めっき装置
【課題】ワークがめっき液と均一に接して良好なめっき処理を行うことが出来るめっき装置を提供する。
【解決手段】振動モータ9により、上面を開口し、且つ無数の小孔を有する多孔容器12をめっき槽内のめっき液M中に没入浸漬させて該多孔容器12内に収容したワーク群Wを移動と転動を与え乍らめっき処理を施すめっき装置において、該多孔容器12は、その底壁12aを該振動モータ9の回転方向に沿う弧状とし、該弧状底壁12aに連なる両側壁12b,12bを垂直壁とした。
【解決手段】振動モータ9により、上面を開口し、且つ無数の小孔を有する多孔容器12をめっき槽内のめっき液M中に没入浸漬させて該多孔容器12内に収容したワーク群Wを移動と転動を与え乍らめっき処理を施すめっき装置において、該多孔容器12は、その底壁12aを該振動モータ9の回転方向に沿う弧状とし、該弧状底壁12aに連なる両側壁12b,12bを垂直壁とした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品等の小型のワークにめっきを施す装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、小型のワークをめっきする装置として、周壁に無数に小孔を設けた多角形の回転バレルを備えためっき装置は一般に広く用いられており周知であるので、例示するまでもない。また、他の形式のめっき装置として、下記特許文献1により、振動モータなどの起振器で上面を開口し、且つ底面に無数の小孔を有する円筒形の容器を振動させ、該振動により該容器に収容した小型のワークを該容器の螺旋状の底面に沿い転動させ乍ら該底面を昇る方向に旋回移動を行わせつゝめっき処理を施すめっき装置が開示されている。
【特許文献1】実公平5−12294号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし乍ら、上記の一般に広く用いられているめっき装置では、ワークが小型化する程、回転バレルに設けた無数の小孔にワークが引掛かったり、小孔から脱落したりするのを防ぐため、小孔の径を小さくせざるを得ないので、これに伴って該回転バレル内へのめっき液の交換効率が悪くなったり、処理中に発生するガスの抜けが悪くなる。更に、回転バレル内へのめっき液の流入流出を行わせるため、回転バレルが多角形(一般に6角形)であるため、金属電極(陽極)に対するバレルに設けた小孔の角度が変わり、小孔の角度が金属電極に対し斜めになるとき殆んど電流を遮蔽する状態となる。このため、バレル内を所要の電流密度を保つために高電流を用いなければなければならない等に不具合を生じる不都合がある。
一方、かゝる不都合のない前記の特許文献1に記載の形式のめっき装置は、本願の添付図面における図13及び図14に示すように、上面を開口した合成樹脂製の円筒形の周壁50aとその底面50bを金網、その他の多孔性の導電材料により底面が順次高くなる螺旋状に形成された底面50bとから成る多孔容器50をめっき液M中に埋没浸漬し、該容器50を左右一対の振動モータ51,51によって、該容器50を揺動させ、これにより該容器50内の該ワーク群Wは該容器50の螺旋状の底面50bに沿って転動し乍ら、該底面50bの螺旋を昇る方向に旋回移動する。そして、その旋回移動中該底面50bに形成される段差部50cを落下するときに該容器50の中央を移動するものと外側を移動するものとが入り交じり、これによってワーク群Wは均一にめっき液と接触し且つ振動によってワークに付着した気泡等も有効に分離されてめっき処理が施されるようにしたものである。
而して、このめっき装置により、容器50の上面が開放しているため、上記の従来一般に用いられている回転バレルを具備しためっき装置の上記の不都合を解消できる。
しかし乍ら、この図示の従来のめっき装置では図13及び図14に示すように、該底面50bは螺旋状の底面50bのため、その段差部50cのところで各ワークは落下するので、丸みのあるワークなら問題がないが、扁平なワーク等、転動し難い形状のワークでは、該段差部50cのところで転動しないことがしばしば起こり、従って、各ワークの全ての面をめっき液に均一に触れさせることができずにめっき斑を生じたり、1個所でも転動しないワークが該底面の網目に引っ掛かると全てのワークの移動が阻止され、ワーク相互の移動がなくなって、ワークが重なりあった状態でめっき処理され、めっき不良を起し易いなどの不都合を生じた。
そこで本発明は、上記の振動モータを具備しためっき装置の上記の課題を解消しためっき装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、請求項1に記載の通り、上面を開口した無数の小孔を有する多孔容器をめっき槽内のめっき液中に没入浸漬させ、振動モータにより該多孔容器を振動させ、該容器内に収容したワーク群に移動と転動を与え乍らめっき処理を施すめっき装置において、該多孔容器は、その底壁を上記振動モータの回転方向に沿う弧状とし、該底壁に連なる両側壁を垂直壁としたことを特徴とするめっき装置に存する。
