封緘キャップ容器の製造方法、及び封緘キャップ容器
【課題】 1つのフィルムを用いて、容器本体にデザインを付与できると共にキャップを封緘できる、封緘キャップ容器の製造方法を提供する。
【解決手段】 容器本体2とキャップ3を有する容器1の容器本体2の周面2aに、接着剤を塗布する工程、接着剤が塗布された容器本体2の周面2a及びキャップ3の周面3aに、熱収縮性フィルム4を、その熱収縮性フィルム4の上端部43がキャップ3の上面3bよりも上方に突出し且つ熱収縮性フィルム4の第1側端部41の上に第2側端部42が重なるように、巻き付ける工程、キャップ3の周面3aに巻き付けられたフィルム部分の、第1側端部41と第2側端部42の重ね合わせ部分に治具8を当て、重ね合わせ部分をキャップ3の上面3b及び周面3aに沿わせた状態で熱収縮性フィルム4を加熱する工程、を有する。
【解決手段】 容器本体2とキャップ3を有する容器1の容器本体2の周面2aに、接着剤を塗布する工程、接着剤が塗布された容器本体2の周面2a及びキャップ3の周面3aに、熱収縮性フィルム4を、その熱収縮性フィルム4の上端部43がキャップ3の上面3bよりも上方に突出し且つ熱収縮性フィルム4の第1側端部41の上に第2側端部42が重なるように、巻き付ける工程、キャップ3の周面3aに巻き付けられたフィルム部分の、第1側端部41と第2側端部42の重ね合わせ部分に治具8を当て、重ね合わせ部分をキャップ3の上面3b及び周面3aに沿わせた状態で熱収縮性フィルム4を加熱する工程、を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器本体にフィルムが巻き付けられ且つキャップがフィルムによって封緘された封緘キャップ容器の製造方法などに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、充填物を収納する容器本体と、前記容器本体の充填物の取出し口を開閉するキャップと、を有する容器が広く流通している。
例えば、練り歯磨き粉、洗顔用品、化粧品、ゲル状医薬品などの流動性充填物を収納する容器は、柔軟なチューブ状の容器本体と、この容器本体の取出し口を開閉するキャップと、を有する。
かかる容器には、通常、文字や絵柄などの様々なデザインが表示されている。このデザインを容器に付加する方法として、デザイン印刷されたフィルムを、接着剤を用いて、容器本体に巻き付けて貼付することが知られている(特許文献1)。
【0003】
ところで、上記デザイン印刷フィルムを巻き付けた容器において、そのキャップの保護及び衛生、並びにキャップの不正開封防止などのため、キャップの周囲に熱収縮性フィルムを熱収縮装着する場合がある。このようなキャップに装着される熱収縮性フィルムは、一般に、キャップシールと呼ばれる。
キャップシールは、熱収縮性フィルムを丸め、その第1側端部と第2側端部を重ね合わせ且つその重ね合わせ部分を接着した、筒状の熱収縮性フィルムから構成されている。この筒状の熱収縮性フィルムをキャップに被せて加熱することにより、キャップの上面周端部及びキャップの周面にキャップシールが装着された、封緘キャップ容器が得られる。
【0004】
しかしながら、上記封緘キャップ容器においては、デザイン印刷フィルムとキャップシールの2つのフィルムを別々に容器に装着しなければならない。このため、フィルムの装着作業を2度行わなければならず、製造コストの上昇を招いている。また、キャップシールの外周面を掴み、これを引っ張る(或いは回す)ことによって、キャップシールを容器から引き抜いて開封されるおそれもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平8−133309号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の第1の目的は、1つのフィルムを用いて、容器本体にデザインを付与できると共にキャップを封緘できる、封緘キャップ容器の製造方法を提供することである。
本発明の第2の目的は、容器本体及びキャップに1つのフィルムが装着された、封緘キャップ容器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記目的の下、1つのフィルムを用いれば、装着作業を1度で完了できることに着目した。
しかしながら、接着剤が塗布された1つのフィルムを、容器本体の周面及びキャップの周面に跨って巻き付けると、キャップの周面にフィルムが接着するので、開封時に、キャップに装着されたフィルム部分を除去できないという問題点に突き当たった。
この問題点に鑑みて、1つのフィルムの全体に接着剤を塗布せず、容器本体に巻き付けられる矩形領域のみに接着剤を塗布することを検討した。すなわち、前記矩形領域に接着剤を塗布した1つのフィルムを、容器本体の周面及びキャップの周面に跨って巻き付けると、容器本体にフィルムが接着する一方で、キャップの周面には、フィルムが接着しない。しかしながら、この場合、キャップの周面からフィルムが自由に離れるので(フィルムがキャップに装着された状態とならないので)、キャップシールとして全く機能しない。このフィルムとして熱収縮性フィルムを用いれば、これを加熱して収縮させることにより、キャップの周面に密着させることができると考えられる。しかし、キャップの周囲に巻かれた熱収縮性フィルムを熱収縮させると、熱収縮性フィルムの第1側端部と第2側端部が離反して両側端部間に裂け目が生じてしまい、キャップシールとして全く機能しない。
かかる試行錯誤の結果、本発明を完成した。
【0008】
本発明の封緘キャップ容器の第1の製造方法は、容器本体とキャップを有する容器の前記容器本体の周面に、接着剤を塗布する工程、前記接着剤が塗布された容器本体の周面及び前記キャップの周面に、熱収縮性フィルムを、その熱収縮性フィルムの上端部が前記キャップの上面よりも上方に突出し且つ熱収縮性フィルムの第1側端部の上に第2側端部が重なるように、巻き付ける工程、前記キャップの周面に巻き付けられたフィルム部分の、第1側端部と第2側端部の重ね合わせ部分に治具を当て、前記重ね合わせ部分をキャップの上面及び周面に沿わせた状態で、前記熱収縮性フィルムを加熱する工程、を有する。
【0009】
本発明の封緘キャップ容器の第2の製造方法は、容器本体とキャップを有する容器に巻き付けられる熱収縮性フィルムの前記容器本体の周面に巻き付けられる領域に、接着剤を塗布する工程、前記熱収縮性フィルムの接着剤塗布領域が前記容器の容器本体の周面に対応するように位置合わせし、前記容器本体の周面及び前記キャップの周面に、前記熱収縮性フィルムを、その熱収縮性フィルムの上端部が前記キャップの上面よりも上方に突出し且つ熱収縮性フィルムの第1側端部の上に第2側端部が重なるように、巻き付ける工程、前記キャップの周面に巻き付けられたフィルム部分の、第1側端部と第2側端部の重ね合わせ部分に治具を当て、前記重ね合わせ部分をキャップの上面及び周面に沿わせた状態で、前記熱収縮性フィルムを加熱する工程、を有する。
【0010】
上記本発明の製造方法は、1つの熱収縮性フィルムを用いて封緘キャップ容器を製造するので、1度の装着作業でフィルムの巻き付けを完了できる。
さらに、本発明の製造方法は、キャップの周面に巻き付けられたフィルム部分の第1側端部と第2側端部の重ね合わせ部分に治具を当てた状態で熱収縮性フィルムを加熱するので、その重ね合わせ部分が離反することなく、前記第1側端部の上に第2側端部が重なった状態で、キャップ巻付部がキャップの周面及び上面周端部に密着する。
このように容器本体にはデザインを付与するフィルムが装着され且つキャップにはそれを保護するキャップシールとしてフィルムが装着された封緘キャップ容器を簡易に製造できる。
【0011】
好ましい製造方法は、前記キャップの周面に巻き付けられたフィルム部分の第1側端部と第2側端部との間に板部材を介在させた状態で、前記第1側端部と第2側端部の重ね合わせ部分に治具を当てることである。
【0012】
本発明の別の局面によれば、封緘キャップ容器を提供する。
この封緘キャップ容器は、容器本体とキャップを有する容器と、前記容器本体の周面及びキャップの周面に巻き付けられたフィルムと、を有し、前記フィルムが1つの熱収縮性フィルムから構成されており、前記フィルムの上端部が前記キャップの上面周端部に沿うように折れ曲がり且つフィルムの第1側端部の上に第2側端部が重ね合わされており、前記キャップに巻き付けられた部分におけるフィルムの第1側端部と第2側端部が非接着とされている。
好ましくは、前記フィルムには、前記キャップの下端又はその近傍に対応する位置に、ミシン目が形成されている。
【0013】
上記本発明の封緘キャップ容器は、1つの熱収縮性フィルムを用いているので、1度の装着作業でフィルムの巻き付けを完了できる。
さらに、上記本発明の封緘キャップ容器は、キャップに巻き付けられた部分におけるフィルムの第1側端部と第2側端部が非接着なので、その第2側端部を引き出してキャップシールを容易に除去できる。
なお、上記封緘キャップ容器は、上記第1又は第2の製造方法によって簡易に製造できるが、本発明の封緘キャップ容器は、この製造方法によって製造されたものに限定されるわけでない。
【発明の効果】
【0014】
本発明の封緘キャップ容器の製造方法によれば、容器本体にデザインが付与され且つキャップが封緘された封緘キャップ容器を簡易に得ることができる。
また、本発明の封緘キャップ容器は、容器本体及びキャップに1つのフィルムが装着されているので、比較的簡易に製造でき、また、キャップシールの開封も容易に行える。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】第1実施形態に係るチューブ型容器の正面図。ただし、このチューブ型容器は、充填物を収納する前の状態である。
【図2】同容器を下方側から見た底面図(同容器の下面図)。
【図3】同容器を上方側から見た平面図(同容器の上面図)。
【図4】第1実施形態に係る熱収縮性フィルムの正面図。一点鎖線は、熱収縮性フィルムに形成されたミシン目を表す(他の図の一点鎖線も同様である)。
【図5】容器本体の周面に接着剤を塗布した後の容器の正面図。接着剤の塗布部分を、薄墨塗りで表している。
【図6】容器に熱収縮性フィルムの第1側端部を貼り付けた状態を示す正面図。
【図7】熱収縮性フィルムが巻き付けられた後の容器の正面図。
【図8】同容器を上方側から見た平面図。
【図9】(a)は、熱収縮性フィルムを押さえる治具の一例を示す斜視図、(b)は、同治具を下方側から見た底面図。
【図10】熱収縮性フィルムが巻き付けられた容器に治具を当てた状態を示す正面図。
【図11】図10のXI−XI線断面図。
【図12】封緘キャップ容器の一例を示す正面図。
【図13】同封緘キャップ容器を上方側から見た平面図。
【図14】図12のXIV−XIV線断面図。
【図15】第1実施形態の変形例に係る熱収縮性フィルムの背面図。接着剤の塗布部分を、薄墨塗りで表している。
【図16】第2実施形態の熱収縮性フィルムの背面図。接着剤の塗布部分を、薄墨塗りで表している。
【図17】第2実施形態の変形例に係る熱収縮性フィルムの背面図。接着剤の塗布部分を、薄墨塗りで表している。
【図18】第2実施形態の更なる変形例に係る熱収縮性フィルムの背面図。接着剤の塗布部分を、薄墨塗りで表している。
【図19】(a)は、他の実施形態に係る治具の左側面図、(b)は、同治具を下方側から見た底面図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[第1実施形態]
第1実施形態に係る封緘キャップ容器の製造方法は、大別して、容器に接着剤を塗布する工程と、容器に熱収縮性フィルムを巻き付ける工程と、熱収縮性フィルムを収縮させる工程と、を有する。
以下、本発明の製造方法に使用される容器及び熱収縮性フィルムの構成を説明し、その後、本発明の製造方法及び封緘キャップ容器を具体的に説明する。
なお、本明細書において、方向性を示す用語として、「上」及び「下」を用いるが、「上」は、容器(又は熱収縮性フィルム)を任意の向きに配置して、その容器(又は熱収縮性フィルム)の正面から見た上側を指し、「下」は、その反対側を指す。
また、「周方向」は、容器の軸方向を中心軸とした、その軸回り方向を指し、軸方向は、上下方向と同義である。
【0017】
<容器>
容器は、充填物を収納する容器本体と、キャップと、を有する。
容器本体は、特に限定されず、従来公知のものを採用できる。
容器本体は、充填物を収納可能な中空状であり、その周面の形状は特に限定されず、円筒状、四角筒状などの多角筒状、円錐台状、下端部が扁平状にされた変形筒状などが挙げられる。
容器本体の形成材料は、特に限定されず、硬質の合成樹脂、柔軟性のある軟質の合成樹脂、金属、ガラスなどが挙げられる。
容器本体に収納される充填物は、特に限定されず、練り歯磨き粉、洗顔用品、整髪料、化粧品、ゲル状医薬品、お菓子、調味料、飲料、食品、玩具、文房具類、事務用備品、機械部品などが挙げられる。
容器本体の上方部には、充填物を取り出すための取出し口が形成されている。
【0018】
キャップは、容器本体の取出し口を開閉するための部材である。
キャップは、特に限定されず、従来公知のものを採用できる。
キャップの容器本体への取付構造としては、例えば、ネジ作用によって容器本体に着脱可能な構成、凹凸嵌合によって容器本体に着脱可能な構成などが挙げられる。
また、容器本体に着脱して容器本体の取出し口を開閉するタイプのキャップでもよいし、固定部と前記固定部に着脱可能に設けられた開閉部とを有し且つ前記固定部を容器本体に固定する(又は着脱可能に取り付けてもよい)タイプのキャップでもよい。
【0019】
キャップの周面の形状は特に限定されず、円筒状、四角筒状などの多角筒状、円錐台状、下端部が扁平状にされた筒状などが挙げられる。キャップの周面の形状は、容器本体の周面の形状と同じであることが好ましい。例えば、円筒状の容器本体に、円筒状のキャップが取り付けられている。
また、キャップの上面の形状は特に限定されず、円形、四角形などの多角形、楕円形などが挙げられる。キャップの上面は、軸方向に対して垂直な平坦面、軸方向に対して傾斜した平坦面又は曲面、上方にドーム状に盛り上がった半球面、中央部が下方に凹んだ曲面又は陥没面などでもよい。
【0020】
キャップの周面の形状は、容器本体の周面の形状よりも大きくてもよいが、容器本体の周囲に熱収縮性フィルムを巻き付けた際に、キャップの周面においても熱収縮性フィルムが良好な筒状を成すために、キャップの周面の形状は、容器本体の周面の形状と略同じ又は容器本体の周面の形状よりも小さいことが好ましい。
