説明

まな板用アタッチメント

【課題】 まな板の厚さに関わらず一方当接体及び他方当接体をまな板の表裏面に確実に当接させるようにしてまな板に対して強固に取り付けることができるようにし、まな板を載置面に載置したときの固定安定性の向上を図る。
【解決手段】 まな板1の端部4を載置面に対して支承する支承部10と、支承部10をまな板1の端部4に取り付ける取付部20とを備え、取付部20を、まな板1の表裏面2、3のいずれか一方に当接する当接面を有した一方当接体21と、まな板1の表裏面2、3のいずれか他方に当接する当接面を有した他方当接体22と、一方当接体21及び他方当接体22をまな板1の表裏面2、3に直交する方向に近接,離間可能に接続し近接時に一方当接体21及び他方当接体22によりまな板1の端部4を挾持させる挾持手段30とを備えて構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表裏面を有して載置面に載置されて用いられるまな板の端部に着脱可能に取り付けられるまな板用アタッチメントに係り、特に、まな板の端部を載置面に対して支承してまな板の表裏面が載置面に接触しないようにしたまな板用アタッチメントに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のまな板用アタッチメントとしては、例えば、特許文献1(実開昭61−86144号公報)に記載されたものが知られている。
図13に示すように、このまな板用アタッチメントSaは、表面101及び裏面102を有し載置面Maに載置されて用いられるまな板100の端部103に着脱可能に取り付けられ、まな板100の端部103を載置面Maに対して支承する支承部110と、支承部110をまな板100の端部103に取り付ける取付部120とを備えて構成されている。
取付部120は、まな板100の表面101及び裏面102のいずれか一方に当接する当接面121を有した一方当接体122と、まな板100の表面101及び裏面102のいずれか他方に当接する当接面123を有した他方当接体124と、一方当接体122及び他方当接体124をまな板100の表面101及び裏面102に対して近接,離間可能にするクリップ機構130とを備えて構成されている。このクリップ機構130は、棒状の軸体131と、軸体131の軸線を中心に回動可能に設けられ一端が一方当接体122に接続される一方回動部材132と、軸体131の軸線を中心に回動可能に設けられ一端が他方当接体124に接続される他方回動部材133とを備えて構成されている。また、支承部110は、一方当接体122及び他方当接体124の少なくともいずれか一方に設けられている。
【0003】
このまな板用アタッチメントSaをまな板100に取り付けるときは、一方回動部材132と他方回動部材133とを把持し、一方回動部材132の他端と他方回動部材133の他端とを近接させて一方当接体122と他方当接体124とを離間させる。このとき、一方当接体122及び他方当接体124は軸体131の軸線を中心に円弧を描くように回動する。この状態で、一方当接体122の当接面121及び他方当接体124の当接面123間にまな板100の端部103が差し込まれるようにし、一方回動部材132の他端と他方回動部材133の他端とを離間させて一方当接体122と他方当接体124とを近接させる。このときも、一方当接体122及び他方当接体124は軸体131の軸線を中心に円弧を描くように回動する。これにより、まな板用アタッチメントSaをまな板100に取り付けることができる。
このまな板用アタッチメントSaを、まな板100の一端部側のみに取り付けて使用すると、支承部110がまな板100の一端部側のみを持ち上げて支承し、まな板100の他端部側の下端縁が載置面Maに支持されるようになるので、まな板100が載置面Maに対して傾斜して載置されるようになり、そのため、例えば、水洗いした野菜等の食材から落ちた水が、調理する面を流下してまな板から流れ落ちるようになるので、まな板100及び食材の水切れが良くなる。また、調理する面に水を注ぐことで水が流下することから、まな板100を載置面Maに載置したまま比較的簡単に洗うことができる。
また、このまな板用アタッチメントSaを、まな板100の一端部側及び他端部側の両端部側に取り付けて使用すると、支承部110がまな板100の一端部側及び他端部側の両端部側を持ち上げて支承するようになるので、まな板100の載置面Maに対峙する面が載置面Maに平行且つ載置面Maから離間した状態となり、そのため、載置面Maに対峙する面は衛生的で綺麗であるので、調理した面が汚れた場合に、まな板100の表面101及び裏面102を逆にすることで綺麗な面で調理を行なうことができるようになり、逐一まな板100を洗わなくても使用できるようになり、それだけ、調理の手間を省くことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開昭61−86144号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、この従来のまな板用アタッチメントSaにおいては、まな板100の端部103に取り付ける際に、一方当接体122及び他方当接体124が軸体131の軸線を中心に円弧を描くように回動するので、厚さが厚いまな板100に取り付けると、図13(B)に示すように、一方当接体122の当接面121及び他方当接体124の当接面123がまな板100の上端縁104及び下端縁105に衝突して、一方当接体122の当接面121及び他方当接体124の当接面123がまな板100の表面101及び裏面102に接合しないことがあり、そのため、載置面Maにまな板100を載置したとき、支承部110の載置面Maに対する接触が不安定になり易く、それだけ、まな板100の載置面Maに対する固定安定性に劣るという問題があった。また、厚さが薄いまな板100に取り付ける場合は、図13(C)に示すように、一方当接体122及び他方当接体124がまな板100の表面101及び裏面102に対して傾斜して取り付けられるようになるので、一方当接体122の当接面121及び他方当接体124の当接面123がまな板100の表面101及び裏面102に接合しなくなり、この場合も、載置面Maにまな板100を載置したときに支承部110の載置面Maに対する接触が不安定になり易く、まな板100の載置面Maに対する固定安定性が悪い。
