説明

おむつ包装体

【課題】容器からも使い捨ておむつ自身からも使い捨ておむつの仕様情報を容易に認識でき、それらの関連付けを容易に行うことができるおむつ包装体を提供する。
【解決手段】複数の使い捨ておむつ1が容器41内に収容されたおむつ包装体51であって;各使い捨ておむつ1は所定の折り目で折り返され、折り目の外側には使い捨ておむつ1のサイズを表す第1情報21が表示され;容器41は、前記折り目が向いている側に形成された開封可能部42を有するとともに、使い捨ておむつ1のサイズを表す第2情報43が表示され;第1情報21と第2情報43が同じ色で表示されている。おむつ包装体51は、第1情報21と第2情報43の代わりに、使い捨ておむつの吸収容量の区分を表す第3情報22と第4情報44とが各々表示され、第3情報22と第4情報44が同じ色で表示されていてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使い捨ておむつが容器内に収容されたおむつ包装体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、パンツ型使い捨ておむつの股部、または折り畳まれたパンツ型使い捨ておむつの外側部分に、当該おむつのサイズ等の識別情報が表示されたパンツ型使い捨ておむつが知られている(特許文献1)。前記パンツ型使い捨ておむつは、複数が積み重ねられたおむつ束の状態で、おむつ束の側方から視認可能な箇所に、前記識別情報が表示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2005/023160号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1は、使い捨ておむつの外側部分に識別情報を表示することは開示するものの、使い捨ておむつに付されたサイズ等の識別情報とおむつ束を収容する容器との関連性については何ら言及していない。使い捨ておむつは、一般に、使用前は容器に収容された状態で店頭販売されたり、病院や介護施設等に搬入される。使用者や介護者は、使い捨ておむつを収容する容器を見て、その使い捨ておむつの仕様情報を認識することはできるが、使い捨ておむつそのものからその仕様情報を容易に認識することについては、あまり意識されてこなかった。さらに、容器と、当該容器内に収容された使い捨ておむつとの関連付けを容易にする工夫については、ほとんどなされていない。
【0005】
本発明は前記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、容器からも使い捨ておむつ自身からも使い捨ておむつの仕様情報を容易に認識でき、それらの関連付けを容易に行うことができるおむつ包装体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決することができた本発明のおむつ包装体とは、複数の使い捨ておむつが容器内に収容されたおむつ包装体であって;前記各使い捨ておむつは所定の折り目で折り返され、前記折り目の外側には、前記使い捨ておむつのサイズを表す第1情報が表示され;前記使い捨ておむつは、全ての使い捨ておむつの前記折り目が同じ方向を向くように、複数積み重ねられ;前記容器は、積み重ねられた使い捨ておむつの前記折り目が向いている側に形成された開封可能部を有し;前記容器には、前記使い捨ておむつのサイズを表す第2情報が表示され;前記第1情報と前記第2情報が同じ色で表示されているところに特徴を有する。
【0007】
本発明のおむつ包装体は、前記第1情報に加えて、または前記第1情報の代わりに、使い捨ておむつの吸収容量の区分を表す第3情報が表示され、前記第2情報に加えて、または前記第2情報の代わりに、使い捨ておむつの吸収容量の区分を表す第4情報が表示され、前記第3情報と前記第4情報とが同じ色で表示されていてもよい。
【0008】
本発明のおむつ包装体は、第1情報と第2情報とが同じ色で表示され、または第3情報と第4情報とが同じ色で表示されているため、容器の開封可能部を開けると、容器内に収容された各使い捨ておむつが容器に表示された仕様のおむつであることを一目で確認することができる。また、容器から使い捨ておむつを取り出した後でも、当該使い捨ておむつの仕様を容易に判断することができる。従って、着用者や介護者が、種類を間違うことなく使い捨ておむつを選ぶことができる。
【0009】
