説明

α−クロロアルキルピリジルケトンおよび/またはその塩酸塩の製造方法

置換されていないかまたは核置換されたα−クロロアルキルピリジルケトンおよび/またはその塩酸塩の製造方法であり、相当する置換されていないかまたは核置換されたアルキルピリジルケトン塩酸塩を塩化スルフリルと反応温度−25〜70℃(248〜343K)および絶対圧力0.05〜0.2MPaで反応させ、その際反応を、非分枝または分枝状の、置換されていないかまたはフッ素、塩素および臭素の群から選択される基によりモノ置換から全部置換まで置換されたC〜C10−アルカン酸の存在で実施し、前記アルカン酸の融点は選択される反応温度より低い。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、置換されていないかまたは核置換されたα−クロロアルキルピリジルケトンおよび/またはその塩酸塩の製造方法であり、その際相当する置換されていないかまたは核置換されたアルキルピリジルケトン塩酸塩を塩化スルフリルと反応温度−25〜70℃(248〜343K)および絶対圧力0.05〜0.2MPaで反応させることによる、置換されていないかまたは核置換されたα−クロロアルキルピリジルケトンおよび/またはその塩酸塩の製造方法に関する。
【0002】
α−クロロアルキルピリジルケトンおよび/またはその塩酸塩は薬理的活性成分、特にβ3−アドレノレセプターアゴニストの製造における重要な合成物質である。
【0003】
N.J.P.Broom等、The Journal of Antibiotics、Vol.48、1995、No11、1336〜1344および米国特許第5561142号(17欄上側)は一般的に塩化水素の存在での相当するカルボン酸クロリドとジアゾメタンの反応によるα−クロロケトンの製造を記載する。前記合成法による3−(2−クロロアセチル)ピリジン塩酸塩および4−(2−クロロアセチル)ピリジン塩酸塩の製造はP.Ribereau等、Can.J.Chem.Vol61、1983、334〜342頁に記載されている(339頁参照)。この合成法の欠点は爆発性の、有毒な、発ガン性のジアゾメタンの使用であり、かなりの起こりうる危険が存在し、複雑な安全手段を必要とする。
【0004】
米国特許第5561142号は一般的に相当する芳香族アセチル化合物と元素の塩素との反応による複素環のα−クロロメチルケトンの製造を記載する(17欄下側参照)。この合成法の欠点は有毒な腐食性塩素ガスの使用であり、複雑な安全手段を必要とする。
【0005】
米国特許第5561142号および米国特許第6051586号は一般的に塩化水素および酢酸の存在での相当する芳香族アセチル化合物とN−クロロコハク酸イミドとの反応による複素環のα−クロロメチルケトンの製造を記載する(米国特許第5561142号、17欄下側、および米国特許第6051586号、11欄下側参照)。3−(2−クロロアセチル)ピリジン塩酸塩の製造は米国特許第5561142号の例14および米国特許第6051586号の例5にそれぞれ記載されている。
【0006】
J.Duquette等、Organic Process Research and Development2003、Vol7,No3、285〜288頁は前記合成法による3−(2−クロロアセチル)ピリジン塩酸塩の製造を記載する。製造例に記載される83%の収率と異なり、J.Duquette等に記載される製造例の技術的開示内容にもとづく製造例の繰り返しにより達成可能な最良の収率は20%である(これに関して例2参照)。
【0007】
この合成法の欠点は前記比較例により示される達成可能な低い収率である。更にN−クロロコハク酸イミドの使用および固体としての反応混合物へのその添加が欠点である。更にN−クロロコハク酸イミドは製造がかなり複雑な塩素化剤であり、相当して価格が高い。更にJ.Duquette等に記載される合成法は液体3−アセチルピリジンの遅い滴加が欠点であり、塩化水素蒸気の存在のために、固体の3−アセチルピリジン塩酸塩を形成し、この物質が配量装置を閉塞することがある。
【0008】
ケトンのα−塩素化のための塩化スルフリルの使用は原則的に公知であり、例えばD.P.Wyman等、J.Org.Chem.Vol.29、1964、1956〜1960頁に記載されている。
【0009】
米国特許第4310702号およびD.Masilamani等、J.Org.Chem.Vol.46、1981、4486〜4489頁はケトンの塩素化のための塩化スルフリルの使用が一般にモノ塩素化ケトンと多塩素化ケトンの混合物、従って好ましくない副生成物を生じることを報告する。この刊行物はこの問題を解決するための調節剤としてアルコールまたはエーテルの使用を記載する。
【0010】
米国特許第5710341号は塩化スルフリルでの相当するケトンの塩素化によるα−クロロアルキルアリールケトンの製造に関し、所望の生成物、すなわちモノ−α−塩素化ケトンの選択率を高めるために脂肪族アルコールの使用を記載する。
【0011】
塩化スルフリルを用いてα−塩素化する前記方法の欠点はアルキル塩化物を形成するために副反応として使用されるアルコールの塩素化であり、前記アルコールは分子量に依存してきわめて揮発性であってもよい。従って例えば米国特許第4310702号(1欄下側)に有利であると記載されるC〜C−アルカノール、米国特許第4310702号の実施例に使用されるメタノールおよびエタノール、米国特許第5710341号の実施例に使用されるメタノール、エタノールおよび2−プロパノールからそれぞれ揮発性C〜C−クロロアルカンが形成される。更に実施例に使用される溶剤、塩化メチレンもきわめて揮発性である。揮発性C〜C−クロロアルカンおよび揮発性塩化メチレンは健康および環境に有害であるので、これらの方法を工業的に実施する場合は排ガス処理と安全工学での増加した費用が必要である。提案されるエーテルは一般にきわめて揮発性の化合物であり、排ガス処理と安全工学への増加した費用が必要である。
【0012】
米国特許第5710341号、2欄上側で1−ブタノールおよび2−ブタノールの使用が特に有利であると記載されている技術的発想にもとづき、およびC〜C−アルカノールの使用の前記の推定される欠点にもとづき、副生成物として非揮発性1−クロロブタンを形成する1−ブタノールを使用する3−(2−クロロアセチル)ピリジン塩酸塩の製造は試験的に試験された。3−(2−クロロアセチル)ピリジン塩酸塩が約51%の収率で得られた(これに関して例5参照)。これから例えば1−ブタノールのようないくらか高い分子量を有するアルカノールの使用が工業的に容易に取り扱える副生成物としてクロロアルカンを生じるにもかかわらず、所望の生成物の収率がきわめて低いことがわかる。
【0013】
従って前記発想による調節剤としてアルコールまたはエーテルの存在での塩化スルフリルを用いるアルキルピリジルケトンのα−塩素化は、揮発性化合物を処理しなければならないおよび/または所望の生成物の低い収率のみが得られるので、不利である。
【0014】
本発明の課題は、前記欠点を有せず、爆発性または発ガン性物質の使用を回避し、α位でのモノ塩素化の高い選択率を有し、全体として所望の生成物の高い収率を可能にする、非置換または核置換されたα−クロロアルキルピリジルケトンおよび/またはその塩酸塩を製造する方法を見出すことである。
【0015】
前記課題は、置換されていないかまたは核置換されたα−クロロアルキルピリジルケトンおよび/またはその塩酸塩の製造方法であり、その際相当する置換されていないかまたは核置換されたアルキルピリジルケトン塩酸塩を塩化スルフリルと反応温度−25〜70℃(248〜343K)および絶対圧力0.05〜0.2MPaで反応させることにより置換されていないかまたは核置換されたα−クロロアルキルピリジルケトンおよび/またはその塩酸塩を製造する方法により解決され、前記方法は、反応を、非分枝または分枝状の、置換されていないかまたはフッ素、塩素および臭素の群から選択される基によりモノ置換から全部置換まで置換されたC〜C10−アルカン酸の存在で実施し、前記アルカン酸の融点が選択される反応温度より低いことを特徴とする。
【0016】
反応は非分枝または分枝状の置換されていないかまたはフッ素、塩素および臭素の群から選択される基によりモノ置換から全部置換まで置換されたC〜C10−アルカン酸の存在で実施し、前記アルカン酸の融点は選択される反応温度より低い。選択される反応温度より低い融点は使用されるアルカン酸が反応中に液体の形で存在することを保証する。
【0017】
本発明の方法において非分枝状の、置換されていないかまたはフッ素および塩素の群から選択される基によりモノ置換から全部置換まで置換されたC〜C−アルカン酸を使用し、前記アルカン酸の融点は選択される反応温度より低いことが有利である。
【0018】
蟻酸、酢酸、モノクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、モノフルオロ酢酸、ジフルオロ酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、酪酸、ペンタン酸、ヘキサン酸が特に有利であり、蟻酸、酢酸、モノクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸およびプロピオン酸がきわめて有利であり、特に酢酸が有利である。
【0019】
アルカン酸は一般に反応混合物を処理し、取り扱うことができるほど十分な量で使用する。使用されるアルキルピリジルケトン塩酸塩に対して100〜1000質量%、有利に200〜400質量%のアルカン酸を使用することが有利である。
【0020】
本発明の方法において、有利に、一般式(I):
【化1】

