説明

ばら荷のための貯蔵貨車

ばら荷のための貯蔵貨車(1)は、レール走行装置(2)上で走行可能で、貨車長手方向に延びるフロアベルトコンベヤ(6)を備えた積載コンテナ(5)と、フロアベルトコンベヤに接続し、貯蔵されたばら荷を搬送方向(8)に見て前置された別の貯蔵貨車に引き渡すための中継ベルトコンベヤとを有している。積載コンテナ(5)の上端部(19)には、貨車長手方向に延びる補助ベルトコンベヤ(20)が配置されている。この補助ベルトコンベヤ(20)は、駆動装置(21)を介して、貨車長手方向で使用位置に移動するようになっており、この使用位置では、ばら荷を収容するための、搬送方向(8)に関して後方の収容端部(22)が、軌道(3)の直ぐ上に位置決めされており、投下端部(12)が、フロアベルトコンベヤ(6)の上方に位置決めされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ばら荷のための貯蔵貨車に関する。この貯蔵貨車は、レール走行装置上で走行可能な、貨車長手方向に延びるフロアベルトコンベヤを備えた積載コンテナを有しており、貯蔵されたばら荷を搬送方向に見て前置された別の貯蔵貨車に引き渡すための中継ベルトコンベヤを有しており、この中継ベルトコンベヤは、フロアベルトコンベヤに接続し、前方の車両端部の上方に突出している。
【0002】
既にドイツ連邦共和国特許公報第4104877号明細書において、このような貯蔵貨車が公知である。この貯蔵貨車は、作業中に、同形の任意の数の貨車と連結して積込貨車列を形成することができる。この貯蔵貨車の後方の端部付近に補助ベルトコンベヤが取り付けられており、この補助ベルトコンベヤは、中継ベルトコンベヤの機能を部分的または完全に担う。
【0003】
そこで本発明の課題は、独立請求項の上位概念に記載したような貯蔵貨車を改良して、付加的な積込手段が必要に応じて作動できるものを提供することである。本発明によれば、この課題は、独立請求項の特徴部に記載の構成を有する貯蔵貨車によって解決される。
【0004】
そのように形成された補助ベルトコンベヤを用いると、有利には、必要に応じて、作業現場付近において、特別に形成された中継貨車を使用せずとも、ばら荷をたとえばパワーショベルから受け取り、積載コンテナに貯蔵することができる。そのために要求される装備変更は、極めて容易かつ迅速に、単に補助ベルトコンベヤの長手方向移動によって行うことができる。特に有利には、静止位置における補助ベルトコンベヤが貯蔵貨車の確かな利点を損なうことはない。
【0005】
本発明のさらなる利点および構成は、従属請求項と図面とから判る。以下に、本発明を、図示した実施の形態について詳述する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】補助ベルトコンベヤを備えた貯蔵貨車と別の貯蔵貨車とを示す概略側面図である。
【図2】補助ベルトコンベヤをその作業位置で示す拡大側面図である。
【図3】図1の線IIIに沿った概略横断面図である。
【図4】補助ベルトコンベヤの下側の区分を示す投影図である。
【0007】
図1および図2に示した貯蔵貨車1は、主に、2つのレール走行装置2を介して軌道3上を走行可能な貨車枠4と、この貨車枠4に結合された積載コンテナ5とから成る。貨車長手方向に延びるフロアベルトコンベヤ6は、積載コンテナ5の床面を形成していて、搬送方向もしくは運搬方向8に動かすための駆動装置7を有している。積載コンテナ5の、この運搬方向8に関して前方の端部9に中継ベルトコンベヤ10が設けられており、この中継ベルトコンベヤ10は、フロアベルトコンベヤ6の投下端部の下方でこのフロアベルトコンベヤ6に接続していて、貨車枠4に支承されている。この中継ベルトコンベヤ10は、斜め上方に向かって案内されていて、前方の貨車端部の上方に突出して形成されていて、駆動装置13を備えている。
【0008】
図1に示したように、連結装置14によって、同形に形成された任意の数の貯蔵貨車1が連結して、ばら荷17を貯蔵し、かつ/または搬送方向8に運搬することのできる、軌道3上を走行可能な運搬設備15を成す。貯蔵貨車1がこのように相互的に連結すると、個々の貨車の、互いに端部側で重なり合うフロアベルトコンベヤ6と中継ベルトコンベヤ10とが、連続したベルトコンベヤ路を形成し、この場合ばら荷17は、中継ベルトコンベヤ10の投下端部から、運搬方向に見て前置された貯蔵貨車1のフロアベルトコンベヤ6にそれぞれ引き渡される。
【0009】
ベルトコンベヤ6,10の高い運搬速度では、ばら荷17は、積載コンテナ5を通って、専ら運搬方向8もしくは運搬設備15の長手方向に連続的に運搬される。これに対してフロアベルトコンベヤ6の駆動装置7が低い回転速度に切り換えられると、それによってばら荷の山が形成され、したがってばら荷17がこの積載コンテナ5に貯蔵される。
【0010】
1積載コンテナ5の上端部19には、貨車長手方向で、フロアベルトコンベヤ6に対して平行に延びる補助ベルトコンベヤ20が静止位置(図1および図3参照)に配置されている。この補助ベルトコンベヤ20はローラ18上に支承されていて、駆動装置21によって使用位置に、貨車長手方向に移動可能である。別の駆動装置26は、補助ベルトコンベヤ20を循環運動させる。補助ベルトコンベヤ20の長さは、フロアベルトコンベヤ6のほぼ半分の長さに相当する。