また、まな板100の厚さによって一方当接体122の当接面121及び他方当接体124の当接面123がまな板100の表面101及び裏面102に接合しないことがあることから、この場合、一方当接体122及び他方当接体124でのまな板100の挾持が不十分になるので、まな板100に対して強固に取り付けることができないという問題もあった。
【0006】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたもので、まな板の厚さに関わらず一方当接体の当接面及び他方当接体の当接面をまな板の表裏面に確実に当接させるようにし、まな板に対して強固に取り付けることができるようにするとともに、まな板を載置面に載置したときの固定安定性の向上を図ったまな板用アタッチメントを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このような目的を達成するため、本発明のまな板用アタッチメントは、表裏面を有し載置面に載置されて用いられるまな板の端部に着脱可能に取り付けられ、該まな板の端部を上記載置面に対して支承する支承部と、該支承部を上記まな板の端部に取り付ける取付部とを備えたまな板用アタッチメントにおいて、上記取付部を、上記まな板の表面及び裏面のいずれか一方に当接する当接面を有した一方当接体と、上記まな板の表面及び裏面のいずれか他方に当接する当接面を有した他方当接体と、該一方当接体及び他方当接体を上記まな板の表裏面に直交する方向に近接,離間可能に接続し近接時に当該一方当接体及び他方当接体により上記まな板の端部を挾持させる挾持手段とを備えて構成し、上記支承部を、上記一方当接体及び他方当接体の少なくともいずれか一方に設けた構成としている。
【0008】
これにより、本発明のまな板用アタッチメントをまな板に取り付けるときは、一方当接体及び他方当接体を離間させた状態で、一方当接体の当接面及び他方当接体の当接面間にまな板の端部が差し込まれるようにし、挾持手段により一方当接体及び他方当接体をまな板の表裏面に直交する方向に近接させて一方当接体の当接面及び他方当接体の当接面をまな板の表裏面に当接させて挾持させる。
この場合、一方当接体及び他方当接体はまな板の表裏面に直交する方向に近接するので、まな板の厚さに関わらず、一方当接体の当接面及び他方当接体の当接面をまな板の表裏面に接合させて確実に当接させることができる。そのため、載置面にまな板を載置したとき、支承部の載置面に対する接触が安定し、それだけ、まな板の載置面に対する固定安定性を向上させることができる。また、一方当接体の当接面及び他方当接体の当接面をまな板の表裏面に確実に当接させることができるので、一方当接体及び他方当接体で確実にまな板を挾持することができ、そのため、一方当接体及び他方当接体をまな板に対して強固に取り付けることができる。
【0009】
本発明のまな板用アタッチメントは、その使用の仕方で、取り付けの数及び取付け部位を適宜定める。例えば、このまな板用アタッチメントを一対用い、まな板の一端部若しくは他端部のどちらか一方のみに取り付けて使用するときは、一方当接体及び他方当接体のうち支承部が設けられている方を載置面側にして、まな板を載置面に載置する。まな板を載置すると、支承部と、本まな板用アタッチメントが取り付けられていないまな板の一端部若しくは他端部の下側縁とが載置面に接触し、まな板は載置面に対して傾斜して載置されるようになる。
この状態でまな板を使用すると、まな板は載置面に対して傾斜して載置されているので、例えば、水洗いした野菜等の食材から落ちた水が、調理する面を流下してまな板から流れ落ちるようになり、そのため、まな板及び食材の水切れが良くなる。また、調理する面に水を注ぐことで水が流下することから、まな板を載置面に載置したまま比較的簡単に洗うことができる。更に、一方当接体及び他方当接体は着脱可能に形成されているので、一方当接体及び他方当接体を取り外せば、傾斜のない普通のまな板として用いることができる。
【0010】
また、本発明のまな板用アタッチメントをまな板の一端部及び他端部の両方に取り付けて使用するときは、一方当接体及び他方当接体のうち支承部が設けられている方を載置面側にして、まな板を載置面に載置する。まな板を載置すると、まな板の一端部及び他端部に設けられた支承部が載置面に接触し、まな板は載置面に対峙する面が載置面に平行且つ載置面から離間した状態で載置されるようになる。
この状態でまな板を使用すると、まな板は載置面に対峙する面が載置面から離間して載置されているので、この載置面に対峙する面は衛生的で綺麗であり、そのため、調理した面が汚れた場合に、まな板の表裏面を逆にすることで綺麗な面で調理を行なうことができるようになり、逐一まな板を洗わなくても使用できるようになり、それだけ、調理の手間を省くことができる。
【0011】
そして、必要に応じ、上記支承部の上記載置面に接触する外面を弧面に形成した構成としている。
これにより、支承部の外面は弧面に形成されているので、載置された状態では、支承部と載置面とが確実に接触し、そのため、支承部の載置面に対する接触が安定するので、まな板の載置面に対する固定安定性をより一層向上させることができる。
【0012】
また、必要に応じ、上記支承部を、上記一方当接体及び他方当接体の両方に形成した構成としている。
これにより、まな板の表面及び裏面の両面に支承部が設けられるので、まな板の表面と裏面とが特定されず、どちらの面も同様に使用することができる。
【0013】
更に、必要に応じ、上記挾持手段を、上記一方当接体に設けられ上記一方当接体の当接面に所定間隔離間して対面する横板と、該横板の一端を該一方当接体に支持する支持材と、上記横板に形成され上記当接面に直交する軸心を有した雌ネジ部と、上記他方当接体を構成し先端面を上記当接面とし該当接面に直交する軸心を有した雄ネジ部とを備えた構成としている。
【0014】