(式中、
mは0、1、2、3または4であり、
は互いに独立に
置換されていないかまたはRにより置換されたC〜C−アルキル、
置換されていないかまたはRにより置換されたフェニル、
置換されていないかまたはRにより置換されたC〜C−アルキルオキシ、
置換されていないかまたはRにより置換されたフェニルオキシ、
置換されていないかまたはRにより置換されたC〜C−アシルオキシ、
または
ピリジル窒素原子に対してα位の場合は、ピリジル窒素原子に結合したアジド基であり、
は互いに独立にフッ素、塩素、臭素、ヨウ素、トリフルオロメチル、ニトロ、シアノ、−NR、−SR、−OR、−SO、−OCOR、−NRCOR,−NRSOまたは−NRCOORであり、
、R、Rは互いに独立に水素またはC〜C−アルキルであり、
、Rは互いに独立に水素またはC〜C10−アルキルである)のα−クロロアルキルピリジルケトンおよび/またはその塩酸塩を製造する。
【0021】
α−クロロアルキル基−COCRClは置換されていないかまたは核置換されたピリジル核上の2、3または4位に結合することができる。α−クロロアルキル基は有利に置換されていないかまたは核置換されたピリジル核上の3位に結合する。
【0022】
基RおよびRは有利に互いに独立に水素またはC〜C−アルキル、有利に互いに独立に水素、メチル、エチル、1−プロピル、2−プロピル、1−ブチル、2−ブチル、1−(2−メチル)プロピル、2−(2−メチル)プロピル、1−ペンチルまたは1−ヘキシルである。
【0023】
基R、R、Rは有利に互いに独立に、水素またはC〜C−アルキル、特に有利に互いに独立に水素、メチル、エチル、1−プロピル、2−プロピル、1−ブチル、2−ブチル、1−(2−メチル)プロピルまたは2−(2−メチル)プロピルである。
【0024】
ピリジル核が置換されていない場合は、指数mは0である。置換されたピリジル核に関して指数mはピリジル核がモノ置換、ジ置換、トリ置換またはテトラ置換されているかに応じて、1、2,3または4である。ピリジル核は有利に置換されていない(m=0)か、モノ置換されている(m=1)か、またはジ置換されている(m=2)。
【0025】
前記定義により多置換されたピリジル核中の基Rが互いに独立に異なっていてもよいことが強調できる。
【0026】
基Rは有利に互いに独立に、
置換されていないかまたはRにより置換されたC〜C−アルキル、
置換されていないかまたはRにより置換されたフェニル、
置換されていないかまたはRにより置換されたC〜C−アルキルオキシ、
置換されていないかまたはRにより置換されたフェニルオキシ、
置換されていないかまたはRにより置換されたC〜C−アシルオキシ、
置換されていないかまたはRにより置換されたC〜C−アシルアミノ、
または
ピリジル窒素原子に対してα位の場合は、ピリジル窒素原子に結合したアジド基であり、
は互いに独立にフッ素、塩素、臭素、ヨウ素、トリフルオロメチル、ニトロ、シアノ、−NR、−ORまたは−NRCORであり、
、R、Rは互いに独立に水素またはC〜C−アルキルである。
【0027】
本発明の方法において、特に有利に、一般式(II):
【化2】

