説明

くじデータ生成装置及びくじデータ生成方法ならびにそのプログラム

【課題】1つの証票に複数のゲームが印刷される宝くじ券において、当せんとなる証票を増やすことのできるくじデータ生成装置を提供する。
【解決手段】複数n個のゲームが印刷される宝くじ券の一枚ごとに割り当てられる整理番号のそれぞれに、n個のゲームのうち最初のs個(s<n)のゲームについての当せん等級を割り当て、最初のs個のゲームについての当せん等級を決定した後に、最初のs個のゲームのいずれについても当せん等級が割り当てられていない整理番号に、s個の各ゲーム以外の残りのt個(1≦t≦n−s)の各ゲームについての当せん等級を割り当てる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数n個のゲームが印刷される宝くじ券のくじデータを生成するくじデータ生成装置及びくじデータ生成方法ならびにそのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、1つの証票に複数のゲームが印刷される宝くじ券が販売されている。図7は1つの証票に複数のゲームが印刷される宝くじ券のイメージ図である。そしてこのような宝くじ券についてのくじデータの作成装置が特許文献1に開示されている。
【特許文献1】特許第3568926号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上記特許文献1の技術においては、1つの証票に印刷されている複数の各ゲームの当せん等級の組合せを予め決めているので、当せん等級の組合せの数が少ない。また、上述のような1つの証票に複数のゲームが印刷される宝くじ券においては、なるべく当せんとなる宝くじ券の証票を増やすことで、ユーザの娯楽性を高めることが必要となる。
【0004】
そこでこの発明は、1つの証票に複数のゲームが印刷される宝くじ券において、当せん等級の組み合わせを増やし、また当せんとなる証票を増やすことのできるくじデータ生成装置及びくじデータ生成方法ならびにそのプログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明は、複数n個のゲームが印刷される宝くじ券のくじデータを生成するくじデータ生成装置であって、前記宝くじ券の一枚ごとに割り当てられる整理番号のそれぞれに、前記n個のゲームのうち最初のs個(s<n)のゲームについての当せん等級を割り当てる第1当せん等級割当手段と、前記最初のs個のゲームについての当せん等級を決定した後に、前記最初のs個のゲームのいずれについても当せん等級が割り当てられていない整理番号に、前記s個の各ゲーム以外の残りのt個(1≦t≦n−s)の各ゲームについての当せん等級を割り当てる第2当せん等級割当手段と、を備えることを特徴とするくじデータ生成装置である。
【0006】
また本発明は、上述のくじデータ生成装置において、前記s個のゲームはn−1個のゲームであり、前記第2当せん等級割当手段は、前記最初のn−1個のゲームのいずれについても当せん等級が割り当てられていない整理番号に、残りの最後の一つのゲームについての当せん等級を割り当てることを特徴とする。
【0007】
また本発明は、上述のくじデータ生成装置において、前記第1当せん等級割当手段、前記第2当せん等級割当手段は、前記宝くじ券の整理番号の総数と、前記複数n個のゲームそれぞれについて決定されている複数の異なる当せん等級ごとの発生確率とに基づいて、前記各ゲームについての当せん等級を割り当てることを特徴とする。
【0008】
また本発明は、上述のくじデータ生成装置において、くじデータの確認処理を行うことを特徴とする。
【0009】
また本発明は、複数n個のゲームが印刷される宝くじ券のくじデータを生成するくじデータ生成装置のくじデータ生成方法であって、前記宝くじ券の一枚ごとに割り当てられる整理番号のそれぞれに、前記n個のゲームのうち最初のs個(s<n)のゲームについての当せん等級を割り当て、前記最初のs個のゲームについての当せん等級を決定した後に、前記最初のs個のゲームのいずれについても当せん等級が割り当てられていない整理番号に、前記s個の各ゲーム以外の残りのt個(1≦t≦n−s)の各ゲームについての当せん等級を割り当てることを特徴とするくじデータ生成方法である。