前記使い捨ておむつは、前記折り目を挟んで一方面と他方面とが形成され、前記第1情報または第3情報は、前記折り目から前記一方面および/または前記他方面にかけて表示されていてもよい。容器の開封可能部を開けて折り目を挟んだ一方面または他方面が視認可能であれば、容器内に収容された使い捨ておむつの第1情報または第3情報をより容易に確認できるようになる。また、使い捨ておむつを容器から出して単独で扱う状態でも、当該使い捨ておむつの第1情報または第3情報を容易に確認することができる。
【0010】
前記使い捨ておむつは吸収性コアを有し、使い捨ておむつは、前記折り目で吸収性コアとともに折り返されていることが好ましい。この場合、第1情報および/または第3情報は、使い捨ておむつの吸収性コア存在領域に表示されることとなる。使い捨ておむつの吸収性コア存在領域は高い剛性を有し、使い捨ておむつに設けられる弾性部材の影響により、歪みが生じにくいことから、第1情報および/または第3情報が吸収性コア存在領域に表示されていれば、これらの情報を表す文字や記号等が歪んで表示されにくくなり、確認が容易になる。
【0011】
本発明のおむつ包装体に用いられる使い捨ておむつは、パンツ形状に形成されたおむつであってもよい。すなわち、使い捨ておむつはパンツ形状に形成され、股部で繋がった前側部と後側部とを有し、使い捨ておむつは、股部で折り返されて第1の折り目が形成されるとともに、前側部および後側部で第1の折り目と平行に折り返されて第2の折り目が形成され、第1の折り目および第2の折り目の少なくとも一方の外側に、前記第1情報または第3情報が表示されるものであってもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明のおむつ包装体は、容器と、当該容器内に収容された使い捨ておむつとの仕様に関する関連付けを容易に行うことができる。着用者や介護者が、種類を間違うことなく使い捨ておむつを選ぶことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】股部の折り目の外側に使い捨ておむつのサイズを表す第1情報が表示されたパンツ型使い捨ておむつの一例を表す。
【図2】図1に示したパンツ型使い捨ておむつを平面視四角形に折り畳む方法の一例を示す。
【図3】図1に示したパンツ型使い捨ておむつを、図2に示す方法に従い折り畳んだ状態を表す。
【図4】平面視四角形に折り畳んだパンツ型使い捨ておむつであって、使い捨ておむつの吸収容量の区分を表す第3情報が表示されたパンツ型使い捨ておむつの一例を表す。
【図5】平面視四角形に折り畳んだパンツ型使い捨ておむつであって、使い捨ておむつのサイズを表す第1情報が表示されたパンツ型使い捨ておむつの一例を表す。
【図6】平面視四角形に折り畳んだパンツ型使い捨ておむつであって、使い捨ておむつのサイズを表す第1情報と使い捨ておむつの吸収容量の区分を表す第3情報が表示されたパンツ型使い捨ておむつの一例を表す。
【図7】平面視四角形に折り畳んだパンツ型使い捨ておむつであって、使い捨ておむつのサイズを表す第1情報と使い捨ておむつの吸収容量の区分を表す第3情報が表示されたパンツ型使い捨ておむつの一例を表す。
【図8】使い捨ておむつを複数積み重ねたおむつ束の一例を表す。
【図9】使い捨ておむつを複数積み重ねたおむつ束の一例を表す。
【図10】使い捨ておむつが容器に収容されたおむつ包装体の一例を表す。
【図11】使い捨ておむつが容器に収容されたおむつ包装体の一例を表す。
【図12】図11のおむつ包装体の容器の開封可能部を開封した状態を表す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明に用いられる使い捨ておむつは、使用前は容器内に収容されるものである。例えば、使い捨ておむつは容器内に収容されて、店頭販売されたり病院や介護施設等に搬入される。
【0015】
使い捨ておむつは、容器内に収容された状態で、少なくとも1つの折り目を有している。この折り目の外側には、後述するように、使い捨ておむつのサイズや吸収容量の区分を表す情報が表示される。
【0016】
使い捨ておむつとしては、例えば、左右に一対の止着部材が設けられ、当該止着部材により着用時にパンツ型に形成するオープン型使い捨ておむつや、パンツ形状に形成されたパンツ型使い捨ておむつが挙げられる。パンツ型使い捨ておむつは、例えば、前側部と後側部とこれらを繋ぐ股部とを有し、前側部と後側部とが接合されることにより、ウェスト開口と一対の脚開口とが形成される。なお、前側部、後側部、股部とは、使い捨ておむつ着用時に、着用者の腹側に当てる部分を前側部と称し、着用者の尻側に当てる部分を後側部と称し、前側部と後側部との間に位置し着用者の股間に当てる部分を股部と称する。使い捨ておむつは、少なくとも股部に吸収性コアが備えられることが好ましい。
【0017】
