説明

アイテムデータを送信する方法、サーバおよびプログラム

【課題】キャラクタを生成するためにユーザによるアイテム選択操作を受け付けることなく、ユーザ情報を自動的に取得し、ユーザ情報を反映したアイテムデータを送信する方法を提供すること。
【解決手段】サーバ10は、キャラクタを構成するアイテムのアイテム属性データを、アイテムテーブルとして前記アイテムのアイテムIDデータに関連付けて記憶し、端末20から、前記キャラクタデータを関連付けるための文書データを受信して記憶し、記憶した前記文書データの特徴を分析して特徴データを生成し、前記アイテムテーブルを参照し、記憶した前記アイテム属性データが前記特徴データと関連度の高いアイテムを抽出し、抽出した前記アイテムのアイテムデータを端末20に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アイテムデータを送信する方法、サーバおよびプログラムに関する。特に、通信ネットワークに接続された端末にアイテムデータを送信する方法、サーバおよびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
インターネットの社会への普及に伴い、ネットワーク上で情報を閲覧したり、検索したり、あるいは商品を購入したり、といった受身のユーザのみならず、ユーザ自らが情報の発信者としてWeb上で擬似的な日記(いわゆるブログ)を公開したり、嗜好の一致する者同士でコミュニティを構成したり、といった積極的な行動をとるユーザが急速に増加している。
【0003】
特に、ブログがこの数年で急速に普及した背景には、インターネットの初心者でも簡単にホームページに文章や写真を登録して発信できるブログエディターの果たした貢献が大きいものと考えられる。
【0004】
そして、こうしたブログの社会への普及は、単に通信ネットワークに接続できる端末によって情報を閲覧していた時代には考えられなかったネットワーク上の社会(いわゆるネットワークコミュニティ)が現実の社会とは別にもうひとつ出現し、急速に発展しつつあることを示している。
【0005】
こうした状況において、ネットワーク上でユーザ自身を表すシンボルとして、「アバター」を活用するユーザが増加している。「分身」を意味するアバターは、具体的には画像データ、動画データ、音声データ等で表現されたいわゆるキャラクタであるが、現実の社会とは別に存在するネットワークコミュニティにおいて自分自身を表現し、他のユーザと対話し、共感し、議論し、同好の友人関係を広げる、といった様々な活動において、擬似的な行動主体としてその存在意義を高めている。
【0006】
具体的には、例えば、ブログを公表する際に、アバターを画面の中で活用することにより、ユーザの書き込みによる文書とは別にユーザ自身をキャラクタデータにより直感的に表現することができるので、それを見る人にあたかもネットワーク上に自分の分身が存在するかのような感覚を抱かせ、ネットワークコミュニティにおけるコミュニケーションを強力にサポートすることができる。
【0007】
実際に、このアバターの髪型、服装、アクセサリ、小物、背景などのアイテムをコーディネートすること自体がネットワークコミュニティにおいてユーザ自身のセンスや嗜好をアピールするために重要な活動のひとつとなっている。このため、ユーザはこのようなアイテムを有償で購入したり、友人にプレゼントしたりしており、アバターのコーディネートは経済活動の対象ともなっている。
【0008】
したがって、現実社会において洋服を購入したり、アクセサリや小物をコーディネートしたりすることと同様に、アバターのコーディネート活動はネットワーク上でユーザの嗜好を判断したり、ネットワークコミュニティにおける流行や変化を捉えたりする上で重要な分析対象ともなっている。
【0009】
こうした状況において、通常は、ユーザが予め用意されたアイテムの中から自由に選択することにより、好みのアバターを生成するという方法がとられるが、アバター管理装置(サーバ)によって自動的にアバターを生成・更新する方法も提案されている。
【0010】
例えば、特許文献1には、ユーザに心理テストを実行させることにより当該ユーザの属性を決定し、決定された属性のアクセサリ(アイテム)画像を用いて基本画像に対して変更を行い、アバター画像を生成する方法が開示されている。
【特許文献1】特開2005−332091号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、上記の特許文献1においても、予め決められた質問(心理テスト)に対する答えに従ってアイテムを選択しているように、従来の技術では、予め用意された選択肢の中からユーザの選択を受け付けることを前提としている。
【0012】
