説明

ねずみ捕り器

ねずみ捕り器(1)は、電源(80)と、ねずみを殺傷する手段(3)と、殺傷手段の届く範囲内の空間のねずみの存在を検出するようにされた第1センサとを有しており、制御手段が、第1センサからの信号を受信して、センサによってねずみの存在が検出されたときにはねずみを殺傷するために殺傷手段(3)を作動させるように配置されている。本発明のねずみ捕り器は、更に光を検出する第2センサ(85)を有しており、この制御手段は、第2センサ(85)からの信号を受信して、第2センサによって光が検出されてから所定期間、殺傷手段(3)または第1センサを止めるようになっている。これにより、地表面での周辺光や立て坑の底部での人口の作業灯を含む局所的な普通の作業灯によってねずみ捕り器の誤作動による事故を防止することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源とねずみを殺傷する殺傷手段とからなるねずみ捕り器であって、第1センサが殺傷手段の届く範囲の空間に居るねずみの存在を検出するように配置されており、制御手段が第1センサからの信号を受けるように配置されており、ねずみの存在がセンサによって検出されたときにねずみを殺傷するために殺傷手段を作動させるようになっている、ねずみ捕り器に関する。
【背景技術】
【0002】
下水システムのねずみは、衛生上や技術上の著しい問題を伴う、絶えず増大する問題である。例えば、ねずみは、下水管に孔を開けたり、管を囲む土壌に巣を作ったりすることによって損害を与える。これにより、管は、安定され漏れやすくなるかもしれない。しかし、管は、文字通り閉塞するねずみの巣によって詰まってしまったり、とても大きなねずみの巣によって取り囲む土壌がなくなると、崩壊するおそれがある。これにより、下水が周辺へとにじみ出て、病気の広がりの危険を拡大してしまう。その上、ねずみ自身も病気を広げ、そして、ねずみは長距離を移動することができるので、遺憾ながら、ねずみは、病気を広げる源となるのである。従って、健康の観点ばかりでなく、財政上の観点からも、一般のおよび下水システムに含まれるねずみを絶滅することは重要である。
【0003】
従って、ねずみを絶滅するために、機械的および化学的手段が共に用いられているが、これら両方法は、欠点を有している。例えば、ねずみは、その独特の能力によって、使われた毒に対する抵抗力を発達することが非常に簡単にでき、それ故、人類だけでなく、毒への深刻な危険に結果として望まないのに曝されてしまう多くの有用な動物にとって有毒なより攻撃的な毒を使う必要が生じるのである。
【0004】
例えば、わなを仕掛けるような純粋な機械的方法は、ねずみが高度の学習能力を持つ賢い動物であるために、欠点を有している。正確には、そのような性質は、例えば、死んだねずみが危険の明確な信号であり、結果として、そのようなわなに死んだ動物が居る場所を避けるというようなことに関して、ねずみが非常に慎重であるということを意味している。この種の行動は、そのようなわながある周辺をねずみがすぐに避けるので、機械的わなを注意深く空にし、および/または頻繁に動かす必要と関連する問題を生じる。
【0005】
欧州特許出願第1400172号から、ねずみの存在を電子的に感知する手段と、殺傷手段の作動範囲にねずみが居るとねずみを殺傷する自動手段からなる、ねずみ捕り器が知られている。
【0006】
この種のねずみ捕り器は、手動でねずみ捕り器を作動させたり空にしたりする必要なく、複数のねずみを殺傷するように作用する可能性を提供するので、非常に効率的であることが証明されている。死んだねずみは、ねずみ捕り器から取り除かれた後、下水管から消え、ねずみ捕り器は、その後再び作動されうる。
【0007】
