説明

連結コンテナ及び当該連結コンテナを用いた輸送方法

【課題】簡易な手段により、貨物の搬入搬出を容易に行うことができる連結コンテナを提供すること。
【解決手段】連結コンテナ1は、互いに対向する略長方形状の上面10a及び下面10bと、上面10a及び下面10bの短辺方向に伸び且つ互いに対向する第一及び第二の端面10c,10dと、上面10a及び下面10bの長辺方向に伸び且つ互いに対向する第一及び第二の側面10e,10fとをそれぞれ有する2つの20FTコンテナ10と、2つの20FTコンテナ10を上面10a及び下面10bの長辺方向に連結する4つの連結具20とを備えている。そして、20FTコンテナ10は、第一の側面10eに略全面が開閉可能な観音開き式の扉12,13を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、連結コンテナ及び当該連結コンテナを用いた輸送方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
船舶などによる海上輸送に供される輸送用コンテナとして、ISO規格668で規定されている、長さが40フィート(約12m)、幅が8フィート(約2.4m)、高さが9フィート6インチ(約2.9m)の直方体形状のコンテナ(以下「40FTコンテナ」とも記す)が広く用いられている(例えば特許文献1の図3参照)。この40FTコンテナは、一般的に、直方体の端面(幅×高さによって画定される面)の一方に扉が形成されており、この扉を開閉させることによって、コンテナ内への貨物の搬入搬出を行うことができるようになっている。
【0003】
40FTコンテナは、船舶により海上を輸送された後、湾岸で船舶から積み降ろさせると、コンテナ用のトレーラに搭載され、陸上輸送に供されるようになる(特許文献2参照)。ところで、40FTコンテナは陸上輸送用としてはシャーシの構造やその寸法により、そのままトレーラに搭載されてしまうと、車高規制上の問題が発生する場合がある。そこで、例えば40FTコンテナの下面にグースネックトンネル(特許文献2の図4の符号27)を設け、グースネックトンネルがトレーラ側の連結部(突起)を覆うように40FTコンテナを搭載することにより、40FTコンテナを搭載したトレーラ全体としての車高を抑える構成になっている。なお、このグースネックトンネル等の寸法は、ISO規格1496−1等で規定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−217191号公報
【特許文献2】特開2009−090716号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような40FTコンテナを湾岸で積み降ろしした際やトレーラで輸送した際、40FTコンテナ内の貨物を必要に応じて容易に個別に出し入れできることが望まれている。しかしながら、40FTコンテナの端面に設けられた扉をその都度開閉しての搬入搬出だと、例えば、奥の方に配置された貨物を取り出すためには、フォークリフトがコンテナ内に進入しなければならない為、トレーラに搭載した状態のコンテナでは、これと同じ高さのプラットフォームやスロープを設置するなどしてフォークリフトの進入路を確保するか、又は、手押し車などで端面に設けられた扉口まで移動せざるを得ないといったように、搬入搬出の手間が比較的かかってしまうといった問題があった。
【0006】
そこで、貨物の搬入搬出性を向上させようとすると、例えば40FTコンテナの側面に略全面が開口する観音開き式の扉を設けることを想到することができる。ところが、このような扉を設けた場合、それぞれの扉の長さが約6m(40フィートの半分)となり、その縦横比が約1:2といったような細長形状の扉になってしまい、しかも、かなり重い扉となってしまうことから、そのままでは、扉の自重が特定の箇所に集中し、コンテナを継続的に使用する場合に扉の開閉機能が損なわれてしまうといった虞があった。
【0007】
一方、扉の開閉機能を損なわずに40FTコンテナの側面に略全面が開口する扉を設けようとすると、40FTコンテナの下面の床や長手方向の梁の高さを従来よりもかなり厚くするといったような特殊な設計をコンテナに施さなければならないといった問題もあった。そこで、簡易な手段により、貨物の搬入搬出を容易に行うことができる輸送用コンテナの登場が望まれていた。
【0008】
本発明は、簡易な手段により、貨物の搬入搬出を容易に行うことができる、輸送用の連結コンテナ及び当該連結コンテナを用いた輸送方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明に係る連結コンテナは、互いに対向する略長方形状の上面及び下面と、上面及び下面の短辺方向に伸び且つ互いに対向する第一及び第二の端面と、上面及び下面の長辺方向に伸び且つ互いに対向する第一及び第二の側面とをそれぞれ有する少なくとも2つの分離コンテナと、分離コンテナを上面及び下面の長辺方向に連結する連結具と、を備え、分離コンテナは、第一及び第二の側面の少なくとも一方に略全面が開閉可能な扉を有していることを特徴としている。
