説明

アカウント管理装置、画像処理システム、画像処理方法、プログラムおよび記録媒体

【課題】ネットワークに新たなクライアント装置が接続された場合に、ユーザーによるクライアント装置についてのログイン情報の登録作業を不要にする。
【解決手段】ホストPC102およびアカウント管理サーバー104の制御装置121,141は、ネットワーク105に接続されたクライアントPC101からクライアント識別情報を取得し、そのクライアント識別情報に含まれるログイン情報に基づく臨時ログイン情報を記憶装置142に記憶させる処理、複合機103に対して入力されたログイン情報を取得する処理、取得したログイン情報が記憶装置142に記憶されている臨時ログイン情報である場合に、複合機103の使用を許可する処理を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ユーザーによる画像処理装置の使用を管理するアカウント管理装置、画像処理システム、画像処理方法、プログラムおよび記録媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、多機能を有する画像形成装置として、複写機としての機能に加えて、ファクシミリとしての機能、スキャナとしての機能、あるいはドキュメントファイリング機能等を備えた複合機が多用されている。このような複合機をネットワーク上に有するシステムでは、ユーザーによる複合機の利用において、ユーザーからのログイン情報の入力を受け付けたり、ログイン情報の入力に応じて複合機の利用を許可したり、ログイン情報の入力に応じて利用できる機能を制限したりする画像処理システムが存在する。
【0003】
上記のように、画像処理システムにおいて、ログイン情報に基づいて複合機の利用を許可したり、利用を拒否したりする場合には、入力されたログイン情報に対して認証処理が行われている。また、この認証処理を行うために、画像処理システムには、予めユーザーアカウントが登録される。
【0004】
例えば、特許文献1では、情報処理装置でのユーザーアカウントの登録処理に関し、認証機能を有する複数の情報処理装置が連携してジョブを実行する際に、次のような処理を行うようになっている。すなわち、連携元情報情報処理装置から連携先情報処理装置に対して、連携元情報処理装置において認証されている認証情報を送信する。連携先情報処理装置では、受信した認証情報に基づいてユーザーアカウントを生成し、生成したユーザーアカウントによりジョブを実行する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−218144号公報(2010年9月30日公開)
【特許文献1】特開2009−187309号公報(2009年8月20日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、例えば特許文献1の技術では、外部から所定の画像処理システム内に持ち込まれた情報処理装置のユーザーアカウントの生成処理については考慮されていない。したがって、この場合には、持ち込まれた情報処理装置についてのユーザーによるユーザーアカウントの登録作業が必要となる。
【0007】
具体的には、例えば出張者(ユーザー)が出張先のオフィスに情報処理装置を持ち込み、そのオフィスに設けられている画像処理システムに情報処理装置を接続する場合には、出張者用の臨時アカウントを画像処理システムのアカウント管理装置に登録する必要がある。この場合には、ユーザーによるユーザーアカウントの登録作業が必要となる。
【0008】
したがって、本発明は、新たな情報処理装置が接続された場合において、ユーザーによる情報処理装置のユーザーアカウントの登録作業を不要とするアカウント管理装置、画像処理システム、画像処理方法、プログラムおよび記録媒体の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、本発明のアカウント管理装置は、ネットワークを介して画像処理装置およびクライアント装置と接続されるアカウント管理装置において、記憶装置と制御部とを備え、前記ネットワークに接続された前記クライアント装置からクライアント識別情報を取得し、そのクライアント識別情報に含まれるログイン情報に基づく臨時ログイン情報を前記記憶装置に記憶させる第1の処理、前記画像処理装置に対して入力された前記画像処理装置を使用するためのログイン情報を取得する第2の処理、前記第2の処理にて取得したログイン情報が、前記記憶装置に記憶されている前記臨時ログイン情報である場合に、前記画像処理装置の使用を許可する第3の処理を行うことを特徴としている。
【0010】
上記の構成によれば、制御部は、ネットワークに接続されたクライアント装置からクライアント識別情報を取得し、そのクライアント識別情報に含まれるログイン情報に基づく臨時ログイン情報を記憶装置に記憶させる。また、画像処理装置に対して入力された画像処理装置を使用するためのログイン情報を取得する。また、取得したログイン情報が、記憶装置に記憶されている臨時ログイン情報である場合に、画像処理装置の使用を許可する。
【0011】
これにより、ネットワークに新たなクライアント装置が接続された場合に、ユーザーによるクライアント装置についてのログイン情報の登録作業が不要となる。したがって、例えば、クライアント装置としてノートPCを持参した出張者に対して、画像処理装置の使用を自動的に許可することができる。
【0012】
なお、クライアント識別情報に含まれるログイン情報に基づく臨時ログイン情報とは、臨時ログイン情報が、クライアント識別情報に含まれるログイン情報と一致する場合を含む。また、臨時ログイン情報が、クライアント識別情報に含まれるログイン情報の一部を変更したものである場合など、クライアント識別情報に含まれるログイン情報から適宜変更されたものである場合を含む。
【0013】
また、本発明の画像処理システムは、画像処理装置とクライアント装置とホスト装置および管理装置とがネットワークを介して接続される画像処理システムにおいて、前記ホスト装置は、ホスト側制御部を備え、前記ホスト側制御部は、前記ネットワークに接続された前記クライアント装置からクライアント識別情報を取得し、そのクライアント識別情報に含まれるログイン情報に基づく臨時ログイン情報を前記管理装置に送信し、前記画像処理装置は、画像処理装置側制御部を備え、前記画像処理装置側制御部は、前記画像処理装置を使用するためのログイン情報の入力を受け付けるとともに、入力されたログイン情報を前記管理装置に送信し、前記管理装置は、管理装置側制御部と、管理装置側記憶装置とを備え、前記管理装置側制御部は、前記ホスト装置から受信した前記臨時ログイン情報を前記管理装置側記憶装置に記憶させ、前記画像処理装置から受信したログイン情報が、前記管理装置側記憶装置に記憶されている前記臨時ログイン情報である場合に、前記画像処理装置の使用を許可することを特徴としている。
【0014】
上記の構成によれば、ホスト装置のホスト側制御部は、ネットワークに接続されたクライアント装置からクライアント識別情報を取得し、そのクライアント識別情報に含まれるログイン情報に基づく臨時ログイン情報を管理装置に送信する。画像処理装置の画像処理装置側制御部は、画像処理装置を使用するためのログイン情報の入力を受け付けるとともに、入力されたログイン情報を管理装置に送信する。管理装置の管理装置側制御部は、ホスト装置から受信した臨時ログイン情報を管理装置側記憶装置に記憶させ、画像処理装置から受信したログイン情報が、管理装置側記憶装置に記憶されている臨時ログイン情報である場合に、画像処理装置の使用を許可する。
【0015】
これにより、ネットワークに新たなクライアント装置が接続された場合に、ユーザーによるクライアント装置についてのログイン情報の登録作業が不要となる。したがって、例えば、クライアント装置としてノートPCを持参した出張者に対して、画像処理装置の使用を自動的に許可することができる。
用を自動的に許可することができる。
【0016】
なお、クライアント識別情報に含まれるログイン情報に基づく臨時ログイン情報とは、臨時ログイン情報が、クライアント識別情報に含まれるログイン情報と一致する場合を含む。また、臨時ログイン情報が、クライアント識別情報に含まれるログイン情報の一部を変更したものである場合など、クライアント識別情報に含まれるログイン情報から適宜変更されたものである場合を含む。
【0017】
上記の画像処理システムにおいて、前記クライアント装置は、前記臨時ログイン情報によって前記画像処理装置の使用が許可される場合に、前記画像処理装置についての使用できる機能が制限される構成としてもよい。
【0018】
上記の構成によれば、クライアント装置としてノートPCを持参した出張者に対して、画像処理装置についての使用できる機能が制限される。これにより、管理装置に対して正規に登録されているクライアント装置と臨時に登録されたクライアント装置との画像処理装置についての使用できる機能が区別される。したがって、正規に登録されているクライアント装置の優位性を保持した状態にて、臨時接続のクライアント装置による画像処理装置の使用を認めることができる。
【0019】
なお、クライアント装置に対しての画像処理装置についての使用できる機能の制限は、管理装置、ホスト装置あるいは画像処理装置のいずれが行ってもよい。
【0020】
上記の画像処理システムにおいて、前記ホスト装置のホスト側制御部には、前記クライアント装置からの前記臨時の接続を許可するかどうかの設定が行われる構成としてもよい。
【0021】
上記の構成によれば、ユーザーは、ホスト装置のホスト側制御部に対して、クライアント装置からの臨時の接続を許可するかどうかの設定を行うことができる。したがって、セキュリティポリシーに応じて、クライアント装置として例えばノートPCを持参した出張者に対し、画像処理装置の使用を制限することができる。
【0022】
上記の画像処理システムにおいて、前記ホスト装置の前記ホスト側制御部は、前記ホスト装置と前記クライアント装置との通信状態を監視し、前記ホスト装置と前記クライアント装置との間の通信が一定期間以上行われていない場合に、そのクライアント装置のログイン情報を削除対象候補のログイン情報として前記管理装置に送信し、前記管理装置の前記管理装置側制御部は、前記ホスト装置から受信した削除対象候補のログイン情報と一致する前記臨時ログイン情報を前記管理装置側記憶装置から削除する構成としてもよい。