(式中、
mは0、1、2、3または4であり、
は互いに独立に
置換されていないかまたはRにより置換されたC〜C−アルキル、
置換されていないかまたはRにより置換されたフェニル、
置換されていないかまたはRにより置換されたC〜C−アルキルオキシ、
置換されていないかまたはRにより置換されたフェニルオキシ、
置換されていないかまたはRにより置換されたC〜C−アシルオキシ、
または
ピリジル窒素原子に対してα位の場合は、ピリジル窒素原子に結合したアジド基であり、
は互いに独立にフッ素、塩素、臭素、ヨウ素、トリフルオロメチル、ニトロ、シアノ、−NR、−SR、−OR、−SO、−OCOR、−NRCOR,−NRSOまたは−NRCOORであり、
、R、Rは互いに独立に水素またはC〜C−アルキルであり、
、Rは互いに独立に水素またはC〜C10−アルキルである)のα−クロロアルキルピリジルケトンおよび/またはその塩酸塩を製造する。
【0028】
基RおよびRは有利に、互いに独立に水素またはC〜C−アルキル、特に有利に水素、メチル、エチル、1−プロピル、2−プロピル、1−ブチル、2−ブチル、1−(2−メチル)プロピル、2−(2−メチル)プロピル、1−ペンチルまたは1−ヘキシルである。
【0029】
ピリジル核が置換されていない場合は、指数mは0である。置換されたピリジル核に関して指数mは前記ピリジル核がモノ置換、ジ置換、トリ置換またはテトラ置換されているかに応じて1、2、3または4である。ピリジル核は有利に置換されていない(m=0)か、モノ置換されている(m=1)かまたはジ置換されている(m=2)。
【0030】
前記定義により多置換されたピリジル核中の基Rが互いに異なっていてもよいことが強調できる。
【0031】
基Rは有利に互いに独立に
置換されていないかまたはRにより置換されたC〜C−アルキル、
置換されていないかまたはRにより置換されたフェニル、
置換されていないかまたはRにより置換されたC〜C−アルキルオキシ、
置換されていないかまたはRにより置換されたフェニルオキシ、
置換されていないかまたはRにより置換されたC〜C−アシルオキシ、
置換されていないかまたはRにより置換されたC〜C−アシルアミノ、
または
ピリジル窒素原子に対してα位の場合は、ピリジル窒素原子に結合したアジド基であり、
は互いに独立にフッ素、塩素、臭素、ヨウ素、トリフルオロメチル、ニトロ、シアノ、−NR、−ORまたは−NRCORであり、
、R、Rは互いに独立に水素またはC〜C−アルキルである。
【0032】
特に有利なR基はメチル、エチル、1−プロピル、2−プロピル、1−ブチル、2−ブチル、1−(2−メチル)プロピル、2−(2−メチル)プロピル、フェニル、メトキシ、エトキシ、1−プロポキシ、2−プロポキシ、1−ブトキシ、2−ブトキシ、1−((2−メチル)プロポキシ、2−(2−メチル)プロポキシ、フェニルオキシ、ホルムオキシ、アセトキシ、フッ素、塩素、アセチルアミノ、プロピオニルアミノ、ブチリルアミノ、イソブチリルアミノ、アミノ、メチルアミノ、エチルアミノ、1−プロピルアミノ、2−プロピルアミノ、1−ブチルアミノ、2−ブチルアミノ、1−(2−メチル)プロピルアミノ、2−(2−メチル)プロピルアミノおよびピリジル窒素原子に対してα位の場合はピリジル窒素原子に結合しているアジド基である。
【0033】
本発明の方法において、特に有利に、
mが0、1または2であり、
が互いに独立に、
フッ素、
塩素、
−NHCOR(式中、RはC〜C−アルキルである)であるか、
−NR(式中、R、Rは互いに独立に水素またはC〜C−アルキルである)であるか、または
ピリジル窒素原子に対してα位の場合は、ピリジル窒素原子に結合したアジド基であり、
、R、Rは互いに独立に水素またはC〜C−アルキルであり、
、Rは互いに独立に水素、メチルまたはエチルである
一般式(II)のα−クロロアルキルピリジルケトンおよび/またはその塩酸塩を製造する。
【0034】
ピリジル核がモノ置換されている(m=1)場合は、一般式(IIa):
【化3】

