説明

ごみ容器投下装置

【課題】従来のごみ容器投下装置はごみ容器を設置する位置が制限され作業性が悪く、また個別の駆動動作ごとに複数のシリンダ(駆動装置)を使用しているのでメンテナンス性が悪い。
【解決手段】投入口10の近傍に配設されるとともにシュート3に交差しない軸心回りに回転する押込用回転部14と押込用回転部14を回転させる駆動装置17とを備えている。シュート3の内部へごみ容器2を押し込む押込部材12は、押込用回転部14に対して、その回転半径方向に延出するように掛止される延出部121と、延出部121の先端に連設されるごみ容器当接部122とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、階上からシュートを通して、ごみ容器に入った廃棄物を落下させ、階下にある収集排出場所まで輸送する中高層ビル施設に用いられるごみ容器投下装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ビル内に設けられてごみ容器を輸送するシュートと、シュートの周面に設けられた投入口と、投入口を開閉自在に覆うカバー部材と、投入口を介してシュートの外部から内部へごみ容器を押し込む押込部材とを備えたごみ容器投下装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1では、シュートの側方に搬出入方向に伸縮する伸縮シリンダが設けられている。この伸縮シリンダのロッドには、押込部材が連結部材を介して連結されている。押込部材は、伸縮シリンダのロッドの伸縮動により搬出入方向に移動自在になっている。
【0004】
また、カバー部材は、ゲートシリンダの伸縮により上下に移動自在に構成されており、カバー部材の左右両側に設けられたガイドローラがガイド溝に案内されることで投入口を閉鎖し、さらにシリンダを有する密閉装置を作動させることで、シュート内を密閉状態にするようになっている。
上記構成を用いて、ごみ容器をシュートと所望階との間で容易に移送させ、ごみ容器投下装置の自動化を図っていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開平1−303206号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1のような従来のごみ容器投下装置では、押込部材が投入口の前のごみ容器設置部を常に投入口との間に挟み込む位置にあり、伸縮シリンダ及び連結部材が常にシュートの側方と押込部材との間に配設されていた。即ち、ごみ容器設置部の水平方向の周囲が常にL字状に囲われていたので、ごみ容器をごみ容器設置部に設置する際に限られた方向にしか設置できず、作業性が悪いという問題点があった。
また、ごみ容器からごみがこぼれた際に押込部材にごみが接触し、臭気や腐食の原因となっており、メンテナンス性が非常に悪かった。
【0007】
また、従来では、カバー部材の開閉動作と、カバー部材の閉鎖後のその密閉動作と、押込部材の押込動作とに、それぞれ別々のシリンダ(合計3箇所)を用いていたので、各部を適切なタイミングで連続して動作させるためには、シーケンス制御やスピード制御を行う必要があった。そのため、部品点数が多くなったり、メンテナンス性が悪くなったりする問題点があった。
そこで、本発明は、作業性やメンテナンス性を良くし、さらには構造の簡素化を図り得るごみ容器投下装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の第1の発明は、ビル内に設けられてごみ容器を輸送するシュートと、前記シュートの周面に設けられた投入口と、前記投入口を開閉自在に覆うカバー部材と、前記投入口を介して前記シュートの外部から内部へ前記ごみ容器を押し込む押込部材とを備えたごみ容器投下装置を対象とする。
【0009】
そして、前記投入口の近傍に配設されるとともに前記シュートに交差しない軸心回りに回転する押込用回転部と、前記押込用回転部を回転させる駆動装置とを備え、前記押込部材は、前記押込用回転部に対して、その回転半径方向に延出するように固定または掛止される延出部と、前記延出部の先端に連設されるごみ容器当接部とを備えている。
【0010】
上記第1の発明によれば、押込用回転部を駆動装置にて回転させることにより、押込部材のごみ容器当接部を投入口の側方から投入口の前まで移動させるとともに、当該ごみ容器当接部をごみ容器の押込方向に移動させることができる。これにより、ごみ容器を投入口の前のごみ容器設置部に設置する際は、押込部材のごみ容器当接部を投入口の前にない状態にできるので設置方向が限定されることなく、ごみ容器設置部の水平方向の周囲からごみ容器をごみ容器設置部に設置できる。これにより、作業性に優れたごみ容器投下装置とすることができる。
【0011】
また、ごみ容器をごみ容器設置部に設置する際にごみ容器からごみがこぼれても、押込部材にごみが接触することがないので、押込部材が押込動作するときに押込部材と押込用回転部との間にごみが絡まって作動不良になる等のトラブルを防ぐことができる。
また、ごみが絡まることによって引き起こされる臭気を防ぐことができ、それによって引き起こされる腐食も防止することができる。
【0012】
従って、ごみ容器設置部の水平方向の周囲が常にL字状に囲われていた従来のごみ容器投下装置と比較して、作業性に優れ、メンテナンス性が向上したごみ容器投下装置にできる。
【0013】
また第2の発明は、第1の発明において、前記押込用回転部は略円形の第1外周部を有し、前記投入口を正面視して前記押込用回転部よりも前記投入口から離れた位置には、略円形の第2外周部を有する折返用回転部が配設され、前記第1外周部と前記第2外周部との間には、巻き掛け伝動条体が架け渡され、前記巻き掛け伝動条体には、前記カバー部材と前記押込部材とが取り付けられている。