【0023】
上記の構成によれば、ホスト装置のホスト側制御部は、ホスト装置とクライアント装置との通信状態を監視する。そして、ホスト装置とクライアント装置との間の通信が一定期間以上行われていない場合に、そのクライアント装置のログイン情報を削除対象候補のログイン情報として管理装置に送信する。管理装置の管理装置側制御部は、ホスト装置から受信した削除対象候補のログイン情報と一致する臨時ログイン情報を管理装置側記憶装置から削除する。
【0024】
これにより、ホスト装置と一定期間以上通信していない臨時接続のクライアント装置のログイン情報は削除される。したがって、例えば出張者が出張を終えて持ち帰ったノートPCのログイン情報など、管理装置側記憶装置に不要なログイン情報が蓄積される事態を防止することができる。これにより、管理装置側記憶装置における空き容量の確保と管理装置での処理効率の改善を図ることができる。
【0025】
上記の画像処理システムにおいて、前記ホスト装置は、ホスト側記憶装置を備え、ホスト側制御部は、前記管理装置に送信した前記臨時ログイン情報を前記ホスト側記憶装置に記憶させるとともに、前記削除対象候補のログイン情報と一致する前記臨時ログイン情報を前記ホスト側記憶装置から削除する構成としてもよい。
【0026】
上記の構成によれば、前記ホスト装置は、クライアント装置を管理する上で、管理装置に送信した臨時ログイン情報をホスト側記憶装置に記憶させておくのが好ましい。このような構成において、ホスト側記憶装置に記憶されている臨時ログイン情報のうち、削除対象候補のログイン情報と一致する臨時ログイン情報をホスト側記憶装置から削除する。これにより、例えば出張者が出張を終えて持ち帰ったノートPCのログイン情報など、ホスト側記憶装置に不要なログイン情報が蓄積される事態を防止することができる。この結果、ホスト側記憶装置における空き容量の確保とホスト装置における処理効率の改善を図ることができる。
【0027】
上記の画像処理システムにおいて、前記ホスト装置には、携帯用情報記録媒体に対して情報を書き込む情報書込み装置を接続可能であり、前記ホスト側制御部は、前記ホスト装置に接続された情報書込み装置に対して、前記臨時ログイン情報を出力し、前記画像処理装置は、前記画像処理装置に対して提示された前記携帯用情報記録媒体に書き込まれた情報を読み取り可能である構成としてもよい。
【0028】
上記の構成によれば、ホスト側制御部は、ホスト装置に接続された情報書込み装置に対して、臨時ログイン情報を出力する。これにより、情報書込み装置から携帯用情報記録媒体に対して臨時ログイン情報が書き込まれる。画像処理装置では、臨時ログイン情報が書き込まれた携帯用情報記録媒体が提示されると、携帯用情報記録媒体から臨時ログイン情報を読み取る。
【0029】
これにより、ゲストユーザーは、画像処理装置を利用する場合に、臨時ログイン情報を手動入力することなく、携帯用情報記録媒体を画像処理装置に提示することにより、画像処理装置に容易にログインすることができる。
【0030】
上記の画像処理システムにおいて、前記管理装置の前記管理装置側記憶装置は、前記臨時ログイン情報とは別に、前記臨時ログイン情報とは別の手順にて設定された、正規のクライアント装置についての正規ログイン情報を記憶している構成としてもよい。
【0031】
上記の構成によれば、管理装置の管理装置側記憶装置は、臨時接続のクライアント装置の臨時ログイン情報を、正規のクライアント装置についての正規ログイン情報と明確に区別して記憶することができる。
【発明の効果】
【0032】
本発明の構成によれば、ネットワークに接続されたクライアント装置からクライアント識別情報を取得し、そのクライアント識別情報に含まれるログイン情報に基づく臨時ログイン情報を記憶装置に記憶させる。また、画像処理装置に対して入力された画像処理装置を使用するためのログイン情報を取得する。また、取得したログイン情報が、記憶装置に記憶されている臨時ログイン情報である場合に、画像処理装置の使用を許可する。
【0033】
これにより、ネットワークに新たなクライアント装置が接続された場合に、ユーザーによるクライアント装置についてのログイン情報の登録作業が不要となる。したがって、例えば、クライアント装置としてノートPCを持参した出張者に対して、画像処理装置の使用を自動的に許可することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の実施の形態の画像処理システムの構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示したクライアントPCの記憶装置、ホストPCの記憶装置、およびアカウント管理サーバーの記憶装置に記憶されるログイン情報のデータ構造の概要を示す説明図である。
【図3】図1に示したホストPCの記憶装置に記憶されるライセンスキー情報のデータ構造の概要を示す説明図である。
【図4】図1に示したクライアントPCの記憶装置、およびホストPCの記憶装置に記憶されるプロファイル情報のデータ構造の概要を示す説明図である。
【図5】図1に示したクライアントPCの記憶装置、およびホストPCの記憶装置に記憶されるユーザー情報のデータ構造の概要を示す説明図である。
【図6】図1に示した画像処理システムにおいて、ログイン情報を登録する場合のクライアントPC、ホストPCおよびアカウント管理サーバーの動作を説明するフローチャートである。
【図7】図1に示したアカウント管理サーバーにおいて、ログイン情報を削除する場合のホストPCおよびアカウント管理サーバーの動作を説明するフローチャートである。
【図8】図1に示したクライアントPCがホストPCに接続された後に実行される画像処理システムの動作であって、クライアントPC101が保持するユーザー情報およびプロファイル情報をホストPCに保存する場合の動作を示すフローチャートである。
【図9】図1に示した画像処理システムにおいて、待機中の複合機にユーザーがログインする場合、およびログインした後のアカウント管理サーバーおよび複合機の動作を示すフローチャートである。
【図10】図9のS201において図1に示した複合機の表示装置に表示される第1画面(ログイン画面)を示す説明図である。
【図11】図9のS203において図1に示した複合機の表示装置に表示される第2画面(初期画面)を示す説明図である。
【図12】図9のS212において図1に示した複合機の表示装置に表示される第3画面を示す説明図である。
【図13】図1に示した画像処理システムのログインからスキャン完了までの動作における前段部分の動作を示すフローチャートである。
【図14】図1に示した画像処理システムのログインからスキャン完了までの動作における図13に示した前段部分の動作に続く中段部分の動作を示すフローチャートである。
【図15】図1に示した画像処理システムのログインからスキャン完了までの動作における図14に示した中段部分の動作に続く後段部分の動作を示すフローチャートである。
【図16】図13の23において図1に示した複合機の表示装置に表示されるログイン画面を示す説明図である。
【図17】図13のS27において図1に示した複合機の表示装置に表示されるプロファイル一覧画面を示す説明図である。
【図18】図13のS31において図1に示した複合機の表示装置に表示されるプロファイルの内容表示画面を示す説明図である。
【図19】図14のS43において図1に示した複合機の表示装置に表示されるプロファイル保存確認画面を示す説明図である。
【図20】図1に示したクライアントPCの画面上に表示されるプロファイル追加・修正のためのプロファイル設定ツール画面の第1画面を示す説明図である。
【図21】図1に示したクライアントPCの画面上に表示されるプロファイル追加・修正のためのプロファイル設定ツール画面の第2画面を示す説明図である。
【図22】図1に示したクライアントPCの画面上に表示されるプロファイル追加・修正のためのプロファイル設定ツール画面の第3画面を示す説明図である。
【図23】図22に示したプロファイル設定ツール画面の第3画面を表示する場合に行われるクライアントPCおよびホストPCの動作を示すフローチャートである。
【図24】図4に示したプロファイル情報に含まれるPC処理条件のデータ構造の概要を示す説明図である。
【図25】図17に示したプロファイル一覧画面において、ユーザーにより選択されたプロファイルにPC処理条件が含まれていた場合にクライアントPCにおいて実行されるPC処理を示すフローチャートである。
【図26】図1に示した画像処理システムの他の構成を示すブロック図である。
【図27】図26に示した画像処理システムの動作を示すフローチャートである。
【図28】図13に示した動作において、ログイン処理を1回の処理(シングルサインオン)にて行う場合の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本発明の実施の形態を図面に基づいて以下に説明する。
図1は、本発明の実施の形態における画像処理システムを示すブロック図である。この情報処理システムは、アカウント管理システムとしての機能も有する。なお、以下では、パーソナルコンピュータは、単にPCと称する。
【0036】
図1に示すように、情報処理システムは、クライアントPC(クライアント装置)101、ホストPC(ホスト装置、アカウント管理装置)102、複合機(画像処理装置)103およびアカウント管理サーバー(管理装置、アカウント管理装置)104を備え、これらがネットワーク105を介して互いに接続されている。
【0037】
クライアントPC101は、制御装置111、記憶装置112、通信装置113、入力装置114、および表示装置115を備えている。通信装置113はネットワーク105に接続されている。制御装置111はCPU等からなり、記憶装置112はハードディスクドライブ、RAM等からなり、通信装置113はLANカード等からなり、入力装置114はキーボード、マウス等からなり、表示装置115は液晶ディスプレイ等からなる。
