説明

アイキャッチラベル

【課題】アイキャッチラベルに計量スプーンの機能を付加する。
【解決手段】アイキャッチラベル1Aが、基材シート2の表面2aに表示部3を有し、裏面の一端部に、物品に再剥離可能に貼着する粘着剤層4を有する。粘着剤層4は、該アイキャッチラベル1Aの中央部に向かって先細に入り込むV字状領域4bを有し、V字状領域4bを形成する一対の縁辺同士が重なり合うように粘着剤層4を2つ折りにして貼り合わせたときに、V字状領域の先端点を頂点として形成される逆錐体形状の該頂点から所定の深さまでの容積を示す目盛5が、基材シートの表面2a又は裏面に設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器の外表面に情報表示のために貼付されるアイキャッチラベルに関する。
【背景技術】
【0002】
アイキャッチラベルはタックラベルとも称され、内容物説明、宣伝広告、キャンペーン情報、取扱上の注意事項等の商品関連情報を表示するために、種々の物品の外表面に貼付されるものであり、一般に、基材シートの表面に商品関連情報が印刷された表示部を有し、裏面の一端部側のみに物品に再剥離可能に貼着する粘着剤層が形成され、裏面の他端部側は、アイキャッチラベルが物品の外表面に貼付されたときに、その物品の外表面から浮き上がる自由端となっている(特許文献1)。
【0003】
一方、アイキャッチラベルの貼付対象となりうる物品の一つに、スクイズにより内容液を定量吐出させるスクイズ容器がある(特許文献2)。このようなスクイズによる定量吐出容器は、未だ一般消費者に広く普及しているとはいえないため、一般消費者が定量吐出性を簡便に確認できるようにすることが望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−47770号公報
【特許文献2】特開2009−298426号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
スクイズにより内容液を定量吐出させるスクイズ容器の定量吐出性を、一般消費者が簡便に確認できるようにする方法としては、そのようなスクイズ容器に計量容器、計量スプーン等の計量具を添付しておくことが考えられる。しかしながら、計量具を添付することで、製品が消費する樹脂量として計量具分が増えるために、製品コストの上昇だけでなく、近年話題となっている環境負荷の増大も招いてしまう。これに対し、本発明は、アイキャッチラベルに計量スプーンの機能を付加し、アイキャッチラベルが貼付される物品の定量吐出機能を簡便に確認できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、アイキャッチラベルの粘着剤層を二つ折りにして重ね合わせ、残りの部分で逆錐体形状を形成し、その逆錐体形状の内表面となる部分に目盛を付しておくと、逆錐体形状を計量器として使用できることを見出した。
【0007】
即ち、本発明は、基材シートの表面に表示部を有し、裏面の一端部に、物品に再剥離可能に貼着する粘着剤層を有するアイキャッチラベルであって、粘着剤層が、該アイキャッチラベルの中央部に向かって先細に入り込むV字状領域を有し、該V字状領域を形成する一対の縁辺同士が重なり合うように粘着剤層を2つ折りにして貼り合わせたときに、V字状領域の先端点を頂点として形成される逆錐体形状の該頂点から所定の深さまでの容積を示す目盛が、基材シートの表面又は裏面に設けられている計量機能付きアイキャッチラベルを提供する。
また、本発明は、このアイキャッチラベルが貼付された定量吐出容器を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明のアイキャッチラベルによれば、粘着剤層が形成されている基材シートの一端部側を二つ折りにして貼り合わせ、他端部側に逆錐体形状を形成すると、逆錐体形状の表面に、その頂点から所定の深さまでの容積を示す目盛が設けられているので、逆錐体形状を計量器とし、貼り合わせた部分を把持部とする計量スプーンとなる。
【0009】
このため、本発明のアイキャッチラベルは、表示部で商品情報の表示ラベルとして使用できるのに加え、必要により計量スプーンとしても使用できるので、定量吐出容器に貼付すると、アイキャッチラベルの表示部により商品関連情報を示すことができる他、アイキャッチラベルを定量吐出容器から剥がして計量スプーンを形成することにより、定量吐出容器の定量吐出性を低コストに簡便に確認することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1A】図1Aは、実施例のアイキャッチラベル1Aを貼付した定量吐出容器の斜視図である。
