アクアガン
【課題】レバー操作による散水量の調整を可能としたアクアガンを提供する。
【解決手段】ハンドル12にレバー32を回動自在に支持し、シリンダ13の大径部42に連設した小径部41の入口で小径部41に連通する通流口52を構成する。シリンダ13にピストン71を移動自在に収容し、キャップ61より延出したピストン後端部72にレバー32を係止する。ピストン71にシリンダ13の通流口52に挿入される弁部75を形成し、弁部75の外周面111とシリンダ13の内周面112が対向するラップ領域113を設定する。レバー操作時にレバー32でピストン71を後退して通流口52を開口した後、レバー32の変位量121に比例してラップ領域113のラップ量114を小さくすることで、レバー32の変位量121と散水量が比例するように構成する。
【解決手段】ハンドル12にレバー32を回動自在に支持し、シリンダ13の大径部42に連設した小径部41の入口で小径部41に連通する通流口52を構成する。シリンダ13にピストン71を移動自在に収容し、キャップ61より延出したピストン後端部72にレバー32を係止する。ピストン71にシリンダ13の通流口52に挿入される弁部75を形成し、弁部75の外周面111とシリンダ13の内周面112が対向するラップ領域113を設定する。レバー操作時にレバー32でピストン71を後退して通流口52を開口した後、レバー32の変位量121に比例してラップ領域113のラップ量114を小さくすることで、レバー32の変位量121と散水量が比例するように構成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、植木や草花への散水や洗車時などに用いられるガンに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、植木や草花へ散水したり洗車をする際には、アクアガンが用いられていた。
【0003】
このアクアガンのガン本体には、握持用のハンドルが設けられており、該ハンドルには、操作用のレバーが設けられている。該レバーには、ピストンが連結されており、該ピストンの先端には、止水用の弁体が形成されている。
【0004】
この弁体は、散水用の水が通流するシリンダの通流口を開閉するように構成されており、前記レバーを操作して前記弁体で前記通流口を開閉することによって、給水路から供給された水を前記通流口を介して前記シリンダ先端の散水部から散水できるように構成されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このようなアクアガンにあっては、レバー操作によってピストンを後退した際にピストン先端の弁体が通流口を開口するように構成されている。
【0006】
このため、前記弁体が前記通流口を開口した時点で当該アクアガンから水が散水されるように構成されており、前記レバー変位量を示すレバーの開度に対する当該アクアガンからの散水される流量は、図6の特性カーブ1001に示すように、レバーの開度が所定値に達した際に増大してしまう。
【0007】
これにより、レバー操作により散水量を調整することができなかった。
【0008】
本発明は、このような従来の課題に鑑みてなされたものであり、レバー操作による散水量の調整を可能とすることができるアクアガンを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するために本発明の請求項1のガンにあっては、ガン本体に設けられたレバーを操作して、シリンダ内にてピストンを移動し前記シリンダ内を通流する水量を制御するアクアガンであって、前記ピストンのシリンダ内における長さを、前記レバーの操作始点から操作終点直前までのストローク量と同一に設定したことを特徴とするアクアガン。
【0010】
これにより、レバーのみの操作で細かい水量の制御が可能となる。
【0011】
また、請求項2のアクアガンにおいては、ガン本体に設けられたレバーを操作してピストンを作動し散水用のシリンダの通流口を開閉するアクアガンにおいて、前記シリンダの前記通流口に挿入される弁部を前記ピストンに設け、前記弁部の外周面と前記シリンダの内周面とが対向するラップ領域を設定するとともに、前記レバーの変位量に対して前記ラップ領域のラップ量が比例して変化するように設定した。
【0012】
すなわち、レバー操作に応じて作動するピストンには、散水用のシリンダの通流口に挿入される弁部が設けられており、前記弁部の外周面と前記シリンダの内周面とが対向するラップ領域が設定されている。
【0013】
このため、レバー操作に応じて前記ピストンを作動させた際には、前記レバーの変位量に応じて前記ピストンが作動することによって、前記ラップ領域のラップ量が変化し、このラップ量の変化に応じた流量の水が前記通流口を介して前記シリンダ内を通流する。
