説明

アキシャル・ピストンマシン

本発明は、シリンダ・ドラムの回転軸に関して傾斜を修正することができる旋回クレードル(5)を有するアキシャル・ピストンマシンに関する。調整システムが、旋回クレードルに作用し、前記システムは、第1の変位方向の旋回クレードル(5)の傾斜を調整するための第1のレギュレータ(10)と、反対の第2の変位方向の旋回クレードル(5)の傾斜を調整するための第2のレギュレータ(35)とを有する。第1及び第2のレギュレータ(10,35)は、回転軸に関して旋回クレードル(5)の反対側に配置される。アキシャル・ピストンマシンは、また、旋回クレードルの変位を制限する装置を有する。旋回クレードル(5)の変位を制限する装置は、第1の設定可能な制限装置(25)と第2の設定可能な制限装置(39)を有する。2つの制限装置(25,39)は、旋回クレードル(5)に作用し、回転軸に関して前記旋回クレードル(5)の反対側に配置される。2つの制限装置(25,39)と2つのレギュレータ(10,35)は、旋回クレードル(5)の異なる領域に配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリンダドラム(cylinder drum)の回転軸に対する傾斜を修正することができる旋回クレードル(swivel cradle)と、旋回クレードルに作用する作動システムとを有するアキシャル・ピストンマシンに関する。
【背景技術】
【0002】
シリンダドラム内に配置されたピストンの行程を斜板(swash plate)によって修正することができる液圧ピストン機械は、特許文献1から知られている。駆動シャフト、シリンダドラム、及び斜板の傾斜に作用する作動システムのアクチュエータを収容するためのハウジングは、実質的にポット形になるように設計される。ポットの基部の領域には、貫通口が提供され、これらの貫通口は、圧力チャンバとして構成され、ハウジングの外側で密封キャップによって封止式に閉じられる。いずれの場合も、アクチュエータは作動ピストンを有し、この作動ピストンは、圧力チャンバと反対側で斜板と接した状態で保持されてもよく、これにより作動ピストンを回転軸に対して傾斜させることができる。
【0003】
既知の液圧機械には、旋回クレードル又は斜板それぞれの傾斜調整の制限が、アクチュエータの作動ピストンによって直接行われるという欠点がある。
【0004】
更に、非特許文献1から、可変行程容量型ポンプのハウジング内に第1のアクチュエータと第2のアクチュエータを提供することができることが知られている。2つのアクチュエータは、可変行程容量型ポンプの回転軸の反対側に配置される。アクチュエータは、調整可能な旋回クレードルに直接作用し、回転軸に対するその傾斜は、第1の制限装置と第2の制限装置によって制限される。制限装置は、斜板に直接作用し、アクチュエータの隣りに配置され、半径方向外側にずらされる。これにより、2つのアクチュエータと2つの制限装置は、回転軸を通る共通平面上に配置される。
【0005】
作動システムのアクチュエータに沿って横方向に調整可能な制限装置を配置することは、非特許文献1から知られている可変行程容量型ポンプの構造空間が大きくなるという欠点を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第2,455,062号
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】RDE 92500−19 L/1l.03 of Bosch Rexroth AG
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
従って、本発明の目的は、構造空間の利用に関して最適化された作動システムを備えた調整可能なアキシャル・ピストンマシンを提供することである。
【0009】
目的は、請求項1の特徴を有する本発明によるアキシャル・ピストンマシンによって達成される。
【0010】
本発明によるアキシャル・ピストンマシンは、旋回クレードルを提供し、旋回クレードルの傾斜をシリンダドラムの回転軸に対して修正することができる。作動システムは、旋回クレードルに作用する。作動システムは、第1の変位方向の旋回クレードルの傾斜を調整するための第1のアクチュエータと、反対の第2の変位方向の旋回クレードルの傾斜を調整するための第2のアクチュエータとを備える。第1のアクチュエータと第2のアクチュエータは、回転軸に関してアキシャル・ピストンマシンの反対側に配置され、旋回クレードルに作用する。更に、アキシャル・ピストンマシンの作動システムは、旋回クレードルの変位を制限するための装置を備える。本発明によれば、旋回クレードルの変位を制限するための装置は、旋回クレードルにそれぞれ作用する第1の調整可能な制限装置と第2の調整可能な制限装置を有し、第1及び第2のアクチュエータと同じように、回転軸に関して旋回クレードルの反対側に配置される。この文脈では、第1と第2のアクチュエータ及び第1と第2の制限装置はそれぞれ、アキシャル・ピストンマシンの異なる領域に配置される。従って、従来のほぼ長方形断面のハウジングの場合において、2つの制限装置はほぼ第1の対角線上にあり、2つのアクチュエータは他の対角線上に配置される。従って、回転軸からアクチュエータに沿って半径方向外方に制限装置を配置しなくてもよい。その結果、本発明によるアキシャル・ピストンマシンの構造はより薄型になる。
