その出口にスライバが排出されて載置される、紡績準備機械、特に練条機またはカードに設けられる装置
【課題】簡単な方法で、載置されているスライバ(スライバパケット)の機械の載置領域からの変位と、設備的な費用の本質的な削減を可能にするために、載置されたスライバは機械的手段によって移動可能であり、そのことが付加的な容器などなしで、載置領域内および/または載置領域からの、スライバの変位をもたらすようにすることを目的とする。
【解決手段】その出口にスライバが排出装置2によって排出されて、土台3上に載置され、その場合に排出装置と土台は互いに対して移動可能である、紡績準備機械、特に練条機またはカードに設けられる装置において、土台3上に載置されたスライバ(スライバパケット)4が後段に接続されている加工機械へ供給可能である。
【解決手段】その出口にスライバが排出装置2によって排出されて、土台3上に載置され、その場合に排出装置と土台は互いに対して移動可能である、紡績準備機械、特に練条機またはカードに設けられる装置において、土台3上に載置されたスライバ(スライバパケット)4が後段に接続されている加工機械へ供給可能である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、その出口でスライバ(スライバパケット)が排出装置によって排出されて、土台上に載置される、紡績準備機械、特に練条機またはカードに設けられる機械に関するものであって、その場合に排出装置と土台は互いに対して移動可能であって、かつ土台上に載置されたスライバ(スライバパケット)は後段に接続されている加工機械へ供給可能である。
【背景技術】
【0002】
公知の装置(例えば特許文献1参照)においては、スライバ排出機械(カード、練条機)によって生産されたスライバは、矩形の断面を有する紡績ケンス内に載置される。その場合に紡績ケンスは載置領域内で往復移動される。ケンスがリング状に載置されたスライバによって満たされた後に、ケンスはスライバと共に載置領域から運び出されて、後続の装置へ供給される。いっぱいになった多数のケンスは、倉庫に一次的に貯蔵されて、そこからたとえば紡績機械へ供給される。倉庫と紡績機械との間のケンスの移送は、移送車両で行われる。この装置の欠点は、設備の費用が高いことにある。さらに多数のケンス(空のケンス)をスライバを排出する機械(練条機、カード)の載置領域へ導入しなければならず、スライバでいっぱいになったケンス(フルケンス)を載置領域から再び運び出さなければならない。機械をケンスに構造的に適合させて、ケンスのための付加的な移送の手間を伴う面倒な取扱いに加えて、ケンス自体についても極めて多大な費用(製造、保管、修理など)がもたらされる。そして、スライバを再びケンスから出して後段に接続されている加工機械へ案内しなければならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】EP0457009号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って本発明の課題は、上述した欠点を回避し、特に簡単な方法で機械の載置領域内および/または載置領域からの、載置されたスライバ(スライバパケット)の移動を可能にし、かつ設備的な費用の著しい削減を許す、冒頭で説明した種類の装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題の解決は、請求項1に記載された特徴によって行われる。
載置されたスライバ(スライバパケット)が、そのものとして機械的な手段によって、載置領域内のスライバ載置の間もスライバ載置後に載置領域からも変位可能であることによって、コンベアベルトの処理の著しい簡略化が可能となる。後段に接続されている加工機械、たとえば紡績機械において、ケンスなどからのスライバの取出しが省かれる。さらに、設備的な費用の削減が大規模にもたらされる。スライバを排出する機械(練条機、カード)をケンスに構造的に適合させることは、不要である。特に大量の個数のケンスの形成、保管、修理などのための各費用は、全範囲において回避される。
請求項2から43は、本発明の好ましい展開を内容としている。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】図1は回転板の下方の終端位置におけるスライバ載置のために台車を使用した、本発明に基づく装置を有する練条機の概略的な側面図である。
【図2】図2は、図1の装置を回転板の下方の他の終端位置において示す図である。
【図3】図3は、図1、図2に基づく装置をスライバ載置の外部において示す図である。
【図4】図4はスライバ載置のためにコンベアベルトを使用した、スライバ排出装置を有する練条機の斜視図である。
【図5】図5は本発明に基づく装置を備えたカードの概略的な側面図である。