【0038】
ホストPC102は、制御装置(制御部、ホスト側制御部)121、記憶装置122および通信装置123を備えている。通信装置123はネットワーク105に接続されている。制御装置121はCPU等からなり、記憶装置122はハードディスクドライブ、RAM等からなり、通信装置123はLANカード等からなる。
【0039】
ホストPC102は、クライアントPC101および複合機103からの要求に応じて、それらの表示装置115,135に表示するための各種ユーザーインターフェースを提供する。このために、それらユーザーインターフェースの表示用データを保持し、あるいは作成する。
【0040】
複合機103は、制御装置(画像形成装置側制御部)131、記憶装置132、通信装置133、入力装置134、表示装置135、印刷装置136および画像読取装置137を備えている。通信装置133はネットワーク105に接続されている。制御装置131はCPU等からなり、記憶装置132はハードディスクドライブ、RAM等からなる。通信装置133はLANカード等からなる。入力装置134はテンキー、タッチパネル等からなる。表示装置135は例えば液晶ディスプレイ等からなり、例えば複合機103の操作パネルに配置されている。印刷装置136は画像データに基づき紙への印刷を行う。画像読取装置137は、紙に書かれた情報を読み取り画像データを生成する。
【0041】
アカウント管理サーバー104は、制御装置(制御部、管理装置側制御部)141、記憶装置142および通信装置143を備えている。通信装置143はネットワーク105に接続されている。制御装置141はCPU等からなり、記憶装置142はハードディスクドライブ、RAM等からなる。通信装置143はLANカード等からなる。
【0042】
図2は、図1に示したクライアントPC101の記憶装置112、ホストPC102の記憶装置122、およびアカウント管理サーバー104の記憶装置142に記憶されるログイン情報のデータ構造の概要を示す説明図である。図3は、図1に示したホストPC102の記憶装置122に記憶されるライセンスキー情報のデータ構造の概要を示す説明図である。
【0043】
ログイン情報は、図2に示すように、そのログイン情報に含まれるユーザー数N、およびNの値に等しい数の個別ログイン情報(個別ログイン情報1〜N)から構成される。各個別ログイン情報は、個別ログイン情報に対応するクライアントPC101を特定するためのクライアント識別子、ユーザーを特定するためのユーザー識別子、ユーザー名およびパスワードから構成される。
【0044】
ライセンスキー情報は、図3に示すように、ライセンスキー数N、およびNの値に等しい数のライセンスキーから構成される。ライセンスキーとは、クライアントPC101に付与されているライセンスを特定するための文字列である。
【0045】
図2に示したログイン情報の各個別ログイン情報と図3に示したライセンスキー情報の各ライセンスキーとの関係については、個別ログイン情報1がライセンスキー1と対応し、個別ログイン情報2がライセンスキー2と対応し、……、個別ログイン情報NがライセンスキーNに対応している。
【0046】
図4は、図1に示したクライアントPC101の記憶装置112、およびホストPC102の記憶装置122に記憶されるプロファイル情報のデータ構造の概要を示す説明図である。図5は、図1に示したクライアントPC101の記憶装置112、およびホストPC102の記憶装置122に記憶されるユーザー情報のデータ構造の概要を示す説明図である。プロファイル情報およびユーザー情報は、クライアントPC101またはホストPC102にて作成される。
【0047】
ここで、本実施の形態の画像処理システムにおいて作成されるユーザー毎のプロファイルは、複合機103の画像読取装置137にてスキャンする場合に使用されるスキャンプロファイル、および印刷装置136にて印刷する場合に使用される印刷プロファイルである。これらスキャンプロファイルおよび印刷プロファイルは、クライアントPC101の記憶装置112およびホストPC102の記憶装置122に記憶される。
【0048】
図4に示したプロファイル情報と図5に示したユーザー情報との関係については、ユーザー情報(図5参照)における個別ユーザー情報1〜N毎に、プロファイル情報(図4参照)が設けられる。個別ユーザー情報は各ユーザー毎に設けられるユーザー情報である。したがって、個別ユーザー情報1(図5参照)のプロファイル識別子11は、個別プロファイル情報1(図4参照)のプロファイル識別子1に、個別ユーザー情報1(図5参照)のプロファイル識別子12は個別プロファイル情報2(図4参照)のプロファイル識別子2に、……個別ユーザー情報N(図5参照)のプロファイル識別子1M1は個別プロファイル情報N(図4参照)のプロファイル識別子Nに、それぞれ対応している。
【0049】
図4に示すように、プロファイル情報は、そのプロファイル情報に含まれるプロファイルの個数(個別プロファイル情報の個数)Nを示す情報、およびこのプロファイルの個数Nの値に等しい数の個別プロファイル情報1〜Nから構成される。
【0050】
上記の各個別プロファイル情報は、プロファイル識別子、プロファイル名、プロファイル基本情報、スキャン・印刷フラグ、スキャン・印刷条件、およびPC処理条件を備えている。
【0051】
プロファイル識別子は、そのプロファイル識別子を有する個別プロファイル情報を他の個別プロファイル情報と識別して、個別プロファイル情報を特定するためのものである。プロファイル基本情報は、プロファイル(個別プロファイル情報)毎に設定されるプロファイルアイコン情報等の情報である。スキャン・印刷フラグは、個別プロファイル情報によって示されるプロファイルがスキャン用プロファイルか印刷用プロファイルかを判別するためのフラグである。スキャン・印刷条件は、個別プロファイル情報によって示されるプロファイルがスキャン用プロファイルか印刷用プロファイルかに応じて、複合機103の画像読取装置137にてスキャンを行う場合の条件(スキャン条件)または印刷装置136にて印刷を行う場合の条件(印刷条件)を示す。PC処理条件は、クライアントPC101またはホストPC102上において実行するPC処理の条件を示す。
【0052】
図5に示すように、ユーザー情報は、当該ユーザー情報に含まれるユーザーの個数(個別ユーザー情報の個数)Nを示す情報、およびユーザーの個数Nの値に等しい数の個別ユーザー情報1〜Nから構成される。各個別ユーザー情報は、ユーザー識別子、ユーザー名、ユーザー基本情報、個別ユーザー情報に含まれるプロファイルの個数(当該ユーザーが有するプロファイルの個数)M1〜MNを示す情報、およびプロファイル識別子を備えている。
【0053】
ユーザー識別子は、当該個別ユーザー情報を他の個別ユーザー情報と識別して、当該個別ユーザー情報を特定するためのものである。ユーザー基本情報は、ユーザー(個別ユーザー情報)毎に設定されるユーザーイコン情報等の情報である。プロファイル識別子は、上記の個数M1〜MNの値に等しい数だけ備えられる。
【0054】
上記の構成において、本実施の形態の画像処理システムの動作について以下に説明する。図6は、図1に示した画像処理システムにおいてログイン情報を登録する場合の動作を説明するフローチャートである。この処理は、ホストPC102に対して未登録のクライアントPC101が、ホストPC102に対して接続する場合の処理を含む。
【0055】
図6に示すように、クライアントPC101がネットワーク105を経由してホストPC102に接続されると、クライアントPC101の制御装置111は、記憶装置112に格納されている、ログイン情報、およびクライアントPC101に付与され記憶装置112に格納されているライセンスキーを、通信装置113およびネットワーク105を経由してホストPC102に送信する(S401)。
【0056】
ホストPC102の制御装置121は、クライアントPC101からのログイン情報(クライアント識別情報)およびライセンスキー(クライアント識別情報)をネットワーク105および通信装置123を経由して受信する(S402)。
【0057】
ホストPC102の制御装置121は、受信したライセンスキーが、記憶装置122に格納されているライセンスキー情報のいずれかのライセンスキーと一致するか否かを判定する(S403)。この判定の結果、受信したライセンスキーが記憶しているライセンスキーと一致すれば、クライアントPC101からの接続要求は一時的な接続を要求するものではないと判断し、接続を許可する旨を、通信装置123およびネットワーク105を経由してクライアントPC1に送信する(S404)。
【0058】
クライアントPC101の制御装置111は、ネットワーク105および通信装置113を経由して、ホストPC102から接続が許可された旨を受信すると、その旨の情報をユーザーに通知した後(S405)、処理を終了する。
【0059】
一方、ホストPC102の制御装置121は、S403の判定の結果、受信したライセンスキーが記憶しているライセンスキーと一致しなければ、クライアントPC101からの接続要求は一時的な接続を要求するもの判断する。この場合、制御装置121は、さらに、一時的な接続を許可する設定となっているか否かを判定する(S406)。この判定の結果、一時的な接続を許可する設定となっていなければ、接続を拒否する旨を、通信装置123およびネットワーク105を経由してクライアントPC101に送信する(S407)。なお、一時的な接続を許可するかどうかの設定は、例えば、ユーザーによりホストPC102に対して予め行われている。
【0060】
クライアントPC101の制御装置111は、ネットワーク105および通信装置113を経由して、ホストPC102から接続が拒否された旨を受信すると、その旨の情報をユーザーに通知した後(S408)、処理を終了する。
【0061】
また、ホストPC102の制御装置121は、S406の判定の結果、一時的な接続を許可する設定となっていれば、クライアントPC101から受信したログイン情報、およびライセンスキーを記憶装置122に記憶する(S409)。また、ログイン情報を臨時ログイン情報として、通信装置123およびネットワーク105を経由して、アカウント管理サーバー104に送信する(S410)。さらに、接続を許可する旨を、通信装置123およびネットワーク105を経由してクライアントPC101に送信する(S411)。
