説明

ふとん乾燥機

【課題】高温の風やふとん乾燥マットが人に接触し続けることを防止できるふとん乾燥機を提供する。
【解決手段】ふとん乾燥マット3に風を送る送風機8と、風を加熱する発熱体9と、ふとん乾燥マット3近傍の検出領域における人の存否を検知する人感センサ15と、人感センサ15が人を検知した場合に、風の加熱を停止するように発熱体9を制御する制御部16と、を備えた。これによって、高温の風やふとん乾燥マット3が人に接触し続けることを防止できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ふとん乾燥機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ふとん乾燥機として、送風圧力を圧力センサで検知して、送風温度を制御するものが提案されている。このふとん乾燥機によれば、ふとんを乾燥させている最中にふとん乾燥マット上で人が就寝してしまった場合、ふとん乾燥マットに高温の風が送られることを防止し得る(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−346053号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1記載のものにおいては、ゆっくりした動作の高齢者、身長が低くて体重の軽い子供、小動物等がふとん乾燥マット上に乗っても、圧力センサが反応しない場合がある。この場合、高温の風がふとん乾燥マットに送り続けられる。また、人がふとん乾燥マットの表面に静かに接触しただけでも、高温の風がふとん乾燥マットに送り続けられる。これらの場合、高温の風やふとん乾燥マットが人に接触し続ける。
【0005】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、その目的は、高温の風やふとん乾燥マットが人に接触し続けることを防止できるふとん乾燥機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係るふとん乾燥機は、ふとん乾燥マットに風を送る送風機と、前記風を加熱する発熱体と、前記ふとん乾燥マット近傍の検出領域における人の存否を検知する人感センサと、前記人感センサが人を検知した場合に、前記風の加熱を停止するように前記発熱体を制御する制御部と、を備えたものである。
【発明の効果】
【0007】
この発明によれば、高温の風やふとん乾燥マットが人に接触し続けることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】この発明の実施の形態1におけるふとん乾燥機の斜視図である。
【図2】この発明の実施の形態1におけるふとん乾燥機の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
この発明を実施するための形態について添付の図面に従って説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
【0010】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1におけるふとん乾燥機の斜視図である。
【0011】
図1において、1は敷きふとんである。敷きふとん1の上面には、掛けふとん2が掛けられる。敷きふとん1と掛けふとん2との間には、ふとん乾燥マット3が挟まれる。ふとん乾燥マット3は、チューブ状又は袋状の軟質材で形成される。ふとん乾燥マット3の一縁部には、差込口4が形成される。差込口4には、面ファスナ5が設けられる。ふとん乾燥マット3の表面及び裏面の全面又は一部には、開口部(図示せず)が設けられる。
【0012】
6はふとん乾燥機本体である。ふとん乾燥機本体6には、温風供給装置7が内蔵される。温風供給装置7は、送風機8と発熱体9とを備える。ふとん乾燥機本体6には、安全装置(図示せず)が設けられる。安全装置は、過温度防止装置(図示せず)や過電流検知装置(図示せず)等を備える。
【0013】
ふとん乾燥機本体6の前方上部には、ジャバラホース10が接続される。ジャバラホース10の先端には、吹出口11が設けられる。ふとん乾燥機本体6の上面の中央一側には、操作部12が設けられる。操作部12には、複数のスイッチ13が設けられる。スイッチ13は、「ふとん乾燥」、「ダニ退治」、「送風」、「とりけし」などの運転コースを選択するためのものである。
