X線画像診断装置
【課題】 ユーザの煩雑な操作を回避可能なX線画像診断装置を提供する。
【解決手段】 X線を発生するX線管60と、発生されたX線のうちの所定の照射域のX線を被検体に照射するX線絞り70と、を具備したX線画像診断装置であって、X線絞り70は、X線を遮蔽するX線遮蔽材の2以上の隅にX線を通過させるX線通過孔を設け、X線管60の照射X線と少なくとも交わる平面に配置する複数の絞り羽根80と、絞り羽根80を当該平面の方向に沿って移動し、それぞれの絞り羽根80の回転中心で回転可能に構成される絞り羽根駆動部90とを備える。
【解決手段】 X線を発生するX線管60と、発生されたX線のうちの所定の照射域のX線を被検体に照射するX線絞り70と、を具備したX線画像診断装置であって、X線絞り70は、X線を遮蔽するX線遮蔽材の2以上の隅にX線を通過させるX線通過孔を設け、X線管60の照射X線と少なくとも交わる平面に配置する複数の絞り羽根80と、絞り羽根80を当該平面の方向に沿って移動し、それぞれの絞り羽根80の回転中心で回転可能に構成される絞り羽根駆動部90とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、X線画像診断装置に係り、特にX線絞りの改良技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
X線画像診断装置は、X線発生部によって被検体にX線を照射し、被検体の透過X線をX線検出器で検出することで被検体のX線信号を得る。そして、X線画像診断装置は、画像処理部で被検体のX線信号を信号処理してX線画像を得、表示部にX線画像を表示する。
【0003】
また、X線画像診断装置には、X線画像の撮影又は透視に対し、撮影又は透視する部位のみがX線照射領域となるようにX線が照射されるためにX線絞りが設けられる。
【0004】
X線絞りの機構は、例えば特許文献1に示される。特許文献1のX線絞りの機構はX線を遮蔽する鉛の複数の絞り羽根により形成される。鉛の複数の絞り羽根はX線源に発生されるX線を確実に遮蔽するため、複数の絞り羽根がX線の照射方向に重なる部分を設けている。言い換えれば、X線絞りは2層以上の絞り羽根の積層構造となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009-291504号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1のX線絞りの機構は2層以上の絞り羽根の積層構造であるためX線の照射方向の厚さが厚くなる懸念がある。X線の照射方向の厚さが厚くなれば、Cアーム型のX線画像診断装置においてCアームにX線発生部とX線検出器の距離を近づける動作をさせた場合、天板とX線絞りとの距離が近い状態になり、被検体あるいは天板(「被検体等」と略記する)とX線絞りの両者が接触するおそれがある。
【0007】
そして、被検体等とX線絞りの両者が接触するおそれがある時には、両者の接触を回避する必要がある。つまり、X線画像診断装置のユーザは、X線画像診断装置自体やCアームを動かす等、被検体等とX線絞りの両者の接触回避のための操作が必要になる。このように、従来技術ではX線画像診断装置のユーザによる接触回避の操作が煩雑であるという未解決の問題が残されていた。
【0008】
そこで、本発明の目的は、ユーザの煩雑な操作を回避可能なX線画像診断装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成するために、本発明のX線画像診断装置は、X線を発生するX線源と、発生されたX線のうちの所定の照射域のX線を被検体に照射するX線絞りと、を具備したX線画像診断装置であって、前記X線絞りは、X線を遮蔽するX線遮蔽材の2以上の隅にX線を通過させるX線通過孔を設け、前記X線源の照射X線と少なくとも交わる平面に配置する複数の絞り羽根と、前記絞り羽根を当該平面の方向に沿って移動し、それぞれの絞り羽根の回転中心で回転可能に構成される絞り羽根駆動部とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ユーザの煩雑な操作を回避可能なX線画像診断装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の全実施形態で共通するX線画像診断装置の機構図。
【図2】図1の機能ブロック図。
【図3】本発明の実施例1のX線絞りの概念図。
【図4】本発明の実施例1のX線絞りの機構図。
【図5】本発明の実施例1のX線絞りの絞り羽根の移動までの動作の概念を示す図。
【図6】図4の機構図を用いた図5の動作を説明する図。
【図7】本発明の実施例1のX線絞りの絞り羽根の回転までの動作の概念を示す図。
【図8】図4の機構図を用いた図7の動作を説明する図。
【図9】本発明の実施例1のX線絞りの絞り羽根の位置を元に戻すまでの動作の概念を示す図。
【図10】図4の機構図を用いた図9の動作を説明する図。