これにより、本まな板用アタッチメントをまな板に取り付けるときは、例えば、一方当接体の当接面と横板との間の空間にまな板の端部が差し込まれるようにし、一方当接体の当接面をまな板の表裏面のいずれか一方に当接させる。この状態で、他方当接体を、その雄ネジ部を横板に形成された雌ネジ部に捻じ込んでいく。この場合、他方当接体は、その軸心がまな板の表裏面に直交する方向に沿う方向となって、その先端面が一方当接体の当接面に向かって近接していく。そして、他方当接体を捻じ込んでいくと、その先端面がまな板の表裏面のいずれか他方に当接する。これによって、一方当接体と他方当接体とでまな板を強固に挾持して取り付けることができる。
これによっても上記と同様の効果を奏する。
【0015】
更にまた、必要に応じ、上記挾持手段を、上記一方当接体及び他方当接体間に設けられ、付勢力により上記一方当接体及び他方当接体を近接させて上記まな板の端部を挾持させ、付勢力に抗して上記一方当接体及び他方当接体を離間させたとき上記の挾持を解除可能にする弾性部材で構成している。
【0016】
これにより、本まな板用アタッチメントをまな板に取り付けるときは、例えば、一方当接体及び他方当接体を把持し、一方当接体及び他方当接体を弾性部材の付勢力に抗して離間させ、一方当接体の当接面及び他方当接体の当接面間にまな板の端部が差し込まれるようにし、この状態で、一方当接体及び他方当接体の把持を解除する。これによって、一方当接体及び他方当接体は、弾性部材の付勢力によってまな板の表裏面に直交する方向に近接し、一方当接体の当接面及び他方当接体の当接面がまな板の表裏面に当接するようになるので、一方当接体と他方当接体とでまな板を強固に挾持して取り付けることができる。
これによっても上記と同様の効果を奏する。
【0017】
そして、また、必要に応じ、上記挾持手段を、上記一方当接体の当接面に支持され該当接面に直交する軸心を有した一方雄ネジ部と、上記他方当接体の当接面に支持され該当接面に直交する軸心を有し上記一方雄ネジ部に対して逆ネジに形成される他方雄ネジ部と、上記一方雄ネジ部及び他方雄ネジ部に夫々螺合される一方雌ネジ及び他方雌ネジを有し一方向回転時に上記一方雄ネジ部及び他方雄ネジ部を近接させ他方向回転時に上記一方雄ネジ部及び他方雄ネジ部を離間させるナットとを備えた構成としている。
【0018】
これにより、本まな板用アタッチメントをまな板に取り付けるときは、例えば、一方雄ネジ部及び他方雄ネジ部にナットの一方雌ネジ及び他方雌ネジを夫々螺合させて一方当接体の当接面と他方当接体の当接面との距離をまな板の厚さより長く保持しておく。この状態で、一方当接体の当接面及び他方当接体の当接面間にまな板の端部が差し込まれるようにし、その後、ナットを一方向に回転させる。これによって、一方雄ネジ部及び他方雄ネジ部がナットに捻じ込まれて一方当接体及び他方当接体がまな板の表裏面に直交する方向に近接していき、一方当接体の当接面及び他方当接体の当接面がまな板の表裏面に当接するようになるので、一方当接体と他方当接体とでまな板を強固に挾持して取り付けることができる。
これによっても上記と同様の効果を奏する。
【0019】
また、必要に応じ、上記挾持手段を、頭部を有するとともに少なくとも先端部に雄ネジが形成されたボルトと、該ボルトの雄ネジに螺合する雌ネジを有したナットと、上記一方当接体の端部から上記当接面に連続して外方に突出し上記ボルトが挿通されるボルト挿通孔が形成された一方突出部と、上記他方当接体の端部から上記当接面に連続して外方に突出し上記ボルトが挿通されるボルト挿通孔が形成された他方突出部とを備えた構成としている。
【0020】
これにより、本まな板用アタッチメントをまな板に取り付けるときは、例えば、一方突出部のボルト挿通孔及び他方突出部のボルト挿通孔にボルトを挿通して一方当接体の当接面と他方当接体の当接面との距離をまな板の厚さより長く保持しておく。この状態で、一方当接体の当接面及び他方当接体の当接面間にまな板の端部が差し込まれるようにし、その後、ボルトの雄ネジにナットの雌ネジを螺合させて捻じ込んでいく。これによって、一方当接体及び他方当接体がまな板の表裏面に直交する方向に近接していき、一方当接体の当接面及び他方当接体の当接面がまな板の表裏面に当接するようになるので、一方当接体と他方当接体とでまな板を強固に挾持して取り付けることができる。
これによっても上記と同様の効果を奏する。
【0021】
更に、必要に応じ、上記挾持手段を、上記一方当接体に設けられ上記一方当接体の当接面に平行な方向に延びて設けられる横架材と、該横架材の一端を上記一方当接体に支持する支持部材と、上記他方当接体に上記当接面に直交する方向に所定間隔で複数設けられ上記横架材が差し込まれて係合される係合部とを備えた構成としている。
【0022】
これにより、本まな板用アタッチメントをまな板に取り付けるときは、例えば、一方当接体の当接面及び横架材間の空間にまな板の端部が差し込まれるようにし、一方当接体の当接面をまな板の表裏面のいずれか一方に当接させる。この状態で、他方当接体を、その係合部を横架材に係合させる。このとき、他方当接体の当接面がまな板の表裏面のいずれか他方に当接するように、複数設けられた係合部のうちから最適な係合部を選択して係合させる。この複数の係合部は、まな板の表裏面に直交する方向に所定間隔で設けられているので、一方当接体及び他方当接体をまな板の表裏面に直交する方向に近接,離間させることが可能となり、そのため、一方当接体の当接面及び他方当接体の当接面を確実にまな板の表裏面に当接させることができるようになるので、一方当接体と他方当接体とでまな板を強固に挾持して取り付けることができる。
これによっても上記と同様の効果を奏する。
【0023】
更にまた、必要に応じ、上記挾持手段を、上記一方当接体及び他方当接体の端部に夫々上記当接面に直交する方向に立設され互いに上記当接面に直交する方向に相対移動可能に接合される支柱と、該支柱の一方に上記当接面に直交する方向に所定間隔で突出形成される複数の係合凸部と、上記支柱の他方に上記当接面に直交する方向に所定間隔で形成され上記係合凸部が係合される複数の係合凹部とを備えた構成としている。
【0024】
