説明

いま選出した曲をあとで入力されるはずの他の予約曲に続けて演奏予約できるカラオケ装置

【課題】後続の演奏予約曲より演奏を後回しにさせる。
【解決手段】利用者の操作入力に従い、遠慮フラグのつかない楽曲IDの入力と、遠慮フラグのついた楽曲IDの入力とを受け付け可能な入力手段と、制御手段の制御によりカラオケ楽曲を演奏する手段を備え、待ち行列に登録された楽曲IDに従って順番に演奏し、遠慮フラグのつかない楽曲IDと遠慮フラグのついた楽曲IDの入力を受け付けた際、遠慮フラグのつかない楽曲IDを遠慮フラグのついた楽曲IDに優先させて演奏させる遠慮楽曲演奏処理を可能とするカラオケ装置を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、グループでカラオケ利用する場合などに、予約済みの楽曲の演奏順番を入れ替えて、同じ利用者が続けて歌唱することがないようにしたカラオケ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
カラオケ装置は、リモコン装置などのユーザインタフェースを介して受け付けた予約楽曲の楽曲IDを演奏処理の待ち行列に登録し、待ち行列から順番に楽曲IDを取り出してその楽曲を次々と演奏する。そのため、同じ利用者が続けて予約すると、同じ利用者が続けて歌唱することになり、グループでカラオケを楽しむ場合に、各利用者に平等な歌唱機会が与えられない。そこで、とくに大勢でカラオケを楽しむ場合には、歌唱の機会が平等に巡るように、メンバー間で歌唱順を考慮しながら順番に希望曲を演奏予約することが望ましい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
近頃のカラオケ店では、多数のカラオケ楽曲を収録した分厚い目次本のかわりに、タブレットタイプのコンピュータで構成された電子目次本(カラオケ選曲装置)がよく利用されている。このようなカラオケ選曲装置は、タブレットコンピュータの高い演算能力や記憶能力、通信能力を利用して、多様な切り口で検索させて選曲することができる。たとえば、特許第3645211号公報には、利用者の年齢や年代に基づいて、利用者の記憶に残る年代の流行曲を検索する、いわゆるあの頃検索について開示されている。このような多様な選曲機能は、選曲すること自体がカラオケ歌唱とは別の楽しみを創出している。利用者はゲーム感覚でその操作に夢中になることも多い。また、久しぶりにカラオケ店に行ったり、多数の新譜が加わっていたりすると、一人の人がつい目次本や選曲装置を独占して複数の楽曲を連続して予約してしまう場合もある。
【0004】
そこで本発明者は、同じ人が予約した曲が連続して演奏されないようにすることができれば、一人が一度に複数の楽曲を予約したとしても同伴者全員に平等に歌唱機会が与えられると考えた。たとえばメンバーが5人いれば、今選曲した楽曲を他の5曲が予約されてから演奏順番が回ってくるようにすれば、他のメンバーに気兼ねなく予約操作を行える。そうすると、選曲操作も効率よく行えるし、メンバー間でスムーズに選曲装置や目次本など融通し合えて、カラオケの場も和やかになる。そのようなことを考えながら本発明を創作した。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明に係るカラオケ装置は、分説すると、つぎの事項(1)〜(4)により特定されるものである。
(1)入力手段と、演奏手段と、制御手段を備え、待ち行列に登録された楽曲IDに従って順番に演奏するカラオケ装置であること
(2)入力手段は、利用者の操作入力に従い、遠慮フラグのつかない楽曲IDの入力と、遠慮フラグのついた楽曲IDの入力とを受け付け可能であること
(3)演奏手段は、制御手段の制御によりカラオケ楽曲を演奏すること
