説明

ω−6脂肪酸を含むローション組成物を含む吸収性物品

吸収性物品はω−6脂肪酸を含むローション組成物を含む。外陰皮膚の皮膚バリア機能を改善する方法であって、身体に接する面と衣類に接する面とを含む吸収性物品を外陰皮膚に接触させる手順を含み、ω−6脂肪酸が吸収性物品の身体に接する面に配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ω−6脂肪酸を含むローション組成物を含む吸収性物品、及び外陰皮膚と吸収性物品との接触により外陰皮膚の皮膚バリア機能を改善する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ローション付きトップシートを有するおむつ、トレーニングパンツ及び生理用品のような使い捨て吸収性物品は既知である。様々な種類のローションは、おむつかぶれの予防又は治療等の、様々な皮膚改善(skin benefit)をもたらすことも知られている。これらのローションは例えば、吸収性物品のトップシートに塗布することができ、使用中に着用者の皮膚に転写可能である。
【0003】
吸収性製品のトップシートにローションを塗布することは、乳児のお尻により良好な皮膚の健康といった効果をもたらすことを目的とする、乳児用おむつを主に対象としてきた。女性用衛生製品を着用する際の成人女性の皮膚に関連した特異な問題については、ほとんど関心が向けられて来なかった。成人女性の外陰領域の皮膚は、乳児のお尻の皮膚(一般に臀部の皮膚)とは大きく異なっている。例えば、外陰領域は一般に体毛が繁っている。成人期発症のホルモン(つまり、エストロゲン、プロゲスチン、副腎皮質ステロイド)は、表皮及び真皮の素質、皮膚脂質、表皮の構造要素(つまり、ケラチン(kertains))を潤滑する、又は潤いを与える因子の生成に影響を与えることが知られている。外陰皮膚は相当により多くの皮膚が折り重なるために、他の種類の皮膚より相当に厚い。更に、女性の生理の開始に関連したホルモンの変化は皮膚の感度に影響を与え得る。これらの因子は皮膚バリア機能に寄与し、特に外陰皮膚の健康状態に寄与する。
【0004】
月経周期と無関係に、外陰皮膚はまた、低質の皮膚バリア機能及び皮膚の高い代謝回転率を有し、参照基準である前腕中部の内側と比較して中程度の乾癬の皮膚病変又はアトピー性皮膚炎の症状に匹敵する。自然に湿度の高い環境である(衣服を着用していることで)にもかかわらず、女性用衛生製品の着用の副産物は、不快感、皮膚の擦傷、感受性の増大である。これらの感覚を補うため、及び外陰皮膚バリア機能及び皮膚の健康状態を改善させるために、女性は、シャワーを頻繁に浴びる、高価な生理用パッドを頻繁に取り替える、保湿剤及び類似の薬剤を塗布する等の習慣を取り入れる。外陰領域と接触する吸収性物品がこの不快感を軽減することができるならば、望ましいことである。外陰領域と接触する吸収性物品が環境的障害に対してより大きな抵抗力を与えることで外陰皮膚の健康状態及び皮膚バリア機能を改善できるならば、更に望ましいことである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、吸収性物品の着用に関連した不快感を軽減し、外陰皮膚の健康状態及び外陰皮膚の皮膚バリア機能を改善し得る吸収性物品に対する継続的な要求が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、ω−6脂肪酸を含むローション組成物を含む吸収性物品に関する。吸収性物品は典型的には、トップシート、バックシート、及びトップシートとバックシートとの間に配置される吸収性コア、並びに吸収性物品の1つ以上の層に配置されるローション組成物を含む。
【0007】
一実施形態では、ローション組成物は、(a)油材料の少なくとも約3重量%のω−6脂肪酸を含み、少なくとも約10時間の油安定指標を有する油材料と、(b)担体と、を含む。
【0008】
別の実施形態では、ローション組成物は、(a)ローション組成物の少なくとも約0.00015重量%のω−6脂肪酸と、(b)ローション組成物の少なくとも約0.0005重量%のオレイン酸と、(c)担体と、を含む。
【0009】
本発明は更に、外陰皮膚の皮膚バリア機能を改善する方法に関し、方法は外陰皮膚と吸収性物品の身体に接する面に配置されるω−6脂肪酸を含む吸収性物品との接触を含む。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】トップシートと、バックシートと、ローション組成物が塗布された吸収性コアと、を含む吸収性物品の平面図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本明細書で使用するとき、用語「吸収性物品」は排泄物、主に経血及び/又は尿を吸収し封じ込めるデバイスを意味する。用語「使い捨て」は、本明細書において、一回の使用後、洗濯する、ないしは別の方法で吸収性物品として修復する又は再利用することを意図しない、吸収性物品を表すために使用される。吸収性物品の実施例には、生理用ナプキン、パンティーライナー、陰唇間デバイス、痔用パッド、拭き取り用品、タンポン等などの女性用衛生衣類が挙げられる。
【0012】
使い捨て吸収性物品、及びそれらのトップシート、バックシート、吸収性コアを包含する構成要素、並びにこれら構成要素のあらゆる個々の層は、身体面と衣類面とを有する。本明細書で使用するとき、「身体面」とは、着用者の身体に向けて又は身体に隣接して着用されることを意図する物品又は構成要素の表面を意味し、「衣類面」はその反対側であり、使い捨て吸収性物品が着用されたときに、着用者の下着に向けて又は下着に隣接して着用されることを意図する。
【0013】
図1は、トップシート14を含む身体に接する面12と、トップシート14に接合される液体不透過性バックシート16と、吸収性コア18と、を有する生理用ナプキン又はパンティーライナーであり得る吸収性物品10を示す。吸収性物品10は長手方向軸Lを有しており、ナプキンで一般的に見られる追加的特徴部(当該技術分野において既知の「ウィング」又は「フラップ」(図示せず)など)、及び/又は吸収性コア18への流体輸送を促進するための流体獲得層を備えていてよい。同様に、吸収性物品のトップシートは当該技術分野において既知の様々な任意の特徴を有することができる。例えば、トップシート14はエンボス加工された通路を内部に有し流体の流れを導くことができ、通路を通って開口を有し流体獲得を補助することができる。本発明の吸収性物品10のトップシート14は、トップシート上に配置されるローション組成物22を有する。
【0014】
トップシートは、着用者の皮膚及び体毛に順応して、ソフトな感触であり、かつ刺激がないのが好ましい。更にトップシートは、液体透過性であり、液体(例えば、経血及び/又は尿)がその厚みを通して容易に浸透可能なものである。好適なトップシートは、織布材料及び不織布材料(例えば、繊維の不織布ウェブ)、孔あき成形熱可塑性フィルム、孔あきプラスチックフィルム、及びハイドロフォーミングされた熱可塑性フィルム等の高分子材料、多孔質発泡体、網状発泡体、網状熱可塑性フィルム、並びに熱可塑性スクリム等の広範囲の材料から製造されてよい。好適な織布及び不織布材料は、天然繊維(例えば木材繊維若しくは綿繊維)、合成繊維(例えば、ポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維、若しくはポリエチレン繊維などのポリマー繊維)、又は天然繊維と合成繊維との組み合わせからなるものであってよい。トップシートが、不織布ウェブを含む場合、ウェブは、多くの既知の手法により製造され得る。例えば、ウェブが、スパンボンドされるか、毛羽立てられるか、湿式載置されるか、メルトブローされるか、水流交絡されるか、上記の組み合わせ等を施されてもよい。
【0015】
バックシートは、液体(例えば、経血及び/又は尿)に不透過性であり、好ましくは薄いプラスチックフィルムから製造されるが、その他の可撓性の液体不透過性材料を使用することもできる。本明細書で使用するとき、用語「可撓性」は、順応性があり、人間の体の一般的な形状及び輪郭に容易に適合する材料を意味する。バックシートは、吸収性コアに吸収、保持された排泄物によってベッドシーツ、パンツ、パジャマ及び下着といった吸収性用品に接触する用品が汚れることを防止するものである。したがって、バックシートは、織布又は不織布材料、高分子フィルム、例えばポリエチレン若しくはポリプロピレンの熱可塑性フィルム、又は複合材料、例えばフィルムコーティングされた不織布材料を含んでもよい。一実施形態では、バックシートは米国特許第6,623,464号で説明されるような、通気性バックシートであってよい。