【0011】
本発明によるアキシャル・ピストンマシンの有利なさらに他の開発は、従属クレームで指定される。
【0012】
旋回クレードルの旋回軸と回転軸が互いに垂直であることが好ましく、第1のアクチュエータ及び/又は第2のアクチュエータが、いずれの場合も回転軸と平行な平面内で配置される。この場合、特に、第1のアクチュエータと、旋回クレードルの第1の変位方向の変位を制限する調整可能な第1の制限装置とが、共通平面内に配置されると有利である。この共通平面の表面法線は、旋回軸と平行に構成される。これと同時又は交互に、旋回クレードルの第2の変位方向の変位を制限する調整可能な第2の制限装置が、別の平面内に配置され、その表面法線はやはり、旋回クレードルの旋回軸と平行に延在し、別の平面内に第2のアクチュエータも配置される。この構成は、第1のアクチュエータによる作動力の印加と、その反対方向の第1の制限装置による制限力の印加の両方が1つの平面内で行われるという利点を有する。この平面が、旋回クレードルの旋回軸に対して垂直に配置されるので、力の適切な印加が達成され、特に、旋回軸と異なる変位軸のまわりの回転変位を引き起こす旋回クレードルの回転力の発生が防止される。これと同じことは、第2のアクチュエータ及び対応する調整可能な第2の制限装置による力の印加にも当てはまる。
【0013】
第1のアクチュエータ及び/又は第2のアクチュエータは、いずれの場合も作動力を生成するための作動ピストンを備えることが好ましい。これらのアクチュエータは、圧力チャンバ内で作動圧力を単純に供給することができる。従って、例えば追加の電気的アクチュエータを使用しない単純な作動システムを実現することができる。従って、作動圧力によって生成された作動力を、旋回クレードル又は保持弓形部分等の旋回クレードル上に構成された構成要素に直接伝達することができる。
【0014】
この文脈では、特に、いずれの場合も旋回クレードルと反対側のアキシャル・ピストンマシンのハウジング内にブラインド・ボアホールが提供され、旋回クレードルと反対側の作動ピストンの端が配置される場合に有利である。ハウジング又はハウジング内に配置されたブラインド・ボアホールそれぞれと作動ピストンとの間に圧力チャンバが形成される。従って、この圧力チャンバ内の圧力は、最終的に旋回クレードルの傾斜を調整するために使用される作動力を直接決定する。
【0015】
旋回クレードルの方に向けられた作動ピストンの端は、純粋な線形変位を行わない。旋回クレードルのスイベル変位により、一平面内の作動ピストンの変位が達成される。従って、ブラインド・ボアホール内に提供された作動ピストンの端は、冠状作動ピストン・ディスクとして設計されることが好ましい。この種の冠状作動ピストン・ディスクは、ブラインド・ボアホール内で作動ピストン・ディスクが行うわずかに傾いた動きを、ブラインド・ホール内の作動ピストン・ディスクの封止効果を損なうことなく実行できるという利点を有する。
【0016】
旋回クレードルのスイベル変位を引き起こす作動力は、旋回クレードルに接続された保持弓形部分に作用することが好ましい。従って、作動ピストンは、その作動力を保持弓形部分を介して旋回クレードルに伝達する。
【0017】
作動ピストンを旋回クレードル又は保持弓形部分それぞれに接続するために、液圧で円滑に部分的に解放された球状ヘッド接続が提供されることが好ましい。液圧で部分的に解放された球状ヘッド接続により、作動変位の高い再現性が保証される。作動ピストンと旋回クレードル又は保持弓形部分それぞれとの間に生じる摩擦力は、液圧解放によって低減される。この文脈では、引張力と圧縮力の両方を伝達することができるロック式球状ヘッド接続が提供される。この種の形成は、特に少ない遊びの接続を保証し、従って調整の精度を高める。
【0018】
保持弓形部分の使用により、保持弓形部分のそれぞれに、配分されたアクチュエータによって指定された変位方向の旋回クレードルの変位を制限する際の対応する第1又は第2の制限装置と協力する止め面を備えることが特に好ましい。これは、例えば、旋回クレードルの第1の変位方向の変位が、第1のアクチュエータによって引き起こされることを意味する。この目的のために、この変位方向の変位を制限する制限要素が、保持弓形部分上に提供された止め面と協力する。従って、この変位方向の更なる調整を制限する作動力と反力は、止め面が調整可能な制限要素と接しているときに同一保持弓形部分に作用する。従って、詳細には、回転平面と平行に形成された平面内の調整可能な制限装置とアクチュエータの構成と共に、保持弓形部分又は旋回クレードルそれぞれを通る最適化された力の流れが保証される。これは、特に、アクチュエータ及び対応する配分された制限装置がある平面が、旋回クレードルの球状スイベル角度ベアリングのベアリング領域を通る場合に当てはまる。
【0019】
