説明

ごみ圧縮装置

【課題】小さなスペースにも設置可能なごみ圧縮装置を提供すること。
【解決手段】下端部がヒンジ40によって回動自在に連結され、上側に向かって開閉可能に配設された一対のごみ圧縮部材10と、一対のごみ圧縮部材10を開閉させる開閉機構20と、を備えている。開閉機構20は、ヒンジ軸41方向に平行に配置された一対の支軸24と、基端部が各支軸24上に固設され、先端部がごみ圧縮部材10の中間部に軸着されたアーム部材25と、一対のアーム部材25を同期させながら相反する方向に回転させる相反回転機構と、を有する。この相反回転機構は、回転自在に支持された入力軸22と、この入力軸22上に間隔をおいて固設された一対のウォーム231と、支軸24上に固設されて、ウォーム231に噛合ったウォームホイール232と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ごみを詰め込んで嵩張ったごみ袋を圧縮するためのごみ圧縮装置に関する。
【背景技術】
【0002】
家庭内で生じるごみを詰め込んだごみ袋は、所定のごみ収集場所に集められ、定期的に巡回する自治体等のごみ収集車でごみ処理施設に搬送される。大規模なマンション等の集合住宅では、所定のごみ収集場所にごみ収集容器(バッカン等)が設置されている場合がある。築年数が長い集合住宅等では、集合住宅の完成当初よりもごみ排出量が増加したことで、排出されたごみ袋がごみ収集容器に収まり切れないという問題を抱えるところもある。その他、ごみの量(ごみの嵩)を減らしたいという一般的なニーズもある。
【0003】
このような問題は、ごみで嵩張ったごみ袋を圧縮すれば解決する。嵩張ったごみ袋を圧縮する装置については、従来より種々のものが提案されている。
【0004】
例えば特許文献1,2には、シリンダ内にごみ袋を入れて、ピストンで当該筒状容器内のごみ袋を圧縮する装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−219299号公報
【特許文献2】特開平7−195198号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1、2に開示されている装置のように、直動型のものは、大きな設置スペースを必要とするため、ごみ収集場所に設置すると、ごみ収集場所が狭くなってしまう。その結果、ごみ袋を圧縮して嵩を減らすことができても、装置の設置スペースを広く確保することが必要となり、ごみ収集場所やごみ収集容器の設置場所を十分に確保できなくなるおそれがある。
【0007】
本発明は、このような問題点に鑑みて創案されたものであり、小さなスペースにも設置可能なごみ圧縮装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明のごみ圧縮装置は、下端部がヒンジによって回動自在に連結され、上側に向かって開閉可能に配設された一対のごみ圧縮部材と、前記一対のごみ圧縮部材を開閉させる開閉機構と、を備えている。
【0009】
かかる構成を備えるごみ圧縮装置によれば、ごみ圧縮部材が上側に向かって開閉するだけで、投入されたごみ袋を圧縮することができるので、直動型のごみ圧縮装置と比較して装置の小型化を図りやすい。
【0010】
前記開閉機構は、例えば、前記ヒンジの軸方向に平行に配置された一対の支軸と、基端部が前記各支軸上に設けられ、先端部が前記ごみ圧縮部材の中間部に軸着されたアーム部材と、前記一対のアーム部材を同期させながら相反する方向に回転させる相反回転機構と、を有するものとすることができる。以下、この開閉機構を備えるごみ圧縮装置を「第1のごみ圧縮装置」という。
【0011】
かかる構成を備えるごみ圧縮装置によれば、V字に開閉するごみ圧縮部材の背後に支軸およびアーム部材が配置されるので、開閉機構を含めた装置全体の小型化が図られる。
【0012】
或いは、前記開閉機構は、前記ヒンジの軸方向に平行に配置された一対の支軸と、基端部が前記各支軸上に設けられ、先端部に転動体が軸着されたアーム部材と、前記転動体が転動するように、前記ごみ圧縮部材の裏面に縦に配設されたガイドレールと、前記一対のアーム部材を同期させながら相反する方向に回転させる相反回転機構と、を有するものとすることもできる。以下、この開閉機構を備えるごみ圧縮装置を「第2のごみ圧縮装置」という。
【0013】
かかる構成を備えるごみ圧縮装置においても、V字に開閉するごみ圧縮部材の背後に支軸およびアーム部材が配置されるので、開閉機構を含めた装置全体の小型化が図られる。
【0014】