【0016】
バックシート及びトップシートは、それぞれ、吸収性コアの衣類面及び身体面に隣接して位置付けられる。吸収性コアは、当該技術分野において周知のもの等、取り付け手段(図1に図示せず)として知られるあらゆる方法で、トップシート、バックシート、又はその両方と接合され得る。しかしながら、本発明の実施形態は、吸収性コア全体の一部が、トップシート、バックシート、又はその両方に取り付けられていない場合も想定する。
【0017】
一実施形態では、吸収性物品10のトップシートは疎水性材料で製造される。したがって、トップシートが不織布の場合、構成繊維は好ましくは疎水性である。繊維のポリマーから形成されるフィルムシートが60°を超える、より好ましくは75°、及び更により好ましくは約90°を超える水との接触角を示す場合には、繊維は疎水性であると考えられる。疎水性の尺度としての接触角は当該技術分野において周知であり、接触角を測定する方法も同様に周知である。周知のように、約90°を超える接触角は疎水性と考えられ、90°未満の接触角は親水性と考えられる。しかしながら本明細書で使用する時は、60°以上の接触角は疎水性と考える。
【0018】
別の実施形態では、吸収性物品10のトップシートは親水性材料で製造される。
【0019】
特に女性用衛生目的で、外陰皮膚領域における吸収性物品の使用は、炎症、擦傷等を含む様々な皮膚障害につながり得る。吸収性物品の使用とは無関係に、外陰皮膚は、特に前腕皮膚等の身体の他の領域の皮膚と比較して、ω−6脂肪酸含有量の欠乏が見られる傾向があることが発見された。このω−6脂肪酸の欠乏は、皮膚バリア及び外陰皮膚の健康状態の低下を生じるおそれがある。したがって、外陰皮膚のω−6脂肪酸含有量を増加させることは外陰皮膚の健康状態及び外陰皮膚の皮膚バリア機能の改善に役立ち得る。更に、女性用衛生目的の吸収性物品の使用に通常関連する皮膚障害の可能性を低減し得る。
【0020】
この問題に対処するために、本発明の吸収性物品はω−6脂肪酸を含むローション組成物を更に含む。ローション組成物は典型的には、ローション組成物中少なくとも約0.00015重量%の、約0.00015重量%〜約10重量%の、約0.0015重量%〜約7.5重量%の、又は約0.003重量%〜約5重量%のω−6脂肪酸を含む。好ましくは、ローション組成物のω−6脂肪酸は油のトリアシルグリセロール構成成分にエステル化されている。
【0021】
ω−6脂肪酸は典型的には油材料中に含有される。したがって、一実施形態では、ローション組成物はω−6脂肪酸を含む油材料を含む。ローション組成物は典型的には、ローション組成物中約0.005重量%〜約20重量%の、約0.05重量%〜約15重量%の、又は約0.1重量%〜約10重量%の油材料を含む。油材料は典型的には、油材料中少なくとも3重量%の、約3重量%〜約50重量%の、又は約5重量%〜約40重量%のω−6脂肪酸を含む。
【0022】
ω脂肪酸等の不飽和脂肪酸は、不安定になりやすく容易に酸化しやすい。酸化は、温度、光、空気、酸素、湿気、及び金属を含む複数の源によって促進され得る。例えば、Belitz H−D、Grosch W及びSchieberle P著のLipids Food Chemistry 3rd ed.Springer−Verlag,Heidelberg,2004,p.157〜242を参照されたい。事実、製品製造に関する一般的源は不安定性を促進し得る。例えば、ローション組成物の成分を溶解し混合するには高温(ローション組成物の成分の融点を超える温度、例えば、70℃超まで)を必要とし得る。半固体ローション組成物を溶解しその均質性を保つために、ローション組成物を加えるタンクを攪拌しながら高温(例えば、60℃を超える、好ましくは70℃を超える)まで加熱することは一般的である。更に、ローション組成物は、相当の時間(例えば、24時間を超える)タンク内に留まり得る。不安定性の別の源は最終製品の棚での保存であり得る。製品が少なくとも1年間(店舗で、又は家庭で)棚に留まるのは珍しくはなく、地理的場所によっては保存温度が40℃を超える場合がある。不安定性の別の源は、水系又はグリコール系のローション組成物が原因の場合がある。総じて、これらの因子は酸化及び活性酸素フリーラジカル又は活性酸素の生成につながり得る。これは、変色等の製品変質(つまり、黄変)及び/又は敗油臭につながり得る。皮膚と接触するとき、活性酸素は皮膚バリア機能を損なう可能性がある。
【0023】
酸化安定性をモニタリングする一般基準は、経時的なヒドロペルオキシドの発生(過酸化物価又はPV)である。酸化安定性はまた、試料を高温で曝気する場合の、二次的酸化生成物を得るのに必要な時間で表わすことができる。酸化安定性の好適な基準は油安定指標(本明細書では「OSI」を指する)と呼ばれる。油材料のOSIはAmerican Oil Chemical SocietyのOil Stability Index Method(AOCS Official Method Cd 12b−92)によって測定できる。
【0024】
一実施形態では、本発明の油材料は、少なくとも約10時間、少なくとも約14時間、又は少なくとも約18時間の油安定指標「(OSI」)を有するように選択される。
【0025】
比較的高濃度のオレイン酸を含む油材料は、本発明の関連においてより安定する傾向があると考えられる。一実施形態では、本発明の油材料は、油材料中少なくとも約10重量%の、約10重量%〜約80重量%の、又は約15重量%〜約70重量%のオレイン酸を含む。一実施形態では、ローション組成物は、ローション組成物中約0.0005重量%〜約16重量%の、約0.005重量%〜約12重量%の、又は約0.01重量%〜約8重量%のオレイン酸を含む。
【0026】
比較的低濃度のリノレン酸(ω−3脂肪酸)を含む油材料は、本発明の関連においてより安定する傾向があると考えられる。一実施形態では、本発明の油材料は、油材料中約10重量%以下の、約10重量%〜約5重量%の、又は約5重量%〜約0重量%のリノレン酸を含む。一実施形態では、ローション組成物は、ローション組成物中約2重量%〜約0重量%の、約1重量%〜約0重量%の、又は約0.5重量%〜約0重量%のリノレン酸を含む。
【0027】
本明細書で説明する所望の特性を示す好適な油材料の非限定的な実施例には、オレイン酸キャノーラ油(Brassica campestris、B.napus,B.rapa;70%を超えるオレイン酸含有量に特徴を有するもの、例えば、高オレイン酸キャノーラ油、超高オレイン酸キャノーラ油、又は部分水素添加キャノーラ油)、マルーラカーネル油(Sclerocarya birrea)、パーム油(Elaeis Guineensis Oil)、パームオレイン、パームステアリン、パームスーパーオレイン、ペカン油、パンプキン種子油、オレイン酸サフラワー油(Carthamus Tinctorius、約30%を超えるオレイン酸の含有量及び約50%未満のω−6脂肪酸の含有量に特徴を有するもの、例えば、高オレイン酸サフラワー油)、ゴマ油(Sesamum indicum、S.oreintale)、大豆油(Glycine max、例えば、高オレイン酸大豆油、低リノレン酸大豆油、部分水素添加大豆油)、オレイン酸ヒマワリ油(Helianthus annus、約40%を超えるオレイン酸の含有量に特徴を有するもの、例えば、中オレイン酸ヒマワリ油又は高オレイン酸ヒマワリ油)、及びこれらの混合物が挙げられる。オレイン酸キャノーラ油、パーム油、ゴマ油、高オレイン酸サフラワー油、高オレイン酸大豆油、中オレイン酸ヒマワリ油、及び高オレイン酸ヒマワリ油は一般的な栽培作物由来の油であり、非遺伝子組み換え生物(非GMO)由来であってもよい。
【0028】
油材料の非限定的な実施例は、Cargillの部分水素添加大豆油(すなわち、Preference(登録商標)110W Soybean Oil又はPreference(登録商標)300 Hi Stability Soybean Oil)、中オレイン酸ヒマワリ油(すなわち、NuSun(登録商標)Mid−Oleic Sunflower Oil)、高オレイン酸ヒマワリ油(すなわち、Clear Valley(登録商標)High Oleic Sunflower Oil)、高オレイン酸キャノーラ油、超高オレイン酸キャノーラ油、及び部分水素添加低エルカ酸菜種油(すなわち、Clear Valley(登録商標)65 High Oleic Canola Oil及びClear Valley(登録商標)75 High Oleic Canola Oil)、Lambert Technologyの高オレイン酸キャノーラ油、(すなわち、Oleocal C104)、Arch Personal Careのマルーラカーネル油、Pioneerの高オレイン酸大豆油(すなわち、Plenish(登録商標))、Asoyiaの低リノレン酸大豆油(すなわち、Ultra Low Linolenic Soybean Oil(登録商標))、及びDipasa,Inc.の精製ゴマ油を含む多くの供給元から市販されている。