【0014】
このとき、前記レバーの変位量に対して前記ラップ領域のラップ量が比例して変化するように設定されている。このため、前記レバーの変位量に応じた流量の水を散水することができる。
【発明の効果】
【0015】
以上説明したように、本発明の請求項1のアクアガンにあっては、ピストンのシリンダ内における長さを、レバーの操作始点から操作終点直前までのストローク量と同一に設定したので、レバーのみの操作で細かい水量の制御を行うことができる。
【0016】
また、請求項2のアクアガンにおいては、レバーの変位量に応じてピストンを作動してラップ領域のラップ量を可変することで、このラップ量の変化に応じた流量の水を、通流口を介してシリンダ内を通流させ散水することができる。
【0017】
したがって、前記レバーの操作量に基づいて散水量を調整することができる。
【0018】
このとき、前記レバーの変位量に対して前記ラップ量が比例して変化するように設定されている。このため、前記レバーの操作量に比例して散水量を加減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の一実施の形態を図に従って説明する。
【0020】
図1から図3は、本実施の形態にかかるアクアガン1を示す図であり、該アクアガン1は、植木や草花へ散水したり洗車をする際に用いられるものである。
【0021】
このアクアガン1のガン本体11には、握持用のハンドル12と、該ハンドル12の上端部に連設されたシリンダ13とが一体形成されており、該シリンダ13は、先端方向へ向けて延出している。
【0022】
前記ハンドル12の基端部には、給水用のホースが接続されるように構成されており(図示省略)、当該ハンドル12内には、前記ホースから水が供給される供給路21が形成されている。前記シリンダ13の先端部には、散水部14が設けられており(図1参照)、前記供給路21から前記シリンダ13に供給された水を前記散水部14から散水できるように構成されている。
【0023】
前記ハンドル12の背面部には、図2及び図3に詳細するように、支持柱31が立設されており、該支持柱31の先端には、レバー32の上端部が回動自在に支持されている。これにより、このレバー32を前記ハンドル12と共に握持するとともに、握ることによって前記レバー32を操作できるように構成されている。
【0024】
前記シリンダ13の先端側には、小径部41が形成されており、基端側には、前記小径部41より大径の大径部42が形成されている。該大径部42は、前記供給路21に接続されており、該供給路21からの水が供給されるように構成されている。
【0025】
この大径部42と前記小径部41との間には、段差部51が形成されており、前記大径部42に連設した前記小径部41の入口は、当該小径部41に連通する通流口52を構成している。
【0026】
このシリンダ13の後端部には、キャップ61が設けられており、該キャップ61は、前記シリンダ13の後端部に螺着されている。これにより、前記大径部42の後端は、前記キャップ61によって閉鎖されている。
【0027】
このシリンダ13内には、ピストン71が収容されており、該ピストン71は、長さ方向へ移動自在に保持されている。このピストン71は、小径のピストン後端部72と、該ピストン後端部72の先端側に設けられた中径のピストン中央部73と、該ピストン中央部73より先端側に設けられた大径の大径段部74と、該大径段部74より先端側に設けられた弁部75(ピストン)とによって構成されている。
【0028】
前記ピストン後端部72は、Oリング81を介して前記キャップ61を貫通しており、該キャップ61より外側へ延出したピストン後端部72の部位には、前記レバー32の上端部が嵌合した状態で係止されている。これにより、このレバー32を前記ハンドル12と共に握持して操作することによって、当該レバー32を前記支持柱31による支持点82を中心に傾倒し、前記ピストン71を後退できるように構成されている。
【0029】
また、前記ピストン後端部72には、前記キャップ61より先端側の部位にリング状の嵌合部材91が遊嵌しており、該嵌合部材91と前記大径段部74との間には、コイルスプリング92が弾持されている。これにより、前記ピストン71は、先端方向へ向けて付勢されている。
【0030】
前記弁部75は、円筒状に形成されており、当該弁部75は、前記シリンダ13の前記通流口52に挿入される大きさに形成されている。この弁部75の基端側に形成された角部101は、前記小径部41と前記大径部42との間に形成された前記段差部51に当接するように構成されており、この状態で前記通流口52を閉鎖できるように構成されている。