【0062】
アカウント管理サーバー104の制御装置131は、ネットワーク105および通信装置143を経由して、ホストPC102からログイン情報(臨時ログイン情報)を受信すると、そのログイン情報を記憶装置142に記憶する(S412)。
【0063】
この場合、記憶装置142は、一時的な接続(臨時接続)を行うクライアントPC101のログイン情報(臨時ログイン情報)と、正規のクライアント装置101についての正規ログイン情報とを区別して記憶する。正規ログイン情報は、臨時ログイン情報とは別の手順にて設定されたものである。
【0064】
一方、臨時ログイン情報は、“guest”+連番など、ホストPC102によってあらかじめ規定するユーザー名のアカウントとして、ホストPC102およびアカウント管理サーバー104に登録される(図6のS409,S412)。このように“guest”アカウントにて定義された情報など、臨時ログイン情報としての所定の規則に従って定義されたログイン情報が臨時ログイン情報となる(図10,図17参照)。
【0065】
また、クライアントPC101の制御装置111は、ネットワーク105および通信装置113を経由して、ホストPC102から接続を許可する旨を受信すると、その旨の情報をユーザーに通知し(S413)、処理を終了する。
【0066】
なお、ホストPC102は、S413の処理において、上記“guest”+連番などの臨時ログイン情報およびログイン用のパスワードをクライアントPC101に対して通知してもよい。
【0067】
図7は、図1に示したホストPC102およびアカウント管理サーバー104において個別ログイン情報を削除する場合の動作を説明するフローチャートである。
【0068】
ホストPC102では制御装置121が、クライアントPC101からの接続の有無を監視している。ホストPC102の制御装置121は、図5に示すように、ホストPC102に対して一定期間接続を行っていないクライアントPC101の存在を検出すると(S501)、記憶装置122に格納されているログイン情報から、該当するクライアントPC101のクライアント識別子を有する個別ログイン情報を、削除対象候補の個別ログイン情報として抽出する(S502)。次に、抽出した一つまたは複数の削除対象候補の個別ログイン情報を、記憶装置122から削除する(S506)。
【0069】
また、抽出した一つまたは複数の削除対象候補の個別ログイン情報を、通信装置123およびネットワーク105を経由して、アカウント管理サーバー104に送信する(S503)。
【0070】
アカウント管理サーバー104の制御装置141は、ネットワーク105および通信装置143を経由して、ホストPC102から削除対象候補の個別ログイン情報を受信すると(S504)、受信した削除対象候補の個別ログイン情報と一致する全ての個別ログイン情報(臨時ログイン情報)を記憶装置142に記憶されているログイン情報から削除し(S505)、処理を終了する。
【0071】
上記S506およびS505の処理により、ホストPC102およびアカウント管理サーバー104では、例えば出張者が出張を終えて持ち帰ったノートPCのログイン情報など、記憶装置142に不要なログイン情報が蓄積される事態を防止することができる。これにより、記憶装置122,142における空き容量の確保とホストPC102およびアカウント管理サーバー104での処理効率の改善を図ることができる。
【0072】
次に、クライアントPC101がホストPC102に接続された後に実行される動作について説明する。図8は、クライアントPC101がホストPC102に接続された後に実行される画像処理システムの動作であって、クライアントPC101が保持するユーザー情報およびプロファイル情報をホストPC102に保存する場合の動作を示すフローチャートである。すなわち、この処理では、クライアントPC101のログイン情報(ユーザ識別子)がホストPC102に既に登録されている場合の処理(図6の処理によってクライアントPC101が登録された場合を含む)が含まれている。
【0073】
図8において、クライアントPC101がネットワーク105を経由してホストPC102に接続されると、クライアントPC101の制御装置111は、記憶装置112に格納されているユーザー情報およびプロファイル情報を、通信装置113およびネットワーク105を経由してホストPC102に送信する(S11)。
【0074】
ホストPC102の制御装置121は、クライアントPC101から送信されてきたユーザー情報およびプロファイル情報を、ネットワーク105および通信装置123を経由して受信する(S12)。
【0075】
ホストPC102の制御装置121は、受信したユーザー情報を記憶装置122に記憶させる(S13)。この場合、制御装置121は、受信したユーザー情報に含まれる各個別ユーザー情報について、ユーザー識別子が記憶装置122に既に記憶されている個別ユーザー情報のユーザー識別子と一致するか否かを判定する。この判定の結果、ユーザー識別子が記憶装置122に既に記憶されている個別ユーザー情報のユーザー識別子と一致する個別ユーザー情報については、その個別ユーザー情報により記憶装置122に記憶されている個別ユーザー情報を上書きする。一方、ユーザー識別子が記憶装置122に既に記憶されているいずれの個別ユーザー情報のユーザー識別子とも一致しない個別ユーザー情報については、新規に登録し、新規に登録した数の分だけユーザー情報におけるユーザーの個数を増やす。
【0076】
次に、ホストPC102の制御装置121は、クライアントPC101から受信したプロファイル情報を記憶装置122に記憶させる(S14)。この場合、制御装置121は、受信したプロファイル情報に含まれる各個別プロファイル情報について、プロファイル識別子が記憶装置122に既に記憶されている個別プロファイル情報のプロファイル識別子と一致するか否かを判定する。この判定の結果、プロファイル識別子が記憶装置122に既に記憶されている個別プロファイル情報のプロファイル識別子と一致する個別プロファイル情報については、その個別プロファイル情報により記憶装置122に記憶されている個別プロファイル情報上書きする。一方、プロファイル識別子が記憶装置122に既に記憶されているいずれの個別プロファイル情報のプロファイル識別子とも一致しない個別プロファイル情報については、新規に登録し、新規に登録した数の分だけプロファイル情報におけるプロファイルの個数を増やす。
【0077】
次に、ホストPC102の制御装置121は、ユーザー情報およびプロファイル情報の記憶が完了した旨を、通信装置123およびネットワーク105を経由してクライアントPC101に送信する(S15)。
【0078】
クライアントPC101の制御装置111は、ホストPC102でのユーザー情報およびプロファイル情報の記憶が完了した旨を、ネットワーク105および通信装置13を経由して受信する(S16)。その後、制御装置111は、ユーザー情報およびプロファイル情報がホストPC102に送信された旨をクライアントPC101の表示装置115に表示させる(S17)。
【0079】
次に、待機中の複合機103にユーザーがログインする場合、およびログインした後のアカウント管理サーバー104および複合機103の動作について説明する。図9は、待機中の複合機103にユーザーがログインする場合、およびログインした後のアカウント管理サーバー104および複合機103の動作を示すフローチャートである。図10は、図9のS201において複合機103の表示装置135に表示される第1画面(ログイン画面)を示す説明図、図11は、図9のS203において複合機103の表示装置135に表示される第2画面(初期画面)を示す説明図、図12は、図9のS212において複合機103の表示装置135に表示される第3画面を示す説明図である。
【0080】
本実施の形態の画像処理システムにおいて、複合機103の待機中には、下記のように、複合機103に入力されたログイン情報に対してアカウント管理サーバー104がユーザー認証処理を行うことにより、複合機103を使用できるユーザーが制限されている。
【0081】
複合機103の使用を希望するユーザーは、複合機103のところに出向き、表示装置135の図10に示す第1画面(ログイン画面)からユーザー名およびパスワードの手動入力、もしくは複合機103に対するICカード(携帯用情報記録媒体)携帯用情報記録媒体の提示等による自動入力によってログインする(S201)。
【0082】
第1画面(ログイン画面)においてユーザー名およびパスワードが入力された場合、それらユーザー名およびパスワードは、複合機103からアカウント管理サーバー104に送信される。
【0083】
アカウント管理サーバー104は、ユーザー名およびパスワードを複合機103から受信すると、それらに基づいてユーザー認証処理を行う(S202)。
【0084】
本実施の形態の画像処理システムでは、ネットワーク105に対するクライアントPC101の一時的な接続が許可されている場合、ネットワーク105に接続されたクライアントPC101からログイン情報(個別ログイン情報)を取得し、そのログイン情報を臨時ログイン情報としてアカウント管理サーバー104に登録する。これにより、臨時ログイン情報によって一時的にネットワーク105に接続したクライアントPC101(ユーザー)であっても、上記S201に示したログインによって、複合機103を利用可能となっている。したがって、アカウント管理サーバー104の管理者が一時的なユーザーについての接続設定のために煩わされることが無く、画像処理システムの管理が容易となる。
【0085】
上記S202において、アカウント管理サーバー104により複合機103の使用が認められると(認証OK)、複合機103の表示装置135では図11に示す第2画面(初期画面)が表示される(S203)。なお、一般的には、利用頻度の高いコピー設定画面がデフォルトの第2画面(初期画面)として設定されることが多い。