【0029】
油材料の等級は、本明細書で説明する油材料の所望の特性を達成することにおいても重要であり得ることに注目すべきである。例えば、同じ油(例えば、ゴマ油)は油材料の源次第で広範囲のOSI値を示し得るので、油材料の源は重要であり得る。
【0030】
油材料は上述の油材料及び追加の油材料を含む、油の配合物を更に含み得る。更なる好適な油材料には、アサイー果実油、アーモンド油、アボカド油、ブナノキ油、ブラジルナッツ油、アマナズナ油(Brassicaceae科、例えば、Camelina Sativa、Gold of Pleasure、False Flax等)、ツバキ種油、キャノーラ油、ニンジン種油、カシューナッツ油、ひまし油、さくらんぼ核油、チア油、コーン油、綿実油、水素添加綿実油、月見草油、ハシバミ(ヘーゼルナッツ)油、グレープシードオイル、ヘンプオイル、ヒッコリー実油、ホホバ油、ククイ油、ラノリン、オリーブ油(Olea europaea)、マカダミア油、モリンガ油(maringa oil)、メドウフォーム油、インドセンダン油、パーム核油、オリーブ油、トケイソウ油(Passiflora科、Passiflora Incarnata)、ピーナッツオイル、モモ核油、ピスタチオナッツ油、菜種油、米糠油、ローズヒップ油、サフラワー油、サトウモロコシ油、大豆油、ヒマワリ種子油、トール油、植物油、植物スクワレン、クルミ油、小麦粉芽油、及びこれらの混合物が挙げられる。本発明の油材料は、アマナズナ種子油、オレイン酸キャノーラ油、月見草油、マルーラカーネル油、パーム油、パームオレイン、パームステアリン、パームスーパーオレイン、チャボトケイソウ種子油、ペカン油、パンプキン種子油、オレイン酸サフラワー油、ゴマ油、大豆油、オレイン酸ヒマワリ油、植物油、及びこれらの混合物からなる群から選択できる。
【0031】
本発明の好適な油材料には、植物油とアマナズナ種子油との混合物(Aarhus Karlshamn Sweden ABからLipex(登録商標)Omega 3/6として市販)、植物油とチャボトケイソウ種子油との混合物(Aarhus Karlshamn Sweden ABからLipex(登録商標)Omega Passifloraとして市販)、植物油と月見草油との混合物(Aarhus Karlshamn Sweden ABからLipex Omega EPOとして市販)、高オレイン酸キャノーラ油、(CargillからClear Valley(登録商標)75 High Oleic Canola Oilとして市販)、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0032】
油材料の安定性を更に強化するために、特定の酸化防止剤を、特定の油材料又はローション組成物に添加できる。一実施形態では、油材料は、油材料中約0.005重量%〜約1重量%の、約0.01重量%〜約0.5重量%の、又は約0.02重量%〜約0.2重量%の酸化防止剤を含む。一実施形態では、ローション組成物はローション組成物中約0.0005重量%〜約1重量%の、約0.001重量%〜約0.75重量%の、又は約0.002重量%〜約0.5重量%の酸化防止剤を含む。
【0033】
酸化的に不安定な油を酸化防止剤で安定させる試みがなされ、予期しない結果を生じた。例えば、Merrill LI、Pike OA、Ogden LV、Oxidative stability of conventional and high−oleic vegetable oils with added anti−oxidants,J Am Oil Chem Soc 85:771〜776,2008、Chu Y−H及びHsu H−F、Effect of antioxidants on peanut oil stability,Food Chemistry 66:29〜34,1999、及びIsbell TA、Abbott TP及びCarlson KD、Oxidative stability index of vegetable oils in binary(bianary)mixture with meadowfoam oil,Ind Crops Products 9:115〜123,1998を参照されたい。フェノール類のtert−ブチルヒドロキノン(TBHQ)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、又はブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)等の他の酸化防止剤は油を安定させるとの報告があるが、これらは皮膚感作性物質であることが分かっており、皮膚と直接接触する吸収性製品では価値が限られている。更に、不安定な油と安定した油を混合することは必ずしも許容できる油の安定性特性に結びつかないが、望ましくない結果は望ましい濃度未満の望ましいω−6脂肪酸の稀釈になりえる。
【0034】
好適な酸化防止剤の非限定的な実施例としては、α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフェロール、トコトリエノール、ローズマリー、セサモール、セサモリン、セサミン、カテキン、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0035】
本発明のローション組成物は、担体を更に含む。担体は、本発明のω−6脂肪酸を吸収性物品の着用者の皮膚に供給するのに役立ち得る。担体を、個々の担体として、又は担体成分の組み合わせとして、組成物中に含むことができる。担体は液体、固体、若しくは半固体担体物質又はこれらの物質の組み合わせであることができ、得られる担体系のために選択された加工温度及び本明細書のローション組成物を配合する際に担体と冷却剤を組み合わせるための加工温度において、好ましくは、均一な混合物又は溶液を形成する。担体系の処理温度は、典型的には約60℃〜約90℃、より典型的には約70℃〜約85℃、更により典型的には約65℃〜約80℃の範囲である。
【0036】
本発明のローション組成物はローション組成物の約60重量%〜約99.9重量%、好ましくは約70重量%〜約98重量%、より好ましくは約80重量%〜約97重量%の範囲の担体総濃度で、担体を含むことができる。好適な担体化合物としては、約4〜約32個の炭素原子を有する石油系炭化水素、約12〜約24個の炭素原子を有する脂肪アルコール、ポリシロキサン化合物、脂肪酸エステル、アルキルエトキシレート、約1〜約6個の炭素原子を有する低級アルコール、低分子量グリコール及びポリオール、約12〜約28個の炭素原子をその脂肪鎖中に有する脂肪アルコールエーテル、ラノリン及びその誘導体、アセトグリセリド及びC12〜C28脂肪酸のエトキシル化グリセリドを包含するグリセリド及びその誘導体、並びにこれらの混合物が挙げられる。その他に又は組み合わせて、担体はまたポリシロキサン化合物から構成されてもよく、非限定的な実施例としては、ジメチコン(1ないし100,000,000センチストーク)、シクロメチコン、アルキル化シリコーン(ヘアコンディショニング剤)、シリコーンゴム、シリコーンゲル、シリコーンワックス、シリコーンのコポリマー(ビニルジメチコンポリマー、フェニルビニルジメチコンポリマー、アルキル化シリコーンポリマー、ポリエチレンオキシド/シリコーンコポリマー、ポリエチレンオキシド/アルキルシリコーンコポリマー)及びこれらの混合物が挙げられる。
【0037】
約4個〜約32個の炭素原子を有する好適な石油系炭化水素の非限定的な実施例としては、鉱油、ペテロラタム、イソパラフィン、様々なその他の分枝鎖炭化水素、及びこれらの組み合わせが挙げられる。鉱油は「流動ペテロラタム」としても既知であり、通常は約16〜約20個の炭素原子を有する炭化水素のそれほど粘稠ではない混合物を指す。またペテロラタムは、「ミネラルワックス」、「石油ゼリー」、及び「ミネラルゼリー」としても既知であり、普通は約16〜約32個の炭素原子を有する炭化水素のより粘稠な混合物を指す。ペテロラタムの市販例としては、Protopet(登録商標)1Sとして販売されているペテロラタムが挙げられ、これはSonneborn Corporation(所在地Mahwah,New Jersey)より入手可能である。