【0014】
上記第2の発明によれば、押込用回転部と折返用回転部と巻き掛け伝動条体という簡単でメンテナンスを行いやすい構成を用いつつ、押込用回転部の回転に伴って押込部材とカバー部材とを連動させることができる。また、押込部材とカバー部材との巻き掛け伝動条体への取り付け間隔を調整することによって、カバー部材の開動作と押込部材の押込動作とを連続して行うことができる。従って従来と同等の機能を有していながら従来よりもごみ容器投下装置を簡略化できメンテナンス性を向上することができる。
【0015】
また第3の発明は、第2の発明において、前記折返用回転部の第2外周部の外径は、前記押込用回転部の第1外周部の外径より小さく形成され、前記折返用回転部の回転軸には、前記駆動装置が接続されている。
上記第3の発明によれば、折返用回転部を駆動装置にて回転させることによりその駆動力を巻き掛け伝動条体を介して押込用回転部に伝達することができる。
【0016】
また、折返用回転部の回転軸に駆動装置の回転軸を接続したことにより、投入口近傍の押込用回転部の周辺には駆動装置が存在しないようにできる。これにより、投入口近傍の作業スペースをより大きく確保することができ、作業性に優れたごみ容器投下装置にできる。
【0017】
また、折返用回転部の外径を押込用回転部の外径より小さく形成することにより、折返用回転部を、押込用回転部の回転速度を遅くし回転トルクを増大させる減速機の一部として用いることができる。これにより駆動装置そのものの調整だけでなく、折返用回転部を交換することによって押込部材への駆動力の調整を行うことができる。その結果、押込用回転部の駆動力の調整幅が広がり、メンテナンス性を向上させることができる。
【0018】
また第4の発明は、第2または第3の発明において、前記押込用回転部は前記投入口の側方に配設され、前記折返用回転部は前記押込用回転部の上方に配設されている。
上記第4の発明によれば、押込部材の退避状態では、投入口前のごみ容器設置部の上方に押込部材が位置するようにできる。これにより、ごみ容器をごみ容器設置部に設置する際には、ごみ容器設置部の水平方向周囲の作業スペースを広く確保することができる。また、ごみ容器設置部の上方空間に押込部材が退避することにより、押込部材が投入口の側方に退避する場合と比較して本来ごみ容器設置のために備わっている空間を有効に活用することができるので、作業性が良くなる。
【0019】
また第5の発明は、第4の発明において、前記押込用回転部は、前記投入口の左右に一対、回転軸心が略一致するように配設され、前記押込部材は、左右の前記押込用回転部にそれぞれ対応して設けられる一対の前記延出部と、前記一対の延出部間に連設される前記ごみ容器当接部とを有している。
上記第5の発明によれば、押込部材が略Uの字となり、その両端部が支持されるので、押込部材の強度と押し込み動作時のごみ容器への追従性とを、容易に確保できる。これにより、押込部材の形状を簡単なものにできる。
【0020】
また第6の発明は、第5の発明において、前記折返用回転部は、前記投入口の左右方向に一対、回転軸心が略一致するように配設され、左右の前記折返用回転部は、それぞれ左右の前記押込用回転部と対になるように構成され、さらに、左右の前記折返用回転部は、連結軸により連結されている。
上記第6の発明によれば、左右一対の押込用回転部が押込部材によって連結されるだけでなく、左右一対の折返用回転部も連結軸にて連結されるので、左右の押込用回転部と折返用回転部を確実に連動させることができる。これにより、押込用回転部と折返用回転部とに架け渡された左右の巻き掛け伝動条体を安定して動かし、巻き掛け伝動条体に取り付けられるカバー部材と押込部材とを安定して連動させることができる。その結果、トラブルが少なくなりメンテナンス性が向上する。
【0021】
また第7の発明は、第4ないし第6のいずれかの発明において、前記カバー部材と前記巻き掛け伝動条体との間には、前記投入口の左右方向を各枢結部の軸心方向とする四節平行リンク機構が介設され、さらに、前記カバー部材には、押当部が設けられ、前記投入口の下部には、前記カバー部材が前記投入口の上方から前記投入口の略全体を覆う位置まで移動したときに前記押当部が押し当てられる被押当部が配設されている。
【0022】
上記第7の発明によれば、四節平行リンク機構の巻き掛け伝動条体側の取付部が巻き掛け伝動条体の駆動に伴って下方へ移動すると、カバー部材も下方へ移動するが、カバー部材に設けられた押当部が被押当部に当接した後は上記取付部が下方に移動するのに伴って四節平行リンク機構が広がりカバー部材を投入口へ押し当てるように移動させることができる。これにより、カバー部材が完全に閉じられた際にはシュート内を密閉することができる。逆に、カバー部材が完全に閉じられた状態から上記取付部が巻き掛け伝動条体の駆動に伴って上方へ移動すると、四節平行リンク機構はカバー部材の重量で狭まりそれに伴ってカバー部材を投入口から離れるように移動させることができる。即ち、四節平行リンク機構を用いることにより、カバー部材によるシュート内の密閉とその解除を巻き掛け伝動条体の駆動によって行うことができる。
【0023】
その結果、一つの駆動源である駆動装置にて行うことができる。従って、カバー部材の開閉動作とカバー部材の密閉動作と押込部材の押し込み動作とにそれぞれシリンダが必要であった従来のごみ容器投下装置と比較して構造が簡単となり、メンテナンス性に優れたごみ容器投下装置とすることができる。
【発明の効果】
【0024】