【0010】
また本発明は、複数n個のゲームが印刷される宝くじ券のくじデータを生成するくじデータ生成装置のコンピュータを、前記宝くじ券の一枚ごとに割り当てられる整理番号のそれぞれに、前記n個のゲームのうち最初のs個(s<n)のゲームについての当せん等級を割り当てる第1当せん等級割当手段、前記最初のs個のゲームについての当せん等級を決定した後に、前記最初のs個のゲームのいずれについても当せん等級が割り当てられていない整理番号に、前記s個の各ゲーム以外の残りのt個(1≦t≦n−s)の各ゲームについての当せん等級を割り当てる第2当せん等級割当手段、として機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、複数n個のゲームが印刷される宝くじ券のくじデータを生成する際に、最初のいくつかのゲームについての当せん等級が割り当てられていない整理番号について、残りのゲームの当せん等級を割り当てる処理を行っている。従って、ゲームごとの当せん本数が同じでも、当たりとなる証票を増やすことができる。つまり、なるべく多くの整理番号が、複数のゲームのうちどれかのゲームについて当せんとなる確率が高くなり、ユーザの娯楽性が増し、宝くじ券の証票の売り上げ向上を期待することができる。またランダムに複数のゲームに対する当せん等級を決定するので、証票に印刷される各ゲームの当せん等級の組合せを増やすことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態によるくじデータ生成装置を図面を参照して説明する。
図1は同実施形態によるくじデータ生成装置の構成を示すブロック図である。
この図において、符号1はくじデータ生成装置である。そしてくじデータ生成装置1は、利用者インタフェース部11、等級データ設定部12、等級データ格納部13、等級割当処理部14、ゲームパターンデータ設定部15、ゲームパターンデータ格納部16、ゲームパターン割当処理部17、判定子割当処理部18、印刷部19、の各処理部や格納部を備えている。
【0013】
ここで、利用者インタフェース部11は、くじデータ生成装置1を用いて宝くじ券の証票の作成を行うユーザからの指示入力を受け付ける。また等級データ設定部12は、予め定められている宝くじ券のくじデータの生成基準、例えば、宝くじ券の証票の発売枚数や、各ゲームにおける等級ごとの発生確率などからなる等級データを作成する処理を行う。また、等級データ格納部13は等級データ設定部12の作成した等級データを記憶するデータベースである。また等級割当処理部14は、等級データで示される各ゲームにおける等級ごとの発生確率などの情報に基づいて、証票の整理番号に複数の各ゲームそれぞれの当せん等級を割り当てる処理を行う。
【0014】
またゲームパターンデータ設定部15は、各ゲームの当せん等級ごとのゲームパターンを、ユーザからの指示に基づいて作成する処理を行う。なおゲームパターンとは、券面の図柄や番号などであり、本実施形態においては、当せん等級を特定するための番号であるとする。また、ゲームパターンデータ格納部16は、ゲームパターンデータ設定部15が作成したゲームパターンデータを記憶するデータベースである。またゲームパターン割当処理部17は、宝くじ券の証票の整理番号ごとに、その整理番号の各ゲームの当せん等級に対応する各ゲームパターンを割り当てる処理を行う。また判定子割当処理部18は、宝くじ券の証票の整理番号ごとに判定子を割り当てる処理を行う。なお、判定子は、当せんか否かの当せん判定を行う識別子である。
【0015】
そして、本実施形態によるくじデータ生成装置は、複数n個のゲームが印刷される宝くじ券のくじデータを生成する処理を行うものであって、宝くじ券の一枚ごとに割り当てられる整理番号のそれぞれに、n(正の整数)個のゲームのうち最初のs(正の整数)個のゲームについての当せん等級を割り当てる。そして、最初のs個(s<n)のゲームについての当せん等級を決定した後に、最初のs個のゲームのいずれについても当せん等級が割り当てられていない整理番号に、s個の各ゲーム以外の残りのt個(1≦t≦n−s)の各ゲームについての当せん等級を割り当てる処理を行う。