この種のねずみ捕り器の1つの問題は、立て坑や下水管で作業する人が、ねずみ捕りが取り付けられていて作動しているということを知らずに、殺傷手段の作動領域に、例えば、手を誤って置いてしまい、これによりねずみ捕り器の殺傷手段を作動させてしまい、作業者を傷つけてしまう危険がある、ということである。欧州特許出願第1400172号によれば、このことは、下水管の機械的な障害物の使用や、光線と光線の遮断を感知する手段とによって殺傷手段をとめることによって避けることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】欧州特許出願第1400172号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記に基づいて、その安全性を向上した、下水や井戸のねずみを効率よく殺傷するねずみ捕り器を提供することが、本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的は、導入部分に記載したねずみ捕り器によって達成され、このねずみ捕り器は更に、光を検出する第2センサを備え、制御手段が、第2センサからの信号を受けることができ、殺傷手段または第1センサを、第2センサによる光の検出後所定期間止めるようになっている。
【0011】
これにより、ねずみ捕り器は、周辺光が下水管や井戸に存在するときには常に、殺傷手段を止めることができるのである。所定程度を超える光度が生じると、殺傷手段のスイッチを切る手段を備えるねずみ捕り器を提供することによって、例えば、地表面の昼の明かりや立て坑の底での人工の作業灯を含む、局部集中の作業灯でねずみ捕り器が間違って作動することによって生じる事故を防ぐことができるのである。そのような明かりで作動される安全手段は、もちろん、重ねられた井戸カバーが昼間に開けられるだけでねずみ捕り器のスイッチを切るようにされてもよい。
【0012】
本発明の実施例においては、第1センサは、赤外線を感知するようにされる。これによれば、ねずみ自身が赤外線を発するので、第1センサは、何らの照明の必要なく、暗い場所で作動する。
【0013】
これに関連して、第2センサが可視光を感知するようになっていて、制御手段が、第2センサが所定の光度を超える光を感知するか、または、第2センサが周辺光の光度が増加したことを感知すると、殺傷手段を止めるようになっていると、有利である。
【0014】
有利な実施例においては、ねずみ捕り器は、殺傷手段がねずみ捕りハウジングに含まれ、電源がねずみ捕りハウジングから分離されたバッテリハウジングに含まれたバッテリであり、電気配線がバッテリからねずみ捕りハウジングに電力を伝えるために、バッテリハウジングとねずみ捕りハウジングの間に配置されているように構成される。これにより、ねずみ捕りハウジングは、殺傷手段が井戸への下水管入口の前で正しく作動することができ、分離したバッテリハウジングがねずみ捕りハウジングの上で井戸カバーの下に取り付けられるように、立て坑に取り付けられ位置決めされるようになる。このようにして、バッテリハウジングへの簡単なアクセスが、ねずみ捕りハウジングを含むねずみ捕り器全体を取り除く必要なく提供され、同時に、例えば、制御手段やその他の感知装置を含むバッテリハウジングが下水管から離れて取り付けられる。
【0015】
当業者には、ここで開示した、そのような分離したバッテリハウジングや制御手段が、一般にねずみ捕り器に関連して、周辺光を感知するセンサを備えるかどうかにかかわらず、利用できることが容易に認識される。
【0016】
これに関連して、第3センサが光を検出するためにバッテリハウジングに取り付けられ、制御手段が、第3センサによる光の検出の後所定時間殺傷手段や第1センサを止めるために、第3センサからの信号を受けることができ、また、制御手段は、分離バッテリハウジングに有利に含まれることができる。
【0017】
実施例では、ねずみ捕り器は、例えば、地表面にある受信機へ操作パラメータを無線伝送する電子手段を更に含むことができる。
【0018】
上記したように、本発明は、井戸カバーと1つ以上の下水管入口を有する立て坑にねずみ捕り器を取り付ける新たな方法を提供する。この発明によれば、ねずみ捕りハウジングは、殺傷手段が下水管入口の前で正常に作動し、バッテリハウジングが、例えば、バッテリの充電やねずみ捕り器の状態の観察をするための簡単なアクセスを提供するようにねずみ捕りハウジングの上で井戸カバーの下に取り付けられるように、位置決めされている。
【0019】