以上説明したように、本発明によれば、ごみ容器を投入口の前のごみ容器設置部に設置する際は、押込部材のごみ容器当接部を投入口の前にない状態にできるので、作業性に優れたごみ容器投下装置とすることができる。また、ごみ容器をごみ容器設置部に設置する際にごみ容器からごみがこぼれても、押込部材にごみが接触することがないので、トラブルを防ぐことができる。また、押込用回転部と折返用回転部と巻き掛け伝動条体という簡単でメンテナンスを行いやすい構成を用いつつ、押込用回転部の回転に伴って押込部材とカバー部材とを連動させることができる。
【0025】
従って、ごみ容器設置部の水平方向の周囲が常にL字状に囲われていた従来のごみ容器投下装置と比較して、作業性に優れ、メンテナンス性が向上し、さらには構造が簡素なごみ容器投下装置にできる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るごみ容器投下装置の全体概略図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係るごみ容器投下装置の投入口及びその周辺の斜視図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る、ごみ容器投下装置の水平方向の要部断面図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係るカバー部材と押込部材との動作図であって、(a)はごみ容器をごみ容器載置部に載置したときを示す動作図、(b)はごみ容器の載置後カバー部材および押込部材を動作させ始めたときを示す動作図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係るカバー部材と押込部材との動作図であって、(a)はごみ容器載置部に載置されたごみ容器に押込部材を当接させたときを示す動作図、(b)はごみ容器を押込部材にてシュート内へ押し込んだときを示す動作図である。
【図6】本発明の第1の実施形態に係る四節平行リンク機構の動作図であって、(a)はカバー部材の密閉状態から巻き掛け伝動条体をカバー部材の開方向へ駆動させ始めたときを示す動作図、(b)は四節平行リンク機構が狭まり始めてカバー部材が開き始めたときを示す動作図である。
【図7】本発明の第1の実施形態に係る四節平行リンク機構の動作図であって、(a)は四節平行リンク機構が最大限近くまで狭められつつカバー部材が上昇し始めたときを示す動作図、(b)は平行リンク機構が最大限狭められた状態でカバー部材を上昇させるときを示す動作図である。
【図8】本発明の第2の実施形態に係る、ごみ容器投下装置の正面図である。
【図9】本発明の第3の実勢形態に係る、ごみ容器投下装置の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施形態に係るごみ容器投入装置を図面に基づいて説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎない。
図1は本発明の第1実施形態に係るごみ容器投下装置1についての全体概略図である。
【0028】
図1において、本発明の第1実施形態に係るごみ容器投下装置1は、中高層ビル6の各フロアを連通するように設けられてごみ容器2を輸送するシュート3を、備えている。また、ごみ容器投下装置1は、シュート3の周面に設けられた投入口10と、投入口10を開閉自在に覆うカバー部材11と、投入口10を介してシュート3の外部から内部へごみ容器2を押し込む押込部材12とを備えている。
シュート3は、円筒状であって鉛直方向に延びるように設けられている。
投入口10と、カバー部材11と、押込部材12とは、各フロアに設置されたごみの投下室7に対応させて複数設けられている。
尚、図1の右側を前、左側を後ろとし、前後方向に対して直交する方向のうち紙面の奥側を右、紙面の手前側を左と定義する。
【0029】
第1実施形態のごみ容器投下装置1では、各投下室7内の投入口10から投入されたごみ容器2は、シュート3を通って自然に落下し、階下にあるごみ容器分別装置4に着床する。ごみ容器2は、着床後ごみ容器分別装置4により分別され、ごみ容器2内のごみは、大型コレクタ5にて収集される。収集された大型コレクタ5内のごみは塵芥収集車などに積替えられ、最終処分場まで運搬される。
第1実施形態のごみ容器投下装置1の投入口10及びその周辺の斜視図を図2に示す。
また、ごみ容器投下装置1の水平方向の要部断面図を図3に示す。また、ごみ容器投下装置1のカバー部材11と押込部材12との動作図を図4に示す。
図1〜図4を主に参照して、要部詳細を説明する。
【0030】
図1および図2に示すように、各投下室7においてシュート3の周面に設けられた投入口10は、正面視(図2のA矢視)で方形状に形成されている。投入口10の寸法は、有底円筒状に形成されたごみ容器2がスムーズに投入口10内に投入可能な大きさに設定されている。
【0031】
投入口10の近傍には、シュート3の周囲を囲む方形枠状のフレーム16が配設されている。このフレーム16の下端は投下室7の床面に固定されており(不図示)、シュート3との相対的位置を維持するようになっている。また、フレーム16は、投入口10の左右側方かつ前側に配設され、上下に延びる一対の縦柱部16a,16aと、投入口10よりも上方の位置で一対の縦柱部16a,16a間を連結する中間横柱部16bと、中間横柱部16bよりも上方で一対の縦柱部16a,16a間を連結する上端横柱部16cとを有している。
【0032】
図2〜図4に示すように、縦柱部16aの近傍であって各縦柱部16aとシュート3との間には、縦柱部16aに沿って上下に延びる前後2本のガイドレール部191,191が設けられている。左側の2本のガイドレール部191,191と右側の2本のガイドレール部191,191とは、左右方向に対向するように配設されている。