更に本発明は、請求項1に記載のめっき装置において、上部に振動モータを備える架枠の下部に該多孔容器を備え、該多孔容器はその底壁から両側の垂直壁にかけて無数の小孔を有する樹脂製から成り、該多孔容器の外周に金属製の保護枠を具備し、該保護枠はその両端から上方に伸びる金属製の立上杆を配設すると共に、該保護枠と該立上杆の表面には絶縁被膜を施されており、該架枠は、下部の載台と該載台の両端から上方に伸びる支柱と該支柱の上端に設けた振動モータ取付台から成ると共に、これらの構成部材で該多孔容器収容空間を囲繞形成し、該多孔容器収容空間内に保護枠で外周を保護された多孔容器を該保護枠の両端の立上杆が該架枠の両端の支柱の内側面に沿うように該載台上に載置収容すると共に、該立上杆を該支柱に締付具で締付け固定することを特徴とする。
更に本発明は、請求項2に記載のめっき装置において、該多孔容器を該保護枠に着脱自在に装着したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
このように、請求項1に記載の発明に係るめっき装置を用い、めっき処理するときは、多孔容器の底壁を上記振動モータの回転方向に沿う弧状としたことで、該多孔容器内のワーク群は振動モータの回転によって、多孔容器の該弧状底壁に沿って押し上げられ、上位まで上げられたワークから順次転動し乍ら内側下方へ自重で崩落するという移動反転動作を繰り返すことができ、これにより、各ワークはその全面が処理中めっき液と均一に接する。一方、該多孔容器は振動モータによって振動するだけであるので、該多孔容器の両側の垂直壁は、対向する陽極金属板との位置関係が変わらず、両側の垂直壁に設けた無数の小孔を介しての多孔容器内への電流の流入が常に充分に行われる。従って、ワーク群Wに均一且つ良好なめっき処理を行うことが出来る。
更に、請求項2に記載の発明によるときは、該多孔容器を、樹脂製の多孔容器とし、その外周を、表面を絶縁皮膜で被覆された金属製の保護枠を具備せしめたので、該多孔容器は安定堅牢となる。また、該多孔容器は、該架枠に設けた該載台に載せた後、該立上杆を支柱に沿わせ、締付具で締付け固定するだけで、該架枠に簡単に取付けられる。締付具による締付けを解けば簡単に架枠から該多孔容器を取り外すことができ、該多孔容器の架枠への取付け取外しは、立上杆を持って行えるので、該多孔容器へのワークの出し入れが行い易い。
更に、請求項3に記載の発明によるときは、ワークの形状、寸法に応じて許される限り小孔の径の大きい多孔容器に取り換えることにより、小孔の開口部を可及的に高めて小孔を介しての多孔容器への電流の流入をより高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明の実施形態の一例を図1乃至図7に基づいて詳述する。
図面でAはめっき装置を示し、該めっき装置Aは、架枠1と架枠1の上部に下記のように設けた振動モータ9と該これに着脱可能に取り付けた上面を開口2した多孔容器12とから成る。
該架枠1は上方から見て方形の開口2を有する方形の樹脂製の多孔容器12を載置する載台3と、該載台3の両端中央部から上方に伸びる一対の樹脂製の支柱4,4と、該支柱4,4の上端に両端を取り付けられた金属製の振動モータ取付台5とから成り、これらの構成部材の間に方形の多孔容器収容空間Sを形成した。更に、該振動モータ取付台5の上面にこれより前方に突出する金属板6を取り付け、該金属板6の突出部に、先端に多孔容器12内に臨ませる銅塊から成る陰極部7aを支持する導電部材として剛性の陰極棒7の取付部8を設け、該振動モータ取付台5上に振動モータ9を取付けた。
尚、図示するものでは、取付部8を筒状の金具とし、取付部8に陰極棒7を上下に挿通したのちビス8aで陰極棒7を取付部8に締付け固定させた。
この陰極棒7は、該多孔容器12を該架枠1から取外すとき、陰極棒7を上方に引き上げる必要がある。そこで、この実施例では、振動モータ取付台5の中央から上方に伸びる金属製の補助支柱10を設け、該支柱10を介して振動モータ9を取り付け、陰極棒7を上方に引き出し得る空間S′を振動モータ9の下面に形成するようにした。
尚、11は、該補助支柱10の上端から架枠1の後方に突出する電極接続板を示し、該電極接続板11から該陰極棒7に、該補助支柱10と金属板6を介して通電するようにした。尚また、前記載台3の底面には通液用の広い開口3aを設けた。
【0007】
上記の合成樹脂製の多孔容器12には、図3及び図4に明示のように、その外周を保護する金属製の保護枠13を設けた。更に詳述すると、該多孔容器12は、これを該架枠1に装着したとき、該架枠1に設けた振動モータ9の回転方向に沿う弧状の底壁12aと、該弧状底壁12aから上方に伸びる前後の垂直壁12b,12bと、これら弧状底壁12aと垂直壁12b,12bの両端間を塞ぐ左右の無孔の両端壁12c,12cとから成ると共に、該弧状底壁12a、前後の両垂直壁12b,12bには、図3、図6、図7に明示のように、壁面に対し直角に無数の小孔12eを穿設したものである。