このように、ユーザからの選択入力を受け付ければ、ユーザの考えを直接反映したキャラクタにすることができるが、一方で、アバターを生成する際には、ユーザによる操作が必要となり、煩わしさを感じる可能性もある。また、自動的にアバターが生成されることによれば、ユーザ自身が持つイメージとの一致や相違、あるいは意外性などを楽しめる可能性もある。
【0013】
そこで本発明は、キャラクタ(アバター)を生成するためにユーザによるアイテム選択操作を受け付けることなく、ユーザ情報(例えば、ユーザの好みや行動内容)を自動的に取得し、ユーザ情報を反映したアイテムデータを送信する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的のため、具体的には、以下のようなものを提供する。
【0015】
(1) ユーザの端末(端末20)と通信ネットワーク(通信ネットワーク30)を介して接続されたサーバ(サーバ10)が、前記ユーザのユーザIDデータに関連付けて(アバターDB201に)記憶されているキャラクタデータの一部を構成するためのアイテムデータ(画像データ、動画データ、音声データ等)を送信する方法であって、
キャラクタを構成するアイテムのアイテム属性データを、アイテムテーブルとして前記アイテムのアイテムIDデータに関連付けて(アイテムDB202に)記憶するステップと、
前記端末から、前記キャラクタデータを関連付けるための文書データを受信して(文書DB210に)記憶するステップと、
記憶した前記文書データに含まれ、前記文書データを特徴付ける単語を特徴データとして抽出するステップと、
前記アイテムテーブルを参照し、記憶した前記アイテム属性データが前記特徴データと関連度の高いアイテムを抽出するステップと、
抽出した前記アイテムのアイテムデータを前記端末に送信するステップと、
を含む方法。
【0016】
このような構成によれば、当該サーバは、キャラクタを構成するアイテムのアイテム属性データを、アイテムテーブルとして前記アイテムのアイテムIDデータに関連付けて記憶し、前記端末から、前記キャラクタデータを関連付けるための文書データを受信して記憶し、記憶した前記文書データに含まれ、前記文書データを特徴付ける単語を特徴データとして抽出し、前記アイテムテーブルを参照し、記憶した前記アイテム属性データが前記特徴データと関連度の高いアイテムを抽出し、抽出した前記アイテムのアイテムデータを前記端末に送信する。
【0017】
このことにより、当該サーバは、文書データ(ブログ等のWebドキュメント)を受信したことに応じて、当該文書データを特徴付ける特徴データ(単語)と関連度の高いアイテムのアイテムデータ(画像データ等)を端末に送信するので、当該端末に表示されるキャラクタ(アバター)は、ユーザが書いた文書の特徴を反映したものになり得る。
【0018】
よって、ユーザは、意識的にアイテムを選択することなくキャラクタ画像を取得でき、更には、文書の内容に応じたキャラクタの変化を楽しめる可能性がある。
【0019】
(2) 前記端末において共存して表現可能なアイテムの組み合わせを示すデータを予め記憶するステップを更に含み、
前記関連度に基づいて、前記共存して表現可能なアイテムを所定数抽出することを特徴とする(1)に記載の方法。
【0020】
このような構成によれば、当該サーバは、共存して表現可能なアイテムの組み合わせを示すデータを予め記憶し、前記関連度に基づいて、前記共存して表現可能なアイテムを所定数選択する。
【0021】
このことにより、共存して表現できない同種類のアイテムが抽出される無駄がなくなり、効果的にキャラクタを生成できる可能性がある。
【0022】
(3) 前記端末から新たな文書データを受信した際に、前記キャラクタデータを構成するアイテムのうちの、一または複数を置き換えるアイテムデータを送信することを特徴とする(1)または(2)に記載の方法。
【0023】
このような構成によれば、既存のキャラクタデータを活かした上で、その一部分を変化させることができる。このことにより、アイテムの抽出数が少なくてもキャラクタを生成することができ、更に、ユーザは、文書を書いていくに従ってキャラクタが段階的に変化していく様子を楽しめる可能性がある。
【0024】
(4) 前記端末から新たな文書データを受信した際に、前記キャラクタデータを構成するアイテムの全てを置き換えるアイテムデータを送信することを特徴とする(1)または(2)に記載の方法。
【0025】
このような構成によれば、アイテムを全て選びなおしてキャラクタを生成するので、文書データの内容と関連度の高いキャラクタを生成できる可能性がある。また、キャラクタの劇的な変化による面白さや意外性を楽しめる可能性もある。
【0026】
(5) 前記関連度の高いアイテムを抽出するステップにおいて、前記アイテムの利用された回数に応じた重み付けをして抽出することを特徴とする(1)から(4)のいずれかに記載の方法。