【0014】
ふとん乾燥機本体6の上面の後部には、ランプ14が設けられる。ふとん乾燥機本体6の上面の前部には、人感センサ15が設けられる。操作部12、ランプ14、人感センサ15は、制御部16に接続される。制御部16は、操作部12で操作されたスイッチ13の種類に基づいて、温風供給装置7等を制御する機能を備える。
【0015】
次に、図2を用いて、人感センサ15を具体的に説明する。
図2はこの発明の実施の形態1におけるふとん乾燥機の斜視図である。
【0016】
図2に示すように、人感センサ15は、ガイド部15a、搭載部15b、センサ部15cからなる。
【0017】
ガイド部15aは、一対の棒体からなる。ガイド部15aは、発熱体9とジャバラホース10との間の風路(図示せず)を避けるようにふとん乾燥機本体6の両側に支持される。ガイド部15aは、ふとん乾燥機本体6に対して鉛直方向に移動自在に設けられる。
【0018】
搭載部15bは、ガイド部15aの上端に連結される。搭載部15bの上部は、上方に凸となる半球状に形成される。搭載部15bの上部の一部には、切り欠きが形成される。切り欠きは、搭載部15bの上部の下縁部一側から上端部に向けて形成される。
【0019】
センサ部15cの一部には、検出端部が設けられる。センサ部15cは、検出端部を搭載部15bの切り欠き内に配置させた状態で、搭載部15bの上部と下部との間に配置される。センサ部15cは、搭載部15bの上部とともに、モータ(図示せず)等の駆動力によって搭載部15bの下部の鉛直中心軸を中心に回転自在に設けられる。センサ部15cは、検出端部が搭載部15bの上部の切り欠きに沿って移動するように、モータ(図示せず)等の駆動力によって水平軸を中心に回転自在に設けられる。
【0020】
次に、図2を用いて、ふとん乾燥機の利用方法を説明する。
まず、敷きふとん1の上にふとん乾燥マット3が配置される。その後、ふとん乾燥マット3の上に掛けふとん2が配置される。この状態で、ふとん乾燥マット3の差込口4にジャバラホース10が差し込まれる。この状態で、ジャバラホース10が面ファスナ5で固定される。その後、人感センサ15のセンサ部15cが掛けふとん2よりも高い位置に配置されるように、ガイド部15aの鉛直方向への移動量が調整される。
【0021】
その後、スイッチ13がONされる。これにより、制御部16が温風供給装置7を通電する。この通電により、送風機8が外部から空気を取り込む。取り込まれた空気は、発熱体9で加熱される。加熱された空気は、ジャバラホース10を介してふとん乾燥マット3に送り込まれる。なお、場合によっては、取り込まれた空気は、常温のまま、ジャバラホース10を介してふとん乾燥マット3に送り込まれる。
【0022】
送り込まれた空気は、差込口4から漏れることなく、ふとん乾燥マット3内の風路を通過する。当該空気は、ふとん乾燥マット3の開口部から敷きふとん1と掛けふとん2とに吹き付けられる。吹き付けられた空気は、概ね50度〜70度程度となっている。
【0023】
ふとん乾燥機の動作中は、安全装置も動作する。この動作により、敷きふとん1、掛けふとん2、ふとん乾燥機本体6の異常加熱時の対策が行われる。
【0024】
本実施の形態においては、スイッチ13がONしてから5分程度経過すると、人感センサ15が動作を開始する。具体的には、搭載部15bの下部の鉛直中心軸を中心としてセンサ部15cが自動で回転する。その結果、検出領域が敷きふとん1と掛けふとん2の方向の全域を往復するように、検出領域の方向が変化する。この状態で、人感センサ15は、ふとん乾燥機の運転が終了まで、センサ部15cでの人の存否を検知し続ける。
【0025】
次に、操作部12を使ってふとん乾燥モードに設定した人物が退出した後、他の人物が乾燥運転中に誤ってふとん乾燥マット3の上で就寝しようとした場合を考える。この場合、他の人は人感センサ15に検知される。その後、人感センサ15は、検出信号を制御部16に送信する。
【0026】
この検知信号に基づいて、制御部16は、ランプ14を点滅させたり、音を鳴らしたりする。さらに、制御部16は、スイッチ13のLED(図示せず)の全てを点灯させたり、点滅させたりする。これにより、就寝してはいけない状態であることが他の人物に報知される。
【0027】
