)など血管造影剤に対して真空冷凍乾燥を行って残った物質をX線不透過性材料としてもいい。
【0048】
実施例7:本明細書中に記載したX線不透過性ポリ乳酸グリコール酸コポリマー微小球型血管栓塞材料
【0049】
実施例7と実施例1の製品の製造方法は大体同じであるが、違うのは次の通りである。ポリ乳酸グリコール酸コポリマーを生物分解材料とする。以下の物質の一つをX線不透過性材料とする。イオン型造影剤ジアトリゾ酸メグルミンに対して真空冷凍乾燥を行って残った物質、非イオン型造影剤オムニパーク(Iohexol)或はイオプロミド(Iopromide)或はイオパミドール(Iopamidol)に対して真空冷凍乾燥を行って残った物質、非イオン型イオトロラン(Iotrolan)に対して真空冷凍乾燥を行って残った物質。以下の物質のある一つを腫瘍治療用薬物とする。カルボプラチン(Carboplatin)、シスプラチン(Cisplatin)、タキソール(Paclitaxel)、タキソテール(Docetaxel)、オキサリプラチン(Oxaliplatin)、グリコジン(Cyclophosphamide)、イホスファミド(Ifosfamide)、アジスロマイシン(Doxorubicin)、リポソームドキソルビシン(PegylatedLiposomaIDoxorubicin)、ファルモルビシン(Epirubicin)、トポテカン(Topotecan)、イリノテカン(Irinotecan)、エトポシド(Etoposide或はVP−16)、ブレオマイシン(Bleomycin)、フルオロウラシル(Fluorouracil)、ジェムザール(Gemcitabine)、ビンクリスチン(Vincristine)、アクチノマイシン(Actinomycin)、パクリタキソール(Paclitaxol、Taxol)或はその誘導体の混合物。
【0050】
本明細書の中で記載したX線不透過性PLA微小球とX線不透過性PLGA微小球は乳化分散法と相分離凝集法を利用して製造する。その他、超臨界流体新技術を採用して、生物分解材料とX線不透過性材料を含む溶液を霧化させて圧縮COを含んだ容器の中に噴出して、有機溶剤がCOの中で抽出、拡散をしてコポリマーの沈殿を作り出して、X線不透過性PLA、X線不透過性PLGAなどX線不透過性生物分解材料微小球を作り出せる。その微小球は流動性、外観がよく、表面の活性剤の使用量と溶剤の残留量も減少する。
【0051】
実施例8:本明細書中に記載された薬物を含むPCL−PEG−PGAコポリマー微小球型血管栓塞材料
【0052】
実施例8と実施例1の製品の製造方法は大体同じであるが、違うのは次の通りである。PCL−PEG−PGAコポリマーを生物分解材料とする。以下の物質の中のある一つを選んでX線不透過性材料とする。イオン型造影剤ジアトリゾ酸メグルミンに対して真空冷凍乾燥を行って残った物質、非イオン型造影剤オムニパーク(Iohexol)或はイオプロミド(Iopromid)或はイオパミドール(iopamidol)、非イオン型イオトロラン(iotrolan)に対して真空冷凍乾燥を行って残った物質。以下の物質のある一つを腫瘍治療用薬物とする。カルボプラチン(Carboplatin)、シスプラチン(cisplatin)、タキソール(Paclitaxel)、タキソテール(Docetaxel)、オキサリプラチン(Oxaliplatin)、グリコジン(Cyclophosphamide)、イホスファミド(Ifosfamide)、アジスロマイシン(doxorubicin)、リポソームドキソルビシン(PegylatedLiposomaIDoxorubicin)、ファルモルビシン(Epirubicin)、トポテカン(Topotecan)、イリノテカン(Irinotecan)、エトポシド(Etoposide或はVP−16)、ブレオマイシン(Bleomycin)、フルオロウラシル(Fluorouracil)、ジェムザール(Gemcitabine)、ビンクリスチン(Vincristine)、アクチノマイシン(Actinomycin)、パクリタキソール(Paclitaxol、Taxol)或はその誘導体の混合物。
【0053】
一般に知られた乳化分散法と相分離凝集法を利用して微小球を作ったりCO超臨界流体新技術を利用して微小球を作ったりしてもいい。
【0054】
実施例9:本明細書中に記載された、シスプラチンを含んだX線不透過性キトサン微小球型血管栓塞材料
【0055】
実施例9と実施例1の製品の製造方法は大体同じであるが、違うのは次の通りである。キトサンを生物分解材料とする。ジアトリゾ酸メグルミンに対して真空冷凍乾燥を行って残った物質をX線不透過性材料とする。シスプラチン(Cisplatin)を腫瘍治療用薬物とする。乳化分散法或いは相分離凝集法或いはCO超臨界流体法を利用して、本明細書中に記載されたX線不透過性ジアトリゾ酸メグルミン−キトサン微小球を作ることができる。