なお、キャップの周面の形状が容器本体の周面の形状と略同じ場合には、キャップの上方側からキャップの上面を見たとき、キャップと容器本体の外形(輪郭線)が略一致する。キャップの周面の形状が容器本体の周面の形状よりも小さい場合には、キャップの上方側からキャップの上面を見たとき、容器本体の上面の一部分が見える。
【0021】
キャップの周面の形状が容器本体の周面の形状よりも小さい場合、両者の差は特に限定されない。もっとも、容器本体に対してキャップが余りに小さすぎると、容器本体に巻き付けた1つの熱収縮性フィルムの、キャップの周面に対応するフィルム部分が、キャップの周面から離れすぎる。このため、前記巻き付けた熱収縮性フィルムを加熱しても、キャップの周面にフィルム部分を良好に装着できないおそれがある。
かかる点を考慮すると、キャップの周面の周方向長さ(以下、キャップの周長という)は、容器本体の周面の周方向長さ(以下、容器本体の周長という)の、1/4倍以上が好ましく、1/2倍以上がより好ましい。
キャップの形成材料は、特に限定されず、硬質の合成樹脂、柔軟性のある軟質の合成樹脂、金属などが挙げられる。
【0022】
図1乃至図3は、容器の一例として、所謂チューブ型容器1を示す。
この容器1は、練り歯磨き粉や洗顔用品などのゲル状充填物を収納する容器として広く用いられている。
チューブ型容器1は、充填物を収納する容器本体2と、容器本体2の取出し口21を開閉するキャップ3と、を有する。
この容器1の容器本体2は、通常、柔軟な合成樹脂又は金属薄板から形成され、その外形は、円筒状に形成されている。容器本体2の取出し口21は、通常、容器本体2の上面の略中央部に開口されている。
【0023】
かかるチューブ型容器1における容器本体2は、充填物を収納する前には、その下端が開口されている。そして、その下端の開口部22から容器本体2内に充填物を入れた後、下端部を扁平状に押し潰し、開口部22が閉塞される。なお、容器本体2が、熱可塑性樹脂などの合成樹脂から形成されている場合には、前記下端部の内面同士を、軸方向と直交する方向に線状に熱溶着することにより、前記容器本体2の開口部22を閉塞できる。
【0024】
図示例のキャップ3は、固定部31と、固定部31に着脱可能に設けられた開閉部32と、を有する。固定部31には、キャップ3を容器本体2に取り付けるための取付手段(例えば、容器本体2に螺合するネジ部、又は、容器本体2の凹部(又は凸部)に嵌合する凸部(又は凹部)など)が設けられている。固定部31には、容器本体2に取り付けた際に、容器本体2の取出し口21に連通する注出部33が設けられている。
【0025】
開閉部32は、前記固定部31の注出部33を開閉する部分であり、例えば、固定部31に凹凸嵌合によって取り付けられている。なお、開閉部32は、固定部31の注出部33を開放した際に、固定部31から完全に分離されるものでもよいし、前記注出部33を開放した際に、固定部31に繋がっているものでもよい。図示例のキャップ3の開閉部32は、ヒンジ34を介して固定部31に繋がっている。また、固定部31の周面上方の一部分には切除部35が形成されており、この切除部35に指先を差し入れることにより、開閉部32を容易に引き上げることができる。
【0026】
キャップ3の固定部31が取付手段によって容器本体2に取り付けられることにより、チューブ型容器1が構成される。キャップ3の周面3aの形状は、容器本体2の周面2aの形状よりも小さく、従って、容器本体2の周面2aとキャップ3の周面3aの間には、段差1a(容器本体2の上面の一部分に相当)が生じている。
【0027】
容器本体2の周面2a、並びに、キャップ3の周面3a及び上面3bには、デザインが表示されていない。本発明においては、容器本体2の周面2aなどにフィルムを巻き付けるので、そのフィルムに所望の印刷を施しておくことにより、容器本体2にデザインを付与できる。
もっとも、本発明において、所望のデザインが表示されている容器本体2やキャップ3を用いることも可能である。
【0028】
<熱収縮性フィルム>
熱収縮性フィルムは、所定温度(例えば、70℃〜100℃)に加熱されると、少なくとも一方向に収縮する性質を有するフィルムである。
本発明の熱収縮性フィルムは、熱収縮方向である前記一方向が容器1の周方向となるようにして、容器1に巻き付けられる。
【0029】
図4に示すように、熱収縮性フィルム4は、例えば、矩形状に形成されている。熱収縮性フィルム4は、第1側端部41及び第2側端部42が重なるように容器1の周囲に巻き付けることができるものであれば、その形状は、矩形状に限定されず、例えば、平行四辺形(図示せず)などでもよい。容器本体2が細長い円錐台形状である場合には、台形状の熱収縮性フィルム4を用いてもよい。
【0030】
熱収縮性フィルム4の形成材料は特に限定されず、例えば、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系、ポリスチレン系、ポリアミド系などの各種の熱可塑性樹脂が挙げられる。
熱収縮性フィルム4は、通常、前記熱可塑性樹脂をフィルムに形成し、それを少なくとも一軸方向に延伸することにより得られる。前記熱可塑性樹脂製のフィルムは、通常、非発泡のものが用いられるが、発泡されていてもよい。
【0031】
また、熱収縮性フィルム4は、前記熱可塑性樹脂製のフィルムの1層のみでもよいし、それら2層以上の積層フィルムでもよい。
また、熱収縮性を大きく阻害しない限り、前記1層構造のフィルム又は2層以上の積層フィルムに、他の機能層が積層されていてもよい。前記機能層としては、光バリア層やガスバリア層などのバリア層、不織布などの断熱層などが挙げられる。
熱収縮性フィルム4の厚みは、その層構成や形成材料などに応じて適宜設計できるが、例えば、10μm〜200μmであり、好ましくは20μm〜100μmである。
【0032】
熱収縮性フィルム4の一方向における収縮率は、好ましくは30%以上であり、より好ましくは40%以上である。なお、熱収縮性フィルム4は、他方向に若干熱収縮又は若干熱伸張するものでもよい。なお、熱収縮性フィルム4の他方向とは、熱収縮性フィルム4の面内において、前記一方向と直交する方向である。熱収縮性フィルム4が他方向に熱収縮又は熱伸張する場合、その他方向における収縮率は、−3%〜15%である。なお、前記収縮率のマイナスの値は、熱伸張を意味する。
【0033】
前記収縮率は、フィルムの一方向(又は他方向)の長さを測定し、このフィルムを90℃温水中に10秒間浸漬した後にそのフィルムの一方向(又は他方向)の長さを測定し、それらを、収縮率(%)=[{浸漬前の一方向(又は他方向)の長さ−浸漬後の一方向(又は他方向)の長さ}/浸漬前の一方向(又は他方向)の長さ]×100、に代入して求められる。
【0034】
熱収縮性フィルム4には、所望のデザイン(図示せず)が表示されている。通常、フィルムに公知の印刷を行うことによって、デザインの表示された熱収縮性フィルム4が得られる。
デザインは、特に限定されず、商品名、商標、絵柄、説明書き、広告、色付き模様などである。
熱収縮性フィルム4が透明又は半透明である場合には、前記デザインの印刷は、熱収縮性フィルム4の外面又は内面の少なくとも何れか一方に施され、傷付き防止の観点から、前記内面に施されることが好ましい。
なお、熱収縮性フィルム4の内面は、容器1に巻き付ける際に、容器1に対面する側の面を指し、熱収縮性フィルム4の外面は、その反対面を指す。
【0035】
熱収縮性フィルム4が不透明である場合には、前記デザインの印刷は、熱収縮性フィルム4の外面に施される。もっとも、不透明な熱収縮性フィルム4が、例えば、透明な熱可塑性樹脂製のフィルムと不透明な層(例えば、不織布)が積層された積層フィルムである場合には、その透明な熱可塑性樹脂製のフィルムの内面にデザインを印刷してもよい。
【0036】
容器1に巻き付けた熱収縮性フィルム4の第1側端部41と第2側端部42とが重なるようにするために、一方向(一方向は、容器1に巻き付けた際にその周方向に相当する)の長さが、容器本体2の周長よりも長い熱収縮性フィルム4が用いられる。一方、熱収縮性フィルム4の一方向の長さが、容器本体2の周長よりも長すぎると、第1側端部41と第2側端部42の重ね合わせ部分が多くなりすぎる。この点を考慮すると、一方向の長さが容器本体2の周長よりも、2mm〜15mmほど長い熱収縮性フィルム4を用いることが好ましい。この熱収縮性フィルム4を容器1に巻き付けた場合、理論上、2mm〜15mm程度の重ね合わせ部分が生じることになる。
【0037】
熱収縮性フィルム4の他方向(他方向は、前記一方向に直交する方向であり、容器1に巻き付けた際にその軸方向に相当する)の長さは、適宜設計できる。
本発明においては、熱収縮性フィルム4の上端部がキャップ3の上面3bよりも上方に突出するように、熱収縮性フィルム4を容器1に巻き付ける。
従って、容器本体2の周面2a全体を覆うように熱収縮性フィルム4を巻き付ける場合には、他方向の長さが容器1の軸方向の長さ(キャップ3の上面3bから容器本体2の下端までの長さ)よりも長い熱収縮性フィルム4が用いられる。
【0038】
例えば、熱収縮性フィルム4の下端と容器本体2の下端が略一致するように、熱収縮性フィルム4を容器1に巻き付ける場合、他方向の長さが容器1の軸方向の長さよりも、1mm〜15mmほど長い熱収縮性フィルム4を用いることが好ましい。この熱収縮性フィルム4を容器1に巻き付けて加熱した場合、理論上、熱収縮性フィルム4の上端部がキャップ3の上面3bの周端部に1mm〜15mm程度の長さで折れ曲がる。もっとも、前記上端部の折れ曲がりは熱収縮によって生じるので、実際には、1mm〜15mmよりも若干短くなり得る。
【0039】
なお、本発明においては、上述のように、熱収縮性フィルム4の下端と容器本体2の下端が略一致するように、熱収縮性フィルム4を巻き付ける場合に限定されるわけではない。熱収縮性フィルム4の下端が容器本体2の下端よりも下方に突出するように、熱収縮性フィルム4を巻き付けてもよく、この場合には、上述のものよりも他方向の長さがさらに長い熱収縮性フィルム4が用いられる。また、熱収縮性フィルム4の下端が容器本体2の下端よりも上方に位置するように、熱収縮性フィルム4を巻き付けてもよく、この場合には、上述のものよりも他方向の長さが短い熱収縮性フィルム4が用いられる。
【0040】
熱収縮性フィルム4の面内には、一方向にミシン目51が形成されている。
このミシン目51は、1つの熱収縮性フィルム4を2つに分離するときの、切断用補助として用いられる。
このミシン目51は、熱収縮性フィルム4の中央部よりも上端側寄りの位置に形成され、一方向に直線状に延びている。
【0041】
後述するように、ミシン目51をキャップ3の下端に略一致させて熱収縮性フィルム4は容器1に巻き付けられる。このように熱収縮性フィルム4を巻き付けた際に、熱収縮性フィルム4の上端部がキャップ3の上面3bよりも上方に突出するような位置に、ミシン目51は形成されている。
具体的には、式:熱収縮性フィルム4の上端からミシン目51までの長さ=キャップ3の周面3aの軸方向の長さ+熱収縮性フィルム4の上端部の突出長さ、を満たすような位置に、ミシン目51が形成されている。
【0042】
次に、上記容器1及び熱収縮性フィルム4を用いて、本発明の封緘キャップ容器の製造方法について、工程毎に分けて説明する。
【0043】
<接着剤塗布工程>
接着剤塗布工程は、上記容器1の容器本体2の周面2aに接着剤を塗布する工程である。
接着剤は、特に限定されず、従来公知の接着剤を使用できる。なお、本発明において、接着剤は、一般に、粘着剤(部材間を接着した後に粘着性を有している接着剤)も含む。
前記接着剤としては、有機溶剤揮発型接着剤、水系エマルジョン型接着剤、紫外線硬化型接着剤のような光硬化型接着剤、一液又は二液反応型接着剤、感圧型粘着剤、感熱接着剤(感熱接着剤には、感熱粘着剤が含まれる)などが挙げられる。
接着剤の塗布厚みは特に限定されないが、例えば、10μm〜30μmである。
【0044】
通常、封緘キャップ容器を製造する際には、別々に準備した上記容器1と熱収縮性フィルム4をフィルム装着ラインに供給し、そこで両者を一体化することにより、封緘キャップ容器が得られる。
接着剤塗布工程は、前記フィルム装着ラインに供給された容器1に対して行ってよいし(フィルム装着ラインの一部で行ってもよい)、或いは、前記フィルム装着ラインに供給される前の容器1の製造時に行ってもよい。フィルム装着ラインに供給する前に、容器本体2に接着剤を塗布しておくことにより、メンテナンスが煩雑な接着剤塗布工程と、接着剤を使用しないフィルム巻き付け工程と、を分離できる。
【0045】
前記感熱接着剤は、室温下で粘着性を有しないので、感熱接着剤を容器本体2の周面2aに塗布した後、その容器1を保管しておくことができる。
従って、接着剤として感熱接着剤を選択した場合には、容器本体2の周面2aに感熱接着剤を予め塗布した容器1を、前記フィルム装着ラインに供給してもよい。
もちろん、前記フィルム装着ラインの途中で、容器本体2の周面2aに感熱接着剤を塗布してもよい。
【0046】
また、感熱接着剤以外の接着剤を使用した場合でも、塗布した接着剤の接着力を隠蔽する離型紙などを仮貼付することにより、フィルム装着ラインに供給する前の容器1の製造時に、これら何れかの接着剤を塗布することも可能である。
【0047】
接着剤は、容器本体2の周面2aのうち、熱収縮性フィルム4が巻き付けられる部分に塗布される。
例えば、熱収縮性フィルム4の下端が容器本体2の下端よりも上方に位置するように、熱収縮性フィルム4を巻き付ける場合には、容器本体2の周面2aのうちの下端部を除いた周面に、接着剤を塗布する。
通常、容器本体2の周面2aの略全体に熱収縮性フィルム4を装着するので、その周面全体に接着剤を塗布する(図5参照)。なお、図5において、接着剤が塗布された部分を薄墨塗りで示している。
なお、接着剤との密着性を高めるために、容器本体2の周面2aに、事前に、公知の表面処理等を行っておくのが好ましい。
【0048】
<接着剤活性化工程>
接着剤活性化工程は、前記容器本体2に塗布された接着剤を粘着可能な状態に活性化する工程である。
接着剤活性化工程は、接着剤の種類に応じて行われる。例えば、接着剤として、感圧型粘着剤を用いた場合や粘度調整された光硬化型接着剤などを用いた場合には、この工程は行わなくてもよい。
