説明

γ特性検査方法およびγ特性調整方法

【課題】γ特性が保証範囲内に収まっているか、あるいはどの程度ずれているかを簡単に検査する。
【解決手段】1ドット内を最小階調値に応じた表示状態とする表示と、1ドット内を最大階調値に応じた表示状態とする表示とを組み合わせて所定の輝度を実現する第1の画像11と、γ値が保証範囲として定められるγ特性を示した際のγ値の下限値または判定下限値を実現している場合に当該画像の輝度が第1の画像11が実現する輝度を示す判定輝度となる第2の画像12と、γ値が保証範囲として定められるγ特性を示した際のγ値の上限値または判定上限値を実現している場合に当該画像の輝度が判定輝度となる第3の画像13とを表示装置に表示させ、表示された各画像の輝度を測定し、測定された各画像の輝度を比較することにより、表示装置が実現しているγ特性が保証範囲内であるか否か、または最適なγ値からどの程度ずれているかを判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置のγ特性が適正であるか否かを検査するγ特性検査方法、およびそれを用いたγ特性調整方法に関する。
【背景技術】
【0002】
カラー表示可能な表示装置が備える表示パネルには、R(赤色)を単色で表示する表示素子、G(緑色)を単色で表示する表示素子、およびB(青色)を単色で表示する表示素子が配置されている。以下、この3種類の表示素子を、それぞれR表示素子、G表示素子、B表示素子と記す。この3種類の表示素子は、表示パネルの1ライン内で順番に配置され、R表示素子、G表示素子、B表示素子の組み合わせが1つのドットになる。表示パネルには、このドットがマトリクス状に設けられている。なお、ドットはピクセルあるいは画素と呼ばれることもある。そして、ドット内の各表示素子(R表示素子、G表示素子、B表示素子)は、サブピクセルと呼ばれることもある。
【0003】
1つのドットに含まれる各表示素子の階調を選択することによって、ドットの色を制御することができる。例えば、各表示素子のとり得る階調の種類の数(階調値)が64であるとする。この場合、1つのドットで、64種類の色を表示することができる。各階調を示す値を、階調値と記す。階調値のうち最大のものを最大階調値と記し、階調値のうち最小のものを最小階調値と記す。
【0004】
ドットを白色、黒色、あるいは白色と黒色の中間色とする場合、ドットを構成する各表示素子の階調値を等しく設定すればよい。例えば、R表示素子、G表示素子、B表示素子の階調値を全て0とすれば、ドットは黒色となる。また、例えば、R表示素子、G表示素子、B表示素子の階調値を全て63とすれば、ドットは白色となる。また、例えば、R表示素子、G表示素子、B表示素子の階調値を全て等しくし、その階調値を1〜62のいずれかにすれば、ドットは中間色となる。このように、各表示素子の拡張数がそれぞれ64である場合、グレースケールで64階調の表示を行うことができる。グレースケールとは、白色、黒色、およびその中間色で画像を表示することである。
【0005】
なお、グレースケールの表示のみを行う表示装置が備える表示パネルでは、1種類の表示素子が1つのドットを構成する。
【0006】
以下の説明では、表示装置が液晶表示パネルを備えた液晶表示装置である場合を例にして説明する。液晶表示装置でグレースケールの表示を行う場合において、最小輝度(黒色表示時の輝度)を0とし、最大輝度(白色表示時の輝度)を1とした場合、液晶表示装置のドットの相対輝度は、画像データが示す階調値と比例しない。相対輝度は、グレースケールの最大階調値に対応する最大輝度(すなわち白色表示時の輝度)に対する相対輝度である。相対輝度をI、グレースケールの階調値をDataとし、相対輝度Iを縦軸に表し階調値Dataを横軸に表した場合、相対輝度Iと階調値Dataとの関係は、図12に示すように曲線的に変化する。このような特性をγ特性と呼ぶ。
【0007】
γ特性のγ値は、相対輝度Iを含む以下の式1によって表され、液晶表示装置を含む表示装置は、式1に特性が合うように設定される。例えば、γ値は2.2の値がよく用いられる。
【0008】
【数1】

【0009】
なお、CR比を有限とし、黒色表示する際の輝度が実際には0でないことを考慮し、以下に示す式2によって相対輝度Iを表す場合もある。
【0010】
【数2】

【0011】
階調数がXである場合、階調値は0〜X−1のいずれかの値であり、最大階調値はX−1となる。ここでは、グレースケールの階調数Xが64であり、グレースケールの階調値が0〜63である場合を例にして説明する。この場合、式1における最大階調値は63である。
【0012】
表示装置のγ特性が適正なγ特性になっているかを検査する検査をγ特性検査という。従来のγ特性検査では、グレースケールの全階調値(例えば、0〜63)の中からいくつかの階調値をサンプリングし、それらの各階調値毎に輝度を測定し、階調値と輝度との関係が好ましいγ特性に合致しているか否かを検査していた。
【0013】
また、特許文献1には、測定器具を用いずに精度の高いγ調整を行う方法が記載されている。また、特許文献2には、輝度を測定する輝度センサを用いて原階調値を表示階調値に変換する階調変換テーブルを作成する方法が記載されている。
【0014】
【特許文献1】特開2004−15471号公報
【特許文献2】特開2002−162937号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