【図6】図6は台車の上面に自由に載置されたスライバパケットの上面図である。
【図7】図7はスライバパケットの側面図である。
【図8】図8はスライバ載置部としての昇降可能なコンベアベルトと搬出装置を備えた実施形態を載置プロセスで示す図である。
【図9】図9は同じく搬出プロセスにおいて示す図であり、その場合に交換は台車によって行われる。
【図10】図10はスライバパケット交換のための押出し装置を有する実施形態を示す図である。
【図11】図11は昇降装置および交換と同時に搬出にも用いられる、延長されたコンベアベルトを有する実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面に示す実施例を用いて本発明を詳細に説明する。
図1から図3は、メンヒェングラートバッハのツリュツラー社の高出力練条機1(調節型練条機)、たとえば高出力練条機HSR1000を概略的に側面で示している。図示されていないケンスから来る複数のスライバは、ドラフト装置へ進み、そこで牽伸されて、ドラフト装置を出た後に1つのスライバにまとめられる。スライバは、回転板2を通過して、次に矢印AとB方向に往復移動する土台、たとえば矩形の上面3aを有する台車3上に、スライバパケット4としてリング状に載置される。台車3は、制御可能な駆動モータ5によって駆動され、その駆動モータは電子的な制御調節装置6、たとえば機械制御装置に接続されている。符号10は、スライバ載置装置(ケンスコイラー)のカバー領域を示し、そのカバー領域は支持プレート7に接続されている。符号Fは、練条機内の作業方向(繊維材料の流れ)を示しており、スライバは回転板2からほぼ垂直の方向に排出される。符号8は載置領域を示し、符号9は、載置領域8の外部の領域を示している。載置領域8は、図2に示す区間aを有している。
【0008】
図1には、スライバを載置する間、回転板2の下方で方向A、Bに水平に往復移動する台車3の一方の終端位置が、そして図2には他方の終端位置が示されている。スライバパケット4は、同様に回転板2の下方で矢印A、B方向に往復移動される。図1に示す終端位置へ達した後に、台車3は矢印C方向へ移動し、その場合に台車3は加速され、等しい速度で駆動されて、次に制動される。図2に示す終端位置へ達した後に、台車3は矢印D方向へ戻り、その場合にキャリッジ3は加速され、等しい速度で駆動されて、その後制動される。往復移動の切換えは、制御装置6によって駆動モータ5との組合わせにおいて実現される。上面3a上へのスライバパケット4の載置が終了した後に、台車3はスライバパケット4と共に矢印E方向にスライバ載置装置(ケンスコイラー)から出るように移動する。制御装置6は、スライバ載置における往復移動(矢印A、B)から載置領域8から出る運動(矢印E)へ移行する場合に、台車3の動きを切り換える。
【0009】
回転数制御可能なモータ5は、台車3をスムーズな、あるいはほぼスムーズな速度で駆動する。特に加速と制動は、スムーズに、あるいはほぼスムーズに行われる。加速と制動の間の速度は、均一である。このようにして、スライバパケット4が図1と図2に示す載置領域8内の往復運動の間も、図3に示す載置領域8から出る運動の間も安定していることが達成される。運動は、できるだけ高い生産速度が実現され、その場合にスライバパケットが滑ったり、傾いたりすることがないように制御される。
【0010】
図4は、図1から図3に示す練条機において、丸いケンス44がスライバ入口45の下方に配置されており、フィードスライバ46がローラを介して引き出されて、ドラフト装置11へ供給されることを示している。ドラフト装置11を通過した後に伸ばされたスライバ12は、回転板2内へ達して、矩形のプレート13上にリング状に載置される。プレート13は、エンドレスに回転するコンベアベルト14上に配置されており、そのコンベアベルト14は制御可能なモータ15によって駆動され、そのモータ15はプレート13およびスライバパケット4と共にコンベアベルト14を矢印G、H方向へ移動させる。モータ15は、電気的な制御調節装置6に接続されている。
【0011】
図5は、フィードローラ16、フィードテーブル17、テーカインローラ18a、18b、18c、ドラム19、ドッファ20、ストリップローラ21、絞りローラ22、23、フリース案内部材24、トランペット25、デリバリローラ26、回転フラット28およびケンスコイラー29を有する、たとえばツリュツラー高出力カードDK903を示している。ローラの回転方向は、湾曲した矢印で示されている。符号Iは、カードの作業方向を示している。ケンスコイラーカバープレート30の上方に、ハウジング31が配置されており、そのハウジング内に回転する回転板2が設けられている。土台は、台車3として形成されており、その土台はその上側に矩形プレート15aを有している。台車3は、回転板2を通して繊維パケット4が載置される間、駆動装置、たとえば制御されるモータ32によって、矢印K、L方向に往復移動される。
