説明

こまを回す装置

【課題】従来、こまの心棒の上下に小車を設けたこまを回す装置は、廃棄物利用として有効なペットボトル等と組み合わせて工作出来るものがなかった。また、自由に造形した中空体と組み合わせて利用できるものがなかった。
【解決手段】適当な内部空間を有し周壁(1)を適当に開口した中空体(2)の開口部(3)に嵌合出来る形状をして、こまの入口(4)とこまの出口(5)を適宜設けた嵌合基台(6)を設け、嵌合基台の外側部にこまの発車台(7)とこまの回転台(8)を適宜設け、嵌合基台の内側部に横縦変換ガイドレール(19)を適宜設けたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、先に自分が発明した、こまの心棒の上下に小車を設けたこまを回す装置の改良に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、こまの心棒の上下に小車を設けたこまを回す装置は、こまが玩具の動物の体を通り抜けるものや、回転するこまの周囲に反射鏡を配して、こまの動きが万華鏡のように見えるものなどがあったが、遊戯具兼観賞用置物として目新しいより一層興味を引くものが求められていた。
【特許文献1】特開2003-265867号公報
【特許文献2】特開2004-209226号公報
【特許文献3】特開2003-019369号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
こまの心棒の上下に小車を設けたこまを回す装置は、廃棄物利用として有効な、ペットボトル等と組み合わせて工作出来るものがなかった。
【0004】
発車台で発車されたこまが、横縦変換ガイドレールを飛び出した後、こまの回転台の上の吊り磁性体の下で安定して回転する前に、こまの回転台の上をあちこち動き回り、転倒してしまうことが時々生じていた。
【0005】
吊り磁性体を吊るす紐や、吊り磁性体の高さを調節する高さ調節具を必要とするため、こまの回転装置全体を簡素化して形成することが困難であった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、適当な内部空間を有し周壁(1)を適当に開口した中空体(2)の開口部(3)に嵌合できる形状をして、こまの入口(4)とこまの出口(5)を適宜設けた嵌合基台(6)を設け、嵌合基台の外側部にこまの発車台(7)とこまの回転台(8)を適宜設け、嵌合基台の内側部に横縦変換ガイドレール(19)を適宜設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
こまの心棒の上下に小車を設けたこまを回す装置は、横向きにセットしたこまを、指一本で一気に押し出して、横向きのこまを縦向きにして回すという、興味ある遊戯具を提供するものであるが、本発明はそれに加えて、廃棄物利用として有効な、ペットボトル等を使用した工作をする楽しみを提供するものである。
【0008】
本発明のこまを回す装置は、ペットボトル等の中空体を、本発明のこまを回す装置の嵌合基台に合わせて開口し、こまを回す装置と組み合わせて使うという、工作教材として使用することが出来るものであるが、それとは別の用途として、本発明のこまを回す装置に嵌合出来るように、適当な内部空間を有し周壁を適当に開口した開口部を当初より設けた中空体を準備して、本発明のこまを回す装置と組み合わせて使用することも出来る。例えば、飲料商品のビンを模して作製した中空体に、当初から、こまを回す装置の嵌合基台に合わせて開口部を形成して仕上げ、本発明のこまを回す装置と組み合わせて使用し、広告宣伝用として利用出来る。また、適当な内部空間と開口部を当初より備えた中空体を自由に造形して準備し、本発明のこまを回す装置と嵌合させて使用し、アート的に楽しい遊戯具兼観賞用置物として利用することも出来る。
【0009】
こまの回転台の上の吊り磁性体の下で、安定して回転するこまに接触しない位置で、しかも、こまに近い適当な位置に透明の囲い板を設けたため、こまの出口を飛び出したこまが、こまの回転台のあちこち動き回ることなく、直ちに吊り磁性体の下で安定した回転状態になる。
【0010】
嵌合基台の上部に吊り棒を設け、吊り棒の外側端に吊り磁性体を設け、嵌合基台の上方内側部に上下動板を設け、中空体の蓋と、上下動板、吊り棒及び吊り磁性体等を連動可能な状態にしているため、中空体の蓋を左右に回して、吊り磁性体の高さを調節することが出来る。このため、別途に高さ調節具や、吊り紐などを設ける必要がない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明は以上のような課題を解決するため、適当な内部空間を有し周壁(1)を適当に開口した中空体(2)の開口部(3)に嵌合出来る形状をして、こまの入り口(4)とこまの出口(5)を適宜設けた嵌合基台(6)を設け、嵌合基台の外側部にこまの発車台(7)とこまの回転台(8)を適宜設け、嵌合基台の内側部に適宜横縦変換ガイドレール(19)を設ける。
【実施例1】
【0012】
図1〜図5に示すように、適当な内部空間を有するペットボトル等の、周壁(1)を適当に開口した中空体(2)の開口部(3)に嵌合出来る形状をして、こまの入口(4)とこまの出口(5)を適宜設けた嵌合基台(6)を、台座(9)の上に設け、嵌合基台の外側部にこまの発車台(7)とこまの回転台(8)を適宜設け、嵌合基台の内側部に横縦変換ガイドレール(19)を適宜設ける。図1は周壁(1)を適当に開口した中空体(2)を、嵌合基台(6)の上方から被せるようにしてこまを回す装置に嵌合させたものである。本発明は以上のような構成で、次に、これを実際に使用する方法を説明する。ペットボトル等の中空体を本発明のこまを回す装置に嵌合させるための工作を行うとき、こまを回す装置に添付する使用説明書の図面等に従って中空体を開口する。その後、開口した中空体やこまを回す装置に、絵の具などで自由に彩色すればよい。なお、このこまを回す装置自体を部品化して、組み立て式にすれば、より一層工作する楽しみを増大させることが出来る。
【0013】
本発明のこまを回す装置に使用する中空体は、図1〜図5に示すように、ペットボトル等を工作して開口し、こまを回す装置に嵌合させて使用するものであるが、このように、別に用意したペットボトル等の中空体を工作して、こまを回す装置と組み合わせて使用する使い方とは別の用途として、こまを回す装置の嵌合基台に嵌合出来る開口部を当初から備えた中空体を使用することも出来る。例えば、こまを回す装置とその嵌合基台に合わせて、適当な内部空間と開口部を当初より備えた中空体を自由に造形して準備し、本発明のこまを回す装置と嵌合させて使用し、アート的に楽しい遊戯具兼観賞用置物として利用することも出来る。
【実施例2】
【0014】
図1、図2、図4、図5に示すように、こまの回転台(8)の上の吊り磁性体(11)の下で、安定して回転するこま(20)に接触しない位置で、かつ回転するこまに近い適当な位置に、透明のU字形の囲い板(12)を設ける。こまの出口(5)を飛び出したこまが、こまの回転台(8)の上であちこち動き回ることなく、直ちに吊り磁性体(11)の下で、安定した回転状態になる。従来、こまの回転台の外周に設けていた、こまの飛び出し防止用の周壁も不要となった。また、囲い板(12)が透明材で出来ているので回転するこまがよく見える。
【実施例3】
【0015】
図1、図2、図4、図5に示すように、嵌合基台(6)の上部に、吊り棒支持穴(13)を介して吊り棒(17)を設け、吊り棒の外側端に吊り磁性体(11)を吊るして設け、嵌合基台の上方内側部に、上下動板(14)を上下動自在に支持する支持体(15)に支持させて設け、上下動板(14)の上部に蓋接触板(16)を設け、吊り棒(17)の内側端には上下動板(14)の下部を連結させる。ペットボトル等の中空体(2)の蓋(18)を左右に回すと、蓋の上下の動きが、蓋の内側の蓋接触板(16)から上下動板(14)に伝わり、吊り棒(17)を通して、吊り磁性体(11)の高さを上下動させる。蓋(18)を左右に回転させることにより、吊り磁性体の高さを調節することが出来るため、別途に高さ調節具や吊り紐を設ける必要がなく、こまを回す装置全体の形状を簡素化して形成することが出来るようになった。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明のこまを回す装置に中空体を嵌合させたものの斜視図
【図2】本発明のこまを回す装置の斜視図
【図3】本発明のこまを回す装置に嵌合させる中空体の斜視図
【図4】本発明のこまを回す装置の側面図
【図5】本発明のこまを回す装置の背面図
【符号の説明】
【0017】
1 周壁
2 中空体
3 開口部
4 こまの入口
5 こまの出口
6 嵌合基台
7 こまの発車台
8 こまの回転台
9 台座
11 吊り磁性体
12 囲い板
13 吊り棒支持穴
14 上下動板
15 支持体
16 蓋接触板
17 吊り棒
18 蓋
19 横縦変換ガイドレール
20 こま

