説明

α,β−不飽和エステルの製法

【課題】α,β−不飽和エステルの新規製法の提供
【解決手段】式(2)


(式中、R7とR8は同一または異なって、水素原子、C1-6アルキル基またはフェニル基を表す。)で表されるグリセロール誘導体をニトロキシラジカル化合物、および共酸化剤の存在下、酸化し、グリセルアルデヒド誘導体を得、次いでホスホノ酢酸アルキルエステルまたはトリフェニルホスホラニリデン酢酸アルキルエステルを作用させ、式(4)


(式中、R7とR8は前掲と同じ。)
で表されるα,β−不飽和エステルの製法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は光学活性な医薬品等の製造に有用なα,β−不飽和エステルの製法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、グリセルアルデヒド誘導体の一種であるグリセルアルデヒドアセトニドは、一般的に天然物から誘導されており、R体はD−マンニトール、S体はL−アスコルビン酸から合成されている(非特許文献1、2参照)。また、グリセロールアセトニドをPCC等の酸化剤を用いて酸化する方法も公知である(非特許文献3参照)。
α,β−不飽和エステルは、D−マンニトールから誘導する方法(特許文献1参照)と、グリセロールアセトニドをSwern酸化を用いてアルデヒドに変換し、トリフェニルホスホラニリデン酢酸エステルと作用させる方法が開示されている(非特許文献4参照)。
【0003】
【特許文献1】特公昭62−246567号公報
【非特許文献1】Organic Synthesis, CV, 9. p.450
【非特許文献2】Organic Synthesis, CV, 9. p.454
【非特許文献3】Synlett, 2001, 10, p.1565
【非特許文献4】Synthesis, 1993年, p.129
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
グリセルアルデヒドアセトニドの合成において、天然物から誘導する場合はR体とS体で合成方法を変える必要があり、そしてどちらも過ヨウ素酸ナトリウムという高価な試薬を用いる必要がある。また、グリセロールアセトニドをPCC酸化する方法は、クロムという有毒な金属を量論以上用いなければならず、工業的に行う上で問題がある。
【0005】
また、α,β−不飽和エステルの合成に関し、D−マンニトールから誘導する方法は、片方の光学活性体しか合成することができず、過ヨウ素酸ナトリウムという高価な試薬を用いなければならない。一方、グリセロールアセトニドをSwern酸化する方法は、−60℃という低温が必要であり、ジメチルスルフィドの悪臭が問題となる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは上記問題点を解決するために鋭意検討した結果、ニトロキシラジカルを触媒に用いて共酸化剤と作用させることで、グリセロールアセトニドまたはその類似体を温和な条件で、かつ有毒な酸化剤を用いることなく酸化し、R体とS体を同一合成方法にてグリセルアルデヒドアセトニドまたはその類似体を合成でき、そして引続き、酢酸エステル誘導体を作用させ、α,β−不飽和エステルを合成できることを見出し、本発明を完成した。
【0007】
即ち、本発明は、下記式(2)
【化1】

(式中、R7とR8は同一または異なって、水素原子、C1-6アルキル基またはフェニル基を表す。)、
で表されるグリセロール誘導体を、下記式(1)
【化2】

(式中、R0ないしR4は、同一または異なって、直鎖状もしくは分岐状のC1-10アルキル基を表し、また、2つのR0は結合して分子内の窒素原子と共に5−7員の複素環を形成していてもよい。)
で表されるニトロキシラジカル化合物と共酸化剤の存在下、酸化することにより、下記式(3)
【化3】

(式中、R7とR8は前掲と同じ。)
で表されるグリセルアルデヒド誘導体を得、次いで、ホスホノ酢酸アルキルエステルまたはトリフェニルホスホラニリデン酢酸アルキルエステルを作用させることを特徴とする、下記式(4)
【化4】

(式中、R7とR8は前掲と同じ。)
で表されるα,β−不飽和エステルの製法に関する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、グリセロール誘導体(2)を比較的温和な条件で、かつ有毒な酸化剤を用いることなく酸化し、グリセルアルデヒド誘導体(3)を合成でき、また、一般的に合成後の単離精製が困難とされるグリセルアルデヒド誘導体(3)を単離することなく、ワンポットでそのまま目的とするα,β−不飽和エステル(4)を合成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本反応で用いられる触媒は上記式(1)で表わされる化合物であるが、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において他の置換基を有していてもよい。例えばR0ないしR4のうち少なくともいずれか1つがアルコキシ基等で置換されたアルキル基であってもよい。
上記式(1)で表される化合物は公知の化合物であり、European Patent 574666 and 574667, etc.に記載された方法で製造できる。
【0010】
触媒(1)は、下記式(1a)で表されるものが好ましい。
【化5】