【0027】
このような構成によれば、アイテムの利用回数に応じた重み付けをすることで、他ユーザも含めた傾向(流行)を反映できる可能性がある。
【0028】
(6) 複数の類義語データを互いに関連付けをして記憶するステップを更に含み、
前記関連度の高いアイテムを抽出するステップにおいて、前記関連付けをした類義語データを前記アイテム属性データに含むアイテムの関連度を高く評価することを特徴とする(1)から(5)のいずれかに記載の方法。
【0029】
このような構成によれば、当該サーバは、複数の類義語データを互いに関連付けをして記憶し、前記関連付けをした類義語データを前記アイテム属性データに含むアイテムの関連度を高く評価する。
【0030】
このことにより、類義語同士の関連度を高く評価するので、効果的に特徴データと近い概念のアイテムを抽出できる可能性がある。更には、互いに類似した単語を含む複数の特徴データ間で、アイテムの抽出結果のばらつきを低減できる。
【0031】
(7) ユーザの端末と通信ネットワークを介して接続され、前記ユーザのユーザIDデータに関連付けて記憶されているキャラクタデータの一部を構成するためのアイテムデータを送信するサーバであって、
キャラクタを構成するアイテムのアイテム属性データを、アイテムテーブルとして前記アイテムのアイテムIDデータに関連付けて記憶する手段と、
前記端末から、前記キャラクタデータを関連付けるための文書データを受信して記憶する手段と、
記憶した前記文書データに含まれ、前記文書データを特徴付ける単語を特徴データとして抽出する手段と、
前記アイテムテーブルを参照し、記憶した前記アイテム属性データが前記特徴データと関連度の高いアイテムを抽出する手段と、
抽出した前記アイテムのアイテムデータを前記端末に送信する手段と、
を備えるサーバ。
【0032】
このような構成によれば、当該サーバを運用することにより、(1)と同様の効果が期待できる。
【0033】
(8) 前記端末において共存して表現可能なアイテムの組み合わせを示すデータを予め記憶する手段を更に備え、
前記関連度に基づいて、前記共存して表現可能なアイテムを所定数抽出することを特徴とする(7)に記載のサーバ。
【0034】
このような構成によれば、当該サーバを運用することにより、(2)と同様の効果が期待できる。
【0035】
(9) 前記端末から新たな文書データを受信した際に、前記キャラクタデータを構成するアイテムのうちの、一または複数を置き換えるアイテムデータを送信することを特徴とする(7)または(8)に記載のサーバ。
【0036】
このような構成によれば、当該サーバを運用することにより、(3)と同様の効果が期待できる。
【0037】
(10) 前記端末から新たな文書データを受信した際に、前記キャラクタデータを構成するアイテムの全てを置き換えるアイテムデータを送信することを特徴とする(7)または(8)に記載のサーバ。
【0038】
このような構成によれば、当該サーバを運用することにより、(4)と同様の効果が期待できる。
【0039】
(11) 前記関連度の高いアイテムを抽出する手段において、前記アイテムの利用された回数に応じた重み付けをして抽出することを特徴とする(7)から(10)のいずれかに記載のサーバ。
【0040】
このような構成によれば、当該サーバを運用することにより、(5)と同様の効果が期待できる。
【0041】
(12) 複数の類義語データを互いに関連付けをして記憶する手段を更に含み、
前記関連度の高いアイテムを抽出する手段において、前記関連付けをした類義語データを前記アイテム属性データに含むアイテムの関連度を高く評価することを特徴とする(7)から(11)のいずれかに記載のサーバ。
【0042】
このような構成によれば、当該サーバを運用することにより、(6)と同様の効果が期待できる。
【0043】
(13) ユーザの端末と通信ネットワークを介して接続されたサーバに、前記ユーザのユーザIDデータに関連付けて記憶されているキャラクタデータの一部を構成するためのアイテムデータを送信させるプログラムであって、
キャラクタを構成するアイテムのアイテム属性データを、アイテムテーブルとして前記アイテムのアイテムIDデータに関連付けて記憶するステップと、
前記端末から、前記キャラクタデータを関連付けるための文書データを受信して記憶するステップと、
記憶した前記文書データに含まれ、前記文書データを特徴付ける単語を特徴データとして抽出するステップと、
前記アイテムテーブルを参照し、記憶した前記アイテム属性データが前記特徴データと関連度の高いアイテムを抽出するステップと、
抽出した前記アイテムのアイテムデータを前記端末に送信するステップと、
を実行させるプログラム。
【0044】
このような構成によれば、当該プログラムを当該サーバ上で実行することにより、(1)と同様の効果が期待できる。