しかし、いずれの方法もγ値を所定の値に合わせることを目的としたものであり、γ特性が誤差範囲内(すなわち、保証範囲内)に収まっているか、あるいはどの程度ずれているかを簡単に検査しようということは考えられていない。
【0016】
そこで、本発明は、γ特性が保証範囲内に収まっているか、あるいは最適値からどの程度ずれているかを簡単に検査することができるγ特性検査方法およびγ特性調査方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明によるγ特性検査方法は、1ドット内を最小階調値に応じた表示状態とする表示と、1ドット内を最大階調値に応じた表示状態とする表示とを組み合わせて所定の輝度を実現する第1の画像(例えば、第1の画像11)と、検査対象とする表示装置が実現しているγ特性のγ値が、保証範囲として定められるγ特性を示した際のγ値の最適値以下の所定の値である判定下限値を実現している場合に当該画像の輝度が前記第1の画像が実現する輝度を示す判定輝度となる第2の画像(例えば、第2の画像12)と、検査対象とする表示装置が実現しているγ特性のγ値が、保証範囲として定められるγ特性を示した際のγ値の最適値以上の所定の値である判定上限値を実現している場合に当該画像の輝度が前記判定輝度となる第3の画像(例えば、第3の画像13)とを表示装置に表示させ、表示された第1の画像、第2の画像および第3の画像の輝度を測定し、測定された第1の画像、第2の画像および第3の画像の輝度を比較することにより、前記表示装置が実現しているγ特性が保証範囲内であるか否か、またはγ値が最適値であるγ特性からどの程度ずれているかを判定することを特徴とする。
【0018】
また、γ特性検査方法は、1ドット内を最小階調値に応じた表示状態とする表示と、1ドット内を最大階調値に応じた表示状態とする表示とを組み合わせて所定の輝度を実現する第1の画像と、検査対象とする表示装置が実現しているγ特性のγ値が、保証範囲として定められるγ特性を示した際のγ値の下限値を実現している場合に当該画像の輝度が前記第1の画像が実現する輝度を示す判定輝度となる第2の画像と、検査対象とする表示装置が実現しているγ特性のγ値が、保証範囲として定められるγ特性を示した際のγ値の上限値を実現している場合に当該画像の輝度が前記判定輝度となる第3の画像とを表示装置に表示させ、表示された第1の画像、第2の画像および第3の画像の輝度を測定し、測定された第1の画像、第2の画像および第3の画像の輝度を比較し、測定された第1の画像の輝度I、第2の画像の輝度I、第3の画像の輝度Iの大小関係が、I≦I≦I(ただし、I<I)となっていた場合に、検査対象である表示装置が実現しているγ特性が保証範囲内であると判定してもよい。
【0019】
また、γ特性検査方法は、測定された第1の画像の輝度Iと測定された第2の画像の輝度Iとの差と、測定された第1の画像の輝度Iと測定された第3の画像の輝度Iとの差とを求めることにより、検査対象である表示装置が実現しているγ特性がγ値が最適値であるγ特性からどの程度ずれているかを判定してもよい。
【0020】
また、γ特性検査方法は、1ドットを構成する赤色を表示する表示素子であるR表示素子と、緑色を表示する表示素子であるG表示素子と、青色を表示する表示素子であるB表示素子のうちいずれか1種類の表示素子のみを、所望の輝度を実現するための表示状態にして、各画像を表示させてもよい。
【0021】
また、本発明のγ特性調整方法は、上記いずれかのγ特性検査方法による判定の結果に基づいて、表示装置のγ特性を、そのγ値が保証範囲として定められるγ特性を示した際のγ値の下限値から上限値の範囲に収まるように調整することを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、表示装置が実現しているγ特性が保証範囲内に収まっているか、あるいは最適値からどの程度ずれているかを簡単に検査することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。なお、以下の説明では、γ特性検査の対象となる表示装置の表示素子の輝度の階調数が64である場合を例にして説明する。すなわち、表示素子は階調値0から階調値63までの各階調に応じた表示状態となる場合を例にして説明する。
【0024】
まず、本発明のγ特性方法が適用される表示装置の例について説明する。ここでは、表示装置が、TFT(Thin Film Transistor)液晶表示パネルを備えた液晶表示装置(液晶表示モジュール)である場合を例にして説明する。
【0025】
図1は、液晶表示装置の表示パネルに設けられる表示素子の構成例を示す説明図である。個々の表示素子に、TFT1と表示電極2が設けられる。図1では、TFT1と表示電極2を1つだけ図示し、他のTFTおよび表示電極の図示を省略している。液晶表示パネルには、各表示電極と対向するコモン電極3が設けられる。本例では、液晶表示パネルに設けられるコモン電極が1枚である場合を例にして説明する。コモン電極3と各表示電極2とによって液晶層(図示せず。)が挟持される。
【0026】
各表示素子は、マトリクス状に配置されていて、各行内の個々の表示素子と重なるようにR,G,Bのカラーフィルタが、各行において所定の順番で設けられる。例えば、各行において、R,G,B,R,G,B,・・・の順番で、カラーフィルタが設けられる。Rのカラーフィルタが設けられた表示素子はR表示素子となる。同様に、Gのカラーフィルタが設けられた表示素子はG表示素子となり、Bのカラーフィルタが設けられた表示素子はB表示素子となる。そして、順番に並ぶR表示素子、G表示素子、およびB表示素子の組み合わせが、1つのドットとなる。この結果、各ドットも、マトリクス状に配置されることになる。