(4)制御手段は、遠慮フラグのつかない楽曲IDと、遠慮フラグのついた楽曲IDの入力を受け付けた際、遠慮フラグのつかない楽曲IDの楽曲を当該遠慮フラグのついた楽曲IDの楽曲に優先させて演奏させる遠慮楽曲演奏処理を可能とすること
【0006】
この発明において、つぎの要件(A)〜(D)のいずれかを選択的に備えることが望ましい。
(A)メモリを備え、遠慮楽曲演奏処理は、遠慮フラグのついた楽曲IDの入力を受け付けた際、当該楽曲IDを待機楽曲IDとして、初期化した待機曲数カウンタと対応付けしてメモリに記憶し、遠慮フラグのつかない楽曲IDの入力を受け付けた際、当該楽曲IDを待ち行列に登録するとともに、待機曲数カウンタを歩進させてカウント値が規定値に達した待機曲数カウンタの存否をチェックし、カウント値が規定値に達した待機曲数カウンタに対応付けされた待機楽曲IDを待ち行列に登録すること
(B)メモリを備え、遠慮楽曲演奏処理は、遠慮フラグのついた楽曲IDの入力を受け付けた際、当該楽曲IDを待機楽曲IDとして、初期化した待機曲数カウンタと対応付けしてメモリに記憶し、遠慮フラグのつかない楽曲IDの入力を受け付けた際、当該楽曲IDを待ち行列に登録し、待ち行列から楽曲IDを取り出すごとに待機曲数カウンタを歩進させ、待ち行列から楽曲IDを取り出すごとに、カウント値が規定値に達した待機曲数カウンタの存否をチェックし、存在すれば、その待機楽曲IDの楽曲を取り出した楽曲IDの次に演奏させること
(C)遠慮楽曲演奏処理は、遠慮フラグのついた楽曲IDの入力を受け付けた際、当該楽曲IDを待機楽曲IDとして遠慮フラグと初期化した待機曲数カウンタとを対応付けして待ち行列に登録し、待ち行列の先頭以外の楽曲IDを取り出した際に、取り出した楽曲IDより前に待ち行列に登録された待機楽曲IDの待機曲数カウンタを歩進させ、待ち行列から取り出し対象となった楽曲IDを参照した際、当該楽曲IDが待機楽曲IDでない場合は当該楽曲IDを取り出し、待機楽曲IDである場合は、参照した待機楽曲IDに対応付けされている待機曲数カウンタのカウント値が規定値に達していれば当該待機楽曲IDを取り出し、カウント値が規定値に達していなければ当該待機楽曲IDの次に待ち行列に登録されている楽曲IDを取り出し対象として参照すること
(D)遠慮楽曲演奏処理は、遠慮フラグのついた楽曲IDの入力を受け付けた際、当該楽曲IDを待機楽曲IDとして遠慮フラグと初期化した待機曲数カウンタとを対応付けして待ち行列に登録し、遠慮フラグのつかない楽曲IDの入力を受け付けた際、当該楽曲IDを待ち行列に登録するとともに、登録済みの待機楽曲IDに対応する待機曲数カウンタを歩進させ、待ち行列から取り出し対象となった楽曲IDを参照した際、当該楽曲IDが待機楽曲IDでない場合は当該楽曲IDを取り出し、待機楽曲IDである場合は、参照した待機楽曲IDに対応付けされている待機曲数カウンタのカウント値が規定値に達していれば当該待機楽曲IDを取り出し、カウント値が規定値に達していなければ当該待機楽曲IDの次に待ち行列に登録されている楽曲IDを取り出し対象として参照すること
【0007】
さらにまた、入力手段は、遠慮フラグのついた楽曲IDとともに利用者の操作入力に基づく待機曲数を受け付け可能とし、制御手段は、遠慮フラグのついた楽曲IDとともに待機曲数を受け付けた際、当該待機曲数を当該楽曲IDの待機楽曲についての規定値に設定することが望ましい。
入力手段は、遠慮フラグのついた楽曲IDとともに利用者の操作入力に基づく待機曲数を受け付け可能とし、制御手段は、遠慮フラグのついた楽曲IDとともに待機曲数を受け付けた際、当該待機曲数を当該楽曲IDの待機楽曲についての規定値に設定するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0008】