【図11】本発明の実施例2のX線絞りの複数の絞り羽根の接触部分の形状の例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明について図面を用いて説明する。
図1は本発明の全実施形態で共通するX線画像診断装置の機構図である。
図1に示すX線画像診断装置は、天板1、X線発生部3、X線検出部4、Cアーム部5を有している。また、X線画像診断装置は台車に搭載され、台車によってX線画像診断装置の設置室内を移動できるようになっている。
【0013】
天板1は被検体2を寝載する。X線発生部3は被検体2にX線を照射する。X線検出部4は被検体2の透過X線を検出する。Cアーム部5はX線発生部3とX線検出部4を各端部に配置すると共に、X線発生部3とX線検出部4が対向配置される。X線発生部3とX線検出部4の間の空間はX線画像の計測領域となっており、この計測領域に天板1に寝載した被検体2が位置するようにCアーム5を移動して調整する。
【0014】
次に、X線画像診断装置の各部の機能の詳細について図2を用いて説明する。図2は図1の機能ブロック図である。図2では、図1で説明したX線画像診断装置の機構部分である天板1、X線発生部3、X線検出部4及びCアーム部5に加え、電気制御で必要な操作器20、画像処理部40及び画像表示部50を説明する。また、X線発生部3 、X線検出部4の概略構成も説明する。
【0015】
操作器20は、操作者がX線絞り70の絞り羽根80の移動、回転、再移動、X線管60に印加する電圧、電流、照射時間などの各種パラメータを設定する。操作器20は、マウス、キーボード、トラックボール、ジョイスティックなど操作者が各種パラメータを入力するための入力装置である。
【0016】
画像処理部40は、X線検出部4に検出された被検体2の透過X線を信号処理してX線画像データを出力する。画像処理部40の画像処理の種類は、ガンマ変換、階調変換処理、画像の拡大・縮小等がある。画像処理部40は、コンピュータのCPUに相当する機能を有している。
【0017】
画像表示部50は、画像処理部40によって出力されたX線画像データをX線画像として表示する。画像表示部50は、CRTモニタ、液晶モニタ、プラズマモニタ、有機ELモニタなどがある。
【0018】
X線発生部3は、X線発生器30、X線管60及びX線絞り70を有している。X線発生器30はX線管60に電力量を供給する電源で、操作器20によって設定された電源の電圧、電流をX線管60に印加持続時間(X線照射時間と同義)の間に電力量として供給する。X線管60はX線発生器30によって供給された電力量により、被検体2の撮影部位又は透視部位に適したエネルギーのX線を発生する。X線絞り70はX線管60から出力されるX線が被検体2の撮影又は透視の対象部位のみに照射するように照射領域を制限するものである。X線絞り70の詳細な構成は図3〜図10を用いて後の実施例1で詳細に説明する。
【0019】
X線検出部4は、フィルム・カセッテ、イメージ・インテンシファイア、イメージング・プレート、フラット・パネル・ディテクタなどの種類があり、何れも被検体の透過X線を検出するものである。
【0020】
X線絞り70は、X線を遮蔽する材料(例えば、鉛又は鉛化合物)からなる複数の絞り羽根80と、複数の絞り羽根80をそれぞれ移動する絞り羽根駆動部90とを備え、被検体2に対するX線の照射領域を設定する。
【0021】
次に、実施例でX線絞り70の具体的な構成、動作、効果を説明する。
【実施例1】
【0022】
ここで実施例1について図3〜10を用いて説明する。
図3は本発明の実施例1のX線絞りの概念図である。
X線絞り70は、4個の絞り羽根80と、羽根移動・回転部90とを有している。
【0023】
絞り羽根80の2以上の隅(ここでは4隅)にはX線を透過のための大きさが異なる口径(例えば、φ5mm、φ10mm、φ15mm、φ20mm)が形成可能なように、それぞれ大きさが異なる円弧状の切り欠き部が設けられている。そして、4枚の絞り羽根80は回転可能に形成されて、それぞれの絞り羽根80の切り欠き部によってX線が通過するための孔を複数種類形成する。このため、X線管60より広がるX線をイメージ・インテンシファイアの画像入力面(視野)に合わせた円形に絞ることが可能となる。
【0024】
ここでは、円形視野であるイメージ・インテンシファイアの口径に合わせてX線を絞ることを例に説明したが、矩形視野であるフィルム・カセッテ、イメージング・プレート、フラット・パネル・ディテクタの矩形領域に合わせて切り欠き部を矩形状とすれば、フィルム・カセッテ、イメージング・プレート、フラット・パネル・ディテクタの矩形領域に合わせてX線を絞ることができることはいうまでもない。
【0025】
また、絞り羽根80の4隅にそれぞれ大きさが異なる切り欠き部が設けられている例を用いて説明するが、例えば絞り羽根80の4隅のうちの1隅の切り欠きを設けない場合を考えることができる。切り欠きを設けない絞り羽根80の1隅で絞り羽根80同士を接した場合、X線を遮蔽することができる。