【0027】
表示電極2は、TFT1のドレイン1bに接続される。また、TFT1のソース1cは、ソース配線4に接続され、TFT1のゲート1aは、ゲート配線5に接続される。ゲート配線5を介してゲート1aの電位が所定のオン電位に設定されると、ソース1cとドレイン1bとの間が導通状態となり、表示電極2がソース配線4と等しい電位に設定される。ゲート1aの電位が所定のオフ電位に設定されると、ソース1cとドレイン1bとの間が非導通状態となり、ソース配線4と表示電極2の間も非導通状態に切り替えられる。所定のオン電位とは、ソース1cとドレイン1bとの間を導通状態にするためのゲート1aの所定電位である。所定のオフ電位とは、ソース1cとドレイン1bとの間を非導通状態にするためのゲート1aの所定電位である。以下、所定のオン電位をVgHと表し、所定のオフ電位をVgLと表すことにする。
【0028】
図2は、液晶表示装置が備える駆動装置の例を模式的に示す説明図である。液晶表示パネル100を駆動する駆動装置9は、例えばICによって実現される。以下、駆動装置を駆動ICと記す。駆動IC9は、ソースドライバ7と、ゲートドライバ8と、ソースドライバ7およびゲートドライバ8を制御する制御部6とを含んでいる。
【0029】
各ゲート配線5(図1参照。)は行毎に、1行におけるそれぞれのTFT1のゲート1aに接続される。また、各ゲート配線5は、ゲートドライバ8(図2参照。)に接続される。各ソース配線4(図1参照。)は、1列におけるそれぞれのTFT1のソース1cに接続される。また、各ソース配線4は、ソースドライバ7(図2参照。)に接続される。
【0030】
ゲートドライバ8は、ゲート配線を順次選択しながら走査し、選択したゲート配線の電位をVgHに設定し、選択していないゲート配線の電位をVgLに設定する。ゲートドライバ8によって選択された行の選択期間中、ソースドライバ7は、選択されたゲート配線に対応する1行分の画像データに応じて、各ソース配線の電位を設定する。この結果、選択したゲート配線に対応する1行分の各表示電極2とコモン電極3(図1参照。)との間の液晶に、画像データに応じた電圧が印加される。また、その1行分の表示素子に、それぞれ電荷が蓄積される。以降、同様にゲート配線を順次選択していくことにより、1画面分の画像が液晶表示パネル100に表示される。
【0031】
制御部6は、選択行の切り替えを指示する制御信号をソースドライバ7およびゲートドライバ8に出力する。また、制御部6は、外部から入力された画像データをソースドライバ7に出力する。ゲートドライバ8は、選択行の切り替えを指示する制御信号が入力されると、選択するゲート配線を切り替える。また、ソースドライバ7は、選択行の切り替えを指示する制御信号が入力されると、選択行の画像データに基づいて各ソース配線の電位を設定する。
【0032】
ソースドライバ7は、ソース配線4の電位を、画像データが示す階調値に応じた電位に設定する。例えば、選択行内の1つのドットにおけるR,G,Bの各表示素子の輝度を最大階調とすることが画像データに示されていた場合、そのドットに含まれるR,G,Bの各表示素子に接続されるソース配線の電位をその階調値63に対応する電位に設定する(この場合、そのドットは白色表示となる。)。画像データにおいて他の階調値が指定されている場合も同様である。駆動IC9はレジスタ(図示せず。)を備える。そして、そのレジスタは、画像データに示された階調値と、その階調値に応じてソース配線に設定すべき電位との関係を特定するためのデータを記憶する。制御部6は、レジスタに記憶されたデータに応じて、画像データに示された階調値に対応する電位をソース配線に設定するようにソースドライバ7を制御する。画像データに示された階調値が変わらなくても、レジスタに記憶されたデータが変更されると、ソース配線に設定される電位も変化する。
【0033】
次に、本発明のγ特性検査方法について説明する。ここでは説明を簡略するために、グレースケールの表示を行う場合における最小輝度(黒色表示時の輝度)を0とし、最大輝度(白色表示時の輝度)を1とする。そして、最小輝度0とするための表示素子の設定と、最大輝度1とするための表示素子の設定とを基準とする。そして、検査対象の液晶表示パネルに、基準となる設定を組み合わせることにより相対輝度がある値(以下、判定輝度という。)となる画像(第1の画像)と、検査対象の液晶表示装置が実現しているγ特性が、γ値が保証範囲の下限値となる適正なγ特性であったときに相対輝度が判定輝度となる画像(第2の画像)と、検査対象の液晶表示装置が実現しているγ特性が、γ値が保証範囲の上限値となる適正なγ特性であったときに相対輝度が判定輝度となる画像(第3の画像)とを表示させる。
【0034】
第1の画像に対して、第2の画像が暗く(輝度の値が小さく)、第3の画像が明るければ(輝度の値が大きければ)、検査対象の液晶表示装置が実現しているγ特性がその保証値として規定されたγ値の保証範囲内に収まっていると判定する。輝度の大小判定は、例えば、各画像に対応づけて輝度センサを設置し、それぞれの画像に対して検出した値を比較することにより行えばよい。
【0035】