(式中、R、RおよびRは前記のものを表わす)のα−クロロアルキルピリジルケトンおよび/またはその塩酸塩が有利である。ピリジル核がジ置換されている(m=2)場合は、一般式(IIb)および(IIc):
【化4】

【0035】
【化5】

(式中、R、RおよびRは前記のものを表す)のα−クロロアルキルピリジルケトンおよび/またはその塩酸塩が有利である。
【0036】
特に有利な基Rはフッ素、塩素、アセチルアミノ、プロピオニルアミノ、ブチリルアミノ、イソブチリルアミノ、アミノ、メチルアミノ、エチルアミノ、1−プロピルアミノ、2−プロピルアミノ、1−ブチルアミノ、2−ブチルアミノ、1−(2−メチル)プロピルアミノ、2−(2−メチル)プロピルアミノおよびピリジル窒素原子に対してα位の場合はピリジル窒素原子に結合しているアジド基である。
【0037】
本発明の方法において、2−クロロ−1−ピリジン−3−イルエタノン
【化6】

および/またはその塩酸塩、
2−クロロ−1−(6−クロロピリジン−3−イル)エタノン
【化7】

および/またはその塩酸塩、
N−[5−(2−クロロアセチル)ピリジン−2−イル]イソブチルアミド
【化8】

および/またはその塩酸塩または
2−クロロ−テトラゾロ[1,5−a]ピリジン−6−イルエタノン
【化9】

および/またはその塩酸塩を製造することが特に有利である。
【0038】
本発明の方法で反応に使用される出発物質は適当な置換されていないかまたは核置換されたアルキルピリジルケトン塩酸塩である。前記塩酸塩においてα−クロロの代わりに水素原子を導入する。
【0039】
使用されるアルキルピリジルケトン塩酸塩は例えば反応混合物に予め単離された塩酸塩として添加することができるかまたは例えば先行する反応で、相当するアルキルピリジルケトンを適当な塩化水素と反応させることにより製造することができ、この場合に通常は単離を行わずに、反応混合物を本発明により引き続き塩化スルフリルと決められたアルカン酸の存在で更に反応させる。後者の実施態様は一般により容易に利用できるアルキルピリジルケトンを使用することができ、アルキルピリジルケトン塩酸塩の別の単離および/または精製が必要でない利点を有する。使用されるアルキルピリジルケトン塩酸塩を塩化スルフリルの添加の前に適当なアルキルピリジルケトンを塩化水素と反応させることにより製造することがより有利である。
【0040】
塩化水素との反応による適当なアルキルピリジルケトンの中間的製造のために、特に有利に液体反応混合物に導入することにより、アルキルピリジルケトンをアルカン酸に導入し、気体の塩化水素を添加することが特に有利である。添加される気体の塩化水素の量は有利に少なくとも化学量論により必要な量に相当するべきである。使用されるアルキルピリジルケトン1モル当たり有利に1〜10モル、特に有利に1〜5モル、きわめて有利に1〜3モルを添加する。
【0041】
アルキルピリジルケトン塩酸塩が前記のように中間生成物として製造されたか、塩酸塩の形で反応混合物にすでに添加されたかに関係なく、アルカン酸の存在でのアルキルピリジルケトン塩酸塩と塩化スルフリルとの反応を−25〜70℃(248〜343K)、有利に0〜70℃(273〜343K)、特に有利に0〜50℃(273〜323K)の温度で実施する。反応は絶対圧力0.05〜0.2MPa、有利に絶対圧力0.09〜0.2MPa、特に有利に絶対圧力0.1〜0.15MPaの圧力下で、特に大気圧下で実施する。
【0042】
塩化スルフリルを有利に液体の希釈されていない形で添加し、同時に反応混合物を混合する。反応混合物の混合は例えば攪拌により行う。塩化スルフリルを一般に反応の進行により所望の温度または所望の温度範囲を維持できる時間にわたり添加する。反応は発熱性であるので、反応容器を有利に冷却する。反応バッチの大きさに依存して塩化スルフリルの添加を数分または数時間継続する。断続的投与も可能であるが、塩化スルフリルの連続的添加が有利である。
【0043】
使用される塩化スルフリルの量は一般に使用されるアルキルピリジルケトン塩酸塩1モル当たり0.9〜2モル、有利に0.9〜1.5モル、特に1〜1.2モルである。
【0044】
最初に存在する水を塩化スルフリルと反応させて硫酸/三酸化硫黄および塩化水素を形成するので、原則的に水の存在での置換されていないかまたは核置換されたアルキルピリジルケトン塩酸塩と塩化スルフリルとの反応も可能である。しかしこれは塩化スルフリルの損失を伴うので、反応混合物の含水量を低く保つことが有利である。この含水量は有利に使用されるアルキルピリジルケトン塩酸塩に対して10モル%以下、特に5モル%以下、きわめて有利に2モル%以下、特に1モル%以下である。