パンツ型使い捨ておむつは、内側シートと外側シートとからなる積層体がパンツ形状に形成されて、この積層体が前側部と後側部とこれらを繋ぐ股部とを有し、前記股部に、トップシートとバックシートとの間に吸収性コアが配された吸収性本体が備えられていてもよい。また、パンツ型使い捨ておむつは、トップシートとバックシートとの間に吸収性コアが配された積層体からなり、この積層体がパンツ形状に形成されて、前側部と後側部とこれらを繋ぐ股部とを有していてもよい。
【0018】
前記トップシートは、液透過性であることが好ましく、トップシートとしては、例えば、セルロース、レーヨン等の親水性繊維から形成された不織布;ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリアミド、ナイロン等の疎水性繊維から形成された不織布であって、当該疎水性繊維の表面が界面活性剤により親水化されたもの等を用いることができる。
【0019】
前記バックシートは、液不透過性であることが好ましい。バックシートとしては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリアミド、ナイロン等の疎水性繊維から形成された不織布や、プラスチックフィルム等を用いることができる。また、不織布とプラスチックフィルムとの積層体を用いてもよい。なお、「液不透過性」とは、「撥水性」の意味も含むものとする。
【0020】
前記内側シートは、親水性または液不透過性であることが好ましく、前記外側シートは、液不透過性であることが好ましい。親水性の内側シートとしては、前記トップシートに使用可能な素材を用いればよい。液不透過性の内側シートまたは外側シートとしては、前記バックシートに使用可能な素材を用いればよい。
【0021】
前記吸収性コアは、尿等の排泄物を吸収できるものであれば特に限定されない。吸収性コアとしては、例えば、吸収性材料を所定形状に成形した成形体を用いたり、あるいは吸収性材料を紙シート(例えば、ティッシュペーパー)や液透過性不織布シート等の被覆シートで覆ったものを用いることができる。吸収性コアに含まれる吸収性材料としては、例えば、粉砕したパルプ繊維、セルロース繊維等の親水性繊維や、ポリアクリル酸系、セルロース系、デンプン・アクリロニトリル系等の吸水性樹脂等が挙げられる。吸収性材料としては、少なくとも吸水性樹脂を含んでいることが好ましい。また、吸収性材料として、親水性繊維の集合体に吸水性樹脂を混合または散布したものを用いてもよい。吸収性コアの形状は特に限定されない。吸収性コアの形状としては、例えば、長方形、砂時計型、ひょうたん型、羽子板型等が挙げられる。
【0022】
使い捨ておむつには、吸収性コアの両側縁に沿って、立ち上がりフラップが設けられていることが好ましい。立ち上がりフラップを設けることにより、尿等の排泄物の横漏れを防ぐことができる。立ち上がりフラップは、液不透過性であることが好ましい。立ち上がりフラップは、立ち上がりを容易にするために、自由端に起立用弾性部材が設けられることが好ましい。
【0023】
使い捨ておむつには、前側部や後側部のウェスト開口の縁に沿ってウェスト用弾性部材が設けられることが好ましい。ウェスト用弾性部材により、着用者が寝ている状態でも、背中側や腹側からの尿等の排泄物の漏れが起こりにくくなる。ウェスト用弾性部材は、複数本設けられてもよい。
【0024】
使い捨ておむつには、脚開口の縁に沿って脚用弾性部材が設けられることが好ましい。脚用弾性部材により、脚開口の縁からの尿等の排泄物の漏れが防止される。脚用弾性部材は、複数本設けられてもよい。
【0025】
使い捨ておむつには、前側部および/または後側部に複数の胴周り用弾性部材が使い捨ておむつの幅方向に設けられることが好ましい。胴周り用弾性部材により、使い捨ておむつの下腹部と臀部周りのフィット性が向上する。パンツ型の使い捨ておむつには、特に、胴周り用弾性部材が設けられることが好ましい。
【0026】
各弾性部材は、ポリウレタン糸、ポリウレタンフィルム、天然ゴム等の通常使い捨ておむつに用いられる弾性伸縮材料が用いることができる。各弾性部材は、伸張状態で、ホットメルト接着剤で固定されることが好ましい。例えば、繊度100〜2,500dtexのポリウレタン糸を、倍率1.1〜5.0倍に伸張して配設し、固定する。接合手段としては、好ましくは、ゴム系のホットメルト接着剤である。
【0027】
使い捨ておむつは、所定の折り目で折り返され、折り目の外側には、使い捨ておむつの仕様情報が表示される。使い捨ておむつを所定の折り目で折り返すことにより、当該折り目を挟んで一方面と他方面とが形成される。この際、一方面と他方面とは、略平行に重ねられる。仕様表示は、前記折り目の外側のみに設けられてもよく、前記折り目から前記一方面および/または前記他方面にかけて表示されてもよい。