【0008】
尚、該多孔容器12の内面にワークwが付着するのを防ぐため、該容器12の内面に無数の突起12dを設けておくことが望ましく、この実施例では、図6並びに図7に示す如く、該多孔容器12の内側面に幅2mm、高さ2mmの四角錐から成る突起12dを一定の間隔1mmを存して縦横に無数に整列配置しこれら突起12d,12d間に無数の小孔12eを設けた。
該多孔容器12の外周は、前述のように金属製の保護枠13により保護されている。該保護枠13は、該多孔容器12の両端壁12c,12cの外側に沿ってその両端壁12c,12cを保護する端板13a,13aと、該両端板13a,13aの両側間を連結し且つ該容器12の前後の側面を保護する上下2段の横枠13b,13bと、該端板13a,13a同士を繋ぐ方向に伸びて該多孔容器12の底壁12aを保護する下側枠13cと、該下側枠13cの両端から夫々該端板13a,13aの外側に沿って上方に伸びる立上杆13dから成り、該立上杆13d,13dは端板13a,13aの上端より大きく上方に突出させて置く。これら端板13a,13aと横枠13b,13bと下側枠13cと立上杆13dとは一体に溶接し、その外表面には絶縁被膜13eを施しておく。また、該多孔容器12は、上段の横枠13b,13bに合成樹脂製のボルト、ナットの締付具14で締め付けて保護枠13に取り付ける。
該多孔容器12の該架枠1への取り付けは、該多孔容器12を載台3上に載置後、該立上枠13d,13dを該架枠1の支柱4,4に沿わせ、図2及び図5に明示のように、締付具15,15で、支柱4,4に該立上杆13d,13dを締め付け固定することで行う。
【0009】
上記の本装置Aを用いめっき処理を行うには、該保護枠13で外周を保護された多孔容器12を上記のように該架枠1に取り付けた後、図1に示すように、吊り具16により懸吊し、めっき槽17内に挿入するとき、該多孔容器12の前後の垂直壁12b,12bがめっき槽17内に前後に配設した陽極金属板18,18と対向するように配置して挿入する。
この状態から、振動モータ9を回動せしめれば、該多孔容器12は振動すると同時に該多孔容器12内に収容されているワーク群Wは、図3の矢示のように、先ず、振動モータ9の回転方向に沿い弧状底壁12a及び垂直壁12bの内面に沿った上昇移動を行うことができ、次いで、上位に達した各ワークwは反転し乍ら内側へ自重で崩落するという移動転動動作を繰り返されるので、全てのワークを円滑に且つ均一に良好なめっき処理を行うことができる。
このめっき処理中、多孔容器12の両側の垂直壁12b,12bは、陽極電極板18,18と対向位置に保たれるので、該垂直壁12b,12bに設けた無数の小孔12e,12e,…は、陽極18,18から電流の流れに対し正面を向いているので、常にこれらの小孔12e,12e,…を介し多孔容器12内への電流の流入を良好に行うことができる。
【0010】
先の実施例で示しためっき装置Aでは、陰極棒7に陰極7aを支持せしめることにより、陰極7aがワーク群Wの移動によって押し上げられることを防止する固定手段を採用したが、図8に示す固定手段を採用してもよい。即ち、同図において、図2に使用した剛性の陰極棒7の使用を廃し、これに代わり、人手によって曲げれば曲がり得るが、ワーク群Wの移動による押し上げ力には抗し得て陰極7aを固定保持する被覆導線7′の一対を図示のように左右の立上杆13d,13dから導出させ、その先端に胴塊の陰極7a,7aを設け、これら陰極7a,7aを介しワーク群Wに通電するようにしたものである。かくして、図2で使用した陰極棒7を上方に引き出す空間S′をなくすことができると共に、図2に示すめっき装置Aに比し小型化しためっき装置とすることができる。
【0011】
図9及び図10は、陰極7aの固定手段の更に他の変形例を示す。この変形例では、一対の銅塊状の陰極7aを長手の銅杆に変えると共にこれを短い支持導電杆を介し該多孔容器12に締付け固定したものである。
即ち、図9は、図3に対応する図、図10は図2に対応する側面図である。図面で陰極7aを、該多孔容器12の弧状底壁12aの中央の最下部の内面にその長さ方向に沿い、その容器12の略全長に亘り横設した厚さ2mm程度の肉薄帯状の陰極7a′としたものを配置し、その下面に左右において夫々溶接により上端面を接続した螺杆から成る導電杆7″,7″を該多孔容器12の該底壁12aとその外側の保護枠13の下側枠13cを貫通し、その外側の架枠1の広い開口3a,3a内に臨むよう突出させ、夫々の導電杆7″,7″の螺条下端にナット19,19を螺合し、該帯状の陰極7aを該底壁12aの内面に締付け圧着固定した。かくして、外部の電源より金属製保護枠13を介しこれと電気的に接触する導電杆7″,7″を介して該帯状の陰極7a′に導通せしめるようにしたものである。尚、該ナット19,19には、その外面に電気絶縁性皮膜13eで被覆することが好ましい。これにより、先の実施例で用いた陰極棒7,7や先の変形例で用いた一対の該導電杆7′,7′の一部がワーク群W内に介在するため、これにより、ワーク群Wの移動を妨げる惧れをなくし、一層円滑なワーク群Wの移動を行うことができる。一方、該導電杆7″,7″は著しく短くて済む。