【0045】
所望の低い含水量のために、有利に低い水分または無水(濃縮)アルカン酸を使用する。従って氷酢酸の使用がきわめて有利である。
【0046】
アルカン酸の存在でのアルキルピリジルケトン塩酸塩と塩化スルフリルとの反応は有利に他の溶剤を添加せずに行う。しかしそれにもかかわらず、適当な場合は、他の溶剤、例えば塩素化炭化水素、例えばジクロロメタン、トリクロロメタン、テトラクロロメタン、またはクロロベンゼンを使用することも可能である。添加される塩化スルフリルは適当な場合は溶剤および/またはアルカン酸で希釈することができる。
【0047】
得られた反応混合物は、塩化スルフリルの添加が終了後、一般に数分から数時間の時間にわたり更に混合する。形成されるα−クロロアルキルピリジルケトン塩酸塩の沈殿を促進するために、適当な場合は混合物を混合することが有利である。沈殿したα−クロロアルキルピリジルケトン塩酸塩を反応混合物から除去することができる。これは有利に濾過、遠心分離またはデカントにより、有利に濾過または遠心分離により行う。除去された固形物を有利に適当な溶剤、例えば有機エステルで洗浄する。固形物を例えば適当な溶剤、有利にアルカン酸中の再結晶により更に精製し、引き続き単離し、乾燥することができる。
【0048】
遊離したα−クロロアルキルピリジルケトンを製造することが所望の場合は、得られたα−クロロアルキルピリジルケトン塩酸塩から塩基との反応により遊離α−クロロアルキルピリジルケトンを遊離することができる。このために、例えばα−クロロアルキルピリジルケトン塩酸塩を水、塩基および有機溶剤、例えばジクロロメタン、メチル−t−ブチルエーテル、トルエンまたはメチルテトラヒドロフランからなる二相系に注ぐ。有利な塩基は容易に水に溶解する塩基、例えば水酸化ナトリウム溶液、水酸化カリウム溶液、炭酸ナトリウムまたは炭酸カリウムである。一般にα−クロロアルキルピリジルケトン塩酸塩1モル当たり約1当量の塩基を使用してpH値を約7〜8に調節する。遊離したα−クロロアルキルピリジルケトンを有機相に溶解し、相分離により水相から分離することができる。α−クロロアルキルピリジルケトンを引き続き例えば溶剤の蒸留分離により有機相から単離できる。
【0049】
一般的な実施態様において、アルキルピリジルケトンを攪拌しながらアルカン酸、有利に氷酢酸に導入する。引き続きアルキルピリジルケトン塩酸塩を形成するために、塩化水素を所望の温度で、適当な場合は冷却して溶液に導入する。引き続き塩化水素の添加が終了後、液体の塩化スルフリルを添加し、同時に攪拌を継続し、添加速度は、大体において所望の反応温度を維持することができ、ガスの発生を調節可能に維持するように選択されている。反応は発熱性であるので、反応混合物を一般に冷却する。塩化スルフリルの添加が終了後、反応混合物を数分から数時間の時間にわたり更に攪拌する。この間に沈殿物の形成を促進するために、反応混合物を有利に−25〜25℃(248〜298K)の範囲の温度に冷却する。沈殿したα−クロロアルキルピリジルケトン塩酸塩を引き続き濾過または遠心分離により分離する。所望の純度に応じて、得られた所望の生成物を直接得られた形で更に処理するかまたは精製のために後処理することができる。遊離したα−クロロアルキルピリジルケトンを所望の場合は、水、塩基および有機溶剤からなる二相系で遊離し、有機相から単離する。
【0050】
本発明の方法は、爆発性または発ガン性物質を使用せずに、置換されていないかまたは核置換されたα−クロロアルキルピリジルケトンおよび/またはその塩酸塩の製造を可能にし、α位でのモノ塩素化の高い選択率を有し、全体として所望の生成物の高い収率を可能にする。所望の最終生成物に応じてα−クロロアルキルピリジルケトン塩酸塩または塩基による遊離後に、遊離したα−クロロアルキルピリジルケトンを高い純度で製造できる。塩素化剤として使用される塩化スルフリルは特に他の塩素化剤、例えばN−クロロコハク酸イミドと比べてかなり低い費用で容易に利用することができる。更に塩化スルフリルはN−クロロコハク酸イミドと異なり、液体として供給することができ、工業的運転で有利である。本発明の方法は、技術水準の塩化スルフリルを使用するα−塩素化法と比べてアルカン酸の存在により調節剤としてのアルコールの使用を回避する。
【0051】
実施例
例1(本発明による)
2−クロロ−1−ピリジン−3−イルエタノン塩酸塩の製造
【化10】