【0011】
図2において実線で示した補助ベルトコンベヤ20の使用位置では、搬送方向8に関して後方の収容端部22が、軌道3の直ぐ上に配置されている。フランジ付きローラ24を備えた旋回可能な支持部23によって、軌道3上での直接の支持が可能である。収容端部22には、ばら荷ホッパ16が設けられている(図4参照)。
【0012】
補助ベルトコンベヤ20の収容端部22は、非運転位置(図2の一点鎖線参照)では、水平面に関して、フロアベルトコンベヤ6の収容端部11に対して間隔eを有して配置されており、この間隔eは積込高さLの1〜2倍に相当する。
【0013】
使用位置では、補助ベルトコンベヤ20の投下端部12は、フロアベルトコンベヤ6の収容端部11の上方に位置する。投下端部12は、使用位置では、フロアベルトコンベヤ6に対して鉛直の間隔d1を有して配置されており、この間隔d1は、突出した中継ベルトコンベヤ10の投下端部25とフロアベルトコンベヤ6との間の鉛直の間隔d2に相当する。したがって投下端部12は、隣接する貯蔵貨車1の中継ベルトコンベヤ10の投下端部25が存在する位置を占める(図1参照)。これによって択一的に、フロアベルトコンベヤ6の高い速度では、ばら荷を連続的に搬送し、ベルトが減速されると、ばら荷を無制限の高さに貯蔵することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ばら荷(17)のための貯蔵貨車(1)であって、レール走行装置(2)上で走行可能で貨車長手方向に延びるフロアベルトコンベヤ(6)を備えた積載コンテナ(5)が設けられており、貯蔵されたばら荷(17)を搬送方向(8)に見て前置された別の貯蔵貨車(1)に引き渡すための中継ベルトコンベヤ(10)が設けられており、該中継ベルトコンベヤ(10)は、前記フロアベルトコンベヤ(6)に接続し、前方の貨車端部の上方に突出している形式のものにおいて、
前記積載コンテナ(5)の上端部(19)に、貨車長手方向に延びる補助ベルトコンベヤ(20)が配置されており、該補助ベルトコンベヤ(20)は、駆動装置(21)によって貨車長手方向で使用位置に移動するようになっており、該使用位置では、ばら荷を収容するための、搬送方向(8)に関して後方の収容端部(22)が、軌道(3)の直ぐ上に位置決めされるようになっており、投下端部(12)が、前記フロアベルトコンベヤ(6)の上方に位置決めされるようになっていることを特徴とする、貯蔵貨車。
【請求項2】
前記補助ベルトコンベヤ(20)は、非運転位置では、前記フロアベルトコンベヤ(6)に対して平行に配置されている、請求項1記載の貯蔵貨車。
【請求項3】
前記補助ベルトコンベヤ(20)の長さが、前記フロアベルトコンベヤ(6)のほぼ半分の長さに相当するように形成されている、請求項1または2記載の貯蔵貨車。
【請求項4】
前記補助ベルトコンベヤ(20)の前記投下端部(12)は、使用位置では、前記フロアベルトコンベヤ(6)に対して鉛直の間隔d1を有して配置されており、該間隔d1は、突出している前記中継ベルトコンベヤ(10)の投下端部(25)と前記フロアベルトコンベヤ(6)との間の鉛直の間隔d2に相当する、請求項1から3までのいずれか1項記載の貯蔵貨車。
【請求項5】
前記補助ベルトコンベヤ(20)の前記収容端部(22)の付近に、前記軌道(3)上に載せるためのフランジ付きローラ(24)を備えた支持部(23)が設けられている、請求項1記載の貯蔵貨車。
【請求項6】
前記補助ベルトコンベヤ(20)の前記収容端部(22)に、ばら荷ホッパ(16)が配置されている、請求項1記載の貯蔵貨車。
【請求項7】
前記補助ベルトコンベヤ(20)の前記収容端部(22)は、非運転位置では、水平面に関して、前記フロアベルトコンベヤ(6)の前記収容端部(11)に対して間隔eを有して配置されており、該間隔eは、積込高さLの1〜2倍に相当する、請求項1記載の貯蔵貨車。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2010−526699(P2010−526699A)
【公表日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−506814(P2010−506814)
【出願日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【国際出願番号】PCT/EP2008/002638
【国際公開番号】WO2008/138432
【国際公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【出願人】(390014421)フランツ プラツセル バーンバウマシーネン−インズストリーゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング (29)
【氏名又は名称原語表記】Franz Plasser Bahnbaumaschinen−Industriegesellschaft m.b.H.
【住所又は居所原語表記】Johannesgasse 3,Wien 1,Austria
【Fターム(参考)】