【0010】
本発明に係る連結コンテナは、少なくとも2つの分離コンテナを上面及び下面の長辺方向に連結具によって連結し、この連結された分離コンテナがその側面に略全面が開閉可能な扉を有するといった構成を採用している。このように、連結された分離コンテナから連結コンテナを構成するようにしているため、各分離コンテナの扉の縦横比の不均衡を連結といった簡易な手段によって抑えることができる。そして、このような縦横比の不均衡が抑えられた分離コンテナの側面に略全面が開閉可能な扉を設けているため、例えばトレーラに積載した状態の連結コンテナであっても、フォークリフトなどにより地上から直接貨物の搬入搬出を行うことができるといったように、貨物の搬入搬出を容易に行うことができる。
【0011】
本発明に係る連結コンテナでは、扉が観音開き式の扉であることが好ましい。この場合、カーテン式の扉や上下に開閉する扉に比べ、連結コンテナの扉を単純な構造によって作製することができる。
【0012】
本発明に係る連結コンテナでは、分離コンテナのそれぞれが、下面にその長辺方向に沿って延在するグースネックトンネルを有していることが好ましい。この場合、どの分離コンテナと連結したとしても、グースネックトンネルを進行方向の前側に設置することが容易に行えるため、従来と同様なトレーラ等による輸送を行うことが可能となる。
【0013】
本発明に係る連結コンテナでは、分離コンテナのそれぞれは、第一及び第二の側面の対向方向に延在するフォークポケットを有し、フォークポケットは、上面及び下面の対向方向において、グースネックトンネルの配置箇所よりも上方に位置していることが好ましい。この場合、分離コンテナがフォークポケットを有していることから、各分離コンテナを連結から解除した場合等において、各分離コンテナをフォークリフトにより、容易に移動させることができる。
【0014】
しかも、本発明に係る連結コンテナでは、フォークポケットがグースネックトンネルの配置箇所よりも上方に位置していることから、分離コンテナの強度を弱めることなく、グースネックトンネルとフォークポケットとの両方を分離コンテナに形成することが可能となる。
【0015】
本発明に係る連結コンテナでは、分離コンテナのそれぞれが20フィートコンテナ(以下「20FTコンテナ」とも記す)からなることが好ましい。この場合、連結された2つの分離コンテナを従来の40FTコンテナとして取り扱うことができ、従前の40FTコンテナ用の施設をそのまま利用でき、しかも、貨物の量や種類に応じて、連結コンテナの連結を解除し、20FTコンテナとしても利用することができる。このため、貨物の量や種類に応じた柔軟なコンテナの運用が可能となる。なお、ここでいう「20FTコンテナ」とは、長さが20フィート(約6m)、幅が8フィート(約2.4m)、高さが9フィート6インチ(約2.9m)又は8フィート6インチ(約2.6m)の直方体形状のコンテナである。
【0016】
また、本発明に係る連結コンテナを用いた輸送方法では、上述した何れかの連結コンテナをそのまま用いて又は分離コンテナに分けたものを用いて貨物を輸送することが好ましい。この場合、貨物の量や種類に応じた柔軟なコンテナの運用を行うことができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、簡易な手段により、貨物の搬入搬出を容易に行うことができる連結コンテナ及び当該連結コンテナを用いた輸送方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本実施形態に係る20FTコンテナを示す斜視図である。
【図2】図1に示した20FTコンテナのグースネックトンネルを示す斜視図である。
【図3】本実施形態に係る連結コンテナを示す斜視図である。
【図4】20FTコンテナの側面扉が半開の状態を示す図である。
【図5】20FTコンテナの側面扉が全開の状態を示す図である。
【図6】連結具による連結を示す模式断面図である。
【図7】連結された20FTコンテナをトレーラに搭載した場合を示す模式図である。
【図8】20FTコンテナの連結方法の変形例を示す図である。
【図9】20FTコンテナの転結方法の別の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。また、説明の便宜上、各図面では各部の形状を誇張して示す場合があり、図面上の寸法比率は各図面間では必ずしも一致しない場合がある。
【0020】