更に、止め面に加えて、各保持弓形部分に、安全止めとしてハウジングの対向要素と協力する更に他の止め面が形成されることが好ましい。従って、各変位方向ごとに、調整可能なスイベル角度止め部及び構造的に決定された安全止め部とが提供される。調整可能なスイベル角度止め部は、調整可能な第1又は第2の制限装置それぞれと、保持弓形部分のそれぞれの止め面によって構成される。例えば、調整可能な制限装置が誤って調整された場合、安全止め部は、アキシャル・ピストンマシンの保護を保証する。別の止め面と協力する対向要素又は対向要素それぞれが、ハウジングのフランジ部分又はポット形ハウジング部分のケーシング領域内に提供されることが好ましい。
【0020】
第1のアクチュエータは、潤滑油チャネルが提供された第1作動ピストンを備えることが好ましい。この代替又は追加として、第2のアクチュエータは、潤滑油チャネルが形成された第2の作動ピストンを備える。この潤滑油チャネルは、作動ピストンの一端が圧力チャンバ内に配置された割り当てられたブラインド・ボアホールを、旋回クレードルの方を向いた作動ピストンの端に接続する。このようにして、第1又は第2の作動ピストンそれぞれ上の液圧力とぶつかる圧力チャンバ内の圧力により、圧力媒体は、球状ヘッド接続の液圧解放のために除去される。
【0021】
旋回クレードルは、ハウジングの側面の対応するベアリング面に回転式に配列された旋回クレードル・ベアリングを備えることが好ましい。旋回クレードル・ベアリングは、2つのベアリング面を有する。これらのベアリング面の共通中心線は、旋回クレードルの旋回軸を画定する。圧力媒体チャネルは、旋回クレードル内に形成されることが好ましく、この圧力媒体チャネルを介して、少なくとも1つのアクチュエータのブラインド・ボアホールから供給された圧力媒体が、旋回クレードルのベアリング面の液圧解放のために導かれる。更に、保持弓形部分を使用することにより、保持弓形部分に少なくとも1つの対応するチャネルが形成される。このように生成されたチャネル・システムにより、圧力チャンバからの圧力媒体が、作動ピストンを介して旋回クレードルに導かれ、そこで、旋回クレードルのベアリング面の又は幾つかのベアリング面それぞれの領域内に出て、そこで液圧解放を保証する。スイベル式に開くため、即ちアキシャル・ピストンマシンを行程容積を高める方向に作動させるために、圧力媒体は、アクチュエータから除去されることが好ましい。次に、旋回クレードルの両方のベアリング面への接続自体が、旋回クレードル内で構成される。圧力媒体チャネルはそこで分岐し、このように2つのベアリング面を開放旋回アクチュエータと接続する。
【0022】
旋回クレードルの滑り面の表面法線が回転軸と平行に延在する中立位置から始まり、旋回クレードルを2つの反対方向に旋回できることが好ましい。この文脈では、2つの反対方向の最大スイベルは、同じ大きさであることが好ましく、いずれの場合も安全止め部を形成することにより制限することができる。調整可能な第1及び第2の制限装置は、第1及び/又は第2の変位方向のスイベル角の異なる制限を可能にするように提供される。
【0023】
第1及び/又は第2のアクチュエータは、旋回クレードルに第1の変位方向の作用力及び/又は第2の変位方向の作用力を提供する弾性要素を備えることが好ましい。例えば第1のアクチュエータ上に弾性要素を1つだけ備えることにより、アキシャル・ピストンマシンを、1つの流れ方向の最大行程容積に調整することができる。従って、例えばポンプとして設計されたアキシャル・ピストンマシンは、運転に入る前に、その最大押し退け容積に調整される。
【0024】
弾性要素は、第1又第2のアクチュエータの作動ピストンを取り囲む渦巻きばねとして設計された鋼製ばねであることが好ましく、渦巻きばねは、ハウジング端にあるばね受けに支持される。1つの更に他の好ましい実施形態によるばね受けは、ポット形ハウジング部分の基部に配置されるか、代替の実施形態では、アキシャル・ピストンマシンのハウジング内のポット形ハウジング部分の基部からの離間距離で配置された接触リング上に配置される。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】調整押し退け容積のフィードバックのない本発明によるアキシャル・ピストンマシンの第1の例示的な実施形態の縦断面図である。
【図2】本発明によるアキシャル・ピストンマシンの作動システムの実質的構成要素を示す図である。
【図3】図2からの作動システムの別の図である。
【図4】旋回クレードルの調整位置のフィードバックを有する本発明によるアキシャル・ピストンマシンの作動システムの実質的構成要素の図である。
【図5】液圧解放のために旋回クレードル内に提供されたチャネルを示す、本発明によるアキシャル・ピストンマシンの作動システムの部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明は、図面と関連して後でより詳しく説明される。図面は以下の通りである。
【0027】
図1は、本発明によるアキシャル・ピストンマシン1の断面図を示し、この断面は、アキシャル・ピストンマシン1の回転軸に対して平行で且つ偏心的に延在する。アキシャル・ピストンマシン1は、周辺円のまわりに幾つかの円筒状ボアホールが分散配置されたシリンダドラム2を提供し、この周辺円は図示されていない。図示したアキシャル・ピストンマシン1がポンプである場合、行程変位によって圧力媒体を送出するピストンは、円筒状ボアホール内に長手方向に変位可能に配置される。