前記相反回転機構は、例えば、回転自在に支持された入力軸と、前記入力軸上に間隔をおいて固設された一対のウォームと、前記支軸上に固設されて、前記ウォームに噛合ったウォームホイールと、を有するものとすることができる。
【0015】
前記開閉機構は、前記入力軸の一端部に固設された回転ハンドルを有するものとすることが望ましい。
【0016】
かかる構成を備えるごみ圧縮装置によれば、回転ハンドルを手操作にて廻すだけで、ごみ圧縮部材を開閉させることができ、別途動力源を必要としないので、装置全体の小型化が図られる。
【0017】
既述の第1又は第2のごみ圧縮装置において、前記入力軸および前記支軸を、軸受を介して支持する架台をさらに備えるものとすることが望ましい。
【0018】
前記架台は、前記ごみ圧縮部材の最大開度を規定する最大開度規定部材を有するものとすることが望ましい。
【0019】
かかる構成を備えるごみ圧縮装置によれば、適度にごみ圧縮部材の最大開度を規定することができるので、装置の全幅寸法(ごみ圧縮部材が開閉する方向の寸法)の小型化が図られる。
【0020】
前記架台は、前記ごみ圧縮部材の最小開度を規定する最小開度規定部材を有するものとすることが望ましい。
【0021】
かかる構成を備えるごみ圧縮装置によれば、適度にごみ圧縮部材の最少開度を規定することができるので、過度なごみ袋の圧縮を防止することができる。
【0022】
第1のごみ圧縮装置における前記開閉機構は、前記一対のごみ圧縮部材の連結部を昇降させるように、前記一対のごみ圧縮部材を開閉させるものであり、前記最小開度規定部材は、前記一対のごみ圧縮部材の閉動作に伴って下降するごみ圧縮部材の連結部近傍に所定高さで当接するように設けられたものとすることが望ましい。
【0023】
既述の第1又は第2のごみ圧縮装置において、ごみ圧縮部材の連結部近傍に、前記ごみ押圧部材に沿って流下する液体を受ける樋を備えるものとすることが望ましい。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、ごみ圧縮装置の小型化が容易になり、小さなスペースにもごみ圧縮装置を設置し易くなる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るごみ圧縮装置を示す正面図であって、ごみ圧縮部材が全開状態にあるものを示す図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係るごみ圧縮装置を示す正面図であって、ごみ圧縮部材が全閉状態にあるものを示す図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係るごみ圧縮装置を示す平面図であって、ごみ圧縮部材が全閉状態にあるものを示す図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係るごみ圧縮部材等を示す斜視図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係るごみ圧縮装置を示す正面図であって、ごみ袋を圧縮する直前の状態を示す図である。
【図6】本発明の第1の実施形態に係るごみ圧縮装置を示す正面図であって、提手の付いたごみ袋を圧縮する直前の状態を示す図である。
【図7】本発明の第1の実施形態に係るごみ圧縮装置を示す正面図であって、ごみ袋を圧縮した状態を示す図である。
【図8】本発明の第1の実施形態に係るごみ圧縮装置を示す正面図であって、ごみ袋を圧縮した後、ごみ圧縮部材を大きく開いた状態を示す図である。
【図9】本発明の第2の実施形態に係るごみ圧縮装置を示す正面図であって、ごみ圧縮部材が全開状態にあるものを示す図である。
【図10】本発明の第2の実施形態に係るごみ圧縮装置を示す正面図であって、ごみ圧縮部材が全閉状態にあるものを示す図である。
【図11】本発明の第2の実施形態に係るごみ圧縮部材等を示す斜視図である。
【図12】図11のD−D断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
<第1実施形態>
以下、本発明の第1の実施の形態に係るごみ圧縮装置について、図面を参照しながら説明する。図1〜図3に示すように、ごみ圧縮装置100は、一対のごみ圧縮部材10、一対のごみ圧縮部材10を開閉させるための開閉機構20、架台30などを備えている。
【0027】
一対のごみ圧縮部材10は、下端部がヒンジ40によって互いに連結され、上側に向かって開閉可能に配設されている。ごみ圧縮部材10は、例えば図4に示すように、矩形状の薄板11と、その薄板11の背面に上下に向けて配設された補強用リブ14とで主に構成されている。薄板11はその上辺がごみ圧縮側と反対側に直角に折り曲げられ、薄板11の下辺はごみ圧縮側と反対側に45°に折り曲げられている。