まず、図1を参照して、本実施形態に係る連結コンテナ1(図3参照)を構成する20FTコンテナ10(分離コンテナ)の構成について説明する。20FTコンテナ10は、図1に示されるように、例えば、長さLが20フィート(約6m)、幅Wが8フィート(約2.4m)、高さHが9フィート6インチ(約2.9m)の略直方体形状を呈するコンテナであり、上面10a,下面10b、端面10c,10d及び側面10e,10fを有している。
【0021】
20FTコンテナ10の上面10a及び下面10bそれぞれは略長方形状を呈しており、互いに対向する。端面10c,10dは、略長方形状の上面10a及び下面10bの短辺方向に伸び、かつ、互いに対向する。側面10e,10fは、略長方形状の上面10a及び下面10bの長辺方向に伸び、かつ、互いに対向する。
【0022】
このように略直方体形状からなる20FTコンテナ10は、鋼鉄などの材料から構成される箱形のコンテナ本体11と、側面10eに配置される扉12,13と、端面10dに配置される扉14,15と、を備えている。
【0023】
コンテナ本体11は、上面10aに天板11a、下面10bに底板11b、端面10cに壁部11c、側面10fに壁部11fをそれぞれ有し、側面10e及び端面10dが開口した箱形から形成される。天板11a、底板11b及び壁部11c,11fは、それぞれ所定の厚みを有している。図2に示されるように、底板11bの下側には、凹部からなるグースネックトンネル16が設けられている。グースネックトンネル16は、40FTコンテナの規格寸法に合わせて、20FTコンテナ10の端面10c側からコンテナ本体11の略中央部を超えるあたりまで延在するように形成されている。
【0024】
コンテナ本体11は、側面10e,10fの対向方向に延在する貫通孔である、2つのフォークポケット17,18を底板11bに有している。フォークポケット17,18は、20FTコンテナ10をフォークリフト(不図示)によって移動させるための貫通孔であり、2つのフォークポケット17,18間の距離がフォークリフトの2つのツメ(フォーク)間の距離に対応するようになっている。また、このフォークポケット17,18は、図1,図7に示されるように、上面10a及び下面10bの対向方向において、グースネックトンネル16の配置箇所よりも上方に位置するように形成されている。
【0025】
なお、コンテナ本体11は、8つの角部に、他の20FTコンテナ10との縦連結又は横連結を可能にするための連結用開口11gを有している。
【0026】
扉12,13は、コンテナ本体11の側面10e側に並んで設置される側面扉であって、側面10eの略全面が開閉可能となるように形成された観音開き式の扉である。扉12は、その一端が図示手前側に回動できるようにその他端がコンテナ本体11に端面10c側で軸支されており、扉13は、その他端が図示手前側に回動できるようにその一端がコンテナ本体11に端面10d側で軸支されている。
【0027】
また、扉12は、第一の扉部12aと第二の扉部12bとを備えて構成されており、第一及び第二の扉部12a,12bが回転連結具12cを介して、互いに回動可能な状態で連結されている。扉13も同様に、第一の扉部13aと第二の扉部13bとを備えて構成されており、第一及び第二の扉部13a,13bが回転連結具13cを介して、互いに回動可能な状態で連結されている。
【0028】
このような構成からなる扉12,13を開閉させるには、まず、第一の扉部12a,13aを回転連結具12c,13cを回転軸として、図4に示されるように、図示手前側に第一の扉部12a,13aを引く。これにより、20FTコンテナ10は、第一の開状態(半開)となる。続いて、第一の扉部12a,13aを第一の開状態から更に図示手前側に引くと、扉12,13をコンテナ本体11に軸支している端面10c又は10d側の軸を中心として、図5に示されるように、扉12,13が更に開く(第二の開状態、全開)。このような2段階の観音開き方式により、側面10eの略全面が開くようになる。
【0029】
扉14,15は、箱形のコンテナ本体11の端面10d側に配置される観音開き式の扉であり、扉14はその一端が図示手前側に回動できるようにその他端がコンテナ本体11に側面10e側で軸支され、扉15はその他端が図示奥側に回動できるようにその一端がコンテナ本体11に側面10f側で軸支される。なお、各扉12〜15は、コンテナ本体11と同様の材料から構成されている。
【0030】
続いて、上述した20FTコンテナ10を2つ備えた連結コンテナ1の構成について説明する。連結コンテナ1は、図3に示されるように、2つの20FTコンテナ10と、2つの20FTコンテナ10を連結する4つの連結具20とを備えて構成される。
【0031】