一実施例によれば、ねずみ捕り器と好ましくはバッテリハウジングは、発射回数や例えば、ねずみ捕り器のバッテリの状態やその利用可能メモリのような作動パラメータに関する情報を記録し蓄積する電子手段を含むことができる。ねずみ捕り器を電子メモリを備えるように構成することによって、ねずみ捕り器が活動していて多くのねずみを殺傷しているのか、ねずみ捕り器が活動していないのかを、いつでも明確に示すことができる。特に、無活動の情報は、何らかの不備がありねずみ捕り器の機械的状態が点検される必要があることを示す、非常に役に立つ表示である。ねずみがねずみ捕りの近くに現れないことが分ると、ねずみ捕り器は、全く簡単に移動することができる。
【0020】
更なる実施例によれば、ねずみ捕り器またはバッテリハウジングは、例えば、地表面にある受信器に作動パラメータの無線伝達のための電子手段を備えている。作動パラメータを地表面に送ることによって、装置を手動で点検したり回収する必要を避けることができ、結果として作業者を下水システムに送る必要が制限される。
【0021】
更なる実施例によれば、ねずみ捕り器は、作動パラメータを、例えば、携帯電話網のようなネットワークに送るための電子手段を含んでいる。それ故、ねずみ捕り器は、例えば、インターネットを介して遠隔監視されたり遠隔作動される。そのような手段を備えたねずみ捕り器を提供することによって、複数のねずみ捕り器を集中して監視することができ、それ故、作業者を削減できるばかりでなく、与えられた地理的な領域におけるねずみの量に関する現在の情報のような情報の改善された数の処理を提供することができる。しかし、点検や取り付けの前にねずみ捕り器のスイッチを切ることもできる。それ故、例えば取り付けや点検の間に故意でない発射に関連する事故を避けることができる。遠隔発射することによってねずみ捕り器の機能性をテストしたり、いずれにせよ上手く作動しないならねずみ捕り器のスイッチを完全に切ることも可能である。
【0022】
携帯電話網を介した無線通信は、ケーブルを介してねずみ捕り器に接続する、例えば、地表面の小さなアンテナによって、容易に達成されうる。
【0023】
所定のレベルを超える光度が生じると殺傷手段のスイッチを切る手段を備えた上記した本発明のねずみ捕り器を提供することによって、地表面での周辺光や立て坑の底部での人口の作業灯を含む局所的な普通の作業灯によってねずみ捕り器の誤作動による事故を防止することができる。そのような光作動式の安全手段は、もちろん、重ねられた井戸カバーが昼間に開けられると単にねずみ捕り器のスイッチを切るようにされてもよい。
【0024】
その他の実施例は、従属請求項に記載されている。
【図面の簡単な説明】
【0025】
本発明は、以下の図面に基づいてより詳細に説明される。
【図1】ねずみ捕り器の実施例の構造を概略的に示す図である。
【図2】多少締められたばね機構を備えたねずみ捕り器の実施例の2つの図を概略的に示す図である。
【図3】ねずみ捕り器の実施例を概略的に示す図である。
【図4】下水管立て坑に取り付けられたねずみ捕り器の実施例を示す図である。
【図5】下水管にねずみ捕り器を取り付ける工具を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
まず、図1を参照して、本発明の実施例が詳細に説明される。ねずみ捕り器1は、スパイク3を発射し、スパイクで刺されたねずみを外すためにスパイクを引き戻すことのできる自動機構(図1には示していない)を備えている。この機構は、図2と図3を参照して以下に更に詳細に記載されている。
【0027】
図2は、ねずみ捕り器1を示している。ねずみ捕り器は、第1側と第2側を備え、第1側から第2側への多くの貫通孔を有するプレート2を備えている。ねずみ捕り器は、固定プレート4に固定される多くのスパイク3を備えている。この固定プレートは、プレートの第1側、図の上面に配置されている。スパイク3は、プレートを貫通してスライドするだけでなく、スパイクと開口がスパイクの周辺が開口の周辺に基本的に適合するようにされるように、プレート2の開口に適合されている。
【0028】
ねずみ捕り器は、スパイク3が内装自動制御によって発射され、引っ込められるように自動化されている。そのような自動制御の実施例が、図2と図3を参照して更に詳細に説明される。この発射引っ込め機構に動力を提供するために、ねずみ捕り器は、図の上部に示されるバッテリの形態の電源装置のような、動力供給源5を備えている。しかし、動力は、例えば、本線装置のようなその他の動力源から来てもよい。