【発明の効果】
【0045】
本発明によれば、キャラクタ(アバター)を生成するためにユーザによるアイテム選択操作を受け付けることなく、ユーザ情報(例えば、ユーザの好みや行動内容)を自動的に取得し、ユーザ情報を反映したアイテムデータを送信できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0046】
本発明に係る好適な実施形態の一例について、図面に基づいて以下に説明する。
[システムの全体構成]
【0047】
図1は、本発明の好適な実施形態の一例に係るコンピュータ・システム1の全体構成およびサーバ10の機能構成を表すブロック図である。
【0048】
サーバ10と端末20とが通信ネットワーク30を介して接続されている。ここで、サーバ10の数に制限はなく、必要に応じて1または複数で構成してよい。また、サーバ10は、必要に応じてWebサーバ、DBサーバ、アプリケーションサーバを含んで構成してよく、1台のサーバで構成しても、それぞれ別のサーバで構成してもよい。
【0049】
サーバ10は、少なくともアバターとしてのキャラクタを管理するアバター管理装置として構成し、記憶部200は、アバターDB201、アイテムDB202、文書DB210、類語辞書DB211からなる。
【0050】
更に、制御部100は、サーバ10全体を制御し、少なくとも形態素解析部111、特徴データ抽出部112、アイテムデータ抽出部103、アイテムデータ送信部104を備える。
【0051】
サーバ10は、端末20においてユーザが作成したブログ等のWebドキュメントを受信し、文書DB210に記憶する。続いてサーバ10は、記憶部200に記憶した各種データ(図2、図3、図6)を参照し、制御部100によって、当該Webドキュメントに対応付けるキャラクタ(アバター)に関するアイテムデータを抽出して端末20に送信する。なお、処理の詳細については後述する(図4、図5)。
[アバターテーブル]
【0052】
図2は、本発明の好適な実施形態の一例に係るアバターテーブルを示す図である。
【0053】
記憶部200は、アバターDB201に、例えば、図2に示すアバターテーブルとして、ユーザを識別するユーザIDデータをキーに、「顔」、「髪型」、「服装」、「ボトムス」といったテーマごとにアイテムを識別するアイテムIDデータを対応付けて記憶している。
【0054】
例えば、ユーザIDデータが「ABC12」のユーザに関しては、記憶部200は、「顔」について「D678」を、「髪型」について「B898」を、「服装」について「C1120」を、ボトムスについて「A178」を、それぞれ「ABC12」に関連付けて記憶している。
【0055】
このように、アバターテーブルは、その時点のアバターのコーディネートに基づくアイテムIDデータを、ユーザIDデータに関連付けて管理している。
[アイテムテーブル]
【0056】
図3は、本発明の好適な実施形態の一例に係るアイテムテーブルを示す図である。
【0057】
記憶部200は、アイテムDB202に、例えば、図3に示すアイテムテーブルとして、アイテムIDデータをキーに、画像データ、テーマIDデータ、分類データ、アイテム属性データ(属性1、属性2、属性3)、選択された回数(利用数)を対応付けて記憶している。
【0058】
例えば、アイテムIDデータが「C1120」であるアイテムには、そのアイテムを表す画像データと共に、「スーツ」、「春」、「グレー」、「ビジネス」といった分類データやアイテム属性データが対応付けられており、利用数が1000回であったことを読み取ることができる。
【0059】
ここで、テーマIDデータは、「01」が「服装」、「02」が「靴」、「03」が「被り物」といったテーマを識別するデータであり、アバターテーブル(図2)のテーマに対応する。例えば、アイテムIDデータが「C1120」と「C1130」であるアイテムは、テーマIDデータが「01」(服装)で共通しており、共にアバターテーブルの服装フィールドに登場する。
【0060】
制御部100は、後述の処理(図4、図5)に従ってこのアイテムテーブルを参照し、ユーザのアバターを構成するアイテムを選択して対応する画像データを端末20に送信する。
【0061】
ここで、アイテムの実体を表すデータとして画像データを例示したが、これには限られず、MPEG、FLASH(登録商標)、3GP等の動画データであってもよいし、WAV、MP3等の音声データであってもよい。本発明においては、最終的に端末20に送信するアバターの一部を構成するデータとして取り扱うことが可能なものが全て含まれる。
[メイン処理]
【0062】
図4は、本発明の好適な実施形態の一例に係るメイン処理の流れを示すフローチャートである。
【0063】