【0028】
アキシャル・ピストンマシン1は、第1ポット形ハウジング部分3と、フランジ部分4として形成されたハウジングを備える第2のハウジング部分とから成る。図1において確認できない駆動シャフトは、フランジ部分4と第1ポット形ハウジング部分3内に回転可能に取り付けられ、シリンダドラム2に回転可能且つ剛性密に接続される。駆動シャフトが回転する場合、シリンダドラム2は、回転可能且つ剛性な接続によって回転される。シリンダドラム2内に配置された長手方向に変位可能なピストンは、旋回クレードル5上のスライド・シューにより既知の方式で支持される。旋回クレードル5は、この目的のために滑り面6を備える。吸込行程中にスライド・シューが滑り面6から持ち上がるのを防ぐために、引戻板7が提供される。引戻板7は、旋回クレードル5の滑り面6から一定距離に保持され、これによりスライド・シューが滑り面6から持ち上がるのを防ぐ。旋回クレードル5の回転運動を可能にするために、スライド・シューが、ピストンに関節式に接続される。これにより、旋回クレードル5の傾斜に対応して、ピストンは、シリンダドラム2内で、駆動シャフト又はシリンダドラム2それぞれの1回転ごとに異なる大きさの行程を実行する。
【0029】
フランジ部分4に向いた側に、旋回クレードル5は、旋回クレードル・ベアリング8を備える。このために、旋回クレードル5上に少なくとも1つの第1のベアリング領域が形成され、この第1のベアリング領域は、フランジ部分4の対応するくぼみ9との滑りベアリングを備える。旋回クレードル5のスイベル角ベアリングの形成については、図2と図5に関して後で更に詳しく説明される。
【0030】
旋回クレードル5は、旋回クレードル・ベアリング内の旋回クレードル5の回転によって、旋回軸Sのまわりに回転可能である。従って、シリンダドラム2の回転軸に対する滑り面6の傾斜が修正される。
【0031】
旋回クレードル5の傾斜を調整するため、従ってシリンダドラム2の回転中にシリンダ内のピストンの行程を調整するために、アキシャル・ピストンマシン1のハウジング内に作動システムが提供される。作動システムは、少なくとも1つの第1のアクチュエータ10を有する。第1のアクチュエータ10は、第1作動ピストン11を備える。第1作動ピストン11は、その第1の端12で圧力チャンバ13を限定する。圧力チャンバ13は、ポット形ハウジング部分3の基部に形成される。圧力チャンバ13を形成するために、ポット形ハウジング部分3の基部にブラインド・ボアホール14が導入され、このブラインド・ボアホール14にはブシュ15が挿入される。ブシュ15は、ブラインド・ボアホール14に圧入されることが好ましい。ブシュ15の内壁は、作動ピストン11の第1の端12の滑り面として働き、第1作動ピストン11の第1の端12と密閉式に協力する。作動ピストン11の第1の端12は、円筒状に形成されておらず、作動ピストン11がブシュ15の縦軸に対して傾斜位置にある場合にブシュ15内の妨害を防ぐために、わずかに冠状の形状を備える。作動ピストン11の第1の端12の冠状領域には、封止リングが提供されてもよい。
【0032】
第1の端12と反対側の作動ピストン11の第2の端16には球状ヘッドが形成される。球状ヘッドは、引張力と圧縮力を両方とも伝達できるように保持弓形部分17に接続される。保持弓形部分17は、ねじによって旋回クレードル5に接続される。保持弓形部分17は、旋回クレードル5の外部領域の滑り面6にねじ留めされる。更に、保持弓形部分17は、保持面19を提供し、保持面19は、引戻板7の上で係合し、引戻板7と接し、それにより、引戻板7が旋回クレードル5の滑り面6から一定距離にされる。
【0033】
作動ピストン11の球状ヘッド付き第2の端16を固定するために、保持弓形部分17には、作動ピストン11の球状ヘッド付き第2の端16を取り囲む球状くぼみ20が提供される。保持弓形部分17に対する作動ピストン11の接続は、ロック接続として設計される。即ち、球状ヘッド付き第2の端16は、保持弓形部分の球状くぼみによって赤道まで取り囲まれる。
【0034】
第1のアクチュエータ10の作動ピストン11の内部に、潤滑油チャネル21が形成される。潤滑油チャネル21は、作動ピストン11の第1の端12から第2の端16まで延在する。従って、潤滑油チャネル21は、圧力チャンバ13を作動ピストン11の球状ヘッド付き第2の端16に接続する。従って、圧力チャンバ13内の優勢の圧力は、作動ピストン11の球状ヘッド付き第2の端16から圧力媒体が出ることを保証する。これにより、作動ピストン11と保持弓形部分17の関節接続は、円滑になり、流体静力学的に解放される。
【0035】
図1において、第1のアクチュエータ10は、アキシャル・ピストンマシン1を最大押し退け容積の方向に旋回させるために提供されると仮定する。このために、圧力チャンバ13は、ポンプとして設計されたアキシャル・ピストンマシン1のポンピング端に接続される。更に、圧力チャンバ13内に与えられた正圧は、フランジ部分4内の旋回クレードル5の液圧解放を達成するために利用される。このために、圧力媒体チャネル22及び23それぞれが、保持弓形部分17内と旋回クレードル5の両方に形成される。図示しないように、旋回クレードル5の圧力媒体チャネル23は、図1に示したベアリング領域8と切断面の外で接続される。従って、圧力が与えられ圧力チャンバ13から出る圧力媒体は、くぼみ9と旋回クレードル5のベアリング領域8の間に出て、これにより旋回クレードル5の液圧解放が保証される。これにより、必要な作動力の大幅な減少が達成される。