【0028】
ごみ圧縮部材10を連結するヒンジ40は、一対のヒンジ軸41とこれらのヒンジ軸41の両端部をそれぞれ回転自在に連結する連結部材42とで主に構成されている。ヒンジ軸41は、ごみ圧縮部材10の下端部を貫通し(図4に示す例では、補強用リブ14の下端部を貫通している。)、当該貫通部に溶接にて固定されている。これにより、一対のごみ圧縮部材10は、ヒンジ40のヒンジ軸41を中心に回動して上方に向かって開閉可能となっている。
【0029】
ごみ圧縮部材10の上端部には、ごみ袋の一部を突き刺したり、ゴミ袋の提手を引っ掛けるための突起部15(図1〜図3参照)が設けられている。この突起部15は、ゴミ圧縮部材10の圧縮面10aよりも突出するように設けられる。図に例示する突起部15は、ごみ圧縮部材10の上端部に板幅方向に所定間隔をおいて設けられた雌ねじブロック16にボルトを軸着することにより設けられている。このボルト(突起部15)は、その先端が雌ねじブロック16を貫通して反対側から突き出るまでねじ込まれており、当該突き出た部分にナット17が螺着されている。このナット17は、締め付けることで、ボルト15の緩み止めとして機能する。ボルト(突起部15)の取付場所はユーザごとに自由に決めることができる。
【0030】
ごみ圧縮部材10を連結したヒンジ40の近傍には、ごみ圧縮部材10に沿って流下する液体を受けるように樋50が設けられている。この樋50は、ごみ圧縮部材10の下端部に既述の連結部材42を介して取付けられており、当該下端部とともに上下動するようになっている。樋50には、図4に示すように、断面コの字状の部材(例えば溝形鋼等)を用いることができ、その樋50の立ち上り部50aは、ヒンジ40の連結部材42の両端部にボルト51にて締結される。
【0031】
上記開閉機構20は、回転ハンドル21、入力軸22、ウォームギヤ23、支軸24、アーム部材25等で構成されている。
【0032】
回転ハンドル21は、手動により軸回転力を入力するためのものであり、例えば図示するような、朝顔型ハンドルを採用することができる。
【0033】
入力軸22は、軸受26を介して架台30に支持されている。この入力軸22上には、所定間隔をあけて2つのウォーム231が固設されており、入力軸22の一端部には上記回転ハンドル21が固設されている。以下、回転ハンドル21が設けられている入力軸22の一端側を「装置手前側」といい、入力軸22の他端側を「装置奥側」という。
【0034】
支軸24は、各ごみ圧縮部材10の裏面側にそれぞれ設置されており、軸受27を介して架台30に支持されている。支軸24は、ヒンジ軸41に平行に配設されており、各支軸24の一端部には、それぞれ前記ウォーム231に噛合ったウォームホイール232が固設されている。2ヵ所に設けられたウォームギヤ23は、互いに逆ねじの関係にあり、入力軸22とともに2つのウォーム231が正方向に回転すると、装置手前側のウォームホイール232Aおよび支軸24Aは、図1の矢印A方向へ回転し、装置奥側のウォームホイール232Bおよび支軸24Bは、矢印A方向と相反する矢印B方向へ回転する。すなわち、上記入力軸22、2ヵ所のウォームギヤ23および支軸24A,24Bは、一対のアーム部材25を同期させながら相反する方向に回転させる相反回転機構として機能する。
【0035】
アーム部材25は、その基端部が支軸24上に固定され、その先端部がごみ圧縮部材10の中間部に軸着されている。図示する例では、ごみ圧縮部材10の裏面に軸受12が固設されており、この軸受12にアーム部材25の先端部が軸着されている。アーム部材25の先端部とごみ圧縮部材10の中間部とを軸着する軸13は、図3に示すように、ヒンジ40のヒンジ軸41および支軸24と平行に配置されている。
【0036】
以上のように構成された開閉機構20は、回転ハンドル21から入力された正逆方向の軸回転力により、2つのアーム部材25を同期させながら相反する方向に回転させて、一対のごみ圧縮部材10を開閉させる。このとき、ごみ圧縮部材10の開閉動作に連動して、ごみ圧縮部材10の下端の連結部(ヒンジ40等)が昇降する。
【0037】
架台30は、既述したように、軸受26,27を介して支軸24、入力軸22を支持するほか、ごみ圧縮部材10の最大開度および最少開度を規定する開度規定部材を備えている。すなわち、架台30には、ごみ圧縮部材10の開度θが全開状態である所定最大開度(例えば45°)になったとき、そのごみ圧縮部材10の裏面に当接して、それ以上の開動作を制限する最大開度規定部材31が設けられている。図1に示す例では、最大開度規定部材31として架台30上に鋼管が溶接されている。