これにより、本まな板用アタッチメントをまな板に取り付けるときは、例えば、一方当接体及び他方当接体のいずれか一方の当接面を、まな板の表裏面のいずれか一方に当接させ、その後、一方当接体及び他方当接体のいずれか他方の当接面がまな板の表裏面のいずれか他方に当接するように、一方当接体及び他方当接体のいずれか一方の支柱の係合凸部と一方当接体及び他方当接体のいずれか他方の支柱の係合凹部とを係合させる。このとき、係合凸部及び係合凹部はまな板の表裏面に直交する方向に所定間隔で複数設けられているので、一方当接体及び他方当接体を相対移動させて、複数の係合凸部及び係合凹部のうちから最適な係合凸部及び係合凹部を選択して係合させる。即ち、一方当接体及び他方当接体をまな板の表裏面に直交する方向に近接,離間させることが可能となり、そのため、一方当接体の当接面及び他方当接体の当接面を確実にまな板の表裏面に当接させることができるようになるので、一方当接体と他方当接体とでまな板を強固に挾持して取り付けることができる。
これによっても上記と同様の効果を奏する。
【発明の効果】
【0025】
本発明のまな板用アタッチメントによれば、一方当接体及び他方当接体を離間させた状態で、一方当接体の当接面及び他方当接体の当接面間にまな板の端部が差し込まれるようにし、挾持手段により一方当接体及び他方当接体をまな板の表裏面に直交する方向に近接させてまな板に取り付けるので、まな板の厚さに関わらず、一方当接体の当接面及び他方当接体の当接面をまな板の表裏面に接合させて確実に当接させることができる。そのため、載置面にまな板を載置したとき、支承部の載置面に対する接触が安定し、それだけ、まな板の載置面に対する固定安定性を向上させることができる。また、一方当接体の当接面及び他方当接体の当接面をまな板の表裏面に確実に当接させることができるので、一方当接体及び他方当接体で確実にまな板を挾持することができ、そのため、一方当接体及び他方当接体をまな板に対して強固に取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の第一の実施の形態に係るまな板用アタッチメントをまな板に取り付けた状態で示す斜視図である。
【図2】本発明の第一の実施の形態に係るまな板用アタッチメントを示し、(A)は通常状態、(B)はまな板の端部が差し込まれた状態、(C)は一方当接体と他方当接体とでまな板を挾持した状態を示す図である。
【図3】本発明の第一の実施の形態に係るまな板用アタッチメントをまな板の一端部若しくは他端部のどちらか一方のみに取り付けた状態で示す図である。
【図4】本発明の第一の実施の形態に係るまな板用アタッチメントをまな板の一端部及び他端部の両方に取り付けた状態で示す図である。
【図5】本発明の第一の実施の形態に係るまな板用アタッチメントをまな板の一端部若しくは他端部のどちらか一方のみに取り付けたときの使用状態を示す図である。
【図6】本発明の第一の実施の形態に係るまな板用アタッチメントをまな板の一端部及び他端部の両方に取り付けたときの使用状態を示す図である。
【図7】本発明の第二の実施の形態に係るまな板用アタッチメントであって、弾性部材としてコイルスプリングを用いた場合のまな板用アタッチメントを示し、(A)は弾性部材の付勢力により一方当接体と他方当接体とが近接した状態、(B)は弾性部材の付勢力に抗して一方当接体と他方当接体とを離間させた状態、(C)はまな板の端部が差し込まれた状態、(D)は一方当接体と他方当接体とでまな板を挾持した状態を示す図である。
【図8】本発明の第二の実施の形態に係るまな板用アタッチメントであって、弾性部材として輪ゴムを用いた場合のまな板用アタッチメントを示し、(A)は弾性部材の付勢力により一方当接体と他方当接体とが近接した状態、(B)は弾性部材の付勢力に抗して一方当接体と他方当接体とを離間させた状態、(C)はまな板の端部が差し込まれた状態、(D)は一方当接体と他方当接体とでまな板を挾持した状態を示す図である。
【図9】本発明の第三の実施の形態に係るまな板用アタッチメントを示し、(A)は通常状態、(B)は一方当接体の当接面と他方当接体の当接面との距離がまな板の厚さよりも長くなるように離間させた状態、(C)はまな板の端部が差し込まれた状態、(D)は一方当接体と他方当接体とでまな板を挾持した状態を示す図である。
【図10】本発明の第四の実施の形態に係るまな板用アタッチメントを示し、(A)は通常状態、(B)は一方当接体の当接面と他方当接体の当接面との距離がまな板の厚さよりも長くなるように離間させた状態、(C)はまな板の端部が差し込まれた状態、(D)は一方当接体と他方当接体とでまな板を挾持した状態を示す図である。
【図11】本発明の第五の実施の形態に係るまな板用アタッチメントを示し、(A)は通常状態、(B)はまな板の端部が差し込まれた状態、(C)は一方当接体と他方当接体とでまな板を挾持した状態を示す図である。
【図12】本発明の第六の実施の形態に係るまな板用アタッチメントを示し、(A)は通常状態、(B)はまな板の端部が差し込まれた状態、(C)は一方当接体と他方当接体とでまな板を挾持した状態を示す図である。
【図13】従来のまな板用アタッチメントの一例を示し、(A)は斜視図、(B)は厚さの厚いまな板に取り付けた状態、(C)は厚さの薄いまな板に取り付けた状態で示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、添付図面に基づいて本発明の第一の実施の形態に係るまな板用アタッチメントを説明する。
図1乃至図6には、本発明の第一の実施の形態に係るまな板用アタッチメントSを示している。本まな板用アタッチメントSは、例えば樹脂で形成され、表面2及び裏面3を有し載置面Mに載置されて用いられる矩形状のまな板1の端部4に着脱可能に取り付けられ、まな板1の端部4を載置面Mに対して支承する支承部10と、支承部10をまな板1の端部4に取り付ける取付部20とを備えて構成されている。
本まな板用アタッチメントSは、その使用の仕方で、取り付けの数及び取付け部位を適宜定める。例えば、このまな板用アタッチメントSを一対用い、図3に示すように、まな板1の一端部4a若しくは他端部4bのどちらか一方のみに取り付けても良く、また、図4に示すように、まな板1の一端部4a及び他端部4bの両方に取り付けても良い。
実施の形態では、矩形状の一般的なまな板1を用いているが、必ずしもこれに限定されるものではなく、例えば、円形状,三角形状,多角形状等の種々の形状のものであっても良い。
【0028】
取付部20は、まな板1の表面2及び裏面3のいずれか一方に当接する当接面21aを有した一方当接体21と、まな板1の表面2及び裏面3のいずれか他方に当接する当接面22aを有した他方当接体22と、一方当接体21及び他方当接体22をまな板1の表裏面3に直交する方向に近接,離間可能に接続し近接時に一方当接体21及び他方当接体22によりまな板1の端部4を挾持させる挾持手段30とを備えて構成されている。