ステップS11では、制御部100は、端末20から文書データを受信する。当該文書データは、端末20において作成するブログ等のWebドキュメントであって、Webページ全体であってもよいし、Webページで適時追加・変更された一部の文書データであってもよい。サーバ10は、ここで受信した文書データをユーザIDデータと関連付けて、文書DB210に記憶しておく。
【0064】
ステップS12では、制御部100の形態素解析部111は、ステップS11にて受信した文書データを形態素解析し、個々の単語(形態素)に分解する。
【0065】
ステップS13では、制御部100の特徴データ抽出部112は、ステップS12にて分解された単語の中から、当該文書データを特徴付ける単語を抽出し、これを特徴データとする。具体的には、例えば、TF−IDF等の手法を用いることができ、各単語の重要度を算出することにより、1または複数の特徴語を抽出する。
【0066】
このとき、例えばTF−IDFを用いる場合には、文書DB210に記憶した複数の文書データを参照し、各単語の当該文書内における出現回数および出現文書数を算出し、重要度を求める。
【0067】
ステップS14では、制御部100のアイテムデータ抽出部103は、ステップS13にて抽出した特徴データに基づいて、端末20に送信するためのアイテムデータ(画像データ等)を抽出する。処理内容は図5にて後述する。
【0068】
ステップS15では、制御部100のアイテムデータ送信部104は、ステップS14にて抽出したアイテムデータを、端末20へ送信する。
[アイテムデータの抽出処理]
【0069】
図5は、本発明の好適な実施形態の一例に係るアイテムデータの抽出処理の流れを示すフローチャートである。この処理は、メイン処理(図4)のステップS14に相当する。
【0070】
ステップS21では、制御部100のアイテムデータ抽出部103は、メイン処理(図4)のステップS13にて抽出した特徴データとアイテムテーブル(図3)に記憶したアイテムそれぞれのアイテム属性データとの関連度を算出する。即ち、特徴データとアイテム属性データがマッチングするアイテムに関して関連度を高く評価し、アイテム抽出のための指標として記憶する。
【0071】
ここで、関連度とは、例えば、比較対象となっている二つのデータに含まれる単語が一致した数をポイント化して表現することができる。あるいは、アイテム属性データに含まれる単語が一致した場合には、より高いポイントを付与し、その類義語や同義語が一致した場合には、それよりは低いポイントを付与してもよい。その他、様々な関連度判断の精度向上ならびに効率向上のための公知の技術が本発明に適用可能である。
【0072】
なお、特徴データはユーザの記述した文書データから抽出されるものであるため、同様の意味であっても異なる単語(類義語、同義語)として抽出される可能性がある。そのため、関連度を算出する際に類義語の中で結果にばらつきが出てしまう可能性がある。
【0073】
そこで、類義語同士については関連度を高く設定したり、あるいは、同様の意味を持つ単語を一つの代表語に集約した後に関連度を算出したりすることが好ましい。
【0074】
その場合、例えば、図6に示す類語辞書テーブルを用いることができる。記憶部200は、類語辞書DB211に、類語辞書テーブルとして、代表語をキーに類義語を対応付けて記憶している。
【0075】
例えば、代表語が「靴」の類義語として、「くつ」や「シューズ」が登録されており、これらの単語の関連度を高く設定する。あるいは、これらの単語は全て「靴」に変換して関連度を算出することにより、どれも「靴」と同じ結果が得られる。
【0076】
再び図5に戻って、ステップS22では、制御部100のアイテムデータ抽出部103は、ステップS21で算出した関連度の高いアイテムから順に参照していき、所定の関連度に満たなければ、処理を終了する。関連度の高いアイテムがあれば、ステップS23に処理を移す。
【0077】
ここで、関連度が高い順にアイテムを抽出した場合には、例えば2種類の「靴」が抽出される等、端末20で共存できないという問題が起こりうる。共存とは、端末20にて同時に表現(画像データであれば表示)できることをさす。例えば、「スーツ」と「革靴」であれば同時に画像を表示できるが、「スーツ」と「Tシャツ」はどちらも服装というテーマであるために一方しか表示できず、共存できないと判別する。
【0078】
そこで、制御部100のアイテムデータ抽出部103は、既に抽出されたアイテムと端末20で共存が可能か否かの判別をし(ステップS23)、共存できないと判別した場合には、次のアイテムを参照する。こうして、共存が可能と判別される参照アイテムを抽出していく(ステップS24)。
【0079】