【0028】
仕様情報が折り目の外側に設けられていれば、後述するように、複数の使い捨ておむつを積み重ねた状態で、各使い捨ておむつの仕様情報を視認することができるようになる。また、仕様情報が、折り目から、当該折り目を挟んだ一方面および/または他方面にかけて表示されていれば、使い捨ておむつを容器から出して単独で扱う状態でも、当該使い捨ておむつの仕様情報を容易に確認することができる。
【0029】
使い捨ておむつの折り目が形成される箇所は特に限定されないが、使い捨ておむつは容器に好適に収容されるように折り目で折り返されることが好ましい。例えば、使い捨ておむつは、二つ折りに折り畳まれたり、三つ折りに折り畳まれたり、直方体形状の容器に好適に収容されるように平面視四角形(好ましくは、平面視長方形)に折り畳まれる。
【0030】
折り目の外側に表示される使い捨ておむつの仕様情報は、使い捨ておむつのサイズを表す第1情報、および/または、使い捨ておむつの吸収容量の区分を表す第3情報である。第1情報としては、「S」、「M」、「L」等の使い捨ておむつのサイズを表す文字が表されたり、使い捨ておむつのサイズに応じた記号、図柄、または図形等が表されてもよい。第3情報としては、収容可能な排尿回数として「2回分」、「4回分」等の文字が表されたり、吸収容量の区分に応じた数字や記号、図柄、または図形等が表されてもよい。
【0031】
第1情報および/または第3情報は、特定の色で表示される。好ましくは、第1情報および/または第3情報は、白以外の特定の色で表示される。一般に使い捨ておむつは白色の地を有するところ、第1情報および/または第3情報が白以外の色で表示されていれば、第1情報および/または第3情報を容易に確認することができる。
【0032】
パンツ型使い捨ておむつを例にとって、図を用いて、折り目の形成箇所と第1情報および第3情報の表示の実施態様例を以下に説明する。
【0033】
図1は、パンツ型使い捨ておむつの外観図を表す。図1では、使い捨ておむつ1はパンツ形状に形成され、股部2で繋がった前側部3と後側部4とを有する。使い捨ておむつ1には、股部2から前側部3および後側部4にかけて、吸収性コア5が設けられている。
【0034】
使い捨ておむつ1は、股部2で折り返されて第1の折り目11が形成されている。前側部3と後側部4とは、第1の折り目11を挟んで形成されて互いに重ねられ、重ねられた前側部3と後側部4とは、互いの側縁どうしが接合されて、ウェスト開口と一対の脚開口が形成される。使い捨ておむつ1には、ウェスト開口の縁に沿ってウェスト用弾性部材6が設けられ、脚開口の縁に沿って脚用弾性部材7が設けられ、前側部3と後側部4とに使い捨ておむつの幅方向に胴周り用弾性部材8が設けられている。第1の折り目11の外側には、使い捨ておむつ1のサイズを表す第1情報21が表示されている。図1では、第1情報として、「M」の文字が表示されている。
【0035】
パンツ型使い捨ておむつは、図1に示すような平面視パンツ形の状態で、使い捨ておむつ1の前側部3と隣接する使い捨ておむつの後側部4とが重なるように、複数の使い捨ておむつ1を積み重ねておむつ束を形成し、このおむつ束を容器に収容してもよい。しかし、おむつ束は収納効率を高めるようによりコンパクトに形成されることが好ましい。従って、パンツ型使い捨ておむつは平面視四角形に折り畳まれ、このように折り畳まれた使い捨ておむつが積み重ねられておむつ束を形成することが好ましい。
【0036】
図2には、図1に示したパンツ型使い捨ておむつを平面視四角形に折り畳む方法の一例を示す。使い捨ておむつ1は、幅方向に右側部13と左側部14とこれらの間の中央部15とに区分され、上下方向に上方部16と下方部17とに区分される。なお、幅方向および上下方向とは、着用者が使い捨ておむつを着用して起立した状態での左右方向および上下方向を意味する。また、左側部および右側部とは、使い捨ておむつ着用時、着用者の左側に位置する部分および右側に位置する部分を各々意味する。図2では、右側部13と中央部15とがX−X線で区分され、左側部14と中央部15とがY−Y線で区分され、上方部16と下方部17とがZ−Z線で区分される。使い捨ておむつ1は、右側部13がX−X線で中央部15側に折り返され、左側部14がY−Y線で中央部15側に折り返され、右側部13と左側部14とが中央部15に重ねられる(図2(a),(b)参照)。次いで、使い捨ておむつ1は、下方部17がZ−Z線で上方部16側に折り返され、下方部17が上方部16に重ねられる(図2(b),(c)参照)。
【0037】