連結具20は、20FTコンテナ10を上面10a及び下面10bの長辺方向に連結するための部材であり、2つの20FTコンテナ10を連結するために例えば4つの連結具20が用いられる。連結具20は、図6に示されるように、ねじ部20a,20bを両端に備えたボルト部材20cと、各ねじ部20a,20bに螺合されるナット20d,20eとを備えて構成される。
【0032】
連結具20は、各ねじ部20a,20bが2つの20FTコンテナ10の連結用開口11gそれぞれの中に挿入され、かつ、ボルト部材20cの中央部が、図6に示されるように、一方の20FTコンテナ10の端面10dと他方の20FTコンテナ10の端面10cとの間に配置された後、各ナット20d,20eを各ねじ部20a,20bに螺合させて締結させることにより、2つの20FTコンテナ10を連結させ、1つの連結コンテナ1を構成させるようになっている。各端面10c,10dの四隅に形成される連結用開口11gのそれぞれに対応するように、20FTコンテナ10の連結には、四つの連結具20が用いられる。なお、他の連結具を用いた方法で連結するようにしてもよい。
【0033】
以上のように、本実施形態に係る連結コンテナ1は、2つの20FTコンテナ10を上面10a及び下面10bの長辺方向に連結具20によって連結し、これら連結された20FTコンテナ10それぞれが側面10eに略全面が開閉可能な扉12,13を有するといった構成を採用している。この構成では、連結コンテナ1を構成する20FTコンテナ10の側面10e側に設けられた扉12,13それぞれの長さLが約3mとなり、また、その縦横比が概ね1:1といったような比率となる。
【0034】
このため、従来から用いられている40FTコンテナの側面にそのまま扉を設けようとした場合に比べ、本実施形態の連結コンテナ1によれば、扉12,13の軸支部分等にかかる荷重負荷を軽減、分散させることができる。その結果、2つの20FTコンテナ10を連結して使用することにより40FTコンテナと同程度の搭載量を確保しつつ、連結コンテナ1を継続して使用した際に扉12,13の開閉機能を損ねてしまうといったことを低減することができる。つまり、本実施形態に係る連結コンテナ1によれば、2つの20FTコンテナ10を連結するといった簡易な手段により、従来の40FTコンテナと同様の搭載を可能としながら、扉12,13の縦横比の不均衡を抑えて、貨物の搬入搬出を容易に行うことができる。
【0035】
また、本実施形態に係る連結コンテナ1では、扉12,13が観音開き式の扉である。このため、連結コンテナ1の扉12,13を単純な構造によって作製することができる。
【0036】
また、本実施形態に係る連結コンテナ1では、20FTコンテナ10のそれぞれが、下面10bにその長辺方向に沿って延在するグースネックトンネル16を有している。このため、どの20FTコンテナと連結したとしても、グースネックトンネル16をトレーラの進行方向の前側に設置することができる。その結果、本実施形態に係る連結コンテナ1であれば、従来と同様なトレーラ等による輸送を容易に行うことができる。
【0037】
具体的には、本実施形態に係る連結コンテナ1であれば、例えば図7(a)に示されるように、一方(図示左側)の20FTコンテナ10のグースネックトンネル16を、従来の40FTコンテナのグースネックトンネルと同様のものとして扱うことができ、図7(b)に示されるように、グースネックトンネル16がトレーラ30の連結部32を覆おうように連結コンテナ1をトレーラ30に搭載させることが可能である。
【0038】
また、本実施形態に係る連結コンテナ1では、20FTコンテナ10のそれぞれが、第一及び第二の側面10e、10fの対向方向に延在するフォークポケット17,18を有し、これらフォークポケット17,18が上面10a及び下面10bの対向方向においてグースネックトンネル16の配置箇所よりも上方に位置するように配置されている。このように、20FTコンテナ10がフォークポケット17,18を有していることから、各20FTコンテナ10を連結から解除した場合等において、各20FTコンテナ10をフォークリフト等により、容易に移動させることができる。
【0039】
しかも、本実施形態に係る連結コンテナ1では、フォークポケット17,18がグースネックトンネル16の配置箇所よりも上方に位置していることから、20FTコンテナ10の強度を弱めることなく、グースネックトンネル16とフォークポケット17,18との両方を20FTコンテナ10に形成することが可能となる。
【0040】
また、上述した連結コンテナ1を用いた輸送方法では、連結コンテナ1をそのまま用いて貨物を輸送するようにしてもよいし、連結コンテナ1の連結を解除して、20FTコンテナ10に分けたものを用いて貨物を輸送するようにしてもよい。例えば、40FTコンテナが多く必要とされる一方、輸送される貨物の種類や積載量によっては20FTコンテナが多く必要とされる場合があるが、本実施形態に係る連結コンテナ1であれば、このような輸送状況に対して柔軟に対応することが可能である。つまり、本実施形態に係る連結コンテナ1を用いた輸送方法によれば、貨物の量や種類に応じた柔軟なコンテナの運用を行うことができる。