感熱接着剤を用いた場合には、それを所定温度に加熱して、粘着性を発揮させる。前記所定温度は、感熱接着剤の種類に応じて異なるが、例えば、100℃〜150℃である。
また、有機溶剤揮発型接着剤や水系エマルジョン型接着剤を用いた場合には、溶媒を揮発させ、接着剤の粘度を上昇させる。
【0049】
<フィルム巻き付け工程>
フィルム巻き付け工程は、前記容器1の周囲に熱収縮性フィルム4を巻き付ける工程である。
接着剤が塗布された容器本体2の周面2aと接着剤を有しないキャップ3の周面3aに、上記熱収縮性フィルム4を巻き付ける。
巻き付ける際には、熱収縮性フィルム4の上端部がキャップ3の上面3bよりも上方に突出するように、熱収縮性フィルム4を容器1に対して位置合わせする。この位置で熱収縮性フィルム4を巻き付けると、キャップ3の上面3bから筒状となった熱収縮性フィルム4の上端部が突出する。
なお、本実施形態では、熱収縮性フィルム4の下端が容器本体2の下端に略一致するように位置合わせすれば、熱収縮性フィルム4の上端部がキャップ3の上面3bから上方に突出し且つミシン目51がキャップ3の下端又はその近傍に位置するような形状に設計された、熱収縮性フィルム4が用いられている。
【0050】
また、ミシン目51からキャップシールを除去した後に容器本体2に残るフィルム部分のミシン切断面の見栄えの観点から、ミシン目51が容器本体2の周面2aの上端に一致するように位置合わせして、熱収縮性フィルム4を巻き付けることが好ましい。通常、容器本体2の上端とキャップ3の下端は近接している。このため、ミシン目51が容器本体2の周面2aの上端に一致するように位置合わせする場合でも、前記熱収縮性フィルム4をそのまま使用できる。
【0051】
図6に示すように、上記のように位置合わせした熱収縮性フィルム4の第1側端部41を巻付始端部として、これを容器本体2の周面2aに貼り付ける。
次に、容器1をその周方向に回転させることにより、容器1の周囲に熱収縮性フィルム4を巻き付ける。これに代えて、熱収縮性フィルム4を容器1の周囲に巻き回してもよいし、容器1の回転と熱収縮性フィルム4の巻き回しを同時に行ってもよい。キャップ3の周面3aには接着剤が設けられていないが、容器本体2の周面2aの接着剤に第1側端部41の内面が付着するので、巻き付け時に熱収縮性フィルム4が位置ずれすることはない。
【0052】
図7及び図8に示すように、熱収縮性フィルム4の第2側端部42を巻付終端部として、これを第1側端部41の上に重ね合わせることにより、熱収縮性フィルム4の巻き付け作業が完了する。この第1側端部41と第2側端が重なった部分(以下、重ね合わせ部分という)は、熱収縮性フィルム4の上端から下端まで延びた、帯状の部分である。重ね合わせ部分の幅W(重ね合わせ部分の周方向における長さ)は、熱収縮性フィルム4の一方向の長さに応じて適宜設定できるが、2mm〜15mmが好ましく、さらに、3mm〜10mmがより好ましい。
図8の符号9は、接着剤層を示す。
【0053】
また、熱収縮性フィルム4の前記第2側端部42の内面及び第1側端部41の外面には、何れも接着剤が設けられていないので、前記重ね合わせ部分は、第1側端部41及び第2側端部42が接着することなく、両者が単に重なっているに過ぎない。
【0054】
<収縮工程>
収縮工程は、容器1に巻き付けた熱収縮性フィルム4を加熱して熱収縮させる工程である。
図7及び図8に示すように、前記巻き付けられた熱収縮性フィルム4のうち、容器本体2の周面2aに対応して巻き付けられたフィルム部分6は接着剤を介してその周面2aに接着しているが、キャップ3の周面3aに対応して巻き付けられたフィルム部分及びキャップ3の上面3bから突出したフィルム部分7は、キャップ3に接着しておらず、自由端となっている。
以下、容器本体2の周面2aに巻き付けられたフィルム部分を「本体巻付部6」といい、キャップ3の周面3aに巻き付けられたフィルム部分及びキャップ3の上面3bから突出したフィルム部分を「キャップ巻付部7」という。
【0055】
この熱収縮性フィルム4を加熱すると、キャップ巻付部7が、少なくとも周方向に熱収縮する。しかしながら、前記重ね合わせ部分は非接着なので、熱収縮性フィルム4を熱収縮させると、キャップ巻付部7の重ね合わせ部分74における第1側端部41と第2側端部42が離反して両側端部間に裂け目が生じる(熱収縮により、キャップ巻付部7の重ね合わせ部分74が消滅する)。このようにキャップ3の周面3aに対応する第1側端部41と第2側端部42が離反すると、フィルム4がキャップ3に良好に装着されず、キャップシール機能を有しない。
【0056】
本発明においては、前記重ね合わせ部分74が消滅することなく、キャップ巻付部7をキャップ3に良好に装着するために、キャップ巻付部7の重ね合わせ部分74に治具を当て、前記重ね合わせ部分74をキャップ3の上面3b及び周面3aに沿わせることが特徴である。
そして、この状態で熱収縮性フィルム4を加熱すると、第1側端部41と第2側端部42が殆ど離反せず、重ね合わせ部分74を含むキャップ巻付部7が熱収縮して、それがキャップ3の周面3a及び上面3bの周端部に密着する。
【0057】
具体的には、治具8は、例えば、図9に示すように、キャップ巻付部7の重ね合わせ部分74のキャップ3の周面3aに対応する部分に当てる第1当て面81と、キャップ巻付部7の重ね合わせ部分74のキャップ3の上面3bに対応する部分に当てる第2当て面82と、を有する。
治具8は、容易に変形しない程度の機械的強度を有する形成材料及び厚みで構成されている。
治具8の形成材料としては、特に限定されず、合成樹脂、スポンジなどの発泡樹脂、ゴム、ガラス、陶器、木、金属などが挙げられる。治具8の形成材料としては、熱伝達性の低い材料、例えば、合成樹脂、スポンジなどの発泡樹脂、硬質ゴム、ガラス、陶器、木などの断熱性を有する材料が好ましく、さらに、適度な弾力性を有する発泡樹脂、スポンジなどの発泡樹脂、硬質ゴムがより好ましい。
【0058】
熱伝達性の低い材料から形成された治具8を用いることにより、前記重ね合わせ部分74に熱が伝わりにくく、加熱時に、キャップ巻付部7の第1側端部41と第2側端部42が離反することをより確実に防止できる。また、適度な弾性力を有する材料から形成された治具8を用いることにより、前記重ね合わせ部分74をキャップ3の外面(周面3a及び上面3b)に沿って密着させることができ、加熱後、キャップ巻付部7の重ね合わせ部分74を良好にキャップ3に密着させることができる。
【0059】
治具8の厚みAは、治具8の機械的強度や断熱性などを考慮して適宜設定されるが、例えば、3mm以上であり、より好ましくは5mm以上である。前記厚み以上であれば効果的には変わらないので、治具8の厚みに上限はない。
治具8の幅が余りに長いと重ね合わせ部分74から治具8が大きくはみ出てしまい、キャップ巻付部7の重ね合わせ部分74の両側領域の熱収縮を阻害する虞がある。このような点を考慮すると、治具8の幅Bは、重ね合わせ部分74の幅W(重ね合わせ部分74の周方向における長さ)に対して1.2倍以下が好ましく、1.1倍以下がより好ましい。一方、治具8の幅が余りに短いと、キャップ巻付部7の重ね合わせ部分74が離反するおそれがある。このような点を考慮すると、治具8の幅Bは、重ね合わせ部分74の幅Wに対して0.5倍以上が好ましく、0.7倍以上がより好ましい。
【0060】
本実施形態のキャップ3は、その周面3aが軸方向と平行で且つその上面3bが軸方向と直交している。そのため、前記第1当て面81と第2当て面82が略直交するように配置された治具8が用いられている。
なお、容器1のキャップ3の上面3bが軸方向に対して傾斜している場合には、前記第2当て面82はその傾斜と略平行に第2当て面82に配置された治具8が用いられる。
【0061】
また、本実施形態のキャップ3は、その周面3aが円筒状である。図示例の治具8は、キャップ3の周面3a形状に適合するように、前記第1当て面81が弧状面とされている。第2当て面82についても同様に、キャップ3の上面3b形状に適合するように、平坦面とされている。このように重ね合わせ部分74に対応するキャップ3の周面形状及び上面形状に適合するように、第1当て面81及び第2当て面82が形成された治具8を用いることにより、前記重ね合わせ部分74をキャップ3の外面に沿って密着させることができる。
なお、キャップ3の上面3bが半円球状に形成されている場合には、第2当て面82は、その半円球状に適合するように、弧状面に形成される。
【0062】
もっとも、本発明で使用される治具8は、第1当て面81及び第2当て面82がキャップ3の周面形状及び上面形状に適合するように形成されている場合に限定されず、第1当て面81及び第2当て面82の少なくとも何れか一方がキャップ3の周面形状又は上面形状に適合しているか、或いは、第1当て面81及び第2当て面82の何れもがキャップ3の周面形状及び上面形状に適合していなくてもよい。
【0063】
図10及び図11に示すように、キャップ巻付部7の重ね合わせ部分74のうちキャップ3の周面3aに対応する部分に、前記治具8の第1当て面81を当て、且つ、キャップ巻付部7の重ね合わせ部分74のうちキャップ3の上面3bに対応する部分に、前記治具8の第2当て面82を当てる。このように治具8を当てることにより、キャップ巻付部7の重ね合わせ部分74がキャップ3の周面3a及び上面3bの周端部に沿った状態となる。なお、この際、キャップ巻付部7の重ね合わせ部分74のうちキャップ3の上面3bに対応する部分は、第2当て面82に押さえられているので、キャップ3の上面側へ折れ曲がる。
また、図示したように、キャップ3と容器本体2の間に段差1aを有する容器1の場合には、治具8の下端面83を容器本体2の上面側に当て、キャップ巻付部7の重ね合わせ部分74の下方を前記段差1aに沿わせることが好ましい。
【0064】
この状態で、熱収縮性フィルム4を加熱する。巻き付けられた熱収縮性フィルム4の全体を加熱してもよいし、或いは、キャップ巻付部7を重点的に加熱してもよい。
加熱方法は従来公知の方法を採用でき、例えば、スチーム、熱風などが挙げられる。
スチームを用いる場合には、60℃〜100℃程度のスチームトンネルに、前記治具8を当てた容器1を1秒〜20秒通過させることが好ましい。
熱風を用いる場合には、70℃〜180℃程度の熱風トンネルに、前記治具8を当てた容器1を1秒〜20秒通過させることが好ましい。
【0065】
加熱後、キャップ巻付部7が熱収縮してキャップ3の周面3a及び上面3bの周端部に密着する。
本発明の製造方法によれば、キャップ巻付部7の重ね合わせ部分74が離反することなく、恰も前記重ね合わせ部分74における第1側端部41及び第2側端部42が接着されている如く、前記第1側端部41の上に第2側端部42が重なった状態で、キャップ巻付部7がキャップ3の周面3a及び上面3bの周端部に密着する。かかるキャップ巻付部7は、キャップ3を保護するキャップシールとして機能する。
このようにキャップ巻付部7の重ね合わせ部分74に治具8を当てて加熱すると、キャップ巻付部7がキャップ3の周面3a及び上面3bに良好に装着できる。この原理は明らかでないが、本発明者は、次のように推定している。すなわち、治具8によって重ね合わせ部分74の熱収縮を抑制できること、及び、治具8で押さえられていない部分の周方向の熱収縮は阻害されないこと、に起因して、キャップ巻付部7がキャップ3に良好に装着されるものと推定する。
【0066】
なお、本体巻付部6は接着剤にて容器本体2に接着されているので、本体巻付部6の第2側端部42を除いて、本体巻付部6は実質的に熱収縮しない。本体巻付部6の第2側端部42は周方向に収縮するが、その第2側端部42が重なった第1側端部41は、容器本体2に接着されているので、収縮しない。このため、本体巻付部6が容器本体2から剥がれて容器本体2の周面2aが露出するようなことはない。
【0067】
そして、容器本体2の下端の開口部22から容器本体2内に充填物を入れた後、容器本体2の下端部を扁平状にし、その下端部を軸方向と直交する方向に線状に熱溶着することにより、図12乃至図14に示すような封緘キャップ容器10が得られる。
【0068】
<封緘キャップ容器>
図12乃至図14に示すように、本発明の封緘キャップ容器10は、容器本体2及びキャップ3を有する容器1と、前記容器本体2の周面2a及びキャップ3の周面3aに巻き付けられたフィルムと、を有する。このフィルムは1つの熱収縮性フィルム4から構成されている。
このフィルム4の上端部43は前記キャップ3の上面3bの周端部に沿うように折れ曲がり且つフィルムの第1側端部41の上に第2側端部42が重ね合わされており、前記キャップ3に巻き付けられた部分におけるフィルムの第1側端部41と第2側端部42(つまり、キャップ巻付部7の重ね合わせ部分74)が非接着とされている。
【0069】
また、容器本体2に巻き付けられた部分におけるフィルムの第1側端部41と第2側端部42(つまり、本体巻付部6の重ね合わせ部分64)も同様に非接着とされている。
これらの重ね合わせ部分64,74は、何れも接着されておらず、第1側端部41と第2側端部42が重なっているだけであるが、無理に捲るような行為をしない限り、第2側端部42は第1側端部41の上に接している。
特に、キャップ巻付部7の上端部43(重ね合わせ部分74の上端部43を含むキャップ巻付部7の上端部43)は、収縮によりキャップ3の上面3b側に折れ曲がっているので、その重ね合わせ部分74における第1側端部41と第2側端部42は、簡単には離反しない。かかるキャップ巻付部7は、キャップ3を保護するキャップシールとして機能する。
【0070】
また、前記フィルム4の面内であって、キャップ3の下端又はその近傍に対応する位置に、ミシン目51が形成されている。つまり、上記封緘キャップ容器10は、キャップ巻付部7と本体巻付部6の境界に、周方向に延びるミシン目51が位置している。
【0071】
上記封緘キャップ容器10は、キャップ巻付部7における重ね合わせ部分74が非接着なので、キャップ巻付部7の第2側端部42の上端角部に爪を入れ、第2側端部42のみを周方向に引き出すことにより、ミシン目51に従ってキャップ巻付部7を本体巻付部6から切り離すことができる。キャップ巻付部7を切り離すことにより、キャップ3を開封でき、充填物の取り出しが可能となる。
また、容器本体2の周面2aにはフィルムからなる本体巻付部6が接着されているので、チューブ型容器から充填物を搾り出す際に、前記フィルムが容器本体2の変形に追従する。このため、本体巻付部6に施されたデザインに皺が生じることなく、良好な外観が保たれる。