【0029】
スパイクの届く範囲内の動物の存在を検出するために、ねずみ捕り器は、通常、電子センサ(図示せず)を備える。このセンサは、赤外線センサやその他の動作センサであってよいが、もちろん、他のセンサが使われることを妨げるものではない。センサは、完全に力学的なものであってもよい。
【0030】
センサが赤外線計測に基づいていれば、スパイクが当たる顔領域のほぼ中央を測定するセンサを通常配置する。しかし、検出器のセンサは、スパイクがねずみを殺傷することができると見なされる領域内のねずみの存在を検出することができるその他の測定方法、例えば、音や動きによる手段に基づいてもかまわない、しかし、上記したように、センサは、力学に基づいてもよい。
【0031】
本発明によるねずみ捕り器は、所定の光度を超える光が生じると発射機構や電子センサが中断されるような発射機構と連絡した光検出器(図示せず)を備えることができる。所定のレベルを超える光度が生じると発射機構のスイッチを切る手段をねずみ捕り器に備えることによって、地表面での周辺光や立て坑の底部での人工的な作業灯を含む通常の局所的な作業灯によってねずみ捕り器が誤作動することによる事故を防止することができる。そのような光で作動する安全手段は、もちろん、重ねられた井戸カバーが昼間に開けられると、ねずみ捕り器のスイッチを切るようにされている。
【0032】
図示したねずみ捕り器1において、発射機構は、固定プレート4と止め手段21の間に配置されるばね機構20上に設けられている。図示した機構においては、固定プレート4は、可動である。
【0033】
ばね20は、スパイク3が、発射機構が開放されたときに、ねずみがスパイクによって殺傷されるだけの速度と慣性で開口を通って動かされるようなばね力を有するように選択される。
【0034】
ねずみ捕り器1は、所定の時間の後、プレート2の開口を貫通したスパイク3を引っ込める、引っ込め機構を備えている。これにより、プレート2の裏面にスパイクで刺された(死んだ)ねずみは、取り除かれ、プレートは、止め手段として作用する。
【0035】
図示した例における、このような発射機構と引っ込め機構は、ねずみ捕り器の必要な機構部分を制御し動かすことができる電子機構に基づいており、このような機能は、図3に基づく以下の記載において更に詳細に説明される。
【0036】
図3は、以下に詳細に説明される発射引っ込め機構の実施例を概略示している。ねずみ捕り器1が使われるときには、ねずみ捕り器は、図示しないスイッチによって作動され、モータ30が、関連したねじスピンドル31を回転し始め、底に取り付けられたナット32が(図で)上方へ動き始める。もちろん、ナットは、スピンドルと共に回転しないようにジャーナル取り付けされており、本発明の図示した実施例では、これは、ナットの回転を防止する2つのアームによって達成されており、この2つのアームは、同時に、(図1に示したナットの位置よりも僅かに低い位置のような)低い開始位置からのナットの上下の動きを許容するようになっている。ねじスピンドルは、固定プレート2がスピンドルのねじに接触することなくスピンドルをたやすく上下にスライドするように固定プレート2に嵌まるのに十分な大きさを有するように固定プレート4の開口(孔)にジャーナル結合されているので、スピンドルの回転は、固定プレートに本来影響しないが、しかし、ナット32は、この開口を通ってねじスピンドルへと移動できないので、固定プレート4は、ナットが当たると、上方に引き上げられる。
【0037】
固定プレート4が上方に動くと、ばね20は圧縮され、固定プレート4が所定の位置になるまで圧縮が続き、この位置では、ばねは、スパイクの届く範囲のねずみが殺傷されるだけの力でスパイクがプレート2を突き刺すのに十分なエネルギを蓄えている。
【0038】
この位置では、固定プレートは、(図示せず)開放可能なロック機構によって引き続きロックされ、この位置では、ねずみ捕り器の電子制御装置がスピンドルの回転を止める。
【0039】
ここで、制御装置は、スピンドルの逆回転を開始し、すなわち、ナットだけが下方へ移動され、固定プレートはロックされたままである。
【0040】
ナットの下方への移動は、ナットが基本的にその下方の開始位置に到達するまで続き、続いてその回転は中断される。