【0056】
実施例10:本明細書中に記載されたカルボプラチンを含むX線不透過性アルギン酸ナトリウム微小球血管栓塞材料
【0057】
実施例10と実施例1の製品の製造方法は大体同じであるが、違うのは次の通りである。キトサンを生物分解材料とする。ジアトリゾ酸メグルミンに対して真空冷凍乾燥を行って残った物質をX線不透過性材料とする。カルボプラチン(Carboplatin)を腫瘍治療用薬物とする。乳化分散法或いは相分離凝集法或いはCO超臨界流体法を利用して、本明細書中に記載されたX線不透過性ジアトリゾ酸メグルミン−キトサン微小球を作ることができる。
【0058】
また、生物分解材料の分子量及び化学成分を調節する方法を利用して、本明細書中に記載されたX線不透過性微小球の分解時間を制御して、臨床の要求に満足できる。例えば、7日間で分解した微小球、15日間で分解した微小球、30日間で分解した微小球、60日間で分解した微小球、180日間で分解した微小球など。
【0059】
注意:本文の中で公開、説明した形態は他の効果が同じ形態で代替してもよい。また本明細書中で紹介した実施例は本発明を実現するための唯一の形態ではない。本発明の優先的な実施例を、本文の中で紹介、説明をしたが、同業界の技術者なら、これらの実施例は例を挙げて説明したものに過ぎないことが分かるだろう。技術者たちは本発明に基づいて無数の変形、改善、代替を行ってもいい。したがって、本明細書に添付された請求の範囲の主旨と範囲に基づいて本発明の保護範囲を決めなければならない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
血管の中に入れ込むことのできる、生物分解材料とX線不透過性材料とを含むX線不透過性生物分解微小球型血管栓塞材料であって、
生物分解材料はX線不透過性材料を包んで粒の構造になる、X線不透過性生物分解微小球型血管栓塞材料。
【請求項2】
前記生物分解材料は、ポリ乳酸、ポリ乳酸グリコール酸コポリマー、ポリ乳酸−ポリエーテルコポリマー又はそれらの誘導体の一種または一種以上の混合物を含む、ポリ乳酸類から製造されることを特徴とする、請求項1に記載のX線不透過性生物分解微小球型血管栓塞材料。
【請求項3】
前記生物分解材料は、ポリカプロラクトン、ポリカプロラクトン−ポリエーテルブロックコポリマー、ポリカプロラクトンコポリマー、ポリカプロラクトン−ポリエーテル−ポリ乳酸コポリマー、ポリ(グリコリド−ポリ乳酸)コポリマー、グリコリド−L−ラクチド−ポリカプロラクトンコポリマー、ポリカプロラクトン−ポリカプロラクトン−グリコリドコポリマー及び脂肪酸ポリラクトンコポリマー或いはその誘導体の一種または一種以上の混合物を含む、ポリカプロラクトンから製造されることを特徴とする、請求項1に記載のX線不透過性生物分解微小球型血管栓塞材料。
【請求項4】
前記生物分解材料は、コラーゲン、キチン質、キトサン、ゼラチン又はアルギン酸塩或いはその誘導体の一種または一種以上の混合物を含む、天然高分子物質から製造されることを特徴とする、請求項1に記載のX線不透過性生物分解微小球型血管栓塞材料。
【請求項5】
前記X線不透過性材料は血管造影剤の有効成分を含むことを特徴とする、請求項1に記載のX線不透過性生物分解微小球型血管栓塞材料。
【請求項6】
前記血管造影剤の有効成分は、イオン型造影剤ジアトリゾ酸メグルミンに対して真空冷凍乾燥を行って残った物質、非イオン型造影剤非イオン型造影剤オムニパーク(イオヘキソール(iohexol))イオプロミド(iopromide)、又はイオパミドール(iopamidol)に対して真空冷凍乾燥を行って残った物質、非イオン型イオトロラン(iotrolan)に対して真空冷凍乾燥を行って残った物質の少なくとも1種を含むことを特徴とする、請求項5に記載のX線不透過性生物分解微小球型血管栓塞材料。
【請求項7】
前記栓塞材料の比重は0.8g/cmから1.65g/cmまでであり、好ましくは1.0g/cmから1.35g/cmまでであることを特徴とする、請求項1に記載のX線不透過性生物分解微小球型血管栓塞材料。
【請求項8】
前記栓塞材料の直径は10μmから1500μmまでであり、微小球の直径の長さにより、10μm〜150μm、100μm〜350μm、200μm〜500μm、400μm〜650μm、500μm〜750μm、650μm〜950μm、850μm〜1100μm、1000μm〜1350μm、1250μm〜1500μmなどの等級に分けることができることを特徴とする、請求項1に記載のX線不透過性生物分解微小球型血管栓塞材料。
【請求項9】
血管の中に入れ込むことができる、生物分解材料とX射線透過不能のX線不透過性材料と薬物とを含み、前記生物分解材料は前記X線不透過性材料及び薬物を包んで粒の構造になる、薬物を含むX線不透過性生物分解微小球型血管栓塞材料。