【0086】
次に、第2画面(初期画面)において、タブメニューからユーザーによりコピー、イメージ送信、ドキュメントファイリングまたはOSAのいずれかが選択されると(S204)、動作モードが選択された動作の動作モードとなる。
【0087】
この場合、複合機103の表示装置135には、S204での選択に応じて、コピーメニュー、イメージ送信メニュー、またはドキュメントファイリングメニューが表示される(S205、S208、S210)。
【0088】
次に、上記いずれかのメニュー画面において、ユーザーの希望する動作が指定され、スタートキーが押されると、複合機103は、選択されている動作モードに応じて、コピー制御、イメージ送信制御、またはドキュメントファイリング制御を行う(S206、S209、S211)。その後、ユーザーにより「*キー」(図10参照)が押されてログアウト処理が選択されると(S207)、複合機103およびアカウント管理サーバー104は、ログアウト処理を行い(S215、S216)、複合機103は待機状態に戻る。
【0089】
一方、S204においてOSAメニューが選択されると、複合機103の表示装置135では、図12に示す第3画面において、OSAメニューが表示される(S212)。
【0090】
次に、第3画面において、「OSA NST」が選択されると(S213)、複合機103の処理は図13のS21の処理へ移行する。その後は、S21以降の処理により「OSA NST」が実行され、複合機103の表示装置135の表示が、図16から図17のように、ユーザーからのログイン操作に従って遷移する。
【0091】
次に、ユーザーが画像処理システムにログインしてから複合機103にてスキャンを完了するまでの間に実行される画像処理システムの動作について、図13から図19により説明する。図13は、本実施の形態の画像処理システムにおけるログインからスキャン完了までの動作における前段部分の動作を示すフローチャートである。図14は、図13の前段部分の動作に続く中段部分の動作を示すフローチャートである。図15は、図15の中段部分の動作に続く後段部分の動作を示すフローチャートである。
【0092】
図16は、図13の23において表示されるログイン画面を示す説明図、図17は、図13のS27において表示されるプロファイル一覧画面を示す説明図、図18は、図13のS31において表示されるプロファイルの内容表示画面を示す説明図、図19は、図14のS43において表示されるプロファイルの保存確認画面を示す説明図である。
【0093】
複合機103は、表示装置135にホーム画面を表示している状態において、ユーザーにより画像処理システムへのログインのための所定のボタンが押されると、表示装置135に図16に示すログイン画面を表示する。
【0094】
この場合、複合機103の制御装置131は、ログインのための所定のボタンが押されると、ログイン画面の表示用データを、通信装置133およびネットワーク105を経由してホストPC102に要求する(S21)。
【0095】
ホストPC102の制御装置121は、ネットワーク105および通信装置123を経由して、複合機103からログイン画面の表示用データの要求を受信すると、通信装置123およびネットワーク105を経由してログイン画面の表示用データを複合機103に送信する(S22)。
【0096】
複合機103の制御装置131は、ネットワーク105および通信装置133を経由して、ホストPC102からログイン画面の表示用データを受信すると、表示装置135に図16に示すログイン画面を表示させる(S23)。
【0097】
次に、表示装置135に表示されているログイン画面に対して、ユーザーにより入力装置134を操作してユーザーおよびパスワードが指定され、ログインボタン203が押されると(S24)、ホストPC102は指定されたユーザーに対応するパスワードが入力されているかどうかの認証処理を行う(S35)。その結果、認証OKであれば、複合機103の制御装置131は、通信装置133およびネットワーク105を経由して、プロファイル一覧画面の表示用データをホストPC102に要求する(S25)。
【0098】
ホストPC102の制御装置121は、ネットワーク105および通信装置123を経由してプロファイル一覧画面の表示用データの要求を受信すると、ユーザーが指定したユーザーのユーザー識別子に対応するプロファイルの一覧を含むプロファイル一覧画面の表示用データを、通信装置123およびネットワーク105を経由して複合機103に送信する(S26)。
【0099】
複合機103の制御装置131は、ネットワーク105および通信装置133を経由してプロファイル一覧画面の表示用データを受信すると、表示装置135に図17に示すプロファイル一覧画面を表示させる(S27)。
【0100】
次に、表示装置135に表示されているプロファイル一覧画面に対して、ユーザーにより入力装置134を操作していずれかのプロファイルが選択されると(S28)、複合機103の制御装置131は、通信装置133およびネットワーク105を経由して、プロファイルの内容表示画面の表示用データをホストPC102に要求する(S29)。
【0101】
ホストPC102の制御装置121は、ネットワーク105および通信装置123を経由してプロファイルの内容表示画面の表示用データの要求を受信すると、ユーザーが指定したプロファイルのプロファイル識別子に対応するプロファイル情報を含むプロファイルの内容表示画面の表示用データを、通信装置123およびネットワーク105を経由して複合機103に送信する(S30)。
【0102】
複合機103の制御装置131は、ネットワーク105および通信装置133を経由してプロファイルの内容表示画面の表示用データを受信すると、表示装置135に図18に示すプロファイルの内容表示画面を表示させる(S31)。
【0103】
次に、表示装置135に表示されているプロファイルの内容表示画面に対して、必要に応じてユーザーにより入力装置134を操作してスキャン条件あるいは印刷条件が変更され、実行ボタン209が押される(図14のS41)。なお、図18のプロファイルの内容表示画面の例では、スキャン条件が示されている。
【0104】
次に、制御装置131は、スキャン条件あるいは印刷条件が変更されたかどうか判断する(S42)。その結果、スキャン条件あるいは印刷条件が変更されていなければS66(図15参照)に進む一方、スキャン条件あるいは印刷条件が変更されていればS43に進む。
【0105】
S42の判定の結果、スキャン条件あるいは印刷条件が変更されていれば、複合機103の制御装置131は、表示装置135に図19に示すプロファイルの保存確認画面を表示させる(S43)。
【0106】
次に、表示装置135に表示されているプロファイル保存確認画面において、ユーザーによりいいえボタン210、上書き保存ボタン211あるいは新規に保存ボタン212のいずれかが押されると、制御装置131は、どのボタンが押されかを判断する(S44)。この判断の結果、いいえボタン210が押されていればS66(図15参照)に進み、上書き保存ボタン211が押されていればS46に進み、新規に保存ボタン212が押されていればS45に進む。
【0107】
複合機103の制御装置131は、S44において新規に保存ボタン212が押されたと判断した場合、表示装置135に新規プロファイルの名前を入力するようユーザーに促す画面を表示させる。この表示に応じて、ユーザーにより入力装置134を使用して新規プロファイルの名前が入力されると、その名前を変更後のプロファイルに付ける(S45)。
【0108】
次に、複合機103の制御装置131は、通信装置133およびネットワーク105を経由して、変更後のプロファイルの情報をホストPC102に送信する(S46)。
【0109】
ホストPC102の制御装置121は、ネットワーク105および通信装置123を経由して変更後のプロファイルの情報を受信すると(S47)、記憶装置122に変更後のプロファイルの情報を保存する(S48)。さらに、制御装置121は、通信装置123およびネットワーク105を経由して、変更後のプロファイルの情報をクライアントPC101に送信する(S49)。
【0110】
クライアントPC101の制御装置111は、ネットワーク105および通信装置13を経由して変更後のプロファイルの情報を受信すると(S50)、記憶装置112に変更後のプロファイルの情報を保存する(図15のS61)。
【0111】
次に、クライアントPC101の制御装置111は、通信装置13およびネットワーク105を経由して、プロファイルの情報の保存が完了した旨をホストPC102に送信する(S62)。
【0112】
ホストPC102の制御装置121は、ネットワーク105および通信装置123を経由して、プロファイルの保存が完了した旨を受信すると(S63)、さらに通信装置123およびネットワーク105を経由して、プロファイルの保存が完了した旨を複合機103に送信する(S64)。
【0113】
上記S64の動作に伴い、複合機103の制御装置131は、ネットワーク105および通信装置133を経由してプロファイルの保存が完了した旨を受信する(S65)。
【0114】
次に、複合機103の制御装置131は、S41(図14参照)において設定されたプロファイルが指定する条件にて、画像読取装置37にスキャンを行わせる(S66)。さらに、スキャンにて取得された画像、すなわちスキャン画像を、通信装置33およびネットワーク105を経由して、ホストPC102に送信する(S67)。
【0115】
ホストPC102の制御装置121は、ネットワーク105および通信装置123を経由してスキャン画像を受信すると(S68)、さらにそのスキャン画像を通信装置123およびネットワーク105を経由して、クライアントPC101に送信する(S69)。
【0116】
クライアントPC101の制御装置111は、ネットワーク105および通信装置13を経由してスキャン画像を受信すると、S41(図14参照)において設定されたプロファイルが指定する条件にて処理(PC処理)を行い(S70)、処理後のスキャン画像を記憶装置112に保存する(S71)。
【0117】