【0026】
次に、絞り羽根駆動部90の構成について図4を用いて説明する。
図4は本発明の実施例1のX線絞りの機構図である。
絞り羽根駆動部90は、4個の絞り羽根80に4個のラック100を介して取り付けられると共に従動ギア110を有する可動軸120と、4個のラック100に連結する4個の駆動ギア130と、4個の駆動ギア130に回転軸を取り付けた4個のモータ140と、1個の駆動ギア150に回転軸を取り付けた1個のモータ160と、1個の駆動ギア150の嵌まる位置に取り付けられる1個の従動ギア170とを有する。可動軸120は、X線源の照射X線と少なくとも交わる平面に配置し、絞り羽根80を当該平面の方向に沿って移動する。また、絞り羽根80はそれぞれの絞り羽根の回転中心で回転可能に構成される。
【0027】
また、前記複数の絞り羽根を、前記X線源の照射X線と直交する平面に配置することが望ましい。
【0028】
本発明の実施例1のX線絞りの動作は、図5〜図10に説明される手順で行われる。
ここでは、初期状態として、4個の絞り羽根80は、φ5mmの口径のX線の通過孔が設定されていると仮定し、φ5mmの口径からφ10mmへX線の通過孔に設定する例を説明する。
X線絞り70の動作は、移動、回転、逆移動の3つの工程で行われる。
【0029】
<移動の工程>
図5は本発明の実施例1のX線絞りの絞り羽根の移動までの動作の概念を示す図、図6は図4の機構図を用いた図5の動作を説明する図である。
【0030】
まず、4個のモータ140は回転し、4個のラック100と4個の駆動ギア130を介して4個の可動軸120をa方向に移動する。そして、a方向への移動は4個の可動軸120の従動ギア110が1個の従動ギア170の内側のギア部分に嵌め合うまで行われる。最後に、4個の可動軸120の従動ギア110と 1個の従動ギア170の内側のギア部分が嵌め合った状態になればa方向への移動は停止する。実施例1のa方向への移動停止は、4個の可動軸120の移動の工程での移動距離は固定値であるので、画像処理部40でのメモリ(図示省略)に記憶されている移動距離を用いて移動の停止を制御する方法を採用している。
【0031】
<回転の工程>
図7は本発明の実施例1のX線絞りの絞り羽根の回転までの動作の概念を示す図、図8は図4の機構図を用いて図7の動作を説明する図である。
【0032】
上記移動の工程の後、1個のモータ160は4個の可動軸120を回転することにより、1個の駆動ギア150と1個の従動ギア170を介して、4個の絞り羽根80が回転する。4個の絞り羽根80の4隅の切り欠きの大きさはφ5mm、φ10mm、φ15mm、φ20mmの順序で形成されているとすると、回転角が0°でφ5mm、90°でφ10mm、180°でφ15mm、270°でφ20mmの関係になる。ここでは、X線の通過孔がφ5mmからφ10mmへの口径の変更であるから、4個の絞り羽根80の回転量は90°であればよい。実施例1の4個の絞り羽根80の90°の回転量は固定値であるので、画像処理部40でのメモリ(図示省略)に記憶されている回転量を用いて4個の絞り羽根80の回転を制御する方法を採用している。
【0033】
また、ここでは、4個の絞り羽根80で形成される口径をφ5mmからφ10mmへ変更する例を説明したが、φ15mmへの変更は回転量が180°であればよく、φ20mmへの変更は回転量が270°又は-90°であればよい。
【0034】
<逆移動の工程>
図9は本発明の実施例1のX線絞りの絞り羽根の位置を元に戻すまでの動作の概念を示す図、図10は図4の機構図を用いて図9の動作を説明する図である。
【0035】
上記回転の工程の後、4個のモータ140は回転し、4個のラック100と4個の駆動ギア130を介して4個の可動軸120をa方向の反対方向(c方向)に移動する。そして、c方向への移動は4個の絞り羽根80が互いに接するまで行われる。最後に、4個の絞り羽根80が互いに接した状態になればc方向への移動は停止する。実施例1のc方向への移動停止は、4個の可動軸120の移動の工程での移動距離は固定値であるので、画像処理部40でのメモリ(図示省略)に記憶されている移動距離を用いて移動の停止を制御する方法を採用している。
【0036】
以上説明したように、実施例1の発明は、X線を発生するX線管60と、発生されたX線のうちの所定の照射域のX線を被検体に照射するX線絞り70と、を具備したX線画像診断装置であって、X線絞り70は、X線を遮蔽するX線遮蔽材の2以上の隅にX線を通過させるX線通過孔を設け、X線管60の照射X線と少なくとも交わる平面に配置する複数の絞り羽根80と、絞り羽根80を当該平面の方向に沿って移動し、それぞれの絞り羽根80の回転中心で回転可能に構成される絞り羽根駆動部90とを備えているので、X線絞りの機構はい1層で構成可能であるためX線の照射方向の厚さが厚くなることを防ぐことができるから被検体等とX線絞りの接触を回避するために、X線画像診断装置のユーザはX線画像診断装置自体やCアームを左右に動かす等の位置調整の煩雑な操作を回避できる。