【図1B】図1Bは、定量吐出容器に貼付したアイキャッチラベル1Aの使用方法の説明図である。
【図2A】図2Aは、アイキャッチラベル1Aの(a)正面図及び(b)裏面図である。
【図2B】図2Bは、アイキャッチラベル1Aから計量スプーンを形成する方法の説明図である。
【図2C】図2Cは、アイキャッチラベル1Aから形成した計量スプーン1A’の斜視図である。
【図3A】図3Aは、異なる態様のアイキャッチラベル1Bの(a)正面図及び(b)裏面図である。
【図3B】図3Bは、アイキャッチラベル1Bから計量スプーンを形成する方法の説明図である。
【図3C】図3Cは、アイキャッチラベル1Bから形成した計量スプーン1B’の斜視図である。
【図4】図4は、さらに異なる態様のアイキャッチラベル1Cの裏面図である。
【図5】図5は、さらに異なる態様のアイキャッチラベル1Dの裏面図である。
【図6】図6は、さらに異なる態様のアイキャッチラベル1Eの裏面図である。
【図7A】図7Aは、さらに異なる態様のアイキャッチラベル1Fの裏面図である。
【図7B】図7Bは、アイキャッチラベル1Fから形成した計量スプーン1F’の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しつつ本発明を具体的に説明する。なお、各図中、同一符号は、同一又は同等の構成要件を表している。
【0012】
図1Aは、本発明の一実施例のアイキャッチラベル1Aを貼付した定量吐出容器10の斜視図であり、図2Aは、そのアイキャッチラベル1Aの(a)正面図及び(b)裏面図である。なお、図1Aにおいて、符号11はスクイズにより内容液を定量吐出する定量吐出容器10の容器本体であり、符号12は容器本体11の口部に被さる蓋を示している。また、アイキャッチラベル1A内のドットで塗り潰した領域は、粘着剤層4によってアイキャッチラベル1Aが定量吐出容器10に貼着している領域を示している。
【0013】
図2Aに示すように、このアイキャッチラベル1Aは、外形が、矩形領域の一縁辺から部分円を突出させたキノコ形状の基材シート2の表面2aに、商品関連情報が印刷されている表示部3を有し、基材シート2の裏面2bに粘着剤層4を有する。粘着剤層4は基材シート2の矩形領域に形成された矩形領域4aと、矩形領域4aからアイキャッチラベル1Aの中央部に向かって先細に入り込むように延設されたV字状領域4bを有している。また、定量吐出容器10に貼付する前のアイキャッチラベル1Aには、粘着剤層4上に剥離層(図示せず)が積層されている。
【0014】
図2Bに示すように、粘着剤層4のV字状領域4bの先端点4pから伸びたV字状領域4bの2等分線Lを山折れ線とし、V字状領域4bのV字形部分を形成する一対の縁辺4q、4rを谷折線とし、図2Cに示すように、縁辺4q、4r同士が重なり合うように粘着剤層4を2つ折りにして貼り合わせると、V字状領域4bの先端点4pを頂点として逆錐体形状が形成される。本実施例においては、この逆錐体形状の頂点(V字状領域4bの先端点4p)から逆錐体形状の所定の深さまでの容積を示す円弧状の目盛5が、逆錐体形状の内表面に位置するように、基材シート2の表面2aの表示部3に印刷されている。この目盛5には、対応する円錐体形状の容積の数値(例えば、4mL)も付されている。そこで、このように粘着剤層4を2つ折りにして貼り合わせることにより、アイキャッチラベル1Aは、逆錐体形状を計量器6とし、2つ折りにして貼り合わせた部分を把持部7とする計量スプーン1A' となる。
【0015】
したがって、本実施例のアイキャッチラベル1Aによれば、図1Aに示すように店頭などにおいて、アイキャッチラベル1Aが定量吐出容器10に貼付されているときは、表示部3により商品関連情報を示すラベルとして機能し、それを購入した一般消費者が、図1Bに示すように、定量吐出容器10からアイキャッチラベル1Aを剥がして計量スプーン1A' を形成すると、計量スプーン1A'は簡易計量器として使用できるものとなる。よって、一般消費者は、定量吐出容器10の容器本体11をスクイズして内容液Aを計量スプーン1A'に吐出することにより、内容液Aの吐出量の定量性を確認することができ、以降、定量性を信頼して定量吐出容器10を使用することが可能となる。
【0016】
なお、本発明において、アイキャッチラベルの構成材料としては、例えば、基材シート2は、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド等の種々のプラスチックフィルムやパルプ、紙等から形成することができる。紙類としては、撥水処理等の表面処理、又は樹脂コーティングを行ったものが好ましい。また、粘着剤層4は、再剥離性を有するアクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤等から形成することができる。