【0029】
一方当接体21は、円錐台状に形成され、面積の大きい方の面が当接面21aとして構成されるとともに、面積の小さい方の面に支承部10が一体形成されている。
他方当接体22は、円錐台状に形成された部分に、その面積の大きい方の面に先端面23を当接面22aとし当接面22aに直交する軸心を有した雄ネジ部24が一体形成されるとともに、面積の小さい方の面に支承部10が一体形成されている。
【0030】
この支承部10は、硬質に形成されるとともに載置面Mに接触する外面11が弧面に形成されており、この弧面が一方当接体21の側面21b及び他方当接体22の側面22bに連続して面一になるように、一方当接体21及び他方当接体22に一体形成されている。即ち、支承部10の形成部は、一方当接体21及び他方当接体22と一体形成されて、その形状が半球状になるように形成されている。
また、支承部10の外面11,一方当接体21の側面21b及び他方当接体22の側面22bには、模様が描かれている。
尚、本第一の実施の形態では、支承部10を一方当接体21及び他方当接体22の両方に形成しているが、支承部10は一方当接体21及び他方当接体22の少なくともいずれか一方に設けてあれば良く、適宜変更して差し支えない。
【0031】
挾持手段30は、一方当接体21に設けられ一方当接体21の当接面21aに所定間隔離間して対面する所定厚さの横板31と、横板31の一端31aを一方当接体21に支持する支持材32と、横板31の略中央に形成され当接面21aに直交する軸心を有した雌ネジ部33と、他方当接体22に設けられ雌ネジ部33に螺合する上記の雄ネジ部24とを備えて構成されている。
【0032】
支持材32は、一方当接体21の当接面21aに直交する方向の軸線を有して外面32aが弧面の蒲鉾形状に形成され、この弧面が一方当接体21の側面21bに連続するように一方当接体21に設けられている。また、この支持材32の上端に横板31が一体形成されて設けられている。
また、一方当接体21の当接面21aと当接面21aに対面する横板31の下面31bとの距離、即ち、支持材32の軸線方向長さは、一般的なまな板1の厚さよりも長く形成されている。
【0033】
従って、この第一の実施の形態に係るまな板用アタッチメントSをまな板1に取り付けるときは、例えば、図2(A)に示すように、一方当接体21と他方当接体22とを離間させた状態で、図2(B)に示すように、一方当接体21の当接面21aと横板31の下面31bとの間の空間にまな板1の端部4が差し込まれるようにし、一方当接体21の当接面21aをまな板1の表面2及び裏面3のいずれか一方(実施の形態では裏面3)に当接させる。この状態で、他方当接体22を、その雄ネジ部24を横板31に形成された雌ネジ部33に捻じ込んでいく。
【0034】
このとき、他方当接体22は、その軸心がまな板1の表面2及び裏面3に直交する方向に沿う方向となって、その先端面23が一方当接体21の当接面21aに向かって近接していく。そして、他方当接体22を捻じ込んでいくと、図2(C)に示すように、その先端面23がまな板1の表面2及び裏面3のいずれか他方(実施の形態では表面2)に当接する。これによって、一方当接体21と他方当接体22とでまな板1を強固に挾持して取り付けることができる。
【0035】
この場合、一方当接体21及び他方当接体22はまな板1の表面2及び裏面3に直交する方向に近接するので、まな板1の厚さに関わらず、一方当接体21の当接面21a及び他方当接体22の当接面22aをまな板1の表裏面3に接合させて確実に当接させることができる。そのため、載置面Mにまな板1を載置したとき、支承部10の載置面Mに対する接触が安定し、それだけ、まな板1の載置面Mに対する固定安定性を向上させることができる。また、一方当接体21の当接面21a及び他方当接体22の当接面22aをまな板1の表面2及び裏面3に確実に当接させることができるので、一方当接体21及び他方当接体22で確実にまな板1を挾持することができ、そのため、一方当接体21及び他方当接体22をまな板1に対して強固に取り付けることができる。
【0036】
そして、本第一の実施の形態に係るまな板用アタッチメントSをまな板1の一端部4a若しくは他端部4bのどちらか一方のみ(実施の形態では一端部4a)に一対取り付けて使用するときは、図5に示すように、一方当接体21及び他方当接体22のどちらか一方を載置面M側にして(支承部10が一方当接体21及び他方当接体22のどちらか一方にのみ設けられている場合は支承部10が設けられている方を載置面M側にして)、まな板1を載置面Mに載置する。まな板1を載置すると、支承部10と、本まな板用アタッチメントSが取り付けられていないまな板1の一端部4a若しくは他端部4b(実施の形態では他端部4b)の下側縁5とが載置面Mに接触し、まな板1は載置面Mに対して傾斜して載置されるようになる。
【0037】
この状態でまな板1を使用すると、まな板1は載置面Mに対して傾斜して載置されているので、例えば、水洗いした野菜等の食材から落ちた水が、調理する面を流下してまな板1から流れ落ちるようになり、そのため、まな板1及び食材の水切れが良くなる。また、調理する面に水を注ぐことで水が流下することから、まな板1を載置面Mに載置したまま比較的簡単に洗うことができる。更に、支承部10を硬質に形成しているので、ゴム等で形成した場合と比較して、まな板1の使用時に本体が上下動しなくなり、そのため、まな板1の載置面Mに対する固定安定性がより一層向上される。更にまた、一方当接体21及び他方当接体22は着脱可能に形成されているので、一方当接体21及び他方当接体22を取り外せば、傾斜のない普通のまな板1として用いることができる。
【0038】
また、本第一の実施の形態に係るまな板用アタッチメントSをまな板1の一端部4a及び他端部4bの両方に一対ずつ取り付けて使用するときは、図6に示すように、一方当接体21及び他方当接体22のうち支承部10が設けられている方を載置面M側にして(支承部10が一方当接体21及び他方当接体22のどちらか一方にのみ設けられている場合は支承部10が設けられている方を載置面M側にして)、まな板1を載置面Mに載置する。まな板1を載置すると、まな板1の一端部4a及び他端部4bに設けられた支承部10が載置面Mに接触し、まな板1は載置面Mに対峙する面(実施の形態では裏面3)が載置面Mに平行且つ載置面Mから離間した状態で載置されるようになる。