【0041】
これで、ねずみ捕り器は、発射準備が整い、(例えば、ねずみの存在によって)発射が起こると、開放可能なロック機構は、固定プレート4を開放し、図示の実施例では、プレート33の形態のストッパに当たるまで下方に、高速で動かされる。
【0042】
その途中で、スパイクは、高速で大きな力を持って、プレート2の反対側から抜け出て、(プレート2の下方側で)その届く範囲のねずみを殺傷することができる。この装置の慣性を変え、ねずみ捕り器を最適化するためには、プレートは、特定の実施例によれば、錘要素を着脱できるようになっている。ねずみ捕り器が下水管に置かれるならば、死んだねずみは、最終的には、水で洗い流されるであろう。
【0043】
ねずみ捕り器はばね機構を備えて示されているが、引っ込め機構は、もちろん他の方法で構成されてもよい。例えば、ソレノイドやコイルのような電磁機構によって構成されてもよい。ソレノイドによって引っ込め機構を構成することによって、非常に早い機構を完成することができ、同様の機構がスパイクを発射するために用いられてもよい。これは、空気圧や油圧の機構であってもよい。そのような空気圧および/または液圧機構によって引っ込め機構を構成することによって、非常に早い信頼できる機構を完成することができ、これは、スパイクを発射するのにも用いられる。
【0044】
図4は、下水立て坑50の底部に配置されるねずみ捕りハウジング1からなる本発明のねずみ捕り器を示している。ねずみ捕り器1は、図示の実施例では、弾性的に下水管41に係合する可とう性の半円筒形筒状部材40である取り付け部材40に取り付けられ、取り付け部材は、管の内側に係合可能なように拡張手段を備えた半円筒形筒状部材の形態をとりうる。弾性部材40は、鉄から作られるが、プラスチックのようなその他の材料が使われてもよい。
【0045】
その応力を受けない状態では、弾性の筒状部材40は、下水管41の内径をわずかに超える外径を有している。これにより、ねずみ捕り器は、筒状部材40が下水管41に挿入されるのに適した範囲に筒状部材40を圧縮するねずみ捕り取り付け具によって簡単に固定されるのである。そして、取り付け具は、筒状部材40を下水管41に挿入し、それを離し、これにより、筒状部材40は、弾性的に下水管41の内側に係合する。部材40は弾性材料から作られるものとして記載されているが、例えば、機械的に拡大するスリーブの様な、当業者に公知のその他の解決法が用いられてもよい。説明のために、ねずみ捕り器は、スパイクを除いて示されているが、もちろん、ねずみ捕り器が修理されるのでなければ、このようなことはない。
【0046】
図4は、ねずみ捕り器の一部であるが、ねずみ捕りハウジング1から分離した、分離バッテリハウジング80を示しており、この実施例では、バッテリハウジングは、バッテリ(図示せず)と、ねずみ捕り器のための電子制御装置(図示せず)を含んでいる。バッテリからねずみ捕りハウジング1へ動力を供給するために、電気配線が配置されており、これはまた、様々なセンサとねずみ捕りハウジング1に存在するその他の装置を電子制御装置に接続するために配置されている。バッテリハウジング80は更に、ねずみ捕り器の状態に関する情報を表示するための表示装置83と同様に、電子制御装置をプログラミングするためのキーボード82を備えている。この情報は、例えば、殺傷したねずみの数および/またはバッテリ充電を示す表示となっている。バッテリハウジング80は、井戸の上部に取り付けられたブラケット84に配置されており、その結果、ねずみ捕り器の監視とバッテリの交換が、ねずみ捕りハウジングを取り除く必要なしに容易に達成できる。
【0047】
本開示において提案される分離バッテリハウジングの実施例と同様に、分離バッテリハウジングは、ねずみを殺傷するために一般に動力付きの手段を有するねずみ捕り器に適用可能であり、本発明によって開示される光センサを有しても有していなくてもよい。当業者は、上記した分離バッテリハウジングや例えば、分離制御装置を有することによって提供される利点は、一般のねずみ捕り器に関連して得られることを容易に認識するであろう。
【0048】
