説明

ばら荷を調量しながら充填する装置

ばら荷を調量しながら充填する装置であって、当該装置は、調量開口(14)を閉じるための閉鎖ヘッド(18)を備えかつ中空円筒形の調量管(12)内に配置された、該調量管(12)の縦軸線(L)の方向に運動可能な調量スクリュー(16)を有し、該閉鎖ヘッド(18)は、略円錐形の搬出面(20)を備えるものにおいて、前記調量管(12)は、前記調量開口(14)の下流側で、該調量管(12)の内径(dRi)よりも大きな内径(DMi)を有する中空円筒形の開口片(32)に移行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ばら荷を調量しながら充填する装置であって、調量開口を閉じるための閉鎖ヘッドを備えかつ中空円筒形の調量管内に配置された、調量管の縦軸線の方向に運動可能な調量スクリューを有し、閉鎖ヘッドは、略円錐形の搬出面を備えるものに関する。
【0002】
欧州特許第1582467号明細書において、特に狭い袋、いわゆるスティックパッケージにばら荷を充填するための調量装置が公知である。そこでは、ロールフィルムから袋が形成され、袋に、管状に形成された調量装置が進入する。
【0003】
このような装置は、軸方向に可動で回動可能な調量スクリューを内側に備えた、鉛直方向に延在する調量管を備えている。袋または他の容器に充填されるばら荷は、上側で、調量管に導入され、調量管の下側端部で、調量スクリューにより調量位置で袋に搬入される。流れを中断し、分配するために、調量管の下側端部は、閉鎖手段により閉鎖可能である。
【0004】
このような調量装置の問題によれば、調量される製品が、調量装置の開いた状態で、閉鎖円錐部を通って袋の内側に向けられることである。その際、充填物の粒子が袋内壁に付着したままになる。この粒子により、特にそのあとで袋を閉じることになる横方向シール目の品質および緊密性が損なわれることがある。したがって一般的な調量装置では、横方向シール目を形成するために用いられる袋の部分が調量装置を通過する時点において調量装置が既に閉じられているように、保証する必要があり、そうすると汚れが生じない。通常、提供される調量時間が機械性能もしくは存在するサイクル数を制限するので、調量装置の早期の閉鎖により、存在する機械能力が低下する。
【0005】
充填に際して袋の上側部分で袋内壁に付着しないように調量されるばら荷が袋内に向けられる調量装置が、所望される。
【0006】
発明の開示
したがって本発明の課題は、冒頭で述べたようなばら荷を調量しながら充填する装置を改良して、袋、特に狭い袋、いわゆるスティックパッケージを充填する際に、横方向シール目を形成するために用いられる袋内壁の上側部分にできるだけ僅かな充填物しか付着しないか、または充填物が付着しないようなものを提供することである。これにより袋の品質および緊密性は改善される。袋内壁が汚れないことにより、特に袋が横方向シール目により閉じられる時点の直前まで、調量装置を開いたままにすることができるので、機械の作業サイクルのできるだけ大きな時間窓が調量のために提供され、したがって機械のサイクル数を高めることができる。
【0007】
この課題を解決するために、本発明によれば、調量管は、調量開口の下流側で、調量管の内径よりも大きな内径を有する中空円筒形の開口片に移行する。
【0008】
調量管と閉鎖ヘッドとの間の良好なシールを提供するために、閉鎖ヘッドは、円筒形の外周面を備え、外周面は、閉鎖位置で、調量開口の付近で、実質的に調量管の円筒形の内壁に接触する。
【0009】
好適には、開口片は、開放位置で、閉鎖ヘッドから縦軸線の方向に所定の寸法だけ突出する。
【0010】
開口片の円筒形の内壁への調量管の円筒形の内壁の移行部が、好適には、円錐台形の移行面として形成されており、円錐台形の移行面の開放角度は、閉鎖ヘッドの円錐形の搬出面の開放角度よりも大きい。
【0011】
開口片の内径と調量管の内径との差により形成されたリングギャップの面積が、好適には、開放位置における調量スクリューのいわゆる調量面よりも大きい。
【0012】
開口片は、好適には、インサートの一部として、調量管に交換可能に取り付けられており、その際、調量開口は、インサートの一部であってよい。
【0013】