【0012】
図11は、図9及び図10に示す帯状の陰極7a′を該多孔容器12の底壁内面に圧着固定した固定手段の変形例を示す。即ち、該多孔容器12の弧状底壁12aの中央に長さ方向に帯状の陰極7a′を丁度収容するに適した長矩形状の帯状の穿孔20を設け、該帯状の穿孔20内に該帯状の陰極7a′を、その上面7a1がその両側と隣接する弧状底壁12aの上辺縁と同じつら位置になるように収容し、この状態で該帯状の陰極7a′の下面から延びる導電杆7″の下端部に螺合したナット19により、該帯状の陰極7a′を該保護枠13の下側枠31の上面に締付け圧着固定したものである。この陰極固定手段では、該帯状の陰極7a′は、その両側と隣接する底壁12aの内面と同じつら位置であるので、ワーク群の移動が更に円滑に行うことができ好ましい。尚、該帯状の陰極7a′の厚さは、図示の例では、多孔容器12の厚さと略同じとしたが、その厚さはこれに限定されない。
【0013】
図12は、多孔容器12側に設ける陰極の固定手段の更なる変形例を示し、帯状の陰極7a′に代え、適宜厚さの円板状の陰極7a″とし、その複数個を、図示の例ではその2個を、該多孔容器12の弧状底壁12aの中央の最下部の長さ方向の左右に配設した該円板状の陰極7a″が丁度収容できる内径を有する円形状の穿孔20′,20′内に、その各陰極7a″の上面7a1がその各円孔20′の外周を囲繞する底壁12aの周辺縁と同じつら位置になるように収容し、この状態で各該陰極7a下面から下方に延びる導電杆7″の下端部に螺合したナット19により、該保護枠13の下側枠31の上面に締付け圧着固定する。
このように多孔容器12の長さ方向に配設する円板状の陰極7a″の個数を3個又はそれ以上に増大すれば、これに伴い、ワーク群Wへの通電効率を増大できる。尚、陰極7a″の形状は、円形に限定されないことは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明実施の一例を示すめっき装置の正面図。
【図2】図1のI−I線矢方向から見た一部を截除した図。
【図3】図2のII−II線拡大断面図。
【図4】一部を截除した保護枠に装着した多孔容器の斜視図。
【図5】締付具の斜視図
【図6】多孔容器の内面の一部の拡大図。
【図7】図6のIII−III線截断面図。
【図8】本発明のめっき装置の陰極固定手段の変形例を示す図2に対応する図。
【図9】陰極固定手段の更に変形例を示す図2に対応する一部の図。
【図10】図3に対応する横断面図。
【図11】多孔容器側に設ける陰極の固定手段の更なる変形例を示す図10に対応する要部の横断面図。
【図12】多孔容器側に設ける陰極の固定手段の更なる変形例を示す図9に対応する要部の截除した拡大図。
【図13】従来のめっき装置の一部截断正面図。
【図14】図13の一部の平面図。
【符号の説明】
【0015】
A めっき装置
1 架枠
2 開口
3 載台
4 支柱
5 振動モータ取付台
7,7′,7″ 支持導電部材
7a,7a′,7a″ 陰極
11 電極接続板
12 多孔容器
12a 弧状底壁
12b 垂直壁
12c 端壁
13 保護枠
13a 端板
13b 横枠
13c 下側枠
13d 立上杆
13e 絶縁皮膜
18 陽極,陽極金属板
S 多孔容器収容空間
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品等の小型のワークにめっきを施す装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、小型のワークをめっきする装置として、周壁に無数に小孔を設けた多角形の回転バレルを備えためっき装置は一般に広く用いられており周知であるので、例示するまでもない。また、他の形式のめっき装置として、下記特許文献1により、振動モータなどの起振器で上面を開口し、且つ底面に無数の小孔を有する円筒形の容器を振動させ、該振動により該容器に収容した小型のワークを該容器の螺旋状の底面に沿い転動させ乍ら該底面を昇る方向に旋回移動を行わせつゝめっき処理を施すめっき装置が開示されている。
【特許文献1】実公平5−12294号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし乍ら、上記の一般に広く用いられているめっき装置では、ワークが小型化する程、回転バレルに設けた無数の小孔にワークが引掛かったり、小孔から脱落したりするのを防ぐため、小孔の径を小さくせざるを得ないので、これに伴って該回転バレル内へのめっき液の交換効率が悪くなったり、処理中に発生するガスの抜けが悪くなる。更に、回転バレル内へのめっき液の流入流出を行わせるため、回転バレルが多角形(一般に6角形)であるため、金属電極(陽極)に対するバレルに設けた小孔の角度が変わり、小孔の角度が金属電極に対し斜めになるとき殆んど電流を遮蔽する状態となる。このため、バレル内を所要の電流密度を保つために高電流を用いなければなければならない等に不具合を生じる不都合がある。