更に、バッテリハウジングは、例えば、井戸カバーが下水管立て坑から取り除かれると、ねずみ捕り器を止めるために、電子制御装置に接続された光センサ85を有している。
【0049】
図5は、ねずみ捕り器を下水管の立て坑に取り付けるための工具を示しており、その機能性は更に詳しく、以下に説明される。工具は、2つの部分、ハンドル部分60と止め板70からなる。更に、図は、弾性的な筒状部材40を示している。上で説明したように、ねずみ捕り器は、筒状部材40上に通常配置され、明瞭にするために、このことは、図5では示されていない。
【0050】
ハンドル部分は、取り付けピン61を備えており、これは、図示の実施例では、3つの部分62、63、64に分割されており、その中間部分63だけがねじを備えている。取り付けピンは、そのねじが止め板の対応するねじに噛み合うように、止め板70に適合されており、ねじ63の後に置かれる取り付けピン64のねじのない部分は、止め板の厚みに適合されて、取り付けピン62、63、64は、取り付けピン61上のねじ63が止め板のねじに係合しない程度に止め板70に回し入れられる。止め板同様に、弾性の筒状部材40は、取り付けピン60のねじに噛み合うねじを備えている。このねじは、(図で示されているように)ナット65で構成されうるが、もちろん、このねじは、その他の様々な方法で作られてもよい。
【0051】
工具が使われるときには、止め板70を取り付けピン61上に取り付け、ねじがもはや係合していないようになるまで引き続き回転する。そして、取り付けピンのねじ63を筒状要素40上のナットにねじ込み、これにより、筒状部材40は、止め板の凸状部に引き込まれる。この過程において、筒状部材40は、変形される(圧縮される)。取り付け具は、ねずみ捕り器が取り付けられた(図示せず)下水管に、筒状部材40が圧入されうるまで、この変形を継続し、これに続いて、取り付けピンを筒状部材40との係合から外すように単に回して、ねずみ捕り器を分離する。
【0052】
止め板70が取り付けピンに、例えば、(ねじ部63の頂面または対応する場所に配置される)公知の割ピン装置によって、様々に固定されうるのではあるが、図5に示した実施例は、止め板の様々なサイズ(異なる直径や曲率)が、同じ取り付けピン61に取り付けられうるという利点と関連している。これにより、取り付け具は、下水管に取り付けられるべき(ねずみ捕り器を備えた)筒状要素49の大きさに対応して選択された、複数の異なる(直径と曲率の異なる)止め板に使われるただ一つのハンドル部分を必要とする。
【0053】
ねずみ捕り器は、ねずみ捕り器が下水管に取り付けられるものとして説明されたが、もちろん、ねずみ捕り器は、その他の場所に使うことができる。もちろん、ねずみ以外の他の動物を殺傷するために使われてもよい。上述の例において電子センサは、単一のセンサとして記載されたが、動物の存在は、もちろん、例えば、動き、光および/または熱の検出のような様々な検出に基づいて検出されてもよい。ねずみ捕り器の的中精度は、(動きと熱の両方が検出されねばならないような)ねずみ捕りが発射される前に実施される1つ以上の検出判定基準に発射を従属させることによって、向上される。加速の正確な検出のための電子/光学センサが、スパイクの半径内の生命の信号を検出するために使われ得る。
【0054】
1つの実施例によれば、ねずみ捕り器は、画像やその他のパラメータを、例えば、携帯電話網のようなネットワークに伝送するための電子手段を備えている。これにより、ねずみ捕り器は、例えば、インターネットを介して視覚的に遠隔監視することができ、従って、例えば、ねずみ捕り器を遠隔発射させることによって、ねずみ捕り器の周辺やねずみ捕り器の機能を視覚点検することができる。ねずみ捕り器の機能を監視することは、もちろん、例えば、電子的な方法のような他の公知の方法で行ってもよい。
【0055】