例えば、γ=2.2に対して±0.2の範囲が保証範囲として定められていたとする。ここで、判定輝度を0.5とした場合、第1の画像として、基準となる設定を組み合わせて相対輝度が0.5となる画像を表示する。また、第2の画像として、γ=2.0の場合に相対輝度が0.5となる画像を表示する。また、第3の画像として、γ=2.4の場合に相対輝度が0.5となる画像を表示する。
【0036】
また、判定輝度は、基準となる設定を組み合わせて(すなわち、γ値によらず)実現可能な相対輝度であればよく、例えば、0.25や0.75とすることも可能である。また、複数の判定輝度を用いて、同様の判定を繰り返し行ってもよい。
【0037】
図3は、本発明のγ特性検査方法において検査対象となる液晶表示装置の液晶表示パネル100に表示する画像(以下、検査画像と記す。)の例を示す説明図である。図3に例示する検査画像は、第1の画像11と、第2の画像12と、第3の画像13とを含んでいる。そして、この検査画像の画像データを制御部6に入力する。制御部6は、ソースドライバ7およびゲートドライバ8を制御して検査画像を表示する。検査画像が表示されると、その検査画像に含まれる3種類の画像11〜13の配置位置にそれぞれ対応づけて設置しておいた輝度センサを用いて、各画像の輝度を測定し、それぞれの測定結果である3つの数値を比較することにより、γ特性検査を行う。
【0038】
以下、第1の画像11から第3の画像13までの各画像について説明する。検査画像内において、第1の画像11、第2の画像12および第3の画像13は、所定の位置に配置される。より具体的には、検査工程において、各画像に対応づけて設けられる輝度センサが、対応づけられた画像の輝度を測定可能なように配置されていればよい。
【0039】
また、図4は、第1の画像11から第3の画像13までの各画像を形成するドットの表示状態の例を示す説明図である。図4では、各画像に対して、4×4ドット分の領域の表示状態の例を示している。また、図4において各ドット中に示した値は、そのドットを構成する表示素子の階調値を表している。本例では、各ドットにおいて、各表示素子(R表示素子、G表示素子、B表示素子)の表示状態を同一にしている。すなわち、階調値は全て同じとしている。なお、本実施形態では、最大階調値が63であり、最小階調値が0である場合を例示している。
【0040】
図4に示す第1の画像11は、白色および黒色の表示を1対1の割合で組み合わせて、市松模様状に並べた画像である。白色の表示と黒色の表示とが1対1の割合で組み合わされる市松模様状の画像では、白色表示のドットと黒色表示のドットとが隣接している。なお、第1の画像11を形成する白色表示のドット(例えば、ドット111)内のR表示素子、G表示素子、B表示素子は、いずれも最大階調値63に応じた表示状態であればよい。すると、そのドットの輝度はグレースケールの最大輝度となる。また、第1の画像11を形成する黒色表示のドット(例えば、ドット112)内のR表示素子、G表示素子、B表示素子は、いずれも最小階調値0に応じた表示状態であればよい。すると、そのドットの輝度は、グレースケールの最小輝度となる。図4に示す例では、第1の画像11として、グレースケールの最小輝度となるドットと、最大輝度となるドットとが1対1の割合で市松模様状において均等に(表示領域内において一方の表示状態のドットの配置密度が他方の表示状態のドットの配置密度に対して一定となるように)配置された画像を表示するので、第1の画像全体の相対輝度(グレースケールの最大輝度に対する相対輝度)はほぼ0.5である。また、ドット内の全ての表示素子を最小輝度値に応じた表示状態とした場合には必ず最小輝度となり、ドット内の全ての表示素子を最大階調値に応じた表示状態とした場合には必ず最高輝度となるので、図4に示す第1の画像の相対輝度は、液晶表示装置のγ特性によらず、ほぼ0.5となる。
【0041】
一方、図4に示すように、第2の画像12および第3の画像13は、ある中間色の表示を全面に並べた画像である。より具体的には、第2の画像12は、各ドット(より具体的には、ドット121を含む当該画像表示領域内の全ドット)を、γ値が保証範囲の下限値(本例では、2.0)である適正な(好ましい)γ特性において相対輝度が0.5となる階調値(本例では、45)で表示した画像である。また、第3の画像13は、各ドット(より具体的には、ドット131を含む当該画像表示領域内の全ドット)をγ値が保証範囲の上限値(本例では、2.4)である適正な(好ましい)γ特性において相対輝度が0.5となる階調値(本例では、47)で表示した画像である。なお、第2の画像12および第3の画像13では、それぞれ各ドット内の全ての表示素子をその階調値(本例では、45または47)に応じた表示状態とすればよい。ただし、第2の画像12および第3の画像13は、駆動IC9(図2参照。)によって各画素の各表示素子が全て定められた階調値に応じた表示状態とされていても、検査対象の液晶表示装置が実現しているγ特性によっては、相対輝度が0.5にはならない。
【0042】
図5は、γ特性の例を示す説明図である。図5に示す実線は、γ値が2.2である適正なγ特性の例を表している。また、図5に示す破線は、γ値が2.0である適正なγ特性の例を表している。また、図5に示す一点鎖線は、γ値が2.4である適正なγ特性の例を表している。また、図5に示す四角形、三角形、丸の各プロットは、γ値が2.0、2.2、2.4である各γ特性において相対輝度がほぼ0.5となる階調値が、それぞれ45、46、47であることを表している。
【0043】
