説明

特に女性用のパンティなどの下着

【課題】
従来技術の欠点を回避する縁固定を作る可能性をもたらすことである。
【解決手段】
各場合において縁取り(5,7)が、二層を有する平坦な管状弾性バンド(13)から構成され、接着層(14)によって体に面している下着の生地材料(10)の左側(12)に固定されることを特徴とする、ウエストバンド及び足開口部において縁取りを有する生地材料のブランクで作られた、特に女性用のパンティなどの下着によって解決される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウエストバンド及び足開口部において縁取りを備えた生地材料から切り取られたブランクから作られた下着、例えば、特に女性用のパンティに関連している。
【背景技術】
【0002】
この種類の下着、例えばパンティは通常、生地材料から切り取られたワンピース又はマルチピースのブランクを有し、ブランクの縁は、特に上部縁いわゆるウエストバンド及び足開口部において縁取りをされなければならない。これら縁取り、例えば縫い目は、ほつれに耐え得る完成された縁をもたらすためにだけではなく、体に対するパンティの伸縮性のあるフィッティングを成すためにも必須である。
【0003】
この種類の公知の縁取りは、縁を折り込み且つ伸縮性のある(弾性)バンドを取り付けることによって成され、部品の接合は通常、糸で作られた縫い目を用いることによって生じる。縫われた縫い目を備えた縁折込は、これらの領域において特にぴったり合った衣服下で目立ち得るような、材料の厚みを増すだけでなく、しばしば皮膚刺激をもたらす。糸が食い込み得る、より厚いバンドが用いられる場合、縁固定はぴったり合った衣服下でなおさら目立つ。
【0004】
このような縁取りの厄介な厚みを抑えるために、折り込むことなく、単に生地材料に弾性バンドを接着又は溶接することによって縁取りを成すことも知られている。この場合、しかしながら生地ブランクの未加工縁はみっともなく見える。折ることによって未加工縁を避けるという試みが成される場合、再び縁厚みの増加が、ぴったり合った衣服下での望まない縫い目の目立ちという結果をもたらすことになる。
【0005】
加えて、特にウエストバンドは弾性バンドの接着又は溶接でのその幅のために、パンティを装着した場合に断面湾曲を被る傾向があるということが不利益としてしばしば認められている、というのは円周方向における応力が、弾性バンドの長軸の領域において体表面にいくらか深く弾性材料を食い込ませる原因となるからである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この背景に対し、本発明は上記欠点が除かれるような、上記種類の縁固定を実現することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によると、この課題は請求項1に明記された特徴を備えた下着によって成し遂げられる。
【0008】
そのような下着に縁取りを作るためのプロセスが、請求項8の客体である。
【0009】
更なる有利な改良は、従属請求項から理解され得る。
【0010】
本発明の基本概念は、そのような下着にウエストバンド又は足開口部において縁取りを完成するために、接着層を介して体に面している下着の生地材料の側に固定された、平坦な管状弾性バンドを用いることによって構成される。管状弾性バンドが、この(材料)に隣接するその外側層のみを介して接着層によって生地材料に接合され、且つ体から隔たっているということが、このプロセスにおける特に利点である。
【0011】
個々の部品を接合するための接着層の使用によって、糸で縫われた縫い目無しで済ますことが可能となり、それによっていかなる皮膚刺激をも回避され得る。部品の相互接合は、溶接された縫い目、特に超音波溶接によって成し遂げられ得る。
【0012】
接着層による管状弾性バンドと生地材料との表面接合は、体から離れ、且つ生地材料に隣接した外側層間でのみ生じるということが、本発明の本質である。このことは、弾性バンドの管状構造がその最終段階において保持され、それによって下着が装着される場合に、せいぜい体に隣接する管状弾性バンドの内側層が横方向(短軸方向)において湾曲することによって体にフィットし、一方で接着層を介して生地材料と接合されている管状弾性バンドの外側層は、平坦なままであるという事実をもたらす。よって、外側からはいかなる締め付けも認識されない。
【0013】
接合の際、管状弾性バンドの実際に外側層だけがブランクの生地材料と接合されることを確保するために、管状バンドのこの外側層をより高密度の構造体とすることが有利であり、それによって接着剤の浸透を回避する。次に、体に隣接している内側層は、幾分密でなく作られ得、そうすることによってそれは肌に対して穏やかにかかる。
【0014】
本発明の更なる目的は、請求項8に従って上記タイプの下着において縁取りを作るためのプロセスである。