【0037】
また、実施例1特有の効果は、絞り羽根80の隅の円弧の切欠きは、それぞれ大きさが異なる。切欠きの大きさが4種類なので、4種類の大きさのX線の照射領域を形成することが可能である。
【実施例2】
【0038】
ここで実施例2について説明する。
実施例1の構成、動作で被検体のX線の照射領域を形成するが、複数の絞り羽根80の隣り合う断面が単に互いに平面であると、隣り合う断面間で隙間が生じるおそれがある。
【0039】
また、隣り合う断面間で隙間を生じさせないための高精度な加工が必要になる。
そこで、隣り合う断面間の接触面について、高精度な加工を要しない本実施例の絞り羽根について図11を用いて説明する。
【0040】
図11は本発明の実施例2のX線絞りの複数の絞り羽根の接触部分の形状の例を示す図である。
図11(a)には、複数の絞り羽根80の隣り合う断面(ここでは、第1の絞り羽根80aと第2の絞り羽根80b)が、凸部80cと凹80dで接触する例が示されている。
つまり、第1の絞り羽根80aの断面が凸部80cを有し、第2の絞り羽根80bの断面が凹部80dを有する。
【0041】
そして、第1の絞り羽根80aと第2の絞り羽根80bの断面が接触するときは、第1の絞り羽根80aの断面が凸部80cと第2の絞り羽根80bの断面の凹部80dが隙間なく接触する。第1の絞り羽根80aと第2の絞り羽根80bが接する箇所に隙間がなくなることは、照射領域以外のX線を遮蔽することになる。
【0042】
また、図11(b)には、複数の絞り羽根80の隣り合う断面が、段差部80eと逆段差部80fで接触する例が示されている。
つまり、第1の絞り羽根80aの断面が段差部80eを有し、第2の絞り羽根80bの断面が逆段差部80fを有する。
そして、第1の絞り羽根80aと第2の絞り羽根80bの断面が接触するときは、第1の絞り羽根80aの断面の段差部80eと第2の絞り羽根80bの断面の逆段差部80fが隙間なく嵌り合うように接触する。
【0043】
さらに、図11(c)には、複数の絞り羽根80が、上底が長く下底が短い台形80gと上底が短く下底が長い台形80hから構成される例が示されている。台形80gは台形80hを高さ方向にひっくり返した形で実質的に同じ面積である。
つまり、第1の絞り羽根80aの断面が台形の斜辺80gであり、第2の絞り羽根80bの断面が台形の斜辺80hである。
そして、第1の絞り羽根80aと第2の絞り羽根80bの断面が接触するときは、第1の絞り羽根80aの斜辺80gと第2の絞り羽根80bの斜辺80hが隙間なく嵌り合うように接触する。
【0044】
さらに、第1の絞り羽根80aと第2の絞り羽根80bを4枚で形成する場合は、図11の右下に示すように、第1の絞り羽根80aと第2の絞り羽根80bが交互に配置されれば4枚の絞り羽根80で隙間なく嵌り合うように接触できるようになる。
【0045】
なお、図11(a)、図11(b)、図11(c)でそれぞれ共通することは、第1の絞り羽根80aと第2の絞り羽根80bの接触面の反対側の端部にも凸部80c又は凹部80d、段差部80e又は逆段差部80f、斜辺80g又は斜辺80hが設けられている。なぜならば、第1の絞り羽根80aと第2の絞り羽根80bは回転するため、異なる大きさのX線通過孔を形成するときには、前記接触面の反対側の端部は接触面になるからである。図示を省略したが図面の紙面方向にも接触面となるので、凸部80c又は凹部80d、段差部80e又は逆段差部80f、斜辺80g又は斜辺80hが設けられている。
【0046】
以上説明したように、実施例2の特有の効果は実施例1の効果と共に、絞り羽根80同士が接する箇所に隙間がなくなり、照射領域以外のX線を遮蔽することが可能である。
【符号の説明】
【0047】
60 X線管、70 X線絞り、80 絞り羽根、90 絞り羽根駆動部
【技術分野】
【0001】
本発明は、X線画像診断装置に係り、特にX線絞りの改良技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
X線画像診断装置は、X線発生部によって被検体にX線を照射し、被検体の透過X線をX線検出器で検出することで被検体のX線信号を得る。そして、X線画像診断装置は、画像処理部で被検体のX線信号を信号処理してX線画像を得、表示部にX線画像を表示する。
【0003】
また、X線画像診断装置には、X線画像の撮影又は透視に対し、撮影又は透視する部位のみがX線照射領域となるようにX線が照射されるためにX線絞りが設けられる。
【0004】