【0036】
旋回クレードル5に対する保持弓形部分17の位置決めを可能にするために、旋回クレードル5のボアホールと保持弓形部分17の対応するボアホールに挿入されるアラインメント・ピン24が提供される。更に、作動ピストン11と保持弓形部分17間の玉関節接続と反対側の保持弓形部分17の端の領域において、ポット形ハウジング部分3内に調整式第1の制限装置25が提供される。第1の制限装置25は、保持弓形部分17上に形成された第1の止め面26と協力する。第1の止め面26は、冠状に設計され、その結果、第1の制限装置25の設定と関係なく、制限装置25による力の印加は、第1の止め面26と垂直に行われ、従って中高部分の中心点を通って行われる。止め面から見ると、この冠の中心点は、旋回クレードル5の方向に配置される。
【0037】
第1の制限装置25は、この目的のために提供されたハウジング・ボアホール内のねじ穴にねじ込められた設定ねじ27を有する。ねじ込みの深さにより、第1の変位方向の旋回クレードル5の最大振れは、第1の制限装置25によって決定される。ハウジング・ボアホールは、ポット形ハウジング部分3のケーシングの領域内に配置される。ハウジング・ボアホールは、設定ねじ27の中心軸が止め面26の冠の中心点を通るような回転軸の角度で取り囲む。
【0038】
第1のアクチュエータ10、第1の制限装置25、及び第1の保持弓形部分17は全て、旋回クレードル5の第1の変位方向に配分される。第1のアクチュエータ10は、旋回クレードル5を第1の変位方向に移動させようとするが、第1の制限装置25は、調整可能な止め部分として働き、従って第1の変位方向の最大変位を制限する。設定ねじ27を特定位置で固定するためにロック・ナット28が提供される。同時に、ロック・ナット28は、ハウジング内部を環境から閉鎖する働きをする。安全キャップ29が、設定値の無許可の変更を防ぐ。
【0039】
設定ねじ27が誤って調整された場合でもアキシャル・ピストンマシン1の一貫した安全性を保証するために、保持弓形部分17の同じ端にも別の止め面30が形成され、そこで作動ピストン11の第2の端16と第1の保持弓形部分17間の玉関節が提供される。別の止め面30は、フランジ部分4に向いた面に形成され、安全止め部としてフランジ部分4の対向要素51と協力する。従って、設定ねじ27が完全に外された場合でも、安全止め部に当たるまでしか変位することができない。
【0040】
アキシャル・ピストンマシン1が最大行程容積方向に変位した場合、安全止め部は、フランジ部分4と第1の保持弓形部分17の別の止め面30との間に形成されることが好ましい。
【0041】
図1に直接示したように、第1のアクチュエータ10と第1の制限装置25は、シリンダドラム2の回転軸と平行に延在し且つ詳細には旋回クレードル5の旋回軸Sと垂直に配置された平面内に配列される。従って、第1のアクチュエータ10により作動力が印加される力の方向と、調整可能な第1の制限装置25に当って止まる場合の力の方向は両方とも、回転軸と平行に形成された平面内に配置される。この平面は同時に、旋回クレードル5とフランジ部分4上に形成された第1のベアリング領域内を通るので、旋回クレードル5上のねじり力の発生が防止される。
【0042】
圧力チャンバ13が減圧された場合でもアキシャル・ピストンマシン1を最大押し退け容積の方向に予め張力をかけるために、第1のアクチュエータ10上に弾性要素が提供される。図示した例示的な実施形態の弾性要素は、ばね33として設計される。ばね33は、好ましくは鋼製渦巻きばねであり、第2の端16の近くに形成された第1のばね受け31上に一端が支持される。ばね受け31は、作動ピストン11内に半径方向の肩部として形成され、ばね33の中心を決めるために僅かに作動ピストン11の第1の端12に向かう軸方向に延在するガイド部分を備える。ばね33の反対端で、ばね33は、第2のばね受け32と接する。ばね受け32は、また、軸方向に延在するガイド部分を備える。ばね受け32は、ハウジング部分3の心出しくぼみ34内に配置され、ポット形ハウジング部分3の基部と接する。この文脈では、ばね受け32は、心出しくぼみ34の底にあるポット形ハウジング3の基部と、アキシャル・ピストンマシン1のハウジングの内側に向けられたブシュ15の端とに同時に配置されることが好ましい。
【0043】
図1は、第1のアクチュエータ10と第1の調整可能な制限装置25によって画定された平面を通る断面を示す。第1のアクチュエータ10は、アキシャル・ピストンマシン1を比較的大きい行程変位方向に調整するために提供され、従って開放装置と言うこともできる。これは、アキシャル・ピストンマシン1が、例えば開回路内で液圧ポンプとして使用され、一方向だけにポンピングするために提供される場合に適切である。
【0044】