【0015】
このプロセス、即ち、接合されるべき部品の配列、いわゆる接着層、特に接着ストリップを備えた管状弾性バンドと、ブランクの生地材料との縁が合わせられた後、溶接縫い目、特に超音波溶接縫い目を介した接合が実施され、且つ最終段階に必要である内側位置にこの溶接縫い目を包み込んで接着ストリップと共に管状弾性バンドが折られることによって、完全に滑らかな下着の外観が縁取りにおいて成し遂げられ、且つ、総合的に非常に平坦な外観であって、ぴったり合った衣服下ですら目立たない。
【0016】
それらによって成し遂げられる本発明の更なる特徴及び利点は、図中で例示される実施形態の以下の記載から明らかとなるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
図を基に本発明は、女性用下着パンティの実施例を用いて説明されるが、しかしそのような女性用下着に制限されるべき、本発明の用途範囲は記載されていない。しかしながら、本発明に係る下着の縁取りはまた、同様に男性及び子供用下着の品目においても共通の用途として応用され得る。
【0018】
図1の前面図中に示されるように、パンティ1は、前部分2及び後部分3を有している。有利には、上記二つの部分が適切な生地材料で作られた一重のブランクから構成されており、上記ブランクの二つの末端は図示されていない後部縫い目(バックシーム、back seam)において互いに接合される。パンティ1の上部縁4におけるものは、ウエストバンド5の形状をした縁取りであり、同様に足開口部6が縁取り7によって固定されている。ガセット(三角布、gusset)8の領域におけるものは、後部領域のものと類似の縫い目である。これらは本発明の目的ではない。
【0019】
ウエストバンド5及び足開口部6における縁取りが詳細図Aに示されている一方で、図2は図1中の線II〜IIに沿ってウエストバンド5を通る断面図を示す。パンティ1の外側におけるものは、ブランクを形成している生地材料10であって、その右側11は体と面していない外側を形成し、左側12は体に面している内側を形成する。ウエストバンド5はそれ自身が平坦な、管状弾性バンド13によって形成されており、その外側層13aは例えば接着ストリップである接着層14によって生地材料10と接合される。内側層13bは体に隣接している。縁折り目15は、少なくとも外側へ向かって溶接縫い目16を覆い、それによって弾性バンド13が生地材料10の外側縁と接合される。ウエストバンド5における縁取りの本実施形態が作り出される方法は、図3に基づいて以下に記載される。
【0020】
図3は多くの処理工程の断面図であり、本発明に係るパンティにおける縁デザインの製造手順を示す。
【0021】
図3のaは第一工程であり、後にバンド13を生地材料10と接合するための接着層14を形成する感熱性接着剤を備えた接着ストリップ17が、どのようにして平坦な管状弾性バンド13に取り付けられるのかを表している。一方で管状弾性バンド13は、単層の延長部分18を有しており、以下に説明されるように、取り扱いを容易にするために用いられる。
【0022】
図3のbに示すように、更なる処理工程において、単層突起物18を備えた弾性管状バンド13と接着ストリップ17との組み合わせ(物)が、特に弾性バンド13の右側が生地材料10の右側11上にあるように、ブランクの生地材料10上に置かれる。
【0023】
製造における本質的な工程を図3のcに示す。この図は、接触する材料が、つまり、生地材料10、管状バンド13及び接着ストリップ17が、例えば管状バンド13の二層領域が例えば超音波溶接などの溶接縫い目16によって単層領域18に移る点で互いにどのように接合されるのか、ということを表している。次に、溶接縫い目16を越えて突き出ている長さlの縁領域19は、切断縁20に沿って除去される。
【0024】
管状弾性バンド13を接着ストリップ17で包むことにより、矢印21及び22で示されるように、図3のdに示されるような状況が成し遂げられ、接着ストリップ17と接触している管状弾性バンド13は生地材料10の下にある、言い換えると、可視側を形成している生地材料10の内側にある。この処理において、接着ストリップ17は管状弾性バンド13とブランクの生地材料10との間に存在する。
【0025】
この状態において接着ストリップ17上に配置された接着層14は活性化され、それによって図3のeに示されるような最終段階が成し遂げられる。圧力及び/又は熱を加えることによる接着剤の活性化において、隣接した部品間の強力な接着が生じる。ここで、体にフィットする際にいかなるくぼみにも追随するために、管状弾性バンド13の内側層13bが自由である一方で、管状弾性バンド13の外側層13aが、生地材料10の左側12を備えた接着層14の上にどのようにして接合されるのかを見ることができる。
【0026】