【0012】
図6は、台車3の上面3a上にリング形状で自由に載置されたスライバパケット4を示している。図7は、台車3上に自由に載置されているスライバパケット4を側面図で示している。
【0013】
図8、図9によれば、台車3が設けられており、その上側に保持装置34a、34b、たとえば支柱が配置されており、その支柱にコンベアベルト33が矢印M、N方向に高さ調節可能に配置されている。スライバパケット4は、コンベアベルト33の上方のベルト部分上に載置される。スライバ載置の間、台車3は矢印C、D方向に往復移動する。それぞれ終端位置に達した後に(図1、図2を参照)、コンベアベルト33は矢印M方向に、ほぼスライバの厚み、たとえば10mmだけ、(図示されていない)駆動モータによって下方へ変位される。スライバ載置が終了した場合に、上方のバンド部分33aは、たとえば(図示されていない)駆動される駆動モータによって方向Rに移動されるので、スライバパケット4は隣りに配置されているほぼ平坦な支持面35、たとえば移送シャーレ上へ移動される。支持面35の、台車3側の端縁は、たとえば斜めにされ、あるいは丸くされるなどしている。
【0014】
図10によれば、台車3上に、昇降底36、たとえばプレートが配置されており、その昇降底はたとえばDE4407849A1からそれ自体知られている方法で、保持部材に取り付けることができ、かつ矢印O、P方向に変位させることができる。台車3上には支持部材37、たとえば支柱が設けられており、その支柱にスライド装置38が適切に制御される駆動部材39、たとえば空気シリンダ、スピンドルドライブなどを介して取り付けられている。昇降底36上でのスライバパケット4の載置が終了した場合に、スライド装置38は矢印S方向にスライバパケット4に対して移動されるので、スライバパケット4はスライド装置38に直接押圧されることによって昇降底36から支持面35上へ移動される。支持面35は、基台40などの上に配置されており、基台40の上面からスライバパケット4と共に取り除いて、後続の加工装置、たとえば紡績機械または倉庫へ供給することができる。
【0015】
図11によれば、昇降プレート41が設けられており、その昇降プレートは昇降部材42、42b、たとえば制御される空気シリンダを介して矢印T、UないしV、W方向に持ち上げて、制動することができる。昇降プレート41の上面には、コンベアベルト43が設けられており、そのベルト部分は矢印X、Y方向に移動可能である。コンベアベルト43の駆動と制御は、図4に示す方法に相当する。載置の間上方のベルト部分43aが回転板2の下方で矢印X、Y方向に往復移動される。スライバが上方のベルト部分43a上にスライバパケット4として載置された後に、駆動モータ15(図4を参照)が制御装置6(図4を参照)によって制御されて、上方のベルト部分43aはスライバパケット4を回転板2の下方の載置領域8から出るように移動させて、支持面35上へ放出する。
【符号の説明】
【0016】
1 練条機
2 回転板
3 台車
4 スライバパケット
5 モータ
6 制御装置
8 載置領域
9 外部の領域
14 コンベアベルト
【技術分野】
【0001】
本発明は、その出口でスライバ(スライバパケット)が排出装置によって排出されて、土台上に載置される、紡績準備機械、特に練条機またはカードに設けられる機械に関するものであって、その場合に排出装置と土台は互いに対して移動可能であって、かつ土台上に載置されたスライバ(スライバパケット)は後段に接続されている加工機械へ供給可能である。
【背景技術】
【0002】
公知の装置(例えば特許文献1参照)においては、スライバ排出機械(カード、練条機)によって生産されたスライバは、矩形の断面を有する紡績ケンス内に載置される。その場合に紡績ケンスは載置領域内で往復移動される。ケンスがリング状に載置されたスライバによって満たされた後に、ケンスはスライバと共に載置領域から運び出されて、後続の装置へ供給される。いっぱいになった多数のケンスは、倉庫に一次的に貯蔵されて、そこからたとえば紡績機械へ供給される。倉庫と紡績機械との間のケンスの移送は、移送車両で行われる。この装置の欠点は、設備の費用が高いことにある。さらに多数のケンス(空のケンス)をスライバを排出する機械(練条機、カード)の載置領域へ導入しなければならず、スライバでいっぱいになったケンス(フルケンス)を載置領域から再び運び出さなければならない。機械をケンスに構造的に適合させて、ケンスのための付加的な移送の手間を伴う面倒な取扱いに加えて、ケンス自体についても極めて多大な費用(製造、保管、修理など)がもたらされる。そして、スライバを再びケンスから出して後段に接続されている加工機械へ案内しなければならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】EP0457009号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って本発明の課題は、上述した欠点を回避し、特に簡単な方法で機械の載置領域内および/または載置領域からの、載置されたスライバ(スライバパケット)の移動を可能にし、かつ設備的な費用の著しい削減を許す、冒頭で説明した種類の装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題の解決は、請求項1に記載された特徴によって行われる。