【0038】
本明細書において好適なその他の担体には、特に植物又は動物起源の、天然油又は天然油脂などの油又は油脂、あるいは天然油又は油脂誘導体、を挙げることができる。非限定的な実施例としては、アンズ油、ババス油、ヒマシ油、ココヤシ油、タラ肝油、水素添加コーン油、水素添加綿実油、ヘーゼルナッツ油、ホホバ油、マカダミア油、メドウフォーム種子油、ミンク油、マリンガ油、マルーラ油、モルティエレラ油、パーム核油、水素添加ピーナッツオイル、硬化菜種油、ローズヒップ油、水素添加サフラワー油、水素添加大豆油、水素添加ヒマワリ油、水素添加クルミ油、水素添加小麦粉芽油、又はこれらの硬化誘導体が挙げられる。
【0039】
本明細書の担体として好適な油脂及び油の非限定的な他の実施例としては、バター、C12〜C18酸性トリグリセリド、カプリル酸/カプリン酸/ラウリン酸トリグリセリド、カプリル酸/カプリン酸/リノール酸トリグリセリド、カプリル酸/カプリン酸/ステアリントリグリセリド、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、カカオバター、C10〜C18トリグリセリド、卵油、エポキシ化大豆油、グリセリルトリアセチルヒドロキシステアレート、グリセリルトリアセチルリシノレエート、グリコスフィンゴリピド、硬化ヒマシ油、硬化ヒマシ油ラウレート、水素添加ココヤシ油、水素添加C12〜C18トリグリセリド、水素添加魚油、水素添加ラード、水素添加メンハーデン油、水素添加ミンク油、水素添加オレンジラフィー油、水素添加サメ肝油、水素添加タロー、硬化植物油、ラノリン及びラノリン誘導体、ラノリンアルコール、ラード、ラウリン酸/パルミチン酸/オレイン酸トリグリセリド、レスクエレラ油、マレアート化大豆油、牛脚油、オレイン酸/リノール酸トリグリセリド、オレイン酸/パルミチン酸/ラウリン酸/ミリスチン酸/リノール酸トリグリセリド、オレオステアリン、オリーブ外皮油、大網脂質、ペンガワージャンビ(pengawar djambi)油、ペンタデスマバター(pentadesma butter)、リン脂質、シアバター、タロー、トリベヘニン、トリカプリン、トリカプリリン、トリヘプタノイン、トリヒドロキシメトキシステアリン(trihydroxymethoxystearin)、トリヒドロキシステアリン、トリイソノナノイン、トリイソステアリン、トリラウリン、トリリノレイン、トリリノレニン、トリミリスチン、トリオクタノイン、トリオレイン、トリパルミチン、トリセバシン、トリステアリン、トリウンデカノイン等、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0040】
その他の好適な担体には、飽和又は不飽和、直鎖状又は分岐鎖状、置換又は非置換の脂肪酸又は脂肪酸混合物から誘導されるもののような、モノ−又はジ−グリセリドが挙げられる。モノ−又はジグリセリドの例には、モノ−又はジ−C12〜24脂肪酸グリセリド、特にモノ−又はジ−C16〜20脂肪酸グリセリド、例えば、モノステアリン酸グリセリン、ジステアリン酸グリセリルが挙げられる。
【0041】
担体はまた、直鎖状のC〜C22−脂肪酸と分枝状アルコールとのエステルを含み得る。
【0042】
本発明の担体はまた、米国特許第6534074B号で説明されるステロール、植物ステロール、ステロール誘導体を含み得る。
【0043】
約12〜約24個の炭素原子を有する好適な脂肪アルコールの非限定的な実施例としては、飽和非置換の一価アルコール又はこれらの組み合わせが挙げられ、その融点は約110℃未満、好ましくは約45℃〜約110℃である。本発明のローション組成物に用いる脂肪アルコール担体の具体的な実施例としては、ステアリルアルコール、セテアリルアルコール、ベヘニルアルコール、アラキジルアルコール、リグノセリル(lignocaryl)アルコール及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。市販のセテアリルアルコールの実施例はStenol 1822であり、ベヘニルアルコールはLanette 22であり、これらは両方Cognis Corporation(所在地Cincinnati,Ohio)より入手可能である。
【0044】
好適な脂肪酸エステルの非限定的な実施例としては、C12〜C28脂肪酸及び短鎖(C〜C、好ましくはC〜C)一価アルコールの混合物、好ましくはC16〜C24飽和脂肪酸及び短鎖(C〜C、好ましくはC〜C)一価アルコールの混合物由来の脂肪酸エステルが挙げられる。好適な脂肪酸エステルはまた、より長鎖の脂肪アルコール(C12〜C28、好ましくはC12〜C16)及び乳酸のような、より短鎖の脂肪酸のエステル由来であることができ、その具体的な実施例としては、ラウリルラクテート及びセチルラクテートが挙げられる。好適な脂肪酸エステルの代表的な実施例には、メチルパルミテート、メチルステアレート、イソプロピルラウレート、イソプロピルミリステート、イソプロピルパルミテート、エチルヘキシルパルミテート、ステアリルステアレート、パルミチルステアレート、ステアリルベヘネート、セチルステアレート、セチルベヘネート、セチルパルミテート、セテアリルベヘネート、ベヘニルベヘネート、ステアリルヘプタノエート、ステアリルオクタノエート、ミリスチルミリステート、ミリスチルイソステアレート、ミリスチルオレエート、セチルイソステアレート、セチルオレエート、ステアリルイソステアレート、ステアリルオレエート、イソステアリルミリステート、イソステアリルパルミテート、イソステアリルステアレート、イソステアリルイソステアレート、イソステアリルオレエート、イソステアリルベヘネート、イソステアリルオレエート、オレイルミリステート、オレイルパルミテート、オレイルステアレート、オレイルイソステアレート、オレイルオレエート、オレイルベヘネート、オレイルエルケート、ベヘニルイソステアレート、ベヘニルオレエート、エルシルイソステアレート、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0045】
好適なアルキルエトキシレートの非限定的な実施例としては、約2〜約30の平均エトキシ化度を有するC12〜C22の脂肪アルコールエトキシレートが挙げられる。約1〜約6個の炭素原子を有する好適な低級アルコールの非限定的な実施例としては、イソプロパノール、ブタンジオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2ヘキサンジオール、エーテルプロパノール、及びこれらの混合物が挙げられる。好適な低分子量グリコール及びポリオールの非限定的な例としては、エチレングリコール、ポリエチレングリコール(例えば、分子量200〜600g/モル)、ブチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール及びこれらの混合物が挙げられる。好適な炭化水素、ポリシロキサン化合物、及び脂肪アルコールエトキシレートを包含するキャリア成分のより詳細な記載は、1997年7月1日にRoeらに発行された、「Diaper Having A Lotioned Topsheet」という題名の米国特許第5,643,588号に見ることができる。
【0046】
好適な担体はワックスを更に包含する。明細書で使用するとき、用語「ワックス」とは、ワックス状の構成成分を有し、融点又は融点範囲が周囲温度よりも高い、特に25℃よりも高い油溶性物質を指す。ワックスは固体から半固体(クリーム状)の稠度を有し、結晶性であってもなくてもよく、液化点よりも少し高い温度では比較的低い粘度を有する物質である。ローション組成物に組み込むことができる好適なワックスには、天然又は合成であってもよい、動物系、植物系、鉱物系、又はシリコーン系ワックス、及びこれらの混合物が挙げられる。ワックスには天然ワックスが挙げられ、ヤマモモワックス、蜜蝋、カンデリラろう、カルナウバ、セレシン、シアバター、ココアバター、日本ろう、ホホバワックス、ラノリンろう、アフリカハネガヤワックス、ミンクワックス、モンタンワックス、コメヌカワックス、ステリルジメチコン、果実由来ワックス、例えば、オレンジワックス、レモンワックス等の植物起源のもの;及び蜜蝋、ウールワックス、熊脂等の動物起源のものを挙げることができるが、これらに限定されない。天然ワックスは、セレシン及びオゾケライトワックス等のミネラルワックスを更に含む。合成ワックスには、以上で述べた特定の担体物質等の石油系ワックス、例えば、パラフィン、ワセリン、ペトロラタム、ミクロワックス、及びマイクロクリスタリンワックスが含まれる。更に好適な合成ワックスは、ポリアルキレン及びポリエチレングリコールワックス、例えば、ポリエチレンワックス;塩素化ナフタレンに基づくワックス、例えば、「ハロワックス(Halowax)」、合成炭化水素ワックス等;PEG−6蜜蝋、PEG−8蜜蝋、C30アルキルジメチコン、合成蜜蝋、合成カンデリラろう、合成カルナバワックス、合成日本ろう、合成ホホバワックス、モタン酸ワックス、モタンワックス、オーリクリーロウ、レゾワックス、これらの混合物である。