図3には、図1に示したパンツ型使い捨ておむつを、図2に示す方法に従い折り畳んだ状態の外観図を表す。図3では、使い捨ておむつ1は、平面視四角形に折り畳まれている。使い捨ておむつ1は、図3のように折り畳まれることにより、複数の使い捨ておむつ1を積み重ねて容器に収容することが容易になる。また、複数の使い捨ておむつ1が積み重ねられて形成されたおむつ束がコンパクトになり、収容効率が向上する。さらに、図3のように折り畳むことにより、使い捨ておむつ1を積み重ねておむつ束とした状態でも、股部に形成された第1の折り目11に表示された仕様情報(図3では第1情報21)を、おむつ束の側方から視認することができる。
【0038】
使い捨ておむつ1の仕様情報は、図1に示したようなパンツ型使い捨ておむつを折り畳むことにより形成される折り目に表示されてもよい。これについて、図4を用いて説明する。
【0039】
図4では、図2のZ−Z線で折り返された折り目12(以下、「第2の折り目」と称する場合がある)の外側に、使い捨ておむつの吸収容量の区分を表す第3情報22が表示されている。図4では、第3情報22として、滴形状の記号と数字とが表示されている。図4では、4回分の排尿の吸収容量を有するおむつとして、滴形状の記号が4つ並んで表示されるとともに、「4」との数字が表示されている。第2の折り目12は、第1の折り目11と平行に設けられることが好ましく、それにより使い捨ておむつ1をコンパクトに平面視四角形に折り畳むことが容易になる。この場合、第2の折り目12は、前側部および後側部に前記第1の折り目11と平行に形成され、第2の折り目12の外側に使い捨ておむつの仕様情報が表示されることとなる。
【0040】
図1、図3および図4では、使い捨ておむつの仕様情報は所定の折り目の外側のみに設けられていたが、使い捨ておむつは、前記折り目を挟んで一方面と他方面とが形成され、仕様情報は、前記折り目から一方面および/または他方面にかけて表示されてもよい。これについて、図5〜図7を用いて説明する。
【0041】
図5では、股部に形成された第1の折り目11に、第1情報21として「M」の文字が表示されるとともに、第1の折り目11を挟む一方面にも第1情報21の「M」の文字が表示されている。なお、図5では、折り目を挟んで形成される一方面と他方面とは、使い捨ておむつの前側部3と後側部4とに相当する。
【0042】
図1、図3〜図5では、第1情報21および第3情報22は、文字、数字または記号で表示されていたが、これらの文字、数字および記号は、後述するように特定の色で表示される。また、第1情報21および第3情報22は、図6および図7に示されるように、図形または図柄で示されてもよい。
【0043】
図6では、第1の折り目11の外側、第1の折り目11を挟んだ一方面と他方面、第2の折り目12の外側、および第2の折り目12を挟んだ一方面と他方面とに、3本の直線が平行に延びている。なお、図6では、第1の折り目11を挟んだ一方面と、第2の折り目12を挟んだ一方面とは、共通する。3本の直線のうち、中央の直線は第1情報21を表し、その両側の直線は第3情報22を表す。
【0044】
図7では、第2の折り目12の外側に第1情報21として「M」の文字が表示されるとともに、第3情報22として第1情報21を囲んで四角形が表示されている。第3情報22の四角形は、第2の折り目12から、第2の折り目12を挟んだ一方面と他方面とにかけて表示されている。
【0045】
図6および図7において、第1情報と第3情報は各々特定の色で表示される。また、第1情報と第3情報とは、異なる色で表示されることが好ましい。
【0046】
第1情報および第3情報を使い捨ておむつに設ける方法は特に限定されないが、第1情報および第3情報はインクジェット方式により使い捨ておむつに印刷されていることが好ましい。インクジェット方式で印刷すれば、第1情報および第3情報が複雑あるいは細かい形状や色彩であっても、これらの情報を良好に使い捨ておむつに付すことが容易になる。
【0047】
第1情報および/または第3情報が表示される折り目は、使い捨ておむつが吸収性コアとともに折り返されて形成される折り目であることが好ましい。すなわち、第1情報および/または第3情報は、使い捨ておむつの外面の吸収性コア存在領域に表示されることが好ましい。使い捨ておむつの吸収性コア存在領域は高い剛性を有し、使い捨ておむつに設けられる弾性部材の影響により、歪みが生じにくい。従って、第1情報および/または第3情報が吸収性コア存在領域に表示されていれば、これらの情報を表す文字や記号等が歪んで表示されにくくなり、確認が容易になる。
【0048】