載置されたスライバ(スライバパケット)が、そのものとして機械的な手段によって、載置領域内のスライバ載置の間もスライバ載置後に載置領域からも変位可能であることによって、コンベアベルトの処理の著しい簡略化が可能となる。後段に接続されている加工機械、たとえば紡績機械において、ケンスなどからのスライバの取出しが省かれる。さらに、設備的な費用の削減が大規模にもたらされる。スライバを排出する機械(練条機、カード)をケンスに構造的に適合させることは、不要である。特に大量の個数のケンスの形成、保管、修理などのための各費用は、全範囲において回避される。
請求項2から43は、本発明の好ましい展開を内容としている。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】図1は回転板の下方の終端位置におけるスライバ載置のために台車を使用した、本発明に基づく装置を有する練条機の概略的な側面図である。
【図2】図2は、図1の装置を回転板の下方の他の終端位置において示す図である。
【図3】図3は、図1、図2に基づく装置をスライバ載置の外部において示す図である。
【図4】図4はスライバ載置のためにコンベアベルトを使用した、スライバ排出装置を有する練条機の斜視図である。
【図5】図5は本発明に基づく装置を備えたカードの概略的な側面図である。
【図6】図6は台車の上面に自由に載置されたスライバパケットの上面図である。
【図7】図7はスライバパケットの側面図である。
【図8】図8はスライバ載置部としての昇降可能なコンベアベルトと搬出装置を備えた実施形態を載置プロセスで示す図である。
【図9】図9は同じく搬出プロセスにおいて示す図であり、その場合に交換は台車によって行われる。
【図10】図10はスライバパケット交換のための押出し装置を有する実施形態を示す図である。
【図11】図11は昇降装置および交換と同時に搬出にも用いられる、延長されたコンベアベルトを有する実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面に示す実施例を用いて本発明を詳細に説明する。
図1から図3は、メンヒェングラートバッハのツリュツラー社の高出力練条機1(調節型練条機)、たとえば高出力練条機HSR1000を概略的に側面で示している。図示されていないケンスから来る複数のスライバは、ドラフト装置へ進み、そこで牽伸されて、ドラフト装置を出た後に1つのスライバにまとめられる。スライバは、回転板2を通過して、次に矢印AとB方向に往復移動する土台、たとえば矩形の上面3aを有する台車3上に、スライバパケット4としてリング状に載置される。台車3は、制御可能な駆動モータ5によって駆動され、その駆動モータは電子的な制御調節装置6、たとえば機械制御装置に接続されている。符号10は、スライバ載置装置(ケンスコイラー)のカバー領域を示し、そのカバー領域は支持プレート7に接続されている。符号Fは、練条機内の作業方向(繊維材料の流れ)を示しており、スライバは回転板2からほぼ垂直の方向に排出される。符号8は載置領域を示し、符号9は、載置領域8の外部の領域を示している。載置領域8は、図2に示す区間aを有している。
【0008】
図1には、スライバを載置する間、回転板2の下方で方向A、Bに水平に往復移動する台車3の一方の終端位置が、そして図2には他方の終端位置が示されている。スライバパケット4は、同様に回転板2の下方で矢印A、B方向に往復移動される。図1に示す終端位置へ達した後に、台車3は矢印C方向へ移動し、その場合に台車3は加速され、等しい速度で駆動されて、次に制動される。図2に示す終端位置へ達した後に、台車3は矢印D方向へ戻り、その場合にキャリッジ3は加速され、等しい速度で駆動されて、その後制動される。往復移動の切換えは、制御装置6によって駆動モータ5との組合わせにおいて実現される。上面3a上へのスライバパケット4の載置が終了した後に、台車3はスライバパケット4と共に矢印E方向にスライバ載置装置(ケンスコイラー)から出るように移動する。制御装置6は、スライバ載置における往復移動(矢印A、B)から載置領域8から出る運動(矢印E)へ移行する場合に、台車3の動きを切り換える。
【0009】