【0047】
その他のワックス構成要素は、特定の油脂(モノ−、ジ−及びトリグリセリド及び脂肪酸アルキルエステルなど)、脂肪アルコール、脂肪酸、例えば、置換脂肪酸(特に、ヒドロキシ置換脂肪酸、例えば、12−ヒドロキシステアリン酸)、ジアルキル(エン)エーテル、ジアルキル(エン)カーボネート、ジカルボン酸(特に、ジカルボン酸のC16〜C40−ジアルキルエステル、例えば、C16〜C40−アルキルステアレート、C18〜C38−アルキルヒドロキシステアリルステアレート又はC20〜C40−アルキルエルケート)、及びヒドロキシ脂肪アルコールであることができる。更なるワックス構成要素は、芳香族カルボン酸、トリカルボン酸の群から、又は長鎖ヒドロキシ炭酸のラクチドの群から選択される。ミリスチルラクテートは好適な担体である。使用することができる更なるワックス構成要素は、C30〜C50アルキル蜜ろう;トリ−C16〜C40−クエン酸アルキル、例えばクエン酸トリステアリル、クエン酸トリイソステアリル、クエン酸トリラウリル;エチレングリコールジ脂肪酸エステル、特に、エチレングリコールジ−C12〜C30−脂肪酸エステル、例えば、エチレングリコールジパルミテート、エチレングリコールジステアレート、及びエチレングリコールジ(12−ヒドロキシステアレート)である。
【0048】
その他の好適な担体は、以上で述べた物質のいくつかを含む、固化剤として作用する物質を含む。本発明のローション組成物において好適な固化剤(単数又は複数)は、組成物が室温で固体であり、少なくとも32℃の融点を有するように、組成物の固化を助ける働きをすることができる。固化剤はまた、着用者の皮膚への接着による転写を改善する粘着度を組成物に提供することができる。選択される固化剤に応じて、固化剤はまた、組成物が着用者の皮膚の上に実際に擦れて取れるのではなく、組成物が破砕する又は薄片になってはげるように、転写の状態を変更させることができ、この破砕する又は薄片になってはげることは、皮膚への改善された転写をもたらすことができる。固化剤は、更に、皮膚軟化剤、閉塞剤、保湿剤、バリアエンハンサー、粘度エンハンサー、及びこれらの組合せとして機能することができる。固化剤は、アルキルシロキサン、ポリマー、35℃以上の融点を有する水素添加植物油、35℃以上の融点を有する脂肪酸エステル、ヒドロキシステアリン酸アルキル、分岐エステル、アルコキシル化アルコール、及びアルコキシル化カルボン酸から選択され得る。更に、固化剤は、動物ワックス、植物ワックス、ミネラルワックス、及びアルキルシリコーンから選択され得る。好適な固化剤の実施例には、アルキルシリコーン、アルキルトリメチルシラン、蜜蝋、ベヘニルベヘネート、安息香酸ベヘニル、C24〜C28アルキルジメチコン、C30アルキルジメチコン、セチルメチコン、ステアリルメチコン、セチルジメチコン、ステアリルジメチコン、セロチルジメチコン(cerotyl dimethicone)、カンデリラろう、カルナウバ、合成カルナウバ、PEG−12カルナウバ、ケラシン、水素添加マイクロクリスタリンワックス、ホホバワックス、マイクロクリスタリンワックス、ラノリンろう、オゾケライト、パラフィン、合成パラフィン、セチルエステル、ベヘニルベヘネート、C20〜C40アルキルベヘネート、C2〜C5ラクテート、セチルパルミテート、ステアリルパルミテート、イソステアリルベヘネート(isosteryl behenate)、ラウリルベヘネート、ステアリルベンゾエート、ベヘニルイソステアレート、セチルミリステート、セチルオクタノエート、セチルオレエート、セチルリシノレエート、セチルステアレート、デシルオレエート、フマル酸ジアルキル(C2〜C5)、フマル酸ジベヘニル、ミリスチルラクテート、ミリスチルリグノセレート、ミリスチルミリステート、ミリスチルステアレート、ラウリルステアレート、オクチルドデシルステアレート(octyidodecyl stearate)、ステアリン酸オクチルドデシルステアロリル(octyidodecyl stearoyl stearate)、オレイルアラキダート、オレイルステアレート、トリデシルベヘネート、トリデシルステアレート、トリデシルステアロイルステアレート、ペンタエリトリチルテトラベヘネート、水添ロジン酸ペンタエリトリチル(penteerythritylhydrogenated rosinate)、ジステアリン酸ペンタエリトリチル、ペンタエリトリチルテトラアベイト(pentaerythrityltetraabeite)、ペンタエリトリチルテトラココエート(penteerythrityl tetracocoate)、テトラパーアルゴン酸ペンタエリトリチル(penteerythrityl tetraperlargonate)、テトラステアリン酸ペンタエリトリチル(pentserythrityl tetrastearate)、エチレン酢酸ビニール、ポリエチレン、水素添加綿実油、水素添加植物油、水素添加スクアレン、水素添加ココナッツ油、水素添加ホホバ油、水素添加パーム油、水素添加パーム核油、水素添加オリーブ油、ポリアミド、ステアリン酸金属塩及びその他の金属せっけん、C30〜C60脂肪アルコール、C20+脂肪酸アミド、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリブタン、ポリブチレンテレフタレート、ポリジペンテン(polydipentane)、ポリプロピレン、ステアリン酸亜鉛、ドデシルラウレート、ステアリルパルミテート、ヘキサデカン酸オクタデシル(octadecyl hexedecanoate)、オクタデシルパルミテート、ステアリルベヘネート、ドコシルオクタノエート、テトラデシル−オクタデカニルベヘネート、ヘキサデシル−コサニルヘキサコサネート、セラックワックス、モンタン酸グリコール、フッ素化ワックス(fluoranated waxes)、C20〜C40アルキルヒドロキシステアリルステアレート、及びこのような化合物の混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0049】
本発明の吸収性物品は、任意に、吸収性物品によってもたらされる効果を内包するのを助ける精油物質を更に含み得る。このような精油物質は、ローション組成物とは別に吸収性物品の中に組み込まれることができ、又はローション組成物の一部をなすことができる。好適な精油物質の非限定的な実施例には、セキショウ、ローマカミツレ、タラゴン、バジル、ベルガモット、ウッドランドカラミント、ヒメウイキョウ、シーダー材、カモミール、シネオール、シナモン、桂皮、ダイダイ、クローブ、サイプレス、ディル、ユーカリ、オイゲノール、フランキンセンス、ガランゴル、ゼラニウム、ジンジャー、ハイビスカス、ホップ、ジャスミン、ジュニパー、ゲッケイジュ、ラベンダー、レモンバーム、レモングラス、レモン、リモネン、リナロール、酢酸リナリル、リッピアアルバ、マジョラム、メリッサ、ミルラ、ネロリ、ナツメグ、パシフローラ、パチョリ、ペパーミント、ピネン、ローズ、ローズウッド、ローズマリー、セージ、ビャクダン、スペアミン、スイートフェンネル、スイートオレンジ、ティーツリー、ゼドアリー(Zadoary)、タイム、バレリアン、イランイラン、ハイビスカス、又はこれらの混合物が挙げられる。覚醒に関連する好ましい精油には、サイプレス、ハイビスカス、ジュニパー、シネオール、シトラス、スイートオレンジ、及びローズマリーが挙げられる。調和効果に関連する好ましい油には、ラベンダー、ネロリ、及びイランイランが挙げられる。
【0050】
上述のような本明細書の特定の精油は、ローション組成物の約0.0001重量%〜約10.0重量%、約0.0001重量%〜約3.0重量%、約0.0001重量%〜約0.1重量%、約0.001重量%〜約1重量%、又は約0.01重量%〜約1.0重量%の範囲の濃度で担体に混合され得る。精油はまた、本明細書の油材料にプレミックスで調製し得る。それでもなお、精油の最終濃度は上記の範囲内となる。
【0051】