使い捨ておむつは、複数積み重ねられて、おむつ束を形成する。この際、使い捨ておむつは、使い捨ておむつの一方面と、隣接する使い捨ておむつの他方面とが重なるように、積み重ねられる。その結果、おむつ束は、使い捨ておむつの一方面と他方面とが外側に面する両端面と、当該両端面の間に使い捨ておむつの折り目や端縁が外側に面する側面とを有することとなる。なお、一方面および他方面とは、前記説明したように、第1情報および/または第3情報が表示された折り目を挟んで形成される面を意味する。さらに、全ての使い捨ておむつは、第1情報および/または第3情報が表示された折り目が同じ方向を向くように、複数積み重ねられる。その結果、使い捨ておむつは積み重ねられた状態で、おむつ束を側面から見て、各使い捨ておむつの仕様情報を確認することができるようになる。
【0049】
さらに、第1情報および/または第3情報が、折り目から、当該折り目を挟んだ一方面および/または他方面にかけて表示されていれば、おむつ束を端面から見た場合でも、おむつの仕様情報を確認することができる。
【0050】
図8および図9に、使い捨ておむつを複数積み重ねたおむつ束の例を示す。図8には、図3で示したような平面視四角形に折り畳まれた使い捨ておむつ1を複数積み重ねた例を示し、図9には、図4で示したような平面視四角形に折り畳まれた使い捨ておむつ1を複数積み重ねた例を示す。なお、図8および図9では、第1情報21および第3情報22を、便宜上「X」で表している。
【0051】
図8では、使い捨ておむつ1は、第1の折り目11に使い捨ておむつの第1情報21および/または第3情報22が表示され、第1の折り目11が同じ方向を向くように複数の使い捨ておむつ1が積み重ねられておむつ束31を形成している。従って、使い捨ておむつ1は積み重ねられた状態で、各使い捨ておむつ1の第1の折り目11に表示された第1情報21および/または第3情報22を視認することができるようになる。
【0052】
図9では、使い捨ておむつ1は、第2の折り目12に使い捨ておむつの第1情報21および/または第3情報22が表示され、第2の折り目12が同じ方向を向くように複数の使い捨ておむつ1が積み重ねられておむつ束31を形成している。従って、使い捨ておむつ1は積み重ねられた状態で、各使い捨ておむつ1の第2の折り目12に表示された第1情報21および/または第3情報22を視認することができるようになる。
【0053】
積み重ねられた複数の使い捨ておむつは容器内に収容され、おむつ包装体を形成する。前記容器は、使い捨ておむつを収容できるものであれば特に限定されず、例えば、プラスチックフィルム製の袋、紙製の袋、プラスチック製の硬質容器、段ボール等が挙げられる。
【0054】
容器は、開封可能部を有する。本発明のおむつ包装体は、容器の開封可能部を開けることで、容器内に収容された使い捨ておむつを取り出すことができる。開封可能部としては、例えば、ミシン目、蓋、容器の開口を塞ぐ粘着テープ等が挙げられる。
【0055】
容器の開封可能部は、積み重ねられた使い捨ておむつの仕様情報が表示された折り目が向いている側に形成される。すなわち、本発明においては、使い捨ておむつが積み重ねられたおむつ束の少なくとも一側面に第1情報および/または第3情報が表示されるが、容器の開封可能部は、おむつ束の前記一側面が面する側に形成される。従って、容器の開封可能部を開けると、容器内に収容された使い捨ておむつの第1情報および/または第3情報を、すぐに視認することができる。
【0056】
さらに、容器の開封可能部が、使い捨ておむつの折り目を挟んだ一方面または他方面が向いている側にも形成され、使い捨ておむつも、第1情報および/または第3情報が折り目を挟んで一方面および/または他方面にかけて表示されていれば、容器の開封可能部を開けた際、容器内に収容された使い捨ておむつの第1情報および/または第3情報をさらに容易に確認できるようになる。
【0057】
容器には、内部に収容する使い捨ておむつのサイズを表す第2情報、および/または、内部に収容する使い捨ておむつの吸収容量の区分を表す第4情報が表示される。第2情報としては、「S」、「M」、「L」等の使い捨ておむつのサイズを表す文字が表されたり、使い捨ておむつのサイズに応じた記号、図柄、または図形等が表されてもよい。第4情報としては、収容可能な排尿回数として「2回分」、「4回分」等の文字が表されたり、吸収容量の区分に応じた数字や記号、図柄、または図形等が表されてもよい。
【0058】
本発明のおむつ包装体は、第1実施態様として、使い捨ておむつの所定の折り目に表示された第1情報と、容器に表示された第2情報とが同じ色で表示される。使い捨ておむつのサイズを表す第1情報と第2情報は、サイズに応じて異なる色で表示されることが好ましい。