【0016】
図2は等級データを示す図である。
この図が示すように等級データは、異なるゲームごとの、当せん等級とその発生確率と賞金金額とが対応付けられた情報である。また等級データには、この他の情報として、宝くじ券の証票の発売枚数がある。当せん等級の発生確率は、発売枚数に対する発生確率である。また発売枚数分の整理番号が宝くじ券の証票に割り当てられることとなる。
【0017】
図3はゲームパターンデータを示す図である。
この図が示すようにゲームパターンデータは、異なるゲームごとの当せん等級と、その当せん等級についてのゲームパターン(例えば、複数桁の数字)を対応付けた情報である。
【0018】
図4は本実施形態のくじデータ生成装置の処理フローを示す図である。
次に、図4を用いて本実施形態のくじデータ生成装置の処理の詳細について説明する。
まず、等級データ設定部12は、利用者インタフェース部11より、宝くじ券の証票の発売枚数と、異なるゲーム(ゲーム1〜ゲーム3)ごとの当せん等級とその発生確率と賞金金額の情報を受け付けて、それらの情報に基づいて図2のような等級データを作成し(ステップS101)、等級データ格納部13に登録する。また、ゲームパターンデータ設定部15が、利用者インタフェース部11より、異なるゲーム(ゲーム1〜ゲーム3)ごとの各等級についてのゲームパターンの情報を受け付けて、それらの情報に基づいて図3のようなゲームパターンデータを作成し(ステップS102)、ゲームパターンデータ格納部16に登録する。
【0019】
そして、等級割当処理部14は、ユーザからのくじデータ生成の指示を利用者インタフェース部11を介して受け付けると、整理番号それぞれに、複数のゲームの各等級を割り当てる処理を開始する(ステップS103)。ここで、まず等級割当処理部14は、1つの証票に印刷するn個のゲームのうち、単に発生確率に基づいてのみ当せん等級を割り当てるs個(s<n)のゲームの指定を受け付け(ステップS104)、また、そのs個のゲームについての当せん等級が割り当てられた後に、当せん等級が全く割り当てられていない整理番号についてのみ当せん等級を割り当てるt個(1≦t≦n−s)のゲームの指定を受け付ける(ステップS105)。
【0020】
本実施形態については、3個のゲームのうち、単に発生確率に基づいてのみ当せん等級を割り当てるs個のゲームとして、ゲーム1およびゲーム2の指定を受け付け、また、当せん等級が全く割り当てられていない整理番号についてのみ当せん等級を割り当てる残りのt=1つのゲームについてゲーム3の指定を受け付ける。また、等級割当処理部14は、当せん等級が全く割り当てられていない整理番号についてのみ当せん等級を割り当てるゲーム3において、どの当せん等級を、当せん等級が全く割り当てられていない整理番号に割り当てるのかの指定を受け付ける。本実施形態においてはこの当せん等級を、ゲーム3の等級=2等という指定を受け付けるものとする。
【0021】
そして、等級割当処理部14は、ゲーム1について、そのゲームの当せん等級ごとの発生確率を等級データから読み取り、発売枚数に発生確率を掛けた数の、当せん等級ごとの当せん本数分の整理番号に、ゲーム1の、各当せん等級を割り当てる(ステップS106)。また、等級割当処理部14は、同様に、ゲーム2について、そのゲームの当せん等級ごとの発生確率を等級データから読み取り、発売枚数に発生確率を掛けた数の、当せん等級ごとの当せん本数分の整理番号に、ゲーム2の、各当せん等級を割り当てる(ステップS107)。
【0022】
次に等級割当処理部14は、ゲーム3について、そのゲームの当せん等級ごとの発生確率を等級データから読み取る。そして、割当本数の多い順に(通常は末等から順に)、通常通り、当せん等級の発生確率に基づいて全ての整理番号の中から当せんとなる整理番号を決定する(ステップS108)。そして、ゲーム3の2等の割当処理に達したか否かおよび1等の割当処理を終了したか否かを判定し(ステップS109)、ゲーム3の2等の割当の処理の場合には、ゲーム1およびゲーム2のどの当せん等級も割り当てられていない整理番号に対して、ゲーム3の2等の発生確率に基づいて当該ゲーム3の2等が当せんとなる整理番号を決定する(ステップS110)。またゲーム3の1等の割当処理を終了した場合にはゲーム3の当せん等級の割当処理を終了する。またゲーム3の1等の割当処理が終了しておらず、かつゲーム3の2等の割当処理で無い場合には、ステップS108の処理に移行する。