【0041】
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、グースネックトンネル16が長手方向において同じ位置にくるように20FTコンテナ10を連結したが、例えば、図8に示されるように、それぞれのグースネックトンネル16が連結した際に外側に配置されるようにしてもよい。この場合には、トレーラに搭載する際、どちら側を先頭側にしてもよくなり、トレーラへの搭載が容易になる。また、逆に、図9に示されるように、グースネックトンネル16が内側にくるように、20FTコンテナ10を連結するようにしてもよい。この場合には、連結コンテナ1の両端に扉14,15がくるので、扉12,13と合わせて運用することにより、コンテナ内の貨物の搬入搬出を一層、容易に行うことができる。
【0042】
また、上記実施形態では、20FTコンテナとして、長さLが20フィート(約6m)、幅Wが8フィート(約2.4m)、高さHが9フィート6インチ(約2.9m)の略直方体形状のコンテナを用いたが、高さHが8フィート6インチ(約2.6m)の略直方体形状のコンテナ(長さL及び幅Wは同じ)を用いてもよい。また、上記実施形態では、20FTコンテナ10のグースネックトンネル16が端面10c側からコンテナ本体11の略中央部を超えるあたりまで延在していたが、更に延在させて、対向する端面10d側まで延びる、つまり貫通する構成としてもよい。この場合、20FTコンテナ10を互いに連結する際、グースネックトンネル16の配置方向を特に注意することなく、連結作業を行うことができる。
【0043】
また、上記実施形態では、20FTコンテナ10を2つ連結して40FTコンテナとして運用する例を示したが、例えば10FTコンテナ(長さLが10フィート(約3m)、幅W及び高さHは上記同様)を4つ連結して40FTコンテナとして運用するような場合に本発明を適用してもよい。更に、異なる長さLを有する分離コンテナを2つ以上連結して40FTコンテナや他の長さのコンテナとして運用するような場合に本発明を適用してももちろんよい。
【符号の説明】
【0044】
1…連結コンテナ、10…20FTコンテナ、11…コンテナ本体、12〜15…扉、16…グースネックトンネル、17,18…フォークポケット、20…連結具。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに対向する略長方形状の上面及び下面と、前記上面及び下面の短辺方向に伸び且つ互いに対向する第一及び第二の端面と、前記上面及び下面の長辺方向に伸び且つ互いに対向する第一及び第二の側面とをそれぞれ有する少なくとも2つの分離コンテナと、
前記分離コンテナを前記上面及び下面の長辺方向に連結する連結具と、を備え、
前記分離コンテナは、前記第一及び第二の側面の少なくとも一方に略全面が開閉可能な扉を有していることを特徴とする連結コンテナ。
【請求項2】
前記扉が観音開き式の扉であることを特徴とする請求項1に記載の連結コンテナ。
【請求項3】
前記分離コンテナのそれぞれは、前記下面にその長辺方向に沿って延在するグースネックトンネルを有していることを特徴とする請求項1又は2に記載の連結コンテナ。
【請求項4】
前記分離コンテナのそれぞれは、前記第一及び第二の側面の対向方向に延在するフォークポケットを更に有し、
前記フォークポケットは、前記上面及び下面の対向方向において、前記グースネックトンネルの配置箇所よりも上方に位置していることを特徴とする請求項3に記載の連結コンテナ。
【請求項5】
前記分離コンテナのそれぞれが20フィートコンテナからなることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の連結コンテナ。
【請求項6】
請求項1〜5の何れか一項に記載の連結コンテナをそのまま用いて又は前記分離コンテナに分けたものを用いて貨物を輸送することを特徴とする輸送方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−121622(P2012−121622A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−275781(P2010−275781)
【出願日】平成22年12月10日(2010.12.10)
【出願人】(506070143)住商グローバル・ロジスティクス株式会社 (1)
【出願人】(508081798)井本商運株式会社 (5)
【Fターム(参考)】