【請求項10】
前記薬物は腫瘍治療用薬物であることを特徴とする、請求項9に記載の薬物を含むX線不透過性生物分解微小球型血管栓塞材料。
【請求項11】
前記腫瘍治療用薬物はカルボプラチン(Carboplatin)、シスプラチン(Cisplatin)、タキソール(Paclitaxel)、タキソテール(Docetaxel)、オキサリプラチン(Oxaliplatin)、グリコジン(Cyclophosphamide)、イホスファミド(Ifosfamide)、アジスロマイシン(Doxorubicin)、リポソームドキソルビシン(PegylatedLiposomaIDoxorubicin)、ファルモルビシン(Epirubicin)、トポテカン(Topotecan)、イリノテカン(Irinotecan)、エトポシド(Etoposide或はVP−16)、ブレオマイシン(Bleomycin)、フルオロウラシル(Fluorouracil)、ジェムザール(Gemcitabine)、ビンクリスチン(Vincristine)、アクチノマイシン(Actinomycin)、パクリタキソール(Paclitaxol、Taxol)或はその誘導体の混合物から選択されることを特徴とする、請求項10に記載の薬物を含むX線不透過性生物分解微小球型血管栓塞材料。
【請求項12】
前記生物分解材料はそれはポリ乳酸、ポリ乳酸グリコール酸コポリマー及びポリ乳酸−ポリエーテルコポリマー並びにその誘導体の混合物を含む、ポリ乳酸から選択されることを特徴とする、請求項9に記載のX線不透過性生物分解微小球型血管栓塞材料。
【請求項13】
前記生物分解材料は、ポリカプロラクトン、ポリカプロラクトン−ポリエーテルブロックコポリマー、ポリカプロラクトンコポリマー、ポリカプロラクトン−ポリエーテル−ポリ乳酸コポリマー、ポリ(グリコリド−ポリ乳酸)コポリマー、グリコリド−L−クラチド−ポリカプロラクトンコポリマー、ポリカプロラクトン−ポリカプロラクトン−グリコリドコポリマー及び脂肪酸ポリラクトンコポリマー並びにその誘導体の一種または一種以上の混合物を含む、ポリカプロラクトンから選択されることを特徴とする、請求項9に記載の薬物を含むX線不透過性生物分解微小球型血管栓塞材料。
【請求項14】
前記生物分解材料は、コラーゲン、キチン質、キトサン、ゼラチン及びアルギン酸塩並びにその誘導体の一種または一種以上の混合物を含む、天然高分子物質から選択されることを特徴とする、請求項9に記載の薬物を含むX線不透過性生物分解微小球型血管栓塞材料。
【請求項15】
前記X線不透過性材料は血管造影剤の有効成分を含んでいることを特徴とする、請求項9に記載の薬物を含むX線不透過性生物分解微小球型血管栓塞材料。
【請求項16】
前記血管造影剤の有効成分は、以下の材料、イオン型造影剤ジアトリゾ酸メグルミンに対して真空冷凍乾燥を行って残った物質、非イオン型造影剤オムニパーク(イオヘキソール(iohexol))イオプロミド(iopromide)、又はイオパミドール(iopamidol)に対して真空冷凍乾燥を行って残った物質、或いは非イオン型イオトロラン(iotrolan)に対して真空冷凍乾燥を行って残った物質、の少なくとも一つを含むことを特徴とする、請求項9に記載の薬物を含むX線不透過性生物分解微小球型血管栓塞材料。
【請求項17】
前記栓塞材料の比重は0.8g/cmから2.65g/cmまでであり、好ましくは1.0g/cmから1.35g/cmまでであることを特徴とする、請求項1に記載の薬物を含むX線不透過性生物分解微小球型血管栓塞材料。
【請求項18】
前記栓塞材料の直径は10μmから1500μmまでであり、微小球の直径の長さにより、10μm〜150μm、100μm〜350μm、200μm〜500μm、400μm〜650μm、500μm〜750μm、650μm〜950μm、850μm〜1100μm、1000μm〜1350μm、1250μm〜1500μmなどの等級に分けることができることを特徴とする、請求項1に記載の薬物を含むX線不透過性生物分解微小球型血管栓塞材料。

【公表番号】特表2010−515493(P2010−515493A)
【公表日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−545051(P2009−545051)
【出願日】平成20年1月14日(2008.1.14)
【国際出願番号】PCT/CN2008/070100
【国際公開番号】WO2008/086756
【国際公開日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【出願人】(509197221)
【出願人】(509197232)
【Fターム(参考)】