なお、共存が可能か否かを判別するためには、アイテムテーブルと関連付けて、複数アイテムをテーマごとにグループ化するデータを記憶しておく(図示せず)。あるいは、アイテムテーブル(図3)のテーマIDフィールド(例えば、「服装」、「靴」、「被り物」といった分類を示すIDデータ)を参照することにより、同一のテーマからは一のアイテムのみ抽出可能とすることでも実現できる。例えば、図3において、テーマIDが「01」(服装)で共通するアイテム「C1120」(スーツ)と「C1130」(Tシャツ)とは、どちらか一方しか選択できない。
【0080】
ここで、本発明の実施の形態としては、アバターの全アイテムを置き換えてもよいし、既存のアイテムの一部を置き換えることにしてもよい。全アイテムを置き換える場合には、本処理にて抽出したアイテム同士が共存できるか否か判断すればよい。一方、既存のアイテムの一部を置き換える場合には、抽出したアイテムで既存のアバターを変更したときに、既存の他のアイテムと共存できるか否かを判断することになる。
【0081】
ステップS25では、制御部100のアイテムデータ抽出部103は、所定数のアイテムを抽出したか否かを判別し、抽出していないと判別された場合にはステップS22に処理を戻し、次のアイテムを抽出する。所定数のアイテムの抽出が終わると、制御部100のアイテムデータ抽出部103は、本処理を終了する。
【0082】
なお、本処理によって抽出されるアイテムデータは、前述の関連度が高いものとしたが、更に、アイテムテーブル(図3)の利用数に応じた重み付けをして評価することもできる。例えば、利用数が多い(人気がある)アイテムについては優先的に選択する。こうすることで、他のユーザも含めてよく利用されるアイテムが優先的に抽出され、世間の傾向(流行)を反映できる可能性がある。
[アバター生成結果]
【0083】
図7は、メイン処理(図4)のステップS15の後、端末20が表示する画面の一例を示す図である。
【0084】
この例では、ユーザが書いたブログの段落(例えば、日記の一日分)それぞれに対応して、アバターを表示している。文章から抽出した「遊び」や「サッカー」といった単語に関連付けて、ラフな格好やユニフォーム姿といったように、アイテムが変更されて表示される。
【0085】
なお、図7では段落ごとにアバターを表示しているが、表示の形態はこれには限られず、Webページ全体で一つのアバターを表示することにしてもよい。その場合には、Webページ全体から特徴データを抽出して、その特徴データに関連するアイテムで構成されたアバターとなる。
[サーバのハードウェア構成]
【0086】
図8は、図1で説明したサーバ10のハードウェア構成の一例を示す図である。サーバ10は、制御部100を構成するCPU(Central Processing Unit)1010(マルチプロセッサ構成ではCPU1012など複数のCPUが追加されてもよい)、バスライン1005、通信I/F1040、メインメモリ1050、BIOS(Basic Input Output System)1060、USBポート1090、I/Oコントローラ1070、ならびにキーボードおよびマウス1100等の入力手段や表示装置1022を備える。
【0087】
I/Oコントローラ1070には、テープドライブ1072、ハードディスク1074、光ディスクドライブ1076、半導体メモリ1078、等の記憶手段を接続することができる。
【0088】
BIOS1060は、サーバ10の起動時にCPU1010が実行するブートプログラムや、サーバ10のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0089】
記憶部200を構成するハードディスク1074は、サーバ10がサーバとして機能するための各種プログラムおよび本発明の機能を実行するプログラムを記憶しており、更に必要に応じて各種データベースを構成可能である。
【0090】
光ディスクドライブ1076としては、例えば、DVD−ROMドライブ、CD−ROMドライブ、DVD−RAMドライブ、CD−RAMドライブを使用することができる。この場合は各ドライブに対応した光ディスク1077を使用する。光ディスク1077から光ディスクドライブ1076によりプログラムまたはデータを読み取り、I/Oコントローラ1070を介してメインメモリ1050またはハードディスク1074に提供することもできる。また、同様にテープドライブ1072に対応したテープメディア1071を主としてバックアップのために使用することもできる。
【0091】
サーバ10に提供されるプログラムは、ハードディスク1074、光ディスク1077、またはメモリーカード等の記録媒体に格納されて提供される。このプログラムは、I/Oコントローラ1070を介して、記録媒体から読み出され、または通信I/F1040を介してダウンロードされることによって、サーバ10にインストールされ実行されてもよい。
【0092】