【0052】
3−アセチルピリジン50g(0.41モル)および氷酢酸100gを混合し、15℃に冷却した。15〜20℃で塩化水素ガス34g(0.93モル)を混合物に導入した。引き続き20〜25℃で30分以内で塩化スルフリル60.89g(0.45モル)を供給した。これにより白い懸濁液を生じ、塩化スルフリルの供給が終了後、懸濁液を室温で更に12時間攪拌した。引き続き付加的に氷酢酸50gを反応混合物に添加し、引き続き懸濁した固形物が完全に溶解するまで還流加熱した。引き続き混合物を15℃に冷却した。沈殿した価値生成物を濾別し、酢酸エチルそれぞれ45gで3回洗浄し、最後に25℃で真空中で乾燥した。67.8g(0.353モル)が得られ、理論値の86.1%の収率に相当する。
【0053】
以下の分析データが得られた。
融点178℃
化学的純度(塩酸塩から遊離後):95GC面積%。このために得られた2−クロロ−1−ピリジン−3−イルエタノン塩酸塩を水/塩化メチレン混合物に注ぎ、水酸化ナトリウム溶液を使用して中性のpHに調節した。塩化メチレン相に蓄積された遊離した2−クロロ−1−ピリジン−3−イルエタノンをガスクロマトグラフィーにより分析した。
13C−NMR(125MHz、d6−DMSO):189.4(C=O);147.5(t);144.0(t);142.0(t);131.9(q);126.5(t);47.9(s)。
H−NMR(500MHz、d6−DMSO):9.4(1H);9.1(1H);8.9(1H);8.1(1H);5.5(2H)。
【0054】
例2(比較例)
この比較例はJ.Duquette等、Organic Process Research and Development2003、Vol.7,No3、285〜288頁に記載された製造例の技術的思想にもとづく。
【0055】
氷酢酸238mlを反応フラスコに導入し、氷浴で冷却して15〜20℃で30分以内で、塩化水素ガス20g(0.548モル)を反応フラスコに液体の表面より上に導入した。引き続き温度を20℃に高め、この温度で3−アセチルピリジン25g(0.207モル)を30分以内で滴加した。引き続きN−クロロコハク酸イミド29.64g(0.222モル)を淡い黄色い溶液に入れ、得られた黄色い溶液を20〜25℃で攪拌した。J.Duquette等に記載された例と異なり、本発明の場合は12時間後に沈殿物が形成されなかった。
【0056】
この理由から溶液は2−クロロ−1−ピリジン−3−イルエタノン塩酸塩の種結晶で種が形成された。この後でも沈殿物が形成された。その後氷浴の冷却により温度を15〜20℃に低下し、塩化水素ガス19g(0.521モル)を直接溶液に導入した。更に30分後にのみ白い固形物を分離し、濾別した。濾別した沈殿物を酢酸エチルで洗浄し、真空中25℃で乾燥した。2−クロロ−1−ピリジン−3−イルエタノン塩酸塩の収率は理論値の20%にすぎなかった。
【0057】
例2はJ.Duquette等に記載された製造例が繰り返すことができず、完全に異なる結果を生じたことを示す。種形成、冷却および塩化水素ガスの繰り返しの導入に関する著しい変更の後でも、20%の収率のみが達成できた。
【0058】
例3(比較例)
この比較例は塩化水素ガスを液体の表面より上でなく、直接氷酢酸に導入することを除いて例2に記載されたように実施した。この試験工程を使用して12時間後にも沈殿物が形成されなかった。この時点で試験を終了した。
【0059】
塩化水素ガスを直接氷酢酸に導入することによっても例2と異なる結果を生じなかった。
【0060】
例4(比較例)
3−アセチルピリジン12g(0.099モル)を氷酢酸95mlに導入し、20〜25℃で塩化水素ガス16.9g(0.46モル)を氷浴で冷却しながら導入した。引き続きN−クロロコハク酸イミド12.7g(0.095モル)を1回で添加した。12時間の引き続く攪拌時間の間に白い懸濁液を製造した。沈殿した固形物を濾別し、酢酸エチルで洗浄し、窒素流中で乾燥した。2−クロロ−1−ピリジン−3−イルエタノン塩酸塩の収率は理論値の68.42%であった。
【0061】
以下の分析データが得られた。
化学的純度(塩酸塩から遊離後):89.47GC面積%。例1に記載されるように分析を実施した。
【0062】
まず3−アセチルピリジンを添加し、引き続き塩化水素ガスを導入することによるJ.Duquette等に記載された製造例の明らかな変更によっても、J.Duquette等で主張される83%の収率を達成することはできなかった。
【0063】
例5(比較例)
この比較例は前記アリールアルキルケトンの代わりに3−アセチルピリジン塩酸塩を使用する米国特許第5710341号に記載される製造方法の技術的思想にもとづく。
【0064】
3−アセチルピリジン塩酸塩13.5g(0.086モル)をn−ブタノール25.2g(0.34モル)に導入し、20〜30℃で塩化スルフリル34.8g(0.258モル)を15分以内で配量した。引き続く2時間の攪拌時間の後に反応混合物から試料を取り、例1と同様に試料を後処理した後にガスクロマトグラフィーにより分析した。2−クロロ−1−ピリジン−3−イルエタノンの72%の変換率(GC面積%による)および71.4%の選択率が検出された。これから得られる収率は約51%である。
【0065】
例5は米国特許第5710341号に記載されたα−塩素化法がアルキルピリジルケトンおよび/またはその塩酸塩を使用してα−クロロアルキルピリジルケトンおよび/またはその塩酸塩の不十分な低い収率のみを生じることを示す。
【0066】
例6(本発明による)
2−クロロ−1−(6−クロロピリジン−3−イル)エタノン塩酸塩の製造
【化11】