なお、複合機103では、電源ON後に表示装置135にホーム画面が最初に表示され、その後、画像処理システムへのログインのための所定のボタンが押されると、図16に示すログイン画面が表示される。なお、ログインのための所定のボタンは、例えばボタンへの事前の登録により画像処理システムに割り当てられたものである。ログイン画面では、ホストPC102に登録されているユーザーのユーザー名201、およびそのユーザーを示すユーザーアイコン202が表示される。なお、表示されていない分のユーザー名201およびユーザーアイコン202は、上向矢印および下向矢印の表示切替ボタン204を操作することにより、表示される。
【0118】
上記ログイン画面上において、複合機103のユーザーにより適切なユーザーおよびパスワードが指定され、ログインボタン203が押されると、図17に示すように、指定されたユーザーに関してのプロファイル一覧画面が表示される。なお、図17のプロファイル一覧画面では、スキャン選択ボタン207が押されてスキャン選択ボタン207が反転表示となっている。すなわち、図17のプロファイル一覧画面では、複合機103の画像読取装置137でのスキャン条件を示すスキャンプロファイルが選択されている。
【0119】
また、本実施の形態において、複合機103のユーザーは、基本的にはクライアントPC101のユーザーである。また、複合機103のユーザーがクライアントPC101のユーザーであることは、図16のログイン画面において、クライアントPC101のユーザーがログインすることにより特定することができる。
【0120】
図17のプロファイル一覧画面では、図16のログイン画面において指定したユーザーに関連付けられているプロファイルのプロファイル名205、およびそのプロファイルを示すプロファイルアイコン206が表示される。また、スキャンを選択するためのスキャン選択ボタン207、および印刷を選択するための印刷選択ボタン208が表示される。すなわち、プロファイル一覧画面においては、スキャンプロファイルか印刷プロファイルかの選択、ならびにスキャンプロファイルおよび印刷プロファイル毎に、あらかじめ登録されている複数のプロファイル(例えばプロファイル1〜8)のうちのいずれかを選択可能である。
【0121】
図17のプロファイル一覧画面において、ユーザーにより利用したいプロファイルが選択されると、図18に示すプロファイルの内容表示画面(処理実行条件情報の内容表示画面)が表示される。このプロファイルの内容表示画面には、図17のプロファイル一覧画面にて指定されたプロファイルに関するスキャン・印刷条件およびPC処理条件(追加処理実行条件情報)が表示される。図18の例は、図17のプロファイル一覧画面において、スキャンプロファイルが選択され、かつ例えばプロファイル1〜8のいずれかが選択された場合のプロファイルの内容表示画面を示している。複合機103のユーザーは図18のプロファイルの内容表示画面を操作して、複合機103でのスキャン・印刷条件およびPC処理条件(例えばクライアントPC101での処理条件)を確認したり変更したりすることができる。
【0122】
図18のプロファイルの内容表示画面において、ユーザーにより実行ボタン209が押されると、同画面においてスキャン・印刷条件およびPC処理条件が変更されていない場合には、スキャンまたは印刷が実行される。一方、同画面において、スキャン・印刷条件およびPC処理条件のいずれかが変更されている場合には、図19に示すプロファイル保存確認画面が表示される。
【0123】
上記プロファイル保存確認画面において、ユーザーによりいいえボタン210が押されると、スキャンまたは印刷が実行される。また、ユーザーにより上書き保存ボタン211が押されると、変更結果がクライアントPC101の記憶装置112およびホストPC102の記憶装置122に記憶された該当プロファイルに反映される。また、ユーザーにより新規に保存ボタン212が押されると、変更結果がクライアントPC101の記憶装置112およびホストPC102の記憶装置122に新規プロファイルとして保存される。
【0124】
以上のように、本実施の形態の画像処理システムでは、複合機103において、ユーザーからの入力操作により、スキャンプロファイルおよび印刷プロファイルの作成、編集ならびに削除が行われる。複合機103にて作成あるいは編集されたスキャンプロファイルおよび印刷プロファイルは、複合機103からホストPC102に送信され、さらにホストPC102からクライアントPC101に送信されることにより、ホストPC102およびクライアントPC101に保存される。
【0125】
また、プロファイル情報(図4参照)およびユーザー情報(図5参照)は、複合機103から受信したプロファイルを使用して、クライアントPC101またはホストPC102において作成され、クライアントPC101およびホストPC102に保存される。
【0126】
また、クライアントPC101が画像処理システムのホストPC102に接続された場合、クライアントPC101が保持するプロファイル情報およびユーザー情報は、図8に示したように、ホストPC102に送信され、ホストPC102に保存される。したがって、クライアントPC101が第1の画像処理システムから持ち出され、第2の画像処理システムに接続された場合に、クライアントPC101が保持するプロファイル情報およびユーザー情報は、第2の画像処理システムのホストPC102に保存される。
【0127】
これにより、クライアントPC101を第1の画像処理システムから持ち出して第2の画像処理システムのホストPC102に接続した場合にも、第1の画像処理システムに保持されていた既存のプロファイルを第2の画像処理システムにおいても使用することができる。この結果、第2の画像処理システムにおいて、スキャン条件が設定された既存のスキャンプロファイル、および印刷条件が設定された既存の印刷プロファイルを使用して、スキャンおよび印刷を迅速に行うことができる。
【0128】
なお、図13に示したログイン処理は、図28に示すように、1回の処理(シングルサインオン)にて行う構成であってもよい。図28は、図13に示した動作において、ログイン処理を1回の処理(シングルサインオン)にて行う場合の動作を示すフローチャートである。
【0129】
図28において、ユーザーにより画像処理システムへのログインのための所定のボタンが押されると、複合機103の制御装置131は、ログイン画面の表示用データを、通信装置133およびネットワーク105を経由してホストPC102に要求する。また、図9のS201にて取得したユーザー名およびパスワードをホストPC102に送信する。(S36)。
【0130】
ホストPC102の制御装置121は、複合機103からログイン画面の表示用データの要求、並びにユーザー名およびパスワードを受信すると、受信したユーザー名およびパスワードに基づいて認証処理を行う(S37)。ここでは、ユーザー名およびパスワードが登録済のものであるか否かを判断する。
【0131】
S37での認証処理の結果、受信したユーザー名およびパスワード(図9のS201にて複合機103が取得したユーザー名およびパスワード)が登録済のものであれば(認証OKであれば)(S38)、S26に進む。すなわち、ユーザーのユーザー識別子に対応するプロファイルの一覧を含むプロファイル一覧画面の表示用データを、通信装置123およびネットワーク105を経由して複合機103に送信する。その後、図13において説明した動作が行われる。
【0132】
一方、S37での認証処理の結果、受信したユーザー名およびパスワード(図9のS201にて複合機103が取得したユーザー名およびパスワード)が登録済のものでなければ(認証OKでなければ)(S38)、S22に進む。すなわち、ホストPC102の制御装置121は、ログイン画面の表示用データを複合機103に送信する。その後、複合機103でのS23およびS24の処理を経て、ホストPC102は、指定されたユーザーに対応するパスワードが入力されているかどうかの認証処理を行う(S35)。その結果、認証OKであれば(S39)、S26に進み、それ以降、図13において説明した動作が行われる。また、認証OKでなければ、処理を終了する。
【0133】
上記のように、図28に示した動作では、複合機103において登録されるユーザー名およびパスワードとホストPC102において登録されるユーザー名およびパスワードとが同一の設定になっている場合に、S22〜S24,S35,S39の処理を省略して、ログイン処理を1回の処理(シングルサインオン)にて行うことができる。
【0134】
また、本実施の形態の画像処理システムにおいて、クライアントPC101は、スキャンプロファイルあるいは印刷プロファイルを作成して追加する機能と、クライアントPC101の記憶装置112に記憶されているスキャンプロファイルあるいは印刷プロファイルを編集(修正)および削除する機能との少なくとも一方を備えていてもよい。この場合に、クライアントPC101は、追加したプロファイル、および修正したプロファイルに対して、ホストPC102の記憶装置122に記憶されているプロファイルのいずれにも割り当てられていないプロファイルアイコンを割り当てることができる。このための画像処理システムの動作について以下に説明する。
【0135】
図20はプロファイル追加・修正のための第1のユーザーインターフェース(プロファイル設定ツール画面の第1画面、アイコン設定画面)を示す説明図である。図21はプロファイル追加・修正のための第2のユーザーインターフェース(プロファイル設定ツール画面の第2画面、アイコン設定画面)を示す説明図である。図22はプロファイル追加・修正のための第3のユーザーインターフェース(プロファイル設定ツール画面の第3画面、アイコン設定画面)を示す説明図である。これらプロファイル設定ツール画面は第1画面、第2画面、第3画面と遷移する。
【0136】
クライアントPC101では、プロファイル設定ツール画面に対するユーザーの入力操作により、スキャンプロファイルあるいは印刷プロファイルを追加あるいは編集(修正)できるようになっている。この動作において、クライアントPC101の制御装置111は、プロファイル設定ツール画面の表示用データを例えばホストPC102に要求して取得する。