【0017】
本発明のアイキャッチラベルは、種々の態様をとることができる。例えば、図3Aに示すアイキャッチラベル1Bのように、目盛5を、基材シート2の裏面2bに形成してもよい。この場合には、図3Bに示すように、粘着剤層4のV字状領域4bの先端点4pから伸びたV字状領域4bの2等分線Lを谷折れ線とし、V字状領域4bのV字形部分を形成する一対の縁辺4q、4rを山折線とし、図3Cに示すように、縁辺4q、4r同士が重なり合うように粘着剤層4を2つ折りにして貼り合わせることにより、V字状領域4bの先端点4pを頂点とする逆錐体形状が形成される。そこで、この逆錐体形状を計量器6とし、2つ折りにして貼り合わせた部分を把持部7とする計量スプーン1B' を得ることができる。このように目盛5を基材シート2の裏面に設けると、表示部3のデザインの自由度が増し、ラベルとして使用する場合の商品関連の表示機能を向上させることができるので好ましい。
【0018】
本発明のアイキャッチラベルから計量スプーンを形成する際に折線となるV字状領域4bの2等分線Lや、V字状領域4bのV字形部分を形成する縁辺4q、4rには、予め、補助線、エンボス、ハーフカット等を形成しておき、折線を形成しやすくしてもよい。
【0019】
目盛5の付し方について、図4に示すアイキャッチラベル1Cのように、複数の目盛で容量を計測できるようにしてもよい。また、目盛に付する数値は、逆錐体形状の容量(mL等)に限らず、それに対応する内容物の重量(g等)としてもよい。
【0020】
基材シート2の外形についても特に制限はなく、図5に示すアイキャッチラベル1Dのように、粘着剤層4の非形成領域の外形を楕円状としてもよく、図6に示すアイキャッチラベル1Eのように、粘着剤層4の非形成領域の外形を多角形状としてもよい。さらに、図7A、図7Bに示すアイキャッチラベル1Fのように粘着剤層4の矩形領域4aを省略し、計量スプーンに形成した場合の把持部7を小さくしてもよい。
【0021】
上述した態様は種々組み合わせることができる。
さらに、本発明のアイキャッチラベルを貼着する物品は、液体の定量吐出容器10に限らず、粉体の定量吐出容器であってもよい。
【符号の説明】
【0022】
1A、1B、1C、1D、1E、1F アイキャッチラベル
1A' 、1B' 、1F' 計量スプーン
2 基材シート
2a 基材シートの表面
2b 基材シートの裏面
3 表示部
4 粘着剤層
4a 矩形領域
4b V字状領域
4p V字状領域の先端点
4q、4r V字状領域の縁辺
5 目盛
6 計量器
7 把持部
10 定量吐出容器
11 容器本体
12 蓋

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材シートの表面に表示部を有し、裏面の一端部に、物品に再剥離可能に貼着する粘着剤層を有するアイキャッチラベルであって、粘着剤層が、該アイキャッチラベルの中央部に向かって先細に入り込むV字状領域を有し、該V字状領域を形成する一対の縁辺同士が重なり合うように粘着剤層を2つ折りにして貼り合わせたときに、V字状領域の先端点を頂点として形成される逆錐体形状の該頂点から所定の深さまでの容積を示す目盛が、基材シートの表面又は裏面に設けられている計量機能付きアイキャッチラベル。
【請求項2】
目盛が、前記V字状領域の先端点を中心とする円弧をなしている請求項1記載のアイキャッチラベル。
【請求項3】
表示部の外形が部分円形状を有する請求項1又は2記載のアイキャッチラベル。
【請求項4】
基材シートの外形が、矩形領域の一縁辺から部分円を突出させたキノコ形状を有し、矩形領域の裏面に粘着剤層が形成されている請求項1〜3のいずれかに記載のアイキャッチラベル。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載のアイキャッチラベルが貼着された定量吐出容器。
【請求項6】
スクイズにより内容液を定量吐出する請求項5記載の定量吐出容器。

【図1A】
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【図1B】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【公開番号】特開2011−251700(P2011−251700A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−124860(P2010−124860)
【出願日】平成22年5月31日(2010.5.31)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】