【0033】
このうち、前側(シュート3から離れている方)のガイドレール部は後述の四節平行リンク機構18と関わるリンク用ガイドレール部191a,191aとなっている。
【0034】
また、後側(シュート3に近い方)のガイドレール部は、カバー部材11と関わるカバー部材用ガイドレール部191b,191bとなっている。各カバー部材用ガイドレール部191bは、上下方向のレール本体部191c(図4(b)参照)と、投入口10上部の所定高さ位置においてレール本体部191cから分岐して投入口10の方(後方)へ突出する上部突出レール部191d(図4(b)参照)と、投入口10下部の所定高さ位置においてレール本体部191cから直角に曲がって投入口10の方(後方)へ突出する下部突出レール部191e(図4(b)参照)とを有している。
上部突出レール部191dおよび下部突出レール部191eとレール本体部191cとの接続部分は、曲面状となっている。
【0035】
また、各縦柱部16aの前面には、前方へ延出するL字状の取付ブラケット16dが設けられており、各取付ブラケット16dの先端部には、スプロケットからなる押込用回転部14が左右軸心まわりに回転自在に取り付けられている。これら左右一対の押込用回転部14は、取付ブラケット16dの先端部に設けられていて、回転軸心がシュート3に交差しないようになっている。
【0036】
左右一対の押込用回転部14,14は、投入口10の左右側方に、回転軸心が略一致するように配設される。また、押込用回転部14,14は、スプロケットの歯の部分となる略円形の第1の外周部141を有している。
【0037】
また、投入口10を正面視した場合に押込用回転部14,14よりも離れた位置には、スプロケットからなる折返用回転部15が配設されている。折返用回転部15は、各押込用回転部14の上方において、各押込用回転部14にそれぞれ対応させるように左右一対に配設されている。
【0038】
より具体的には、左右一対の折返用回転部15,15は、左右の縦柱部16a,16aの上端部で上端横柱部16cの近傍に配設されている。左右の折返用回転部15,15は、それぞれ左右軸心まわりに回転し、かつ、これらの回転軸心が略一致するように、その回転軸153が左右の縦柱部16a,16aの対向面に支持されている。左右の折返用回転部15,15は、棒部材もしくは筒部材からなる連結軸152にて、連結されている。
また、折返用回転部15は、スプロケットの歯の部分となる略円形の第2の外周部151を有している。第2の外周部151の外径は、第1の外周部141の外径より小さく形成されている。また、第2外周部151と第1外周部141は、同一の鉛直線(図1のVL1参照)に接するように設定されている。
【0039】
また、一方の折返用回転部15の回転軸153には、駆動装置17が接続されている。本実施形態では、この駆動装置17は減速機付電動モータから構成されており、縦柱部16aの上端部に固定されている。これにより、駆動装置17を駆動させると連結軸152で連結された左右の折返用回転部15,15が回転するように構成されている。
また、折返用回転部15,15と押込用回転部14,14との上下中間位置には、スプロケットからなる左右一対の中間回転部21,21が配設されている。
【0040】
中間回転部21,21は、中間横柱部16bに固着された左右一対の中間取付ブラケット16e,16eに、取り付けられている。より具体的には、中間回転部21,21は、左右一対の中間取付ブラケット16e,16eの各先端部において、左右軸心まわりに回転自在に取り付けられている。
この中間回転部21の取付位置は、中間回転部21の外周部(歯の部分)と押込用回転部14の第1外周部141が同一の鉛直線(図1のVL2参照)に接するように配置されている。
【0041】
本実施形態では、上記左右の折返用回転部15,15は、それぞれ左右の押込用回転部14,14と対になるように構成されている。左側における、押込用回転部14の第1外周部141と中間回転部21の外周部と折返用回転部15の第2外周部151との間には、チェーンからなる巻き掛け伝動条体13が架け渡されている。右側における、押込用回転部14の第1外周部141と中間回転部21の外周部と折返用回転部15の第2外周部151との間にも、同様にチェーンからなる巻き掛け伝動条体13が架け渡されている。左右の巻き掛け伝動条体13,13はそれぞれエンドレス状となっている。左右の巻き掛け伝動条体13,13は、駆動装置17を駆動して左右の折返用回転部15,15を回転させることによって、駆動される。また、巻き掛け伝動条体13,13が駆動されると、折返用回転部15,15の回転駆動力が巻き掛け伝動条体13,13を介して押込用回転部14,14に伝達されることとなる。
ここで、左右の巻き掛け伝動条体13,13には、上記押込部材12と上記カバー部材11とが取り付けられている。
押込部材12とカバー部材11とは、左右の巻き掛け伝動条体13,13を駆動させることにより、連動して上下方向に移動するようになっている。
【0042】
押込部材12は、左右の押込用回転部14のそれぞれに対して、その回転半径方向に延出するように巻き掛け伝動条体13を介して掛止される一対の延出部121と、一対の延出部121の先端に連設されるごみ容器当接部122とを有している。これにより、押込部材12の全体形状は略Uの字を形成している。なお、ここで押込部材12を取付けている回転半径方向とは、押込用回転部14の中心からの放射方向またはそれに近い方向を意味する。
【0043】