本発明の吸収性物品又はローション組成物は、ナイアシンアミド、酸化亜鉛、ヘキサミジン、パンテノール等、及びこれらの混合物のような補助的な皮膚トリートメント剤を更に含み得る。好適な皮膚トリートメント剤は米国特許公開第2003/0082219 A1号で説明される。
【0052】
本発明の吸収性物品又はローション組成物は更に冷却剤を含み得る。好適な冷却剤は、米国特許公開第2004/0081680 A1号及び同第2009/0240223 A1号で説明される。
【0053】
生理用ナプキン用トップシートの外表面に塗布されると、本発明のローション組成物は、通常の接触、着用者の動き、及び/又は体温によって着用者の皮膚に転写可能で、着用者の皮膚にω−6脂肪酸を供給し得る。
【0054】
本発明の生理用ナプキン用トップシートは、有効量のローション組成物を有する。本明細書で使用するとき、用語「ローション組成物の有効量」は、生理用ナプキン用トップシートに塗布されると着用者の皮膚にω−6脂肪酸を転写させるのに有効である、特定のローション組成物の量を指す。ローション組成物の有効量は、大抵の場合、用いられる特定のローション組成物によって左右される。
【0055】
本発明によるローション付き吸収性物品を調製する際、ローション組成物をトップシートの外表面(即ち、身体に向いた表面)に塗布することができるが、トップシートの内表面、又は吸収性物品の任意の他の構成要素に塗布することも可能である。ローション組成物を均一に分配する様々な塗布方法のいずれかを用いることができる。好適な方法としては、噴霧、印刷(例えば、フレキソ印刷)、コーティング(例えば、グラビアコーティング)、押出成形、又は、例えば、カレンダーロールのような回転表面上にローション組成物を噴霧し、次いでトップシートの外表面に組成物を転写させる等の、これらの塗布技術の組み合わせが挙げられる。
【0056】
ローション組成物をトップシート、又は他の構成要素に塗布するやり方は、トップシートがローション組成物で飽和状態に達しないようなやり方である。トップシートがローション組成で飽和状態に達する場合、ローションがトップシート開口部を遮断して、トップシートが流体をその下にある吸収性コアに透過させる能力を減少させる可能性が大きい。また、トップシートの飽和は、ローションの治療的及び/又は保護的な有用性を得るために必要ではない。特に好適な塗布方法は、主にトップシートの外表面にローション組成物を塗布することである。
【0057】
一般に、安全かつ有効な量のローション組成物が本明細書で説明する吸収性物品に施され、このような安全かつ有効な量は、約0.05g/m(0.032mg/インチ)〜約100g/m(64.5mg/インチ)、好ましくは約0.5g/m(0.32mg/インチ)〜約50g/m(32.2mg/インチ)、より好ましくは約1.0g/m(0.645mg/インチ)〜約30g/m(19.3mg/インチ)のローション組成物を吸収性物品のトップシートに塗布することを含む。
【0058】
ローション組成物は、トップシートの表面全体又はその一部分に塗布されてもよい。ローション組成物は、使い捨て吸収性物品の長手方向中心線と整列させて、及び長手方向中心線を中心として塗布され得る。ローション組成物は、均一な又は不均一な幅を有する複数のストライプで塗布され得る。あるいは、ローションは、長手方向中心線の並置と整列させて、及び並置を中心として塗布され得る。
【0059】
ローション組成物はまた、生理用ナプキン用トップシートの外表面に不均一に塗布され得る。「不均一」とは、ローション組成物の量、分配の模様等が、トップシート表面全体にわたって変化し得ることを意味する。例えば、トップシートの処理表面のある部分は、その上にローション組成物を含まない表面部分を含めて、多い又は少ない量のローション組成物を有することができる。例えば、ローション組成物をトップシートの1つの領域に、矩形及び/又は円形、及び/又は多数のドットの形状で塗布することができる。
【0060】
ローション組成物は、組み立て中に、トップシート又はその他の構成要素の任意の場所に塗布され得る。例えば、ローション組成物は、包装される前に、最終吸収性製品のトップシートに塗布され得る。ローション組成物はまた、トップシートが他の原材料と組み合わされて使い捨て吸収性の最終製品を形成する前に、トップシートに塗布され得る。
【0061】
ローション組成物は、典型的にはそれらの溶融物から吸収性物品のトップシートに塗布される。ローション組成物は、典型的には、周囲温度を著しく上回って融解するので、通常は加熱されたコーティングとして塗布される。典型的には、ローション組成物は、塗布される前に、約35℃〜約100℃、好ましくは40℃〜約90℃の範囲の温度まで加熱される。融解したローション組成物が塗布された時点で、このローション組成物を冷却及び固化させて、トップシート又は他の構成要素の表面上に固化したコーティング又は被膜を形成する。好ましくは、塗布プロセスは、ローションの冷却/配置を補助するように設計される。
【0062】
本発明のローション組成物は当該技術分野において既知であるか、米国特許第5,968,025号で説明されるような、印刷方法又は連続噴霧又は押出成形により塗布することができる。
【0063】
吸収性物品の長手方向軸に平行な複数のストライプ状にローションを塗布するのが好ましくあり得る。このことは、外陰部のより広範囲へのローションの転写、及び吸収性物品の流体処理の改善、の両方を可能とする。
【0064】
別の実施形態では、吸収性物品のトップシートに塗布される代わりに(又はこれに加えて)、(例えば、米国特許第5,569,230号、同第6,911,022号、又は国際公開特許第03/057122 A1号で詳細に説明されるように)ローション組成物は吸収性物品に同梱される拭き取り物品に塗布し得る。別の実施形態では、ローション組成物は、(例えば、米国特許第5,948,416号で詳細に説明されるように)手で吸収性物品又は皮膚に塗布し得るクリーム製品の形状で独立製品として供給し得る。別の実施形態では、ローション組成物は、(例えば、米国特許第4,708,813号で詳細に説明されるように)吸収性物品の着用者によって吸収性物品又は皮膚上にスプレーし得るスプレー製品又はムース製品の形状で独立製品として供給し得る。
【0065】
外陰皮膚の皮膚バリア機能を改善する方法
本発明は外陰皮膚の皮膚バリア機能を改善する方法を更に包含し、その方法は前記外陰皮膚に、身体に接する面と衣類に接する面とを含む吸収性物品を接触させる工程を含み、ω−6脂肪酸が前記吸収性物品の前記身体に接する面に配置される。皮膚バリア機能の改善は、改善された皮膚脂質組成、改善された皮膚保湿等で示され得る。
【0066】
一般に、安全かつ有効な量のローション組成物が本明細書で説明する吸収性物品に施され、このような安全かつ有効な量は、約0.05g/m(0.032mg/インチ)〜約100g/m(64.5mg/インチ)、好ましくは約0.5g/m(0.32mg/インチ)〜約50g/m(32.2mg/インチ)、より好ましくは約1.0g/m(0.645mg/インチ)〜約30g/m(19.3mg/インチ)のローション組成物を吸収性物品のトップシートに塗布することを含む。
【0067】
典型的には、少なくとも約0.0005g/m(0.00032mg/インチ)〜約50g/m(32.3mg/インチ)、好ましくは約0.0025g/m(0.0016mg/インチ)〜約40g/m(25.8mg/インチ)、より好ましくは約0.0035g/m(0.0022mg/インチ)〜約25g/m(16.1mg/インチ)の組成物が、典型的には吸収性物品を一回につき約3時間使用する間に皮膚に転写されるように、安全かつ有効な量の本発明のローション組成物が吸収性物品に塗布される。吸収性物品は一般に、日中は3〜10時間ごとに、及び夜間の防備に1度取り換えられるが、結果として少なくとも約0.001g/m(0.00064mg/インチ)〜約400g/m(218mg/インチ)、好ましくは約0.0015g/m(0.00096mg/インチ)〜約400g/m(218mg/インチ)、より好ましくは約0.002g/m(0.00128mg/インチ)〜約400g/m(218mg/インチ)の安全かつ有効な量のローション組成物が一日間(24時間)以内に施される。しかしながら、安全かつ有効な量のローション組成物が本明細書で説明する皮膚トリートメントの効果をもたらすために施されるという条件のもとに、本明細書で説明する吸収性物品を介して本発明のローション組成物の着用者の皮膚上への転写は、一日、数日、数週間、数ヶ月、又は数年の間の適切な間隔で生じ得る。
【0068】