【0072】
<第1実施形態の変形例>
上記第1実施形態の製造方法及び封緘キャップ容器10において、熱収縮性フィルム4には周方向に延びるミシン目51が形成されているが、この周方向のミシン目51が形成されていなくてもよい。
熱収縮性フィルム4として周方向に引裂き性を有する熱収縮性フィルム4を用いることにより、前記ミシン目51がなくても、概ねキャップ巻付部7と本体巻付部6の境界において、キャップ巻付部7(キャップシール)のみを切り取ることができる。
【0073】
上記第1実施形態の製造方法及び封緘キャップ容器10において、巻き付けられた熱収縮性フィルム4の重ね合わせ部分74は非接着であるため、キャップ巻付部7を本体巻付部6から切り離すことができるという利点がある。他方、重ね合わせ部分74の全体が非接着であるが故に、悪意者が第2側端部42を捲るような行為をした場合には、重ね合わせ部分74が離反するおそれがある。
このため、例えば、上記フィルム巻き付け工程の後且つ収縮工程の前に、キャップ3の上面3bから突出させた熱収縮性フィルム4の上端部43における、第1側端部41と第2側端部42とを部分接着(例えば、超音波シールやヒートシール等)しておいてもよい。このように熱収縮後にキャップ3の上面側へ折れ曲がる前記熱収縮性フィルム4の上端部43を部分的に接着することにより、悪戯で捲られ難くなり、又、キャップ3の周面3aに装着されたキャップ巻付部7における第1側端部41と第2側端部42は非接着であるため、この間に爪を入れてキャップ巻付部7を本体巻付部6から切り離すことができる。
【0074】
また、上記第1実施形態の製造方法及び封緘キャップ容器10において、巻き付けられた熱収縮性フィルム4の重ね合わせ部分64,74は非接着であったが、その重ね合わせ部分64,74の少なくとも何れか一方が接着剤を介して接着されていてもよい。
重ね合わせ部分64,74(第1側端部41の外面と第2側端部42の内面)を接着する場合、図15に示すように、第2側端部42の内面に接着剤(好ましくは感熱接着剤)が帯状に塗布された熱収縮性フィルム4を用い、それを上記第1実施形態の巻き付け工程に従って容器1の周囲に巻き付けた後、加熱すればよい。
【0075】
得られた封緘キャップ容器10は、本体巻付部6の重ね合わせ部分64が接着されているので、本体巻付部6の第2側端部42が不用意に捲れることを防止できる。また、外観的にも好ましい封緘キャップ容器10を提供できる。
さらに、上記接着剤を用いた接着に限られず、例えば、本体巻付部6の第2側端部42の内面と第1側端部41の外面とを、ヒートシールバーを押し当てて熱溶着してもよい。特に、重ね合わせ部分64に対応する容器本体2の外面が平滑な曲面又は平面である場合には、ヒートシールバー等を均一に押し当てることができる。
【0076】
また、重ね合わせ部分74が接着された封緘キャップ容器10は、その開封時に、上述のようなキャップ巻付部7の第2側端部42の上端角部を摘んで引き出すことが困難である。
このため、図15に示すように、フィルム4の上端から周方向のミシン目51まで(周方向のミシン目51が形成されていないときには、キャップ巻付部7と本体巻付部6の境界まで)、縦方向に延びる1本又は2本以上のミシン目52を形成しておくことが好ましい。
【0077】
[第2実施形態]
第2実施形態に係る封緘キャップ容器の製造方法は、大別して、熱収縮性フィルムに接着剤を塗布する工程と、容器に熱収縮性フィルムを巻き付ける工程と、熱収縮性フィルムを収縮させる工程と、を有する。
以下、本発明の第2実施形態の製造方法について説明するが、上記第1実施形態と同様な構成及び効果については、その説明を省略し、用語及び符号をそのまま援用する場合がある。
【0078】
<容器及び熱収縮性フィルム>
容器1及び熱収縮性フィルム4は、上記第1実施形態と同様なものを使用できる。
【0079】
<接着剤塗布工程>
第2実施形態の接着剤塗布工程は、上記熱収縮性フィルム4の内面の一部分に接着剤を塗布する工程である。
接着剤は、フィルム装着ラインにおいて熱収縮性フィルム4に塗布してもよいし、或いは、フィルム装着ラインに供給する前の、熱収縮性フィルム4を製造する段階で塗布してもよい。接着剤塗布工程とフィルム巻き付け工程とを分離できることから、熱収縮性フィルム4の製造段階で、予め接着剤を熱収縮性フィルム4に塗布しておくことが好ましい。
接着剤は、上記第1実施形態で例示したものを使用できる。熱収縮性フィルム4に予め接着剤を塗布する場合には、感熱接着剤を用いることが好ましい。
【0080】
接着剤は、熱収縮性フィルム4の内面のうち、容器本体2に巻き付けられる部分に塗布される。一方向にミシン目51が形成されている熱収縮性フィルム4については、図16に示すように、そのミシン目51から熱収縮性フィルム4の下端までの領域である。接着剤は、通常、前記領域の全体にベタに塗布されるが、その領域の全体に無数の点状、網目状に塗布してもよい。
【0081】
<接着剤活性化工程>
接着剤活性化工程は、前記熱収縮性フィルム4に塗布された接着剤を粘着可能な状態に活性化する工程である。
この工程は、第1実施形態と同様に、必要に応じて行われる。
【0082】
<フィルム巻き付け工程>
フィルム巻き付け工程は、前記容器1の周囲に熱収縮性フィルム4を巻き付ける工程である。
この工程は、第1実施形態と同様にして行えばよいが、第2実施形態では熱収縮性フィルム4に接着剤が塗布されているので、その接着剤塗布領域が容器本体2の周面2aに対応するように位置合わせして、熱収縮性フィルム4を巻き付ける。
また、第2実施形態の熱収縮性フィルム4は、本体巻付部6における第2側端部42の内面にも接着剤が塗布されているので、熱収縮性フィルム4を容器1の周囲に巻き付けると、本体巻付部6の重ね合わせ部分64が接着する。
【0083】
<収縮工程>
収縮工程は、容器1に巻き付けた熱収縮性フィルム4を加熱して熱収縮させる工程である。
この工程は、第1実施形態と同様にして行われる。
【0084】
<封緘キャップ容器>
第2実施形態の封緘キャップ容器10は、キャップ巻付部7の重ね合わせ部分74が非接着とされ、且つ本体巻付部6の重ね合わせ部分64が接着されている。
このため、キャップ巻付部7(キャップシール)を容易に開封できる上、本体巻付部6の第2側端部42の不用意に捲れを防止できる。
【0085】
<第2実施形態の変形例>
上記第2実施形態の製造方法及び封緘キャップ容器10において、熱収縮性フィルム4には周方向に延びるミシン目51が形成されているが、この周方向のミシン目51が形成されていなくてもよい。
【0086】
また、上記第2実施形態の製造方法及び封緘キャップ容器10において、キャップ巻付部7の重ね合わせ部分74は非接着であったが、その重ね合わせ部分74の上端部43又は全体が接着されていてもよい。
重ね合わせ部分74の上端部43が接着されている封緘キャップ容器10は、例えば、上記第1実施形態の変形例で説明したように、キャップ3の上面3bから突出させた熱収縮性フィルム4の上端部43における、第1側端部41と第2側端部42とを部分接着(例えば、超音波シールやヒートシール等)しておくことが挙げられる。
また、重ね合わせ部分74の上端部43が接着されている封緘キャップ容器10は、例えば、図17に示すように、本体巻付部6だけでなく、キャップ巻付部7に対応する第2側端部42の上端部43の内面にも接着剤が帯状に塗布された熱収縮性フィルム4を用いて、上記第2実施形態の製造方法に従い、これを巻き付けて熱収縮させることによって、得ることもできる。
【0087】
一方、キャップ巻付部7の重ね合わせ部分74の全体が接着されている封緘キャップ容器10は、図18に示すように、さらに、キャップ巻付部7に対応する第2側端部42の内面全体に接着剤が帯状に塗布された熱収縮性フィルム4を用いればよい。この場合には、上記第1実施形態の変形例と同様に、フィルム4の上端から周方向のミシン目51まで(周方向のミシン目51が形成されていないときには、キャップ巻付部7と本体巻付部6の境界まで)、縦方向に延びる1本又は2本以上のミシン目52を形成しておくことが好ましい。
また、重ね合わせ部分74の全体が接着されている封緘キャップ容器10は、上記接着剤の塗布に限らず、例えば、第1側端部41の内側に熱受け板等を挿入し、重ね合わせ部分74の外側からヒートシールバーを押し当てて熱溶着することによって、得ることもできる。
【0088】
[他の実施形態]
上記第1及び第2実施形態の各収縮工程においては、キャップ巻付部7の重ね合わせ部分74の第2側端部42の外面に、治具8の第1当て面81を当てた状態で、熱収縮性フィルム4を加熱しているが、このキャップ巻付部7の重ね合わせ部分74の第1側端部41と第2側端部42の間に、板部材を介在させた状態で、前記のように第2側端部42の外面に治具8の第1当て面81を当て、熱収縮性フィルム4を加熱してもよい。
このように板部材を介在させることによって、熱収縮後の重ね合わせ部分74における第2側端部42が第1側端部41に対して僅かに浮き上がった収縮仕上がりとなる。このため、キャップ巻付部7における第1側端部41と第2側端部42の間に隙間が生じ、この隙間に爪を入れてその第2側端部42を捲り、キャップ巻付部7を容易に切り離すことができる。
【0089】
板部材の肉厚は、特に限定されないが、これが余りに分厚いと、重ね合わせ部分74における第2側端部42が歪に盛り上がって外観的に好ましくなく、一方、これが余りに薄いと、上記効果を奏しないおそれがある。かかる点から、板部材の肉厚は、0.5mm〜3mmが好ましく、さらに、1mm〜2mmがより好ましい。
板部材は、上記治具8と別体でも良いし、治具8と一体的に設けられていてもよい。板部材が別体である場合には、通常、板部材を重ね合わせ部分74の第1側端部41と第2側端部42の間に挿入した後、その第2側端部42の外面に治具8の第1当て面81を当てる。
板部材と治具8が一体的である場合には、板部材の挿入と治具8の押し当てを同時に行う。
【0090】
図19は、板部材が一体的に設けられた治具8の一例を示す。
図19において、治具8は、上記第1実施形態で説明したような構造であり、第1当て面81と、第2当て面82と、を有する。
第1当て面81に対面し且つ第1当て面81と間隔を開けて、板部材89が設けられている。
【0091】
板部材89と第1当て面81との間隔は、両者の間に熱収縮性フィルム4の第2側端部42を挟むように挿入脱可能な間隔であればよいが、できるだけ狭いことが好ましい。前記間隔は、熱収縮性フィルム4の厚みよりも僅かに大きいことが好ましい。
板部材89の一端は、治具8の第1当て面81を構成する起立部85の側面から延設されたアーム部86に固着されている。板部材89の他端(先端)は、自由端とされており、板部材89の先端から第2側端部42へ挿入し、板部材89を第1側面部41と第2側面部42の間に介在させることができる。
【0092】
板部材89の両面は、第1当て面81と略平行な面であることが好ましく、例えば、第1当て面81が弧状面とされている場合には、板部材89の両面も弧状面とされていることが好ましい。
板部材89の材質は、特に限定されず、上記第1実施形態の治具8の材質として例示したようなものを用いることができる。好ましくは、板部材89は、治具8と同じ材質で形成される。
なお、アーム部86は、板バネの如く、弾性力を有することが好ましい。板部材89を第1側端部41と第2側端部42の間に介在させた状態で、治具8を第2側端部42側へと押圧することにより、アーム部86が適宜変形して、板部材89と治具8の第1当て面81の間隔を狭めることができる。
【0093】
また、上記第1及び第2実施形態では、容器としてチューブ型容器1を具体的に例示したが、本発明の製造方法及び封緘キャップ容器10に使用される容器は、チューブ型容器1に限られない。
本発明は、例えば、飲料などを入れたボトル型容器、整髪料などを入れたスプレー式容器などの様々な容器に適用できる。
【符号の説明】
【0094】
1…容器、2…容器本体、2a…容器本体の周面、3…キャップ、3a…キャップの周面、3b…キャップの上面、4…熱収縮性フィルム、41…フィルムの第1側端部、42…フィルムの第2側端部、51…ミシン目、6…容器本体の周面に巻き付けられたフィルム部分(本体巻付部)、7…キャップの周面に巻き付けられたフィルム部分(キャップ巻付部)、74…キャップ巻付部の重ね合わせ部分、8…治具、89…板部材、10…封緘キャップ容器
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器本体にフィルムが巻き付けられ且つキャップがフィルムによって封緘された封緘キャップ容器の製造方法などに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、充填物を収納する容器本体と、前記容器本体の充填物の取出し口を開閉するキャップと、を有する容器が広く流通している。
例えば、練り歯磨き粉、洗顔用品、化粧品、ゲル状医薬品などの流動性充填物を収納する容器は、柔軟なチューブ状の容器本体と、この容器本体の取出し口を開閉するキャップと、を有する。
かかる容器には、通常、文字や絵柄などの様々なデザインが表示されている。このデザインを容器に付加する方法として、デザイン印刷されたフィルムを、接着剤を用いて、容器本体に巻き付けて貼付することが知られている(特許文献1)。
【0003】
ところで、上記デザイン印刷フィルムを巻き付けた容器において、そのキャップの保護及び衛生、並びにキャップの不正開封防止などのため、キャップの周囲に熱収縮性フィルムを熱収縮装着する場合がある。このようなキャップに装着される熱収縮性フィルムは、一般に、キャップシールと呼ばれる。
キャップシールは、熱収縮性フィルムを丸め、その第1側端部と第2側端部を重ね合わせ且つその重ね合わせ部分を接着した、筒状の熱収縮性フィルムから構成されている。この筒状の熱収縮性フィルムをキャップに被せて加熱することにより、キャップの上面周端部及びキャップの周面にキャップシールが装着された、封緘キャップ容器が得られる。
【0004】
しかしながら、上記封緘キャップ容器においては、デザイン印刷フィルムとキャップシールの2つのフィルムを別々に容器に装着しなければならない。このため、フィルムの装着作業を2度行わなければならず、製造コストの上昇を招いている。また、キャップシールの外周面を掴み、これを引っ張る(或いは回す)ことによって、キャップシールを容器から引き抜いて開封されるおそれもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平8−133309号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の第1の目的は、1つのフィルムを用いて、容器本体にデザインを付与できると共にキャップを封緘できる、封緘キャップ容器の製造方法を提供することである。