【0038】
また、架台30には、ごみ圧縮部材10の開度θが全閉状態である所定最少開度(例えば0°)になったとき、それ以上のごみ圧縮部材10の閉動作を制限する最少開度規定部材321が設けられている。この最少開度規定部材321は、例えば図1および図2に示すように、ごみ圧縮部材10の閉動作に伴って下降する樋50の底部に所定高さで当接するように設けられている。この最少開度規定部材321としては、例えば、架台30の脚部に溶接された雌ねじ板33(板材に雌ねじが形成されてなるもの)に螺着して上下方向に向いた六角穴付止めねじ321を採用することができる。図1および図2に示す例では、六角穴付止めねじ321は2ヵ所に設けられており、これらのねじ321は、六角穴が下方に向けられている。また、六角穴付止めねじ321には、緩み止め用のナット322が螺着されている。
【0039】
本実施形態では、ごみ圧縮部材10の開度を0°にしたとき、ごみ圧縮部材10同士の圧縮面10aは互いに平行になり、その隙間S(図2参照)が1cm程度になるようヒンジ軸41同士の離間距離が決められているが、この寸法は、ごみの圧縮状態に応じて更に大きく改良してもよく、逆に更に小さく改良してもよい。例えばごみ袋の圧縮度合いを緩めるには、上記寸法を更に大きくし、ごみ袋の圧縮度合いを強める場合は、上記寸法を更に小さくすればよい。
【0040】
以下、ごみ圧縮装置100を用いて嵩張ったごみ袋を圧縮する場合の手順について説明する。
【0041】
まず、回転ハンドル21を逆方向に廻してごみ圧縮部材10を全開状態又はこれに近い状態にし、図5又は図6に示すように、ごみ袋60をごみ圧縮部材10が形成する谷間に配置する。このとき、図5に示すように、ごみ袋60の一部を突起部15を突き刺して留め付けたり、図6に示すように、ごみ袋60の提手61を突起部15に掛けておくことで、後に、圧縮されたごみ袋60を容易に取り出すことができる。
【0042】
つぎに、回転ハンドル21を正方向に廻すと、回転ハンドル21とともに入力軸22および2つのウォーム231が正方向に回転し、各ウォーム231に噛合ったウォームホイール232、支軸24A,24Bおよびアーム部材25A,25Bが互いに相反する方向に回転する。すなわち、装置手前側に設けられたアーム部材25Aは矢印Aに示す方向に回転するのに対し、装置奥側に設けられたアーム部材25Bは、矢印Aと逆方向の矢印Bの方向に回転する。この結果、ごみ圧縮部材10の開度θは徐々に小さくなり、ごみ圧縮部材10の谷間に配置されたごみ袋60は次第に圧縮されて、その内部の嵩張ったごみが潰れながら、袋内の空気が排出される。
【0043】
ごみ袋60を圧縮するための操作は、ごみ圧縮部材10が全閉状態(図7参照)になるまで、あるいは、ごみ袋60が十分に圧縮されるまで行う。ところで、ごみ袋60が圧縮中に破れて内部に含まれる液体が外に漏出すると、その液体は、ごみ圧縮部材10の圧縮面10aを伝って流下し、樋50に流れ込む。樋50に流れ込んだ液体は、やがて樋50の両端から流れ落ちるが、予めその液体を受ける容器を用意して所定位置に配置しておけば、ごみ袋60から漏出した液体によってごみ圧縮装置100やその周辺が汚れることを防止することができる。
【0044】
ごみ袋60を十分に圧縮した後、図8に示すように、ごみ圧縮部材10が最大開度に戻るまで、或いは、ごみ袋60が取出し可能になるまで、回転ハンドル21を逆方向に廻す。そして、圧縮されたごみ袋60を取り出して、所定のごみ収集場所やゴミ収集容器(バッカン等)に移動する。このようにして圧縮されたごみ袋60は、圧縮前と比較して嵩が大幅に減少しているので、ごみ収集場所やごみ収集容器内のごみの嵩も大幅に減少し、排出されたごみ袋がごみ収集場所やごみ収集容器に収まり切れないという問題は解消する。
【0045】
また、ごみ圧縮部材10からごみ袋60を取り出す際には、ごみ袋60の突起部15より上部の圧縮されなかった部分や提手61を手でつまんで取り出すことができる。ごみ袋60の圧縮されなかった部分は、圧縮過程で漏出した液体等により汚れることがないため、手を汚さずに、圧縮したごみ袋60を取り出すことができる。
【0046】
以上に説明したごみ圧縮装置100によれば、ごみ袋を圧縮するためのごみ圧縮部材10が上側に向かって開閉するだけで、投入されたごみ袋を圧縮することができるため、従来例で説明したような直動型のごみ圧縮装置と比較して装置の小型化が図られる。その結果、比較的小さなスペースにもごみ圧縮装置を設置することができるようになる。