【0031】
このアクアガン1では、前記弁部75の外周面111と、前記シリンダ13の前記小径部41における内周面112とが対向するラップ領域113が設定されており、前記レバー32を操作して前記ピストン71を後退するに従って、そのラップ量114が減少するように構成されている。
【0032】
このとき、当該アクアガン1においては、前記レバー32の変位量121に対して前記ラップ領域113のラップ量114が比例して変化するように構成されている。
【0033】
これにより、前記レバー32を前記ハンドル12と共に握持して操作した際に、当該レバー32先端部で前記ピストン71を後退して、前記弁部75基端側の前記角部101を前記小径部41と前記大径部42間の前記段差部51から離間することで、前記通流口52を開口した後、前記レバー32の変位量121に比例して前記ラップ領域113のラップ量114を小さくすることで、前記ラップ領域113での通流量を増加して、図4の特性カーブ131で示すように、前記レバー32の変位量121が示すレバーの開度と、前記通流口52を介して前記シリンダ13に設けられた散水部から散水される流量が比例するように構成されている。
【0034】
これによって、前記シリンダ13内嵌した前記ピストン71のシリンダ13内における長さ(ラップ量)が、前記レバー32の操作始点から操作終点直前までのストローク量(変位量)と同一に設定されている。
【0035】
以上の構成にかかる本実施の形態において、レバー操作に応じて作動するピストン71には、散水用のシリンダ13の通流口52に挿入される弁部75が設けられており、該弁部75の外周面111と前記シリンダ13の内周面112とが対向するラップ領域113が設定されている。
【0036】
このため、レバー操作に応じて前記ピストン71を作動させた際には、前記レバー32の変位量121に応じて前記ピストン71が作動することによって、前記ラップ領域113のラップ量114が変化し、このラップ量114の変化に応じた流量の水が前記通流口52を介して前記シリンダ13の小径部41内へ通流する。
【0037】
このため、前記レバー32の変位量121に応じて前記ピストン71を作動して前記ラップ領域113の前記ラップ量114を可変することで、このラップ量114の変化に応じた流量の水を、前記通流口52を介して前記シリンダ13先端側の散水部へ供給し散水することができる。
【0038】
したがって、前記レバー32の操作量に基づいて散水量を調整することができる。
【0039】
このとき、前記レバー32の変位量121に対して前記ラップ領域113のラップ量114が比例して変化するように設定されている。
【0040】
このため、前記レバー32の変位量121に応じた流量の水を散水することができ、前記レバー32の操作量に比例して散水量を加減することができる。
【0041】
すなわち、前記シリンダ13に内嵌した前記ピストン71のシリンダ13内における長さ(ラップ量114)を、前記レバー32の操作始点から操作終点直前までのストローク量(変位量121)と同一に設定したので、前記レバー32のみの操作で細かい水量の制御を行うことができる。
【0042】
なお、本実施の形態では、前記ハンドル12の背面部にレバー32が支持されたアクアガン1を示したが、この形状に限定されるものではない。
【0043】
例えば、図5に示すように、ハンドル12の前面部にレバー32が支持されたアクアガン1に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の一実施の形態を示す断面図である。
【図2】同実施の形態を示す要部の断面図である。
【図3】同実施の形態のアクアガンの全開時を示す要部の断面図である。
【図4】同実施の形態の特性カーブを示す図である。
【図5】他の実施の形態を示す断面図である。
【図6】従来のアクアガンの特性カーブを示す図である。
【符号の説明】
【0045】
1 アクアガン
11 ガン本体
12 ハンドル
13 シリンダ
32 レバー
52 通流口
71 ピストン
75 弁部
111 外周面
112 内周面
113 ラップ領域
114 ラップ量
121 変位量
【技術分野】
【0001】
本発明は、植木や草花への散水や洗車時などに用いられるガンに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、植木や草花へ散水したり洗車をする際には、アクアガンが用いられていた。
【0003】
このアクアガンのガン本体には、握持用のハンドルが設けられており、該ハンドルには、操作用のレバーが設けられている。該レバーには、ピストンが連結されており、該ピストンの先端には、止水用の弁体が形成されている。
【0004】