本発明によるばら荷を調量しながら充填する装置は、あらゆるばら荷、特に100分の数mm〜10分の数mmの直径の比較的小さな粒サイズを有するばら荷に適している。好適には、ばら荷を調量しながら充填する装置は、医薬品分野および食品分野において用いられ、たとえば粉末状の薬、砂糖または香辛料を充填するために用いられる。ばら荷は、好適には袋、特に鉛直方向に製造されるチューブ袋または縁シール袋に包装される。また別の包装タイプを用いてもよい。
【0014】
本発明の別の利点、特徴および詳細は、以下の好適な実施の形態の説明ならびに図面の記載から明らかである。図面は、単に説明のために用いるものであり、本発明を制限するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】閉鎖位置において上昇した調量スクリューを備えた調量装置の調量部分を示す縦断面図である。
【図2】開放位置において降下した調量スクリューを備えた図1の調量装置の調量部分を示す縦断面図である。
【図3】図1の調量装置の調量スクリューの調量面を示す図である。
【図4】方向yにみて図2の調量装置の調量部分の下側端部を示す図である。
【0016】
好適な実施の形態の説明
図1および図2に部分的に示す、チューブ袋、特にいわゆるスティックパッケージにばら荷を調量して充填する調量装置10は、鉛直方向に位置決めされた縦軸線Lと調量管の下側端部に調量開口14とを有する、中空円筒形に形成された調量管12を備えている。調量管12の内側には、調量管12に対して同軸的に配置された、軸方向に移動可能で自体の縦軸線を中心に回動可能な調量スクリュー16が設けられている。調量スクリュー16の外径は、調量管12の内径dRiと実質的に同じ大きさである。
【0017】
調量スクリュー16は、調量開口14の傍の端部に、調量方向にみて円錐形に拡幅する円錐形の搬出面20を備えている。円錐形の搬出面20に、円筒形の外周面22が続いている。閉鎖ヘッド18の外周面22の直径は、実質的に調量スクリュー16の直径もしくは調量管12の内径dRiに相当する。調量スクリュー16の閉鎖位置では、円筒形の外周面22は、実質的に調量管12の内壁13に接触する。円筒形の外周面22は、閉鎖面取部24を介して、閉鎖ヘッド18の自由端部を形成する閉鎖ヘッド底部26に移行する。閉鎖ヘッド18は、本態様では、調量スクリュー16の自由端部にねじ止めされている。
【0018】
調量開口14の付近で、調量管12は、調量管12に対して同軸的に配置されたインサート28と結合されている。インサート28の端部は、中空円筒形の接続部30として、接続部30の円筒形の内壁34が調量管12の円筒形の内壁13に整合するように、調量管12に固定されている。したがって接続部30は、内壁13を備えた調量管12の一部となり、図示の態様では、調量管12の調量開口14を備えている。
【0019】
調量開口14では、インサート28の接続部30は、中空円筒形の開口片(マウスピース)32に移行する。開口片32を備えたインサート28は、図示の態様では、接続部30を介して調量管12に挿入されていて、調量管12に摩擦力結合により保持されている。接続部30は、場合によっては分離可能な接着剤を介して接着してもよい。択一的に、インサート28は、調量管12にねじ止めしても、または別の手段を用いて調量管12に取り付けてもよい。
【0020】
開口片32の内径DMiは、調量管12もしくは接続部30の内径dRiよりも大きい。開口片32の円筒形の内壁36への接続部30の円筒形の内壁34の移行部は、円錐台形の移行面38として形成されている。円錐台形の移行面38の開放角度α1は、閉鎖ヘッド18の円錐形の排出面20の開放角度α2よりも大きいので、調量管12もしくは接続部30における調量開口14が開いた状態で、排出面20と移行面38との間に拡開する通路が形成される。移行面38の開放角度α1が閉鎖ヘッド18の円錐形の排出面20の開放角度α2と同じまたはこれよりも小さな場合には、調量されるべき充填物はブロックされ得る。
【0021】
開口片32の内径DMiは、できるだけ大きく選択されており、その際、最大許容内径は、壁厚を維持しながら開口片32の必要な形状強度および耐摩耗性が依然として保証されるように、設計される。開口片32の外壁33は、実質的に調量管12の外壁11と整合している。開口片32は、自由端部で、閉鎖面取部40を備えている。
【0022】
開口片32の、調量管12の内径dRiよりも大きな内径DMiにより、縦軸線Lに対して直交する1平面に調量管12を縦軸線L方向に投影すると、調量管12の内壁13と開口片32の内壁36との間にリングギャップ42が形成される。