(式中、R1ないしR4は上記と同じ基を表し、R5およびR6は、共に水素原子もしくはアルコキシ基を表すか、または一方は水素原子を表し、他方がヒドロキシル基、アルコキシ基、アシロキシ基、もしくはアシルアミノ基を表すか、あるいはR5とR6は一緒になって、式(a)〜(c):
【化6】

(上記式中R9はC1-6アルキルを表し、R10およびR11は、水素原子または同一もしくは異なって、C1-6アルキル基を表す。)で示されるいずれかのケタール基を表す。)
【0011】
特に好ましくは、R1ないしR4がメチル基で、R5およびR6が、共に水素を表すか、または一方が水素を表し、他方がヒドロキシル基、メトキシ基、アセトキシ基、ベンゾイロキシ基、もしくはアセトアミノ基を表す場合である。
グリセロール誘導体(2)の酸化に使用する当該触媒量は、グリセロール誘導体(2)に対して、0.05〜20モル%が好ましく、特に好ましくは0.1〜3モル%である。
【0012】
グリセロール誘導体(2)の酸化において、触媒(1)または(1a)と共に使用する共酸化剤としては、N−クロロコハク酸イミド(NCS)、ジクロロジメチルヒダントイン、トリクロロイソシアヌル酸、N−クロロ−4−トルエンスルホナミド、N−クロロ−4−ベンゼンスルホナミドなどのN−クロロアミド化合物、N−ブロモアセトアミド、N−ブロモコハク酸イミド(NBS)などのN―ブロモアミド化合物、塩素、臭素、ヨウ素、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸t−ブチル、さらし粉、ジアセトキシヨードベンゼン、m−クロロ過安息香酸(m−CPBA)などが挙げられる。好ましくは、次亜塩素酸ナトリウム、NCS、トリクロロイソシアヌル酸、NBS、ジアセトキシヨードベンゼンである。なお、NCSを使用する場合には臭化ナトリウム、臭化カリウム等の臭素源を共存させるのが好ましい。特に好ましくはN−ブロモアミド化合物あるいはN−クロロコハク酸イミドと臭化物イオンの組合せである。
共酸化剤の添加量は、グリセロール誘導体(2)に対して1.05〜2.0当量使用するのが好ましい。
【0013】
グリセロール誘導体の酸化に使用可能な溶媒としては、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン系溶媒、アセトン、メチルエチルケトンのようなケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系の溶媒、THF、1,4−ジオキサン、t−ブチルメチルエーテルなどのエーテル系の溶媒、ベンゼン、トルエンなどの芳香族系の溶媒を使用することができる。中でも、エステル系、エーテル系、ハロゲン系の溶媒を使用するのが好ましい。
【0014】
酸化反応において、酸が生成する場合には塩基を使用してもよい。好ましい塩基としては、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸カリウム、酢酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、リン酸水素ナトリウムなどを使用することができる。
【0015】
反応温度は、共酸化剤の種類にもよるが、好ましくは−15〜100℃、より好ましくは0〜30℃である。
かくして得られるグリセルアルデヒド誘導体(3)は単離を行なわず、ホスホノ酢酸アルキルエステルまたはトリフェニルホスホラニリデン酢酸アルキルエステルを作用させ、α,β−不飽和エステル(4)を合成することができる。
【0016】
ホスホノ酢酸アルキルエステルとしては、ホスホノ酢酸トリメチル、ホスホノ酢酸トリエチル、ジエチルホスホノ酢酸メチルが好ましく例示される。また、トリフェニルホスホラニリデン酢酸アルキルエステルとしては、トリフェニルホスホラニリデン酢酸メチル、トリフェニルホスホラニリデン酢酸エチルが好ましく例示される。
グリセルアルデヒド誘導体(3)をホスホノ酢酸アルキルエステルまたはトリフェニルホスホラニリデン酢酸アルキルエステルと作用させる反応(Horner-Wadsworth-Emmons反応(以下HWE反応)やWittig反応)では、一般のHWE反応やWittig反応で使用する塩基と同様のものが使用できる。例えば、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、ナトリウムヒドリド,カリウムヒドリド、カリウムt−ブトキシド、ブチルリチウム、リチウムジイソプロピルアミド(LDA)、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデック−7−エン(DBU)、1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]ノナ−5−エン(DBN)などが好ましく挙げられる。
【0017】
HWE反応もしくはWittig反応で使用する塩基の量は、アルデヒド誘導体(3)に対して0.5〜3当量使用することができる。
HWE反応もしくはWittig反応における反応温度は、塩基やリン試薬にもよるが-78〜150℃の範囲で実施可能である。
本発明方法によれば、出発物質であるグリセロール誘導体(2)がR体のときはグリセルアルデヒド誘導体(3)はS体で得られ、そしてα,β−不飽和エステル(4)はR体で得られる。一方グリセロール誘導体(2)がS体ならグリセルアルデヒド誘導体(3)はR体で得られ、そしてα,β−不飽和エステル(4)はS体で得られ、いずれにおいても顕著なラセミ化は起こらない。
【実施例】
【0018】
以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[実施例1]
(S)−3−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)−2−プロペン酸メチルの製造
【化7】