本発明のカラオケ装置によれば、希望曲を何曲か先に演奏予約することができるので、選曲操作を行ったら、一人の利用者が他のメンバーに気兼ねすることなく連続して予約操作を行える。また、一人の利用者が一度に複数の楽曲を予約する機会が増えるので、選曲に関わる時間や手間が、複数の利用者が一曲ずつ順番に選曲操作を行うより省力でき、カラオケ歌唱に集中できる。したがって、カラオケの場がより和やかになることを期待できる。
【実施例】
【0009】
===カラオケ装置の基本構成===
図1に本実施例におけるカラオケ装置の構成を例示した。本実施例のカラオケ装置は、周知の通信カラオケシステムの一部であり、複数の客室120を備えたカラオケ店舗において、同室内にあるカラオケ演奏端末(以下、演奏端末10)と、当該演奏端末を操作するための客室端末20とで構成される。カラオケ店舗にはLAN110が敷設され、このLAN110を介して各客室の演奏端末10と同室内の客室端末20とが通信する。
【0010】
客室端末20は、タッチパネルを主要なユーザインタフェースとしたタブレットコンピュータと同様のハードウェア構成であり、所定規格の無線LANインタフェースを実装する。内蔵する外部記憶に、演奏予約などの操作対象となる同室内の演奏端末10の所在情報(IPアドレスなど)を記憶しており、無線アクセスポイント40を介してLAN110に接続し、演奏端末10と通信する。また、インストールされているプログラムの実行によりGUIを通じて利用者と対話し、楽曲の演奏予約など、演奏端末10を操作するためのリモコン装置として機能する。
【0011】
===演奏端末10の基本構成と通常演奏機能===
演奏端末10は、汎用パソコンの応用装置である。図2にそのブロック構成を例示した。中央制御部11は周辺構成部を制御して演奏端末10を統括する。ハードディスク装置12には、メインコンピュータのプログラムのほか、伴奏音楽や歌詞画像の起源となるカラオケデータを楽曲IDに対応付けして記憶している。
【0012】
客室端末20の外部記憶には、演奏端末10にて演奏可能なカラオケ楽曲について、曲名・アーティスト名・楽曲ジャンルなどの目次情報を、楽曲IDに対応付けして集約した楽曲索引データベースが記憶されている。客室端末20は、タッチパネルを介した利用者との対話を通じて、利用者の希望する楽曲の目次情報を楽曲索引データベースから検索して提示する。そして、客室端末20において最終的に1曲に特定されたカラオケ楽曲を演奏予約する旨の利用者の指示入力がなされると、その楽曲の楽曲IDを含む演奏予約電文を同室内の演奏端末10に転送する。
【0013】
演奏端末10の中央制御部11は、客室端末20から送信されてきた楽曲IDを受け付けたり、操作/表示パネル13に入力された楽曲IDを受け付けたりすると、その楽曲IDを受け取った順にRAMなどに格納し、その受付順に格納された楽曲IDを演奏処理の待ち行列として管理する。すなわち、受け付け順に待ち行列の先頭から順に登録していく。そして、待ち行列の先頭から楽曲IDを取り出して、その楽曲IDに該当するカラオケデータを取り出す。待ち行列の先頭から楽曲IDを取り出すと、その楽曲IDの次に受け付けた楽曲IDが待ち行列の先頭になる。
【0014】
中央制御部11の制御により、取り出されたカラオケデータに基づいて、演奏処理部15が伴奏音楽の音楽信号を生成し、マイクロホンに入力された歌声信号とミキシングアンプ16で混合・増幅してスピーカより音響出力する。また、映像処理部17が、背景映像に演奏の進行に同期して色変わりする歌詞字幕をスーパーインポーズ処理してディスプレイ18に映像出力する。
【0015】
===遠慮楽曲演奏機能の概略===
本実施例の演奏端末10は、上記の通常演奏機能に加え、利用者が遠慮楽曲として先に予約した楽曲を、その後に予約された楽曲の後に演奏する遠慮楽曲演奏機能を備えている。
【0016】