この弁体は、散水用の水が通流するシリンダの通流口を開閉するように構成されており、前記レバーを操作して前記弁体で前記通流口を開閉することによって、給水路から供給された水を前記通流口を介して前記シリンダ先端の散水部から散水できるように構成されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このようなアクアガンにあっては、レバー操作によってピストンを後退した際にピストン先端の弁体が通流口を開口するように構成されている。
【0006】
このため、前記弁体が前記通流口を開口した時点で当該アクアガンから水が散水されるように構成されており、前記レバー変位量を示すレバーの開度に対する当該アクアガンからの散水される流量は、図6の特性カーブ1001に示すように、レバーの開度が所定値に達した際に増大してしまう。
【0007】
これにより、レバー操作により散水量を調整することができなかった。
【0008】
本発明は、このような従来の課題に鑑みてなされたものであり、レバー操作による散水量の調整を可能とすることができるアクアガンを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するために本発明の請求項1のガンにあっては、ガン本体に設けられたレバーを操作して、シリンダ内にてピストンを移動し前記シリンダ内を通流する水量を制御するアクアガンであって、前記ピストンのシリンダ内における長さを、前記レバーの操作始点から操作終点直前までのストローク量と同一に設定したことを特徴とするアクアガン。
【0010】
これにより、レバーのみの操作で細かい水量の制御が可能となる。
【0011】
また、請求項2のアクアガンにおいては、ガン本体に設けられたレバーを操作してピストンを作動し散水用のシリンダの通流口を開閉するアクアガンにおいて、前記シリンダの前記通流口に挿入される弁部を前記ピストンに設け、前記弁部の外周面と前記シリンダの内周面とが対向するラップ領域を設定するとともに、前記レバーの変位量に対して前記ラップ領域のラップ量が比例して変化するように設定した。
【0012】
すなわち、レバー操作に応じて作動するピストンには、散水用のシリンダの通流口に挿入される弁部が設けられており、前記弁部の外周面と前記シリンダの内周面とが対向するラップ領域が設定されている。
【0013】
このため、レバー操作に応じて前記ピストンを作動させた際には、前記レバーの変位量に応じて前記ピストンが作動することによって、前記ラップ領域のラップ量が変化し、このラップ量の変化に応じた流量の水が前記通流口を介して前記シリンダ内を通流する。
【0014】
このとき、前記レバーの変位量に対して前記ラップ領域のラップ量が比例して変化するように設定されている。このため、前記レバーの変位量に応じた流量の水を散水することができる。
【発明の効果】
【0015】
以上説明したように、本発明の請求項1のアクアガンにあっては、ピストンのシリンダ内における長さを、レバーの操作始点から操作終点直前までのストローク量と同一に設定したので、レバーのみの操作で細かい水量の制御を行うことができる。
【0016】
また、請求項2のアクアガンにおいては、レバーの変位量に応じてピストンを作動してラップ領域のラップ量を可変することで、このラップ量の変化に応じた流量の水を、通流口を介してシリンダ内を通流させ散水することができる。
【0017】
したがって、前記レバーの操作量に基づいて散水量を調整することができる。
【0018】
このとき、前記レバーの変位量に対して前記ラップ量が比例して変化するように設定されている。このため、前記レバーの操作量に比例して散水量を加減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の一実施の形態を図に従って説明する。
【0020】
図1から図3は、本実施の形態にかかるアクアガン1を示す図であり、該アクアガン1は、植木や草花へ散水したり洗車をする際に用いられるものである。
【0021】
このアクアガン1のガン本体11には、握持用のハンドル12と、該ハンドル12の上端部に連設されたシリンダ13とが一体形成されており、該シリンダ13は、先端方向へ向けて延出している。
【0022】
前記ハンドル12の基端部には、給水用のホースが接続されるように構成されており(図示省略)、当該ハンドル12内には、前記ホースから水が供給される供給路21が形成されている。前記シリンダ13の先端部には、散水部14が設けられており(図1参照)、前記供給路21から前記シリンダ13に供給された水を前記散水部14から散水できるように構成されている。
【0023】