回転数制御可能なモータ5は、台車3をスムーズな、あるいはほぼスムーズな速度で駆動する。特に加速と制動は、スムーズに、あるいはほぼスムーズに行われる。加速と制動の間の速度は、均一である。このようにして、スライバパケット4が図1と図2に示す載置領域8内の往復運動の間も、図3に示す載置領域8から出る運動の間も安定していることが達成される。運動は、できるだけ高い生産速度が実現され、その場合にスライバパケットが滑ったり、傾いたりすることがないように制御される。
【0010】
図4は、図1から図3に示す練条機において、丸いケンス44がスライバ入口45の下方に配置されており、フィードスライバ46がローラを介して引き出されて、ドラフト装置11へ供給されることを示している。ドラフト装置11を通過した後に伸ばされたスライバ12は、回転板2内へ達して、矩形のプレート13上にリング状に載置される。プレート13は、エンドレスに回転するコンベアベルト14上に配置されており、そのコンベアベルト14は制御可能なモータ15によって駆動され、そのモータ15はプレート13およびスライバパケット4と共にコンベアベルト14を矢印G、H方向へ移動させる。モータ15は、電気的な制御調節装置6に接続されている。
【0011】
図5は、フィードローラ16、フィードテーブル17、テーカインローラ18a、18b、18c、ドラム19、ドッファ20、ストリップローラ21、絞りローラ22、23、フリース案内部材24、トランペット25、デリバリローラ26、回転フラット28およびケンスコイラー29を有する、たとえばツリュツラー高出力カードDK903を示している。ローラの回転方向は、湾曲した矢印で示されている。符号Iは、カードの作業方向を示している。ケンスコイラーカバープレート30の上方に、ハウジング31が配置されており、そのハウジング内に回転する回転板2が設けられている。土台は、台車3として形成されており、その土台はその上側に矩形プレート15aを有している。台車3は、回転板2を通して繊維パケット4が載置される間、駆動装置、たとえば制御されるモータ32によって、矢印K、L方向に往復移動される。
【0012】
図6は、台車3の上面3a上にリング形状で自由に載置されたスライバパケット4を示している。図7は、台車3上に自由に載置されているスライバパケット4を側面図で示している。
【0013】
図8、図9によれば、台車3が設けられており、その上側に保持装置34a、34b、たとえば支柱が配置されており、その支柱にコンベアベルト33が矢印M、N方向に高さ調節可能に配置されている。スライバパケット4は、コンベアベルト33の上方のベルト部分上に載置される。スライバ載置の間、台車3は矢印C、D方向に往復移動する。それぞれ終端位置に達した後に(図1、図2を参照)、コンベアベルト33は矢印M方向に、ほぼスライバの厚み、たとえば10mmだけ、(図示されていない)駆動モータによって下方へ変位される。スライバ載置が終了した場合に、上方のバンド部分33aは、たとえば(図示されていない)駆動される駆動モータによって方向Rに移動されるので、スライバパケット4は隣りに配置されているほぼ平坦な支持面35、たとえば移送シャーレ上へ移動される。支持面35の、台車3側の端縁は、たとえば斜めにされ、あるいは丸くされるなどしている。
【0014】
図10によれば、台車3上に、昇降底36、たとえばプレートが配置されており、その昇降底はたとえばDE4407849A1からそれ自体知られている方法で、保持部材に取り付けることができ、かつ矢印O、P方向に変位させることができる。台車3上には支持部材37、たとえば支柱が設けられており、その支柱にスライド装置38が適切に制御される駆動部材39、たとえば空気シリンダ、スピンドルドライブなどを介して取り付けられている。昇降底36上でのスライバパケット4の載置が終了した場合に、スライド装置38は矢印S方向にスライバパケット4に対して移動されるので、スライバパケット4はスライド装置38に直接押圧されることによって昇降底36から支持面35上へ移動される。支持面35は、基台40などの上に配置されており、基台40の上面からスライバパケット4と共に取り除いて、後続の加工装置、たとえば紡績機械または倉庫へ供給することができる。
【0015】
図11によれば、昇降プレート41が設けられており、その昇降プレートは昇降部材42、42b、たとえば制御される空気シリンダを介して矢印T、UないしV、W方向に持ち上げて、制動することができる。昇降プレート41の上面には、コンベアベルト43が設けられており、そのベルト部分は矢印X、Y方向に移動可能である。コンベアベルト43の駆動と制御は、図4に示す方法に相当する。載置の間上方のベルト部分43aが回転板2の下方で矢印X、Y方向に往復移動される。スライバが上方のベルト部分43a上にスライバパケット4として載置された後に、駆動モータ15(図4を参照)が制御装置6(図4を参照)によって制御されて、上方のベルト部分43aはスライバパケット4を回転板2の下方の載置領域8から出るように移動させて、支持面35上へ放出する。