一方、かゝる不都合のない前記の特許文献1に記載の形式のめっき装置は、本願の添付図面における図13及び図14に示すように、上面を開口した合成樹脂製の円筒形の周壁50aとその底面50bを金網、その他の多孔性の導電材料により底面が順次高くなる螺旋状に形成された底面50bとから成る多孔容器50をめっき液M中に埋没浸漬し、該容器50を左右一対の振動モータ51,51によって、該容器50を揺動させ、これにより該容器50内の該ワーク群Wは該容器50の螺旋状の底面50bに沿って転動し乍ら、該底面50bの螺旋を昇る方向に旋回移動する。そして、その旋回移動中該底面50bに形成される段差部50cを落下するときに該容器50の中央を移動するものと外側を移動するものとが入り交じり、これによってワーク群Wは均一にめっき液と接触し且つ振動によってワークに付着した気泡等も有効に分離されてめっき処理が施されるようにしたものである。
而して、このめっき装置により、容器50の上面が開放しているため、上記の従来一般に用いられている回転バレルを具備しためっき装置の上記の不都合を解消できる。
しかし乍ら、この図示の従来のめっき装置では図13及び図14に示すように、該底面50bは螺旋状の底面50bのため、その段差部50cのところで各ワークは落下するので、丸みのあるワークなら問題がないが、扁平なワーク等、転動し難い形状のワークでは、該段差部50cのところで転動しないことがしばしば起こり、従って、各ワークの全ての面をめっき液に均一に触れさせることができずにめっき斑を生じたり、1個所でも転動しないワークが該底面の網目に引っ掛かると全てのワークの移動が阻止され、ワーク相互の移動がなくなって、ワークが重なりあった状態でめっき処理され、めっき不良を起し易いなどの不都合を生じた。
そこで本発明は、上記の振動モータを具備しためっき装置の上記の課題を解消しためっき装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、請求項1に記載の通り、上面を開口した無数の小孔を有する多孔容器をめっき槽内のめっき液中に没入浸漬させ、振動モータにより該多孔容器を振動させ、該容器内に収容したワーク群に移動と転動を与え乍らめっき処理を施すめっき装置において、該多孔容器は、その底壁を上記振動モータの回転方向に沿う弧状とし、該底壁に連なる両側壁を垂直壁としたことを特徴とするめっき装置に存する。
更に本発明は、請求項1に記載のめっき装置において、上部に振動モータを備える架枠の下部に該多孔容器を備え、該多孔容器はその底壁から両側の垂直壁にかけて無数の小孔を有する樹脂製から成り、該多孔容器の外周に金属製の保護枠を具備し、該保護枠はその両端から上方に伸びる金属製の立上杆を配設すると共に、該保護枠と該立上杆の表面には絶縁被膜を施されており、該架枠は、下部の載台と該載台の両端から上方に伸びる支柱と該支柱の上端に設けた振動モータ取付台から成ると共に、これらの構成部材で該多孔容器収容空間を囲繞形成し、該多孔容器収容空間内に保護枠で外周を保護された多孔容器を該保護枠の両端の立上杆が該架枠の両端の支柱の内側面に沿うように該載台上に載置収容すると共に、該立上杆を該支柱に締付具で締付け固定することを特徴とする。
更に本発明は、請求項2に記載のめっき装置において、該多孔容器を該保護枠に着脱自在に装着したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
このように、請求項1に記載の発明に係るめっき装置を用い、めっき処理するときは、多孔容器の底壁を上記振動モータの回転方向に沿う弧状としたことで、該多孔容器内のワーク群は振動モータの回転によって、多孔容器の該弧状底壁に沿って押し上げられ、上位まで上げられたワークから順次転動し乍ら内側下方へ自重で崩落するという移動反転動作を繰り返すことができ、これにより、各ワークはその全面が処理中めっき液と均一に接する。一方、該多孔容器は振動モータによって振動するだけであるので、該多孔容器の両側の垂直壁は、対向する陽極金属板との位置関係が変わらず、両側の垂直壁に設けた無数の小孔を介しての多孔容器内への電流の流入が常に充分に行われる。従って、ワーク群Wに均一且つ良好なめっき処理を行うことが出来る。
更に、請求項2に記載の発明によるときは、該多孔容器を、樹脂製の多孔容器とし、その外周を、表面を絶縁皮膜で被覆された金属製の保護枠を具備せしめたので、該多孔容器は安定堅牢となる。また、該多孔容器は、該架枠に設けた該載台に載せた後、該立上杆を支柱に沿わせ、締付具で締付け固定するだけで、該架枠に簡単に取付けられる。締付具による締付けを解けば簡単に架枠から該多孔容器を取り外すことができ、該多孔容器の架枠への取付け取外しは、立上杆を持って行えるので、該多孔容器へのワークの出し入れが行い易い。