【0039】
この状態でまな板1を使用すると、まな板1は載置面Mに対峙する面(実施の形態では裏面3)が載置面Mから離間して載置されているので、この載置面Mに対峙する面は衛生的で綺麗であり、そのため、調理した面が汚れた場合に、まな板1の表面2及び裏面3を逆にすることで綺麗な面で調理を行なうことができるようになり、逐一まな板1を洗わなくても使用できるようになり、それだけ、調理の手間を省くことができる。
【0040】
また、本第一の実施の形態に係るまな板用アタッチメントSをまな板1に取り付けて使用すると、支承部10の外面11は弧面に形成されているので、載置された状態では、支承部10と載置面Mとが確実に接触し、そのため、支承部10の載置面Mに対する接触が安定するので、まな板1の載置面Mに対する固定安定性をより一層向上させることができる。更に、支承部10を一方当接体21及び他方当接体22の両方に設けたので、まな板1の表面2及び裏面3の両面に支承部10が設けられるようになり、そのため、まな板1の表面2と裏面3とが特定されず、どちらの面も同様に使用することができる。
【0041】
図7及び図8には、本発明の第二の実施の形態に係るまな板用アタッチメントSを示している。この第二の実施の形態に係るまな板用アタッチメントSにおいて、一方当接体21は、円錐台状に形成され、面積の大きい方の面が当接面21aとして構成されるとともに、面積の小さい方の面に支承部10が一体形成されている。また、他方当接体22は、円錐台状に形成され、面積の大きい方の面が当接面22aとして構成されるとともに、面積の小さい方の面に支承部10が一体形成されている。
【0042】
また、挾持手段30は、一方当接体21及び他方当接体22間に設けられ、付勢力により一方当接体21及び他方当接体22を近接させてまな板1の端部4を挾持させ、付勢力に抗して一方当接体21及び他方当接体22を離間させたとき上記の挾持を解除可能にする弾性部材34で構成されている。この弾性部材34は一方当接体21及び他方当接体22間に一対設けられている。
【0043】
弾性部材34としては、コイルスプリングや輪ゴム等が挙げられる。
図7には、弾性部材34としてコイルスプリングを用いた例を示している。この一対のコイルスプリングは、夫々両端部4が一方当接体21及び他方当接体22に固着されている。
図8には、弾性部材34として輪ゴムを用いた例を示している。この一対の輪ゴムは、一方当接体21及び他方当接体22に夫々一対ずつ形成されたスリット25に係止されている。
【0044】
本第二の実施の形態に係るまな板用アタッチメントSをまな板1に取り付けるときは、例えば、図7(A)及び図8(A)に示すように、一方当接体21及び他方当接体22が弾性部材34の付勢力によって近接している状態で、図7(B)及び図8(B)に示すように、一方当接体21及び他方当接体22を把持し、一方当接体21及び他方当接体22を弾性部材34の付勢力に抗して離間させ、図7(C)及び図8(C)に示すように、一方当接体21の当接面21a及び他方当接体22の当接面22a間にまな板1の端部4が差し込まれるようにする。このとき、まな板1のコーナ部が一方当接体21の当接面21a及び他方当接体22の当接面22a間に差し込まれるようにする。この状態で、一方当接体21及び他方当接体22の把持を解除する。これによって、一方当接体21及び他方当接体22は、弾性部材34の付勢力によってまな板1の表面2及び裏面3に直交する方向に近接し、図7(D)及び図8(D)に示すように、一方当接体21の当接面21a及び他方当接体22の当接面22aがまな板1の表面2及び裏面3に当接するようになるので、一方当接体21と他方当接体22とでまな板1を強固に挾持して取り付けることができる。
これによっても上記第一の実施の形態と同様の作用,効果を奏する。
【0045】
図9には、本発明の第三の実施の形態に係るまな板用アタッチメントSを示している。この第三の実施の形態に係るまな板用アタッチメントSは、上記第二の実施の形態のまな板用アタッチメントSとは挾持手段30が異なっている。
【0046】
この挾持手段30は、一方当接体21の当接面21aに支持され当接面21aに直交する軸心を有した一方雄ネジ部35と、他方当接体22の当接面22aに支持され当接面22aに直交する軸心を有し一方雄ネジ部35に対して逆ネジに形成される他方雄ネジ部36と、一方雄ネジ部35及び他方雄ネジ部36に夫々螺合される一方雌ネジ37a及び他方雌ネジ37bを有し一方向回転時に一方雄ネジ部35及び他方雄ネジ部36を近接させ他方向回転時に一方雄ネジ部35及び他方雄ネジ部36を離間させるナット37とを備えて構成されている。
【0047】
本第三の実施の形態に係るまな板用アタッチメントSをまな板1に取り付けるときは、例えば、図9(B)に示すように、一方雄ネジ部35及び他方雄ネジ部36にナット37の一方雌ネジ37a及び他方雌ネジ37bを夫々螺合させて一方当接体21の当接面21aと他方当接体22の当接面22aとの距離をまな板1の厚さより長く保持しておく。この状態で、図9(C)に示すように、一方当接体21の当接面21a及び他方当接体22の当接面22a間にまな板1の端部4が差し込まれるようにし、その後、ナット37を一方向に回転させる。これによって、一方雄ネジ部35及び他方雄ネジ部36がナット37に捻じ込まれて一方当接体21及び他方当接体22がまな板1の表面2及び裏面3に直交する方向に近接していき、図9(D)に示すように、一方当接体21の当接面21a及び他方当接体22の当接面22aがまな板1の表面2及び裏面3に当接するようになるので、一方当接体21と他方当接体22とでまな板1を強固に挾持して取り付けることができる。
これによっても上記第一及び第二の実施の形態と同様の作用,効果を奏する。
【0048】
図10には、本発明の第四の実施の形態に係るまな板用アタッチメントSを示している。この第四の実施の形態に係るまな板用アタッチメントSは、上記第二及び第三の実施の形態のまな板用アタッチメントSとは挾持手段30が異なっている。