X線絞りの機構は、例えば特許文献1に示される。特許文献1のX線絞りの機構はX線を遮蔽する鉛の複数の絞り羽根により形成される。鉛の複数の絞り羽根はX線源に発生されるX線を確実に遮蔽するため、複数の絞り羽根がX線の照射方向に重なる部分を設けている。言い換えれば、X線絞りは2層以上の絞り羽根の積層構造となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009-291504号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1のX線絞りの機構は2層以上の絞り羽根の積層構造であるためX線の照射方向の厚さが厚くなる懸念がある。X線の照射方向の厚さが厚くなれば、Cアーム型のX線画像診断装置においてCアームにX線発生部とX線検出器の距離を近づける動作をさせた場合、天板とX線絞りとの距離が近い状態になり、被検体あるいは天板(「被検体等」と略記する)とX線絞りの両者が接触するおそれがある。
【0007】
そして、被検体等とX線絞りの両者が接触するおそれがある時には、両者の接触を回避する必要がある。つまり、X線画像診断装置のユーザは、X線画像診断装置自体やCアームを動かす等、被検体等とX線絞りの両者の接触回避のための操作が必要になる。このように、従来技術ではX線画像診断装置のユーザによる接触回避の操作が煩雑であるという未解決の問題が残されていた。
【0008】
そこで、本発明の目的は、ユーザの煩雑な操作を回避可能なX線画像診断装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成するために、本発明のX線画像診断装置は、X線を発生するX線源と、発生されたX線のうちの所定の照射域のX線を被検体に照射するX線絞りと、を具備したX線画像診断装置であって、前記X線絞りは、X線を遮蔽するX線遮蔽材の2以上の隅にX線を通過させるX線通過孔を設け、前記X線源の照射X線と少なくとも交わる平面に配置する複数の絞り羽根と、前記絞り羽根を当該平面の方向に沿って移動し、それぞれの絞り羽根の回転中心で回転可能に構成される絞り羽根駆動部とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ユーザの煩雑な操作を回避可能なX線画像診断装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の全実施形態で共通するX線画像診断装置の機構図。
【図2】図1の機能ブロック図。
【図3】本発明の実施例1のX線絞りの概念図。
【図4】本発明の実施例1のX線絞りの機構図。
【図5】本発明の実施例1のX線絞りの絞り羽根の移動までの動作の概念を示す図。
【図6】図4の機構図を用いた図5の動作を説明する図。
【図7】本発明の実施例1のX線絞りの絞り羽根の回転までの動作の概念を示す図。
【図8】図4の機構図を用いた図7の動作を説明する図。
【図9】本発明の実施例1のX線絞りの絞り羽根の位置を元に戻すまでの動作の概念を示す図。
【図10】図4の機構図を用いた図9の動作を説明する図。
【図11】本発明の実施例2のX線絞りの複数の絞り羽根の接触部分の形状の例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明について図面を用いて説明する。
図1は本発明の全実施形態で共通するX線画像診断装置の機構図である。
図1に示すX線画像診断装置は、天板1、X線発生部3、X線検出部4、Cアーム部5を有している。また、X線画像診断装置は台車に搭載され、台車によってX線画像診断装置の設置室内を移動できるようになっている。
【0013】
天板1は被検体2を寝載する。X線発生部3は被検体2にX線を照射する。X線検出部4は被検体2の透過X線を検出する。Cアーム部5はX線発生部3とX線検出部4を各端部に配置すると共に、X線発生部3とX線検出部4が対向配置される。X線発生部3とX線検出部4の間の空間はX線画像の計測領域となっており、この計測領域に天板1に寝載した被検体2が位置するようにCアーム5を移動して調整する。
【0014】
次に、X線画像診断装置の各部の機能の詳細について図2を用いて説明する。図2は図1の機能ブロック図である。図2では、図1で説明したX線画像診断装置の機構部分である天板1、X線発生部3、X線検出部4及びCアーム部5に加え、電気制御で必要な操作器20、画像処理部40及び画像表示部50を説明する。また、X線発生部3 、X線検出部4の概略構成も説明する。
【0015】
操作器20は、操作者がX線絞り70の絞り羽根80の移動、回転、再移動、X線管60に印加する電圧、電流、照射時間などの各種パラメータを設定する。操作器20は、マウス、キーボード、トラックボール、ジョイスティックなど操作者が各種パラメータを入力するための入力装置である。
【0016】
画像処理部40は、X線検出部4に検出された被検体2の透過X線を信号処理してX線画像データを出力する。画像処理部40の画像処理の種類は、ガンマ変換、階調変換処理、画像の拡大・縮小等がある。画像処理部40は、コンピュータのCPUに相当する機能を有している。
【0017】
画像表示部50は、画像処理部40によって出力されたX線画像データをX線画像として表示する。画像表示部50は、CRTモニタ、液晶モニタ、プラズマモニタ、有機ELモニタなどがある。
【0018】