ねずみ捕り器は、自身で空にする装置であり、これによりその他のねずみ捕り器よりも管理が集中的でないが、ねずみ捕り器は、その他の監視のための手段を有利に備えることができる。例えば、ねずみ捕り器は、水位、流量、流れ、水質/水質汚染、ペーハー値や温度を監視して連続的に記録するような仕事をする1つ以上の手段を備えてもよい。ねずみ捕り器は、測定データの比較をしたり、測定パラメータの1つ以上が許容基準値を外れると警告を発する、例えば、基準値を有するデータ記憶装置を備えてもよい。このような警告は、音や、光や、無線信号などによって、例えば、携帯電話網を介して生じる。ねずみ捕り器が、井戸の水質の分析などのような監視仕事を行うために用いられるならば、その結果は、無線技術によって電子的に保存され伝達されうるが、もちろん、その結果は、ワイヤや光ファイバなどの既存の他の技術によって、ねずみ捕り器から受信機に伝達されてもかまわない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
・電源と、
・ねずみを殺傷する殺傷手段と、
・殺傷手段の届く範囲内の空間のねずみの存在を検出するようにされた第1センサと、
・第1センサからの信号を受信して、センサによってねずみの存在が検出されたときにはねずみを殺傷するために殺傷手段を作動させるようになっている制御手段とを備えた、ねずみ捕り器であって、該ねずみ捕り器は、
更に光を検出する第2センサを有しており、前記制御手段は、第2センサからの信号を受信して、第2センサによって光が検出されてから少なくとも所定期間、前記殺傷手段または第1センサを止めるようになっていることを特徴とする、ねずみ捕り器。
【請求項2】
前記第1センサは、赤外線を感知するようになっていることを特徴とする、請求項1に記載のねずみ捕り器。
【請求項3】
前記第2センサは、可視光を感知するようになっていることを特徴とする、請求項1または2に記載のねずみ捕り器。
【請求項4】
前記制御手段は、前記第2センサが所定の光度を超える光を感知したときに、殺傷手段を止めるようになっていることを特徴とする、請求項1、2または3に記載のねずみ捕り器。
【請求項5】
前記制御手段は、前記第2センサが周辺光の光度が増加したことを感知すると、殺傷手段を止めるようになっていることを特徴とする、請求項1、2または3に記載のねずみ捕り器。
【請求項6】
前記殺傷手段は、ねずみ捕りハウジングに含まれており、前記電源は、ねずみ捕りハウジングから分離したバッテリハウジングに含まれたバッテリであり、バッテリからねずみ捕りハウジングに動力を伝えるために、バッテリハウジングとねずみ捕りハウジングの間に電線が配置されていることを特徴とする、請求項1、2、3、4または5に記載のねずみ捕り器。
【請求項7】
前記第2センサは、ねずみ捕りハウジングに取り付けられることを特徴とする、請求項6に記載のねずみ捕り器。
【請求項8】
第3センサが光を検出するためにバッテリハウジングに取り付けられており、前記制御手段は、前記第3センサによる光の検出後所定時間、前記殺傷手段または前記第1センサを止めるために、前記第3センサからの信号を受信することができることを特徴とする、請求項5に記載のねずみ捕り器。
【請求項9】
前記制御手段は、バッテリハウジングに含まれることを特徴とする、請求項6、7または8に記載のねずみ捕り器。
【請求項10】
前記ねずみ捕り器は、地表面で作用パラメータの受信機への無線伝達のための電子手段を備えていることを特徴とする、請求項9に記載のねずみ捕り器。
【請求項11】
井戸カバーと1つ以上の下水管入口を有する下水管立て坑に、請求項6、7、8、9または10に記載のねずみ捕り器を取り付ける方法であって、前記ねずみ捕りハウジングは、前記殺傷手段が下水管入口の前で正常に作動することができるように位置決めされ、前記バッテリハウジングは、ねずみ捕りハウジングの上で前記井戸カバーの下に取り付けられることを特徴とする、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2011−510668(P2011−510668A)
【公表日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−545362(P2010−545362)
【出願日】平成20年2月6日(2008.2.6)
【国際出願番号】PCT/EP2008/051456
【国際公開番号】WO2009/097898
【国際公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【出願人】(509111227)ピーエーエフ ホールディングス エイピーエス (3)
【Fターム(参考)】