【0049】
この挾持手段30は、頭部41aを有するとともに少なくとも先端部に雄ネジ41bが形成されたボルト41と、ボルト41の雄ネジ41bに螺合する雌ネジ(図示せず)を有したナット42と、一方当接体21の端部から当接面21aに連続して外方に突出しボルト41が挿通されるボルト挿通孔43aが形成された一方突出部43と、他方当接体22の端部から当接面22aに連続して外方に突出しボルト41が挿通されるボルト挿通孔44aが形成された他方突出部44とを備えて構成されている。
【0050】
本第四の実施の形態に係るまな板用アタッチメントSをまな板1に取り付けるときは、例えば、図10(B)に示すように、一方突出部43のボルト挿通孔43a及び他方突出部44のボルト挿通孔44aにボルト41を挿通して一方当接体21の当接面21aと他方当接体22の当接面22aとの距離をまな板1の厚さより長く保持しておく。この状態で、図10(C)に示すように、一方当接体21の当接面21a及び他方当接体22の当接面22a間にまな板1の端部4が差し込まれるようにし、その後、ボルト41の雄ネジ41bにナット42の雌ネジ(図示せず)を螺合させて捻じ込んでいく。これによって、一方当接体21及び他方当接体22がまな板1の表面2及び裏面3に直交する方向に近接していき、図10(D)に示すように、一方当接体21の当接面21a及び他方当接体22の当接面22aがまな板1の表面及び裏面3に当接するようになるので、一方当接体21と他方当接体22とでまな板1を強固に挾持して取り付けることができる。
これによっても上記第一乃至第三の実施の形態と同様の作用,効果を奏する。
【0051】
図11には、本発明の第五の実施の形態に係るまな板用アタッチメントSを示している。この第五の実施の形態に係るまな板用アタッチメントSは、上記第二乃至第四の実施の形態のまな板用アタッチメントSとは挾持手段30が異なっている。
【0052】
この挾持手段30は、一方当接体21に設けられ一方当接体21の当接面21aに平行な方向に延びて設けられる横架材45と、横架材45の一端45aを一方当接体21に支持する支持部材46と、他方当接体22に当接面21aに直交する方向に所定間隔で複数設けられ横架材45が差し込まれて係合される係合部47とを備えて構成されている。
【0053】
支持材46は、一方当接体21の当接面21aに直交する方向の軸線を有して外面46aが弧面の蒲鉾形状に形成され、この弧面が一方当接体21の側面21bに連続するように一方当接体21に設けられている。また、この支持材46の上端に横架材45が一体形成されて設けられている。
また、一方当接体21の当接面21aと当接面21aに対面する横架材45の下面45bとの距離、即ち、支持材46の軸線方向長さは、一般的なまな板1の厚さよりも長く形成されている。
【0054】
本第五の実施の形態に係るまな板用アタッチメントSをまな板1に取り付けるときは、例えば、図11(A)に示すように、一方当接体21と他方当接体22とを離間させた状態で、図11(B)に示すように、一方当接体21の当接面21a及び横架材45間の空間にまな板1の端部4が差し込まれるようにし、一方当接体21の当接面21aをまな板1の表面2及び裏面3のいずれか一方(実施の形態では裏面3)に当接させる。この状態で、図11(C)に示すように、他方当接体22を、その係合部47を横架材45に係合させる。このとき、他方当接体22の当接面22aがまな板1の表面2及び裏面3のいずれか他方(実施の形態では表面2)に当接するように、複数設けられた係合部47のうちから最適な係合部47を選択して係合させる。この複数の係合部47は、まな板1の表面2及び裏面3に直交する方向に所定間隔で設けられているので、一方当接体21及び他方当接体22をまな板1の表面2及び裏面3に直交する方向に近接,離間させることが可能となり、そのため、一方当接体21の当接面21a及び他方当接体22の当接面22aを確実にまな板1の表面2及び裏面3に当接させることができるようになるので、一方当接体21と他方当接体22とでまな板1を強固に挾持して取り付けることができる。
これによっても上記第一乃至第四の実施の形態と同様の作用,効果を奏する。
【0055】
図12には、本発明の第六の実施の形態に係るまな板用アタッチメントSを示している。この第六の実施の形態に係るまな板用アタッチメントSは、上記第二乃至第五の実施の形態のまな板用アタッチメントSとは挾持手段30が異なっている。
【0056】
この挾持手段30は、一方当接体21及び他方当接体22の端部に夫々当接面21a,22aに直交する方向に立設され互いに当接面21a,22aに直交する方向に相対移動可能に接合される支柱48と、支柱48の一方に当接面21aに直交する方向に所定間隔で突出形成される複数の係合凸部48aと、支柱48の他方に当接面22aに直交する方向に所定間隔で形成され係合凸部48aが係合される複数の係合凹部48bとを備えて構成されている。
【0057】
一方の支柱48は一方当接体21に立設されており、この支柱48から突出形成された係合凸部48aの先端には上方に向けて隆起する隆起部49aが形成されている。また、他方の支柱48は他方当接体22に立設されており、この支柱48に形成された係合凹部48bの基端には隆起部49aが係合される係合部49bが形成されている。
【0058】
本第六の実施の形態に係るまな板用アタッチメントSをまな板1に取り付けるときは、例えば、図12(A)に示すように、一方当接体21と他方当接体22とを離間させた状態で、図12(B)に示すように、一方当接体21及び他方当接体22のいずれか一方の当接面21a、22a(実施の形態では一方当接体21の当接面21a)を、まな板1の表面2及び裏面3のいずれか一方(実施の形態では裏面3)に当接させ、その後、図12(C)に示すように、一方当接体21及び他方当接体22のいずれか他方の当接面21a、22a(実施の形態では他方当接体22の当接面22a)がまな板1の表面2及び裏面3のいずれか他方(実施の形態では表面2)に当接するように、一方当接体21及び他方当接体22のいずれか一方の支柱48の係合凸部48aと一方当接体21及び他方当接体22のいずれか他方の支柱48の係合凹部48bとを係合させる。このとき、係合凸部48a及び係合凹部48bはまな板1の表面2及び裏面3に直交する方向に所定間隔で複数設けられているので、一方当接体21及び他方当接体22を相対移動させて、複数の係合凸部48a及び係合凹部48bのうちから最適な係合凸部48a及び係合凹部48bを選択して係合させる。即ち、一方当接体21及び他方当接体22をまな板1の表面2及び裏面3に直交する方向に近接,離間させることが可能となり、そのため、一方当接体21の当接面21a及び他方当接体22の当接面22aを確実にまな板1の表面2及び裏面3に当接させることができるようになるので、一方当接体21と他方当接体22とでまな板1を強固に挾持して取り付けることができる。