ここで、図5に示すように、適正なγ特性では、ある階調値に応じた表示状態の輝度を比較すると、γ値の値が小さい程、より明るくなることがわかる。すなわち、γ値の値が小さい程、同じ階調値で表示される画像の輝度の値が大きくなるという特性をもつ。ここで、例えば、駆動IC9(図2参照。)によって各画素の各表示素子が全て定められた階調値に応じた表示状態とされていても、階調値とソース配線に設定すべき電位との対応関係が適正でなく、検査対象の液晶表示装置が実現しているγ特性のγ値が保証範囲を下回るようなγ特性である場合、表示される第2の画像12の輝度は、γ特性によらず相対輝度ほぼ0.5を実現する第1の画像11の輝度よりも大きい値となる。すなわち、第2の画像12が第1の画像11と比べて明るく表示されることになる。また、例えば、検査対象の液晶表示装置が実現しているγ特性のγ値が保証範囲を上回るようなγ特性である場合、表示される第3の画像13の輝度は、γ特性によらず相対輝度ほぼ0.5を実現する第1の画像11の輝度よりも小さい値となる。すなわち、第3の画像13が第1の画像11と比べて暗く表示されることになる。
【0044】
従って、検査対象の液晶表示装置が実現するγ特性のγ値が保証範囲内であるときは、第1の画像の輝度に対して、第2の画像の輝度がより小さな値となり、かつ第3の画像の輝度がより大きな値となるところ、そのγ値が保証範囲外であるときは、このような関係は成り立たなくなる。なお、γ値が保証範囲の下限値である場合には、第2の画像と第1の画像とが同じ明るさになる場合もある。また、γ値が保証範囲の上限値である場合には、第3の画像と第1の画像とが同じ明るさになる場合もある。本発明のγ特性検査方法では、検査対象の液晶表示装置で表示させた第1の画像から第3の画像までの各画像の輝度を測定して測定結果である第1の画像の輝度と第2および第3の画像の輝度とを比較し、上記関係が成り立っている場合には、少なくとも判定輝度を実現する表示状態において、当該検査対象の液晶表示装置が実現しているγ特性が保証範囲内であると判定する。また、上記関係が成り立っていない場合には、第1の画像の輝度に対する第2または第3の画像の輝度の大小関係により、保証範囲のどちら側に外れているかを判定する。
【0045】
図6は、本発明のγ特性検査方法で使用する検査装置200の構成例を示す説明図である。図6に示す検査装置は、輝度センサ201、202、203と、輝度測定部204と、判定部205と、判定結果出力部206とを備える。
【0046】
輝度センサ201、202、203は、検査対象の液晶表示装置の表示パネル100に表示される第1の画像、第2の画像、第3の画像の輝度を検出する。輝度センサ201は、第1の画像の輝度を検出する。輝度センサ202は、第2の画像の輝度を検出する。輝度センサ203は、第3の画像の輝度を検出する。
【0047】
輝度測定部204は、各輝度センサ(輝度センサ201、202、203)からの検出信号に基づいて第1の画像から第3の画像までの各画像の輝度を測定する。
【0048】
判定部205は、測定された第1の画像から第3の画像までの各画像の輝度を比較して、検査対象の液晶表示装置が実現しているγ特性の良否または否定する場合には外れている方向(暗すぎるか明るすぎるか、即ちγ値が大きすぎるか又は小さすぎるか)を判定する。
【0049】
判定結果出力部206は、判定部205による判定の結果を、検査者に認識されるように出力する。
【0050】
輝度測定部204、輝度判定部205は、例えば、プログラムに従って動作するCPUやMPUといったデータ処理装置によって実現される。なお、輝度測定部204は、輝度センサと一体化される測定器によって実現されていてもよい。また、判定結果出力部206は、プログラムに従って動作するCPUやMPUといったデータ処理装置およびモニタやLEDバーといった表示装置によって実現される。
【0051】
図7は、本発明のγ特性検査方法の手順を示すフローチャートである。まず、検査を行う作業者は、駆動IC9(図2参照。)に検査画像の画像データを入力し、駆動IC9によって、検査対象となる液晶表示装置の表示パネル100に検査画像を表示させる(ステップS1)。
【0052】
続いて、作業者は、図6に示すような検査装置200を動作させて、輝度センサ201,202,203および輝度測定部204により、表示パネル100に表示される検査画像に含まれる第1の画像から第3の画像までの各画像の輝度を測定する(ステップS2)。
【0053】
輝度センサ201,202,203および輝度測定部204により、第1の画像から第3の画像までの各画像の輝度が測定されると、判定部205は、これらの輝度を比較して大小関係を求める(ステップS3)。
【0054】
ここで、第1の画像の輝度をI、第2の画像の輝度をI、第3の画像の輝度をIとすると、これらの輝度の大小関係が、I≦I≦I(ただし、I<I)である場合(ステップS4のYes)、判定部205は、検査対象の液晶表示装置が実現しているγ特性が、判定輝度を実現する階調値において保証範囲内であると判定する(ステップS5)。判定部205は、ぎりぎり保証範囲内となるγ特性を除外するために、I<I<Iであれば、検査対象の液晶表示装置が実現しているγ特性が、判定輝度を実現する階調値において保証範囲内であると判定してもよい。
【0055】