前記ハンドル12の背面部には、図2及び図3に詳細するように、支持柱31が立設されており、該支持柱31の先端には、レバー32の上端部が回動自在に支持されている。これにより、このレバー32を前記ハンドル12と共に握持するとともに、握ることによって前記レバー32を操作できるように構成されている。
【0024】
前記シリンダ13の先端側には、小径部41が形成されており、基端側には、前記小径部41より大径の大径部42が形成されている。該大径部42は、前記供給路21に接続されており、該供給路21からの水が供給されるように構成されている。
【0025】
この大径部42と前記小径部41との間には、段差部51が形成されており、前記大径部42に連設した前記小径部41の入口は、当該小径部41に連通する通流口52を構成している。
【0026】
このシリンダ13の後端部には、キャップ61が設けられており、該キャップ61は、前記シリンダ13の後端部に螺着されている。これにより、前記大径部42の後端は、前記キャップ61によって閉鎖されている。
【0027】
このシリンダ13内には、ピストン71が収容されており、該ピストン71は、長さ方向へ移動自在に保持されている。このピストン71は、小径のピストン後端部72と、該ピストン後端部72の先端側に設けられた中径のピストン中央部73と、該ピストン中央部73より先端側に設けられた大径の大径段部74と、該大径段部74より先端側に設けられた弁部75(ピストン)とによって構成されている。
【0028】
前記ピストン後端部72は、Oリング81を介して前記キャップ61を貫通しており、該キャップ61より外側へ延出したピストン後端部72の部位には、前記レバー32の上端部が嵌合した状態で係止されている。これにより、このレバー32を前記ハンドル12と共に握持して操作することによって、当該レバー32を前記支持柱31による支持点82を中心に傾倒し、前記ピストン71を後退できるように構成されている。
【0029】
また、前記ピストン後端部72には、前記キャップ61より先端側の部位にリング状の嵌合部材91が遊嵌しており、該嵌合部材91と前記大径段部74との間には、コイルスプリング92が弾持されている。これにより、前記ピストン71は、先端方向へ向けて付勢されている。
【0030】
前記弁部75は、円筒状に形成されており、当該弁部75は、前記シリンダ13の前記通流口52に挿入される大きさに形成されている。この弁部75の基端側に形成された角部101は、前記小径部41と前記大径部42との間に形成された前記段差部51に当接するように構成されており、この状態で前記通流口52を閉鎖できるように構成されている。
【0031】
このアクアガン1では、前記弁部75の外周面111と、前記シリンダ13の前記小径部41における内周面112とが対向するラップ領域113が設定されており、前記レバー32を操作して前記ピストン71を後退するに従って、そのラップ量114が減少するように構成されている。
【0032】
このとき、当該アクアガン1においては、前記レバー32の変位量121に対して前記ラップ領域113のラップ量114が比例して変化するように構成されている。
【0033】
これにより、前記レバー32を前記ハンドル12と共に握持して操作した際に、当該レバー32先端部で前記ピストン71を後退して、前記弁部75基端側の前記角部101を前記小径部41と前記大径部42間の前記段差部51から離間することで、前記通流口52を開口した後、前記レバー32の変位量121に比例して前記ラップ領域113のラップ量114を小さくすることで、前記ラップ領域113での通流量を増加して、図4の特性カーブ131で示すように、前記レバー32の変位量121が示すレバーの開度と、前記通流口52を介して前記シリンダ13に設けられた散水部から散水される流量が比例するように構成されている。
【0034】
これによって、前記シリンダ13内嵌した前記ピストン71のシリンダ13内における長さ(ラップ量)が、前記レバー32の操作始点から操作終点直前までのストローク量(変位量)と同一に設定されている。
【0035】
以上の構成にかかる本実施の形態において、レバー操作に応じて作動するピストン71には、散水用のシリンダ13の通流口52に挿入される弁部75が設けられており、該弁部75の外周面111と前記シリンダ13の内周面112とが対向するラップ領域113が設定されている。
【0036】
このため、レバー操作に応じて前記ピストン71を作動させた際には、前記レバー32の変位量121に応じて前記ピストン71が作動することによって、前記ラップ領域113のラップ量114が変化し、このラップ量114の変化に応じた流量の水が前記通流口52を介して前記シリンダ13の小径部41内へ通流する。
【0037】