X線発生部3は、X線発生器30、X線管60及びX線絞り70を有している。X線発生器30はX線管60に電力量を供給する電源で、操作器20によって設定された電源の電圧、電流をX線管60に印加持続時間(X線照射時間と同義)の間に電力量として供給する。X線管60はX線発生器30によって供給された電力量により、被検体2の撮影部位又は透視部位に適したエネルギーのX線を発生する。X線絞り70はX線管60から出力されるX線が被検体2の撮影又は透視の対象部位のみに照射するように照射領域を制限するものである。X線絞り70の詳細な構成は図3〜図10を用いて後の実施例1で詳細に説明する。
【0019】
X線検出部4は、フィルム・カセッテ、イメージ・インテンシファイア、イメージング・プレート、フラット・パネル・ディテクタなどの種類があり、何れも被検体の透過X線を検出するものである。
【0020】
X線絞り70は、X線を遮蔽する材料(例えば、鉛又は鉛化合物)からなる複数の絞り羽根80と、複数の絞り羽根80をそれぞれ移動する絞り羽根駆動部90とを備え、被検体2に対するX線の照射領域を設定する。
【0021】
次に、実施例でX線絞り70の具体的な構成、動作、効果を説明する。
【実施例1】
【0022】
ここで実施例1について図3〜10を用いて説明する。
図3は本発明の実施例1のX線絞りの概念図である。
X線絞り70は、4個の絞り羽根80と、羽根移動・回転部90とを有している。
【0023】
絞り羽根80の2以上の隅(ここでは4隅)にはX線を透過のための大きさが異なる口径(例えば、φ5mm、φ10mm、φ15mm、φ20mm)が形成可能なように、それぞれ大きさが異なる円弧状の切り欠き部が設けられている。そして、4枚の絞り羽根80は回転可能に形成されて、それぞれの絞り羽根80の切り欠き部によってX線が通過するための孔を複数種類形成する。このため、X線管60より広がるX線をイメージ・インテンシファイアの画像入力面(視野)に合わせた円形に絞ることが可能となる。
【0024】
ここでは、円形視野であるイメージ・インテンシファイアの口径に合わせてX線を絞ることを例に説明したが、矩形視野であるフィルム・カセッテ、イメージング・プレート、フラット・パネル・ディテクタの矩形領域に合わせて切り欠き部を矩形状とすれば、フィルム・カセッテ、イメージング・プレート、フラット・パネル・ディテクタの矩形領域に合わせてX線を絞ることができることはいうまでもない。
【0025】
また、絞り羽根80の4隅にそれぞれ大きさが異なる切り欠き部が設けられている例を用いて説明するが、例えば絞り羽根80の4隅のうちの1隅の切り欠きを設けない場合を考えることができる。切り欠きを設けない絞り羽根80の1隅で絞り羽根80同士を接した場合、X線を遮蔽することができる。
【0026】
次に、絞り羽根駆動部90の構成について図4を用いて説明する。
図4は本発明の実施例1のX線絞りの機構図である。
絞り羽根駆動部90は、4個の絞り羽根80に4個のラック100を介して取り付けられると共に従動ギア110を有する可動軸120と、4個のラック100に連結する4個の駆動ギア130と、4個の駆動ギア130に回転軸を取り付けた4個のモータ140と、1個の駆動ギア150に回転軸を取り付けた1個のモータ160と、1個の駆動ギア150の嵌まる位置に取り付けられる1個の従動ギア170とを有する。可動軸120は、X線源の照射X線と少なくとも交わる平面に配置し、絞り羽根80を当該平面の方向に沿って移動する。また、絞り羽根80はそれぞれの絞り羽根の回転中心で回転可能に構成される。
【0027】
また、前記複数の絞り羽根を、前記X線源の照射X線と直交する平面に配置することが望ましい。
【0028】
本発明の実施例1のX線絞りの動作は、図5〜図10に説明される手順で行われる。
ここでは、初期状態として、4個の絞り羽根80は、φ5mmの口径のX線の通過孔が設定されていると仮定し、φ5mmの口径からφ10mmへX線の通過孔に設定する例を説明する。
X線絞り70の動作は、移動、回転、逆移動の3つの工程で行われる。
【0029】
<移動の工程>
図5は本発明の実施例1のX線絞りの絞り羽根の移動までの動作の概念を示す図、図6は図4の機構図を用いた図5の動作を説明する図である。
【0030】
まず、4個のモータ140は回転し、4個のラック100と4個の駆動ギア130を介して4個の可動軸120をa方向に移動する。そして、a方向への移動は4個の可動軸120の従動ギア110が1個の従動ギア170の内側のギア部分に嵌め合うまで行われる。最後に、4個の可動軸120の従動ギア110と 1個の従動ギア170の内側のギア部分が嵌め合った状態になればa方向への移動は停止する。実施例1のa方向への移動停止は、4個の可動軸120の移動の工程での移動距離は固定値であるので、画像処理部40でのメモリ(図示省略)に記憶されている移動距離を用いて移動の停止を制御する方法を採用している。
【0031】
<回転の工程>