【0059】
本発明のおむつ包装体は、第2実施態様として、使い捨ておむつの所定の折り目に表示された第3情報と、容器に表示された第4情報とが同じ色で表示される。使い捨ておむつの吸収容量の区分を表す第3情報と第4情報は、吸収容量の区分に応じて異なる色で表示されることが好ましい。第3情報と第4情報は、吸収容量と関連して、吸収性コアの種別に応じて用いる色を変えてもよい。例えば、吸収性コアは、使用される吸収性材料の種類や配合割合等に応じて、同じ吸収容量でも吸収性コアの厚みが変化し得る。このような場合、吸収性コアの種別によっても、第3情報および第4情報の色を変えてもよい。
【0060】
図10および図11に、使い捨ておむつが容器に収容されたおむつ包装体の例を示す。図10および図11では、容器41に、使い捨ておむつ1の商品名のロゴとして「Diaper」との文字表示が付されるとともに、容器41内に収容された使い捨ておむつのサイズ表示や図柄等が付されている。また、容器41の上部に開封可能部42としてミシン目が形成されている。図10および図11では、ミシン目が、容器の上面からその隣接面にわたって形成されている。
【0061】
図10では、容器41に第2情報43として「M size」との文字が表示され、第4情報44として、「4」との数字とともに、滴形状の記号が4つ並んで表示されている。第2情報43の「M size」との文字は、容器41内に収容された使い捨ておむつ1の第1情報21と同じ色で表示され、第4情報44の「4」の数字と滴形状の記号は、容器41内に収容された使い捨ておむつ1の第3情報22と同じ色で表示される。
【0062】
図11では、容器41に第2情報43として「M size」との文字が表示され、第4情報44として、容器41の上半分に特定の色の図柄が付されている。第2情報43の「M size」との文字は、容器41内収容された使い捨ておむつ1の第1情報21と同じ色で表示され、第4情報44の図柄は、容器41内に収容された使い捨ておむつ1の第3情報22と同じ色で表示される。
【0063】
使い捨ておむつ1は、吸収容量の区分に応じて一連のシリーズが構成される場合がある。具体的には、大吸収容量のシリーズ、中吸収容量のシリーズ、小吸収容量の薄型のシリーズ等のシリーズが構成される。このような場合、図11に示すように第4情報44が図柄として表示されれば、容器41を見てどのシリーズの使い捨ておむつ1か容易に識別でき、便利である。さらに、第4情報44と同じ色の第3情報22が使い捨ておむつ1に表示されているため、使い捨ておむつ1からも自身のシリーズを容易に認識できる。
【0064】
図10および図11では、容器41に第2情報43と第4情報44の両方が表示されているが、このような場合でも、当該容器41に収容される使い捨ておむつ1には、必ずしも第1情報21と第3情報22の両方が表示されなくてもよい。使い捨ておむつ1には、第1情報21と第3情報22の少なくとも一方が表示されていればよい。逆に、使い捨ておむつ1に第1情報21と第3情報22の両方が表示されている場合も、当該使い捨ておむつ1を収容する容器41には、第2情報43と第4情報44の少なくとも一方が表示されていればよい。
【0065】
図12には、本発明のおむつ包装体51として、図11に示した容器41の開封可能部42を開封した図を示す。図12では、開封可能部42が容器41の上面に設けられ、使い捨ておむつ1の第1情報21および/または第3情報22が表示された折り目が上方を向くように、積み重ねられた使い捨ておむつ1が収容されている。すなわち、容器41は、積み重ねられた使い捨ておむつ1の第1情報21および/または第3情報22が表示された折り目が向いている上面に、開封可能部42が形成されている。なお、図12では、複数の使い捨ておむつ1が積み重ねられたおむつ束31が、上下に2段積まれ、容器41に収容されているが、容器41に収容されるおむつ束31は1つのみでも、2つ以上でもよい。
【0066】
本発明のおむつ包装体は、容器の開封可能部が、積み重ねられた使い捨ておむつの仕様情報が表示された折り目が向いている側に形成され、さらに第1情報と第2情報とが同じ色で表示され、または第3情報と第4情報とが同じ色で表示されているため、容器の開封可能部を開けると、容器内に収容された各使い捨ておむつが容器に表示された仕様のおむつであることを一目で確認することができる。また、容器から使い捨ておむつを取り出した後でも、当該使い捨ておむつの仕様を容易に判断することができる。従って、着用者や介護者が、種類を間違うことなく使い捨ておむつを選ぶことができる。特に、様々な種類の使い捨ておむつを常備する病院や施設等では、一目で使い捨ておむつ自身の仕様や容器に収容された使い捨ておむつの仕様を確認でき、便利である。