更に、請求項3に記載の発明によるときは、ワークの形状、寸法に応じて許される限り小孔の径の大きい多孔容器に取り換えることにより、小孔の開口部を可及的に高めて小孔を介しての多孔容器への電流の流入をより高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明の実施形態の一例を図1乃至図7に基づいて詳述する。
図面でAはめっき装置を示し、該めっき装置Aは、架枠1と架枠1の上部に下記のように設けた振動モータ9と該これに着脱可能に取り付けた上面を開口2した多孔容器12とから成る。
該架枠1は上方から見て方形の開口2を有する方形の樹脂製の多孔容器12を載置する載台3と、該載台3の両端中央部から上方に伸びる一対の樹脂製の支柱4,4と、該支柱4,4の上端に両端を取り付けられた金属製の振動モータ取付台5とから成り、これらの構成部材の間に方形の多孔容器収容空間Sを形成した。更に、該振動モータ取付台5の上面にこれより前方に突出する金属板6を取り付け、該金属板6の突出部に、先端に多孔容器12内に臨ませる銅塊から成る陰極部7aを支持する導電部材として剛性の陰極棒7の取付部8を設け、該振動モータ取付台5上に振動モータ9を取付けた。
尚、図示するものでは、取付部8を筒状の金具とし、取付部8に陰極棒7を上下に挿通したのちビス8aで陰極棒7を取付部8に締付け固定させた。
この陰極棒7は、該多孔容器12を該架枠1から取外すとき、陰極棒7を上方に引き上げる必要がある。そこで、この実施例では、振動モータ取付台5の中央から上方に伸びる金属製の補助支柱10を設け、該支柱10を介して振動モータ9を取り付け、陰極棒7を上方に引き出し得る空間S′を振動モータ9の下面に形成するようにした。
尚、11は、該補助支柱10の上端から架枠1の後方に突出する電極接続板を示し、該電極接続板11から該陰極棒7に、該補助支柱10と金属板6を介して通電するようにした。尚また、前記載台3の底面には通液用の広い開口3aを設けた。
【0007】
上記の合成樹脂製の多孔容器12には、図3及び図4に明示のように、その外周を保護する金属製の保護枠13を設けた。更に詳述すると、該多孔容器12は、これを該架枠1に装着したとき、該架枠1に設けた振動モータ9の回転方向に沿う弧状の底壁12aと、該弧状底壁12aから上方に伸びる前後の垂直壁12b,12bと、これら弧状底壁12aと垂直壁12b,12bの両端間を塞ぐ左右の無孔の両端壁12c,12cとから成ると共に、該弧状底壁12a、前後の両垂直壁12b,12bには、図3、図6、図7に明示のように、壁面に対し直角に無数の小孔12eを穿設したものである。
【0008】
尚、該多孔容器12の内面にワークwが付着するのを防ぐため、該容器12の内面に無数の突起12dを設けておくことが望ましく、この実施例では、図6並びに図7に示す如く、該多孔容器12の内側面に幅2mm、高さ2mmの四角錐から成る突起12dを一定の間隔1mmを存して縦横に無数に整列配置しこれら突起12d,12d間に無数の小孔12eを設けた。
該多孔容器12の外周は、前述のように金属製の保護枠13により保護されている。該保護枠13は、該多孔容器12の両端壁12c,12cの外側に沿ってその両端壁12c,12cを保護する端板13a,13aと、該両端板13a,13aの両側間を連結し且つ該容器12の前後の側面を保護する上下2段の横枠13b,13bと、該端板13a,13a同士を繋ぐ方向に伸びて該多孔容器12の底壁12aを保護する下側枠13cと、該下側枠13cの両端から夫々該端板13a,13aの外側に沿って上方に伸びる立上杆13dから成り、該立上杆13d,13dは端板13a,13aの上端より大きく上方に突出させて置く。これら端板13a,13aと横枠13b,13bと下側枠13cと立上杆13dとは一体に溶接し、その外表面には絶縁被膜13eを施しておく。また、該多孔容器12は、上段の横枠13b,13bに合成樹脂製のボルト、ナットの締付具14で締め付けて保護枠13に取り付ける。
該多孔容器12の該架枠1への取り付けは、該多孔容器12を載台3上に載置後、該立上枠13d,13dを該架枠1の支柱4,4に沿わせ、図2及び図5に明示のように、締付具15,15で、支柱4,4に該立上杆13d,13dを締め付け固定することで行う。
【0009】
上記の本装置Aを用いめっき処理を行うには、該保護枠13で外周を保護された多孔容器12を上記のように該架枠1に取り付けた後、図1に示すように、吊り具16により懸吊し、めっき槽17内に挿入するとき、該多孔容器12の前後の垂直壁12b,12bがめっき槽17内に前後に配設した陽極金属板18,18と対向するように配置して挿入する。