【0137】
次に、制御装置111は、プロファイル設定ツール画面を表示装置115に表示させる。この画面は、図20に示すプロファイル設定ツール画面の第1画面である。この第1画面には、クライアントPC101の記憶装置112に記憶されている複数のプロファイルがプロファイルアイコンとともに表示される。
【0138】
プロファイル設定ツール画面の第1画面においては、ユーザーにより、追加ボタン301が押されるか、修正するプロファイルの選択後に編集ボタン302が押される。あるいは、削除するプロファイルの選択後に削除ボタン303が押されることもある。
【0139】
例えば、修正するプロファイルの選択後に編集ボタン302が押された場合、クライアントPC101の制御装置111は、表示装置115に図21に示すプロファイル設定ツール画面の第2画面を表示させる。第2画面では、ユーザーは、プロファイルについての基本情報、スキャン条件およびPC処理のそれぞれについて設定することができる。また、保存ボタン304が押されると設定内容を保存し、キャンセルボタン305が押されると設定内容をキャンセルする。
【0140】
一方、アイコン変更ボタン306が押されると、クライアントPC101の制御装置111は、表示装置115に図22に示すプロファイル設定ツール画面の第3画面を表示させる。この第3画面には、ホストPC102の記憶装置122に記憶されているプロファイルのいずれにも割り当てられていないプロファイルアイコン206が表示される。表示されるプロファイルアイコン206は、クライアントPC101が保持しているもの、あるいはホストPC102が保持しているものをホストPC102に要求して取得したものである。
【0141】
第3画面では、ユーザーは、表示されている複数のプロファイルアイコン206のうちから、いずれかをプロファイル1(図21参照)のプロファイルアイコン206として選択することができる。クライアントPC101の制御装置111では、第3画面において、いずれかのプロファイルアイコン206が選択された後、OKボタン307が押されると、選択されたプロファイルアイコン206をプロファイル1のプロファイルアイコン206として仮に設定する。
【0142】
次に、制御装置111は、表示装置115の表示を、プロファイル設定ツール画面の第3画面(図22参照)から第2画面(図21参照)に遷移させる。この場合に、第2画面に表示されるプロファイルアイコン206は、第3画面(図22参照)においてユーザーにより選択されたものである。その後、第2画面(図21参照)において、保存ボタン304が押されると、制御装置111は、変更後のプロファイルアイコン206をプロファイル1のプロファイルアイコン206として記憶装置112に保存する。
【0143】
なお、記憶装置112に保存された上記情報は、クライアントPC101からホストPC102に送信され、ホストPC102の記憶装置122にも保存される。
【0144】
次に、プロファイル設定ツール画面の第3画面(図22参照)を表示する場合に行われるクライアントPC101およびホストPC102の動作について説明する。図23は、図22に示したプロファイル設定ツール画面の第3画面を表示する場合に行われるクライアントPC101およびホストPC102の動作を示すフローチャートである。
【0145】
プロファイル設定ツール画面の第2画面(図21参照)において、アイコン変更ボタン306が押されると、図23に示すように、クライアントPC101の制御装置111は、通信装置113およびネットワーク105を経由して、プロファイルアイコン情報をホストPC102に要求する(S81)。このプロファイルアイコン情報は、ホストPC102の記憶装置122に記憶されている各プロファイルに対応するプロファイルアイコン(図17のプロファイルアイコン206)の一覧を示す情報である。
【0146】
ホストPC102の制御装置121は、ネットワーク105および通信装置123を経由して、プロファイルアイコン情報の要求を受信すると、記憶装置122に記憶されている各プロファイルのプロファイルアイコン情報を、通信装置123およびネットワーク105を経由してクライアントPC101に送信する(S82)。これにより、クライアントPC101の制御装置111は、通信装置113およびネットワーク105を経由してプロファイルアイコン情報を受信する(S83)。
【0147】
次に、クライアントPC101の制御装置111は、記憶装置112に記憶されているプロファイルアイコンの中から、ホストPC102から受信したプロファイルアイコン情報に含まれていない全てのアイコンを、選択可能なプロファイルアイコンとして表示装置115に表示する(S84)。この表示は、図22に示したプロファイル設定ツール画面の第3画面である。
【0148】
上記のように、本実施の形態の画像処理システムでは、クライアントPC101において新たに作成されたプロファイル(追加されたプロファイル)、および修正されたプロファイルには、ホストPC102の記憶装置122に記憶されているプロファイルのいずれにも割り当てられていないプロファイルアイコンが割り当てられる。したがって、複合機103の表示装置135に表示される全てのプロファイルには、クライアントPC101において新たに作成されたプロファイルあるいは編集されたプロファイルであっても、互いに異なるプロファイルアイコンを設定することができる。これにより、異なるプロファイルに同じプロファイルアイコンが設定されることによる、ユーザーのプロファイルの選択間違いを防止することができる。
【0149】
また、本実施の形態の画像処理システムにおいて、スキャンプロファイルには、スキャン設定条件に加え、複合機103の画像読取装置137にて取得されたスキャン画像に対しての処理に関するPC処理条件が含まれていてもよい。同様に、印刷プロファイルには、印刷設定条件に加え、クライアントPC101またはホストPC102から複合機103に送信される印刷データに対する処理に関するPC処理条件が含まれていてもよい。
【0150】
この場合、PC処理条件に基づいたスキャン画像に対する処理は、クライアントPC101またはホストPC102にて行われる。同様に、PC処理条件に基づいた印刷データに対する処理はクライアントPC101またはホストPC102にて行われる。したがって、クライアントPC101とホストPC102との少なくとも一方は、スキャン画像に対してPC処理条件にて指定された処理を施す機能を有する。同様に、クライアントPC101とホストPC102との少なくとも一方は、印刷データに対してPC処理条件にて指定された処理を施す機能を有する。なお、図15の動作例では、PC処理条件に基づく処理がクライアントPC101にて行われる場合を示している。
【0151】
図24は、プロファイル情報に含まれるPC処理条件のデータ構造の概要を示す説明図である。図24に示すように、PC処理条件には、画像の傾き補正、文字認識(OCR)、画像高圧縮(画像ファイルのサイズを小さくする処理)、および外部アプリケーション起動等の各処理について行うか否かの設定がされており、行う設定である場合の入力パラメータが示されている。したがって、クライアントPC101とホストPC102との少なくとも一方の制御装置111,121は、PC処理条件に示されている各処理を行う処理部としての機能を備えている。
【0152】
図25は、図17に示したプロファイル一覧画面において、ユーザーにより選択されたプロファイルにPC処理条件が含まれていた場合にクライアントPC101において実行されるPC処理を示すフローチャートである。このPC処理は、画像処理システムにおいて、図13から図15に示したログインからスキャン完了までの動作の後に自動的に実行される。
【0153】
図25に示すように、クライアントPC1の制御装置11は、プロファイルに含まれているPC処理条件に基づいてPC処理を行う場合に、記憶装置12に保存されている処理対象のスキャン画像を読み出す(S101)。
【0154】
制御装置111は、PC処理条件において傾き補正がONであれば(S102)、PC処理条件に示されている傾き補正パラメータに従って傾き補正を実行する(S103)。
【0155】
次に、制御装置111は、PC処理条件において文字認識がONであれば(S104)、PC処理条件に示されている文字認識パラメータに従って文字認識を実行する(S105)。
【0156】
次に、制御装置111は、PC処理条件において画像高圧縮がONであれば(S106)、PC処理条件に示されている画像高圧縮パラメータに従って画像高圧縮を実行する(S107)。
【0157】
次に、上記各処理が施されて生成されたファイル(スキャン画像データ)を記憶装置112に保存する(S108)。
【0158】
その後、その他のアプリケーションプログラムの起動がONでれば(S109)、アプリ起動パラメータに従ってそのアプリケーションプログラムを起動する(S110)。
【0159】
上記のように、本実施の形態の画像処理システムでは、プロファイルには、例えばクライアントPC101において実行される処理に関するPC処理条件も含まれている。これにより、画像処理システム全体としてより高度な処理が可能となる。
【0160】
なお、上記の実施の形態では、画像処理システムにおいて、それぞれ1台のクライアントPC、ホストPC102および複合機103がネットワーク105を介して互いに接続されている場合について説明した。しかしながら、画像処理システムの構成は、これに限定されることなく、それぞれ複数台であっても構わない。例えば複数台のクライアントPC、1台のホストPC102および複数台の複合機103がネットワーク105を介して互いに接続されている構成であってもよい。この場合には、図13から図15に示した動作が各クライアントPC101と複合機103との組み合わせ毎に並行して行われることになる。
【0161】
なお、本実施の形態の画像処理システムでは、クライアントPC101、ホストPC102、複合機103およびアカウント管理サーバー104を独立して備えた構成としている。しかしながら、画像処理システムは、例えばホストPC102とアカウント管理サーバー104とが同一の装置、例えば同一のPCによって構成されていてもよい。