更に、アキシャル・ピストンマシン1内に第2のアクチュエータ35(断面の位置のために図1に示した図では見えないが)が提供される。第2のアクチュエータ35は、また、第2の調整可能な制限装置39を提供し、第1のアクチュエータ10と実質的に一致する。また、第2のアクチュエータ35と第2の制限装置39は、この場合も共通平面内に配置され、この別の平面は、第1のアクチュエータ10及び第1の制限装置25の平面と平行に配置される。この文脈では、2つの平面は、シリンダドラム2の回転軸に関して対称的に配置されることが好ましい。
【0045】
この配置は、図2に示されており、作動システムの個々の構成要素が斜視図で再び示される。この文脈では、アキシャル・ピストンマシン1の作動システムと関連しない構成要素は、分かりやすくするために省略された。
【0046】
第1のアクチュエータ10と第2のアクチュエータ35が、回転軸の反対側に配置されることは明白である。また、作動システムの第2のアクチュエータ35は、作動ピストンを提供し、その第1の端で第2のブシュ36内に取り付けられる。第2のブシュ36は、また、ポット形ハウジング部分3の基部のブラインド・ボアホールに挿入される。従って、ブシュ36内に第2の圧力チャンバが形成され、この第2の圧力チャンバは、第1のアクチュエータ10の場合と同じように、ポット形ハウジング部分3の基部によって閉じられる。圧力空洞又は圧力チャンバは、同様に冠状作動ピストン・ディスクによって制限される。作動システムの共通調整経路上に、作動ピストン11とまた第2のアクチュエータ35の作動ピストンのそれぞれの冠状作動ピストン・ディスクが、ブシュ15又は別のブシュ36それぞれの中で導かれる。また、第2のアクチュエータ35の作動システムの他端には、玉関節接続が形成される。第2のアクチュエータ35の作動ピストンの第2の端37も、第2の保持弓形部分38の球状くぼみに挿入される。第1の保持弓形部分17と同じように、第2の保持弓形部分38は、ねじ18によって旋回クレードル5に接続される。第1と第2の保持弓形部分17と38は、同じように設計されることが好ましい。第1の保持弓形部分17は、実質的に、第1のアクチュエータ10と第1の制限装置25が配置された平面に沿って延在する。これに対応して、第2の保持弓形部分38は、実質的に、第2のアクチュエータ35と第2の調整可能な制限装置39が配列された別の平面に沿って延在する。第2の調整可能な制限装置39は、その構造が第1の調整可能な制限装置35と一致し、従って説明の繰り返しは不要である。
【0047】
一般に長方形又は正方形断面を有するハウジングを備えるアキシャル・ピストンマシン1の断面に関して、アクチュエータ10及び35は、ハウジングの内角の領域内の第1の対角線上に配置され、第2の調整可能な制限装置25及び39は、ハウジングの内角の第2の対角線上に配置される。
【0048】
この種の断面に関して、アキシャル・ピストンマシンが、4つの四分円に細分される場合、第1のアクチュエータ10は第1の四分円に配置され、第1の制限装置25は第4の四分円に配置され、第2のアクチュエータ35は第3の四分円に配置され、第2の調整可能な制限装置39は第2の四分円に配置される。
【0049】
第2の保持弓形部分38上に、やはり冠状に設計された止め面40が形成される。第1の保持弓形部分17と同じように、止め面40が冠状に形成されるので、調整可能な制限装置39の特定の設定と関係なく、力の印加が常に止め面40と垂直になる。安全止めを備えるために、第2の保持弓形部分38に別の止め面41も形成される。別の止め面41は、第2のアクチュエータ35の作動ピストンとの玉関節接続として、第2の保持弓形部分38の同じ端に形成される。
【0050】
図2で、旋回クレードル5の旋回クレードル・ベアリング8は、第1のベアリング面8.1と第2のベアリング面8.2によって形成されることは明かである。この文脈では、第1のベアリング面8.1は、旋回軸Sの方向の幅で延在し、その結果、第1のアクチュエータ10と第1の調整可能な制限装置25が配置される平面、即ち第1のアクチュエータ10と第1の調整可能な制限装置25を通る力の方向が与えられる平面が、第1のベアリング面8.1を通る。これに対応するように、第2のベアリング面8.2も旋回軸Sの方向の幅にわたって延在し、その結果、第2のアクチュエータ35と第2の制限装置39が配置される別の平面が、第2のベアリング面8.2を通る。
【0051】
図3は、本発明によるアキシャル・ピストンマシン1の作動システムの別の斜視図を表す。この文脈では、詳細には、第1のアクチュエータ10と第2のアクチュエータ35が、断面で示される。更に、第2のアクチュエータ35の場合において、第1の止め面40の対向要素が示される。詳細には、戻りスイベル装置の場合において、安全止め部として第2の止め面40と協力する第2の止め面40に対するこの対向要素は、ポット形ハウジング部分3上に形成されてもよい。第2のアクチュエータ35の断面図において、第2のアクチュエータ35の作動ピストンに縦方向に延在する潤滑油チャネル42も提供されることは明らかである。この潤滑油チャネル42は、第2のブシュ36内に形成された第2の圧力チャンバを作動ピストンと第2の保持弓形部分38間の玉関節接続と接続する。
【0052】