図3に客室端末20における遠慮楽曲演奏機能に関わるユーザインタフェース環境を例示した。利用者が最終的に予約楽曲を選択指定すると、その楽曲についての詳細情報がタッチパネルに表示される。その詳細情報の画面には、曲目やアーティスト名などの目次情報と、演奏端末10に演奏予約させるための転送ボタン30と、当該機能により待機楽曲を演奏予約させるための遠慮転送ボタン31が配設されている。客室端末20は、ここで遠慮転送ボタン31が指示されると、楽曲IDと遠慮フラグとを含んだ演奏予約電文を生成し、演奏端末10に送信する。
【0017】
演奏端末10は、遠慮フラグとともに送信されてきた楽曲IDを待機楽曲IDとして、その後に受け付けた所定数の楽曲IDの楽曲を優先して演奏し、その後で当該待機楽曲IDに対応する遠慮楽曲を演奏する。この遠慮楽曲演奏機能によれば、希望曲を何曲か先に、後の人がまだ選曲していなくても演奏予約することができる。そのため、選曲操作を行ったら、他のメンバーに気兼ねすることなく今すぐ予約操作を行える。そうすると、選曲操作も効率よく行えるし、メンバー間でスムーズに選曲装置や目次本など都合しあえ、カラオケの場が円滑になる。
【0018】
以下に、遠慮楽曲演奏機能に関わる情報処理について、いくつかの実施形態を例示する。なお、以下のいずれの実施例においても、遠慮楽曲の演奏機会を先送りする回数に相当する規定値Nが、ハードディスク装置12やROMなどの適宜な記憶部にあらかじめ記憶されているものとする。
【0019】
===第1の実施例===
本発明の第1の実施例では、演奏端末10が遠慮フラグのついた楽曲IDを受け取ると、その楽曲IDの待ち行列への登録を待機させ、それより後に受信した演奏予約電文に含まれる楽曲IDを優先して待ち行列に登録する。
【0020】
図4には第1の実施例にかかる待ち行列登録の際の処理フローを例示している。演奏端末10の中央制御部11は、受け取った演奏予約電文に、楽曲IDと遠慮フラグとが含まれていた場合に(s1〜s2)、演奏端末10はこの楽曲IDをすぐには待ち行列に登録しない。待ち行列とは別の記憶領域(メモリ)に当該楽曲IDを待機曲としてメモリに記憶する。その際に、この待機楽曲IDに対応付けして待機曲数カウンタを記憶する。またカウント値を初期値n=0に設定する(s3)。
【0021】
中央制御部11は待ち行列の登録状況を監視し(s4)、遠慮フラグがついていない楽曲IDを受け付けた場合には、その楽曲IDを待ち行列に登録するとともに、カウンタを歩進させる(s5)。上記s4〜s5の処理を繰り返しながらメモリに記憶した待機楽曲カウンタのカウント値を監視し、カウント値n=Nになると(s6)、待機曲の楽曲IDを待ち行列に登録する(s7)。
そして演奏端末10は、待ち行列に登録されている順に楽曲IDを取り出して演奏処理部15に転送し、演奏処理を行う。
【0022】
===第2の実施例===
図5には、本発明の第2の実施例における遠慮楽曲演奏処理の流れを示している。中央制御部11は、遠慮フラグのついた楽曲IDを受け付けると(s21→s22→s23)、メモリに当該楽曲IDを待機楽曲IDとして、初期値n=0に設定した待機曲数カウンタ値nを対応付けしてメモリに記憶する(s23)。演奏端末10が遠慮フラグのつかない楽曲IDを受け付けると、その楽曲IDを待ち行列に登録する(s21→s22→s24)。
【0023】
そして、待ち行列の登録状況を監視し(s25)、待ち行列から演奏対象として先頭の楽曲IDを取り出され演奏対象とされると、カウンタ値nを歩進させる(s25→s26)。そしてカウンタ値nが規定値Nになっている待機楽曲が存在するかどうかを確認し、存在すれば(s27→s28)、対応する待機楽曲の楽曲IDを次の演奏対象として、演奏処理部15に受け渡す(s28)。その後も待ち行列の監視(s25)を繰り返す。
【0024】
===第3の実施例===
図6には、本発明の第3の実施例に係る遠慮楽曲演奏処理の流れを例示している。第3の実施例では、演奏端末10の中央制御部11は、楽曲IDを受け付けるとその順に待ち行列に登録する。遠慮フラグとともに受け付けた楽曲IDについては、初期値n=0に設定した待機曲数カウンタを対応付けして待ち行列に登録する(s302→s303)。