この状態から、振動モータ9を回動せしめれば、該多孔容器12は振動すると同時に該多孔容器12内に収容されているワーク群Wは、図3の矢示のように、先ず、振動モータ9の回転方向に沿い弧状底壁12a及び垂直壁12bの内面に沿った上昇移動を行うことができ、次いで、上位に達した各ワークwは反転し乍ら内側へ自重で崩落するという移動転動動作を繰り返されるので、全てのワークを円滑に且つ均一に良好なめっき処理を行うことができる。
このめっき処理中、多孔容器12の両側の垂直壁12b,12bは、陽極電極板18,18と対向位置に保たれるので、該垂直壁12b,12bに設けた無数の小孔12e,12e,…は、陽極18,18から電流の流れに対し正面を向いているので、常にこれらの小孔12e,12e,…を介し多孔容器12内への電流の流入を良好に行うことができる。
【0010】
先の実施例で示しためっき装置Aでは、陰極棒7に陰極7aを支持せしめることにより、陰極7aがワーク群Wの移動によって押し上げられることを防止する固定手段を採用したが、図8に示す固定手段を採用してもよい。即ち、同図において、図2に使用した剛性の陰極棒7の使用を廃し、これに代わり、人手によって曲げれば曲がり得るが、ワーク群Wの移動による押し上げ力には抗し得て陰極7aを固定保持する被覆導線7′の一対を図示のように左右の立上杆13d,13dから導出させ、その先端に胴塊の陰極7a,7aを設け、これら陰極7a,7aを介しワーク群Wに通電するようにしたものである。かくして、図2で使用した陰極棒7を上方に引き出す空間S′をなくすことができると共に、図2に示すめっき装置Aに比し小型化しためっき装置とすることができる。
【0011】
図9及び図10は、陰極7aの固定手段の更に他の変形例を示す。この変形例では、一対の銅塊状の陰極7aを長手の銅杆に変えると共にこれを短い支持導電杆を介し該多孔容器12に締付け固定したものである。
即ち、図9は、図3に対応する図、図10は図2に対応する側面図である。図面で陰極7aを、該多孔容器12の弧状底壁12aの中央の最下部の内面にその長さ方向に沿い、その容器12の略全長に亘り横設した厚さ2mm程度の肉薄帯状の陰極7a′としたものを配置し、その下面に左右において夫々溶接により上端面を接続した螺杆から成る導電杆7″,7″を該多孔容器12の該底壁12aとその外側の保護枠13の下側枠13cを貫通し、その外側の架枠1の広い開口3a,3a内に臨むよう突出させ、夫々の導電杆7″,7″の螺条下端にナット19,19を螺合し、該帯状の陰極7aを該底壁12aの内面に締付け圧着固定した。かくして、外部の電源より金属製保護枠13を介しこれと電気的に接触する導電杆7″,7″を介して該帯状の陰極7a′に導通せしめるようにしたものである。尚、該ナット19,19には、その外面に電気絶縁性皮膜13eで被覆することが好ましい。これにより、先の実施例で用いた陰極棒7,7や先の変形例で用いた一対の該導電杆7′,7′の一部がワーク群W内に介在するため、これにより、ワーク群Wの移動を妨げる惧れをなくし、一層円滑なワーク群Wの移動を行うことができる。一方、該導電杆7″,7″は著しく短くて済む。
【0012】
図11は、図9及び図10に示す帯状の陰極7a′を該多孔容器12の底壁内面に圧着固定した固定手段の変形例を示す。即ち、該多孔容器12の弧状底壁12aの中央に長さ方向に帯状の陰極7a′を丁度収容するに適した長矩形状の帯状の穿孔20を設け、該帯状の穿孔20内に該帯状の陰極7a′を、その上面7a1がその両側と隣接する弧状底壁12aの上辺縁と同じつら位置になるように収容し、この状態で該帯状の陰極7a′の下面から延びる導電杆7″の下端部に螺合したナット19により、該帯状の陰極7a′を該保護枠13の下側枠31の上面に締付け圧着固定したものである。この陰極固定手段では、該帯状の陰極7a′は、その両側と隣接する底壁12aの内面と同じつら位置であるので、ワーク群の移動が更に円滑に行うことができ好ましい。尚、該帯状の陰極7a′の厚さは、図示の例では、多孔容器12の厚さと略同じとしたが、その厚さはこれに限定されない。
【0013】
図12は、多孔容器12側に設ける陰極の固定手段の更なる変形例を示し、帯状の陰極7a′に代え、適宜厚さの円板状の陰極7a″とし、その複数個を、図示の例ではその2個を、該多孔容器12の弧状底壁12aの中央の最下部の長さ方向の左右に配設した該円板状の陰極7a″が丁度収容できる内径を有する円形状の穿孔20′,20′内に、その各陰極7a″の上面7a1がその各円孔20′の外周を囲繞する底壁12aの周辺縁と同じつら位置になるように収容し、この状態で各該陰極7a下面から下方に延びる導電杆7″の下端部に螺合したナット19により、該保護枠13の下側枠31の上面に締付け圧着固定する。
このように多孔容器12の長さ方向に配設する円板状の陰極7a″の個数を3個又はそれ以上に増大すれば、これに伴い、ワーク群Wへの通電効率を増大できる。尚、陰極7a″の形状は、円形に限定されないことは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明実施の一例を示すめっき装置の正面図。