これによっても上記第一乃至第五の実施の形態と同様の作用,効果を奏する。
【0059】
尚、上記実施の形態において、支承部10の外面11を弧面に形成して、支承部10の形成部を、一方当接体21及び他方当接体22と一体形成して、その形状が半球状になるように形成したが、必ずしもこれに限定されるものではなく、例えば、円錐台状や球状であっても良く、適宜変更して差支えない。
【符号の説明】
【0060】
S まな板用アタッチメント
M 載置面
1 まな板
2 表面
3 裏面
4 端部
4a 一端部
4b 他端部
5 下側縁
10 支承部
11 外面
20 取付部
21 一方当接体
21a 当接面
21b 側面
22 他方当接体
22a 当接面
22b 側面
23 先端面
24 雄ネジ部
25 スリット
30 挾持手段
31 横板
32 支持材
33 雌ネジ部
34 弾性部材
35 一方雄ネジ部
36 他方雄ネジ部
37 ナット
41 ボルト
42 ナット
43 一方突出部
44 他方突出部
45 横架材
46 支持部材
47 係合部
48 支柱
48a 係合凸部
48b 係合凹部
49a 隆起部
49b 係合部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表裏面を有し載置面に載置されて用いられるまな板の端部に着脱可能に取り付けられ、該まな板の端部を上記載置面に対して支承する支承部と、該支承部を上記まな板の端部に取り付ける取付部とを備えたまな板用アタッチメントにおいて、
上記取付部を、上記まな板の表面及び裏面のいずれか一方に当接する当接面を有した一方当接体と、上記まな板の表面及び裏面のいずれか他方に当接する当接面を有した他方当接体と、該一方当接体及び他方当接体を上記まな板の表裏面に直交する方向に近接,離間可能に接続し近接時に当該一方当接体及び他方当接体により上記まな板の端部を挾持させる挾持手段とを備えて構成し、
上記支承部を、上記一方当接体及び他方当接体の少なくともいずれか一方に設けたことを特徴とするまな板用アタッチメント。
【請求項2】
上記支承部の上記載置面に接触する外面を弧面に形成したことを特徴とする請求項1記載のまな板用アタッチメント。
【請求項3】
上記支承部を、上記一方当接体及び他方当接体の両方に形成したことを特徴とする請求項1または2記載のまな板用アタッチメント。
【請求項4】
上記挾持手段を、上記一方当接体に設けられ上記一方当接体の当接面に所定間隔離間して対面する横板と、該横板の一端を該一方当接体に支持する支持材と、上記横板に形成され上記当接面に直交する軸心を有した雌ネジ部と、上記他方当接体を構成し先端面を上記当接面とし該当接面に直交する軸心を有した雄ネジ部とを備えて構成したことを特徴とする請求項1乃至3何れかに記載のまな板用アタッチメント。
【請求項5】
上記挾持手段を、上記一方当接体及び他方当接体間に設けられ、付勢力により上記一方当接体及び他方当接体を近接させて上記まな板の端部を挾持させ、付勢力に抗して上記一方当接体及び他方当接体を離間させたとき上記の挾持を解除可能にする弾性部材で構成したことを特徴とする請求項1乃至3何れかに記載のまな板用アタッチメント。
【請求項6】
上記挾持手段を、上記一方当接体の当接面に支持され該当接面に直交する軸心を有した一方雄ネジ部と、上記他方当接体の当接面に支持され該当接面に直交する軸心を有し上記一方雄ネジ部に対して逆ネジに形成される他方雄ネジ部と、上記一方雄ネジ部及び他方雄ネジ部に夫々螺合される一方雌ネジ及び他方雌ネジを有し一方向回転時に上記一方雄ネジ部及び他方雄ネジ部を近接させ他方向回転時に上記一方雄ネジ部及び他方雄ネジ部を離間させるナットとを備えて構成したことを特徴とする請求項1乃至3何れかに記載のまな板用アタッチメント。
【請求項7】
上記挾持手段を、頭部を有するとともに少なくとも先端部に雄ネジが形成されたボルトと、該ボルトの雄ネジに螺合する雌ネジを有したナットと、上記一方当接体の端部から上記当接面に連続して外方に突出し上記ボルトが挿通されるボルト挿通孔が形成された一方突出部と、上記他方当接体の端部から上記当接面に連続して外方に突出し上記ボルトが挿通されるボルト挿通孔が形成された他方突出部とを備えて構成したことを特徴とする請求項1乃至3何れかに記載のまな板用アタッチメント。
【請求項8】
上記挾持手段を、上記一方当接体に設けられ上記一方当接体の当接面に平行な方向に延びて設けられる横架材と、該横架材の一端を上記一方当接体に支持する支持部材と、上記他方当接体に上記当接面に直交する方向に所定間隔で複数設けられ上記横架材が差し込まれて係合される係合部とを備えて構成したことを特徴とする請求項1乃至3何れかに記載のまな板用アタッチメント。
【請求項9】
上記挾持手段を、上記一方当接体及び他方当接体の端部に夫々上記当接面に直交する方向に立設され互いに上記当接面に直交する方向に相対移動可能に接合される支柱と、該支柱の一方に上記当接面に直交する方向に所定間隔で突出形成される複数の係合凸部と、上記支柱の他方に上記当接面に直交する方向に所定間隔で形成され上記係合凸部が係合される複数の係合凹部とを備えて構成したことを特徴とする請求項1乃至3何れかに記載のまな板用アタッチメント。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−224145(P2011−224145A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−96733(P2010−96733)
【出願日】平成22年4月20日(2010.4.20)
【出願人】(508031601)
【Fターム(参考)】