【0025】
そして演奏対象として待ち行列の先頭の楽曲IDを参照した際に(s311)、当該楽曲IDに遠慮フラグがついていない場合には、その楽曲IDを待ち行列から取り出して対応する楽曲を演奏させる(s312→s318)。
【0026】
これに対し、待ち行列の先頭の楽曲IDが遠慮フラグのついた待機楽曲IDであった場合には、当該楽曲IDに対応付けされている待機曲数カウンタのカウント値nと規定値Nとを対比させ(s312→s313)、nがNに達していない場合には、待ち行列の2番目に登録されている楽曲IDを参照する(s313→s314)。参照した楽曲IDに遠慮フラグがついていなければ、その楽曲IDを演奏対象として取り出すとともに、待ち行列の先頭に登録されている待機楽曲IDの待機曲数カウンタを歩進させる(s315→s317)。このようにして、待ち行列からの取り出し対象として参照されたにもかかわらず演奏されなかった回数をカウントしている。
【0027】
参照した楽曲IDに遠慮フラグがついていて、かつ待機曲数カウンタのカウント値nが規定値Nに達している場合には、その楽曲IDを演奏対象として取り出す(s313→s318)。すなわち、待ち行列からの取り出し対象として参照されたにもかかわらず演奏されなかった回数がN回になってはじめて演奏されることになる。
【0028】
なお、待ち行列の先頭に加え、その次(先頭から2番目)の楽曲IDにも遠慮フラグがついていれば、その楽曲IDに対応するカウント値n1と規定値Nを対比させ、n1がNに達していれば、演奏対象として取り出すとともに、先頭の待機楽曲IDの待機曲数カウンタを歩進させる(s316→s317)。n1がNに達していない場合には(s315→s316→s314)、さらにその次(先頭から3曲目)の楽曲IDを参照し(s316→s314)、同様に当該参照楽曲IDに遠慮フラグがついていない場合(s315→s317)、あるいは遠慮フラグがついていても対応するカウント値n2が規定値Nに達している場合(s315→s316→s317)には、その参照した(先頭から3曲目の)楽曲IDを演奏対象として取り出して演奏処理部15に受け渡すとともに、取り出した楽曲IDより前に待ち行列に登録された待機楽曲IDの待機楽曲カウンタのカウント値(n,n1・・・)に、それぞれ1を加算する(s317)。このような処理を繰り返して、待ち行列の順番をさかのぼって先頭以外の演奏対象の楽曲IDを取り出した場合に、それより先に待ち行列に登録されている待機楽曲IDのカウンタを歩進させる。
【0029】
なお、待ち行列に登録されている全楽曲IDの待機曲数カウンタのカウント値が規定値Nに達していない場合には、Nになるまで演奏処理に回さないようにする。そうすれば、確実に所定曲数Nだけ遠慮楽曲の演奏を待機できる。あるいは、所定時間、他の演奏予約電文が転送されてくるのを待つようにしてもよい。あるいは、待ち行列中の全楽曲IDのカウント値が規定値Nに達していない場合には、待ち行列の先頭になればすぐに演奏処理をするようにしてもよい。
【0030】
===第4の実施例===
図7には、本発明の第4の実施例に係る遠慮楽曲演奏処理の流れを例示している。第4の実施例では、演奏端末10の中央制御部11は、遠慮フラグの有無にかかわらず、楽曲IDを受け付けるとその順に待ち行列に登録する。楽曲IDに遠慮フラグがついている場合には、当該楽曲IDを待機楽曲IDとして、遠慮フラグと初期値n=0に設定した待機曲数カウンタとを対応付けして待ち行列に登録する(s402→s403)。また、楽曲IDに遠慮フラグがついていない楽曲IDを受け付けた場合には、それより前に待ち行列に登録された待機楽曲IDに対応する待機曲数カウンタを歩進させる。このようにして、待機楽曲IDのそれぞれについて、それより後に待ち行列に登録された遠慮フラグのつかない楽曲ID数をカウントしている。