図7は本発明の実施例1のX線絞りの絞り羽根の回転までの動作の概念を示す図、図8は図4の機構図を用いて図7の動作を説明する図である。
【0032】
上記移動の工程の後、1個のモータ160は4個の可動軸120を回転することにより、1個の駆動ギア150と1個の従動ギア170を介して、4個の絞り羽根80が回転する。4個の絞り羽根80の4隅の切り欠きの大きさはφ5mm、φ10mm、φ15mm、φ20mmの順序で形成されているとすると、回転角が0°でφ5mm、90°でφ10mm、180°でφ15mm、270°でφ20mmの関係になる。ここでは、X線の通過孔がφ5mmからφ10mmへの口径の変更であるから、4個の絞り羽根80の回転量は90°であればよい。実施例1の4個の絞り羽根80の90°の回転量は固定値であるので、画像処理部40でのメモリ(図示省略)に記憶されている回転量を用いて4個の絞り羽根80の回転を制御する方法を採用している。
【0033】
また、ここでは、4個の絞り羽根80で形成される口径をφ5mmからφ10mmへ変更する例を説明したが、φ15mmへの変更は回転量が180°であればよく、φ20mmへの変更は回転量が270°又は-90°であればよい。
【0034】
<逆移動の工程>
図9は本発明の実施例1のX線絞りの絞り羽根の位置を元に戻すまでの動作の概念を示す図、図10は図4の機構図を用いて図9の動作を説明する図である。
【0035】
上記回転の工程の後、4個のモータ140は回転し、4個のラック100と4個の駆動ギア130を介して4個の可動軸120をa方向の反対方向(c方向)に移動する。そして、c方向への移動は4個の絞り羽根80が互いに接するまで行われる。最後に、4個の絞り羽根80が互いに接した状態になればc方向への移動は停止する。実施例1のc方向への移動停止は、4個の可動軸120の移動の工程での移動距離は固定値であるので、画像処理部40でのメモリ(図示省略)に記憶されている移動距離を用いて移動の停止を制御する方法を採用している。
【0036】
以上説明したように、実施例1の発明は、X線を発生するX線管60と、発生されたX線のうちの所定の照射域のX線を被検体に照射するX線絞り70と、を具備したX線画像診断装置であって、X線絞り70は、X線を遮蔽するX線遮蔽材の2以上の隅にX線を通過させるX線通過孔を設け、X線管60の照射X線と少なくとも交わる平面に配置する複数の絞り羽根80と、絞り羽根80を当該平面の方向に沿って移動し、それぞれの絞り羽根80の回転中心で回転可能に構成される絞り羽根駆動部90とを備えているので、X線絞りの機構はい1層で構成可能であるためX線の照射方向の厚さが厚くなることを防ぐことができるから被検体等とX線絞りの接触を回避するために、X線画像診断装置のユーザはX線画像診断装置自体やCアームを左右に動かす等の位置調整の煩雑な操作を回避できる。
【0037】
また、実施例1特有の効果は、絞り羽根80の隅の円弧の切欠きは、それぞれ大きさが異なる。切欠きの大きさが4種類なので、4種類の大きさのX線の照射領域を形成することが可能である。
【実施例2】
【0038】
ここで実施例2について説明する。
実施例1の構成、動作で被検体のX線の照射領域を形成するが、複数の絞り羽根80の隣り合う断面が単に互いに平面であると、隣り合う断面間で隙間が生じるおそれがある。
【0039】
また、隣り合う断面間で隙間を生じさせないための高精度な加工が必要になる。
そこで、隣り合う断面間の接触面について、高精度な加工を要しない本実施例の絞り羽根について図11を用いて説明する。
【0040】
図11は本発明の実施例2のX線絞りの複数の絞り羽根の接触部分の形状の例を示す図である。
図11(a)には、複数の絞り羽根80の隣り合う断面(ここでは、第1の絞り羽根80aと第2の絞り羽根80b)が、凸部80cと凹80dで接触する例が示されている。
つまり、第1の絞り羽根80aの断面が凸部80cを有し、第2の絞り羽根80bの断面が凹部80dを有する。
【0041】
そして、第1の絞り羽根80aと第2の絞り羽根80bの断面が接触するときは、第1の絞り羽根80aの断面が凸部80cと第2の絞り羽根80bの断面の凹部80dが隙間なく接触する。第1の絞り羽根80aと第2の絞り羽根80bが接する箇所に隙間がなくなることは、照射領域以外のX線を遮蔽することになる。
【0042】
また、図11(b)には、複数の絞り羽根80の隣り合う断面が、段差部80eと逆段差部80fで接触する例が示されている。
つまり、第1の絞り羽根80aの断面が段差部80eを有し、第2の絞り羽根80bの断面が逆段差部80fを有する。
そして、第1の絞り羽根80aと第2の絞り羽根80bの断面が接触するときは、第1の絞り羽根80aの断面の段差部80eと第2の絞り羽根80bの断面の逆段差部80fが隙間なく嵌り合うように接触する。
【0043】
さらに、図11(c)には、複数の絞り羽根80が、上底が長く下底が短い台形80gと上底が短く下底が長い台形80hから構成される例が示されている。台形80gは台形80hを高さ方向にひっくり返した形で実質的に同じ面積である。