(S)−グリセロールアセトニド 5.0g(37.8mmol)、酢酸ナトリウム 3.7g(45.4mmol)、4−アセトアミノ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジン−1−オキシルラジカル(TEMPO) 81mg(0.38mmol)、酢酸エチル 50mLを200mLの3つ口フラスコに入れた。この懸濁液を氷浴につけ、10℃以下とし、トリクロロイソシアヌル酸 3.5g(15.1mmol)を5回に分けて投入した。溶媒に不要な塩をろ過により除去した。ろ液に6M 炭酸カリウム水溶液 19mL、ホスホノ酢酸トリメチル 8.3g(45.4mmol)を加え、室温で12時間攪拌した。水を30mL加えて分液を行い、有機層を濃縮し粗生成物を得た。その粗生成物を蒸留により精製し、目的のエステルがトランス体/シス体=98/2の比で5.8g(収率82%)得られた。
1H-NMR (CDCl3/TMS) δ = 1.38 (s, 3H), 1.42 (s, 3H), 3.65 (dd, J=7.1, 8.2Hz, 1H), 3.72 (s, 3H), 4.16 (dd, J=6.6, 8.2Hz, 1H), 4.64 (m, 1H), 6.18 (dd, J=1.4, 15.6Hz, 1H), 6.87 (dd, J=5.6, 15.6Hz, 1H)
旋光度 [α]D22: + 46.0o (c=3.9, CHCl3)
【0019】
[実施例2]
(S)−3−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)−2−プロペン酸エチルの製造
【化8】

(S)−グリセロールアセトニド 5.0g(37.8mmol)、4−ヒドロキシTEMPO 130mg(0.76mmol)、ジクロロメタン 50mLを200mLの3つ口フラスコに入れた。この溶液にジアセトキシヨードベンゼン 13.4g(41.6mmol)を加え、GCで原料の消失を確認しながら、約3時間攪拌した。さらに炭酸ナトリウム 12.0g(113mmol)、ホスホノ酢酸トリエチル 9.1g(45.4mmol)を加え、室温で16時間攪拌した。水を100mL加えて分液を行い、有機層を濃縮し粗生成物を得た。その粗生成物を蒸留により精製し、目的のエステルがトランス体/シス体=98/2の比で6.6g(収率87%)得られた。
1H-NMR (CDCl3/TMS) δ = 1.27 (t, J=7.1, 3H), 1.39 (s, 3H), 1.43 (s, 3H), 3.66 (dd, J=7.1, 8.1Hz, 1H), 4.16 (dd, J=6.6, 8.3Hz, 1H), 4.18 (q, J=7.1, 2H), 4.66 (m, 1H), 6.08 (dd, J=1.4, 15.6Hz, 1H), 6.86 (dd, J=5.7, 15.6Hz, 1H)
旋光度 [α]D20: + 44.0o (c=0.5, CHCl3)
【0020】
[実施例3]
(R)−3−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)−2−プロペン酸メチルの製造
【化9】

(R)−グリセロールアセトニド 5.0g(37.8mmol)、炭酸水素ナトリウム 4.8g(56.7mmol)、4−アセトキシTEMPO 41mg(0.19mmol)、THF 50mLを200mLの3つ口フラスコに入れた。この懸濁液を氷浴につけ10℃以下にし、NBS 8.1g(45.4mmol)を3回に分けて加えた。溶媒に不溶な塩をろ過により除去し、ろ液を0℃にまで冷却し、トリフェニルホスホラニリデン酢酸メチル 15.1g(45.4mmol)を加え、0℃で16時間攪拌した。反応液にヘキサン100mL加え、不溶物をろ過により除去し、ろ液を濃縮した。その粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、目的のエステルがトランス体/シス体=21/79の比で5.3g(収率75%)得られた。
1H-NMR (CDCl3/TMS) δ = 1.37 (s, 3H), 1.43 (s, 3H), 3.60 (dd, J=6.7, 8.2Hz, 1H), 3.70 (s, 3H), 4.36 (dd, J=6.9, 8.2Hz, 1H), 5.47 (apparent dq, J=1.7, 6.8Hz, 1H), 5.83 (dd, J=1.7, 6.8Hz, 1H), 6.35 (dd, J=6.6, 11.6Hz, 1H)
旋光度 [α]D20: -118.5o (c=1.8, CHCl3)
【0021】
[実施例4]
(S)−3−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)−2−プロペン酸メチルの製造
【化10】