一方、測定された各画像の輝度の大小関係が、I≦I≦I(ただし、I<I)でない場合(ステップS4のNo)には、判定部205は、検査対象の液晶表示装置が実現しているγ特性が、判定輝度を実現する階調値において保証範囲内でないと判定する。この場合において、判定部205は、測定された各画像の輝度の大小関係がI>Iである場合には(ステップS6の1番のケース)、検査対象の液晶表示装置が実現しているγ特性が、判定輝度を実現する階調値において保証範囲外(明るすぎ、即ちγ値が小さすぎ)になっていると判定する(ステップS7)。また、そうではなく、測定された各画像の輝度の大小関係がI>Iである場合には(ステップS6の2番のケース)、判定部205は、検査対象の液晶表示装置が実現しているγ特性が、判定輝度を実現する階調値において保証範囲外(暗すぎ、即ちγ値が大きすぎ)になっていると判定する(ステップS8)。
【0056】
判定部205により測定された各画像の輝度に基づく判定結果が得られると、判定結果出力部206が、得られた判定結果を検査者が認識できるように出力する(ステップS9)。作業者は、判定結果が保証範囲外であった場合には、例えば、階調値に対応するソース配線の設定電位を変化させたり、FRC(フレームレートコントロール)の設定を変化させるなどして、液晶表示装置のγ特性を、そのγ値が保証範囲の下限値から上限値までの範囲に収まるように再度調整すればよい。
【0057】
なお、各画像の輝度を出力し、判定部205の判定処理を検査者に行わせることも可能であるが、コンピュータに行わせることにより、迅速かつ確実に行うことができる。
【0058】
図8は、検査装置200のより具体的な構成例を示すブロック図である。図8に示すように、例えば、表示パネル100に表示される検査画像に含まれる第1の画像から第3の画像までの各画像の表示領域における光量を輝度センサ201、202、203で検出し、その出力を、緩衝増幅器(AMP)311、312、313およびA/Dコンバータ321、322、323を介してデジタル信号(センサ値)にしてMPU330に入力し、MPU330が、入力されるセンサ値から各画像の輝度を測定して、大小関係を判定し、その結果を、表示装置であるLEDバー340に表示させる構成であってもよい。
【0059】
図9は、LEDバー340に表示させる判定結果の表示例を示す説明図である。図9に示すように、例えば、9個のLEDが一列に並ぶことにより、9つの目盛りの表示機能を有するLEDバー340を用いる場合、9つの目盛りの中心を、最適な輝度が実現されたときの判定結果に対応づけ、中心から右にいくにつれて暗めに実現されたときの判定結果、左にいくにつれて明るめに実現されたときの判定結果に対応づけてもよい。そして、一番右端の目盛りを保証範囲外(暗すぎ)、一番左端の目盛りを保証範囲外(明るすぎ)とし、それ以外を保証範囲内の判定結果に対応づける。
【0060】
このような表示を行えば、例えば、一番右のLEDが点灯した場合には(図9における5番のケース)、検査者は、検査対象の液晶表示装置が実現しているγ特性では、暗すぎる表示となっており、保証範囲外であることを認識することができる。また、例えば、一番左のLEDが点灯した場合には(図9における4番のケース)、検査対象の液晶表示装置が実現しているγ特性では明るすぎる表示となっており、保証範囲外であることを認識することができる。また、例えば、一番右から2番目のLEDが点灯した場合には(図9における3番のケース)、検査者は、検査対象の液晶表示装置が実現しているγ特性が、保証範囲内ではあるが、保証範囲の上限値として定められたγ=2.4ぎりぎりの表示となっていることを認識することができる。また、例えば、一番左から2番目のLEDが点灯した場合には(図9における2番のケース)、検査者は、検査対象の液晶表示装置が実現しているγ特性が、保証範囲内ではあるが、保証範囲の上限値として定められたγ=2.0ぎりぎりの表示となっていることを認識することができる。なお、これ以外のLEDが点灯した場合には、検査者は、検査対象の液晶表示装置が実現しているγ特性が、保証範囲内であることを認識することができる。さらに、保証範囲内であってもどちら側にどの程度寄っているかがかわるように、例えば、I−Iの値とI−Iの値との差に対して、保証範囲内の判定結果を段階的に表示する複数のLEDを割り当ててもよい。また、例えば、I<I<Iとなった判定結果に対して、保証範囲内の判定結果を表示する複数のLEDを順に0〜1の間の目盛りとして割り当て、以下に示す式3の結果を判定値としてその目盛りに対応させて表示させてもよい。
【0061】
判定値=(I−I)/(I−I) ・・・(式3)
【0062】
また、液晶表示装置の仕様として、前述した式2のように定義される輝度を保証範囲として定めたγ値にて計算することにより、あるCR比において適切とするγ特性の階調カーブ(γ特性として描かれるカーブ)を求め、そのうちのある階調値で実現される輝度に対して、保証範囲が定められる場合がある。
【0063】
例えば、図10に示すように、CR比=500:1において適切とするγ特性の階調カーブを、式2を用いてγ=2.0、γ=2.2、γ=2.4の場合ごとに求める。ここでは、γ=2.2である場合に求めた階調カーブを最適なγ特性として定義する。これに対して、液晶表示装置の仕様として、階調値が32のときに実現される輝度が、保証範囲の下限値としてのγ=2.0のときの輝度から保証範囲の上限値としてのγ=2.4のときの輝度までの範囲内であること、すなわち、図10に示す例では25.9%〜19.8%であることを保証することが要求されたとする。このような場合には、判定輝度を、最適なγ特性における階調値32で実現されるべき相対輝度22.7%(=0.227)に定めて、上記検査を実施すればよい。
【0064】