【0023】
図5は、本実施形態の当せん等級の割り当て処理の概要を示す図である。
図5で示すように、ゲーム3の当せん等級の2等を割り当てる際には、ゲーム1とゲーム2のいずれについての当せん等級も割り当てられていない整理番号について、当該ゲーム3の当せん等級2等の発生確率に基づいて割り当てる処理を行っている。例えば、整理番号000000の証票はゲーム2の等級3が割り当てられているので、ゲーム3の当せん等級の2等は割り当てない。また整理番号000001の証票はゲーム1の等級1が割り当てられているので、ゲーム3の当せん等級の2等は割り当てない。また整理番号000005の証票はゲーム1の当せん等級もゲーム2の当せん等級も0であり、いずれのゲームも当せん等級が割り当てられていないので、この整理番号が発生確率に基づいて選択された場合には、ゲーム3の当せん等級2等を割り当てると決定する。
【0024】
そして、上述のような等級割当処理部14が、当せん等級の各整理番号への割り当てを行うと、次に、ゲームパターン割当処理部17が、各整理番号のゲームごとの当せん等級に基づいて、ゲームパターンデータ格納部16に格納されているゲームパターンのうち、どのゲームパターンを割り当てるかを決定し、各整理番号にゲームパターンを割り当てる(ステップS111)。以上の処理により、整理番号それぞれについて、複数の異なるゲームごとの当せん等級とゲームパターンが決定される。次に判定子割当処理部18が、整理番号それぞれについての判定子を生成して、各整理番号に割り当てる(ステップS112)。この判定子はゲーム1、ゲーム2、ゲーム3の当せん等級を順に連ねた3桁の数字の列である。従って例えば100であれば、ゲーム1が1等、残りの2つのゲームが0等であると分かる識別子になる。以上の処理によりくじデータの生成処理が終了する。
【0025】
図6は生成完了後のくじデータの例を示す図である。
この図が示すように、生成完了後のくじデータには、整理番号ごとの、ゲーム1〜ゲーム3の当せん等級とそのゲームパターンと、判定子が対応付けられる。このくじデータは一時的にメモリやデータベースに登録されるようにしてもよい。そして、このくじデータに基づいて、印刷部19が証票に整理番号と、ゲーム1〜ゲーム3の当せん等級に対応するゲームパターンと、判定子とを印刷する。
【0026】
以上の処理により、複数n個のゲームが印刷される宝くじ券のくじデータを生成する際に、最初のいくつかのゲームについての当せん等級が割り当てられていない整理番号について、残りのゲームの当せん等級を割り当てる処理を行っている。従って、ゲームごとの当せん本数が同じでも、あたりとなる証票を増やすことができる。つまり、なるべく多くの整理番号が、複数のゲームのうちどれかのゲームについて当せんとなる確率が高くなり、ユーザの娯楽性が増し、宝くじ券の証票の売り上げ向上を期待することができる。
【0027】
なお、上述の処理においては、当せん等級が全く割り当てられていない整理番号についてのみ当せん等級を割り当てる残りの1つのゲームについてゲーム3の指定を受け付け、そのゲーム3の当せん等級のうち、2等だけを、当せん等級が全く割り当てられていない整理番号に、発生確率に基づく等級の割り当て処理を行っている。しかしながら、このような実施形態のほかに、ゲーム3の当せん等級のうち、すべての当せん等級(たとえば、1等から4等までのすべての等級)について、他のゲーム1、ゲーム2で当せん等級が全く割り当てられていない整理番号に、発生確率に基づく等級の割り当て処理を行うようにしてもよい。
【0028】
また、上述の処理においては、3つのゲームのうち、ゲーム1とゲーム2については、通常通りの等級の割り当ての処理を行い、ゲーム3についてのみゲーム1もゲーム2も当せん等級が割り当てられていない整理番号に当せん等級を割り当てる処理を行った。しかしながら、この他、ゲーム1〜5の5つのゲームをひとつの証票に印刷される宝くじ券であるような場合に、ゲーム1〜ゲーム3については通常通りの発生確率に基づく等級の割当処理を行い、ゲーム4とゲーム5については、ゲーム1〜ゲーム3で当せん等級が割り当てられていない整理番号に当せん等級を割り当てるといった処理を行うようにしてもよい。