【0023】
リングギャップ42により形成される、充填物の通過横断面を規定するリングギャップ面A(図4)は、少なくとも、スクリュー直径とスクリューピッチと頂部幅(フライト幅)とスクリュー芯とにより設定される調量面B(図3)、つまり調量スクリュー16の開放状態で充填物が流出する面に対して少なくとも同じ大きさであるか、またはこれより大きい。リングギャップ面Aが調量面Bよりも小さな場合には、調量されるべき充填物はブロックされ得る。
【0024】
調量管12の周りにロールフィルムを巻装することにより形成されるチューブフィルム44から成る袋46を充填する際に、ロールフィルムから成形され、調量管12もしくは開口片32の外壁12,33に密着するチューブフィルム44は、図2に矢印で示唆するように、調量管12の縦軸線Lの方向に引き出される。充填過程が終わるごとに、充填された袋46は、引出方向に対して横向きに設置されたシール接合部48により閉じられる。
【0025】
開口片32の長さは、調量スクリュー16の開放状態で、つまり調量スクリュー16が外方へ移動した状態で、閉鎖ヘッド底部26に対する開口片32の自由端部の突出量eが、充填物がチューブフィルム44の内側面ではなく開口片32の内壁に向けられるのに丁度適切であるように、設定されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ばら荷を調量しながら充填する装置であって、
当該装置は、調量開口(14)を閉じるための閉鎖ヘッド(18)を備えかつ中空円筒形の調量管(12)内に配置された、該調量管(12)の縦軸線(L)の方向に運動可能な調量スクリュー(16)を有し、該閉鎖ヘッド(18)は、略円錐形の搬出面(20)を備えるものにおいて、
前記調量管(12)は、前記調量開口(14)の下流側で、該調量管(12)の内径(dRi)よりも大きな内径(DMi)を有する中空円筒形の開口片(32)に移行することを特徴とする、ばら荷を調量しながら充填する装置。
【請求項2】
前記閉鎖ヘッド(18)は、円筒形の外周面(22)を備え、該外周面(22)は、閉鎖位置で、前記調量開口(14)の付近で、実質的に前記調量管(12)の円筒形の内壁(13)に接触する、請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記開口片(32)は、開放位置で、前記閉鎖ヘッド(18)から縦軸線(L)の方向に寸法(e)だけ突出する、請求項1または2記載の装置。
【請求項4】
前記開口片(32)の円筒形の内壁(36)への前記調量管(12)の円筒形の内壁(13)の移行部が、円錐台形の移行面(38)として形成されており、該円錐台形の移行面(38)の開放角度(α1)は、前記閉鎖ヘッド(18)の前記円錐形の搬出面(20)の開放角度(α2)よりも大きい、請求項1から3までのいずれか1項記載の装置。
【請求項5】
前記開口片(32)の内径(DMi)と前記調量管(12)の内径(dRi)との差により形成されたリングギャップ(42)の面積(A)が、開放位置における前記調量スクリュー(16)の調量面(B)よりも大きい、請求項1から4までのいずれか1項記載の装置。
【請求項6】
前記開口片(32)は、インサート(28)の一部として、前記調量管(12)に交換可能に取り付けられている、請求項1から5までのいずれか1項記載の装置。
【請求項7】
前記調量開口(14)は、前記インサート(28)の一部である、請求項6記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2013−509341(P2013−509341A)
【公表日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−537333(P2012−537333)
【出願日】平成22年9月28日(2010.9.28)
【国際出願番号】PCT/EP2010/064361
【国際公開番号】WO2011/051066
【国際公開日】平成23年5月5日(2011.5.5)
【出願人】(390023711)ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング (2,908)
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
【住所又は居所原語表記】Stuttgart, Germany
【Fターム(参考)】