ただし、判定輝度は、基準となる第1の画像において、白色表示のドットと黒色表示のドットとの組み合わせにより実現されなければならない点に注意が必要である。すなわち、ドット数によりその組み合わせが有限であるため、液晶表示装置の仕様として定められたある階調値で実現されるべき相対輝度を厳密には実現できない場合がある。そのような場合には、白色表示のドットと黒色表示のドットの組み合わせにより実現できる輝度の中から、仕様として定められた相対輝度に最も近い輝度を判定輝度として用いる。例えば、仕様として定められた相対輝度が、階調値32で実現されるべき相対輝度0.227である場合には、白色表示のドットと黒色表示のドットとを1対3の割合で組み合わせた相対輝度が0.25となる画像を第1の画像として用いてもよい。この場合、判定輝度は0.25となり、図11に示すように、第2の画像は、γ値が2.0である適切なγ特性において相対輝度が0.25となる階調値(例えば、32)で表示した画像となる。また、第3の画像は、γ値が2.4である適切なγ特性において相対輝度が0.25となる階調値(例えば、35)で表示した画像となる。この場合も前の実施形態と同様に、第1の画像の輝度I、第2の画像の輝度I、第3の画像の輝度Iの大小関係を、I≦I≦I(ただし、I<I)とした場合に、液晶表示装置のγ特性が保証範囲内であると判定される。なお、図11は、判定輝度を0.25とした場合の検査画像の例を示す説明図である。
【0065】
表示装置が保有するγ特性が図5に示されるように、理想的なものとしてγ値のみを保証範囲とすることを説明してきたが、液晶表示装置の仕様として、複数の階調値に対する輝度がそれぞれ保証範囲内であることを要求される場合がある。例えば、階調値が32のときに実現される輝度が、保証範囲の下限値としてのγ=2.0のときの輝度から保証範囲の上限値としてのγ=2.4のときの輝度までの範囲内(図10に示す例では、25.9%〜19.8%)であること、および階調値が24のときに実現される輝度が保証範囲の下限値としてのγ=2.0のときの輝度から保証範囲の上限値としてのγ=2.4のときの輝度までの範囲内(図10に示す例では、14.7%〜10.0%)であることを保証することが要求される場合もある。
【0066】
このような場合には、例えば、判定輝度を、最適なγ特性における階調値32で実現されるべき相対輝度22.7%(=0.227)に最も近い実現可能な相対輝度に定めて上記一連のI≦I≦I(ただし、I<I)の判定処理を実施した後に、さらに判定輝度を最適なγ特性における階調値24で実現されるべき相対輝度12.1%(=0.121)に最も近い実現可能な相対輝度に定めて、再度一連のI≦I≦I(ただし、I<I)の判定処理を行い、どちらの判定結果も保証範囲内である場合に、適切なγ特性が実現されていると判定すればよい。なお、どちらの判定輝度を先に検査するかは任意である。
【0067】
また、使用する輝度センサの設置位置(表示パネル100からの距離)や設定(見込み角等の設定)によっては、観測される輝度−階調特性が変化することも考えられるので、使用する階調を測定によって決定することがより好ましい。
【0068】
また、上記例では、保証範囲として示されるγ値の上限値と下限値に合わせて第2の画像および第3の画像を形成する表示状態を定める例を示したが、第2の画像、第3の画像に対応させるγ値は、保証範囲として示されるγ値の下限値、上限値でなくてもよい。例えば、保証範囲よりも狭い範囲での下限値および上限値を第2の画像および第3の画像に対応させるγ値としてもよい。このような場合には、保証範囲よりも厳しい条件に合致しているか否かを検査することができる。以下、第2の画像に対応させるγ値を判定下限値といい、第3の画像に対応させるγ値を判定上限値という。なお、上記検査方法の例における保証範囲内であるという判定は、この場合、判定下限値から判定上限値までの判定範囲内であるという判定となる。
【0069】
また、例えば、保証範囲よりも広い範囲での下限値および上限値を第2の画像および第3の画像に対応させるγ値(判定下限値および判定上限値)とすることも可能である。このような場合には、検査対象の液晶表示装置が実現しているγ特性のγ値が判定範囲内に収まっているか否かではなく、第1の画像に対する第2および第3の画像の輝度の差分が、保証範囲内のγ値が実現されたときの差分に収まっているか否かを判定することにより、検査対象の液晶表示装置が実現しているγ特性が保証範囲内であるか否かを判定すればよい。判定結果は、例えば、複数のLEDを目盛りに対応させて輝度の差分に基づく判定値を表示させるようにし、その際、予め保証範囲内であったときに表示される目盛りの範囲を定めておいてもよい。例えば、保証範囲内であったときに表示される目盛りの範囲が中心から2分の1以内に収まるように、各LEDに割り当てる目盛りの幅を制限すればよい。なお、判定範囲内に収まっているか否かも判定結果として示せば、保証範囲内でなかった場合に、さらにどの程度ずれているか(判定範囲をも超えるのか否か)を知ることができる。
【0070】
また、一般に、液晶表示装置における階調特性は、液晶に波長依存性があることにより、R表示素子と、G表示素子と、B表示素子とでそれぞれで異なるため、R表示素子と、G表示素子と、B表示素子とを独立させて、本検査を行えば、より高品位な表示を得ることも可能である。例えば、Rの特性検査時には、R表示素子のみを本検査用の表示状態とし、他の表示素子は黒色表示とすればよい。同様に、Gの特性検査時には、G表示素子のみを本検査用の表示状態とし、他の表示素子は黒色表示とすればよい。また、Bの特性検査時には、B表示素子のみを本検査用の表示状態とし、他の表示素子は黒色表示とすればよい。