【0029】
つまり、最初の第1のステップで、宝くじ券の一枚ごとに割り当てられる整理番号のそれぞれに、n個のゲームのうち最初のs個(s<n)のゲームについての当せん等級を割り当てる処理を行い、最初のs個のゲームについての当せん等級を決定した後に、次の第2のステップとして、最初のs個のゲームのいずれについても当せん等級が割り当てられていない整理番号に、s個の各ゲーム以外の残りのt個(1≦t≦n−s)の各ゲームについての当せん等級を割り当てる処理を行うようなものであればどのような処理であってもよい。
【0030】
次に、くじデータの確認処理について説明する。
くじデータの確認処理は、当せん本数の確認、発生確率の確認、くじデータを割り当てる単位と総枚数との関係の確認、当せん本数と発生確率との関係の確認の4つの確認がある。くじデータ生成装置1はこれら4つの確認のうち、何れか1つまたは複数を行うようにしてもよい。
【0031】
(a)当せん本数の確認
上述のステップS110の処理においては、ゲーム3の2等となる本数全てについて、ゲーム1およびゲーム2のどの当せん等級も割り当てられていない整理番号に対して割り当てる処理について記載しているが、例えば、ゲーム3の2等の通常の発生確率に基づく当せん本数が1000本であったとした場合、そのうちの400本のみをゲーム1およびゲーム2のどの当せん等級も割り当てられていない整理番号に対して割り当て、残りの600本については、通常通りの発生確率で、当せんとなる整理番号を決定するようにしてもよい。この場合、ゲーム1およびゲーム2のどの当せん等級も割り当てられていない整理番号に対して当せん等級2等を割り当てた整理番号の本数と、通常通りの発生確率で当せん等級2等を割り当てた整理番号の本数との合計が、1000本となるか否かを確認する。
【0032】
(b)発生確率の確認
総当せん本数における割当単位の本数ごとの、最初のs個のゲームについて当せん等級が割り当てられていない整理番号に割り当てる等級の発生確率で得られる本数が、整数となるか否かを判定する。例えば、10万本の総枚数があり、1万本単位で前記発生確率100分の1による当せん等級の割り当てを行う場合、1万本単位内で割当を行う本数は100本であり、整数となるので確認を終了する。一方、10万本の総枚数があり、1万本単位で前記発生確率300分の1による当せん等級の割り当てを行う場合、1万本単位内で割当を行う本数は33.333・・本であり、整数とならないため、このような結果となった場合には、エラー表示を出力する等の対応を行う。なお、この確認については全ての等級について行うこととする。
【0033】
(c)割り当てる単位と総枚数との関係
この確認においては、宝くじの総数が、当せん等級の割当単位で割り切れるかどうかを確認する。例えば総枚数が10万本で、当せん等級の割当単位が1万本であれば、割り切れるので問題なく確認を終了する。割り切れないような場合にはエラーを出力する。
(d)当せん本数と発生確率との関係
この確認においては、「当せん本数=宝くじ総数×発生確率」となっているか否かを判定する。なお、この確認については全ての等級について行うこととする。
そして、上述の(a)〜(d)のいずれかまたは複数のくじデータの確認処理により、最終的に生成されたデータが問題ないか否かを判定するようにする。
【0034】
上述のくじデータ生成装置は内部に、コンピュータシステムを有している。そして、上述した各処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしても良い。
【0035】
なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)を備えたWWWシステムも含むものとする。
【0036】
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】くじデータ生成装置の構成を示すブロック図である。
【図2】等級データを示す図である。
【図3】ゲームパターンデータを示す図である。