本発明の第2の目的は、容器本体及びキャップに1つのフィルムが装着された、封緘キャップ容器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記目的の下、1つのフィルムを用いれば、装着作業を1度で完了できることに着目した。
しかしながら、接着剤が塗布された1つのフィルムを、容器本体の周面及びキャップの周面に跨って巻き付けると、キャップの周面にフィルムが接着するので、開封時に、キャップに装着されたフィルム部分を除去できないという問題点に突き当たった。
この問題点に鑑みて、1つのフィルムの全体に接着剤を塗布せず、容器本体に巻き付けられる矩形領域のみに接着剤を塗布することを検討した。すなわち、前記矩形領域に接着剤を塗布した1つのフィルムを、容器本体の周面及びキャップの周面に跨って巻き付けると、容器本体にフィルムが接着する一方で、キャップの周面には、フィルムが接着しない。しかしながら、この場合、キャップの周面からフィルムが自由に離れるので(フィルムがキャップに装着された状態とならないので)、キャップシールとして全く機能しない。このフィルムとして熱収縮性フィルムを用いれば、これを加熱して収縮させることにより、キャップの周面に密着させることができると考えられる。しかし、キャップの周囲に巻かれた熱収縮性フィルムを熱収縮させると、熱収縮性フィルムの第1側端部と第2側端部が離反して両側端部間に裂け目が生じてしまい、キャップシールとして全く機能しない。
かかる試行錯誤の結果、本発明を完成した。
【0008】
本発明の封緘キャップ容器の第1の製造方法は、容器本体とキャップを有する容器の前記容器本体の周面に、接着剤を塗布する工程、前記接着剤が塗布された容器本体の周面及び前記キャップの周面に、熱収縮性フィルムを、その熱収縮性フィルムの上端部が前記キャップの上面よりも上方に突出し且つ熱収縮性フィルムの第1側端部の上に第2側端部が重なるように、巻き付ける工程、前記キャップの周面に巻き付けられたフィルム部分の、第1側端部と第2側端部の重ね合わせ部分に治具を当て、前記重ね合わせ部分をキャップの上面及び周面に沿わせた状態で、前記熱収縮性フィルムを加熱する工程、を有する。
【0009】
本発明の封緘キャップ容器の第2の製造方法は、容器本体とキャップを有する容器に巻き付けられる熱収縮性フィルムの前記容器本体の周面に巻き付けられる領域に、接着剤を塗布する工程、前記熱収縮性フィルムの接着剤塗布領域が前記容器の容器本体の周面に対応するように位置合わせし、前記容器本体の周面及び前記キャップの周面に、前記熱収縮性フィルムを、その熱収縮性フィルムの上端部が前記キャップの上面よりも上方に突出し且つ熱収縮性フィルムの第1側端部の上に第2側端部が重なるように、巻き付ける工程、前記キャップの周面に巻き付けられたフィルム部分の、第1側端部と第2側端部の重ね合わせ部分に治具を当て、前記重ね合わせ部分をキャップの上面及び周面に沿わせた状態で、前記熱収縮性フィルムを加熱する工程、を有する。
【0010】
上記本発明の製造方法は、1つの熱収縮性フィルムを用いて封緘キャップ容器を製造するので、1度の装着作業でフィルムの巻き付けを完了できる。
さらに、本発明の製造方法は、キャップの周面に巻き付けられたフィルム部分の第1側端部と第2側端部の重ね合わせ部分に治具を当てた状態で熱収縮性フィルムを加熱するので、その重ね合わせ部分が離反することなく、前記第1側端部の上に第2側端部が重なった状態で、キャップ巻付部がキャップの周面及び上面周端部に密着する。
このように容器本体にはデザインを付与するフィルムが装着され且つキャップにはそれを保護するキャップシールとしてフィルムが装着された封緘キャップ容器を簡易に製造できる。
【0011】
好ましい製造方法は、前記キャップの周面に巻き付けられたフィルム部分の第1側端部と第2側端部との間に板部材を介在させた状態で、前記第1側端部と第2側端部の重ね合わせ部分に治具を当てることである。
【0012】
本発明の別の局面によれば、封緘キャップ容器を提供する。
この封緘キャップ容器は、容器本体とキャップを有する容器と、前記容器本体の周面及びキャップの周面に巻き付けられたフィルムと、を有し、前記フィルムが1つの熱収縮性フィルムから構成されており、前記フィルムの上端部が前記キャップの上面周端部に沿うように折れ曲がり且つフィルムの第1側端部の上に第2側端部が重ね合わされており、前記キャップに巻き付けられた部分におけるフィルムの第1側端部と第2側端部が非接着とされている。
好ましくは、前記フィルムには、前記キャップの下端又はその近傍に対応する位置に、ミシン目が形成されている。
【0013】
上記本発明の封緘キャップ容器は、1つの熱収縮性フィルムを用いているので、1度の装着作業でフィルムの巻き付けを完了できる。
さらに、上記本発明の封緘キャップ容器は、キャップに巻き付けられた部分におけるフィルムの第1側端部と第2側端部が非接着なので、その第2側端部を引き出してキャップシールを容易に除去できる。
なお、上記封緘キャップ容器は、上記第1又は第2の製造方法によって簡易に製造できるが、本発明の封緘キャップ容器は、この製造方法によって製造されたものに限定されるわけでない。
【発明の効果】
【0014】
本発明の封緘キャップ容器の製造方法によれば、容器本体にデザインが付与され且つキャップが封緘された封緘キャップ容器を簡易に得ることができる。
また、本発明の封緘キャップ容器は、容器本体及びキャップに1つのフィルムが装着されているので、比較的簡易に製造でき、また、キャップシールの開封も容易に行える。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】第1実施形態に係るチューブ型容器の正面図。ただし、このチューブ型容器は、充填物を収納する前の状態である。
【図2】同容器を下方側から見た底面図(同容器の下面図)。
【図3】同容器を上方側から見た平面図(同容器の上面図)。
【図4】第1実施形態に係る熱収縮性フィルムの正面図。一点鎖線は、熱収縮性フィルムに形成されたミシン目を表す(他の図の一点鎖線も同様である)。
【図5】容器本体の周面に接着剤を塗布した後の容器の正面図。接着剤の塗布部分を、薄墨塗りで表している。
【図6】容器に熱収縮性フィルムの第1側端部を貼り付けた状態を示す正面図。
【図7】熱収縮性フィルムが巻き付けられた後の容器の正面図。
【図8】同容器を上方側から見た平面図。
【図9】(a)は、熱収縮性フィルムを押さえる治具の一例を示す斜視図、(b)は、同治具を下方側から見た底面図。
【図10】熱収縮性フィルムが巻き付けられた容器に治具を当てた状態を示す正面図。
【図11】図10のXI−XI線断面図。
【図12】封緘キャップ容器の一例を示す正面図。
【図13】同封緘キャップ容器を上方側から見た平面図。
【図14】図12のXIV−XIV線断面図。
【図15】第1実施形態の変形例に係る熱収縮性フィルムの背面図。接着剤の塗布部分を、薄墨塗りで表している。
【図16】第2実施形態の熱収縮性フィルムの背面図。接着剤の塗布部分を、薄墨塗りで表している。
【図17】第2実施形態の変形例に係る熱収縮性フィルムの背面図。接着剤の塗布部分を、薄墨塗りで表している。
【図18】第2実施形態の更なる変形例に係る熱収縮性フィルムの背面図。接着剤の塗布部分を、薄墨塗りで表している。
【図19】(a)は、他の実施形態に係る治具の左側面図、(b)は、同治具を下方側から見た底面図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[第1実施形態]
第1実施形態に係る封緘キャップ容器の製造方法は、大別して、容器に接着剤を塗布する工程と、容器に熱収縮性フィルムを巻き付ける工程と、熱収縮性フィルムを収縮させる工程と、を有する。
以下、本発明の製造方法に使用される容器及び熱収縮性フィルムの構成を説明し、その後、本発明の製造方法及び封緘キャップ容器を具体的に説明する。
なお、本明細書において、方向性を示す用語として、「上」及び「下」を用いるが、「上」は、容器(又は熱収縮性フィルム)を任意の向きに配置して、その容器(又は熱収縮性フィルム)の正面から見た上側を指し、「下」は、その反対側を指す。
また、「周方向」は、容器の軸方向を中心軸とした、その軸回り方向を指し、軸方向は、上下方向と同義である。
【0017】
<容器>
容器は、充填物を収納する容器本体と、キャップと、を有する。
容器本体は、特に限定されず、従来公知のものを採用できる。
容器本体は、充填物を収納可能な中空状であり、その周面の形状は特に限定されず、円筒状、四角筒状などの多角筒状、円錐台状、下端部が扁平状にされた変形筒状などが挙げられる。
容器本体の形成材料は、特に限定されず、硬質の合成樹脂、柔軟性のある軟質の合成樹脂、金属、ガラスなどが挙げられる。
容器本体に収納される充填物は、特に限定されず、練り歯磨き粉、洗顔用品、整髪料、化粧品、ゲル状医薬品、お菓子、調味料、飲料、食品、玩具、文房具類、事務用備品、機械部品などが挙げられる。
容器本体の上方部には、充填物を取り出すための取出し口が形成されている。
【0018】
キャップは、容器本体の取出し口を開閉するための部材である。
キャップは、特に限定されず、従来公知のものを採用できる。
キャップの容器本体への取付構造としては、例えば、ネジ作用によって容器本体に着脱可能な構成、凹凸嵌合によって容器本体に着脱可能な構成などが挙げられる。
また、容器本体に着脱して容器本体の取出し口を開閉するタイプのキャップでもよいし、固定部と前記固定部に着脱可能に設けられた開閉部とを有し且つ前記固定部を容器本体に固定する(又は着脱可能に取り付けてもよい)タイプのキャップでもよい。
【0019】
キャップの周面の形状は特に限定されず、円筒状、四角筒状などの多角筒状、円錐台状、下端部が扁平状にされた筒状などが挙げられる。キャップの周面の形状は、容器本体の周面の形状と同じであることが好ましい。例えば、円筒状の容器本体に、円筒状のキャップが取り付けられている。
また、キャップの上面の形状は特に限定されず、円形、四角形などの多角形、楕円形などが挙げられる。キャップの上面は、軸方向に対して垂直な平坦面、軸方向に対して傾斜した平坦面又は曲面、上方にドーム状に盛り上がった半球面、中央部が下方に凹んだ曲面又は陥没面などでもよい。
【0020】
キャップの周面の形状は、容器本体の周面の形状よりも大きくてもよいが、容器本体の周囲に熱収縮性フィルムを巻き付けた際に、キャップの周面においても熱収縮性フィルムが良好な筒状を成すために、キャップの周面の形状は、容器本体の周面の形状と略同じ又は容器本体の周面の形状よりも小さいことが好ましい。
なお、キャップの周面の形状が容器本体の周面の形状と略同じ場合には、キャップの上方側からキャップの上面を見たとき、キャップと容器本体の外形(輪郭線)が略一致する。キャップの周面の形状が容器本体の周面の形状よりも小さい場合には、キャップの上方側からキャップの上面を見たとき、容器本体の上面の一部分が見える。
【0021】
キャップの周面の形状が容器本体の周面の形状よりも小さい場合、両者の差は特に限定されない。もっとも、容器本体に対してキャップが余りに小さすぎると、容器本体に巻き付けた1つの熱収縮性フィルムの、キャップの周面に対応するフィルム部分が、キャップの周面から離れすぎる。このため、前記巻き付けた熱収縮性フィルムを加熱しても、キャップの周面にフィルム部分を良好に装着できないおそれがある。
かかる点を考慮すると、キャップの周面の周方向長さ(以下、キャップの周長という)は、容器本体の周面の周方向長さ(以下、容器本体の周長という)の、1/4倍以上が好ましく、1/2倍以上がより好ましい。
キャップの形成材料は、特に限定されず、硬質の合成樹脂、柔軟性のある軟質の合成樹脂、金属などが挙げられる。
【0022】
図1乃至図3は、容器の一例として、所謂チューブ型容器1を示す。
この容器1は、練り歯磨き粉や洗顔用品などのゲル状充填物を収納する容器として広く用いられている。
チューブ型容器1は、充填物を収納する容器本体2と、容器本体2の取出し口21を開閉するキャップ3と、を有する。
この容器1の容器本体2は、通常、柔軟な合成樹脂又は金属薄板から形成され、その外形は、円筒状に形成されている。容器本体2の取出し口21は、通常、容器本体2の上面の略中央部に開口されている。
【0023】
かかるチューブ型容器1における容器本体2は、充填物を収納する前には、その下端が開口されている。そして、その下端の開口部22から容器本体2内に充填物を入れた後、下端部を扁平状に押し潰し、開口部22が閉塞される。なお、容器本体2が、熱可塑性樹脂などの合成樹脂から形成されている場合には、前記下端部の内面同士を、軸方向と直交する方向に線状に熱溶着することにより、前記容器本体2の開口部22を閉塞できる。
【0024】
図示例のキャップ3は、固定部31と、固定部31に着脱可能に設けられた開閉部32と、を有する。固定部31には、キャップ3を容器本体2に取り付けるための取付手段(例えば、容器本体2に螺合するネジ部、又は、容器本体2の凹部(又は凸部)に嵌合する凸部(又は凹部)など)が設けられている。固定部31には、容器本体2に取り付けた際に、容器本体2の取出し口21に連通する注出部33が設けられている。
【0025】
開閉部32は、前記固定部31の注出部33を開閉する部分であり、例えば、固定部31に凹凸嵌合によって取り付けられている。なお、開閉部32は、固定部31の注出部33を開放した際に、固定部31から完全に分離されるものでもよいし、前記注出部33を開放した際に、固定部31に繋がっているものでもよい。図示例のキャップ3の開閉部32は、ヒンジ34を介して固定部31に繋がっている。また、固定部31の周面上方の一部分には切除部35が形成されており、この切除部35に指先を差し入れることにより、開閉部32を容易に引き上げることができる。
【0026】
キャップ3の固定部31が取付手段によって容器本体2に取り付けられることにより、チューブ型容器1が構成される。キャップ3の周面3aの形状は、容器本体2の周面2aの形状よりも小さく、従って、容器本体2の周面2aとキャップ3の周面3aの間には、段差1a(容器本体2の上面の一部分に相当)が生じている。