【0031】
そして演奏処理の対象として待ち行列の先頭の楽曲IDを参照した際に(s411)、その楽曲IDに遠慮フラグがついていない場合には、その楽曲IDを取り出す(s412→s415)。
【0032】
これに対し、待ち行列の先頭の楽曲IDが遠慮フラグのついた待機楽曲IDであった場合には、当該待機楽曲IDに対応づけされている待機曲数カウンタのカウント値nと規定値Nとを対比させる(s412→s413)。nがNに達していない場合には、その次に待ち行列に登録されている楽曲IDを参照し(s413→s414)、その楽曲IDに遠慮フラグがついていなければ、その楽曲IDを取り出す(s412→s415)。また、遠慮フラグがついていても、nがNに達していれば、その待機楽曲IDを取り出す(s413→s415)。
【0033】
===待機曲数カウンタの規定値Nについて===
待機曲数カウンタの規定値Nを利用者入力により設定できるようにしてもよい。たとえば楽曲詳細画面に規定値Nを入力するための数値キーや、数値を選択可能にしたプルダウンメニューなどを用意しておく。客室端末20は、規定値Nが入力され遠慮転送指示がなされると、楽曲IDとともに遠慮フラグおよび待機曲数カウンタの規定値Nを含んだ演奏予約電文を演奏端末10に送信する。演奏端末10は、遠慮フラグのついた楽曲IDを待機楽曲として規定値Nとともにメモリに記憶したり、待ち行列に登録して、演奏予約を受け付けた機会ごとに、あるいは演奏機会ごとに待機楽曲に対応付けしたカウント値nを歩進させ、個々の待機楽曲ごとにカウント値nが規定値Nに達しているか否かをチェックすればよい。
【0034】
なお、利用者が規定値Nを指定しない場合は、あらかじめ設定されている規定値Nを採用すればよい。また、演奏端末10の使用開始前に一律に規定値Nを利用者入力により設定できるようにしておいてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本実施例に係るカラオケ装置の構成を例示している。
【図2】本実施例に係る演奏端末のハードウェア構成を例示している。
【図3】同上客室端末における選曲画面を例示している。
【図4】第1の実施例に係る遠慮楽曲演奏処理フロー図である。
【図5】第2の実施例に係る遠慮楽曲演奏処理フロー図である。
【図6】第3の実施例に係る遠慮楽曲演奏処理フロー図である。
【図7】第4の実施例に係る遠慮楽曲演奏処理フロー図である。
【符号の説明】
【0036】
10 演奏端末
11 中央制御部
20 客室端末

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力手段と、演奏手段と、制御手段を備え、待ち行列に登録された楽曲IDに従って順番に演奏するカラオケ装置であって、
入力手段は、利用者の操作入力に従い、遠慮フラグのつかない楽曲IDの入力と、遠慮フラグのついた楽曲IDの入力とを受け付け可能であり、
演奏手段は、制御手段の制御によりカラオケ楽曲を演奏し、
制御手段は、遠慮フラグのつかない楽曲IDと、遠慮フラグのついた楽曲IDの入力を受け付けた際、遠慮フラグのつかない楽曲IDの楽曲を当該遠慮フラグのついた楽曲IDの楽曲に優先させて演奏させる遠慮楽曲演奏処理を可能とする
カラオケ装置。
【請求項2】
メモリを備え、
遠慮楽曲演奏処理は、第1〜第3処理を含み、
第1処理は、遠慮フラグのついた楽曲IDの入力を受け付けた際、当該楽曲IDを待機楽曲IDとして、初期化した待機曲数カウンタと対応付けしてメモリに記憶し、
第2処理は、遠慮フラグのつかない楽曲IDの入力を受け付けた際、当該楽曲IDを待ち行列に登録するとともに、待機曲数カウンタを歩進させてカウント値が規定値に達した待機曲数カウンタの存否をチェックし、