また、押込部材12の延出部121の左右端部はそれぞれ二股となっており、略Yの字になるように形成されている。この二股の端部は、巻き掛け伝動条体13に固着された押込部材取付部131に対し、ボルトおよびナットによって取り付けられている。このように押込部材12を二股にして押込部材取付部131に取り付けることによって次の効果が得られる。即ち、二股にしない場合と比較してごみ容器2の重量が重くても押込部材12が変形を起こさないよう十分な強度を有することができる。
【0044】
また、カバー部材11は、正面視で方形の投入口10の形状に合うように、かつ、シュート3の周面の湾曲形状に合うように形成されている。カバー部材11は、密閉時にカバー部材11の内面がその周囲の面と滑らかに連続するようになっている。カバー部材11の内面側の外周縁にはパッキン113(図3参照)が取り付けられ、密閉時のシュート3内の気密性を高めるようになっている。
【0045】
また、カバー部材11の外面(前面)側には方形枠状のカバーフレーム111が固着されている。カバーフレーム111の左右側面のそれぞれには、上下のカバー部材用ガイドローラ112b,112bが回転自在に取り付けられている(図3および図4(b)参照)。この上下のカバー部材用ガイドローラ112b,112bは、カバー部材用ガイドレール部191bの上部突出レール部191dと下部突出レール部191eとの上下間距離に合うようにカバーフレーム111に取り付けられている。そして、上下のカバー部材用ガイドローラ112b,112bは、カバー部材用ガイドレール部191bに嵌合されている。これにより、カバー部材11は、基本的に前後方向の移動が規制されつつ、上下にスムーズに移動可能になっている。
【0046】
ただし、カバー部材11を下方に移動させて下側のガイドローラ112bを下部突出レール部191eに当接させた場合には、ちょうど上側のガイドローラ112bが上部突出レール部191dの高さ位置に配される。この際、カバー部材11は、上部突出レール部191dおよび下部突出レール部191eに上下のガイドローラ112b,112bを沿わせて、投入口10へ近づく方向(後方)へ移動可能となっている。
また、カバー部材11のカバーフレーム111と巻き掛け伝動条体13との間には、四節平行リンク機構18が介設されている。
【0047】
この四節平行リンク機構18は、投入口10の左右方向を各枢結部の軸心方向とするものであり、左右の巻き掛け伝動条体13,13に対応させて左右一対設けられている。
図6および図7は、四節平行リンク機構18の動作図を示している。
【0048】
各四節平行リンク機構18は、図2および図6(a)に示すように、一端がカバーフレーム111の上部に枢結される板状の上L字リンク181と、上L字リンク181の他端に上端が枢結される棒状の上下連結フレーム182と、上下連結フレーム182の下端に一端が枢結され、他端がカバーフレーム111の下部に枢結される板状の下L字リンク183と、を有している。
【0049】
左右一対の四節平行リンク機構18,18は、左右の上下連結フレーム182,182間が左右連結フレーム184によって連結され、連動するようになっている。
また、左右の上下連結フレーム182,182は、それぞれL字状の取付部185によって左右の巻き掛け伝動条体13,13に連結されている。
【0050】
また、図3および図7(b)に示すように、左右の上下連結フレーム182,182には、それぞれリンク用ガイドレール部191aと対向するように2個のローラベース186が設けられ、これらローラベース186には、リンク用ガイドレール部191aと嵌合するリンク用ガイドローラ112aが設けられている。
これにより、左右の上下連結フレーム182,182は、前後方向の移動が規制されつつ、上下にスムーズに移動可能になっている。
【0051】
上述したように、四節平行リンク機構18,18の上下連結フレーム182,182は、前後方向の移動が規制されているので、巻き掛け伝動条体13,13の駆動に伴い、上下方向のみに移動するように構成されている。また、カバー部材11は、上下連結フレーム182,182に上L字リンク181,181および下L字リンク183,183を介して連結されているので、巻き掛け伝動条体13,13の駆動に伴って上下方向に移動するように構成されている。上下連結フレーム182,182とカバー部材11とが一体的に上下に移動する際には、カバー部材11は、自重により、上下連結フレーム182,182に上L字リンク181,181および下L字リンク183,183を介して吊り下げられた形になる。また、この場合、カバー部材11と上下連結フレーム182,182との間隔は、カバー部材用ガイドレール部191bとリンク用ガイドレール部191aの間隔に合わせて狭まった状態になるよう構成されている。
【0052】
一方、下側のカバー部材用ガイドローラ112b,112bを下部突出レール部191eに押し当てた状態で上下連結フレーム182,182を下方へ移動させた場合、カバー部材111には、カバー部材11と上下連結フレーム182,182との間隔を広げようとする力が働くようになっている。即ち、下側のカバー部材用ガイドローラ112bは押当部22として機能し、下部突出レール部191eは被押当部19としての機能を有している。
このような構成によってカバー部材11は、閉状態となるときにシュート3に押し当てられ、シュート3内は密閉されるように構成されている。
【0053】
次に、図2および図5(b)に示すように、投入口10の下縁近傍の高さ位置には、シュート3の外周面から延出するローラーコンベア101が設けられている。このローラーコンベア101上は、カバー部材11および押込部材12を駆動させる際のごみ容器設置部となっている。