【0027】
容器本体2の周面2a、並びに、キャップ3の周面3a及び上面3bには、デザインが表示されていない。本発明においては、容器本体2の周面2aなどにフィルムを巻き付けるので、そのフィルムに所望の印刷を施しておくことにより、容器本体2にデザインを付与できる。
もっとも、本発明において、所望のデザインが表示されている容器本体2やキャップ3を用いることも可能である。
【0028】
<熱収縮性フィルム>
熱収縮性フィルムは、所定温度(例えば、70℃〜100℃)に加熱されると、少なくとも一方向に収縮する性質を有するフィルムである。
本発明の熱収縮性フィルムは、熱収縮方向である前記一方向が容器1の周方向となるようにして、容器1に巻き付けられる。
【0029】
図4に示すように、熱収縮性フィルム4は、例えば、矩形状に形成されている。熱収縮性フィルム4は、第1側端部41及び第2側端部42が重なるように容器1の周囲に巻き付けることができるものであれば、その形状は、矩形状に限定されず、例えば、平行四辺形(図示せず)などでもよい。容器本体2が細長い円錐台形状である場合には、台形状の熱収縮性フィルム4を用いてもよい。
【0030】
熱収縮性フィルム4の形成材料は特に限定されず、例えば、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系、ポリスチレン系、ポリアミド系などの各種の熱可塑性樹脂が挙げられる。
熱収縮性フィルム4は、通常、前記熱可塑性樹脂をフィルムに形成し、それを少なくとも一軸方向に延伸することにより得られる。前記熱可塑性樹脂製のフィルムは、通常、非発泡のものが用いられるが、発泡されていてもよい。
【0031】
また、熱収縮性フィルム4は、前記熱可塑性樹脂製のフィルムの1層のみでもよいし、それら2層以上の積層フィルムでもよい。
また、熱収縮性を大きく阻害しない限り、前記1層構造のフィルム又は2層以上の積層フィルムに、他の機能層が積層されていてもよい。前記機能層としては、光バリア層やガスバリア層などのバリア層、不織布などの断熱層などが挙げられる。
熱収縮性フィルム4の厚みは、その層構成や形成材料などに応じて適宜設計できるが、例えば、10μm〜200μmであり、好ましくは20μm〜100μmである。
【0032】
熱収縮性フィルム4の一方向における収縮率は、好ましくは30%以上であり、より好ましくは40%以上である。なお、熱収縮性フィルム4は、他方向に若干熱収縮又は若干熱伸張するものでもよい。なお、熱収縮性フィルム4の他方向とは、熱収縮性フィルム4の面内において、前記一方向と直交する方向である。熱収縮性フィルム4が他方向に熱収縮又は熱伸張する場合、その他方向における収縮率は、−3%〜15%である。なお、前記収縮率のマイナスの値は、熱伸張を意味する。
【0033】
前記収縮率は、フィルムの一方向(又は他方向)の長さを測定し、このフィルムを90℃温水中に10秒間浸漬した後にそのフィルムの一方向(又は他方向)の長さを測定し、それらを、収縮率(%)=[{浸漬前の一方向(又は他方向)の長さ−浸漬後の一方向(又は他方向)の長さ}/浸漬前の一方向(又は他方向)の長さ]×100、に代入して求められる。
【0034】
熱収縮性フィルム4には、所望のデザイン(図示せず)が表示されている。通常、フィルムに公知の印刷を行うことによって、デザインの表示された熱収縮性フィルム4が得られる。
デザインは、特に限定されず、商品名、商標、絵柄、説明書き、広告、色付き模様などである。
熱収縮性フィルム4が透明又は半透明である場合には、前記デザインの印刷は、熱収縮性フィルム4の外面又は内面の少なくとも何れか一方に施され、傷付き防止の観点から、前記内面に施されることが好ましい。
なお、熱収縮性フィルム4の内面は、容器1に巻き付ける際に、容器1に対面する側の面を指し、熱収縮性フィルム4の外面は、その反対面を指す。
【0035】
熱収縮性フィルム4が不透明である場合には、前記デザインの印刷は、熱収縮性フィルム4の外面に施される。もっとも、不透明な熱収縮性フィルム4が、例えば、透明な熱可塑性樹脂製のフィルムと不透明な層(例えば、不織布)が積層された積層フィルムである場合には、その透明な熱可塑性樹脂製のフィルムの内面にデザインを印刷してもよい。
【0036】
容器1に巻き付けた熱収縮性フィルム4の第1側端部41と第2側端部42とが重なるようにするために、一方向(一方向は、容器1に巻き付けた際にその周方向に相当する)の長さが、容器本体2の周長よりも長い熱収縮性フィルム4が用いられる。一方、熱収縮性フィルム4の一方向の長さが、容器本体2の周長よりも長すぎると、第1側端部41と第2側端部42の重ね合わせ部分が多くなりすぎる。この点を考慮すると、一方向の長さが容器本体2の周長よりも、2mm〜15mmほど長い熱収縮性フィルム4を用いることが好ましい。この熱収縮性フィルム4を容器1に巻き付けた場合、理論上、2mm〜15mm程度の重ね合わせ部分が生じることになる。
【0037】
熱収縮性フィルム4の他方向(他方向は、前記一方向に直交する方向であり、容器1に巻き付けた際にその軸方向に相当する)の長さは、適宜設計できる。
本発明においては、熱収縮性フィルム4の上端部がキャップ3の上面3bよりも上方に突出するように、熱収縮性フィルム4を容器1に巻き付ける。
従って、容器本体2の周面2a全体を覆うように熱収縮性フィルム4を巻き付ける場合には、他方向の長さが容器1の軸方向の長さ(キャップ3の上面3bから容器本体2の下端までの長さ)よりも長い熱収縮性フィルム4が用いられる。
【0038】
例えば、熱収縮性フィルム4の下端と容器本体2の下端が略一致するように、熱収縮性フィルム4を容器1に巻き付ける場合、他方向の長さが容器1の軸方向の長さよりも、1mm〜15mmほど長い熱収縮性フィルム4を用いることが好ましい。この熱収縮性フィルム4を容器1に巻き付けて加熱した場合、理論上、熱収縮性フィルム4の上端部がキャップ3の上面3bの周端部に1mm〜15mm程度の長さで折れ曲がる。もっとも、前記上端部の折れ曲がりは熱収縮によって生じるので、実際には、1mm〜15mmよりも若干短くなり得る。
【0039】
なお、本発明においては、上述のように、熱収縮性フィルム4の下端と容器本体2の下端が略一致するように、熱収縮性フィルム4を巻き付ける場合に限定されるわけではない。熱収縮性フィルム4の下端が容器本体2の下端よりも下方に突出するように、熱収縮性フィルム4を巻き付けてもよく、この場合には、上述のものよりも他方向の長さがさらに長い熱収縮性フィルム4が用いられる。また、熱収縮性フィルム4の下端が容器本体2の下端よりも上方に位置するように、熱収縮性フィルム4を巻き付けてもよく、この場合には、上述のものよりも他方向の長さが短い熱収縮性フィルム4が用いられる。
【0040】
熱収縮性フィルム4の面内には、一方向にミシン目51が形成されている。
このミシン目51は、1つの熱収縮性フィルム4を2つに分離するときの、切断用補助として用いられる。
このミシン目51は、熱収縮性フィルム4の中央部よりも上端側寄りの位置に形成され、一方向に直線状に延びている。
【0041】
後述するように、ミシン目51をキャップ3の下端に略一致させて熱収縮性フィルム4は容器1に巻き付けられる。このように熱収縮性フィルム4を巻き付けた際に、熱収縮性フィルム4の上端部がキャップ3の上面3bよりも上方に突出するような位置に、ミシン目51は形成されている。
具体的には、式:熱収縮性フィルム4の上端からミシン目51までの長さ=キャップ3の周面3aの軸方向の長さ+熱収縮性フィルム4の上端部の突出長さ、を満たすような位置に、ミシン目51が形成されている。
【0042】
次に、上記容器1及び熱収縮性フィルム4を用いて、本発明の封緘キャップ容器の製造方法について、工程毎に分けて説明する。
【0043】
<接着剤塗布工程>
接着剤塗布工程は、上記容器1の容器本体2の周面2aに接着剤を塗布する工程である。
接着剤は、特に限定されず、従来公知の接着剤を使用できる。なお、本発明において、接着剤は、一般に、粘着剤(部材間を接着した後に粘着性を有している接着剤)も含む。
前記接着剤としては、有機溶剤揮発型接着剤、水系エマルジョン型接着剤、紫外線硬化型接着剤のような光硬化型接着剤、一液又は二液反応型接着剤、感圧型粘着剤、感熱接着剤(感熱接着剤には、感熱粘着剤が含まれる)などが挙げられる。
接着剤の塗布厚みは特に限定されないが、例えば、10μm〜30μmである。
【0044】
通常、封緘キャップ容器を製造する際には、別々に準備した上記容器1と熱収縮性フィルム4をフィルム装着ラインに供給し、そこで両者を一体化することにより、封緘キャップ容器が得られる。
接着剤塗布工程は、前記フィルム装着ラインに供給された容器1に対して行ってよいし(フィルム装着ラインの一部で行ってもよい)、或いは、前記フィルム装着ラインに供給される前の容器1の製造時に行ってもよい。フィルム装着ラインに供給する前に、容器本体2に接着剤を塗布しておくことにより、メンテナンスが煩雑な接着剤塗布工程と、接着剤を使用しないフィルム巻き付け工程と、を分離できる。
【0045】
前記感熱接着剤は、室温下で粘着性を有しないので、感熱接着剤を容器本体2の周面2aに塗布した後、その容器1を保管しておくことができる。
従って、接着剤として感熱接着剤を選択した場合には、容器本体2の周面2aに感熱接着剤を予め塗布した容器1を、前記フィルム装着ラインに供給してもよい。
もちろん、前記フィルム装着ラインの途中で、容器本体2の周面2aに感熱接着剤を塗布してもよい。
【0046】
また、感熱接着剤以外の接着剤を使用した場合でも、塗布した接着剤の接着力を隠蔽する離型紙などを仮貼付することにより、フィルム装着ラインに供給する前の容器1の製造時に、これら何れかの接着剤を塗布することも可能である。
【0047】
接着剤は、容器本体2の周面2aのうち、熱収縮性フィルム4が巻き付けられる部分に塗布される。
例えば、熱収縮性フィルム4の下端が容器本体2の下端よりも上方に位置するように、熱収縮性フィルム4を巻き付ける場合には、容器本体2の周面2aのうちの下端部を除いた周面に、接着剤を塗布する。
通常、容器本体2の周面2aの略全体に熱収縮性フィルム4を装着するので、その周面全体に接着剤を塗布する(図5参照)。なお、図5において、接着剤が塗布された部分を薄墨塗りで示している。
なお、接着剤との密着性を高めるために、容器本体2の周面2aに、事前に、公知の表面処理等を行っておくのが好ましい。
【0048】
<接着剤活性化工程>
接着剤活性化工程は、前記容器本体2に塗布された接着剤を粘着可能な状態に活性化する工程である。
接着剤活性化工程は、接着剤の種類に応じて行われる。例えば、接着剤として、感圧型粘着剤を用いた場合や粘度調整された光硬化型接着剤などを用いた場合には、この工程は行わなくてもよい。
感熱接着剤を用いた場合には、それを所定温度に加熱して、粘着性を発揮させる。前記所定温度は、感熱接着剤の種類に応じて異なるが、例えば、100℃〜150℃である。
また、有機溶剤揮発型接着剤や水系エマルジョン型接着剤を用いた場合には、溶媒を揮発させ、接着剤の粘度を上昇させる。
【0049】
<フィルム巻き付け工程>
フィルム巻き付け工程は、前記容器1の周囲に熱収縮性フィルム4を巻き付ける工程である。
接着剤が塗布された容器本体2の周面2aと接着剤を有しないキャップ3の周面3aに、上記熱収縮性フィルム4を巻き付ける。
巻き付ける際には、熱収縮性フィルム4の上端部がキャップ3の上面3bよりも上方に突出するように、熱収縮性フィルム4を容器1に対して位置合わせする。この位置で熱収縮性フィルム4を巻き付けると、キャップ3の上面3bから筒状となった熱収縮性フィルム4の上端部が突出する。
なお、本実施形態では、熱収縮性フィルム4の下端が容器本体2の下端に略一致するように位置合わせすれば、熱収縮性フィルム4の上端部がキャップ3の上面3bから上方に突出し且つミシン目51がキャップ3の下端又はその近傍に位置するような形状に設計された、熱収縮性フィルム4が用いられている。
【0050】
また、ミシン目51からキャップシールを除去した後に容器本体2に残るフィルム部分のミシン切断面の見栄えの観点から、ミシン目51が容器本体2の周面2aの上端に一致するように位置合わせして、熱収縮性フィルム4を巻き付けることが好ましい。通常、容器本体2の上端とキャップ3の下端は近接している。このため、ミシン目51が容器本体2の周面2aの上端に一致するように位置合わせする場合でも、前記熱収縮性フィルム4をそのまま使用できる。
【0051】
図6に示すように、上記のように位置合わせした熱収縮性フィルム4の第1側端部41を巻付始端部として、これを容器本体2の周面2aに貼り付ける。
次に、容器1をその周方向に回転させることにより、容器1の周囲に熱収縮性フィルム4を巻き付ける。これに代えて、熱収縮性フィルム4を容器1の周囲に巻き回してもよいし、容器1の回転と熱収縮性フィルム4の巻き回しを同時に行ってもよい。キャップ3の周面3aには接着剤が設けられていないが、容器本体2の周面2aの接着剤に第1側端部41の内面が付着するので、巻き付け時に熱収縮性フィルム4が位置ずれすることはない。
【0052】
図7及び図8に示すように、熱収縮性フィルム4の第2側端部42を巻付終端部として、これを第1側端部41の上に重ね合わせることにより、熱収縮性フィルム4の巻き付け作業が完了する。この第1側端部41と第2側端が重なった部分(以下、重ね合わせ部分という)は、熱収縮性フィルム4の上端から下端まで延びた、帯状の部分である。重ね合わせ部分の幅W(重ね合わせ部分の周方向における長さ)は、熱収縮性フィルム4の一方向の長さに応じて適宜設定できるが、2mm〜15mmが好ましく、さらに、3mm〜10mmがより好ましい。
図8の符号9は、接着剤層を示す。
【0053】
また、熱収縮性フィルム4の前記第2側端部42の内面及び第1側端部41の外面には、何れも接着剤が設けられていないので、前記重ね合わせ部分は、第1側端部41及び第2側端部42が接着することなく、両者が単に重なっているに過ぎない。
【0054】
<収縮工程>
収縮工程は、容器1に巻き付けた熱収縮性フィルム4を加熱して熱収縮させる工程である。
図7及び図8に示すように、前記巻き付けられた熱収縮性フィルム4のうち、容器本体2の周面2aに対応して巻き付けられたフィルム部分6は接着剤を介してその周面2aに接着しているが、キャップ3の周面3aに対応して巻き付けられたフィルム部分及びキャップ3の上面3bから突出したフィルム部分7は、キャップ3に接着しておらず、自由端となっている。