(S)−グリセロールアセトニド 66.1g(500mmol)、TEMPO 0.78g(5mmol)、ジクロロメタン 170mL、臭化カリウム 5.95g(50mmol)を溶かした水溶液25mLを1Lの3つ口フラスコに入れた。この反応液を氷浴につけ0℃まで冷却し、炭酸水素ナトリウム 9.35g(111mmol)を溶かし、pH=9.5付近に調整した1M 次亜塩素酸ナトリウム水溶液 550mLを10〜15℃に保ちながら滴下した。この反応液に炭酸カリウム207g(1.5mol)、ホスホノ酢酸トリメチル 111g(600mmol)を加え、室温で12時間攪拌した。反応溶液を分液し、有機層を濃縮し粗生成物を得た。その粗生成物を蒸留により精製し、目的のエステルがトランス体/シス体=98/2の比で74.5g(収率80%)得られた。
1H-NMR (CDCl3/TMS) δ = 1.38 (s, 3H), 1.42 (s, 3H), 3.65 (dd, J=7.1, 8.2Hz, 1H), 3.72 (s, 3H), 4.16 (dd, J=6.6, 8.2Hz, 1H), 4.64 (m, 1H), 6.18 (dd, J=1.4, 15.6Hz, 1H), 6.87 (dd, J=5.6, 15.6Hz, 1H)
旋光度 [α]D23: + 44.6o (c=3.0, CHCl3)
【産業上の利用可能性】
【0022】
本発明は、グリセロール誘導体(2)を出発原料として、酸化反応によりアルデヒドを合成し、次いでα,β―不飽和エステル(4)を製造することを目的とする。かくして得られる化合物は医薬中間体等の有機合成化学工業分野において利用することができる。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(2)
【化1】

(式中、R7とR8は同一または異なって、水素原子、C1-6アルキル基またはフェニル基を表す。)、
で表わされるグリセロール誘導体を下記式(1)
【化2】

(式中、R0ないしR4は、同一または異なって、直鎖状もしくは分岐状C1-10アルキル基を表し、また、2つのR0が結合して分子内の窒素原子と共に5−7員の複素環を形成していてもよい。)
で表わされるニトロキシラジカル化合物と共酸化剤の存在下、酸化し、下記式(3)
【化3】

(式中、R7とR8は前掲と同じ。)
で表わされるグリセルアルデヒド誘導体を得、次いでホスホノ酢酸アルキルエステルまたはトリフェニルホスホラニリデン酢酸アルキルエステルを作用させることを特徴とする、下記式(4)
【化4】

(式中、R7とR8は前掲と同じ。)
で表されるα,β−不飽和エステルの製法。
【請求項2】
ニトロキシラジカル化合物が一般式(1a)
【化5】

(式中、R1ないしR4は請求項1と同じ基を表し、R5およびR6は、共に水素原子もしくはアルコキシ基を表すか、または一方は水素原子を表し、他方がヒドロキシル基、アルコキシ基、アシロキシ基、もしくはアシルアミノ基を表すか、あるいはR5とR6は一緒になって、式(a)〜(c)
【化6】

(上記式中R9はC1-6アルキルを表し、R10およびR11は、水素原子または同一もしくは異なって、C1-6アルキル基を表す。)で示されるいずれかのケタール基を表す。)
で表される化合物である請求項1記載の製法。
【請求項3】
ニトロキシラジカル化合物(1a)のR1ないしR4がメチル基を表し、かつR5およびR6がともに水素であるか、または一方が水素で、他方がヒドロキシル基、メトキシ基、アセトキシ基、ベンゾイロキシ基もしくはアセトアミノ基である請求項2記載の製法。
【請求項4】
共酸化剤がN−クロロアミド化合物、N―ブロモアミド化合物、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸t−ブチル、塩素、臭素、ヨウ素、さらし粉、ジアセトキシヨードベンゼン、およびm−クロロ過安息香酸からなる群から選択される少なくとも一種の化合物である請求項1〜3のいずれかに記載の製法。
【請求項5】
共酸化剤が次亜塩素酸ナトリウム、トリクロロイソシアヌル酸、ジアセトキシヨードベンゼン、N−ブロモアミド化合物、またはN−クロロコハク酸イミドと臭化物イオンの組合せである請求項1〜3のいずれかに記載の製法。
【請求項6】
共酸化剤がN−ブロモアミド化合物またはN-クロロコハク酸イミドと臭化物イオンの組合せである請求項1〜3のいずれかに記載の製法。