【0054】
このローラーコンベア101は、ごみ容器2を押込部材12が押し込む際に抵抗を少なくするものである。本実施形態では、ごみ容器2を押込部材12によってシュート3内部へ押込むようにしているので、ローラーコンベア101自体に動力は必要ない。このローラーコンベア101のローラは、例えば、ベアリングを用いた回転構造とされる。
またごみ容器設置部はすべりの良い板状の樹脂でも良い。
また投入口10の下縁近傍には、ごみ容器支持装置20が設けられている。
ごみ容器支持装置20は、ごみ容器2をシュート3の内部に移動させたときに一時的に支持する開閉自在で左右一対の支持アーム201,201を有している。
一対の支持アーム201,201は、シュート3の内周面において投入口10の真下とそれに対向する位置とに凹状に設けた収納部204,204に、それぞれ収納されるようになっている。収納部204,204は、シュート3の外周面に突出するように形成されている。
【0055】
この支持アーム201は、回転軸部211と、当該回転軸部211に対し回転半径方向に延出する一対の支持ローラ部212,212とを有し、略Πの字に形成されている。回転軸部211は、収納部204を形成する内壁面に、その高さ位置がローラコンベア101の高さ位置と略一致するように支持されている。また、回転軸部211は、ごみ容器2の押込方向(前後方向)と直交する水平方向(左右方向)の軸心周りに回転自在となっている。そして回転軸部211は外部からみてシュート3に突出するように設けられた収納部204の水平方向(左右方向)に対向する側壁を貫通して設けられている。
【0056】
また、支持ローラ部212は、回転軸部211の回転に伴って、シュート3の内周面に対し突出した支持状態とシュート3の内周面に対し没した収納状態とに切り替え自在となっている。支持状態では、支持ローラ部212は、回転軸部211から水平方向に延出状となるようになっている。
【0057】
また、支持ローラ部212には、複数個のローラ222が配置されている。このローラ222によって、ごみ容器2の滑りを良くしており、押込部材12がごみ容器2を押し込むときや、支持ローラ部212を収納状態としてごみ容器2を落下させるときの摩擦を低減している。
また、回転軸部211の端部はシュート3の外部にあるが支持ローラ部212は支持状態ではシュート3内部にある。
【0058】
また、一対の支持アーム201,201のそれぞれの回転軸部には、シュート3の外部にて、ブラケットを介して直線状リンク部材202が枢結されている。また、これら一対の直線状リンク部材202,202の他端同士は、T型リンク部材203上端の水平方向両端部に枢結されている。このT型リンク部材203の垂直方向部分は、ガイド部材206によって、T型リンク部材203が上下方向(鉛直方向)のみ移動可能になるようガイドされている。
【0059】
また、T型リンク部材203には駆動装置としてのエアシリンダ205が取り付けられている。エアシリンダ205はT型リンク部材203の中心からオフセットした位置に取り付けられている。これにより、エアシリンダ205がカバー部材11の開口の邪魔にならないように構成されている。
【0060】
上述のT型リンク部材203を設けた理由は、直線状リンク部材202だけで上下に動作させるよりも、エアシリンダ205のストロークを短くすることが可能だからである。
本実施形態の動作ついて図2、図4および図5を参考に説明する。
まず、ごみ容器2の投入の際の大きな動作について説明する。
【0061】
図4(a)に示すように、ごみ容器2がごみ容器設置部としてのローラーコンベア101上に載置される。すると図示しないセンサは、ごみ容器2が設置されていることを検知する。その後自動投入制御装置(不図示)がシュート3の中に他のごみ容器2がないか確認した後、ごみ容器支持装置20が支持状態となる(図2参照)。
【0062】
次に図4(b)に示すように、カバー部材11を開口するために駆動装置17(図2参照)を駆動し、巻き掛け伝動条体13が動き始めると、巻き掛け伝動条体13に取り付けられているカバー部材11が開口し始め、それと同時に押込部材12も動作し始める。
【0063】
その後、図5(a)に示すように、カバー部材11が折返用回転部15,15に向かって上昇するに従って、押込部材12が下降し、ごみ容器2の外周面の上下高さの中ほどに当接する。
【0064】
最後に図5(b)のようにカバー部材11が投入口10を完全に開いた上部にあり、且つ上がりきったときに、押込部材12がごみ容器2をシュート3内に完全に押し込む。そのときごみ容器2はごみ容器支持装置20の一対の支持アーム201,201によって支持されて落下しない。その後、ごみ容器2が支持アーム201,201に支持されながら、カバー部材11がシュート周面に沿うようにスライドして閉じられてシュート3内が密閉される。その時ごみ容器支持装置20の支持アーム201,201が収納部204に没して収納状態となり、それにより支持されていたごみ容器2が落下する。
【0065】
次に、図6、図7を用いてカバー部材11を密閉状態から開く際の四節平行リンク機構18の動作について説明する。
カバー部材11の内面が周囲の面と滑らかに連続している密閉された状態から(図6(a)参照)、駆動装置17の回転で巻き掛け伝動条体13が駆動し、四節平行リンク機構18の上下連結フレーム182が上方へ引っ張られることによって、カバー部材11が開動作し始める。具体的には、上下連結フレーム182が上方への移動に伴って、上L字リンク181および下L字リンク183の上下連結フレーム182との枢結部も上方に移動する。この際、カバーフレーム111に取り付けられた上下のカバー部材用ガイドローラ112b,112bは、それぞれカバー部材用ガイドレール部191bの上部突出レール部191dおよび下部突出レール部191e内に位置し、上下の移動が規制されている。