以下、容器本体2の周面2aに巻き付けられたフィルム部分を「本体巻付部6」といい、キャップ3の周面3aに巻き付けられたフィルム部分及びキャップ3の上面3bから突出したフィルム部分を「キャップ巻付部7」という。
【0055】
この熱収縮性フィルム4を加熱すると、キャップ巻付部7が、少なくとも周方向に熱収縮する。しかしながら、前記重ね合わせ部分は非接着なので、熱収縮性フィルム4を熱収縮させると、キャップ巻付部7の重ね合わせ部分74における第1側端部41と第2側端部42が離反して両側端部間に裂け目が生じる(熱収縮により、キャップ巻付部7の重ね合わせ部分74が消滅する)。このようにキャップ3の周面3aに対応する第1側端部41と第2側端部42が離反すると、フィルム4がキャップ3に良好に装着されず、キャップシール機能を有しない。
【0056】
本発明においては、前記重ね合わせ部分74が消滅することなく、キャップ巻付部7をキャップ3に良好に装着するために、キャップ巻付部7の重ね合わせ部分74に治具を当て、前記重ね合わせ部分74をキャップ3の上面3b及び周面3aに沿わせることが特徴である。
そして、この状態で熱収縮性フィルム4を加熱すると、第1側端部41と第2側端部42が殆ど離反せず、重ね合わせ部分74を含むキャップ巻付部7が熱収縮して、それがキャップ3の周面3a及び上面3bの周端部に密着する。
【0057】
具体的には、治具8は、例えば、図9に示すように、キャップ巻付部7の重ね合わせ部分74のキャップ3の周面3aに対応する部分に当てる第1当て面81と、キャップ巻付部7の重ね合わせ部分74のキャップ3の上面3bに対応する部分に当てる第2当て面82と、を有する。
治具8は、容易に変形しない程度の機械的強度を有する形成材料及び厚みで構成されている。
治具8の形成材料としては、特に限定されず、合成樹脂、スポンジなどの発泡樹脂、ゴム、ガラス、陶器、木、金属などが挙げられる。治具8の形成材料としては、熱伝達性の低い材料、例えば、合成樹脂、スポンジなどの発泡樹脂、硬質ゴム、ガラス、陶器、木などの断熱性を有する材料が好ましく、さらに、適度な弾力性を有する発泡樹脂、スポンジなどの発泡樹脂、硬質ゴムがより好ましい。
【0058】
熱伝達性の低い材料から形成された治具8を用いることにより、前記重ね合わせ部分74に熱が伝わりにくく、加熱時に、キャップ巻付部7の第1側端部41と第2側端部42が離反することをより確実に防止できる。また、適度な弾性力を有する材料から形成された治具8を用いることにより、前記重ね合わせ部分74をキャップ3の外面(周面3a及び上面3b)に沿って密着させることができ、加熱後、キャップ巻付部7の重ね合わせ部分74を良好にキャップ3に密着させることができる。
【0059】
治具8の厚みAは、治具8の機械的強度や断熱性などを考慮して適宜設定されるが、例えば、3mm以上であり、より好ましくは5mm以上である。前記厚み以上であれば効果的には変わらないので、治具8の厚みに上限はない。
治具8の幅が余りに長いと重ね合わせ部分74から治具8が大きくはみ出てしまい、キャップ巻付部7の重ね合わせ部分74の両側領域の熱収縮を阻害する虞がある。このような点を考慮すると、治具8の幅Bは、重ね合わせ部分74の幅W(重ね合わせ部分74の周方向における長さ)に対して1.2倍以下が好ましく、1.1倍以下がより好ましい。一方、治具8の幅が余りに短いと、キャップ巻付部7の重ね合わせ部分74が離反するおそれがある。このような点を考慮すると、治具8の幅Bは、重ね合わせ部分74の幅Wに対して0.5倍以上が好ましく、0.7倍以上がより好ましい。
【0060】
本実施形態のキャップ3は、その周面3aが軸方向と平行で且つその上面3bが軸方向と直交している。そのため、前記第1当て面81と第2当て面82が略直交するように配置された治具8が用いられている。
なお、容器1のキャップ3の上面3bが軸方向に対して傾斜している場合には、前記第2当て面82はその傾斜と略平行に第2当て面82に配置された治具8が用いられる。
【0061】
また、本実施形態のキャップ3は、その周面3aが円筒状である。図示例の治具8は、キャップ3の周面3a形状に適合するように、前記第1当て面81が弧状面とされている。第2当て面82についても同様に、キャップ3の上面3b形状に適合するように、平坦面とされている。このように重ね合わせ部分74に対応するキャップ3の周面形状及び上面形状に適合するように、第1当て面81及び第2当て面82が形成された治具8を用いることにより、前記重ね合わせ部分74をキャップ3の外面に沿って密着させることができる。
なお、キャップ3の上面3bが半円球状に形成されている場合には、第2当て面82は、その半円球状に適合するように、弧状面に形成される。
【0062】
もっとも、本発明で使用される治具8は、第1当て面81及び第2当て面82がキャップ3の周面形状及び上面形状に適合するように形成されている場合に限定されず、第1当て面81及び第2当て面82の少なくとも何れか一方がキャップ3の周面形状又は上面形状に適合しているか、或いは、第1当て面81及び第2当て面82の何れもがキャップ3の周面形状及び上面形状に適合していなくてもよい。
【0063】
図10及び図11に示すように、キャップ巻付部7の重ね合わせ部分74のうちキャップ3の周面3aに対応する部分に、前記治具8の第1当て面81を当て、且つ、キャップ巻付部7の重ね合わせ部分74のうちキャップ3の上面3bに対応する部分に、前記治具8の第2当て面82を当てる。このように治具8を当てることにより、キャップ巻付部7の重ね合わせ部分74がキャップ3の周面3a及び上面3bの周端部に沿った状態となる。なお、この際、キャップ巻付部7の重ね合わせ部分74のうちキャップ3の上面3bに対応する部分は、第2当て面82に押さえられているので、キャップ3の上面側へ折れ曲がる。
また、図示したように、キャップ3と容器本体2の間に段差1aを有する容器1の場合には、治具8の下端面83を容器本体2の上面側に当て、キャップ巻付部7の重ね合わせ部分74の下方を前記段差1aに沿わせることが好ましい。
【0064】
この状態で、熱収縮性フィルム4を加熱する。巻き付けられた熱収縮性フィルム4の全体を加熱してもよいし、或いは、キャップ巻付部7を重点的に加熱してもよい。
加熱方法は従来公知の方法を採用でき、例えば、スチーム、熱風などが挙げられる。
スチームを用いる場合には、60℃〜100℃程度のスチームトンネルに、前記治具8を当てた容器1を1秒〜20秒通過させることが好ましい。
熱風を用いる場合には、70℃〜180℃程度の熱風トンネルに、前記治具8を当てた容器1を1秒〜20秒通過させることが好ましい。
【0065】
加熱後、キャップ巻付部7が熱収縮してキャップ3の周面3a及び上面3bの周端部に密着する。
本発明の製造方法によれば、キャップ巻付部7の重ね合わせ部分74が離反することなく、恰も前記重ね合わせ部分74における第1側端部41及び第2側端部42が接着されている如く、前記第1側端部41の上に第2側端部42が重なった状態で、キャップ巻付部7がキャップ3の周面3a及び上面3bの周端部に密着する。かかるキャップ巻付部7は、キャップ3を保護するキャップシールとして機能する。
このようにキャップ巻付部7の重ね合わせ部分74に治具8を当てて加熱すると、キャップ巻付部7がキャップ3の周面3a及び上面3bに良好に装着できる。この原理は明らかでないが、本発明者は、次のように推定している。すなわち、治具8によって重ね合わせ部分74の熱収縮を抑制できること、及び、治具8で押さえられていない部分の周方向の熱収縮は阻害されないこと、に起因して、キャップ巻付部7がキャップ3に良好に装着されるものと推定する。
【0066】
なお、本体巻付部6は接着剤にて容器本体2に接着されているので、本体巻付部6の第2側端部42を除いて、本体巻付部6は実質的に熱収縮しない。本体巻付部6の第2側端部42は周方向に収縮するが、その第2側端部42が重なった第1側端部41は、容器本体2に接着されているので、収縮しない。このため、本体巻付部6が容器本体2から剥がれて容器本体2の周面2aが露出するようなことはない。
【0067】
そして、容器本体2の下端の開口部22から容器本体2内に充填物を入れた後、容器本体2の下端部を扁平状にし、その下端部を軸方向と直交する方向に線状に熱溶着することにより、図12乃至図14に示すような封緘キャップ容器10が得られる。
【0068】
<封緘キャップ容器>
図12乃至図14に示すように、本発明の封緘キャップ容器10は、容器本体2及びキャップ3を有する容器1と、前記容器本体2の周面2a及びキャップ3の周面3aに巻き付けられたフィルムと、を有する。このフィルムは1つの熱収縮性フィルム4から構成されている。
このフィルム4の上端部43は前記キャップ3の上面3bの周端部に沿うように折れ曲がり且つフィルムの第1側端部41の上に第2側端部42が重ね合わされており、前記キャップ3に巻き付けられた部分におけるフィルムの第1側端部41と第2側端部42(つまり、キャップ巻付部7の重ね合わせ部分74)が非接着とされている。
【0069】
また、容器本体2に巻き付けられた部分におけるフィルムの第1側端部41と第2側端部42(つまり、本体巻付部6の重ね合わせ部分64)も同様に非接着とされている。
これらの重ね合わせ部分64,74は、何れも接着されておらず、第1側端部41と第2側端部42が重なっているだけであるが、無理に捲るような行為をしない限り、第2側端部42は第1側端部41の上に接している。
特に、キャップ巻付部7の上端部43(重ね合わせ部分74の上端部43を含むキャップ巻付部7の上端部43)は、収縮によりキャップ3の上面3b側に折れ曲がっているので、その重ね合わせ部分74における第1側端部41と第2側端部42は、簡単には離反しない。かかるキャップ巻付部7は、キャップ3を保護するキャップシールとして機能する。
【0070】
また、前記フィルム4の面内であって、キャップ3の下端又はその近傍に対応する位置に、ミシン目51が形成されている。つまり、上記封緘キャップ容器10は、キャップ巻付部7と本体巻付部6の境界に、周方向に延びるミシン目51が位置している。
【0071】
上記封緘キャップ容器10は、キャップ巻付部7における重ね合わせ部分74が非接着なので、キャップ巻付部7の第2側端部42の上端角部に爪を入れ、第2側端部42のみを周方向に引き出すことにより、ミシン目51に従ってキャップ巻付部7を本体巻付部6から切り離すことができる。キャップ巻付部7を切り離すことにより、キャップ3を開封でき、充填物の取り出しが可能となる。
また、容器本体2の周面2aにはフィルムからなる本体巻付部6が接着されているので、チューブ型容器から充填物を搾り出す際に、前記フィルムが容器本体2の変形に追従する。このため、本体巻付部6に施されたデザインに皺が生じることなく、良好な外観が保たれる。
【0072】
<第1実施形態の変形例>
上記第1実施形態の製造方法及び封緘キャップ容器10において、熱収縮性フィルム4には周方向に延びるミシン目51が形成されているが、この周方向のミシン目51が形成されていなくてもよい。
熱収縮性フィルム4として周方向に引裂き性を有する熱収縮性フィルム4を用いることにより、前記ミシン目51がなくても、概ねキャップ巻付部7と本体巻付部6の境界において、キャップ巻付部7(キャップシール)のみを切り取ることができる。
【0073】
上記第1実施形態の製造方法及び封緘キャップ容器10において、巻き付けられた熱収縮性フィルム4の重ね合わせ部分74は非接着であるため、キャップ巻付部7を本体巻付部6から切り離すことができるという利点がある。他方、重ね合わせ部分74の全体が非接着であるが故に、悪意者が第2側端部42を捲るような行為をした場合には、重ね合わせ部分74が離反するおそれがある。
このため、例えば、上記フィルム巻き付け工程の後且つ収縮工程の前に、キャップ3の上面3bから突出させた熱収縮性フィルム4の上端部43における、第1側端部41と第2側端部42とを部分接着(例えば、超音波シールやヒートシール等)しておいてもよい。このように熱収縮後にキャップ3の上面側へ折れ曲がる前記熱収縮性フィルム4の上端部43を部分的に接着することにより、悪戯で捲られ難くなり、又、キャップ3の周面3aに装着されたキャップ巻付部7における第1側端部41と第2側端部42は非接着であるため、この間に爪を入れてキャップ巻付部7を本体巻付部6から切り離すことができる。
【0074】
また、上記第1実施形態の製造方法及び封緘キャップ容器10において、巻き付けられた熱収縮性フィルム4の重ね合わせ部分64,74は非接着であったが、その重ね合わせ部分64,74の少なくとも何れか一方が接着剤を介して接着されていてもよい。
重ね合わせ部分64,74(第1側端部41の外面と第2側端部42の内面)を接着する場合、図15に示すように、第2側端部42の内面に接着剤(好ましくは感熱接着剤)が帯状に塗布された熱収縮性フィルム4を用い、それを上記第1実施形態の巻き付け工程に従って容器1の周囲に巻き付けた後、加熱すればよい。
【0075】
得られた封緘キャップ容器10は、本体巻付部6の重ね合わせ部分64が接着されているので、本体巻付部6の第2側端部42が不用意に捲れることを防止できる。また、外観的にも好ましい封緘キャップ容器10を提供できる。
さらに、上記接着剤を用いた接着に限られず、例えば、本体巻付部6の第2側端部42の内面と第1側端部41の外面とを、ヒートシールバーを押し当てて熱溶着してもよい。特に、重ね合わせ部分64に対応する容器本体2の外面が平滑な曲面又は平面である場合には、ヒートシールバー等を均一に押し当てることができる。
【0076】
また、重ね合わせ部分74が接着された封緘キャップ容器10は、その開封時に、上述のようなキャップ巻付部7の第2側端部42の上端角部を摘んで引き出すことが困難である。
このため、図15に示すように、フィルム4の上端から周方向のミシン目51まで(周方向のミシン目51が形成されていないときには、キャップ巻付部7と本体巻付部6の境界まで)、縦方向に延びる1本又は2本以上のミシン目52を形成しておくことが好ましい。
【0077】
[第2実施形態]
第2実施形態に係る封緘キャップ容器の製造方法は、大別して、熱収縮性フィルムに接着剤を塗布する工程と、容器に熱収縮性フィルムを巻き付ける工程と、熱収縮性フィルムを収縮させる工程と、を有する。