【0162】
また、一時的に接続される(臨時接続される)クライアントPC101が使用できる複合機103の機能は、正規のクライアントPC101が使用できる複合機103の機能よりも制限されている構成としてもよい。この機能制限としては、例えばフルカラー印刷が可能な複合機103において、モノクロ印刷のみを許可するといったものである。
【0163】
なお、この場合の臨時接続のクライアントPC101が使用できる複合機103の機能の制限は、ホストPC102、複合機103あるいはアカウント管理サーバー104のいずれが行ってもよい。
【0164】
また、本実施の形態の画像処理システムは、図26に示す構成を備え、図27に示す動作を行うものであってもよい。図26は、図1に示した画像処理システムの他の構成を示すブロック図である。図27は、図26に示した画像処理システムの動作を示すフローチャートである。
【0165】
図26が図1と異なる点は、カードリーダライタ(情報書込み装置)106をホストPC102に接続できるようになっている点である。また、図27が図6と異なる点は、S409の処理とS410の処理との間に、S414の処理が追加されている点である。
【0166】
図26に示す画像処理システムでは、ホストPC102にはカードリーダライタ106が接続され、ホストPC102の制御装置121は、接続されたカードリーダライタ106により、複合機認証用のICカード(携帯用情報記録媒体)に、認証用データを書き込む構成となっている。
【0167】
具体的な動作としては、図27のS414において、ホストPC102の制御装置121は、“guest”+連番などの臨時ログイン情報およびログイン用のパスワードをカードリーダライタ106に出力し、カードリーダライタ106から複合機認証用のICカードに書き込む処理が行われる。
【0168】
臨時ログイン情報およびログイン用のパスワードが書き込まれた複合機認証用のICカードは、ゲストユーザーが複合機103を利用する場合に使用される。具体的には、図9において、複合機103の使用を希望するユーザーは、複合機103のところに出向き、複合機103に対して複合機認証用ICカードを提示することにより、自動入力によってログインすることができる(S201)。この場合、複合機103は、提示されたICカードを読み取ることができる構成となっている。
【0169】
上記の構成によれば、複合機認証用のICカードに臨時ログイン情報およびログイン用のパスワードがカードリーダライタ106から書き込まれる。したがって、ゲストユーザーは、複合機103を利用する場合に、ログイン情報およびパスワードを手動入力することなく、上記複合機認証用のICカードを複合機103に提示することにより、自動入力することができる。これにより、ゲストユーザーは、複合機103に容易にログインすることができる。
【0170】
最後に、画像処理システムのクライアントPC101、ホストPC102、複合機103およびアカウント管理サーバー104の各ブロックは、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0171】
すなわち、クライアントPC101、ホストPC102、複合機103およびアカウント管理サーバー104は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアであるクライアントPC101、ホストPC102、複合機103およびアカウント管理サーバー104の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記クライアントPC101、ホストPC102、複合機103およびアカウント管理サーバー104に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
【0172】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
【0173】
また、クライアントPC101、ホストPC102、複合機103およびアカウント管理サーバー104を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能
である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【0174】
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、実施形態に開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0175】
101 クライアントPC(クライアント装置)
102 ホストPC(ホスト装置、アカウント管理装置)
103 複合機(画像処理装置)
104 アカウント管理サーバー(管理装置、アカウント管理装置)
105 ネットワーク
106 カードリーダライタ(情報書込み装置)
111 制御装置
112 記憶装置
114 入力装置
115 表示装置
121 制御装置(制御部、ホスト側制御部)
122 記憶装置
131 制御装置(画像形成装置側制御部)
132 記憶装置
134 入力装置
135 表示装置
136 印刷装置
137 画像読取装置
141 制御装置(制御部、管理装置側制御部)
142 記憶装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して画像処理装置およびクライアント装置と接続されるアカウント管理装置において、
記憶装置と制御部とを備え、
前記制御部は、
前記ネットワークに接続された前記クライアント装置からクライアント識別情報を取得し、そのクライアント識別情報に含まれるログイン情報に基づく臨時ログイン情報を前記記憶装置に記憶させる第1の処理、
前記画像処理装置に対して入力された前記画像処理装置を使用するためのログイン情報を取得する第2の処理、
前記第2の処理にて取得したログイン情報が、前記記憶装置に記憶されている前記臨時ログイン情報である場合に、前記画像処理装置の使用を許可する第3の処理を行うことを特徴とするアカウント管理装置。
【請求項2】
画像処理装置とクライアント装置とホスト装置および管理装置とがネットワークを介して接続される画像処理システムにおいて、
前記ホスト装置は、ホスト側制御部を備え、
前記ホスト側制御部は、前記ネットワークに接続された前記クライアント装置からクライアント識別情報を取得し、そのクライアント識別情報に含まれるログイン情報に基づく臨時ログイン情報を前記管理装置に送信し、
前記画像処理装置は、画像処理装置側制御部を備え、
前記画像処理装置側制御部は、前記画像処理装置を使用するためのログイン情報の入力を受け付けるとともに、入力されたログイン情報を前記管理装置に送信し、
前記管理装置は、管理装置側制御部と、管理装置側記憶装置とを備え、
前記管理装置側制御部は、前記ホスト装置から受信した前記臨時ログイン情報を前記管理装置側記憶装置に記憶させ、前記画像処理装置から受信したログイン情報が、前記管理装置側記憶装置に記憶されている前記臨時ログイン情報である場合に、前記画像処理装置の使用を許可することを特徴とする画像処理システム。
【請求項3】
前記クライアント装置は、前記臨時ログイン情報によって前記画像処理装置の使用が許可される場合に、前記画像処理装置についての使用できる機能が制限されることを特徴とする請求項2に記載の画像処理システム。
【請求項4】
前記ホスト装置のホスト側制御部には、前記クライアント装置からの前記臨時の接続を許可するかどうかの設定が行われることを特徴とする請求項2または3に記載の画像処理システム。
【請求項5】
前記ホスト装置の前記ホスト側制御部は、前記ホスト装置と前記クライアント装置との通信状態を監視し、前記ホスト装置と前記クライアント装置との間の通信が一定期間以上行われていない場合に、そのクライアント装置のログイン情報を削除対象候補のログイン情報として前記管理装置に送信し、
前記管理装置の前記管理装置側制御部は、前記ホスト装置から受信した削除対象候補のログイン情報と一致する前記臨時ログイン情報を前記管理装置側記憶装置から削除することを特徴とする請求項2から4のいずれか1項に記載の画像処理システム。
【請求項6】
前記ホスト装置は、ホスト側記憶装置を備え、
ホスト側制御部は、前記管理装置に送信した前記臨時ログイン情報を前記ホスト側記憶装置に記憶させるとともに、前記削除対象候補のログイン情報と一致する前記臨時ログイン情報を前記ホスト側記憶装置から削除することを特徴とする請求項2から5のいずれか1項に記載の画像処理システム。
【請求項7】
前記ホスト装置には、携帯用情報記録媒体に対して情報を書き込む情報書込み装置を接続可能であり、
前記ホスト側制御部は、前記ホスト装置に接続された情報書込み装置に対して、前記臨時ログイン情報を出力し、
前記画像処理装置は、前記画像処理装置に対して提示された前記携帯用情報記録媒体に書き込まれた情報を読み取り可能であることを特徴とする請求項2から6のいずれか1項に記載の画像処理システム。
【請求項8】
前記管理装置の前記管理装置側記憶装置は、前記臨時ログイン情報とは別に、前記臨時ログイン情報とは別の手順にて設定された、正規のクライアント装置についての正規ログイン情報を記憶していることを特徴とする請求項2から7のいずれか1項に記載の画像処理システム。
【請求項9】
請求項1に記載のアカウント管理装置の前記の制御部としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項10】
請求項9に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【公開番号】特開2012−244602(P2012−244602A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−116207(P2011−116207)
【出願日】平成23年5月24日(2011.5.24)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】