任意の好適な方法を使用して、ローション組成物を含有する吸収性物品の使用中に着用者の皮膚に転写させる本明細書で説明するローション組成物の量を決定し得る。ローション組成物の転写量を計算する具体的な方法の実施例としては、生体内皮膚類似物質の分析を伴うガスクロマトグラフ分析手法、及び他の定量的分析手法が挙げられる。好適なガスクロマトグラフ手法は、1999年9月16日公開の国際公開特許第99/45973号(Donald C.Roeら)により詳細に説明される。
【0069】
本発明は、外陰皮膚の皮膚バリア機能を改善するために、本明細書で説明されるようなω−6脂肪酸を含む吸収性物品の使用を更に包含する。
【0070】
以下は本発明の非限定的な実施例である。
【実施例】
【0071】
実施例I:下記の表1に例示した組成物は、本発明ローション組成物の担体系の代表例である。担体系は一般に、重量で、ペテロラタムとベヘニルアルコールのような脂肪アルコールとを組み合わせ、次いで低速プロペラミキサーを用いて攪拌しながら混合物を約75℃の温度に加熱することにより調製する。次に、粘性剤又は増粘剤が存在する場合は、混合物に添加し、成分を最終担体系へと剪断混合する。好適な粘性剤又は増粘剤としては、ベヘネス−10、フュームシリカ、ベントナイト、及びステアレス−2が挙げられ、その際粘性剤又は増粘剤は単独で又は組み合わせて用いる。これらの成分をイカウルトラツラックスシェアミキサー(IKA Ultra Turrax Shear Mixer)で11,000回転/分(rpm)で剪断混合することができる。
【0072】
あるいは、ペテロラタム、脂肪アルコール、及び/又は粘性剤又は増粘剤が存在する場合は混ぜ合わせ、撹拌しながら75℃に加熱して成分を融解させ、次いで5,000rpmで動作する特殊機化TK Robo Micsのような高速ブレードミキサーを用いて混合して最終担体系にすることができる。
【表1】

重量%−重量パーセント
1−ペテロラタム、Sonneborn CorporationよりProtopet(登録商標)1Sとして入手可能
2−ベヘニルアルコール、Cognis CorporationよりLanette 22として入手可能
3−ベヘネス−10、Cognis CorporationよりMergital(登録商標)B10として入手可能
4−フュームシリカ、Cabot CorporationよりCabosil(登録商標)TS−720として入手可能
5−ポリプロピレングリコールMW 4,000、BASFよりPluriol P4000として入手可能
【0073】
実施例II−X:下記の表2に説明する次の実施例II−Xは、表1に識別されている担体が含まれている本発明のローション組成物の代表例である。ローション組成物は、酸化亜鉛皮膚トリートメント剤が存在する場合、そのプレミックス溶液を配合し、表1で説明するように酸化亜鉛プレミックスを担体に加えて調製する。次に、ω−6脂肪酸及び他の皮膚トリートメント剤並びにパンテノール及びグリセリン等の任意の選択的な成分、又はヘキサミジンプレミックスの皮膚トリートメント溶液及びナイアシンアミド皮膚トリートメント剤及び任意の選択的な成分を配合することによって、担体に加えられ、表1で説明するようにローション組成物を生成し、上述のように、皮膚トリートメント溶液及び担体を撹拌しながら約75℃に加熱する。任意選択の成分は、溶液が担体組成物の融点を超える限りにおいて溶液の冷却中である後の段階で加えられてもよい。全ての成分はローション組成物の重量に基づいて含まれる。
【表2】

6−酸化亜鉛プレミックスは、Kobo Incorporationより入手可能なULTRAFINE 350酸化亜鉛、Uniqema Incorporationより入手可能なアルラセル(Arlecel)(登録商標)P100、及びIkeda Incorporationより入手可能なSalacos(登録商標)99の入った70%酸化亜鉛混合物からなる。
7−Kobo Incorporationより入手可能なヘキサミジンのプレミックスは、Laboratories Serolobiologiquesより商品名ELASTAB HP100のヘキサミジンジイセチオネートの33%、Uniqema Incorporationより入手可能なアルラセル(Arlecel)(登録商標)P100、及びIkeda ncorporationより入手可能なSalacos(登録商標)99からなる。
8−パンテノール、DSM NutritionalよりD−パンテノールとして入手可能
9−グリセリン、Procter & Gamble CompanyよりGlycerin、USP Kosher(登録商標)として入手可能
10−ナイアシンアミド、DSM Nutritionalより入手可能
11−酸性化ナイアシンアミド、ナイアシンアミドとステアリン酸の反応により生成する
12−カモミール、SymriseよりPhytoconcentrol Chamomileとして入手可能
13−シルクプロテイン、Croda,Inc.(Parsippany、NJ)よりCROSILK(登録商標)として入手可能
14−植物油とトケイソウ種子油との混合物、Aarhus Karlshamnより市販
15−植物油とアマナズナ種子油との混合物、Aarhus Karlshamnより市販
16−CargillよりClear Valley(登録商標)75 High Oleic Canola Oilとして入手可能
【0074】
続いて、実施例IIのローション組成物を、生理用ナプキンのDRI−WEAVEトップシートの着用者接触面全体に塗布する。安全かつ有効な量のローション組成物を皮膚上に送達するために、約4.0g/m(2.6mg/インチ)のローション組成物を、約90℃のヘッド作動温度を有するMeltex EP45ホットメルト塗布器を用いてトップシートに塗布する。
【0075】
続いて、実施例IIIのローション組成物を、パンティーライナー製品の親水性スパンボンドバイコンポーネントポリエチレン/ポリプロピレントップシート(BBA(Washougal、WA))の着用者接触面に塗布する。安全かつ有効な量のローション組成物を皮膚上に送達するために、ローション組成物を、直径が少なくとも約5mmの円のパターンで、約12g/m(7.7mg/インチ)の組成物塗布量でトップシートに塗布する。ローション組成物は、約90℃のヘッド作動温度及び約16キロパスカル(KPa)の噴霧圧力を有する、ホットメルト空気圧式Dynatec E84B1758噴霧ヘッドを用いてトップシートに塗布する。
【0076】
続いて、実施例IVのローション組成物を、生理用ナプキン製品の疎水性スパンボンドバイコンポーネントポリエチレン/ポリプロピレントップシート(BBA(Washougal,WA))の着用者接触面上に、組成物をストライプ形状でスロットコーティング(ノードソン(Nordsen)EP 11−12−02)することにより塗布する。安全かつ有効量のローション組成物を皮膚上に送達するために、ローション組成物を、それぞれ5ミリメートル(mm)幅×160mm長さの少なくとも6本のストライプを含み、約5.0g/m(3.2mg/インチ)の組成物塗布量を有するストライプ構成でトップシートに塗布する。
【0077】
続いて、実施例Vのローション組成物を、生理用ナプキン製品の疎水性スパンボンドバイコンポーネントポリエチレン/ポリプロピレントップシート(BBA(Washougal,WA))の着用者接触面上に、組成物をストライプ形状にスロットコーティング(ノードソン(Nordsen)EP 11−12−02)することにより塗布する。安全かつ有効量のローション組成物を皮膚上に送達するために、ローション組成物を、それぞれ10ミリメートル(mm)幅×少なくとも120mm長さの少なくとも2本のストライプ、それぞれ5ミリメートル(mm)幅×少なくとも120mm長さの少なくとも3本のストライプを含み、約15.0g/m(4.8mg/インチ)の組成物塗布量を有するストライプ構成でトップシートに塗布する。
【0078】
続いて、実施例VIのローション組成物を、パンティーライナー製品のDRI−WEAVEトップシートの着用者接触面にストライプ形状に噴霧して塗布する。安全かつ有効量のローション組成物を皮膚上に送達するために、ローション組成物を、それぞれ4ミリメートル(mm)幅×少なくとも40mm長さの少なくとも2本のストライプを含み、約1.0mg/cm(0.65mg/インチ)の組成物塗布量を有するストライプ構成でトップシートに塗布する。ローション組成物は、約90℃のヘッド作動温度及び約16キロパスカル(KPa)の噴霧圧力を有する、ホットメルト空気圧式Dynatec E84B1758噴霧ヘッドを用いてトップシートに塗布する。
【0079】