前述のプログラムは、内部または外部の記憶媒体に格納されてもよい。ここで、記憶部200を構成する記憶媒体としては、ハードディスク1074、光ディスク1077、またはメモリーカードの他に、MD等の光磁気記録媒体、テープ媒体を用いることができる。また、専用通信回線やインターネットに接続されたサーバシステムに設けたハードディスク1074または光ディスクライブラリ等の記憶装置を記録媒体として使用し、通信回線を介してプログラムをサーバ10に提供してもよい。
【0093】
ここで、表示装置1022は、ユーザにデータの入力を受け付ける画面を表示したり、サーバ10による演算処理結果の画面を表示したりするものであり、ブラウン管表示装置(CRT)、液晶表示装置(LCD)等のディスプレイ装置を含む。
【0094】
ここで、入力手段は、ユーザによる入力の受付を行うものであり、キーボードおよびマウス1100等により構成してよい。
【0095】
また、通信I/F1040は、サーバ10を専用ネットワークまたは公共ネットワークを介して端末と接続できるようにするためのネットワーク・アダプタである。通信I/F1040は、モデム、ケーブル・モデムおよびイーサネット(登録商標)・アダプタを含んでよい。
【0096】
以上の例は、サーバ10について主に説明したが、コンピュータに、プログラムをインストールして、そのコンピュータをサーバ装置として動作させることにより上記で説明した機能を実現することもできる。したがって、本発明において一実施形態として説明したサーバにより実現される機能は、上述の方法を当該コンピュータにより実行することにより、あるいは、上述のプログラムを当該コンピュータに導入して実行することによっても実現可能である。
[端末のハードウェア構成]
【0097】
端末20も、上述のサーバ10と同様な構成を持つ。また、上述の例ではいわゆるコンピュータで実現した例について説明したが、更に、本発明の原理が適用可能である限り、携帯電話、PDA(Personal Data Assistant)、ゲーム機等の様々な端末で実現してよい。
【0098】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限るものではない。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施例に記載されたものに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】本発明の好適な実施形態の一例に係るコンピュータ・システム1の全体構成およびサーバ10の機能構成を表すブロック図である。
【図2】本発明の好適な実施形態の一例に係るアバターテーブルを示す図である。
【図3】本発明の好適な実施形態の一例に係るアイテムテーブルを示す図である。
【図4】本発明の好適な実施形態の一例に係るメイン処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】本発明の好適な実施形態の一例に係るアイテムデータの抽出処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】本発明の好適な実施形態の一例に係る類語辞書テーブルを示す図である。
【図7】本発明の好適な実施形態の一例に係る端末20が表示する画面の一例を示す図である。
【図8】本発明の好適な実施形態の一例に係るサーバ10のハードウェア構成の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0100】
1 システム
10 サーバ
20 端末
30 通信ネットワーク
100 制御部
103 アイテムデータ抽出部
104 アイテムデータ送信部
111 形態素解析部
112 特徴データ抽出部
200 記憶部
201 アバターDB
202 アイテムDB
210 文書DB
211 類語辞書DB

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの端末と通信ネットワークを介して接続されたサーバが、前記ユーザのユーザIDデータに関連付けて記憶されているキャラクタデータの一部を構成するためのアイテムデータを送信する方法であって、
キャラクタを構成するアイテムのアイテム属性データを、アイテムテーブルとして前記アイテムのアイテムIDデータに関連付けて記憶するステップと、
前記端末から、前記キャラクタデータを関連付けるための文書データを受信して記憶するステップと、
記憶した前記文書データに含まれ、前記文書データを特徴付ける単語を特徴データとして抽出するステップと、
前記アイテムテーブルを参照し、記憶した前記アイテム属性データが前記特徴データと関連度の高いアイテムを抽出するステップと、
抽出した前記アイテムのアイテムデータを前記端末に送信するステップと、
を含む方法。
【請求項2】
前記端末において共存して表現可能なアイテムの組み合わせを示すデータを予め記憶するステップを更に含み、