【図4】本実施形態のくじデータ生成装置の処理フローを示す図である。
【図5】本実施形態の当せん等級の割り当て処理の概要を示す図である。
【図6】生成完了後のくじデータの例を示す図である。
【図7】1つの証票に複数のゲームが印刷される宝くじ券のイメージ図である。
【符号の説明】
【0038】
1・・・くじデータ生成装置、11・・・利用者インタフェース部、12・・・等級データ設定部、13・・・等級データ格納部、14・・・等級割当処理部、15・・・ゲームパターンデータ設定部、16・・・ゲームパターンデータ格納部、17・・・ゲームパターン割当処理部、18・・・判定子割当処理部、19・・・印刷部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数n個のゲームが印刷される宝くじ券のくじデータを生成するくじデータ生成装置であって、
前記宝くじ券の一枚ごとに割り当てられる整理番号のそれぞれに、前記n個のゲームのうち最初のs個(s<n)のゲームについての当せん等級を割り当てる第1当せん等級割当手段と、
前記最初のs個のゲームについての当せん等級を決定した後に、前記最初のs個のゲームのいずれについても当せん等級が割り当てられていない整理番号に、前記s個の各ゲーム以外の残りのt個(1≦t≦n−s)の各ゲームについての当せん等級を割り当てる第2当せん等級割当手段と、
を備えることを特徴とするくじデータ生成装置。
【請求項2】
前記s個のゲームはn−1個のゲームであり、
前記第2当せん等級割当手段は、前記最初のn−1個のゲームのいずれについても当せん等級が割り当てられていない整理番号に、残りの最後のt=1のゲームについての当せん等級を割り当てる
ことを特徴とする請求項1に記載のくじデータ生成装置。
【請求項3】
前記第1当せん等級割当手段、前記第2当せん等級割当手段は、前記宝くじ券の整理番号の総数と、前記複数n個のゲームそれぞれについて決定されている複数の異なる当せん等級ごとの発生確率とに基づいて、前記各ゲームについての当せん等級を割り当てる
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のくじデータ生成装置。
【請求項4】
くじデータの確認処理を行うことを特徴とする請求項1から請求項3に記載のくじデータ生成装置。
【請求項5】
複数n個のゲームが印刷される宝くじ券のくじデータを生成するくじデータ生成装置のくじデータ生成方法であって、
前記宝くじ券の一枚ごとに割り当てられる整理番号のそれぞれに、前記n個のゲームのうち最初のs個(s<n)のゲームについての当せん等級を割り当て、
前記最初のs個のゲームについての当せん等級を決定した後に、前記最初のs個のゲームのいずれについても当せん等級が割り当てられていない整理番号に、前記s個の各ゲーム以外の残りのt個(1≦t≦n−s)の各ゲームについての当せん等級を割り当てる
ことを特徴とするくじデータ生成方法。
【請求項6】
複数n個のゲームが印刷される宝くじ券のくじデータを生成するくじデータ生成装置のコンピュータを、
前記宝くじ券の一枚ごとに割り当てられる整理番号のそれぞれに、前記n個のゲームのうち最初のs個(s<n)のゲームについての当せん等級を割り当てる第1当せん等級割当手段、
前記最初のs個のゲームについての当せん等級を決定した後に、前記最初のs個のゲームのいずれについても当せん等級が割り当てられていない整理番号に、前記s個の各ゲーム以外の残りのt個(1≦t≦n−s)の各ゲームについての当せん等級を割り当てる第2当せん等級割当手段、
として機能させるためのプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2009−80526(P2009−80526A)
【公開日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−247241(P2007−247241)
【出願日】平成19年9月25日(2007.9.25)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【出願人】(592259978)株式会社みずほ銀行 (117)
【Fターム(参考)】