このため、前記レバー32の変位量121に応じて前記ピストン71を作動して前記ラップ領域113の前記ラップ量114を可変することで、このラップ量114の変化に応じた流量の水を、前記通流口52を介して前記シリンダ13先端側の散水部へ供給し散水することができる。
【0038】
したがって、前記レバー32の操作量に基づいて散水量を調整することができる。
【0039】
このとき、前記レバー32の変位量121に対して前記ラップ領域113のラップ量114が比例して変化するように設定されている。
【0040】
このため、前記レバー32の変位量121に応じた流量の水を散水することができ、前記レバー32の操作量に比例して散水量を加減することができる。
【0041】
すなわち、前記シリンダ13に内嵌した前記ピストン71のシリンダ13内における長さ(ラップ量114)を、前記レバー32の操作始点から操作終点直前までのストローク量(変位量121)と同一に設定したので、前記レバー32のみの操作で細かい水量の制御を行うことができる。
【0042】
なお、本実施の形態では、前記ハンドル12の背面部にレバー32が支持されたアクアガン1を示したが、この形状に限定されるものではない。
【0043】
例えば、図5に示すように、ハンドル12の前面部にレバー32が支持されたアクアガン1に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の一実施の形態を示す断面図である。
【図2】同実施の形態を示す要部の断面図である。
【図3】同実施の形態のアクアガンの全開時を示す要部の断面図である。
【図4】同実施の形態の特性カーブを示す図である。
【図5】他の実施の形態を示す断面図である。
【図6】従来のアクアガンの特性カーブを示す図である。
【符号の説明】
【0045】
1 アクアガン
11 ガン本体
12 ハンドル
13 シリンダ
32 レバー
52 通流口
71 ピストン
75 弁部
111 外周面
112 内周面
113 ラップ領域
114 ラップ量
121 変位量
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガン本体に設けられたレバーを操作して、シリンダ内にてピストンを移動し前記シリンダ内を通流する水量を制御するアクアガンであって、
前記ピストンのシリンダ内における長さを、前記レバーの操作始点から操作終点直前までのストローク量と同一に設定したことを特徴とするアクアガン。
【請求項2】
ガン本体に設けられたレバーを操作してピストンを作動し散水用のシリンダの通流口を開閉するアクアガンにおいて、
前記シリンダの前記通流口に挿入される弁部を前記ピストンに設け、前記弁部の外周面と前記シリンダの内周面とが対向するラップ領域を設定するとともに、前記レバーの変位量に対して前記ラップ領域のラップ量が比例して変化するように設定したことを特徴とするアクアガン。
【請求項1】
ガン本体に設けられたレバーを操作して、シリンダ内にてピストンを移動し前記シリンダ内を通流する水量を制御するアクアガンであって、
前記ピストンのシリンダ内における長さを、前記レバーの操作始点から操作終点直前までのストローク量と同一に設定したことを特徴とするアクアガン。
【請求項2】
ガン本体に設けられたレバーを操作してピストンを作動し散水用のシリンダの通流口を開閉するアクアガンにおいて、
前記シリンダの前記通流口に挿入される弁部を前記ピストンに設け、前記弁部の外周面と前記シリンダの内周面とが対向するラップ領域を設定するとともに、前記レバーの変位量に対して前記ラップ領域のラップ量が比例して変化するように設定したことを特徴とするアクアガン。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【公開番号】特開2009−119458(P2009−119458A)
【公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−277536(P2008−277536)
【出願日】平成20年10月29日(2008.10.29)
【基礎とした実用新案登録】実用新案登録第3139028号
【原出願日】平成19年11月12日(2007.11.12)
【出願人】(391001457)アイリスオーヤマ株式会社 (146)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年10月29日(2008.10.29)
【基礎とした実用新案登録】実用新案登録第3139028号
【原出願日】平成19年11月12日(2007.11.12)
【出願人】(391001457)アイリスオーヤマ株式会社 (146)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]