これにより、上L字リンク181および下L字リンク183には、カバー部材11との枢結部の上下高さを変化させずに、図6(a)の反時計回りに回転しようとする力が働く。その結果、カバー部材11には、前方へ開こうとする力が働く。
【0066】
図6(b)のように、上下連結フレーム182の上方への移動に伴って、リンク用ガイドローラ112a,112aとカバー部材用ガイドローラ112b,112bとが、それぞれ嵌合しているリンク用ガイドレール部191aとカバー部材用ガイドレール部191bとのレールに沿って、動作し始める。
リンク用ガイドローラ112a,112aは鉛直方向上方に動作するのに対しカバー部材用ガイドローラ112b,112bは被押当部として機能している下部突出レール部191eと上部突出レール部191dとに沿って投入口10から離れる方向(前方向)に移動する。
そのとき四節平行リンク機構18は、左側方向から見た図6(b)において、上L字リンク181,181および下L字リンク183,183が反時計回りに、上下連結フレーム182との枢結部を中心に回転し、カバー部材11と上下連結フレーム182,182との間隔を狭めるように動作する。
【0067】
カバー部材11の開動作が継続されると、図7(a)のように上下連結フレーム182の鉛直上方への移動に伴ってリンク用ガイドローラ112a,112aは更に鉛直上方へ移動する。すると、上部突出レール部191dおよび下部突出レール部191eを脱しつつあるカバー部材用ガイドローラ112b,112bは、上部突出レール部191dおよび下部突出レール部191eとレール本体部191cとの曲面状の接続部分に沿って斜め上方に動作する。つまり、前方へ移動中のカバー部材11の動きが、水平方向の移動から斜め上方の移動へ変化する。
【0068】
そして図7(b)に示すように最終的には四節平行リンク機構18が最大限に狭まり、リンク用ガイドローラ112a,112aとカバー部材用ガイドローラ112b,112bとが共に、リンク用ガイドレール部191aとカバー部材用ガイドレール部191b(レール本体部191c)とに沿って鉛直上方へと上昇する。これにより、カバー部材11が鉛直上方へ上昇して投入口10が現れ、結果開口することとなる。
もしカバー部材11と上下連結フレーム182との間隔を狭めるように動作しなければ、シュート3にカバー部材11が押し当てられた状態のままカバー部材11を開口させることとなる。またカバー部材11とシュート3が擦れあって磨耗するほか、抵抗が大きく駆動装置17の必要なエネルギが大きくなり、装置が大型化してしまう。
【0069】
次に、ごみ容器支持装置20についての動作を説明する。
図5(b)に示すように、ごみ容器2は、シュート3の内部に押し込まれて、ごみ容器支持装置20の一対の支持アーム201,201によって支持されている。
そして、駆動装置17によりカバー部材11が下降していきカバー部材11とシュート3が密閉される。
その後、エアシリンダ205が伸びることによってT型リンク部材203をガイド部材206に沿って下降させ、それに伴い一対の直線状リンク部材202,202が下方に回転する。直線状リンク部材202,202が下方に回転することにより、支持アーム201の回転軸部211が回転し、回転軸部211に対し回転半径方向に延出する一対の支持ローラ部212,212が下方に回転する。
【0070】
一対の支持ローラ部212,212は下方に回転すると収納部204に収納され、シュート3内面に突出する部分はなくなり、シュート3内面は円滑な内面となる。そしてごみ容器2はシュート3内を落下する。
【0071】
次に、本発明の第2の実施形態に係るごみ容器投下装置1を図8に示す。各符号は第1の実施形態と同様の部材、部分は同じものを使用する。
第2実施形態では、第1実施形態と押込部材の押込用回転部に対する取り付け方が異なっており、押込部材の延出部が押込用回転部に固定されるようになっている。
【0072】
具体的に説明すると、まず、図8に示すように、フレーム16の縦柱部16aの投入口10近傍に駆動装置17が取付補助部材171と共に取り付けられている。駆動装置17の回転軸部17aは縦柱部16aを貫通し、左右軸心回りに回転自在になっている。当該貫通孔にはブッシュ(不図示)などを嵌合しており、回転軸部17aが回転する際に摩擦を軽減している。そして、駆動装置17の回転軸部17aの先端には溶接などにて押込部材12’が取り付けられている。押込部材12’は、回転軸部17aに対してその回転半径方向に延出するように固定される延出部121’と、この延出部121’の先端に連設されるごみ容器当接部122’とを有して、略L字状に形成されている。
【0073】
これにより、駆動装置17を駆動させると、回転軸17aの回転に伴って押込部材12’のごみ容器当接部122’が、投入口10の上方から投入口10の前まで移動するように構成されている。そして、このごみ容器当接部122’の移動によりごみ容器2をシュート3内へ押し込むようになっている。
つまり、第2実施形態では、駆動装置17の回転軸部17aが押込用回転部として機能している。
またフレーム16の上端横柱部16cの中心付近にはカバー部材用エアシリンダ30が設けられており、カバー部材11と連結されている。
そして、シーケンサー(不図示)によってカバー部材11と押込部材12’とは連動している。このような構成とすることで巻き掛け伝動条体13やスプロケットからなる折返用回転部15などが必要なくなる。また、押込部材12’の取り付けがボルト・ナット締結ではなく溶接などの強固な手段となりより重量の大きいごみ容器2を押し込む事ができる。