これと同時に、制御部16は、ふとん乾燥機本体6の電源をOFFにする。これにより、温風供給装置7への通電が遮断される。この遮断により、送風機8の動作と発熱体9の動作とが停止する。この停止により、高温の風がふとん乾燥マット3に送り続けられる状態ではなくなる。その結果、他の人物がふとん乾燥マット3の上で実際に就寝しても、高温の風やふとん乾燥マット3が他の人物に接触し続けることはない。
【0028】
次に、操作部12を使ってふとん乾燥モードに設定した人物が戻ってきた場合を説明する。この場合、当該人物は、ランプ14の点滅等により本来のふとん乾燥機能が停止していることを認識する。
【0029】
以上で説明した実施の形態1によれば、人感センサ15が人を検知した場合に、発熱体9は、風の加熱を停止する。このため、高温の風やふとん乾燥マット3が人に接触し続けることを防止できる。
【0030】
また、人感センサ15は、検出領域が変化するように設けられる。このため、寝室の形状、敷きふとん1や掛けふとん2の高さ等、各家庭の状況に応じて、人感センサ15の検出領域を調整することができる。この調整により、就寝しようとする人のみを確実に検知することができる。
【0031】
また、人感センサ15は、検出領域の方向が自動で変化するように設けられる。このため、広い範囲で人を検知することができる。これにより、多くの人感センサ15を使用したときの検出領域と同等の検出領域を少ない人感センサ15で確保することができる。
【0032】
なお、人感センサ15が人を検知した場合に、ふとん乾燥機本体6の設定を送風モードに切り替えるようにしてもよい。この場合、送風機8は、ふとん乾燥マット3に風を送り続ける。このため、ふとん乾燥マット3に残った高温の空気を追い出すことができる。これにより、ふとん乾燥マット3内の空気の温度を下げることができる。その結果、ふとん乾燥マット3をより早く冷却することができる。
【0033】
本実施の形態においては、敷きふとん1等を直す人や敷きふとん1等の近傍を通り過ぎる人も、人感センサ15に検知され得る。この場合に、温風供給装置7への通電が遮断されると、ふとん乾燥機の使い勝手が悪くなる。
【0034】
そこで、使い勝手を向上するために、人感センサ15が人を検知してから一定時間経過後に人感センサ15が人を検知していない場合に、ふとん乾燥モードを復帰させるようにしてもよい。この場合、敷きふとん1等を直す人や敷きふとん1等の近傍を通り過ぎる人が検知されたとしても、敷きふとん1と掛けふとん2の乾燥を再開することができる。
【符号の説明】
【0035】
1 敷きふとん
2 掛けふとん
3 ふとん乾燥マット
4 差込口
5 面ファスナ
6 ふとん乾燥機本体
7 温風供給装置
8 送風機
9 発熱体
10 ジャバラホース
11 吹出口
12 操作部
13 スイッチ
14 ランプ
15 人感センサ
15a ガイド部
15b 搭載部
15c センサ部
16 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ふとん乾燥マットに風を送る送風機と、
前記風を加熱する発熱体と、
前記ふとん乾燥マット近傍の検出領域における人の存否を検知する人感センサと、
前記人感センサが人を検知した場合に、前記風の加熱を停止するように前記発熱体を制御する制御部と、
を備えたふとん乾燥機。
【請求項2】
前記制御部は、前記人感センサが人を検知した場合に、前記ふとん乾燥マットに前記風を送り続けるように前記送風機を制御する請求項1記載のふとん乾燥機。
【請求項3】
前記制御部は、前記人感センサが人を検知してから一定時間経過した後に前記人感センサが人を検知していない場合に、前記風の加熱を再開するように前記発熱体を制御する請求項1又は請求項2に記載のふとん乾燥機。
【請求項4】
前記人感センサは、前記検出領域が変化するように設けられた請求項1〜請求項3のいずれかに記載のふとん乾燥機。
【請求項5】
前記人感センサは、前記検出領域の方向が自動で変化するように設けられた請求項4記載のふとん乾燥機。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2012−210314(P2012−210314A)
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−77302(P2011−77302)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【出願人】(000176866)三菱電機ホーム機器株式会社 (1,201)
【Fターム(参考)】