つまり、第1の絞り羽根80aの断面が台形の斜辺80gであり、第2の絞り羽根80bの断面が台形の斜辺80hである。
そして、第1の絞り羽根80aと第2の絞り羽根80bの断面が接触するときは、第1の絞り羽根80aの斜辺80gと第2の絞り羽根80bの斜辺80hが隙間なく嵌り合うように接触する。
【0044】
さらに、第1の絞り羽根80aと第2の絞り羽根80bを4枚で形成する場合は、図11の右下に示すように、第1の絞り羽根80aと第2の絞り羽根80bが交互に配置されれば4枚の絞り羽根80で隙間なく嵌り合うように接触できるようになる。
【0045】
なお、図11(a)、図11(b)、図11(c)でそれぞれ共通することは、第1の絞り羽根80aと第2の絞り羽根80bの接触面の反対側の端部にも凸部80c又は凹部80d、段差部80e又は逆段差部80f、斜辺80g又は斜辺80hが設けられている。なぜならば、第1の絞り羽根80aと第2の絞り羽根80bは回転するため、異なる大きさのX線通過孔を形成するときには、前記接触面の反対側の端部は接触面になるからである。図示を省略したが図面の紙面方向にも接触面となるので、凸部80c又は凹部80d、段差部80e又は逆段差部80f、斜辺80g又は斜辺80hが設けられている。
【0046】
以上説明したように、実施例2の特有の効果は実施例1の効果と共に、絞り羽根80同士が接する箇所に隙間がなくなり、照射領域以外のX線を遮蔽することが可能である。
【符号の説明】
【0047】
60 X線管、70 X線絞り、80 絞り羽根、90 絞り羽根駆動部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
X線を発生するX線源と、
発生されたX線のうちの所定の照射域のX線を被検体に照射するX線絞りと、
を具備したX線画像診断装置であって、
前記X線絞りは、X線を遮蔽するX線遮蔽材の2以上の隅にX線を通過させるX線通過孔を設け、前記X線源の照射X線と少なくとも交わる平面に配置する複数の絞り羽根と、前記絞り羽根を当該平面の方向に沿って移動し、それぞれの絞り羽根の回転中心で回転可能に構成される絞り羽根駆動部とを備えたことを特徴とするX線画像診断装置。
【請求項2】
前記X線絞りは、前記複数の絞り羽根を、前記X線源の照射X線と直交する平面に配置することを特徴とする請求項1に記載のX線画像診断装置。
【請求項3】
前記絞り羽根駆動部は、回転した前記複数の絞り羽根が再び接触するように平面に前記絞り羽根を当該平面の方向に沿って移動することを特徴とする請求項1に記載のX線画像診断装置。
【請求項4】
前記複数の絞り羽根のうちの隣り合う絞り羽根の接合部分の形状は、前記一方の絞り羽根と前記異なる絞り羽根が嵌合するように形成したことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のX線画像診断装置。
【請求項1】
X線を発生するX線源と、
発生されたX線のうちの所定の照射域のX線を被検体に照射するX線絞りと、
を具備したX線画像診断装置であって、
前記X線絞りは、X線を遮蔽するX線遮蔽材の2以上の隅にX線を通過させるX線通過孔を設け、前記X線源の照射X線と少なくとも交わる平面に配置する複数の絞り羽根と、前記絞り羽根を当該平面の方向に沿って移動し、それぞれの絞り羽根の回転中心で回転可能に構成される絞り羽根駆動部とを備えたことを特徴とするX線画像診断装置。
【請求項2】
前記X線絞りは、前記複数の絞り羽根を、前記X線源の照射X線と直交する平面に配置することを特徴とする請求項1に記載のX線画像診断装置。
【請求項3】
前記絞り羽根駆動部は、回転した前記複数の絞り羽根が再び接触するように平面に前記絞り羽根を当該平面の方向に沿って移動することを特徴とする請求項1に記載のX線画像診断装置。
【請求項4】
前記複数の絞り羽根のうちの隣り合う絞り羽根の接合部分の形状は、前記一方の絞り羽根と前記異なる絞り羽根が嵌合するように形成したことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のX線画像診断装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−102992(P2013−102992A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−249356(P2011−249356)
【出願日】平成23年11月15日(2011.11.15)
【出願人】(000153498)株式会社日立メディコ (1,613)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月15日(2011.11.15)
【出願人】(000153498)株式会社日立メディコ (1,613)
【Fターム(参考)】
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