図3から、第1圧力チャンバ13は、第1圧力チャンバより直径が小さくなるように設計されることは明らかである。その結果、ポンプの場合、アキシャル・ピストンマシン1のポンプ端の正圧が常に第1の圧力チャンバ13内に存在することができる。ポンピング容積を減少させる方向の旋回は、第2のアクチュエータ35の作動ピストンの第2の圧力チャンバ内で対応する作動圧力に達したときに行われる。図3では、作動システムは、その第1の端子位置で示され、その位置で、第1の保持弓形部分17の止め面26が、第1の制限装置25と接した状態で配置される。更に、旋回クレードル5の中心にボアホール45が穿孔されていることは明らかである。このボアホール45は、アキシャル・ピストンマシン1の駆動シャフト用の通路となる。
【0053】
図4では、本発明によるアキシャル・ピストンマシン1の作動システムの僅かに修正された例示的な実施形態が示される。図1から図3に示した作動システムと対照的に、旋回クレードル5の位置のフィードバックと、従って第1のアクチュエータの作動ピストン11’の位置のフィードバックが可能である。このために、フィードバック要素50が、作動ピストン11’上に配置される。このフィードバック要素50は、作動ピストン11’に確実に接続され、従って、フィードバック要素50の位置は、アキシャル・ピストンマシン1のそれぞれ設定されたポンピング量に関する情報を提供する。詳細には、この種のフィードバック要素50は、本発明によるアキシャル・ピストンマシン1のスイベル角度制御又は出力制御に有利である。図1から図3に示した例示的な実施形態とは違い、ばね受け32がポット形ハウジング部分3の基部に接触できない。従って、ポット形ハウジング部分3の内部に形成されたリブと接して配置された接触リング46が提供される。接触リング46は、この場合も、ばね受け32が配置される心出しくぼみを備える。ばね受け32は、作動ピストン11又は11’それぞれが通る中央ボアホールを備える。ばね受け32は、C字形に溝形成され、ばねが圧縮された状態で、作動ピストン11又は11’それぞれが横方向に押しつけられる。この文脈では、ばね受け32は、作動ピストンに対して支持される。
【0054】
図5は、本発明によるアキシャル・ピストンマシン1の作動システムの構成要素の部分断面を示す。この文脈では、第1の保持弓形部分17内と更に旋回クレードル5内の圧力チャネルの経路が詳細に示される。圧力チャネルは、第2のベアリング面8.2の領域で旋回クレードル5内に開き、従って旋回クレードル5の液圧解放を可能にすることは明らかである。
【0055】
本発明は、示した例示的な実施形態に限定されない。詳細には、提示した例示的な実施形態の個々の特徴を互いに有利に組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0056】
2 シリンダドラム
5 旋回クレードル
10、35 アクチュエータ
25、39 制限装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリンダドラム(2)の回転軸に関する傾斜を修正することができる旋回クレードル(5)と、第1の変位方向の前記旋回クレードル(5)の傾斜を調整するための第1のアクチュエータ(10)及び反対の第2の変位方向の前記旋回クレードル(5)の前記傾斜を調整するための第2のアクチュエータ(35)を有する前記旋回クレードル(5)に作用し、前記第1及び第2のアクチュエータ(10,35)が、前記回転軸に関して反対側で前記旋回クレードル(5)に作用する作動システムと、前記旋回クレードル(5)の変位を制限するための装置とを有するアキシャル・ピストンマシンであって、
前記旋回クレードルの変位を制限するための装置が、前記旋回クレードル(5)にそれぞれ作用し且つ前記回転軸に関して前記旋回クレードル(5)の反対側に配置された第1の調整可能な制限装置(25)と第2の調整可能な制限装置(39)を備え、前記第1及び第2のアクチュエータ(10,35)が配置された領域と、前記第1及び第2の制限装置(25,39)が配置された領域は互いに異なることを特徴とするアキシャル・ピストンマシン。
【請求項2】
前記旋回クレードル(5)の旋回軸(S)と前記回転軸は、互いに垂直に配置され、前記第1のアクチュエータ(10)及び/又は前記第2のアクチュエータ(35)は、いずれの場合も前記回転軸と平行に配置され前記旋回軸(S)と垂直な平面内に形成されたことを特徴とする請求項1に記載のアキシャル・ピストンマシン。
【請求項3】
前記第1のアクチュエータ(10)と、前記旋回クレードル(5)の前記第1方向の変位を制限する前記第1の制限装置(25)は、前記表面法線が、前記旋回クレードル(5)の旋回軸(S)と平行に延在する平面内に配置され、且つ/又は前記第2のアクチュエータ(35)と、前記旋回クレードル(5)の前記第2の方向の変位を制限する前記第2の制限装置(39)は、前記表面法線が前記旋回クレードル(5)の前記回転軸(S)と平行に延在する別の平面内に配置されたことを特徴とする請求項2に記載のアキシャル・ピストンマシン。
【請求項4】