【0067】
1−(6−クロロピリジン−3−イル)エタノン63.0g(0.405モル)およびプロピオン酸142gを混合し、15℃に冷却した。15〜20℃で塩化水素ガス48.0g(1.32モル)を混合物に導入した。引き続き20〜25℃で30分以内で塩化スルフリル58.05g(0.43モル)を配量した。これにより最初に黄色い溶液を得た。塩化スルフリルの配量が終了した後に、混合物を室温で更に12時間攪拌し、ベージュの懸濁液を得た。沈殿した価値生成物を濾別し、プロピオン酸50gで洗浄した。更に精製するために、湿った固形物を水600gおよびメチルt−ブチルエーテル(MTBE)500g中で懸濁させた。25%水酸化ナトリウム溶液約163gを使用して混合物をpH=6に調節した。水相を分離し、MTBE200gで1回抽出した。MTBE相を合わせ、水250gで1回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。塩化水素50g(1.37モル)を乾燥したMTBE相に導入することにより塩酸塩を沈殿した。形成される固形物を濾別し、MTBE70gで洗浄し、真空下25℃で乾燥した。56.1g(0.248モル)が得られ、理論値の61.2%の収率に相当する。
【0068】
以下の分析データが得られた。
融点106〜107℃
化学的純度(塩酸塩から遊離後):>98GC面積%。
例1と同様に決定した。
13C−NMR(125MHz、d6−DMSO):190.2(C=O);154.5(q);150.1(t);139.2(t);129.3(q);124.6(t);47.6(s)。
1H−NMR(500MHz、d6−DMSO):9.0(1H);8.4(1H);7.8(1H);5.3(2H)。
【0069】
例7(本発明による)
2−クロロ−1−ピリジン−3−イルエタノン塩酸塩の製造
【化12】