この接合において、活性化及び内側層13bを固定する際に接着剤が外側層13aを通り抜けることを防ぐために、管状弾性バンド13の外側層13aを幾らか密な構造の生地又はメリヤス生地によって作ることが適当であるかもしれないということも強調されるべきである。その場合、内側層13bは、いかなる皮膚刺激をも防止するために、より薄い、より目の開いた、且つ従ってより柔らかな生地又はメリヤス生地を有していても良い。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明に係るパンティの前面図である。
【図2】ウエストバンドの領域における縁取りを通る断面図である。
【図3】a〜eは、図2に匹敵する、本発明に係る縁取り作成における連続した作業工程の断面図である。
【符号の説明】
【0028】
1 パンティ
2 前部分
3 後部分
4 上部縁
5 ウエストバンド
6 足開口部
7 縁取り
8 ガセット
9 −
10 生地材料
11 10の右側
12 10の左側
13 弾性バンド
13a 13の外側層
13b 13の内側層
14 接着層
15 縁折り目
16 溶接縫い目
17 接着ストリップ
18 単層延長部分
19 縁領域
20 切断縁
21 矢印
22 矢印

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウエストバンド及び足開口部に縁取りを有する生地材料のブランクで作られた下着、例えば特に女性用のパンティにおいて、
各場合の縁取り(5,7)が、体に面している下着の生地材料(10)の左側(12)に接着層(14)によって固定された、二層を有する平坦な管状弾性バンド(13)を含むことを特徴とする、下着。
【請求項2】
管状弾性バンド(13)が、体から隔たった外側層(13a)のみで接着層(14)によって生地材料(10)と接合されることを特徴とする、請求項1に記載の下着。
【請求項3】
接着層(14)に面している管状弾性バンド(13)の外側層(13a)が、体に面している内側層(13b)よりも高密度の構造を有していることを特徴とする、請求項1又は2に記載の下着。
【請求項4】
接着層(14)が、圧力及び/又は熱を加えることによって活性化し得る感熱性材料を有していることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の下着。
【請求項5】
接着層がブランクの縁領域に直接、例えばスプレー、圧延又は印刷処理によってつけられることを特徴とする、請求項4に記載の下着。
【請求項6】
管状弾性バンド(13)と生地材料(10)との間に、それらを互いに接合するために置かれた接着ストリップ(17)に、接着層(14)が当てはまることを特徴とする、請求項4に記載の下着。
【請求項7】
管状弾性バンド(13)が、ブランクの自由端で溶接縫い目(16)によってブランクの生地材料(10)に固定されることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の下着。
【請求項8】
以下のa)〜f)の特徴、即ち
a)一方で平坦な管状領域を有し、この傍らに単層領域(18)を有している弾性バンド(13)に、例えば接着ストリップ(17)のような接着層(14)が取り付けられること、
b)接着層(14)を備えた弾性バンド(13)が、ブランクの生地材料(10)の右側(11)の縁領域に、弾性バンド(13)の単層領域(18)の縁が生地材料(10)の縁と本質的に境を接するように置かれていること、
c)接着層(14)を備えた弾性バンド(13)が、単層領域(18)へ移行する管状領域の点において、縫い目(16)によって生地材料(10)と接合されていること、
d)縫い目(16)の外側に位置したブランクの縁領域(20)及び弾性バンド(13)の単層領域(18)が除去されること、
e)接着層(14)を備えた弾性バンド(13)の管状領域が、縫い目(16)を包み、それによって接着層(14)がブランクの生地材料(10)の左側(12)に隣接して配置されること、及び
f)接着層(14)の活性化により、ブランクの生地材料(10)の左側(12)に隣接する弾性バンド(13)の管状領域の外側層(13a)が、ブランクの材料(10)と接合されること、によって特徴付けられる請求項1〜7のいずれか一項に記載の縁を製造するためのプロセス。
【請求項9】
接合縫い目(16)が、特に超音波溶接による溶接縫い目として作られることを特徴とする、請求項8に記載のプロセス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−274531(P2008−274531A)
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−115469(P2008−115469)
【出願日】平成20年4月25日(2008.4.25)
【出願人】(508123319)トリンフ インタートレード アーゲー (16)
【Fターム(参考)】