【0067】
また、前記説明したように、使い捨ておむつは吸収容量の区分に応じて一連のシリーズが構成される場合があるが、一般の使い捨ておむつは容器からそのシリーズを容易に認識できたとしても、一旦容器から使い捨ておむつを取り出してしまえば、その使い捨ておむつがどのシリーズのものであるか識別することが難しい。しかし、本発明のように、使い捨ておむつに第3情報が表示されていれば、容器から取り出した状態でも、使い捨ておむつがどのシリーズのものであるか、容易に識別できる。
【0068】
老人ホーム等の介護施設においては、特に、本発明のおむつ包装体が好適に用いられる。老人ホーム等の介護施設では、細かい文字や記号を識別することが困難な老人が使い捨ておむつを使用するため、使い捨ておむつや容器に文字や記号の情報のみが付されている場合は、そのような老人が自分の使用する使い捨ておむつの仕様を認識することは困難となりがちである。しかし、使い捨ておむつの仕様が色情報で表示される本発明においては、自分の使用する使い捨ておむつの仕様を容易に認識することができる。さらには、使い捨ておむつの第1情報および/または第3情報と、容器の第2情報および/または第4情報とを対比して、自分の使用する使い捨ておむつを老人自らが選ぶことも容易になる。介護者にとっても、使い捨ておむつの着用者が適切な仕様の使い捨ておむつを着用しているか一目で分かるため、便利である。従って、本発明は特に、大人用の使い捨ておむつに好適に使用できる。
【符号の説明】
【0069】
1: 使い捨ておむつ
2: 股部
3: 前側部
4: 後側部
5: 吸収性コア
11: 第1の折り目
12: 第2の折り目
21: 第1情報
22: 第3情報
41: 容器
42: 開封可能部
43: 第2情報
44: 第4情報
51: おむつ包装体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の使い捨ておむつが容器内に収容されたおむつ包装体であって;
前記各使い捨ておむつは所定の折り目で折り返され、前記折り目の外側には、前記使い捨ておむつのサイズを表す第1情報が表示され;
前記使い捨ておむつは、全ての使い捨ておむつの前記折り目が同じ方向を向くように、複数積み重ねられ;
前記容器は、積み重ねられた使い捨ておむつの前記折り目が向いている側に形成された開封可能部を有し;
前記容器には、前記使い捨ておむつのサイズを表す第2情報が表示され;
前記第1情報と前記第2情報は同じ色で表示されているおむつ包装体。
【請求項2】
複数の使い捨ておむつが容器内に収容されたおむつ包装体であって;
前記各使い捨ておむつは所定の折り目で折り返され、前記折り目の外側には、前記使い捨ておむつの吸収容量の区分を表す第3情報が表示され;
前記使い捨ておむつは、全ての使い捨ておむつの前記折り目が同じ方向を向くように、複数積み重ねられ;
前記容器は、積み重ねられた使い捨ておむつの前記折り目が向いている側に形成された開封可能部を有し;
前記容器には、前記使い捨ておむつの吸収容量の区分を表す第4情報が表示され;
前記第3情報と前記第4情報は同じ色で表示されているおむつ包装体。
【請求項3】
前記使い捨ておむつは、前記折り目を挟んで一方面と他方面とが形成され、
前記第1情報または第3情報は、前記折り目から前記一方面および/または前記他方面にかけて表示されている請求項1または2に記載のおむつ包装体。
【請求項4】
前記使い捨ておむつは吸収性コアを有し、使い捨ておむつは、前記折り目で吸収性コアとともに折り返されている請求項1〜3のいずれか一項に記載のおむつ包装体。
【請求項5】
前記使い捨ておむつはパンツ形状に形成され、股部で繋がった前側部と後側部とを有し;
使い捨ておむつは、股部で折り返されて第1の折り目が形成されるとともに、前側部および後側部で第1の折り目と平行に折り返されて第2の折り目が形成され;
第1の折り目および第2の折り目の少なくとも一方の外側に、前記第1情報または第3情報が表示されている請求項1〜4のいずれか一項に記載のおむつ包装体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−111165(P2011−111165A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−266376(P2009−266376)
【出願日】平成21年11月24日(2009.11.24)
【出願人】(000110044)株式会社リブドゥコーポレーション (390)
【Fターム(参考)】