【0070】
3−アセチルピリジン500g(4.13モル)およびプロピオン酸1500gを混合し、15℃に冷却した。15〜20℃で塩化水素ガス340g(9.32モル)を混合物に導入した。引き続き15〜25℃で160分以内で塩化スルフリル608.9g(4.51モル)を配量した。これにより白い懸濁液が得られ、塩化スルフリルの配量が終了した後に室温で更に12時間攪拌した。沈殿した価値生成物を濾別し、それぞれ酢酸エチル500gで3回洗浄し、最後に真空下25℃で乾燥した。773.4g(4.03モル)が得られ、理論値の97.5%の収率に相当する。
【0071】
以下の分析データが得られた。
融点178℃
化学的純度(塩酸塩から遊離後):>95GC面積%。
例1と同様に決定した。
13C−NMR(125MHz、d6−DMSO):189.4(C=O);147.5(t);144.0(t);142.0(t);131.9(q);126.5(t);47.9(s)。
1H−NMR(500MHz、d6−DMSO):9.4(1H);9.1(1H);8.9(1H);5.5(2H)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
置換されていないかまたは核置換されたα−クロロアルキルピリジルケトンおよび/またはその塩酸塩の製造方法であり、相当する置換されていないかまたは核置換されたアルキルピリジルケトン塩酸塩を塩化スルフリルと反応温度−25〜70℃(248〜343K)および絶対圧力0.05〜0.2MPaで反応させることにより置換されていないかまたは核置換されたα−クロロアルキルピリジルケトンおよび/またはその塩酸塩を製造する方法において、反応を、非分枝または分枝状の、置換されていないかまたはフッ素、塩素および臭素の群から選択される基によりモノ置換から全部置換まで置換されたC〜C10−アルカン酸の存在で実施し、前記アルカン酸の融点が選択される反応温度より低いことを特徴とする、置換されていないかまたは核置換されたα−クロロアルキルピリジルケトンおよび/またはその塩酸塩の製造方法。
【請求項2】
反応を蟻酸、酢酸、モノクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸またはプロピオン酸の存在で実施する請求項1記載の方法。
【請求項3】
アルカン酸を使用されるアルキルピリジルケトン塩酸塩に対して100〜1000質量%の量で使用する請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
一般式(I):
【化1】

(式中、
mは0、1、2、3または4であり、
は互いに独立に
置換されていないかまたはRにより置換されたC〜C−アルキル、
置換されていないかまたはRにより置換されたフェニル、
置換されていないかまたはRにより置換されたC〜C−アルキルオキシ、
置換されていないかまたはRにより置換されたフェニルオキシ、
置換されていないかまたはRにより置換されたC〜C−アシルオキシ、
または
ピリジル窒素原子に対してα位の場合は、ピリジル窒素原子に結合したアジド基であり、
は互いに独立にフッ素、塩素、臭素、ヨウ素、トリフルオロメチル、ニトロ、シアノ、−NR、−SR、−OR、−SO、−OCOR、−NRCOR,−NRSOまたは−NRCOORであり、
、R、Rは互いに独立に水素またはC〜C−アルキルであり、
、Rは互いに独立に水素またはC〜C10−アルキルである)のα−クロロアルキルピリジルケトンおよび/またはその塩酸塩を製造する請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
一般式(II):
【化2】

(式中、m、R、RおよびRは請求項4に定義されたものと同じ意味を表す)のα−クロロアルキルピリジルケトンおよび/またはその塩酸塩を製造する請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
一般式(II)において、mが0、1または2であり、
が互いに独立に、
フッ素、
塩素、
−NHCOR(式中、RはC〜C−アルキルである)であるか、
−NR(式中、R、Rは互いに独立に水素またはC〜C−アルキルである)であるか、または
ピリジル窒素原子に対してα位の場合は、ピリジル窒素原子に結合したアジド基であり、
、R、Rは互いに独立に水素またはC〜C−アルキルであり、
、Rは互いに独立に水素、メチルまたはエチルである
一般式(II)のα−クロロアルキルピリジルケトンおよび/またはその塩酸塩を製造する請求項5記載の方法。
【請求項7】
使用されるアルキルピリジルケトン塩酸塩を、塩化スルフリルの添加の前に、相当するアルキルピリジルケトンを塩化水素と反応することにより製造する請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
【請求項8】
相当するアルキルピリジルケトンを塩化水素と反応させるために、アルキルピリジルケトンをアルカン酸に導入し、使用されるアルキルピリジルケトン1モル当たり1〜5モルの気体の塩化水素を添加する請求項7記載の方法。
【請求項9】
塩化スルフリルを、使用されるアルキルピリジルケトン塩酸塩1モル当たり0.9〜1.5モルの量で使用する請求項1から8までのいずれか1項記載の方法。
【請求項10】
得られたα−クロロアルキルピリジルケトン塩酸塩を塩基と反応させることによりα−クロロアルキルピリジルケトンを遊離する請求項1から9までのいずれか1項記載の方法。
【請求項11】
2−クロロ−1−ピリジン−3−イルエタノンおよび/またはその塩酸塩、2−クロロ−1−(6−クロロピリジン−3−イル)エタノンおよび/またはその塩酸塩、N−[5−(2−クロロアセチル)ピリジン−2−イル]イソブチルアミドおよび/またはその塩酸塩または2−クロロ−1−テトラゾロ[1,5−a]ピリジン−6−イルエタノンおよび/またはその塩酸塩を製造する請求項1から10までのいずれか1項記載の方法。

【公表番号】特表2007−538032(P2007−538032A)
【公表日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−517067(P2007−517067)
【出願日】平成17年5月17日(2005.5.17)
【国際出願番号】PCT/EP2005/005331
【国際公開番号】WO2005/113505
【国際公開日】平成17年12月1日(2005.12.1)
【出願人】(595123069)ビーエーエスエフ アクチェンゲゼルシャフト (847)
【氏名又は名称原語表記】BASF Aktiengesellschaft
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】