【図2】図1のI−I線矢方向から見た一部を截除した図。
【図3】図2のII−II線拡大断面図。
【図4】一部を截除した保護枠に装着した多孔容器の斜視図。
【図5】締付具の斜視図
【図6】多孔容器の内面の一部の拡大図。
【図7】図6のIII−III線截断面図。
【図8】本発明のめっき装置の陰極固定手段の変形例を示す図2に対応する図。
【図9】陰極固定手段の更に変形例を示す図2に対応する一部の図。
【図10】図3に対応する横断面図。
【図11】多孔容器側に設ける陰極の固定手段の更なる変形例を示す図10に対応する要部の横断面図。
【図12】多孔容器側に設ける陰極の固定手段の更なる変形例を示す図9に対応する要部の截除した拡大図。
【図13】従来のめっき装置の一部截断正面図。
【図14】図13の一部の平面図。
【符号の説明】
【0015】
A めっき装置
1 架枠
2 開口
3 載台
4 支柱
5 振動モータ取付台
7,7′,7″ 支持導電部材
7a,7a′,7a″ 陰極
11 電極接続板
12 多孔容器
12a 弧状底壁
12b 垂直壁
12c 端壁
13 保護枠
13a 端板
13b 横枠
13c 下側枠
13d 立上杆
13e 絶縁皮膜
18 陽極,陽極金属板
S 多孔容器収容空間
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面を開口した無数の小孔を有する多孔容器をめっき槽内のめっき液中に没入浸漬させ、振動モータにより該多孔容器を振動させ、該容器内に収容したワーク群に移動と転動を与え乍らめっき処理を施すめっき装置において、該多孔容器は、その底壁を上記振動モータの回転方向に沿う弧状とし、該底壁に連なる両側壁を垂直壁としたことを特徴とするめっき装置。
【請求項2】
上部に振動モータを備える架枠の下部に該多孔容器を備え、該多孔容器はその底壁から両側の垂直壁にかけて無数の小孔を有する樹脂製から成り、該多孔容器の外周に金属製の保護枠を具備し、該保護枠はその両端から上方に伸びる金属製の立上杆を配設すると共に、該保護枠と該立上杆の表面には絶縁被膜を施されており、該架枠は、下部の載台と該載台の両端から上方に伸びる支柱と該支柱の上端に設けた振動モータ取付台から成ると共に、これらの構成部材で該多孔容器収容空間を囲繞形成し、該多孔容器収容空間内に保護枠で外周を保護された多孔容器を該保護枠の両端の立上杆が該架枠の両端の支柱の内側面に沿うように該載台上に載置収容すると共に、該立上杆を該支柱に締付具で締付け固定することを特徴とする請求項1に記載のめっき装置。
【請求項3】
該多孔容器を該保護枠に着脱自在に装着したことを特徴とする請求項2に記載のめっき装置。
【請求項1】
上面を開口した無数の小孔を有する多孔容器をめっき槽内のめっき液中に没入浸漬させ、振動モータにより該多孔容器を振動させ、該容器内に収容したワーク群に移動と転動を与え乍らめっき処理を施すめっき装置において、該多孔容器は、その底壁を上記振動モータの回転方向に沿う弧状とし、該底壁に連なる両側壁を垂直壁としたことを特徴とするめっき装置。
【請求項2】
上部に振動モータを備える架枠の下部に該多孔容器を備え、該多孔容器はその底壁から両側の垂直壁にかけて無数の小孔を有する樹脂製から成り、該多孔容器の外周に金属製の保護枠を具備し、該保護枠はその両端から上方に伸びる金属製の立上杆を配設すると共に、該保護枠と該立上杆の表面には絶縁被膜を施されており、該架枠は、下部の載台と該載台の両端から上方に伸びる支柱と該支柱の上端に設けた振動モータ取付台から成ると共に、これらの構成部材で該多孔容器収容空間を囲繞形成し、該多孔容器収容空間内に保護枠で外周を保護された多孔容器を該保護枠の両端の立上杆が該架枠の両端の支柱の内側面に沿うように該載台上に載置収容すると共に、該立上杆を該支柱に締付具で締付け固定することを特徴とする請求項1に記載のめっき装置。
【請求項3】
該多孔容器を該保護枠に着脱自在に装着したことを特徴とする請求項2に記載のめっき装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2006−328449(P2006−328449A)
【公開日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−150654(P2005−150654)
【出願日】平成17年5月24日(2005.5.24)
【出願人】(593182945)株式会社コンドウ (2)
【公開日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年5月24日(2005.5.24)
【出願人】(593182945)株式会社コンドウ (2)
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