前記関連度に基づいて、前記共存して表現可能なアイテムを所定数抽出することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記端末から新たな文書データを受信した際に、前記キャラクタデータを構成するアイテムのうちの、一または複数を置き換えるアイテムデータを送信することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記端末から新たな文書データを受信した際に、前記キャラクタデータを構成するアイテムの全てを置き換えるアイテムデータを送信することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記関連度の高いアイテムを抽出するステップにおいて、前記アイテムの利用された回数に応じた重み付けをして抽出することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
複数の類義語データを互いに関連付けをして記憶するステップを更に含み、
前記関連度の高いアイテムを抽出するステップにおいて、前記関連付けをした類義語データを前記アイテム属性データに含むアイテムの関連度を高く評価することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
ユーザの端末と通信ネットワークを介して接続され、前記ユーザのユーザIDデータに関連付けて記憶されているキャラクタデータの一部を構成するためのアイテムデータを送信するサーバであって、
キャラクタを構成するアイテムのアイテム属性データを、アイテムテーブルとして前記アイテムのアイテムIDデータに関連付けて記憶する手段と、
前記端末から、前記キャラクタデータを関連付けるための文書データを受信して記憶する手段と、
記憶した前記文書データに含まれ、前記文書データを特徴付ける単語を特徴データとして抽出する手段と、
前記アイテムテーブルを参照し、記憶した前記アイテム属性データが前記特徴データと関連度の高いアイテムを抽出する手段と、
抽出した前記アイテムのアイテムデータを前記端末に送信する手段と、
を備えるサーバ。
【請求項8】
前記端末において共存して表現可能なアイテムの組み合わせを示すデータを予め記憶する手段を更に備え、
前記関連度に基づいて、前記共存して表現可能なアイテムを所定数抽出することを特徴とする請求項7に記載のサーバ。
【請求項9】
前記端末から新たな文書データを受信した際に、前記キャラクタデータを構成するアイテムのうちの、一または複数を置き換えるアイテムデータを送信することを特徴とする請求項7または請求項8に記載のサーバ。
【請求項10】
前記端末から新たな文書データを受信した際に、前記キャラクタデータを構成するアイテムの全てを置き換えるアイテムデータを送信することを特徴とする請求項7または請求項8に記載のサーバ。
【請求項11】
前記関連度の高いアイテムを抽出する手段において、前記アイテムの利用された回数に応じた重み付けをして抽出することを特徴とする請求項7から請求項10のいずれかに記載のサーバ。
【請求項12】
複数の類義語データを互いに関連付けをして記憶する手段を更に含み、
前記関連度の高いアイテムを抽出する手段において、前記関連付けをした類義語データを前記アイテム属性データに含むアイテムの関連度を高く評価することを特徴とする請求項7から請求項11のいずれかに記載のサーバ。
【請求項13】
ユーザの端末と通信ネットワークを介して接続されたサーバに、前記ユーザのユーザIDデータに関連付けて記憶されているキャラクタデータの一部を構成するためのアイテムデータを送信させるプログラムであって、
キャラクタを構成するアイテムのアイテム属性データを、アイテムテーブルとして前記アイテムのアイテムIDデータに関連付けて記憶するステップと、
前記端末から、前記キャラクタデータを関連付けるための文書データを受信して記憶するステップと、
記憶した前記文書データに含まれ、前記文書データを特徴付ける単語を特徴データとして抽出するステップと、
前記アイテムテーブルを参照し、記憶した前記アイテム属性データが前記特徴データと関連度の高いアイテムを抽出するステップと、
抽出した前記アイテムのアイテムデータを前記端末に送信するステップと、
を実行させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−328705(P2007−328705A)
【公開日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−161102(P2006−161102)
【出願日】平成18年6月9日(2006.6.9)
【出願人】(500257300)ヤフー株式会社 (1,128)
【Fターム(参考)】