【0071】
上記のようにγ特性を検査すれば、検査対象の液晶表示装置が実現しているγ特性が保証範囲内に収まっているか、あるいはどの程度ずれているかを簡単に検査することができる。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本発明は、表示装置のγ特性検査やγ特性の調整に好適に適用される。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】液晶表示装置の表示パネルに設けられる表示素子の構成例を示す説明図である。
【図2】液晶表示装置が備える駆動装置の例を模式的に示す説明図である。
【図3】検査画像の例を示す説明図である。
【図4】第1の画像11から第3の画像13までの各画像を形成するドットの表示状態の例を示す説明図である。
【図5】γ特性の例を示す説明図である。
【図6】本発明のγ特性検査方法で使用する検査装置200の構成例を示す説明図である。
【図7】本発明のγ特性検査方法の手順を示すフローチャートである。
【図8】検査装置200のより具体的な構成例を示すブロック図である。
【図9】LEDバー340に表示させる判定結果の表示例を示す説明図である。
【図10】液晶表示装置の仕様として要求されるγ特性の例を示す説明図である。
【図11】判定輝度を0.25とした場合の検査画像の例を示す説明図である。
【図12】γ特性の例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0074】
100 表示パネル
11 第1の画像
12 第2の画像
13 第3の画像
201〜203 輝度センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1ドット内を最小階調値に応じた表示状態とする表示と、1ドット内を最大階調値に応じた表示状態とする表示とを組み合わせて所定の輝度を実現する第1の画像と、検査対象とする表示装置が実現しているγ特性のγ値が、保証範囲として定められるγ特性を示した際のγ値の最適値以下の任意の値である判定下限値を実現している場合に当該画像の輝度が前記第1の画像が実現する輝度を示す判定輝度となる第2の画像と、検査対象とする表示装置が実現しているγ特性のγ値が、保証範囲として定められるγ特性を示した際のγ値の最適値以上の任意の値である判定上限値を実現している場合に当該画像の輝度が前記判定輝度となる第3の画像とを表示装置に表示させ、
表示された第1の画像、第2の画像および第3の画像の輝度を測定し、
測定された第1の画像、第2の画像および第3の画像の輝度を比較することにより、前記表示装置が実現しているγ特性が保証範囲内であるか否か、またはγ値が最適値であるγ特性からどの程度ずれているかを判定する
ことを特徴とするγ特性検査方法。
【請求項2】
1ドット内を最小階調値に応じた表示状態とする表示と、1ドット内を最大階調値に応じた表示状態とする表示とを組み合わせて所定の輝度を実現する第1の画像と、検査対象とする表示装置が実現しているγ特性のγ値が、保証範囲として定められるγ特性を示した際のγ値の下限値を実現している場合に当該画像の輝度が前記第1の画像が実現する輝度を示す判定輝度となる第2の画像と、検査対象とする表示装置が実現しているγ特性のγ値が、保証範囲として定められるγ特性を示した際のγ値の上限値を実現している場合に当該画像の輝度が前記判定輝度となる第3の画像とを表示装置に表示させ、
表示された第1の画像、第2の画像および第3の画像の輝度を測定し、
測定された第1の画像、第2の画像および第3の画像の輝度を比較し、
測定された第1の画像の輝度I、第2の画像の輝度I、第3の画像の輝度Iの大小関係が、I≦I≦I(ただし、I<I)となっていた場合に、検査対象である表示装置が実現しているγ特性が保証範囲内であると判定する
請求項1に記載のγ特性検査方法。
【請求項3】
測定された第1の画像の輝度Iと測定された第2の画像の輝度Iとの差と、測定された第1の画像の輝度Iと測定された第3の画像の輝度Iとの差とを求めることにより、検査対象である表示装置が実現しているγ特性がγ値が最適値であるγ特性からどの程度ずれているかを判定する
請求項1または請求項2に記載のγ特性検査方法。
【請求項4】
1ドットを構成する赤色を表示する表示素子であるR表示素子と、緑色を表示する表示素子であるG表示素子と、青色を表示する表示素子であるB表示素子のうちいずれか1種類の表示素子のみを、所望の輝度を実現するための表示状態にして、各画像を表示させる
請求項1から請求項3のうちのいずれか1項に記載のγ特性検査方法。
【請求項5】
請求項1から請求項4のうちのいずれか1項に記載のγ特性検査方法による判定の結果に基づいて、表示装置のγ特性を、そのγ値が保証範囲として定められるγ特性を示した際のγ値の下限値から上限値の範囲に収まるように調整する
γ特性調査方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−56708(P2010−56708A)
【公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−217604(P2008−217604)
【出願日】平成20年8月27日(2008.8.27)
【出願人】(000103747)オプトレックス株式会社 (843)
【Fターム(参考)】