【0047】
<第2実施形態>
以下、第2の実施形態に係るごみ圧縮装置について説明する。第1の実施形態に係るごみ圧縮装置100においては、アーム部材25の先端部がごみ圧縮部材10の中間部に軸着されていたが、図9および図10に示すように、第2の実施形態に係るごみ圧縮装置100Aでは、アーム部材25A,25Bの先端部に転動体251を設けるとともに、ごみ圧縮部材10Aの裏面に上記転動体251が転動するガイドレール101を設けている。
【0048】
ガイドレール101は、例えば図11および図12に示すように、ごみ圧縮部材10Aを構成する薄板11の裏面に2本の断面L字状のリブ14Aを縦に配置して溶接し、このリブ14Aと薄板11の裏面とで上記ガイドレール101を形成したものとすることができる。また、ごみ圧縮装置100Aでは、ヒンジ40および樋50が架台30に対して固定され、上下動不能となっている。ヒンジ40および樋50が架台30に対して固定されることで、架台30については、第1の実施形態に係るごみ圧縮装置100のものよりも全高を低くすることが可能である。なお、上記に説明していないその他の構成については、第1の実施形態に係るごみ圧縮装置100のものと同様である。
【0049】
第2の実施形態に係るごみ圧縮装置100Aにおいては、回転ハンドル21を正方向に廻すと、第1の実施形態に係るごみ圧縮装置100と同様に、図9に示すように、装置手前側に設けられたアーム部材25Aは矢印Aに示す方向に回転し、装置奥側に設けられたアーム部材25Bは、矢印Aと逆方向の矢印Bの方向に回転する。しかしこのとき、アーム部材25の先端部に設けられた転動体251がガイドレール101に沿って斜め下方(又は下方)に転動するため、ごみ圧縮部材10Aはヒンジ軸41を中心に回動して閉動作を行う。一方、回転ハンドル21を逆方向に廻した場合は、転動体251はガイドレール101に沿って斜め上方(又は上方)に転動し、ごみ圧縮部材10Aは開動作を行う。
【0050】
第2の実施形態に係る圧縮装置100Aによれば、ごみ圧縮部材10Aの連結部は上下動しないものの、第1の実施形態に係る圧縮装置100と同様に、ごみ圧縮部材10Aが上側に向かって開閉するだけで、投入されたごみ袋を圧縮することができるため、従来例で説明したような直動型のごみ圧縮装置と比較して装置の小型化が図られる。その結果、比較的小さなスペースにもごみ圧縮装置を設置することができるようになる。
【0051】
既述の第1および第2の実施形態では、突起部としてボルト15が採用されているが、このボルト15に代えて先端が鋭利な軸材を採用してもよい。これにより、ごみ袋を突起部に突き刺して掛けることが容易になる。この場合、基端部に雄ねじを設けてボルト15の場合と同様に、雌ねじブロック16に螺着できるものとし、着脱可能なものとすることが望ましい。
【0052】
第1および第2の実施形態では、回転ハンドル21を入力軸22の一端に固設して人力にてごみ圧縮部材10,10Aを作動させているが、人力の代わりに電動モータ、油圧モータ等の動力を入力軸22に入力するように構成してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明は、ごみを詰め込んで嵩張ったごみ袋を圧縮するためのごみ圧縮装置に適用可能である。
【符号の説明】
【0054】
10,10A ごみ圧縮部材
20 開閉機構
21 回転ハンドル
22 入力軸
24 支軸
25,25A アーム部材
30 架台
31 最大開度規定部材
32 最少開度規定部材
40 ヒンジ
41 ヒンジ軸
50 樋
100,100A ごみ圧縮装置
231 ウォーム
232 ウォームホイール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下端部がヒンジによって回動自在に連結され、上側に向かって開閉可能に配設された一対のごみ圧縮部材と、
前記一対のごみ圧縮部材を開閉させる開閉機構と、
を備える、ごみ圧縮装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−39599(P2013−39599A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−178383(P2011−178383)
【出願日】平成23年8月17日(2011.8.17)
【出願人】(592020677)
【Fターム(参考)】