第3処理は、カウント値が規定値に達した待機曲数カウンタに対応付けされた待機楽曲IDを待ち行列に登録する
請求項1に記載のカラオケ装置。
【請求項3】
メモリを備え、
遠慮楽曲演奏処理は、第1〜第4処理を含み、
第1処理は、遠慮フラグのついた楽曲IDの入力を受け付けた際、当該楽曲IDを待機楽曲IDとして、初期化した待機曲数カウンタと対応付けしてメモリに記憶し、
第2処理は、遠慮フラグのつかない楽曲IDの入力を受け付けた際、当該楽曲IDを待ち行列に登録し、
第3処理は、待ち行列から楽曲IDを取り出すごとに待機曲数カウンタを歩進させ、
第4処理は、待ち行列から楽曲IDを取り出すごとに、カウント値が規定値に達した待機曲数カウンタの存否をチェックし、存在すれば、その待機楽曲IDの楽曲を取り出した楽曲IDの次に演奏させる
請求項1に記載のカラオケ装置。
【請求項4】
遠慮楽曲演奏処理は、第1〜第4処理を含み、
第1処理は、遠慮フラグのついた楽曲IDの入力を受け付けた際、当該楽曲IDを待機楽曲IDとして遠慮フラグと初期化した待機曲数カウンタとを対応付けして待ち行列に登録し、
第2処理は、待ち行列の先頭以外の楽曲IDを取り出した際に、取り出した楽曲IDより前に待ち行列に登録された待機楽曲IDの待機曲数カウンタを歩進させ、
第3処理は、待ち行列から取り出し対象となった楽曲IDを参照した際、当該楽曲IDが待機楽曲IDでない場合は当該楽曲IDを取り出し、待機楽曲IDである場合は第4処理に移行し、
第4処理は、参照した待機楽曲IDに対応付けされている待機曲数カウンタのカウント値が規定値に達している場合には、当該待機楽曲IDを取り出し、カウント値が規定値に達していない場合には、当該待機楽曲IDの次に待ち行列に登録されている楽曲IDを取り出し対象として参照する
請求項1に記載のカラオケ装置。
【請求項5】
遠慮楽曲演奏処理は、第1〜第4処理を行い、
第1処理は、遠慮フラグのついた楽曲IDの入力を受け付けた際、当該楽曲IDを待機楽曲IDとして遠慮フラグと初期化した待機曲数カウンタとを対応付けして待ち行列に登録し、
第2処理は、遠慮フラグのつかない楽曲IDの入力を受け付けた際、当該楽曲IDを待ち行列に登録するとともに、登録済みの待機楽曲IDに対応する待機曲数カウンタを歩進させ、
第3処理は、待ち行列から取り出し対象となった楽曲IDを参照した際、当該楽曲IDが待機楽曲IDでない場合は当該楽曲IDを取り出し、待機楽曲IDである場合は第4処理に移行し、
第4処理は、参照した待機楽曲IDに対応付けされている待機曲数カウンタのカウント値が規定値に達している場合には、当該待機楽曲IDを取り出し、カウント値が規定値に達していない場合には、当該待機楽曲IDの次に待ち行列に登録されている楽曲IDを取り出し対象として参照する
請求項1に記載のカラオケ装置。
【請求項6】
入力手段は、利用者の操作入力に基づく待機曲数を受け付け可能とし、
制御手段は、入力手段が待機曲数を受け付けた際、当該待機曲数を待機曲数カウンタの規定値に設定する
請求項2〜5に記載のカラオケ装置。
【請求項7】
入力手段は、遠慮フラグのついた楽曲IDとともに利用者の操作入力に基づく待機曲数を受け付け可能とし、
制御手段は、遠慮フラグのついた楽曲IDとともに待機曲数を受け付けた際、当該待機曲数を当該待機楽曲IDに対応する待機曲数カウンタの規定値に設定する
請求項2〜5に記載のカラオケ装置。


【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−164790(P2008−164790A)
【公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−352504(P2006−352504)
【出願日】平成18年12月27日(2006.12.27)
【出願人】(390004710)株式会社第一興商 (537)
【Fターム(参考)】