以下、本発明の第2実施形態の製造方法について説明するが、上記第1実施形態と同様な構成及び効果については、その説明を省略し、用語及び符号をそのまま援用する場合がある。
【0078】
<容器及び熱収縮性フィルム>
容器1及び熱収縮性フィルム4は、上記第1実施形態と同様なものを使用できる。
【0079】
<接着剤塗布工程>
第2実施形態の接着剤塗布工程は、上記熱収縮性フィルム4の内面の一部分に接着剤を塗布する工程である。
接着剤は、フィルム装着ラインにおいて熱収縮性フィルム4に塗布してもよいし、或いは、フィルム装着ラインに供給する前の、熱収縮性フィルム4を製造する段階で塗布してもよい。接着剤塗布工程とフィルム巻き付け工程とを分離できることから、熱収縮性フィルム4の製造段階で、予め接着剤を熱収縮性フィルム4に塗布しておくことが好ましい。
接着剤は、上記第1実施形態で例示したものを使用できる。熱収縮性フィルム4に予め接着剤を塗布する場合には、感熱接着剤を用いることが好ましい。
【0080】
接着剤は、熱収縮性フィルム4の内面のうち、容器本体2に巻き付けられる部分に塗布される。一方向にミシン目51が形成されている熱収縮性フィルム4については、図16に示すように、そのミシン目51から熱収縮性フィルム4の下端までの領域である。接着剤は、通常、前記領域の全体にベタに塗布されるが、その領域の全体に無数の点状、網目状に塗布してもよい。
【0081】
<接着剤活性化工程>
接着剤活性化工程は、前記熱収縮性フィルム4に塗布された接着剤を粘着可能な状態に活性化する工程である。
この工程は、第1実施形態と同様に、必要に応じて行われる。
【0082】
<フィルム巻き付け工程>
フィルム巻き付け工程は、前記容器1の周囲に熱収縮性フィルム4を巻き付ける工程である。
この工程は、第1実施形態と同様にして行えばよいが、第2実施形態では熱収縮性フィルム4に接着剤が塗布されているので、その接着剤塗布領域が容器本体2の周面2aに対応するように位置合わせして、熱収縮性フィルム4を巻き付ける。
また、第2実施形態の熱収縮性フィルム4は、本体巻付部6における第2側端部42の内面にも接着剤が塗布されているので、熱収縮性フィルム4を容器1の周囲に巻き付けると、本体巻付部6の重ね合わせ部分64が接着する。
【0083】
<収縮工程>
収縮工程は、容器1に巻き付けた熱収縮性フィルム4を加熱して熱収縮させる工程である。
この工程は、第1実施形態と同様にして行われる。
【0084】
<封緘キャップ容器>
第2実施形態の封緘キャップ容器10は、キャップ巻付部7の重ね合わせ部分74が非接着とされ、且つ本体巻付部6の重ね合わせ部分64が接着されている。
このため、キャップ巻付部7(キャップシール)を容易に開封できる上、本体巻付部6の第2側端部42の不用意に捲れを防止できる。
【0085】
<第2実施形態の変形例>
上記第2実施形態の製造方法及び封緘キャップ容器10において、熱収縮性フィルム4には周方向に延びるミシン目51が形成されているが、この周方向のミシン目51が形成されていなくてもよい。
【0086】
また、上記第2実施形態の製造方法及び封緘キャップ容器10において、キャップ巻付部7の重ね合わせ部分74は非接着であったが、その重ね合わせ部分74の上端部43又は全体が接着されていてもよい。
重ね合わせ部分74の上端部43が接着されている封緘キャップ容器10は、例えば、上記第1実施形態の変形例で説明したように、キャップ3の上面3bから突出させた熱収縮性フィルム4の上端部43における、第1側端部41と第2側端部42とを部分接着(例えば、超音波シールやヒートシール等)しておくことが挙げられる。
また、重ね合わせ部分74の上端部43が接着されている封緘キャップ容器10は、例えば、図17に示すように、本体巻付部6だけでなく、キャップ巻付部7に対応する第2側端部42の上端部43の内面にも接着剤が帯状に塗布された熱収縮性フィルム4を用いて、上記第2実施形態の製造方法に従い、これを巻き付けて熱収縮させることによって、得ることもできる。
【0087】
一方、キャップ巻付部7の重ね合わせ部分74の全体が接着されている封緘キャップ容器10は、図18に示すように、さらに、キャップ巻付部7に対応する第2側端部42の内面全体に接着剤が帯状に塗布された熱収縮性フィルム4を用いればよい。この場合には、上記第1実施形態の変形例と同様に、フィルム4の上端から周方向のミシン目51まで(周方向のミシン目51が形成されていないときには、キャップ巻付部7と本体巻付部6の境界まで)、縦方向に延びる1本又は2本以上のミシン目52を形成しておくことが好ましい。
また、重ね合わせ部分74の全体が接着されている封緘キャップ容器10は、上記接着剤の塗布に限らず、例えば、第1側端部41の内側に熱受け板等を挿入し、重ね合わせ部分74の外側からヒートシールバーを押し当てて熱溶着することによって、得ることもできる。
【0088】
[他の実施形態]
上記第1及び第2実施形態の各収縮工程においては、キャップ巻付部7の重ね合わせ部分74の第2側端部42の外面に、治具8の第1当て面81を当てた状態で、熱収縮性フィルム4を加熱しているが、このキャップ巻付部7の重ね合わせ部分74の第1側端部41と第2側端部42の間に、板部材を介在させた状態で、前記のように第2側端部42の外面に治具8の第1当て面81を当て、熱収縮性フィルム4を加熱してもよい。
このように板部材を介在させることによって、熱収縮後の重ね合わせ部分74における第2側端部42が第1側端部41に対して僅かに浮き上がった収縮仕上がりとなる。このため、キャップ巻付部7における第1側端部41と第2側端部42の間に隙間が生じ、この隙間に爪を入れてその第2側端部42を捲り、キャップ巻付部7を容易に切り離すことができる。
【0089】
板部材の肉厚は、特に限定されないが、これが余りに分厚いと、重ね合わせ部分74における第2側端部42が歪に盛り上がって外観的に好ましくなく、一方、これが余りに薄いと、上記効果を奏しないおそれがある。かかる点から、板部材の肉厚は、0.5mm〜3mmが好ましく、さらに、1mm〜2mmがより好ましい。
板部材は、上記治具8と別体でも良いし、治具8と一体的に設けられていてもよい。板部材が別体である場合には、通常、板部材を重ね合わせ部分74の第1側端部41と第2側端部42の間に挿入した後、その第2側端部42の外面に治具8の第1当て面81を当てる。
板部材と治具8が一体的である場合には、板部材の挿入と治具8の押し当てを同時に行う。
【0090】
図19は、板部材が一体的に設けられた治具8の一例を示す。
図19において、治具8は、上記第1実施形態で説明したような構造であり、第1当て面81と、第2当て面82と、を有する。
第1当て面81に対面し且つ第1当て面81と間隔を開けて、板部材89が設けられている。
【0091】
板部材89と第1当て面81との間隔は、両者の間に熱収縮性フィルム4の第2側端部42を挟むように挿入脱可能な間隔であればよいが、できるだけ狭いことが好ましい。前記間隔は、熱収縮性フィルム4の厚みよりも僅かに大きいことが好ましい。
板部材89の一端は、治具8の第1当て面81を構成する起立部85の側面から延設されたアーム部86に固着されている。板部材89の他端(先端)は、自由端とされており、板部材89の先端から第2側端部42へ挿入し、板部材89を第1側面部41と第2側面部42の間に介在させることができる。
【0092】
板部材89の両面は、第1当て面81と略平行な面であることが好ましく、例えば、第1当て面81が弧状面とされている場合には、板部材89の両面も弧状面とされていることが好ましい。
板部材89の材質は、特に限定されず、上記第1実施形態の治具8の材質として例示したようなものを用いることができる。好ましくは、板部材89は、治具8と同じ材質で形成される。
なお、アーム部86は、板バネの如く、弾性力を有することが好ましい。板部材89を第1側端部41と第2側端部42の間に介在させた状態で、治具8を第2側端部42側へと押圧することにより、アーム部86が適宜変形して、板部材89と治具8の第1当て面81の間隔を狭めることができる。
【0093】
また、上記第1及び第2実施形態では、容器としてチューブ型容器1を具体的に例示したが、本発明の製造方法及び封緘キャップ容器10に使用される容器は、チューブ型容器1に限られない。
本発明は、例えば、飲料などを入れたボトル型容器、整髪料などを入れたスプレー式容器などの様々な容器に適用できる。
【符号の説明】
【0094】
1…容器、2…容器本体、2a…容器本体の周面、3…キャップ、3a…キャップの周面、3b…キャップの上面、4…熱収縮性フィルム、41…フィルムの第1側端部、42…フィルムの第2側端部、51…ミシン目、6…容器本体の周面に巻き付けられたフィルム部分(本体巻付部)、7…キャップの周面に巻き付けられたフィルム部分(キャップ巻付部)、74…キャップ巻付部の重ね合わせ部分、8…治具、89…板部材、10…封緘キャップ容器
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器本体とキャップを有する容器の前記容器本体の周面に、接着剤を塗布する工程、
前記接着剤が塗布された容器本体の周面及び前記キャップの周面に、熱収縮性フィルムを、その熱収縮性フィルムの上端部が前記キャップの上面よりも上方に突出し且つ熱収縮性フィルムの第1側端部の上に第2側端部が重なるように、巻き付ける工程、
前記キャップの周面に巻き付けられたフィルム部分の、第1側端部と第2側端部の重ね合わせ部分に治具を当て、前記重ね合わせ部分をキャップの上面及び周面に沿わせた状態で、前記熱収縮性フィルムを加熱する工程、を有する、封緘キャップ容器の製造方法。
【請求項2】
容器本体とキャップを有する容器に巻き付けられる熱収縮性フィルムの前記容器本体の周面に巻き付けられる領域に、接着剤を塗布する工程、
前記熱収縮性フィルムの接着剤塗布領域が前記容器の容器本体の周面に対応するように位置合わせし、前記容器本体の周面及び前記キャップの周面に、前記熱収縮性フィルムを、その熱収縮性フィルムの上端部が前記キャップの上面よりも上方に突出し且つ熱収縮性フィルムの第1側端部の上に第2側端部が重なるように、巻き付ける工程、
前記キャップの周面に巻き付けられたフィルム部分の、第1側端部と第2側端部の重ね合わせ部分に治具を当て、前記重ね合わせ部分をキャップの上面及び周面に沿わせた状態で、前記熱収縮性フィルムを加熱する工程、を有する、封緘キャップ容器の製造方法。
【請求項3】
前記キャップの周面に巻き付けられたフィルム部分の第1側端部と第2側端部との間に板部材を介在させた状態で、前記第1側端部と第2側端部の重ね合わせ部分に治具を当てる、請求項1又は2に記載の封緘キャップの製造方法。
【請求項4】
容器本体とキャップを有する容器と、前記容器本体の周面及びキャップの周面に巻き付けられたフィルムと、を有し、
前記フィルムが1つの熱収縮性フィルムから構成されており、
前記フィルムの上端部が前記キャップの上面周端部に沿うように折れ曲がり且つフィルムの第1側端部の上に第2側端部が重ね合わされており、
前記キャップに巻き付けられた部分におけるフィルムの第1側端部と第2側端部が非接着とされている、封緘キャップ容器。
【請求項5】
前記フィルムには、前記キャップの下端又はその近傍に対応する位置に、ミシン目が形成されている、請求項4に記載の封緘キャップ容器。
【請求項1】
容器本体とキャップを有する容器の前記容器本体の周面に、接着剤を塗布する工程、
前記接着剤が塗布された容器本体の周面及び前記キャップの周面に、熱収縮性フィルムを、その熱収縮性フィルムの上端部が前記キャップの上面よりも上方に突出し且つ熱収縮性フィルムの第1側端部の上に第2側端部が重なるように、巻き付ける工程、
前記キャップの周面に巻き付けられたフィルム部分の、第1側端部と第2側端部の重ね合わせ部分に治具を当て、前記重ね合わせ部分をキャップの上面及び周面に沿わせた状態で、前記熱収縮性フィルムを加熱する工程、を有する、封緘キャップ容器の製造方法。
【請求項2】
容器本体とキャップを有する容器に巻き付けられる熱収縮性フィルムの前記容器本体の周面に巻き付けられる領域に、接着剤を塗布する工程、
前記熱収縮性フィルムの接着剤塗布領域が前記容器の容器本体の周面に対応するように位置合わせし、前記容器本体の周面及び前記キャップの周面に、前記熱収縮性フィルムを、その熱収縮性フィルムの上端部が前記キャップの上面よりも上方に突出し且つ熱収縮性フィルムの第1側端部の上に第2側端部が重なるように、巻き付ける工程、
前記キャップの周面に巻き付けられたフィルム部分の、第1側端部と第2側端部の重ね合わせ部分に治具を当て、前記重ね合わせ部分をキャップの上面及び周面に沿わせた状態で、前記熱収縮性フィルムを加熱する工程、を有する、封緘キャップ容器の製造方法。
【請求項3】
前記キャップの周面に巻き付けられたフィルム部分の第1側端部と第2側端部との間に板部材を介在させた状態で、前記第1側端部と第2側端部の重ね合わせ部分に治具を当てる、請求項1又は2に記載の封緘キャップの製造方法。
【請求項4】
容器本体とキャップを有する容器と、前記容器本体の周面及びキャップの周面に巻き付けられたフィルムと、を有し、
前記フィルムが1つの熱収縮性フィルムから構成されており、
前記フィルムの上端部が前記キャップの上面周端部に沿うように折れ曲がり且つフィルムの第1側端部の上に第2側端部が重ね合わされており、
前記キャップに巻き付けられた部分におけるフィルムの第1側端部と第2側端部が非接着とされている、封緘キャップ容器。
【請求項5】
前記フィルムには、前記キャップの下端又はその近傍に対応する位置に、ミシン目が形成されている、請求項4に記載の封緘キャップ容器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2013−6612(P2013−6612A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−140328(P2011−140328)
【出願日】平成23年6月24日(2011.6.24)
【出願人】(000238005)株式会社フジシールインターナショナル (641)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月24日(2011.6.24)
【出願人】(000238005)株式会社フジシールインターナショナル (641)
【Fターム(参考)】
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