【0074】
次に、本発明の第3の実施形態に係るごみ容器投下装置1を図9に示す。
基本構成は第1の実施形態と同様であるが、第1実施形態において左右一対に設けられていた、押込用回転部14,14と折返用回転部15,15と中間回転部21,21と上記3つの回転部に巻き掛けられた巻き掛け伝動条体13,13とが、この第3実施形態では左右のうち一方にしかない構造となっている。
それに伴い押込部材12の延出部121も左右のうち一方にしかないが、ごみ容器当接部122は延出部121に連設されていることにより、略L字型を有する構成とされている。
【0075】
これにより、ごみ容器を設置する際にごみ容器投下装置1の左右片側には巻き掛け伝動条体13などがなく、より自由空間が多く形成され、作業性が良好となる。また部品点数も減ることからメンテナンス性も向上する。そして押込部材12が略L字型を有していることから、万が一ごみが押込部材12に絡まったとしてもごみが落下し易く、ごみの臭気や装置の腐食を軽減することができる。
【0076】
(その他の実施形態)
本発明は、上記第1〜第3実施形態の他にも以下のような構成をとってもよい。
例えば、上記第1実施形態では、押込用回転部14と折返用回転部15と巻き掛け伝動条体13とが左右一対設けられ、カバー部材11と押込部材12とが上下方向に連動するように構成されていたが、本発明はこれに限らず、カバー部材11と押込部材12とが左右方向に連動するよう構成してもよい。この場合、押込用回転部14と折返用回転部13とは、上下軸心回りに回転自在となるようにそれぞれ配設され、これらに巻き掛け伝動条体が架け渡されることになる。
【0077】
また、上記第3実施形態では、押込用回転部14と折返用回転部15と巻き掛け伝動条体13とが、左右のうち一方にしかない構造となっており、押込部材がL字状に形成されていたが、本発明はこれに限らず、左右一方の押込用回転部と折返用回転部とに巻き掛け伝動条体13を架け渡しつつ、押込用回転部は左右他方にも設け、それら左右一対の押込用回転部に全体形状が略Uの字の押込部材の両端部を取り付けるようにしてもよい。
【0078】
尚、実施形態では捲き掛け伝動条体部材13はチェーンの場合を記載したが、他にワイヤーやロープとしても良い。
【符号の説明】
【0079】
1 ごみ容器投下装置
2 ごみ容器
3 シュート
10 投入口
11 カバー部材
12 押込部材
13 巻き掛け伝動条体
14 押込用回転部
15 折返用回転部
17 駆動装置
18 四節平行リンク機構
19 被押当部
112 押当部
121 延出部
122 ごみ容器当接部
141 第1外周部
142 第2外周部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビル内に設けられてごみ容器を輸送するシュートと、前記シュートの周面に設けられた投入口と、前記投入口を開閉自在に覆うカバー部材と、前記投入口を介して前記シュートの外部から内部へ前記ごみ容器を押し込む押込部材とを備えたごみ容器投下装置であって、
前記投入口の近傍に配設されるとともに前記シュートに交差しない軸心回りに回転する押込用回転部と、前記押込用回転部を回転させる駆動装置とを備え、
前記押込部材は、前記押込用回転部に対して、その回転半径方向に延出するように固定または掛止される延出部と、前記延出部の先端に連設されるごみ容器当接部と、を備えたことを特徴とするごみ容器投下装置。
【請求項2】
前記押込用回転部は略円形の第1外周部を有し、
前記投入口を正面視して前記押込用回転部よりも前記投入口から離れた位置には、略円形の第2外周部を有する折返用回転部が配設され、
前記第1外周部と前記第2外周部との間には、巻き掛け伝動条体が架け渡され、
前記巻き掛け伝動条体には、前記カバー部材と前記押込部材とが取り付けられていることを特徴とする請求項1記載のごみ容器投下装置。
【請求項3】
前記折返用回転部の第2外周部の外径は、前記押込用回転部の第1外周部の外径より小さく形成され、前記折返用回転部の回転軸には、前記駆動装置が接続されている請求項2記載のごみ容器投下装置。
【請求項4】
前記押込用回転部は前記投入口の側方に配設され、前記折返用回転部は前記押込用回転部の上方に配設されている請求項2または3に記載のごみ容器投下装置。
【請求項5】
前記押込用回転部は、前記投入口の左右に一対、回転軸心が略一致するように配設され、
前記押込部材は、左右の前記押込用回転部にそれぞれ対応して設けられる一対の前記延出部と、前記一対の延出部間に連設される前記ごみ容器当接部とを有している請求項4に記載のごみ容器投下装置。
【請求項6】
前記折返用回転部は、前記投入口の左右方向に一対、回転軸心が略一致するように配設され、左右の前記折返用回転部は、それぞれ左右の前記押込用回転部と対になるように構成され、
さらに、左右の前記折返用回転部は、連結軸により連結されている請求項5に記載のごみ容器投下装置。
【請求項7】
前記カバー部材と前記巻き掛け伝動条体との間には、前記投入口の左右方向を各枢結部の軸心方向とする四節平行リンク機構が介設され、
さらに、前記カバー部材には、押当部が設けられ、前記投入口の下部には、前記カバー部材が前記投入口の上方から前記投入口の略全体を覆う位置まで移動したときに前記押当部が押し当てられる被押当部が配設されている請求項4ないし6のいずれか1項に記載のごみ容器投下装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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