続いて、実施例VIIのローション組成物を、Procter & Gamble Company製造のNaturella等の生理用ナプキン製品の疎水性スパンボンドバイコンポーネントポリエチレン/ポリプロピレントップシート(BBA(Washougal,WA))上に、組成物を噴霧して塗布する。安全かつ有効量のローション組成物を皮膚上に送達するために、ローション組成物を、直径が少なくとも約2mmのドットパターンで、約0.3g/m(0.194mg/インチ)の組成物塗布量でトップシートに塗布する。ローション組成物は、約90℃のヘッド作動温度及び約16キロパスカル(KPa)の噴霧圧力を有する、ホットメルト空気圧式Dynatec E84B1758噴霧ヘッドを用いてトップシートに塗布する。
【0080】
続いて、実施例VIIのローション組成物を、パンティーライナー製品のDRI−WEAVEトップシートの着用者接触面全体に塗布する。安全かつ有効な量のローション組成物を皮膚上に送達するために、約0.5g/cm(0.32mg/インチ)のローション組成物を、約90℃のヘッド作動温度を有するMeltex EP45ホットメルト塗布器を用いてトップシートに塗布する。
【0081】
続いて、実施例IXのローション組成物を、生理用ナプキンのDRI−WEAVEトップシートの着用者接触面に塗布する。安全かつ有効量のローション組成物を皮膚上に送達するために、ローション組成物を、それぞれ20ミリメートル(mm)幅×100mm長さの少なくとも2本のストライプを含み、約40g/m(25.8mg/インチ)の組成物塗布量を有するストライプ構成でトップシートに塗布する。ローション組成物は、約90℃のヘッド作動温度及び約16キロパスカル(KPa)の噴霧圧力を有する、ホットメルト空気圧式Dynatec E84B1758噴霧ヘッドを用いてトップシートに塗布する。
【0082】
続いて、実施例Xのローション組成物を、パンティーライナー製品の親水性スパンボンドバイコンポーネントポリエチレン/ポリプロピレントップシート(BBA(Washougal、WA))の着用者接触面上に、組成物をストライプ形状にスロットコーティング(ノードソン(Nordsen)EP 11−12−02))することにより塗布する。安全かつ有効量のローション組成物を皮膚上に送達するために、ローション組成物を、それぞれ3ミリメートル(mm)幅×120mm長さの少なくとも4本のストライプを含み、約60g/m(38.7mg/インチ)の組成物塗布量を有するストライプ構成でトップシートに塗布する。
【0083】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳しく制限されるものとして理解されるべきでない。それよりむしろ、特に指定されない限り、それぞれのそのような寸法は、列挙された値とその値周辺の機能的に同等の範囲との両方を意味することを意図する。例えば、「40mm」として開示された寸法は、「約40mm」を意味することを意図する。
【0084】
相互参照される又は関連するあらゆる特許又は出願書類を含め、本明細書において引用される全ての文献は、明示的に除外ないしは制限されない限り、その全体を参考として本明細書に組み込まれる。いかなる文献の引用も、それが本明細書において開示され請求されるいずれかの発明に関する先行技術であること、又はそれが単独で若しくは他のいかなる参照とのいかなる組み合わせにおいても、このような発明を教示する、提案する、又は開示することを認めるものではない。更に、本書における用語のいずれかの意味又は定義が、参照により組み込まれた文献における同一の用語のいずれかの意味又は定義と相反する限りにおいては、本書においてその用語に与えられた定義又は意味が適用されるものとする。
【0085】
本発明の特定の諸実施形態を図示し、記載したが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を実施できることが当業者には自明である。したがって、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を添付の「特許請求の範囲」で扱うものとする。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸収性物品であって、
トップシートと、
バックシートと、
前記トップシートと前記バックシートとの間に配置される吸収性コアと、
前記吸収性物品の1つ以上の層に配置される(a)ω−6脂肪酸と(b)担体とを含むローション組成物と、を含む吸収性物品。
【請求項2】
前記ローション組成物は、前記ω−6脂肪酸を含む油材料の少なくとも約3重量%の前記ω−6脂肪酸を含む油、好ましくは前記油材料の少なくとも約5重量%の前記ω−6脂肪酸、より好ましくは前記油材料の少なくとも約10重量%の前記ω−6脂肪酸を含む油を含む、請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項3】
前記油材料は、少なくとも約10時間、好ましくは少なくとも約14時間、より好ましくは少なくとも約18時間の油安定性指標値を有する、請求項1又は2に記載の吸収性物品。
【請求項4】
前記油材料は、前記油材料の少なくとも約10重量%のオレイン酸を更に含む、請求項1〜3のうちのいずれかに記載の吸収性物品。
【請求項5】
前記ローション組成物は、前記ローション組成物の約0.002重量%〜約12.5重量%の前記ω−6脂肪酸を含み、かつ前記ローション組成物の少なくとも約0.007重量%〜約20重量%のオレイン酸を更に含む、請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項6】
前記油材料は、植物油とチャボトケイソウ種子油との混合物、植物油とアマナズナ種子油との混合物、植物油と月見草油との混合物、高オレイン酸キャノーラ油、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1〜5のうちのいずれかに記載の吸収性物品。
【請求項7】
前記ローション組成物は、α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフェロール、α−トコトリエノール、γ−トコトリエノール、δ−トコトリエノール、セサモリン、セサミン、カテキン、及びこれらの混合物からなる群から選択される酸化防止剤を更に含む、請求項1〜6のうちのいずれかに記載の吸収性物品。
【請求項8】
前記ローション組成物は、セキショウ、ローマカミツレ、タラゴン、バジル、ベルガモット、ウッドカラミント、ヒメウイキョウ、シーダー材、カモミール、シナモン、シナモンバーク、ダイダイ、クローブ、サイプレス、ディル、ユーカリ、オイゲノール、フランキンセンス、ガランゴル、ゼラニウム、ジンジャー、ホップ、ジャスミン、ゲッケイジュ、ラベンダー、レモンバーム、レモングラス、レモン、リモネン、リナロール、酢酸リナリル、リッピアアルバ、マジョラム、メリッサ、ミルラ、ネロリ、ナツメグ、パシフローラ、パチョリ、ペパーミント、ピネン、ローズ、ローズウッド、ローズマリー、セージ、ビャクダン、スペアミント、スイートフェンネル、スイートオレンジ、タイム、バレリアン、イランイラン、及びこれらの混合物からなる群から選択される精油を更に含む、請求項1〜7のうちのいずれかに記載の吸収性物品。
【請求項9】
前記担体は、約4〜約32個の炭素原子を有する石油系炭化水素、約12〜約24個の炭素原子を有する脂肪アルコール、ポリシロキサン化合物、脂肪酸エステル、アルキルエトキシレート、約1〜約6個の炭素原子を有する低級アルコール、低分子量グリコール及びポリオール、約12〜約28個の炭素原子をその脂肪鎖中に有する脂肪アルコールエーテル、ラノリン、ラノリン誘導体、アセトグリセリド及びC12〜C28脂肪酸のエトキシル化グリセリドを含むグリセリド及びその誘導体、並びにそれらの混合物、からなる群から選択される、請求項1〜8のうちのいずれかに記載の吸収性物品。
【請求項10】
外陰皮膚にローション組成物を施す方法であって、請求項1〜9のうちのいずれか一項に記載の吸収性物品を前記外陰皮膚に接触させる手順を含む、方法。

【公表番号】特表2013−515589(P2013−515589A)
【公表日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−547139(P2012−547139)
【出願日】平成22年12月21日(2010.12.21)
【国際出願番号】PCT/US2010/061495
【国際公開番号】WO2011/082025
【国際公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】