【特許請求の範囲】
【請求項1】
適当な内部空間を有し周壁を適当に開口した中空体の開口部(3)に嵌合出来る形状をして、こまの入口とこまの出口を適宜設けた嵌合基台を設け、嵌合基台の外側部にこまの発車台とこまの回転台を適宜設け、嵌合基台の内側部に横縦変換ガイドレールを適宜設けたことを特徴とするこまを回す装置。
【請求項2】
こまの回転台の上の吊り磁性体の下で安定して回転するこまに接触しない位置で、かつ回転するこまに近い適当な位置に、こまの囲い板を適宜設けたことを特徴とする請求項1に記載のこまを回す装置。
【請求項3】
嵌合基台を介して、中空体の蓋の下部と吊り磁性体の上部の間に、連動具を設けたことを特徴とする請求項1及び請求項2に記載のこまを回す装置。
【請求項4】
嵌合基台と嵌合基台の内側構成部を収容可能な内部空間を有し、嵌合基台の嵌合部に嵌合可能なように、周壁を適当に開口したことを特徴とする請求項1〜3に記載のこまを回す装置に嵌合させる中空体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−111282(P2007−111282A)
【公開日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−306495(P2005−306495)
【出願日】平成17年10月21日(2005.10.21)
【出願人】(593057067)
【Fターム(参考)】