【符号の説明】
【0016】
1 練条機
2 回転板
3 台車
4 スライバパケット
5 モータ
6 制御装置
8 載置領域
9 外部の領域
14 コンベアベルト
【特許請求の範囲】
【請求項1】
紡績準備機械における繊維載置装置において、
繊維スライバを排出する排出装置と、
該排出装置から排出された前記スライバの載置領域を含むコンベアベルトと、を具備し、前記コンベアベルトは、前記排出装置の下流に位置する水平な支持面に前記スライバを供給可能になっており、
さらに、
前記コンベアベルトを昇降させる支柱と、
該支柱が配置されていて水平方向に往復運動する台車とを具備し、
前記繊維スライバは、前記スライバを排出する前記排出装置の回転プレートが回転しつつ、前記回転プレートの下方で前記台車が水平に往復移動することによりスライバパケットとしてケンス無しで前記コンベアベルトの上方部分に形成されており、
前記繊維スライバパケットは、前記コンベアベルトの上方部分が水平方向に運動することによって前記載置領域から前記支持面まで供給される、繊維載置装置。
【請求項2】
前記繊維スライバを前記載置領域から移動させる機械的手段をさらに含む請求項1に記載の繊維載置装置。
【請求項3】
前記機械的手段が押圧装置である請求項2に記載の繊維載置装置。
【請求項4】
前記押圧装置がスライダである請求項3に記載の繊維載置装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載の繊維載置装置を含むカード機。
【請求項6】
請求項1から4のいずれか一項に記載の繊維載置装置を含む練篠機。
【請求項7】
請求項1から4のいずれか一項に記載の繊維載置装置を含んでいて、繊維を供給する紡績準備機械と繊維を受容する紡績準備機械との間に載置された繊維スライバを搬送するケンス無し搬送システム。
【請求項1】
紡績準備機械における繊維載置装置において、
繊維スライバを排出する排出装置と、
該排出装置から排出された前記スライバの載置領域を含むコンベアベルトと、を具備し、前記コンベアベルトは、前記排出装置の下流に位置する水平な支持面に前記スライバを供給可能になっており、
さらに、
前記コンベアベルトを昇降させる支柱と、
該支柱が配置されていて水平方向に往復運動する台車とを具備し、
前記繊維スライバは、前記スライバを排出する前記排出装置の回転プレートが回転しつつ、前記回転プレートの下方で前記台車が水平に往復移動することによりスライバパケットとしてケンス無しで前記コンベアベルトの上方部分に形成されており、
前記繊維スライバパケットは、前記コンベアベルトの上方部分が水平方向に運動することによって前記載置領域から前記支持面まで供給される、繊維載置装置。
【請求項2】
前記繊維スライバを前記載置領域から移動させる機械的手段をさらに含む請求項1に記載の繊維載置装置。
【請求項3】
前記機械的手段が押圧装置である請求項2に記載の繊維載置装置。
【請求項4】
前記押圧装置がスライダである請求項3に記載の繊維載置装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載の繊維載置装置を含むカード機。
【請求項6】
請求項1から4のいずれか一項に記載の繊維載置装置を含む練篠機。
【請求項7】
請求項1から4のいずれか一項に記載の繊維載置装置を含んでいて、繊維を供給する紡績準備機械と繊維を受容する紡績準備機械との間に載置された繊維スライバを搬送するケンス無し搬送システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−211429(P2012−211429A)
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−150304(P2012−150304)
【出願日】平成24年7月4日(2012.7.4)
【分割の表示】特願2009−214051(P2009−214051)の分割
【原出願日】平成15年2月6日(2003.2.6)
【出願人】(590002323)ツリュツラー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディトゲゼルシャフト (85)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年7月4日(2012.7.4)
【分割の表示】特願2009−214051(P2009−214051)の分割
【原出願日】平成15年2月6日(2003.2.6)
【出願人】(590002323)ツリュツラー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディトゲゼルシャフト (85)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]