前記第1のアクチュエータ(10)及び/又は前記第2のアクチュエータ(35)はそれぞれ、作動ピストン(11)を備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のアキシャル・ピストンマシン。
【請求項5】
各作動ピストン(11)ごとに、前記旋回クレードル(5)とそれぞれ反対向きの前記作動ピストン(11)の端が導かれるブラインド・ボアホール(14)が、前記ハウジング(3,4)内の前記旋回クレードル(5)と反対側に設けられたことを特徴とする請求項4に記載のアキシャル・ピストンマシン。
【請求項6】
前記作動ピストンは(11)、前記ブラインド・ボアホール(14)内に配置された端(12)に冠状作動ピストン・ディスクを備えることを特徴とする請求項5に記載のアキシャル・ピストンマシン。
【請求項7】
前記旋回クレードル(5)に作動力を伝達する各作動ピストン(11)の第2の端(16,37)が、いずれの場合も前記保持弓形部分(17,38)を介して前記旋回クレードル(5)に接続されたことを特徴とする請求項3乃至6のいずれか1項に記載のアキシャル・ピストンマシン。
【請求項8】
前記作動ピストン(11)を前記旋回クレードル(5)又は前記保持弓形部分(17,38)に接続するために、流体静力学的に応力解放された球状ヘッド付き接続が形成されたことを特徴とする請求項3乃至7のいずれか1項に記載のアキシャル・ピストンマシン。
【請求項9】
各保持弓形部分(17,38)は、更に、割り当てアクチュエータ(10,35)によって指定された変位方向の前記旋回クレードル(5)の前記変位を制限し且つ対応する第1又は第2の制限装置(25,39)それぞれと協力する止め面(26,40)を備えることを特徴とする請求項7又は8に記載のアキシャル・ピストンマシン。
【請求項10】
更に、各保持弓形部分(17,38)上に、安全止めとして前記ハウジングの対向要素(51)とそれぞれ協力する別の止め面が形成されたことを特徴とする請求項9に記載のアキシャル・ピストンマシン。
【請求項11】
前記対向要素(51)は、ポット形ハウジング部品(3)又はフランジ部品(4)上に形成されたことを特徴とする請求項10に記載のアキシャル・ピストンマシン。
【請求項12】
前記第1のアクチュエータ(10)は、第1作動ピストン(11)を提供し、且つ/又は前記第2のアクチュエータ(35)は、第2の作動ピストンを提供し、前記作動ピストン(11)の少なくとも1つの中に、前記割り当てブラインド・ボアホール(14)を前記旋回クレードル(5)の方に向いた前記作動ピストン(11)の前記端(16)に接続する圧力媒体チャネルが形成されたことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載のアキシャル・ピストンマシン。
【請求項13】
前記旋回クレードル(5)及び/又は保持弓形部分(17,38)内に別のチャネルが形成され、前記別のチャネルを介して、前記圧力媒体を、前記ブラインド・ボアホール(14)から前記旋回クレードル(5)の少なくとも1つのベアリング面(8.1,8.2)に供給することができることを特徴とする請求項8に記載のアキシャル・ピストンマシン。
【請求項14】
前記旋回クレードル(5)の前記滑り面(6)の表面法線は、中立位置から始まり、前記回転軸と平行に延在し、前記旋回クレードル(5)は、2つの反対方向に旋回することができることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載のアキシャル・ピストンマシン。
【請求項15】
前記第1及び/又は第2のアクチュエータ(10,35)は、前記第1の変位方向又は前記第2の変位方向に作用する力を前記旋回クレードル(5)に印加する弾性要素(33)を有することを特徴とする請求項1乃至14のいずれか1項に記載のアキシャル・ピストンマシン。
【請求項16】
前記弾性要素(33)は、前記ハウジングのばね受け(32)に対して支持された前記第1又は第2のアクチュエータ(10,35)の作動ピストン(11)を取り囲む渦巻きばね(33)であることを特徴とする請求項15に記載のアキシャル・ピストンマシン。
【請求項17】
前記ばね受け(32)は、ポット形ハウジング部分(3)の基部と接しているか又は前記ポット形ハウジング部分(3)の前記基部からの離間距離にある接触リング(46)と接していることを特徴とする請求項16に記載のアキシャル・ピストンマシン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2010−526246(P2010−526246A)
【公表日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−506866(P2010−506866)
【出願日】平成20年5月14日(2008.5.14)
【国際出願番号】PCT/EP2008/003868
【国際公開番号】WO2008/138604
【国際公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【出願人】(501125231)ローベルト ボッシュ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (329)
【Fターム(参考)】